JP7314473B2 - 相関関係生成方法、測定力調整方法及び表面性状測定装置 - Google Patents
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Description
〔真円度測定装置の全体構成〕
図1は実施形態に係る真円度測定装置の全体構成図である。同図に示す真円度測定装置10は、円柱形状のワーク9の真円度を測定する。被測定物のワーク9は、円板形状及び円筒形状等を適用し得る。
図2は図1に示す真円度測定装置の機能ブロック図である。制御装置19は、検出信号取得部40及び信号処理部42を備える。検出信号取得部40は、検出器18から送信される検出信号を取得する。検出信号取得部40は、検出信号記憶部44を用いて検出結果を記憶する。信号処理部42は、検出器18の検出信号を用いてワーク9の測定結果を生成する。信号処理部42は、測定結果記憶部46を用いて測定結果を記憶する。
制御装置19は、コンピュータを適用し得る。制御装置19は、以下に説明するハードウェアを用いて、規定のプログラムを実行して真円度測定装置10の機能を実現する。各制御部のハードウェアは、各種のプロセッサを適用し得る。プロセッサの例として、CPU(Central Processing Unit)が挙げられる。CPUはプログラムを実行して各種処理部として機能する。
図4はテコ式検出器の概念図である。テコ式検出器100は、接触子102、アーム104、測定力付与機構106及び変位センサ108を備える。テコ式検出器100は、被測定物110へ接触子102を接触させ、接触子102と被測定物110とを相対的に操作させ、被測定物110の表面の凹凸を検出する。接触子102は図1に示す接触子18Aに対応する。被測定物110はワーク9に対応する。
図5は図1に示す真円度測定装置に適用される検出器の構成例を示す模式図である。検出器200は、接触子202、アーム204、測定力付与機構206、変位センサ208を備える。測定力付与機構206はコイルバネ214を備える。
図6は測定力付与機構の設定値と変位センサの検出値との関係を示す模式図である。以下の手順に従って、測定力付与機構206の設定値SVごとの変位センサ208の検出値を検出する検出工程を実施する。図6では測定力付与機構206の設定値SVを模式的に図示する。まず、接触子202を自由状態にする。すなわち、接触子202を図5に示す被測定物210に対して非接触状態とする。
図7は板バネが発生させる回転モーメントの詳細説明図である。符号Larmは、アーム204の揺動支点212から変位検出位置216までの距離である。符号θは、測定力付与機構206の設定値SVがゼロの場合のアーム204に対する、測定力付与機構206の設定値SVが任意の値の場合のアーム204の角度である。
図8は板バネが発生させる測定力計算の説明図である。板バネ220の基端220Aからの距離がxの位置における変位δ(x)は、δ(x)=(P×L×x2)/[(6×B)×{3-(x/L)}]と表される。
図9は接触子に作用する測定力算出の説明図である。アーム204における揺動支点212から接触子202の位置までの距離をLtipとし、接触子202に作用する測定力をFmeasとする。
図10は測定力付与機構の設定値に対する変位センサの検出値を示すグラフである。同図に示すグラフの横軸は測定力付与機構206の設定値SVであり、縦軸は変位センサ208の検出値Dである。
〈外挿〉
測定力付与機構206の設定値SVに対する変位センサ208の検出値Dを検出する際に、変位センサ208の検出値Dが検出範囲外となる測定力付与機構206の設定値SVが存在し得る。かかる場合は、図10に示すグラフにおけるプロットを外挿して、検出範囲外となる変位センサ208の検出値Dに対応する測定力付与機構206の設定値SVを補間し得る。プロットの外挿は、多項式近似等の公知の近似法を適用し得る。
測定力付与機構206の設定値SVに対する測定力Fmeasは線形特性を有する。これにより、プロットの外挿の精度を高めることができる。ここでいう線形は、厳密な線形に限定されない。非線形であっても線形と同様の作用効果が得られる実質的な線形を適用してもよい。
測定力設定テーブル58は、真円度測定装置10の初期状態において生成し、記憶し得る。測定力設定テーブル58は、検出器200の状態及び被測定物110に応じて更新し得る。ここでいう更新は、既存のテーブルを書き替える態様及び既存のテーブルを残し、かつ新たなテーブルを追加する態様のいずれも含み得る。
図12はアームの揺動支点に適用される板バネの模式図である。図12に示す単板状板バネ300は、平板形状を有する単板から構成される。図5等に示す板バネ220は、図12に示す単板状板バネ300が適用される。
〔変位センサ検出値のゼロ点校正〕
測定力付与機構206の設定値SVを変えながら変位センサ208の検出値Dを読み取る動作において、変位センサ208の検出値Dがゼロとなる測定力付与機構206の設定値SVを検出する。これにより、測定力Fmeasが中立となる測定力付与機構206の設定値SVを検出し得る。
より低コスト、より簡易に測定力の調整及び校正が可能である。また、真円度測定装置10の設置場所における現場作業が可能であり、真円度測定装置10の実際の稼働環境において、正確な測定力の校正が可能である。また、常に最新の状態における測定力の校正値を利用し得る。これにより、真円度測定装置10の測定結果の再現性が高まり、測定の高精度化を実現し得る。
検出器200及び接触子202の個体差が存在する場合、測定力付与機構206の設定値SVと測定力Fmeasとの相関関係を真円度測定装置10の個体ごとに管理する必要がある。また、個体管理の手間が必要であり、設定ミス等の発生が懸念される。
本実施形態では、ワーク9の表面形状を測定する表面性状測定装置の一例として、ワーク9の真円度、真直度、平行度及び直角度等を測定する真円度測定装置10を例に挙げて説明したが、これに限らず、表面粗さ測定装置及び輪郭形状測定装置等の各種の表面性状測定装置であってもよい。
Claims (5)
- 接触子を具備するアームが、揺動支点において板状弾性部材を用いて揺動可能に支持され、前記揺動支点を挟んで前記接触子とは反対側の前記アームの部分に、測定力付与部を用いて付勢力を与えることにより前記アームを介して前記接触子に対して測定力を付与し、前記接触子の変位を検出する表面性状測定における相関関係生成方法であって、
前記接触子をワークに非接触にした状態で、前記付勢力に対応する前記測定力付与部の設定値を変化させながら前記アームを介して前記接触子の変位を検出する検出工程と、
前記変位の検出値と前記板状弾性部材の物性値とに基づき、前記変位を検出した際に前記接触子に付与される測定力を算出する算出工程と、
前記算出工程の算出結果に基づき、前記測定力付与部の設定値と前記測定力との相関関係を作成する作成工程と、
を含む相関関係生成方法。 - 前記相関関係は、前記測定力をFmeas、前記板状弾性部材の曲げこわさをB、前記アームにおける変位検出位置の検出値をD、前記板状弾性部材の長さをL、前記揺動支点から前記変位検出位置までの距離をLarm、前記揺動支点から前記接触子までの距離をLtipとして、
Fmeas=B×D/(L×Larm×Ltip)
を用いて導出される前記測定力が適用される請求項1に記載の相関関係生成方法。 - 請求項1に記載された相関関係生成方法で生成された前記相関関係を用いて前記測定力を調整する測定力調整方法であって、
前記測定力の値を入力する入力工程と、
前記相関関係を参照して、前記測定力の値に対応する前記測定力付与部の設定値を決定する決定工程と、
前記決定工程で決定された前記測定力付与部の設定値に基づき、前記測定力付与部を動作させて、前記接触子に対して付与する測定力を調整する調整工程と、
を含む測定力調整方法。 - 複数の前記相関関係から測定条件に応じた前記相関関係を選択する相関関係選択工程を含む請求項3に記載の測定力調整方法。
- 接触子と、
前記接触子が取り付けられるアームと、
前記アームの揺動支点において、板状弾性部材を用いて前記アームを揺動可能に支持するアーム支持部と、
前記揺動支点を挟んで前記接触子とは反対側の前記アームの部分に付勢力を与えることにより前記アームを介して前記接触子に対して測定力を付与する測定力付与部と、
前記アームを介して前記接触子の変位を検出する検出部と、
前記測定力付与部の設定値と前記測定力との相関関係が記憶される相関関係記憶部と、
を備え、
前記相関関係は、接触子をワークに非接触にした状態で、前記付勢力に対応する前記測定力付与部の設定値を変化させながら前記接触子の変位を検出し、前記変位の検出値と前記板状弾性部材の物性値とに基づき、前記変位を検出した際に前記接触子に付与される測定力を算出し、算出結果に基づき作成された前記測定力付与部の設定値と前記測定力との相関関係が適用される表面性状測定装置。
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