JP2002090133A - シャフトの測定装置およびその測定方法 - Google Patents

シャフトの測定装置およびその測定方法

Info

Publication number
JP2002090133A
JP2002090133A JP2000282221A JP2000282221A JP2002090133A JP 2002090133 A JP2002090133 A JP 2002090133A JP 2000282221 A JP2000282221 A JP 2000282221A JP 2000282221 A JP2000282221 A JP 2000282221A JP 2002090133 A JP2002090133 A JP 2002090133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
measuring
radius
axis
measured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000282221A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiaki Kikyo
千明 桔梗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000282221A priority Critical patent/JP2002090133A/ja
Publication of JP2002090133A publication Critical patent/JP2002090133A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で容易に精度よくシャフトの外形
形状自体の振れや外径を測定することができる測定装置
および測定方法を提供する。 【解決手段】 シャフトの測定装置は、シャフトをその
軸周りに回転可能に保持する保持手段と、シャフトの保
持された部分である基準位置Fα、Fγにおける軸振れ
量量Gα、Gγを測定する軸振れ量測定手段と、シャフ
トの測定位置Fβにおける基準軸線Aからの見掛けの半
径を測定する半径測定手段と、シャフトの軸周りの回転
位相を検出する回転位相検出手段と、軸振れ量測定手段
により測定された基準位置Fα、Fγにおける軸振れ量
Gα、Gγからシャフトの測定位置Fβにおける基準軸
線Aと実際の中心軸線Cとのズレ量Gβを演算して、こ
のズレ量Gβをキャンセルさせるように測定された見掛
けの半径に加味してシャフトの実際の中心軸線Cからの
半径を演算する演算手段7と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャフトの測定装
置およびその測定方法に関し、特に、軸周りに回転可能
に保持された丸棒状のシャフトの外形形状自体の振れや
外径などを測定することができる装置およびその方法、
さらには、例えばクランクシャフトにおけるカウンタウ
エイトのように、シャフトに所定間隔で形成された部分
のピッチも測定することができる装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】丸棒状のシャフトを軸周りに回転させて
その外形形状自体の振れや外径を測定する場合、V字形
の切り込みを有する治具(Vヤゲンという)や、ローリ
ングセンタあるいはコレットチャックによりシャフトの
両端を軸周りに回転可能に支持し、シャフトの中間の測
定位置の表面位置をシャフトの軸線と直交するように設
けられたダイヤルゲージなどによって測定することが従
来から行われている。
【0003】また、特開平2-77612号公報に丸材
の曲り測定方法として開示されているように、曲り測定
用のマスターを曲り測定装置で測定して、該測定装置の
回転振れのデータをコントローラに記憶した後に、該実
測値を前記回転振れデータと比較して、丸材の曲り量を
割り出すことが知られている。
【0004】一方、例えば、クランクシャフトにおける
カウンタウエイトのように、シャフトに所定間隔で形成
された部分のピッチを測定する場合には、かかるシャフ
トを所定の精度で形成したマスタを用意し、マスタの所
定間隔で形成された部分に測定プローブを接触させるこ
となどによりピッチを測定し、次いで同様に被測定シャ
フトの所定間隔で形成された部分に測定プローブを接触
させて、先に測定されたマスタのピッチと比較すること
により測定することが行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術のうち、Vヤゲンによりシャフトの両端を支持
する場合にあっては、測定しようとするシャフトの外径
の真円度が保証されていなければ、軸周りに回転させた
ときに基準軸線自体がぶれて測定値に誤差が生じるため
に、このような鍛造や鋳造によって成形されたシャフト
の測定に適用させることができないという問題があっ
た。
【0006】また、上記従来の技術のうち、ローリング
センタによりシャフトの両端を支持する場合にあって
は、シャフトの端面の基準軸線上に正確にローリングセ
ンタを当接することが困難であり、シャフトが傾いたり
偏心した状態で保持されて軸周りに回転されるため、測
定結果に誤差が生じるという問題があった。
【0007】さらに、上記従来の技術のうち、コレット
チャックによりシャフトの両端を支持する場合にあって
は、コレットチャックに対してシャフトを正確にチャッ
クさせても、コレットチャックを回転させる機構にガタ
があると、チャックを回転させることによりシャフトに
軸振れが生じて測定に誤差が生じるという問題がある。
このような問題を回避するために、コレットチャックの
回転機構のガタをなくすために、コレットチャックの回
転機構を高精度に構成することが考えられるが、このよ
うな機構を製作するためにはコストや手間がかかり、ま
た、測定を繰り返し行うことによりコレットチャックの
回転機構に摩耗が生じて、結局シャフトに軸振れが生じ
るという問題があった。
【0008】さらにまた、上記従来の技術のうち、特開
平2-77612号公報に開示された丸材の曲り測定方
法にあっては、マスターを曲り測定した後に測定しよう
とする丸材に取り替えてその曲り測定を行うものである
ため、手間がかかると共に、マスターの曲り測定時と丸
材の曲り測定時にそれぞれ同じ回転位相のときに同様の
軸振れが生じるとは限らず、割り出された丸材の曲り量
の誤差が含まれる可能性があるという問題があった。
【0009】一方、シャフトに所定間隔で形成された部
分のピッチを測定する場合において、上記従来の技術に
あっては、マスタのピッチと被測定シャフトとを取替え
る手間がかかると共に、鋳造により成形されたクランク
シャフトのカウンタウエイトのように、所定間隔で形成
された部分が抜き勾配や角部にアールを有する場合に、
測定プローブを当接する位置によって測定誤差が生じ適
切に測定することができないという問題があった。
【0010】本発明は、上述した問題に鑑みてなされた
もので、簡単な構成で容易に精度よくシャフトの外形形
状自体の振れや外径を測定することができる測定装置お
よび測定方法を提供することを目的とし、さらには、ク
ランクシャフトのカウンタウエイトのように、シャフト
に所定間隔で形成された部分のピッチを適切に測定する
こともできる装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のシャフトの測
定装置に係る発明は、上記目的を達成するため、シャフ
トの軸周りに回転可能に保持された部分を基準位置とし
て該基準位置の軸振れ量を測定する軸振れ量測定手段
と、シャフトの測定位置における基準軸線からの見掛け
の半径を測定する半径測定手段と、軸振れ量測定手段に
より測定された基準位置における軸振れ量に基づいてシ
ャフトの測定位置における基準軸線と実際の中心軸線と
のズレ量を演算して、該ズレ量を前記見掛けの半径に加
味してシャフトの半径を演算する演算手段と、を備えた
ことを特徴とするものである。
【0012】請求項2のシャフトの測定装置に係る発明
は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に
おいて、シャフトの基準位置から測定位置までの軸方向
の距離を測定する軸方向位置測定手段をさらに備えたこ
とを特徴とするものである。
【0013】また、請求項3のシャフトの測定方法に係
る発明は、上記目的を達成するため、シャフトの軸周り
に回転可能に保持された部分を基準位置として該基準位
置の軸振れ量を測定することによりシャフトの測定位置
における基準軸線と実際の中心軸線とのズレ量を求める
と共に、シャフトの測定位置における基準軸線からの見
掛けの半径を測定し、見掛けの半径に前記ズレ量を加味
してシャフトの半径を求めることを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項1の発明では、測定しようとするシ
ャフトを保持して、軸周りに回転させる。このとき、シ
ャフトの保持された部分を基準位置としてこの基準位置
の軸振れ量を軸振れ量測定手段によって測定すると共
に、シャフトの前記基準位置から軸方向の任意の距離に
設定された測定位置おける基準軸線からの見掛けの半径
を半径測定手段によって測定する。シャフトの基準位置
における軸振れ量と見掛けの半径との測定は、同時に行
うことが望ましいが、同じ回転位相のときの両測定結果
を記録して比較することができればよい。演算手段で
は、基準位置における軸振れ量に基づいてシャフトの測
定位置における基準軸線と実際の中心軸線とのズレ量を
演算して、このズレ量をキャンセルするように測定され
た見掛けの半径に加味してシャフトの実際の中心軸線か
らの半径を演算する。演算されたシャフトの半径から
は、任意の測定位置の外形形状自体の振れまたは外径の
少なくとも一方を求めることができる。シャフトの軸振
れによる影響がキャンセルされるため、シャフトの軸方
向の任意の測定位置における半径が精度よく求めること
ができるシャフトの測定装置が提供される。
【0015】請求項2の発明では、請求項1に記載の発
明において、シャフトの基準位置から測定位置までの軸
方向の距離を軸方向位置測定手段によって測定し、この
測定結果に基づいて演算手段がシャフトの測定位置にお
ける基準軸線と実際の中心軸線とのズレ量を演算する。
また、半径測定手段がシャフトの軸方向と平行に任意の
測定位置に移動可能に設けられている場合には、シャフ
トの軸方向の任意の測定位置において半径を求めること
ができるだけでなく、シャフトの所定間隔で形成された
部分を有するシャフトを測定する場合に、その部分の所
定の箇所のピッチも精度よく適切に測定することができ
るシャフトの測定装置が提供される。
【0016】また、請求項3の発明では、シャフトを保
持してその軸周りに回転させながら、シャフトの保持さ
れた部分を基準位置としてこの基準位置における軸振れ
量を測定する。そして、測定された基準位置の軸振れ量
に基づいてシャフトの測定位置における基準軸線と実際
の中心軸線とのズレ量を求めると共に、シャフトの測定
位置における基準軸線からの見掛けの半径を測定する。
シャフトの基準位置の軸振れ量と見掛けの半径との測定
は、同時に行うことが望ましいが、同じ回転位相のとき
の両測定結果を記録して比較することができればよい。
測定された基準軸線からの見掛けの半径に基準軸線と実
際の中心軸線とのズレ量をキャンセルさせるように加味
して、シャフトの実際の中心軸線からの半径を演算す
る。演算したシャフトの半径からは、任意の測定位置の
外形形状自体の振れまたは外径の少なくとも一方を求め
ることができる。シャフトの軸振れによる影響がキャン
セルされるため、シャフトの軸方向の任意の測定位置に
おける半径を精度よく求めることができるシャフトの測
定方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】最初に、本発明のシャフトの測定
装置の実施の一形態を、図1〜図6に基づいて詳細に説
明する。なお、同じ符号は、同一部分または相当する部
分とする。
【0018】本発明のシャフトの測定装置は、概略、シ
ャフトSをその軸周りに回転可能に保持する保持手段
1、2と、シャフトSの保持された部分を基準位置F
α、Fγとして、この基準位置Fα、Fγにおける軸振
れ量Gα、Gγを測定する軸振れ量測定手段3、4と、
シャフトSの測定位置Fβにおける基準軸線Aからの見
掛けの半径R’を測定する半径測定手段5と、シャフト
Sの軸周りの回転位相を検出する回転位相検出手段6
と、軸振れ量測定手段3、4により測定された基準位置
Fα、Fγにおける軸振れ量Gα、GγからシャフトS
の測定位置Fβにおける理論上の基準軸線Aと実際の中
心軸線Cとのズレ量Gβを演算して、このズレ量Gβを
キャンセルさせるように測定された見掛けの半径R’に
加味してシャフトSの実際の中心軸線Cからの半径Rθ
を演算する演算手段7と、を備えている。さらに、この
実施の形態における測定装置は、シャフトSの基準位置
Fα、Fγから測定位置Fβまでの軸方向の距離Zβを
測定する軸方向位置測定手段8を備えている。
【0019】図1に示すように、保持手段1、2は、こ
の実施の形態の場合、シャフトSの両端を把持する一対
のコレットチャックにより構成されている。コレットチ
ャック1、2は、その外周に対する中心軸線とシャフト
Sの中心軸線Cとが一致するように把持することができ
るもので、把持したシャフトSをその軸周りに回転させ
ることができるように、固定された軸受(図示は省略し
た)により支持されており、少なくとも一方のコレット
チャック1または2がモータなどの駆動源(図示は省略
した)に接続されている。
【0020】軸振れ量測定手段3,4は、この実施の形
態の場合、基準位置である座標面FαおよびFγ上のX
方向とY方向(図2を参照)に配置され、各コレットチ
ャック1、2の外周に測定子の先端が当接されたダイヤ
ルゲージ3X・3Y、4X・4Yにより構成されてい
る。ダイヤルゲージ3X・3Y、4X・4Yは、その測
定子の延長仮想線がコレットチャック1、2に保持され
たシャフトSの基準軸線である理論上の中心軸線A上で
互いに交差するように延びている。上述したように、コ
レットチャック1、2を回転駆動したときに図示しない
固定された軸受に対してガタが生じ実際のシャフトSの
中心軸線Cが基準軸線Aから移動して軸振れが発生した
場合には、X,Y両方向のダイヤルゲージ3X・3Y、
4X・4Yの測定子が伸長・退縮するようにコレットチ
ャック1、2のガタに追従移動して、測定した各コレッ
トチャック1、2のX方向とY方向の移動量αX・α
Y、γX・γY(図2)を後述するように信号として演
算手段7に出力する。なお、両コレットチャック1、2
の基準位置である座標面FαとFγとの間の軸方向の距
離Zγは、予め測定されて既知となっている。
【0021】半径測定手段5は、基準軸線Aから所定距
離だけ離間し且つその基準軸線Aと直交する座標面Fβ
上であって軸振れ量測定手段3、4のX方向の移動量を
測定するダイアルゲージ3X、4Xと平行に配置され
た、例えば基準軸線Aに向かってレーザ光線を照射する
ことにより実際のシャフトSの表面の微小な点の位置を
測定するレーザインジケータなどにより構成されてい
る。半径測定手段5により、コレットチャック1、2に
両端が把持されたシャフトSの任意の軸方向所定中間位
置に設定された測定位置である座標面Fβ上において、
図3に示すように、基準軸線Aから実際のシャフトSの
表面の微小な点の位置までのX方向の距離(見掛けの半
径)R’が計測される。
【0022】また、半径測定手段5は、基準軸線Aと平
行に軸方向へ移動駆動される支持部材(図示は省略す
る)に支持されている。支持部材に支持された半径測定
手段5が軸方向に移動されることにより、測定位置であ
る座標面Fβも軸方向に移動する。そして、一方の基準
位置である座標面Fαから半径測定手段5が配置されて
いる座標面Fβまでの軸方向の距離Zβを測定するため
に、図1に示すように、軸方向位置測定手段8が設けら
れている。軸方向位置測定手段8は、測定した距離Zβ
を信号として演算手段7に出力することが可能なもの
で、例えば支持部材に測定子が当接されたダイヤルゲー
ジなどにより構成することができる。ダイヤルゲージ8
は、その測定子が基準軸線Aと平行に配置されており、
図5および図6に基づいて後に説明するように、例えば
クランクシャフトScのカウンタウエイトC/Wなど、
シャフトSに所定の間隔で形成された部分のピッチPを
測定するために図示しない支持部材を軸方向に移動させ
る場合には、その軸方向の移動に追従して測定子が伸長
・退縮し基準位置Fαから測定位置である座標面Fβま
での距離Zβを計測して、その距離Zβの値を信号とし
て後述する演算手段7に出力する。
【0023】回転位相検出手段6は、コレットチャック
1、2に保持されたシャフトS自体の軸周りの回転位相
を直接、または、シャフトSを把持したコレットチャッ
ク1、2の回転位相を検出することによりシャフトSの
軸周りの回転を間接的に検出するもので、例えばロータ
リエンコーダなどにより構成することができる。回転位
相検出手段6は、その検出した回転位相を信号として後
述する演算手段7に出力する。
【0024】演算手段7は、図示は省略するが、上述し
た軸振れ測定手段3、4、半径測定手段5、回転位相検
出手段6、および軸方向位置測定手段8から出力された
信号をそれぞれから受け取ってデータとして記憶する記
憶部と、記憶したデータを所定の演算処理する演算部
と、演算された結果を所定の表示方法で出力する出力部
と、を備えている。演算部は、記憶部にアクセスして、
シャフトSの所定の回転位相毎の各コレットチャック
1、2のX方向とY方向の移動量αX・αY、γX・γ
Yや、見掛けの半径などを読み込んで、基準位置におけ
る軸振れ量Gα、Gγを算出し、この軸振れ量Gα、G
γから測定位置Fβにおける基準軸線Aと実際の中心軸
線Cとのズレ量Gβを演算し、このズレ量Gβを補正値
として見掛けの半径R’に加えてシャフトSの実際の中
心軸線Cからの半径Rθを演算する。この演算処理内容
は、後に詳しく説明する。出力部は、演算されたシャフ
トSの半径Rθを回転位相の順にプロットして、ディス
プレイに表示したり、紙に印刷するなど、所定の表示方
法で出力表示する。なお、演算手段7は、求められた半
径Rθから必要に応じてシャフトSの外形形状の振れや
外径などを求めることもできる。
【0025】また、例えば、図5および図6に示すよう
にクランクシャフトScの隣接するカウンタウエイトC
/Wの間隔(ピッチ)Pを測定する場合には、ジャーナ
ルJの軸周りに回転駆動させながら、ジャーナルの中心
軸線CからカウンタウエイトC/Wの外周面までの半径
を測定すると共に、クランクシャフトScの基準軸線A
と平行に半径測定手段5の位置(すなわち、測定位置で
ある座標面Fβの軸方向位置)を移動させる。そして、
演算手段7は、ジャーナルJの中心軸線Cからカウンタ
ウエイトC/Wの外周面までの半径Rが設定された所定
の値以上で測定されたときに、軸方向位置測定手段8が
測定したその軸方向の位置を必要に応じて記録しあるい
は出力する。これにより、クランクシャフトScの隣接
するカウンタウエイトC/WのピッチPは、抜き勾配や
角部に形成されたアール等に影響されること無く安定し
て精度よく測定されることとなる。なお、図6には、ク
ランクシャフトScのアームMおよびカウンタウエイト
C/Wの本発明のより測定することができる部分が実線
で示されている。
【0026】なお、本発明のシャフトの測定装置では、
上述した実施の形態に限定されることなく、例えば、シ
ャフトSの測定された半径Rからその外形形状の振れ
(半径Rの最大値と最小値)のみを求める場合には、軸
振れ量測定手段3、4としてX方向の移動量を測定する
ダイアルゲージ3X、4Xのみにより構成すると共に、
半径測定手段5として測定位置FβにおけるシャフトS
のX方向の表面に測定子が当接されてそのX方向の表面
の位置(見掛けの半径R’)を測定するダイアルゲージ
などにより構成することもできる。
【0027】次に、本発明のシャフトの測定方法を上述
した測定装置を用いた場合により、主に図7に示したフ
ローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0028】本発明のシャフトの測定方法は、概略、シ
ャフトSの回転可能に保持された部分を基準位置Fα、
Fγとしてこの基準位置Fα、Fγの軸振れ量Gα、G
γを測定することによりシャフトSの測定位置Fβにお
ける基準軸線Aと実際の中心軸線Cとのズレ量Gβを求
めると共に、シャフトSの測定位置Fβにおける基準軸
線Aからの見掛けの半径R’を測定し、見掛けの半径
R’に前記ズレ量Gβを加味してシャフトSの半径Rθ
を求めるものである。
【0029】最初に、測定しようとするシャフトSの測
定位置Fβを定めるべく、半径測定手段5を軸方向に移
動させてセットする(S1)。そして、一方の基準位置
である座標面Fαから半径測定手段5がセットされた測
定位置Fβまでの軸方向の距離Zβを軸方向位置測定手
段8によって測定する(S2)。また、両コレットチャ
ック1、2の基準位置である座標面FαとFγとの間の
軸方向の距離Zγを演算手段に入力する(S3)。さら
に、測定しようとするシャフトSの端部を一対からなる
コレットチャック1、2にセットして把持させる(S
4)。続いて、コレットチャック1、2に把持されたシ
ャフトSをその軸周りに回転駆動する(S5)。このと
き、コレットチャック1、2とこれを支持する図示しな
い軸受との間にはガタが生じており、回転駆動すること
によりコレットチャック1、2に保持されたシャフトS
に軸振れが生じる可能性がある。
【0030】なお、上述した実施の形態における測定装
置では軸方向の距離Zβの信号を演算手段7に自動的に
送信するよう軸方向位置測定手段8が構成されている
が、測定された軸方向の距離Zβの値を手動により演算
手段7に入力するように構成することもできる。また、
半径測定手段5の軸方向のセット(S1)および軸方向の
距離Zβの測定(S2)、両基準位置Fα、Fγ間の軸
方向の距離Zγの入力(S3)、コレットチャック1、
2へのシャフトSの把持(S4)を行う順序は、この実
施の形態に限定されることはない。
【0031】次に、回転位相検出手段6によって軸周り
に回転駆動されているシャフトSの回転位相を検出しな
がら(S6)、基準軸線Aに対するシャフトSの見掛け
の半径R’を半径測定手段5により測定し(S7)、同
時に、軸振れ量測定手段3、4によってコレットチャッ
ク1、2に把持されたシャフトSの基準位置Fα、Fγ
におけるX方向およびY方向の軸振れ量αX・αY、γ
X・γYを測定して基準軸線Aから実際の中心軸線の軸
振れ量Gα、Gγを求め(S8)、この基準位置Fα、
Fγにおける軸振れ量Gα、Gγに基づいてシャフトS
の測定位置Fβにおける基準軸線Aと実際の中心軸線C
とのズレ量Gβを求める(S9)。
【0032】このズレ量Gβは、基準位置Fα、Fγに
おける移動量GαおよびGγと、基準位置FαおよびF
γの間の距離Zγに対して軸方向位置測定手段8により
測定された一方の基準面である座標面Fαから測定位置
である座標面Fβの軸方向の距離Zβの比率とから求め
ることができ、さらに詳しくは次式にしたがった演算
処理を演算手段が行うことにより求められる。 Gβ=(Zβ/Zγ)Gγ+(1−Zβ/Zγ)Gα………
【0033】次いで、シャフトSとコレットチャック
1、2とが同じ回転位相のときにおける見掛けの半径
R'から、上述したように求められたシャフトSの軸振
れによる実際の中心軸線Cのズレ量Gβをキャンセルす
るように補正して、その回転位相におけるシャフトSの
実際の中心軸線Cからの半径Rθを求める(S10)。
【0034】このシャフトSの実際の中心軸線Cからの
半径Rθは、図3に示すように、半径測定手段5により
測定されたシャフトSの見掛けの半径R’と、上述した
ように求められた測定位置Fβにおける実際のシャフト
Sの中心軸線Cのズレ量GβのX方向およびY方向の成
分βX、βYとから求めることができ、さらに詳しくは
次式にしたがった演算処理を演算手段が行うことによ
り求められる。 Rθ=√((R’−βX)2+βY2)………
【0035】そして演算手段7では、回転位相検出手段
6により検出される所定回転位相毎に上述した演算処理
を行って半径Rθ0〜Rθ330を求め、図4に示すよう
に、シャフトSの各角度において求められた実際の半径
Rθ0〜Rθ330をプロットして(S11)、シャフトS
の最大半径と最小半径との幅(外形形状の振れ)や、シ
ャフトSの最大値および最小値を含む直径(外径)を求
める(S12)。図4に示した実施の形態では、演算手
段7は、シャフトSの回転位相が30度毎に半径Rθ0
〜Rθ330を求めてプロットするよう設定されている。
そして、演算手段7は、回転位相毎にプロットされた半
径Rθ0〜Rθ330のうちの最大半径と最小半径とを選択
して外形形状の振れとして出力すると共に、回転位相が
180度反対方向に位置する半径を互いに加えてシャフ
トSの直径を求め、この直径のうちの最大値と最小値と
を選択して最大直径および最小直径として出力する。
【0036】なお、(S7)において測定されたシャフ
トSの見掛けの半径R’と、(S8)において測定され
たシャフトSの基準位置Fα、Fγにおける軸振れ量G
α、Gγとは、回転位相検出手段6によって検出された
シャフトSの回転位相が同じときのものを使用する必要
があるため、両測定(S7)(S8)を同時に行うこと
が望ましいが、各回転位相毎にシャフトSの見掛けの半
径R’と軸振れ量Gα、Gγをそれぞれ個別に測定して
そのデータをそれぞれ演算手段7の記憶部に記憶させて
おき、各回転位相毎に各データを取り出して所定の演算
処理を行うようにすることもできる。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、シャフトの軸
周りに回転可能に保持された部分を基準位置として該基
準位置の軸振れ量を測定する軸振れ量測定手段と、シャ
フトの測定位置における基準軸線からの見掛けの半径を
測定する半径測定手段と、軸振れ量測定手段により測定
された基準位置における軸振れ量に基づいてシャフトの
測定位置における基準軸線と実際の中心軸線とのズレ量
を演算して、該ズレ量を前記見掛けの半径に加味してシ
ャフトの半径を演算する演算手段と、を備えたという簡
単な構成で、保持手段の支持機構のガタによる影響を受
けることなく容易に精度よくシャフトの半径や外形形状
自体の振れおよび/または外径を測定することができる
シャフトの測定装置を提供することができる。
【0038】請求項2の発明によれば、請求項1に記載
の発明において、シャフトの基準位置から測定位置まで
の軸方向の距離を測定する軸方向位置測定手段をさらに
備えたことにより、クランクシャフトのカウンタウエイ
トのように、シャフトに所定間隔で形成された部分のピ
ッチを適切に測定することもできるシャフトの測定装置
を提供することができる。
【0039】請求項3の発明によれば、シャフトの軸周
りに回転可能に保持された部分を基準位置として該基準
位置の軸振れ量を測定することによりシャフトの測定位
置における基準軸線と実際の中心軸線とのズレ量を求め
ると共に、シャフトの測定位置における基準軸線からの
見掛けの半径を測定し、見掛けの半径に前記ズレ量を加
味してシャフトの半径を求めるという簡単な構成で、シ
ャフトの回転による軸振れによる影響を受けることなく
容易に精度よくシャフトの半径や外形形状自体の振れお
よび/または外径を測定することができるシャフトの測
定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャフトの測定装置の実施の一形態を
概略的に示す平面図である。
【図2】本発明によりシャフトの測定を行う原理を説明
するための斜視図である。
【図3】本発明の測定位置において基本軸線から計測さ
れた見掛け半径に、実際のシャフトの中心軸線の軸振れ
を加味して半径を求める理屈を断面で説明するための説
明図である。
【図4】本発明により各回転位相毎に求められた半径を
プロットした状態を示す説明図である。
【図5】本発明により測定されるクランクシャフトのカ
ウンタウエイトの一部を示す説明図である。
【図6】図5に示されたカウンタウエイト部の測定が可
能な部分を実線で示す正面図である。
【図7】本発明によりシャフトを測定する手順を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
S シャフト A 基準軸線 R’ 見掛けの半径 Rθ 所定の回転位相における半径 Fα、Fγ 基準位置 Fβ 測定位置 Gα、Gγ 基準位置における軸振れ量 Gβ 測定位置におけるズレ量 1、2 保持手段 3、4 軸振れ量測定手段 5 半径測定手段 6 回転位相検出手段 7 演算手段 8 軸方向位置測定手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトの軸周りに回転可能に保持され
    た部分を基準位置として該基準位置の軸振れ量を測定す
    る軸振れ量測定手段と、 シャフトの測定位置における基準軸線からの見掛けの半
    径を測定する半径測定手段と、 軸振れ量測定手段により測定された基準位置における軸
    振れ量に基づいてシャフトの測定位置における基準軸線
    と実際の中心軸線とのズレ量を演算して、該ズレ量を前
    記見掛けの半径に加味してシャフトの半径を演算する演
    算手段と、を備えたことを特徴とするシャフトの測定装
    置。
  2. 【請求項2】 シャフトの基準位置から測定位置までの
    軸方向の距離を測定する軸方向位置測定手段をさらに備
    えたことを特徴とする請求項1に記載のシャフトの測定
    装置。
  3. 【請求項3】 シャフトの軸周りに回転可能に保持され
    た部分を基準位置として該基準位置の軸振れ量を測定す
    ることによりシャフトの測定位置における基準軸線と実
    際の中心軸線とのズレ量を求めると共に、シャフトの測
    定位置における基準軸線からの見掛けの半径を測定し、 見掛けの半径に前記ズレ量を加味してシャフトの半径を
    求めることを特徴とするシャフトの測定方法。
JP2000282221A 2000-09-18 2000-09-18 シャフトの測定装置およびその測定方法 Withdrawn JP2002090133A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000282221A JP2002090133A (ja) 2000-09-18 2000-09-18 シャフトの測定装置およびその測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000282221A JP2002090133A (ja) 2000-09-18 2000-09-18 シャフトの測定装置およびその測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002090133A true JP2002090133A (ja) 2002-03-27

Family

ID=18766771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000282221A Withdrawn JP2002090133A (ja) 2000-09-18 2000-09-18 シャフトの測定装置およびその測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002090133A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002048530A (ja) * 2000-05-26 2002-02-15 Mitsubishi Chemicals Corp 感光体ドラムの測定方法、製造方法、その製造方法で得られた感光体ドラム、それを用いた画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002048530A (ja) * 2000-05-26 2002-02-15 Mitsubishi Chemicals Corp 感光体ドラムの測定方法、製造方法、その製造方法で得られた感光体ドラム、それを用いた画像形成装置
JP4623348B2 (ja) * 2000-05-26 2011-02-02 三菱化学株式会社 感光体ドラムの測定方法、製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6149337B1 (ja) 表面形状測定装置
JP4504818B2 (ja) 加工物検査方法
JP3516630B2 (ja) 形状測定機及び形状測定方法
JP2009534198A (ja) 誤差補正の方法
JP6657552B2 (ja) 平面度測定方法
JP6671011B2 (ja) 真円度測定装置
JP2007205855A (ja) 真円度測定装置及び真円度測定方法
JPH1123255A (ja) 真円度測定機及びその検出器感度校正方法
JPH11108602A (ja) 真円度測定器
JP2017161252A (ja) 表面形状測定方法及び表面形状測定装置
JP2008008879A (ja) 測定装置、測定基準及び精密工作機械
JP5716427B2 (ja) 真円度測定装置及びその心ずれ量補正方法
JP3531882B2 (ja) 三次元測定機の測定誤差補正装置
JP6743351B2 (ja) 真円度測定機の心ずれ量算出方法及び真円度測定機
JP6893850B2 (ja) 転がり軸受直角度測定装置および転がり軸受の直角度測定方法
JP2008070181A (ja) 真円度測定装置較正治具および真円度測定装置の較正方法
JP2002090133A (ja) シャフトの測定装置およびその測定方法
JP2012154942A (ja) 真円度測定装置における心ずれ量算出方法
JP5742078B2 (ja) 真円度測定装置及びその心ずれ量補正方法、並びに心ずれ量算出方法
US20150025844A1 (en) Surface measurement apparatus and method
JP3975815B2 (ja) 3次元カム形状測定結果補正方法および3次元カムプロフィール測定装置
JP5310336B2 (ja) 測定装置
JP2018169266A (ja) 表面形状測定装置の角度補正方法及び角度補正装置
JP2012137331A (ja) 機械角度測定装置
JP2988204B2 (ja) スプラインのはめ合い誤差測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20040210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761