JP4623348B2 - 感光体ドラムの測定方法、製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機やプリンタなどの電子写真装置に用いられる感光体ドラムの振れ測定方法とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子写真装置の高解像度化、カラー化、小型化の推進により、感光体ドラムに対する高精度化要求がより高まってきている。
すなわち、感光体ドラムに曲がり(感光体ドラム自体が湾曲している状態)や軸ずれ(感光体ドラムの外周面中心と回転中心がずれている状態)があると、これら曲がりや軸ずれに起因する振れ回りにより、静電潜像形成時および転写時に、本来形成されるべき位置からの画像ずれが生じる。
より詳細に説明すると、レーザービームプリンタなどのようにポリゴンミラーを用いてレーザー走査を行なうものでは、静電潜像形成時、感光体ドラムの端部に近いほど斜めにレーザービームが入射するので、感光体ドラムに曲がりや軸ずれがあると、レーザービームの到達位置がドラム軸方向にずれる主走査方向ずれが生じる。また、感光体ドラムに曲がりや軸ずれがあると、感光体ドラムの回転中心から感光体ドラムの表面までの距離、すなわち、回転半径の違いにより、回転半径の小さい部位では感光体ドラム表面の露光系に対する移動速度が遅くなって静電潜像が詰まり、回転半径の大きい部位では感光体ドラム表面の露光系に対する移動速度が速くなって静電潜像が伸びる副走査方向ずれが生じる。
【0003】
その結果、印刷された画像に歪みが生じる。特に、タンデム型と呼ばれる、複数の感光体ドラムを平行に並べて使用するカラー複写機の場合には、位置ずれ、色ずれとして顕著化する。
他にも、発光ダイオードを露光装置として使用するものでは、焦点距離が近いことから振れ回りによる画像ぼけが生じ易く、問題が大きい。
これらの理由から感光体ドラムの高精度化、特に、回転精度に対する高精度化が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、図20に示すように、感光体ドラム12は、筒体1402の表面に感光層1404が形成されたドラム本体14と、ドラム本体14の両端に配設されるフランジ部材16、18とで構成されており、フランジ部材16,18の配設は、フランジ部材16,18の環板部1602,1802がドラム本体14の両端の嵌合穴1406に嵌め込まれ固定されることでなされている。そして、感光体ドラム12の配設は、フランジ部材16,18の軸受部1604、1804がフレーム側で回転可能に支持されることでなされている。なお、フランジ部材16,18の軸受部1604、1804が軸状である場合にはフレームの軸受穴で回転可能に支持され、あるいは、軸受部が穴状である場合にはフレーム側の軸で回転可能に支持されることになる。
前記ドラム本体14を構成する筒体1402は、多くの場合アルミ合金製であり、素材の偏肉や曲がりを合わせて数十ミクロンの振れ回りが既に存在しており、また、筒体1402各部位で微妙な内部応力差が存在するなどしていることから、生産性を高めた通常の加工精度では限界がある。
また、このような筒体1402の表面に設けられる感光層1404の厚さも、筒体1402の周方向において均一とは言い難く、厳密にはばらつきを有している。
このようなドラム本体14のさらなる高精度化も可能とは推察されるが、生産性を著しく阻害することから実現性は乏しい。
また、筒体1402の両端の嵌合穴1406も、それらの中心とドラム本体14の外周面とが高精度で一致しているとは限らず、この嵌合穴1406にフランジ部材16,18が固定され、フランジ部材16,18を介してドラム本体14が回転することから、嵌合穴1406の中心とドラム本体14の外周面中心とがずれている場合に振れ回りが生じる。
【0005】
したがって、感光体ドラム12に対する高精度化要求を満たすためには、ドラム本体14にどの程度の振れがあるかを正確に測定し、振れの程度に応じて、振れを補正して使用する、あるいは、不良品として排除するなど何らかの措置を取らなければならない。
そして、この場合、コストの削減化を図るため、ドラム本体14の振れを正確にしかも短時間でどのようにして測定するかが極めて重要な問題となる。
【0006】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、ドラム本体の振れを正確にしかも短時間で測定できるドラム本体の振れの測定方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記測定方法を利用することで高精度化要求を満たせる感光体ドラムの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の感光体ドラムにおけるドラム本体の振れの測定方法は、ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、前記ドラム本体の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線のうちの1本の母線上に沿った位置に測定点を持つように距離センサを配置し、前記ドラム本体を回転させ、ドラム本体の周方向に間隔をおいた少なくとも3箇所において、前記距離センサにより該距離センサから前記測定点までの距離を計測し、前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心量およびその偏心方向を算出することを特徴とする。
また、本発明の感光体ドラムにおけるドラム本体の振れの測定方法は、ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、前記ドラム本体の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線のうちの1本の母線上に沿った位置に測定点を持つように距離センサを配置し、前記ドラム本体を90度間隔で回転させ、ドラム本体の周方向の4箇所において、前記距離センサにより該距離センサから前記測定点までの距離を計測し、前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心量およびその偏心方向を算出し、前記演算処理は、前記仮想中心軸の位置を原点に取り、その原点と4箇所の測定点のうちの1つの測定点を通る直線をx軸とし、その原点と前記1つの測定点の隣に位置する測定点とを通る直線をy軸とした座標系を定義し、前記座標系において、前記距離センサの第1回目の計測における計測値をx1、第2回目の計測における計測値をy1、第3回目の計測における計測値をx2、第4回目の計測における計測値をy2で表し、前記仮想中心軸の位置を始点とし前記ドラム本体の外周面の仮想中心を終点とする偏心ベクトルとして((x1−x2)/2、(y1−y2)/2)を算出することでなされることを特徴とする。
また、本発明の感光体ドラムにおけるドラム本体の振れの測定方法は、ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、前記ドラム本体の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ周方向に90度の間隔をおいた2本の母線上に沿った各位置に測定点を持つように2つの距離センサを配置し、前記ドラム本体を180度間隔で回転させ、ドラム本体の周方向の2箇所において、前記2つの距離センサによりそれら2つの距離センサから前記2つ測定点までの距離を同時に計測し、前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心量およびその偏心方向を算出し、前記演算処理は、前記仮想中心軸の位置を原点に取り、その原点と一方の距離センサの測定点とを通る直線をx軸とし、その原点と他方の距離センサの測定点とを通る直線をy軸とした座標系を定義し、前記座標系において、前記一方の距離センサの第1回目の計測における計測値をx1、前記他方の距離センサの第1回目の計測における計測値をy1、前記一方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2、前記他方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2で表し、前記仮想中心軸の位置を始点とし前記ドラム本体の外周面の仮想中心を終点とする偏心ベクトルとして((x1−x2)/2、(y1−y2)/2)を算出することでなされることを特徴とする。
また、本発明の感光体ドラムの製造方法は、前記ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、前記ドラム本体の長手方向中央の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線のうちの1本の母線上に沿った位置に測定点を持つように距離センサを配置し、前記距離センサにより該距離センサから前記測定点までの距離を計測し、このような計測をドラム本体を回転させドラム本体が静止してから、ドラム本体の周方向に間隔をおいた少なくとも3箇所について行ない、前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心方向を算出し、前記偏心方向が所定の向きとなるようにドラム本体を回転させ、前記フランジ部材の前記偏心方向を、前記所定の向きに対して前記ドラム本体の偏心量と前記フランジ部材の偏心量とが打ち消し合う向きにしてフランジ部材の環板部を各端部の嵌合穴に嵌め込み固定するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の感光体ドラムの製造方法は、前記ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、前記ドラム本体の長手方向中央の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線上に沿った各位置にそれぞれ測定点を持つように2つの距離センサを配置し、前記ドラム本体が静止した後に、これら2つの距離センサによりこれら2つの距離センサから前記2本の母線上におけるドラム本体の外周面の2箇所までの距離が同時に計測され、次に、ドラム本体を180度回転させドラム本体が静止した後に前記2つの距離センサによりこれら2つの距離センサから前記2箇所とは別のドラム本体の外周面の2箇所までの距離が計測され、前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心方向を算出し、前記演算処理は、前記仮想中心軸の位置を原点に取り、その原点と一方の距離センサの測定点とを通る直線をx軸とし、その原点と他方の距離センサの測定点とを通る直線をy軸とした座標系を定義し、前記座標系において、前記一方の距離センサの第1回目の計測における計測値をx1、前記他方の距離センサの第1回目の計測における計測値をy1、前記一方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2、前記他方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2で表し、前記仮想中心軸の位置を始点とし前記ドラム本体の外周面の仮想中心を終点とする偏心ベクトルとして((x1−x2)/2、(y1−y2)/2)を算出することでなされ、前記偏心方向が所定の向きとなるようにドラム本体を回転させ、前記フランジ部材の前記偏心方向を、前記所定の向きに対して前記ドラム本体の偏心量と前記フランジ部材の偏心量とが打ち消し合う向きにしてフランジ部材の環板部を各端部の嵌合穴に嵌め込み固定するようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明のドラム本体の振れの測定方法によれば、計測時にドラム本体を回転させてもドラム本体は速やかに静止状態となり、また、計測操作も少なく、短時間にしかも正確にドラム本体の振れを測定することが可能となる。
また、本発明の感光体ドラムの製造方法によれば、偏心したドラム本体とフランジ部材から、偏心量を小さく抑えて高精度要求を満たす感光体ドラムが簡単に、しかも迅速に得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るドラム本体の振れの測定方法および感光体ドラムの製造方法を装置と共に説明する。
図1(A)は測定装置の正面図、(B)は母線と測定点との関係を示すドラム本体の平面図、図2は測定装置の側面図、図3は測定装置の平面図、図4は支持部の要部の拡大図を示す。
感光体ドラム12を構成するドラム本体14の振れの測定装置20は、基台22と、基台22上に設けられ測定すべきドラム本体14が載置される載置部24と、載置部24の両側に設けられた支持部26と、ドラム本体14の振れを測定する測定部28と備えている。
【0010】
前記載置部24は、基台22上に配設された昇降部30と、昇降部30の両側に設けられた支持壁部32と、支持壁部32で支持された2本の軸部材34と、各軸部材34に取着された支持ローラ36などにより構成されている。
前記昇降部30は、ガイド38を介して水平方向に移動可能に配設された下フレーム40と、下フレーム40上で昇降手段42を介して昇降可能に支持された上フレーム44を備える。
前記ガイド38は、図3に示すように、Y軸方向に平行して延在し、したがって、載置部24はY軸方向に移動可能である。載置部24の移動は、下フレーム40に連結された駆動手段41(図1(A)参照)により行われ、図3に示すように、載置部24は、測定位置(ア)とフランジ圧入位置(イ)との間で移動される。前記駆動手段41や昇降手段42は、例えば、エアシリンダなどを用いて構成されている。
前記両側の支持壁部32は、測定すべきドラム本体14の長さよりも大きな間隔をあけて配置され、前記2本の軸部材34は水平方向で前記ガイド38の延在方向に間隔をおき、前記ガイド38の延在方向と直角な方向(図3に示すX軸方向と平行な方向)に延在しており、2本の軸部材34はこれら支持壁部32によりその両端が回転可能に支持されている。
【0011】
前記両側の支持壁部32のうちの一方の支持壁部32では、これら2本の軸部材34のうちの一方が貫通して配設され、また、一方の支持壁部32には、これら2本の軸部材34とは別の軸部材46が回転可能に配設されている。そして、支持壁部32の外側に突出する軸部材34部分と前記軸部材46部分にそれぞれプーリ48が取着され、両プーリ48にわたりベルト50が掛装されている。
また、上フレーム44上で前記一方の支持壁部32寄りにモータ52が配設され、モータ52の出力軸と前記軸部材46は連結され、モータ52により軸部材46、プーリ48、ベルト50を介して一方の軸部材34が回転するように構成されている。
【0012】
前記支持ローラ36は、図2に示すように、各支持壁部32の内側でそれぞれドラム本体14の長手方向の両端箇所に位置するように合計4つ配設され、それぞれ軸部材34と一体に回転するように配設されている。
前記支持ローラ36は、ゴムなどのような大きな摩擦係数を有し、また、弾性を有する材料で4つとも均一な直径で形成され、その長さは、ドラム本体14の長手方向の両端箇所のみに接触するようにドラム本体14の長さに比べて充分に小さい寸法で形成されている。
また、図1(A)に示すように、各軸部材34の支持ローラ36の間にドラム本体14が載置されるように、各軸部材34の支持ローラ36の外周面間隔は、ドラム本体14の直径よりも小さい寸法となるように配設されている。
【0013】
前記両側の支持部26は、基台22上に設けられた起立壁60と、起立壁60の上部の横壁6002の先端から水平に突出するアーム62と、アーム62の先部に回転可能に配設された2つの球体64などにより構成されている。
前記起立壁60は、ガイド66を介して水平方向に移動可能に配設され、ガイド66は前記Y軸方向と直交するX軸方向に延在している。したがって、支持部26は、図3に示すように、X軸方向に移動可能であり、支持部26のX軸方向に沿った移動は駆動手段61(図2参照)により行われ、両側の支持部26は、測定位置(ウ)と待避位置(エ)との間で移動される。駆動手段61は、例えば、エアシリンダなどにより構成されている。
【0014】
前記横壁6002およびアーム62は、前記支持壁部32の上端よりも上方の箇所で水平方向に延在して設けられている。
前記アーム62は、その先端が嵌合穴1406の上部に挿入されるように、嵌合穴1406の内径よりも小さい幅で、また、嵌合穴1406の内径よりも充分に小さい厚さで形成されている。
図4(A)に断面正面図で、(B)に断面側面図で示すように、アーム62の先端上面には、上方に開放状で上部に至るにつれてその内径が大きくなる凹部68がアーム62の幅方向(Y軸方向)に間隔をおいて2つ形成され、前記球体64は前記凹部68に挿入される。
前記球体64の支持は、球体64を凹部68に挿入した後、アーム62の上面に薄板70を取着し、薄板70に形成された球体64の直径よりも小さい内径の円形孔7002から球体64の上部を薄板70の上方に突出させることで行われ、これにより球体64はアーム62の先部で、抜落不能かつ回転可能に支持されることになる。
【0015】
前記測定部28は、2個の距離センサ2802X、2802Yと、これら距離センサ2802X、2802Yによって得られた計測値に演算処理を施す演算部2804(図2参照)とを備えている。
前記距離センサ2802X、2802Yとしては、例えばレーザ干渉計を利用した高精度の距離センサを用いることができる。2個の距離センサ2802X、2802Yは、図1に示すように、駆動手段2902に連結されたセンサ支持機構2904で支持され、2個の距離センサ2802X、2802Yは、駆動手段2902によりセンサ支持機構2904を介して、下降位置である測定位置(オ)と、上昇位置である待避位置(カ)との間で昇降される。
2個の距離センサ2802X、2802Yは、測定を行うとき以外は待避位置(カ)へ移動され、測定を行うときに測定位置(オ)へ移動される。また、測定位置(オ)に位置している時には、それら距離センサ2802X、2802Yの夫々の測定点が、支持部26で支持されたドラム本体14の外周面上の、長手方向中央付近の、周方向に90度の間隔をおいた2箇所の位置に設定され、また更に、それら測定点2812X、2812Yは、図1(B)に示すように、ドラム本体14の内周面の両端部の各々2箇所ずつの支持点P(球体64が嵌合穴1406の内周面に接触する箇所)の、対応するものどうしを結んだ2本の母線B上に夫々が位置するように設定される。
【0016】
そして、2個の距離センサ2802X、2802Yによって同時に計測を行うことで、夫々の測定点2812X、2812Yにおける、各々の距離センサ2802X、2802Yからドラム本体14の外周面までの距離が同時に計測される。
2個の距離センサ2802X、2802Yからは、夫々の測定値を表すセンサ信号が出力され、それらセンサ信号は演算部2804へ供給されている。
演算部2804は、供給されたセンサ信号をコンピュータが読込可能なディジタル信号に変換する信号変換回路と、変換されたディジタル信号を読込んで処理するコンピュータとで構成されている。コンピュータは、距離センサ2804X、2802Yの測定値に対して所定の演算処理を施すことで、ドラム本体14の仮想中心軸(ドラム本体14の両端の嵌合穴1406の中心を結んだ軸線)に対する外周面の偏心量とその偏心方向とを算出する。この演算処理については後に詳しく説明する。
【0017】
次に、測定装置20によりドラム本体14の振れを測定する手順について説明する。
なお、本実施の形態では、ドラム本体14の振れの測定時、載置部24は測定位置(ア)に位置している。
まず、昇降手段42により上フレーム44を上昇させた状態とし、4つの支持ローラ36を上昇した状態とする。また、駆動手段61により両側の支持部26を待避位置(エ)に位置させ、駆動手段2902により距離センサ2802X、2802Yを待避位置(カ)に位置させる。
次に、上昇した状態にある4つの支持ローラ36の上にドラム本体14を載置させる。このドラム本体14の載置は、測定者が自ら手で行なってもよく、あるいは、機械を用いて自動的に行なってもよい。
4つの支持ローラ36の上にドラム本体14が載置されることで、ドラム本体14の長手方向両端の外周面の下面4箇所が4つの支持ローラ36の上面に接触し、ドラム本体14が支持されることになる。
【0018】
次に、駆動手段61により両側の支持部26を測定位置(ウ)に移動させ、また、駆動手段2902により距離センサ2802X、2802Yを測定位置(オ)に移動させる。
この状態を図5に正面図で、図6に側面図で示す。
支持部26が測定位置(ウ)に移動されると、ドラム本体14の両端の嵌合穴1406の内部に、球体64が嵌合穴1406の内周面に接触することなく嵌合穴1406内にアーム62の先部が挿入される。
次に、昇降手段42により上フレーム44を下降させる。これにより、図1、図2に示すように、ドラム本体14の外周面から各支持ローラ36が離れる。
同時に、ドラム本体14両側の嵌合穴1406の内周面の2箇所にそれぞれアーム62の先端の球体64が点接触し、ドラム本体14は両端の嵌合穴1406、球体64を介して4点で支持されることになる。
この場合、ドラム本体14は、その両端の嵌合穴1406内においてそれぞれ2点支持されているので、速やかに静止した状態となる。
【0019】
この静止状態で、まず、距離センサ2802X、2802Yにより、2つの距離センサ2802X、2802Yからドラム本体14の長手方向中央の外周面上面で周方向に90度の間隔をおいた2箇所までの距離が同時に計測される。
前記距離の計測後、昇降手段42により上フレーム44を上昇させる。これにより4つの支持ローラ36が上昇し、ドラム本体14の長手方向両端の外周面の下面4箇所が4つの支持ローラ36で支持されることになる。同時に、ドラム本体両側の嵌合穴1406の内周面から4つの球体64は離れる。
つぎに、モータ52を駆動し、軸部材46、プーリ48、ベルト50を介して一方の軸部材34を回転駆動させ、ドラム本体14を180度回転させる。
【0020】
つぎに、昇降手段42により上フレーム44を下降させ、前記と同様に、ドラム本体14の外周面から各支持ローラ36を離し、ドラム本体両側の嵌合穴1406の内周面の2箇所にそれぞれアーム62の先端の球体64を点接触させ、ドラム本体14を、その長手方向両端においてそれぞれ嵌合穴1406、球体64を介して2点で支持する。
この場合も、ドラム本体14は、その両端の嵌合穴1406内でそれぞれ2点支持されているので、速やかに静止した状態となる。
そして、前記と同様に、距離センサ2802X、2802Yにより、2つの距離センサ2802X、2802Yからドラム本体14の長手方向中央の外周面上面で周方向に90度の間隔をおいた2箇所までの距離が同時に計測され、これにより、2つの距離センサ2802からドラム本体14の長手方向中央の外周面の上面で周方向に90度の間隔をおいた4箇所までの距離が計測されることになる。
【0021】
そして、4箇所の計測値から、ドラム本体14の外周面の長手方向中央の偏心量とその偏心方向とが算出される。
この算出は次のように行われる。
既述の如く、2個の距離センサ2802X、2802Yの夫々の測定点2812X、2812Yは、ドラム本体14の両端部を各々2箇所ずつで支持している合計4箇所の支持点Pによって規定される90度間隔の2本の母線B上に設定されており、それら2つの測定点2812X、2812Yにおいて同時に計測が行われて2つの計測値が得られる。
また、1回目の測定を行ったならば、ドラム本体14を180度回転させて2回目の測定を行い、それら2回の測定によって合計4つの計測値が得られる。
ここで、演算のための座標系として、ドラム本体14の両端の嵌合穴1406の中心を結ぶ仮想中心軸の位置を原点に取り、その原点と一方の距離センサ2802Xの測定点とを通る直線をx軸とし、その原点と他方の距離センサ2802Yの測定点とを通る直線をy軸とした座標系を定義する。
以上のように定義した座標系において、一方の距離センサ2802Xの第1回目の計測における計測値をx1、第2回目の計測における計測値をx2で表し、他方の距離センサ2802Yの第1回目の計測における計測値をy1、第2回目の計測における計測値をy2で表すならば、ドラム本体14の仮想中心軸の位置を始点として、このドラム本体14の外周面の仮想中心を終点とする偏心ベクトルは、((x1−x2)/2、(y1−y2)/2)として求められる。
距離センサを使用した計測においては、本来、その測定点における外周面の位置が、基準となる支持点からどれほど変位しているかを直接計測することはできず、それは、その計測値に含まれている、基準となる支持点から距離センサまでの距離の成分が未知だからである。しかしながら、以上のように2回の計測を行って、180度間隔の2つの測定点における計測値を求め、それら計測値の差分を取ることによって、基準となる支持点と距離センサとの間の距離の成分が除去されて、それら計測値に含まれていた偏心に起因する成分だけが残されるため、偏心量のx成分とy成分とを算出することができるのである。
【0022】
つぎに、上記の測定方法によりドラム本体14の振れが正確に測定できることを検証する。
まず、図7(A)に正面図で、(B)に(A)のB矢視図で示すように、ドラム本体14の両側の嵌合穴1406に、それぞれVブロック102で支持されたピンゲージ104を挿入してドラム本体14を支持する。
また、ドラム本体14の長手方向中央を挟むように走査型レーザ変位計106を配置する。
そして、ドラム本体14の長手方向中央でピンゲージ104による支持点を結ぶ母線上において15度おきに合計24点の変位を走査型レーザ変位計106により測定した。測定開始点を0度位置として測定し、その後、ドラム本体14を15度回転させ、静止した後に測定し、以上の作業を繰り返して行なった。
なお、振れの比較を容易にするため、24点の変位平均を取り、平均値が原点となるように数値をオフセットした。
【0023】
ドラム本体14として、加工メーカーの異なる、外径30mm、長さ351mm、端部内径28.6mmのアルマイト管(ドラム1)と、外径30mm、長さ274mm、端部内径28.6mmのアルマイト管(ドラム2)とを、各5本ずつ合計10本(図8に示す1−1乃至1−5の5本と図9に示す2−1乃至2−5の5本との合計10本)使用した。
ピンゲージ104は外径6mmのものを使用した。
走査型レーザ変位計106はキーエンス(株)製の[LSー5040]を使用し、加算回数は768回とした。この条件において、測定時間は640msec、測定精度は±0.3ミクロン以下である。
測定結果を図8、図9に示す。
次に、上記のドラム1とドラム2とを各5本ずつ合計10本(図8に示す1−1乃至1−5の5本と図9に示す2−1乃至2−5の5本との合計10本)について前記実施の形態による測定方法を行ない、図8、図9に示す測定結果と比較することで上記の実施の形態による測定方法の精度について検証する。
【0024】
具体的には、まず、ドラム1本あたりの24点の変位データのうち、90度おきの4点、すなわち、組a(0度、90度、180度、270度)、組b(15度、105度、195度、285度)、組c(30度、120度、210度、300度)、組d(45度、135度、225度、315度)、組e(60度、150度、240度、330度)、組f(75度、165度、255度、345度)の6組の変位データにより、各座標系での偏心ベクトルを計算した。
例えば、組c(30度、120度、210度、300度)の場合、210度位置から30度位置へ向かう方向をX軸、300度位置から120度位置へ向かう方向をY軸とし、30度位置の測定値をX1、120度位置の測定値をY1、210度位置の測定値をX2、300度位置の測定値をY2とすると、偏心ベクトルは(X、Y)座標系で{(X1−X2)/2、(Y1−Y2)/2}として求められる。これを6つの組各々について行なう。
つぎに、X軸を180度位置から0度位置へ向かう方向、Y軸を270度位置から90度位置へ向かう方向に設定し、各座標で求めた6つの偏心ベクトルを(X、Y)座標系に変換することで比較できるようにした。
【0025】
その結果を図10から図19に示す。すなわち、図10から図19に示す測定結果は、図8におけるドラム1−1乃至1−5の5本と図9に示すドラム2−1乃至2−5の5本についての測定結果をそれぞれ示している。
これら図10から図19で明らかなように、10本のドラムの何れにおいても、6個の偏心ベクトルの終点位置、すなわち、測定部位断面円のほぼ中心位置は、半径および1ミクロンの誤差円内に収まっており、十分な精度を持つことが確認された。
また、1本のドラムについて計測操作は2回で済むことから、数秒での処理、例えば5秒以内での処理が可能となる。
したがって、本実施の形態にかかる測定方法によれば、短時間にしかも正確にドラム本体14の振れを測定することが可能となり、高精度要求を満たす感光体ドラムを得る上で極めて有利となる。
【0026】
なお、ドラム本体14の長手方向中央の外周面の偏心量とその偏心方向が算出されたならば、例えば、偏心量の大きさから不良品として排除するか否かを判断したり、あるいは、その偏心方向を考慮して偏心量を小さくするようにドラム本体14に補正加工を施すなどの措置を取るなど任意であるが、本実施の形態では、次のような措置が取られる。
すなわち、ドラム本体14の長手方向中央における偏心量とその偏心方向が算出されたならば、昇降手段42により上フレーム44を上昇させ、ドラム本体14を支持ローラ36で支持させ、嵌合穴1406の内周面から4つの球体64を離す。
つぎに、駆動手段61により両側の支持部26を待避位置(エ)に移動させ、また、駆動手段2902により距離センサ2802を待避位置(カ)に移動させ、モータ52を駆動し、軸部材46、プーリ48、ベルト50を介して一方の軸部材34を回転駆動させ、前記算出された偏心方向が真上(特許請求の範囲の所定の向きに相当)を向くようにドラム本体14を回転させる。
【0027】
つぎに、駆動手段41により載置部24をフランジ圧入位置(イ)に移動させる。
そして、ドラム本体14両側の嵌合穴1406にエアーシリンダなどを用いてフランジ部材16,18を圧入する。
この場合、図20で示すように、フランジ部材16、18は嵌合穴1406に嵌め込まれ固定される環板部1602、1802と、フレーム側で支持される軸受部1604、1804を備えており、フランジ部材16、18は合成樹脂製で型成形されており、環板部1602、1802の中心と軸受部1604、1804との中心とのずれの方向、すなわち偏心方向は金型固有の癖や成形条件により決まることが経験的に判明しているので、例えば、その偏心方向を前記真上とは逆向きの真下にしてドラム本体14の両側の嵌合穴1406にフランジ部材16、18を圧入すれば、ドラム本体14の偏心量とフランジ部材16、18の偏心量とを相殺させ、組み立てられた感光体ドラム12の偏心量(フランジ部材16,18の軸受部1604、1804の中心を結ぶ中心線に対する感光体ドラム12の外周面の偏心量)を小さく抑えることができ、高精度要求を満たすの感光体ドラム12が得られる。
【0028】
なお、本実施の形態では、ドラム本体14の回転時、ドラム本体14を上昇させて嵌合穴1406の内周面から球体64を離すようにしたが、嵌合穴1406の内周面に球体64を接触させた状態でドラム本体14を回転させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では嵌合穴1406の内周面の2箇所においてそれぞれ球体64を点接触させるようにしたが、例えば、球体64に代え、摩擦係数の小さい材料からなる突起などを点接触させるようにしてもよい。
また、ドラム本体14の測定箇所は、実施の形態のように4箇所に限定されず、3箇所であってもよく、あるいは、5箇所以上であってもよい。この場合、ドラム本体14の3箇所を測定する場合には、ドラム本体14の長手方向中央の外周面で、支持部材が点接触する両端の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線のうちの1本の母線上に臨むように1つの距離センサを配設し、ドラム本体14を回転させて3回測定すればよい。
なお、N回測定する場合の測定精度を確保するためには、約360度/Nごとに測定点を設け、それぞれの測定点における測定値から偏心ベクトルを求めればよい。
【0029】
本発明において用いる感光体ドラム12は、導電性支持体(筒体1402)上に感光層1404を具備してなるものである。感光層1404は、電荷発生層と電荷輸送層が別に構成されたいわゆる積層型のものと、一つの層からなる単層型のものがあるが、感度等の観点からは積層型の電子写真感光体が好ましい。特に高感度が要求されるフルカラー用の電子写真感光体においては、積層型の電子写真感光体が好適に用いられる。以下、積層型を例に挙げて感光体ドラム12を説明する。
電荷発生層に含有される電荷発生剤としては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電体、フタロシアニン類、アゾ系、キナクリドン系、多環キノン系、ペリレン系、インジゴ系、スクアリリウム色素系、アズレニウム色素系、チアピリリウム系、ベンズイミダゾール系などの有機顔料を使用することができる。特に銅、塩化インジウム、塩化カリウム、スズ、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウムなどの金属、またはその酸化物や塩化物の配位したフタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、または、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。これらのうち特にアゾ顔料又はフタロシアニン類がより好ましく、いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンが高感度を得ることができるため特に好ましい。なお、電荷発生剤は、単独で用いても2種以上を含んで用いても良い。例えば、いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンと、いわゆるβ型オキシチタニウムフタロシアニンやα型オキシチタニウムフタロシアニンの混合物を電荷発生剤として用いてもよい。
【0030】
いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンとは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に最大回折ピークを示すものである。この結晶型オキシチタニウムフタロシアニンは、一般にはY型あるいはD型と呼ばれているものであり、例えば特開昭62−67094号公報の第2図(同公報ではII型と称されている)、特開平2−8256号公報の第1図、特開昭64−82045号公報の第1図、電子写真学会誌第92巻(1990年発行)第3号第250〜258頁(同刊行物ではY型と称されている)に示されたものである。この結晶型オキシチタニウムフタロシアニンは、27.3°に最大回折ピークを示すことが特徴であるが、これ以外に通常7.4゜、9.7゜、24.2゜にピークを示す。
なお、回折ピークの強度は、結晶性、試料の配向性及び測定法により変化する場合もあるが、粉末結晶のX線回折を行う場合に通常用いられるブラッグ−ブレンダーノの集中法による測定では、上記のY型オキシチタニウムフタロシアニンは27.3°に最大回折ピークを有する。また、薄膜光学系(一般に薄膜法あるいは平行法とも呼ばれる)により測定された場合には、試料の状態によっては27.3°が最大回折ピークとならない場合があるが、これは結晶粉末が特定の方向に配向しているためと考えられる。
【0031】
電荷発生剤の分散媒としては種々の溶媒を用いてよい。例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
用いる分散媒の量は分散が充分行え、且つ分散液中に有効量の電荷発生剤が含まれる限りいかなる量でもよく、通常は分散時の分散液中の電荷発生剤の濃度にして3〜20wt%、より好ましくは4〜20wt%程度が好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としてはポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、フノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またこれらの部分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いることができる。
【0032】
結着樹脂と電荷発生剤粒子との混合方法としては例えば、電荷発生剤粒子を分散処理中に結着樹脂を粉末のまま或いはそのポリマー溶液を加え同時に分散する方法、分散液を結着樹脂のポリマー溶液中に混合する方法、或いは逆に分散液中にポリマー溶液を混合する方法等のいずれかの方法を用いてもかまわない。
次にここで得られた分散液は、塗布をするのに適した液物性にするために、種々の溶剤を用いて希釈してもかまわない。このような溶剤としては、例えば前記分散媒として例示した溶媒を使用することができる。電荷発生剤と結着樹脂との割合は特に制限はないが一般には樹脂100重量部に対して電荷発生剤が5〜500重量部の範囲より使用される。
【0033】
電荷移動層に含有される電荷移動剤としては例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキシジメタンなどの電子求引性物質、セルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。電荷移動層についても電荷発生層と同様の結着樹脂等を用いることができる。特に、電荷移動層との相溶性の高い結着樹脂を用いることが好ましい。電荷移動剤と結着樹脂との割合は結着樹脂100重量に対して電荷移動物質が5〜500重量部の範囲により電荷移動層用の分散液が調製される。
【0034】
このようにして調製された分散液を用いて、導電性支持体上に電荷発生層を形成させ、その上に電荷移動層を積層させて感光層1404を形成する。電荷発生層の膜厚は電荷移動層と積層させて感光層1404を形成する場合0.1μm〜10μmの範囲が好適であり、電荷移動層の膜厚は10〜40μmが好適である。
本発明において用いられる電子写真感光体の導電性支持体としては、特に限定されるものではないがアルミニウムまたはアルミニウム合金が好適に使用される。
アルミニウム導電性支持体の材質としては、例えば、JIS1050、JIS1070、JIS1080等の純アルミニウムまたは、AL−Mg系合金、AL−Cu系合金、AL−Si系合金、AL−Mg−Si系合金、AL−Cu−Si系合金等の種々のアルミニウム合金が挙げられ、より好ましくはAL−Mn系合金であるJIS3003、AL−Si系合金であるJIS6063等が挙げられる。なお、本発明において「アルミニウム」という時はアルミニウム合金と分けて表現しない限り、通常、アルミニウム合金も含めた総称を表す。
【0035】
これらのアルミニウム製導電性支持体の製造法は特に限定されないが、アルミニウムビレットをポートホール法、マンドレル法等により押し出し管に加工し、続いて所定の肉厚、外径寸法の円筒とするため、引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工、あるいは切削による鏡面加工を行うことで作ることができる。導電性支持体表面には引き抜き油、切削油、防錆油、空気中の各種塵埃等が付着しているため、通常、光導電層を形成する前に洗浄処理が行われる。
公知の方法で製造した導電性支持体は、完全な円筒形状であることは望めず、素材の偏肉や、曲がりを合わせ数μm〜数十μm程度の振れが存在する。この振れをより小さくすることにより電子写真感光体の精度を高めることも考えられる。しかしながら、コストが非常にかかり必ずしも現実的ではない。
導電性支持体と電荷発生層の間には通常使用されるような公知のバリアー層が設けられてもよい。また、感光層1404の外面には、表面保護層が設けられていても良い。
【0036】
バリアー層としては、例えば陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層が使用される。バリアー層の膜厚は0.1μm〜20μm、好ましくは0.1μm〜10μmの範囲で使用されるのが最も効果的である。
導電性支持体の上に設けられる電荷発生層、電荷移動層、保護層(以下この欄において「感光層1404」という)の厚さの合計としては、10μm〜50μm程度が好適に設定される。特に、感光層1404が厚い場合には、感光層1404自体のムラが生じやすく本発明がより好適に適用される。このような感光層1404の厚さとしては、20〜50μmが好ましく、25〜50μmであればより好ましく、30〜50μmであれば特に好ましい。
【0037】
本発明の感光体ドラム12を用いた画像形成装置としては、プリンター、複写機、ファクシミリ等があげられる。
本発明の電子写真感光体は、振れが少なく構成されているので、特にフルカラー用のプリンター、複写機、ファクシミリ等に好適に用いることができる。
画像形成装置には、記憶装置▲1▼、記憶装置▲2▼、記憶装置▲3▼、記憶装置▲4▼、ホッパー、スタッカー、記録媒体(用紙)を搬送する搬送路、定着ユニットが設けてある。記憶装置▲1▼〜▲4▼には、それぞれ現像ユニット(帯電器、現像器、定着器、除電器、クリーナ)、電子写真感光体、光学ユニット(露光器)が設けてある。
記録装置▲1▼は、イエロー(以下「Y」という。)の現像ユニットと、電子写真感光体と、光学ユニットを具備する。記録装置▲2▼は、マゼンダ(以下「M」という。)の現像ユニットと電子写真感光体と、光学ユニットを具備する。記録装置▲3▼は、シアン(以下「C」という。)の現像ユニットと電子写真感光体と、光学ユニットを具備する。記録装置▲4▼は、ブラック(以下「K」という)の現像ユニットと、電子写真感光体と、光学ユニットを具備する。
【0038】
ホッパーは、用紙を搬送路に提供するものである。スタッカーは、印刷済みの用紙を積み重ねて保存するものである。搬送路は、用紙を搬送するものである。定着ユニットは、電子写真感光体から用紙に転写された画像を定着するものである。
現像ユニットは、電子写真感光体に形成された潜像に現像材(Y、M、C、Kの各記録装置に対応したトナー)を与えて現像を行うものである。電子写真感光体は、得ようとする画像に応じた静電潜像を作成後、現像ユニットで現像された画像を用紙に転写するものである。光学ユニットは、各画像データ(情報)により変調されたレーザ光で電子写真感光体上を走査して静電潜像を形成するものである。
【0039】
画像形成装置の動作を以下説明する。
コロトロン、ストロコロン等の帯電器を用いて電子写真感光体表面略均一に帯電する。上位コンピュータは、画像、文字等の情報に基づき印刷指令を送る。上位コンピュータからの印刷指令時に、印刷準備が整っていなければ、装置ビズィーを応答し、印刷準備が整っていれば、データ要求を行う。上位コンピュータから、Yデータ、Mデータ、Cデータ、Kデータが送られてくると、画像形成装置の記録装置▲1▼〜▲4▼は、光学ユニットで各色データに対応して変調されたレーザ光で各電子写真感光体上を走査する。これにより、レーザ光が照射された電子写真感光体上の部分は、電荷が除去され、電子写真感光体上に静電潜像が形成される。
【0040】
その後、各現像ユニットで該電子写真感光体に形成された静電潜像にトナー等の現像材を与えて、電子写真感光体上に可視像を形成する。次に、用紙をこの可視像に重ね、用紙の裏から帯電器で現像材とは逆の電荷を用紙に与え、静電力により可視像を用紙に転写する。転写された可視像は、熱又は圧力を加え、用紙に融着させて永久像とする。かかる作業を一つの用紙に対してY、M、C、Kの各色毎に行い、用紙上にカラー画像を得る。一方、転写後の電子写真感光体上の潜像電荷は、光により除電される。また、転写されずに残った残留トナー等の現像材は、クリーナにより除去する。上記、プロセスを繰り返すことにより、連続的に画像形成を行う。
【0041】
また、用紙がホッパーで一枚ずつ搬送路におくられ、ベルト状の搬送手段で用紙が搬送される間に電子写真感光体に掲載された各色の現像済みの像を順次用紙に転写していき、定着ユニットで用紙に転写された像を定着し、最後に、スタッカーで印刷済みの用紙を積み重ねて手保管する。
なお、画像形成装置としては、各電子写真感光体上に付着した現像材(各色トナー)を、一端一つの中間転写ベルトに転写し、中間転写ベルト上で各色のトナーを合わせ、カラー可視像とした後、転写手段を用いて用紙に画像を形成するものであっても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のドラム本体の振れの測定方法によれば、計測操作も少なく、短時間にしかも正確にドラム本体の振れを測定することが可能となり、したがって、コストの削減化を図りつつ高精度化要求を満たす感光体ドラムを得る上で極めて有利となる。
また、本発明の感光体ドラムの製造方法によれば、上記の本発明の測定方法を利用することで、偏心したドラム本体とフランジ部材から、偏心量を小さく抑えて高精度要求を満たす感光体ドラムが簡単にしかも迅速に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は測定装置の正面図、(B)は母線と測定点との関係を示すドラム本体の平面図である。
【図2】測定装置の側面図である。
【図3】測定装置の平面図である。
【図4】支持部の要部の拡大図である。
【図5】支持ローラを上昇させた状態の測定装置の正面図である。
【図6】支持ローラを上昇させた状態の測定装置の側面図である。
【図7】Vブロックとピンゲージを用いてドラム本体を支持し、ドラム本体の振れを測定する際の説明図で、(A)は正面図、(B)は(A)のB矢視図である。
【図8】Vブロックとピンゲージを用いてドラム本体を支持し、測定したドラム本体の振れの結果を示す図である。
【図9】Vブロックとピンゲージを用いてドラム本体を支持し、測定したドラム本体の振れの結果を示す図である。
【図10】本発明方法により測定した、図8におけるドラム1−1の振れの結果を示す図である。
【図11】本発明方法により測定した、図8におけるドラム1−2の振れの結果を示す図である。
【図12】本発明方法により測定した、図8におけるドラム1−3の振れの結果を示す図である。
【図13】本発明方法により測定した、図8におけるドラム1−4の振れの結果を示す図である。
【図14】本発明方法により測定した、図8におけるドラム1−5の振れの結果を示す図である。
【図15】本発明方法により測定した、図9におけるドラム2−1の振れの結果を示す図である。
【図16】本発明方法により測定した、図9におけるドラム2−2の振れの結果を示す図である。
【図17】本発明方法により測定した、図9におけるドラム2−3の振れの結果を示す図である。
【図18】本発明方法により測定した、図9におけるドラム2−4の振れの結果を示す図である。
【図19】本発明方法により測定した、図9におけるドラム2−5の振れの結果を示す図である。
【図20】感光体ドラムの説明図である。
【符号の説明】
12 感光体ドラム
14 ドラム本体
1404 嵌合穴
16、18 フランジ部材
20 測定装置
24 載置部
26 支持部
28 測定部
2802X、2802Y 距離センサ
36 支持ローラ
64 球体
Claims (13)
- 長手方向の両端にそれぞれ嵌合穴が形成され、外周面に感光層が形成されたドラム本体を備える感光体ドラムにおける前記ドラム本体の振れの測定方法であって、
前記ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、
前記ドラム本体の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線のうちの1本の母線上に沿った位置に測定点を持つように距離センサを配置し、
前記ドラム本体を回転させ、ドラム本体の周方向に間隔をおいた少なくとも3箇所において、前記距離センサにより該距離センサから前記測定点までの距離を計測し、
前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心量およびその偏心方向を算出する、
ことを特徴とする感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。 - 長手方向の両端にそれぞれ嵌合穴が形成され、外周面に感光層が形成されたドラム本体を備える感光体ドラムにおける前記ドラム本体の振れの測定方法であって、
前記ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、
前記ドラム本体の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線のうちの1本の母線上に沿った位置に測定点を持つように距離センサを配置し、
前記ドラム本体を90度間隔で回転させ、ドラム本体の周方向の4箇所において、前記距離センサにより該距離センサから前記測定点までの距離を計測し、
前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心量およびその偏心方向を算出し、
前記演算処理は、
前記仮想中心軸の位置を原点に取り、その原点と4箇所の測定点のうちの1つの測定点を通る直線をx軸とし、その原点と前記1つの測定点の隣に位置する測定点とを通る直線をy軸とした座標系を定義し、
前記座標系において、前記距離センサの第1回目の計測における計測値をx1、第2回目の計測における計測値をy1、第3回目の計測における計測値をx2、第4回目の計測における計測値をy2で表し、
前記仮想中心軸の位置を始点とし前記ドラム本体の外周面の仮想中心を終点とする偏心ベクトルとして((x1−x2)/2、(y1−y2)/2)を算出することでなされる、
ことを特徴とする感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。 - 長手方向の両端にそれぞれ嵌合穴が形成され、外周面に感光層が形成されたドラム本体を備える感光体ドラムにおける前記ドラム本体の振れの測定方法であって、
前記ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、
前記ドラム本体の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ周方向に90度の間隔をおいた2本の母線上に沿った各位置に測定点を持つように2つの距離センサを配置し、
前記ドラム本体を180度間隔で回転させ、ドラム本体の周方向の2箇所において、前記2つの距離センサによりそれら2つの距離センサから前記2つ測定点までの距離を同時に計測し、
前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心量およびその偏心方向を算出し、
前記演算処理は、
前記仮想中心軸の位置を原点に取り、その原点と一方の距離センサの測定点とを通る直線をx軸とし、その原点と他方の距離センサの測定点とを通る直線をy軸とした座標系を定義し、
前記座標系において、前記一方の距離センサの第1回目の計測における計測値をx1、前記他方の距離センサの第1回目の計測における計測値をy1、前記一方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2、前記他方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2で表し、
前記仮想中心軸の位置を始点とし前記ドラム本体の外周面の仮想中心を終点とする偏心ベクトルとして((x1−x2)/2、(y1−y2)/2)を算出することでなされる、
ことを特徴とする感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。 - 前記距離の計測は、前記支持部材によりドラム本体を4点で支持し、ドラム本体が静止した後にまず1回目が行われ、次に、ドラム本体を回転させドラム本体が静止した後に2回目が行なわれ、このようにして複数回行なわれることを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 前記距離の計測は、ドラム本体の長手方向の中央において行なわれることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 前記支持部材はアームと、アームの先端に回転可能に支持された2つの球体を備え、前記各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ前記球体がそれぞれ点接触することでドラム本体が支持部材により4点で支持されることを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 互いに軸心が平行する一対の支持ローラが設けられ、前記一対の支持ローラの外周面間の間隔は前記ドラム本体の外周面の外径よりも小さい寸法に設定され、前記ドラム本体は前記一対の支持ローラの上に載置され、いずれか一方の支持ローラを回転させることでドラム本体が回転されることを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 前記ドラム本体が前記一対の支持ローラの上に載置された後、両側の嵌合穴内に接触することなく支持部材の先部が挿入され、前記支持部材の先部の挿入後、支持ローラが下降し、これにより支持ローラがドラム本体から離れると共に、前記支持部材の先部が嵌合穴の内周面に接触しドラム本体が4点で支持されることを特徴とする請求項6記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 前記ドラム本体が回転される前に、前記一対の支持ローラが上昇し、ドラム本体を持ち上げて、ドラム本体の両端の嵌合穴の内周面から支持部材が離され、ドラム本体の回転後、前記一対の支持ローラが下降し、これにより支持ローラがドラム本体から離れると共に、前記支持部材の先部が嵌合穴の内周面に接触しドラム本体が4点で支持されることを特徴とする請求項7または8記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 前記ドラム本体の支持ローラ上への載置時、前記支持部材は支持ローラから離れた待避位置に位置していることを特徴とする請求項7乃至9に何れか1項記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 前記ドラム本体の支持ローラ上への載置時、前記距離センサは支持ローラから十分に離れた待避位置に位置していることを特徴とする請求項7乃至10に何れか1項記載の感光体ドラムを構成するドラム本体の振れの測定方法。
- 外周面に感光層が形成されたドラム本体と、前記ドラム本体の両端にそれぞれ配設されるフランジ部材とからなり、前記各フランジ部材は、ドラム本体の両端の嵌合穴に嵌め込まれ固定される環板部と、軸受部とを有する感光体ドラムの製造方法であって、
前記ドラム本体はその外周面の中心が両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸から偏心しており、
前記フランジ部材はその環板部中心が軸受部中心から偏心しており、
前記ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、
前記ドラム本体の長手方向中央の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線のうちの1本の母線上に沿った位置に測定点を持つように距離センサを配置し、
前記距離センサにより該距離センサから前記測定点までの距離を計測し、このような計測をドラム本体を回転させドラム本体が静止してから、ドラム本体の周方向に間隔をおいた少なくとも3箇所について行ない、
前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心方向を算出し、
前記偏心方向が所定の向きとなるようにドラム本体を回転させ、
前記フランジ部材の前記偏心方向を、前記所定の向きに対して前記ドラム本体の偏心量と前記フランジ部材の偏心量とが打ち消し合う向きにしてフランジ部材の環板部を各端部の嵌合穴に嵌め込み固定するようにした、
ことを特徴とする感光体ドラムの製造方法。 - 外周面に感光層が形成されたドラム本体と、前記ドラム本体の両端にそれぞれ配設されるフランジ部材とからなり、前記各フランジ部材は、ドラム本体の両端の嵌合穴に嵌め込まれ固定される環板部と、軸受部とを有する感光体ドラムの製造方法であって、
前記ドラム本体はその外周面の中心が両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸から偏心しており、
前記フランジ部材はその環板部中心が軸受部中心から偏心しており、
前記ドラム本体の各端部の嵌合穴の内周面の2箇所にそれぞれ下方から支持部材を点接触させることで前記ドラム本体を4点で支持し、
前記ドラム本体の長手方向中央の外周面で前記支持部材が点接触する各端部の嵌合穴の内周面の2箇所を結ぶ2本の母線上に沿った各位置にそれぞれ測定点を持つように2つの距離センサを配置し、
前記ドラム本体が静止した後に、これら2つの距離センサによりこれら2つの距離センサから前記2本の母線上におけるドラム本体の外周面の2箇所までの距離が同時に計測され、
次に、ドラム本体を180度回転させドラム本体が静止した後に前記2つの距離センサによりこれら2つの距離センサから前記2箇所とは別のドラム本体の外周面の2箇所までの距離が計測され、
前記計測により得られた計測値に演算処理を施すことで、前記ドラム本体の両端の嵌合穴の中心を結ぶ仮想中心軸に対する前記外周面の偏心方向を算出し、
前記演算処理は、
前記仮想中心軸の位置を原点に取り、その原点と一方の距離センサの測定点とを通る直線をx軸とし、その原点と他方の距離センサの測定点とを通る直線をy軸とした座標系を定義し、
前記座標系において、前記一方の距離センサの第1回目の計測における計測値をx1、前記他方の距離センサの第1回目の計測における計測値をy1、前記一方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2、前記他方の距離センサの第2回目の計測における計測値をx2で表し、
前記仮想中心軸の位置を始点とし前記ドラム本体の外周面の仮想中心を終点とする偏心ベクトルとして((x1−x2)/2、(y1−y2)/2)を算出することでなされ、
前記偏心方向が所定の向きとなるようにドラム本体を回転させ、
前記フランジ部材の前記偏心方向を、前記所定の向きに対して前記ドラム本体の偏心量と前記フランジ部材の偏心量とが打ち消し合う向きにしてフランジ部材の環板部を各端部の嵌合穴に嵌め込み固定するようにした、
ことを特徴とする感光体ドラムの製造方法。
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