JP7312064B2 - 溶射膜被覆部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、主に半導体製造装置に用いられる構造部材としての基材の主面を覆うセラミックス溶射膜を備えた溶射膜被覆部材の製造方法に関する。
半導体製造プロセスにおいては耐プラズマ性の高い素材としてY23またはイットリウムの酸窒化物が選択されてきた。しかし、Y23は、バルク体の作製が困難なため、大きな寸法の構成部材とするにはAl等の金属基材に溶射によりコーティングする手段が用いられていた。
SiC焼結体の表面がブラスト加工処理により粗面化され、そのうえでSiC焼結体の当該表面が酸化処理され、続いてSiC焼結体の当該表面にY23溶射膜が形成される技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、SiC焼結体が酸化されることによって形成されるSiO2がY23と複合酸化物を形成し原子レベルで結合して密着している。
また、SiC基材にレーザーを照射することにより表面に薄い酸化膜SiO2層(2~20μm)を形成し、マイクロクラックを埋めるとともに、当該酸化膜およびAl23溶射膜の化学的な密着力の向上を図ることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014-162934号公報 国際公開公報 WO2016/170895
しかし、従来のSiC基材の上にY23溶射膜を形成する方法によれば、SiC基材の表面粗さが加工により調整された後、溶射膜との密着性を改善する目的で中間層にあたる酸化膜層等が別の設備で形成され、その上で溶射設備において中間層の上に溶射膜が形成されていた。このため、中間層が形成された後、溶射膜が形成されるまでの期間において中間層の活性が失われやすく、中間層および溶射膜を化学的作用により密着させる効果が十分に発揮されない可能性がある。また、中間層として形成した酸化膜(SiO2膜)は、その原料(SiO2源)および形成方法に由来して、その純度を高くすることが困難であり、半導体製造装置用の部材としての仕様には適さない場合がある。
そこで、本発明は、SiC基材とセラミックス溶射膜との密着力の向上を図りながら、半導体製造装置に用いられる環境下での使用に適している溶射膜被覆部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、SiC焼結体からなる基材と、前記基材の被溶射面を被覆するアルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニアおよびクロミアの少なくとも1種を含む酸化物または複合酸化物からなるセラミックス溶射膜と、を備えている半導体製造装置用の溶射膜被覆部材の製造方法に関する。
本発明の溶射膜被覆部材の製造方法は、表面粗さRaが0.05~1.0μmの範囲に含まれている前記被溶射面を有する前記基材を準備する工程と、前記基材の被溶射面に非酸化性ガスプラズマを照射する工程と、前記基材の被溶射面に粒子径D50が0.5~6.0μmの範囲に含まれる前記セラミックス溶射膜となるセラミックス原料粉末、および、水系の溶媒から調整されたスラリーを、非酸化性ガスを用いてプラズマ溶射することにより、前記セラミックス溶射膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の方法によれば、SiC(炭化珪素)焼結体からなる基材の被溶射面に非酸化性ガスプラズマを照射する工程、および、水系の溶媒から調整されたスラリーが非酸化性ガスを用いて基材の被溶射面にプラズマ溶射される工程が、共通の溶射設備において連続的に実施されうる。
アルミナ(Al23)、イットリア(Y23)、ジルコニア(ZrO2)、チタニア(TiO2)およびクロミア(Cr23)の少なくとも1種を含む酸化物または複合酸化物のセラミックス原料粉末および水系の溶媒により調整されたスラリーが大気中でプラズマ溶射されると、セラミックス原料粉末はプラズマにより一旦溶融されてSiC基材の上で固化する。その一方、スラリーの水分が瞬時に分解してOを供給し、例えばイットリアがセラミックス原料粉末である場合、活性化している被溶射面においてSi-O-Y-またはSi-C-O-Y-の結合手が生じ、これにY原子が化学結合してその後でY23が製膜されていくと推測される。
また、SiC焼結体からなる基材とY23等の酸化物または複合酸化物のセラミックス溶射膜(以下、単に「溶射膜」ともいう。)との間の密着境界層の純度が高く維持されている。さらに、特許文献1に開示されている粒子径5~75μmの原料粉末と比較して粒子径が小さいため、得られた溶射膜は気孔率が小さく、緻密かつ平滑な溶射膜が製膜される。その結果、耐プラズマ性およびパーティクル発生量の低減が要求され、半導体製造装置に用いられる環境下での使用に適している溶射膜被覆部材が作製できる。
本発明の一実施形態としての溶射被覆部材の製造方法のフローチャート。 第1実施形態の溶射被覆部材。 第2実施形態の溶射被覆部材。
本発明の一実施形態としての溶射被覆部材の製造方法によれば、まず、基材準備工程において、表面粗さRaが0.05~1μmの範囲に含まれている被溶射面10を有するSiC焼結体からなる基材1が準備される(図1/STEP02(図2参照))。原料粉末としてのSiC粉末および焼結助剤粉末の混合粉末が成形されることでSiC成形体が作製される。次に、SiC成形体が焼成されることによりSiC焼結体が作製される。ホットプレス法にしたがってSiC成形体が焼成されてもよい。
例えば、焼成温度は1800~2200℃の温度範囲、より好ましくは1900~2100℃の温度範囲に含まれるように調節される。焼成時間(焼成温度の保持時間)は、0.1~10時間の時間範囲に含まれるように調節される。基材1の一方の主面としての被溶射面10の表面粗さRaが0.05~1μmの範囲に含まれるように基材1の被溶射面10に対して表面処理が施される。
続いて、プラズマ照射工程において、例えば第1プラズマ溶射装置が用いられて基材1の被溶射面10に非酸化性ガスプラズマが照射される(図1/STEP04)。非酸化性ガスとしては、例えば、Arガス、H2ガスもしくはN2ガスまたはこれらの任意の組み合わせの混合ガスが用いられる。
そして、プラズマ溶射工程において、基材1の被溶射面10に粒子径D50が0.5~6μmの範囲に含まれるセラミックス原料粉末および水系溶媒から調整されたスラリーが、チューブポンプを介してノズルに供給されたのちに非酸化性ガスを用いて、第2プラズマ溶射装置が用いられてプラズマ溶射される(図1/STEP06)。セラミックス原料粉末は、アルミナ(Al23)、イットリア(Y23)、ジルコニア(ZrO2)、チタニア(TiO2)およびクロミア(Cr23)の少なくとも1種を含む酸化物または複合酸化物である。ここで用いられる非酸化性ガスは、プラズマ照射工程において用いられる非酸化性ガスと同一であってもよく、相違していてもよい。第1プラズマ溶射装置および第2プラズマ溶射装置として共通のプラズマ溶射装置が用いられる場合、プラズマ照射工程およびプラズマ溶射工程が、当該共通のプラズマ溶射装置において基材1を搬送する必要なく連続的に実施されうる。第1プラズマ溶射装置および第2プラズマ溶射装置は別個のプラズマ溶射装置であってもよい。例えば、プラズマ照射工程の終了後、0.1~120分以内にプラズマ溶射工程を開始してもよい。
これらの結果、図2に示されているように、基材1の被溶射面10を被覆する当該スラリー由来の酸化物系セラミックス溶射膜2が形成される。酸化物系セラミックス溶射膜2の厚さは50~500μmの範囲に含まれるように調節されることが好ましい。溶射膜2の厚さが50μm未満であると当該溶射膜2の耐プラズマ性が低下し、溶射膜2の厚さが500μmを超えると当該溶射膜2の内部応力が大きくなり密着力の低下または剥離が生じるためである。酸化物系セラミックス溶射膜2の気孔率は1~5%に調節されることが好ましい。
また、プラズマ溶射工程が複数回にわたり繰り返されてもよい。例えば、図3に示されているように、第1のプラズマ溶射工程により基材1の被溶射面10を被覆する第1酸化物系セラミックス溶射膜21が形成された後、第2のプラズマ溶射工程により第1酸化物系セラミックス溶射膜21の被溶射面10を被覆する第2酸化物系セラミックス溶射膜22が形成されてもよい。
(実施例)
(実施例1)
(基材準備工程)
SiC原料粉末が、CIP(冷間等方圧加圧)成形法にしたがって1ton/cm2で静水圧成形されることにより成形体が作製された。成形体が矩形板状に加工されたうえでN2雰囲気において、2000℃において3時間にわたり常圧焼成されることにより焼結体が作製された。焼結体が縦100mm×横100mm×厚さ5mmの略矩形板状(または略正方形板状)になるように加工された。また、焼結体の一方の主面が研削砥石が用いられてその表面粗さRaが0.48μmになるように研削加工された。これにより、当該研削加工面を被溶射面10として有する基材1が作製された。
(プラズマ照射工程)
第1プラズマ溶射装置が用いられて非酸化性ガスプラズマが基材1の被溶射面10に対して照射された。非酸化性ガスとして、Arガス、N2ガスおよびH2ガスの混合ガスが用いられた。溶射装置を構成するノズルに対するArガスの供給量が100l/minに制御され、N2ガスの供給量70l/minに制御され、かつ、H2ガスの供給量が70l/minに制御された。
第1プラズマ溶射装置を構成するノズルに対する印加電流が250Aに制御されることにより、当該ノズルへの供給電力が65kWに調節された。ノズルの先端と基材1の被溶射面10との間隔が75mmに調節された。基材1に対するノズルの走査速度または変位速度が850mm/sに調節された。これにより、Arガス、N2ガスおよびH2ガスの混合ガスのプラズマが生成され、当該プラズマがノズルの先端から基材1の被溶射面10に対して照射または噴射された。
(プラズマ溶射工程)
第1プラズマ溶射装置がそのまま第2プラズマ溶射装置として用いられてY23スラリーが非酸化性ガスを用いて基材1の被溶射面10に対してプラズマ溶射された。粒子径D50が3μmである純度99.9%以上のY23原料粉末300gと、水700gと、によりY23スラリーが調整された。非酸化性ガスとして、Arガス、N2ガスおよびH2ガスの混合ガスが用いられた。溶射装置を構成するノズルに対するArガスの供給量が100l/minに制御され、N2ガスの供給量70l/minに制御され、かつ、H2ガスの供給量が70l/minに制御された。これにより、溶射速度が600~700mm/sに制御された。
第2プラズマ溶射装置を構成するノズルに対する印加電流が250Aに制御されることにより、当該ノズルへの供給電力が65kWに調節された。ノズルの先端と基材1の被溶射面10との間隔が75mmに調節された。基材1に対するノズルの走査速度または変位速度が850mm/sに調節された。これにより、Arガス、N2ガスおよびH2ガスの混合ガスのプラズマが生成され、当該プラズマにより溶融された原料粉末がノズルの先端から基材1の被溶射面10に対して噴射された。これにより、基材1の被溶射面10が厚さ150μmの溶射膜2により被覆されている実施例1の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例2)
基材準備工程(図1/STEP02参照)において被溶射面10の表面粗さRaが0.7μmの基材1が準備されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例2の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例3)
基材準備工程(図1/STEP02参照)において被溶射面10の表面粗さRaが0.97μmの基材1が準備されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例3の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例4)
基材準備工程(図1/STEP02参照)において被溶射面10の表面粗さRaが0.12μmの基材1が準備されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例4の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例5)
基材準備工程(図1/STEP02参照)においてSiC焼結体の一方の主面が研削加工されたうえで砥粒を用いた研磨加工がされることにより被溶射面10の表面粗さRaが0.06μmの基材1が準備されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例5の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例6)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)において粒径D50が0.5μmのY23原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがっ て、実施例6の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例7)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)において粒径D50が1μmのY23原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例7の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例8)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)において粒径D50が4.5μmのY23原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例8の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例9)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)において粒径D50が6μmのY23原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例9の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例10)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)においてAl23原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例10の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例11)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)においてY3Al512(YAG)原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例11の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例12)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)においてY23を8重量%含む安定化ジルコニア粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例12の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例13)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)においてTiO2原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例13の溶射膜被覆部材が形成された。
(実施例14)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)においてCr23原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、実施例14の溶射膜被覆部材が形成された。
(比較例)
(比較例1)
プラズマ照射工程(図1/STEP04参照)が省略されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例1の溶射膜被覆部材が形成された。
(比較例2)
プラズマ照射工程(図1/STEP04参照)において酸化性ガスプラズマが用いられた。酸化性ガスとして、Arガス、N2ガスおよびO2ガスの混合ガスが用いられた。溶射装置を構成するノズルに対するArガスの供給量が100l/minに制御され、N2ガスの供給量70l/minに制御され、かつ、O2ガスの供給量が70l/minに制御された。これ以外は、実施例1と同一条件にしたがって、比較例2の溶射膜被覆部材が形成された。
(比較例3)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)において湿式溶射ではなく乾式溶射が採用された。粒径D50が30μmのY23原料粉末または顆粒が用いられ、アクセルガスとしてO2ガスが用いられた。溶射装置を構成するノズルに対するO2ガスの供給量が5l/minに制御された。溶射原料速度が250~300m/sに制御された。
第2プラズマ溶射装置を構成するノズルに対する印加電流が100~110Aの範囲で制御されることにより、当該ノズルへの供給電力が50~60kWに調節された。ノズルの先端と基材1の被溶射面10との間隔が80mmに調節された。基材1に対するノズルの走査速度または変位速度が100~1000mm/sの範囲に含まれるように調節された。
これら以外は、実施例1と同一条件にしたがって、比較例3の溶射膜被覆部材が形成された。
(比較例4)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)において水ではなくエタノールを溶媒としてスラリーが調整された。これ以外は、実施例1と同一条件にしたがって、比較例4の溶射膜被覆部材が形成された。
(比較例5)
基材準備工程(図1/STEP02参照)において焼結体の一方の主面をサンドブラス ト加工することにより被溶射面10の表面粗さRaが1.9μmの基材1が準備されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例5の溶射膜被覆部材が形成された。
(比較例6)
プラズマ溶射工程(図1/STEP06参照)において粒径D50が9μmのY23原料粉末が用いられてスラリーが調整されたほかは、実施例1と同一条件にしたがって、比較例6の溶射膜被覆部材が形成された。
各実施例および各比較例の溶射膜被覆部材を構成する溶射膜2の厚さが渦電流膜厚計により測定された。各実施例および各比較例の溶射膜被覆部材を構成する基材1および溶射膜2の密着力がJIS H8402に準拠して基材1に溶射膜2が形成されたφ25mmの試験片を用いて測定された。表1には、各実施例および各比較例の溶射膜被覆部材の当該測定結果が製造条件とともに示されている。
Figure 0007312064000001
表1から、実施例1~14の溶射膜被覆部材によれば、(1)基材1の被溶射面10の表面粗さRaが0.05~1μmの範囲に含まれていること、(2)基材1の被溶射面10に非酸化性ガスプラズマが照射されていること、および(3)基材1の被溶射面10に粒子径D50が0.5~6μmの範囲に含まれる酸化物系セラミックス原料粉末および水系の溶媒から調整されたスラリーが、非酸化性ガスを用いてプラズマ溶射されることにより酸化物系セラミックス溶射膜2が成膜されている。これにより、実施例1~14の溶射膜被覆部材によれば、基材1および溶射膜2の密着力が9.6~18.5MPaであることがわかる。
その一方、表1から、各比較例1~6の溶射膜被覆部材は、各実施例1~11の溶射被覆部材のいずれよりも、基材1および溶射膜2の密着力が低いことがわかる。
基材1の被溶射面10にガスプラズマが照射されないまま原料粉末スラリーがプラズマ溶射されて得られた比較例1の溶射膜被覆部材によれば、基材1および溶射膜2の密着力が4.8MPaであった。基材1の被溶射面10に非酸化性ガスプラズマではなく酸化性ガスプラズマが照射されたうえで原料粉末スラリーがプラズマ溶射されて得られた比較例2の溶射膜被覆部材によれば、基材1および溶射膜2の密着力が3.5MPaであった。基材1の被溶射面10に湿式溶射ではなく乾式溶射が実施されて得られた比較例3の溶射膜被覆部材によれば、基材1および溶射膜2の密着力が1.2MPaであった。基材1の被溶射面10に水ではなくエタノールを溶媒として調整されたスラリーがプラズマ溶射されて得られた比較例4の溶射膜被覆部材によれば、基材1および溶射膜2の密着力が2.5MPaであった。表面粗さRaが1.9μmであって0.05~1.0μmから外れている基材1の被溶射面10に原料粉末スラリーがプラズマ溶射されて得られた比較例5の溶射膜被覆部材によれば、基材1および溶射膜2の密着力が8.5MPaであった。粒径D50が9μmであって0.5~6.0μmの範囲から外れている原料粉末から調整されたスラリーがプラズマ溶射されて得られた比較例6の溶射膜被覆部材によれば、溶射膜2が割れてしまい基材1にそもそも密着しなかった。
1‥基材、2‥酸化物系セラミックス溶射膜、10‥被溶射面、21‥第1酸化物系セラミックス溶射膜、22‥第2酸化物系セラミックス溶射膜。

Claims (1)

  1. SiC焼結体からなる基材と、前記基材の被溶射面を被覆するアルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニアおよびクロミアの少なくとも1種を含む酸化物または複合酸化物からなるセラミックス溶射膜と、を備えている半導体製造装置用の溶射膜被覆部材の製造方法であって、
    表面粗さRaが0.05~1.0μmの範囲に含まれている前記被溶射面を有する前記基材を準備する工程と、
    前記基材の被溶射面に非酸化性ガスプラズマを照射する工程と、
    前記基材の被溶射面に粒子径D50が0.5~6.0μmの範囲に含まれる前記セラミックス溶射膜となるセラミックス原料粉末、および、水系の溶媒から調整されたスラリーを、非酸化性ガスを用いてプラズマ溶射することにより、前記セラミックス溶射膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする溶射被覆部材の製造方法。
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