JP2019127598A - 溶射部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材と溶射膜との密着強度の向上を図ることが可能な溶射部材の製造方法を提供する。【解決手段】メディアン径D50が0.1[μm]以上6[μm]以下の溶射粒子11を準備する溶射粒子準備工程S1と、表面12aの算術平均高さSa[μm]が0.04×D50≦Sa≦1.4×D50を満たす基材12を準備する基材準備工程S2と、基材12の表面12aに溶射粒子11を溶射することにより基材12の表面12aに溶射膜13を形成する溶射膜形成工程S3とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、溶射部材の製造方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイスなどを製造する場合、Siウエハやガラス基板に形成された所定の膜をCFなどのハロゲン系の腐食性ガスを用いプラズマ環境下で処理するドライエッチングなどの工程が存在する。そこで、近年、半導体デバイス、液晶デバイスなどの製造装置において、プラズマ環境下で腐食ガスに曝されるチャンバーや各種部材を構成するAlなどの金属材料からなる基材の腐食を防止するために、基材の表面に耐食性を有するYなどからなる溶射膜を形成することがある。
例えば、特許文献1には、アルミナからなる基材の表面粗さRaを5μm〜15μmとした面に、Y又はYAGを溶射して耐プラズマ層(溶射膜)を形成することが記載されている。特許文献1には、さらに、酸性エッチング液を用いてケミカルエッチング処理したアルミナからなる基材の面に、Y又はYAGを溶射して耐プラズマ層を形成することが記載されている。
特開2005−225745号公報
しかしながら、基材と溶射膜との密着強度が十分ではないという課題があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、基材と溶射膜との密着強度の向上を図ることが可能な溶射部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材の表面に溶射膜が形成された溶射部材の製造方法であって、メディアン径D50が0.1[μm]以上6[μm]以下の溶射粒子を準備する工程と、前記表面の算術平均高さSa[μm]が0.04×D50≦Sa≦1.4×D50を満たす前記基材を準備する工程と、前記基材の表面に前記溶射粒子を溶射することにより前記基材の表面に前記溶射膜を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、メディアン径D50が0.1[μm]以上6[μm]以下と溶射粒子が小さいので、溶射において、溶融状態の溶射粒子が基材の表面に衝突して付着する際に、溶射粒子と基材との間に隙間が生じ難いので、基材と溶射膜との密着強度の向上を図ることが可能となる。
さらに、このような小さな溶射粒子を用いて溶射する場合、溶射粒子の運動の慣性が小さくキャリアガスの反流の影響を受けやすいが、基材の表面の算術平均高さSa[μm]が0.04×D50≦Sa≦1.4×D50と適当に小さいので、反流の影響が抑制され、基材の表面に十分な衝突力を有して衝突する溶射粒子の割合が大きくなるため、基材の表面に付着する溶射粒子の割合が低下することの抑制を図ることが可能となる。
本発明において、前記基材の表面は、スキューネスSskが−0.9未満、且つ、クルトシスSkuが4を超えることが好ましい。
この場合、基材の表面のスキューネスSskが−0.9未満であるので、基材の表面には細かい谷が多く存在し、この谷に溶融状態の溶射粒子が入り込み、谷内で溶射粒子が固化する。そのため、基材と溶射膜との密着強度のさらなる向上を図ることが可能となる。
さらに、基材の表面のクルトシスSkuが4を超えるので、基材の表面には鋭い山や谷が多く存在する。そのため、特に谷の深い部分でのV字角度が鋭くなるので、基材と溶射膜との密着強度のさらなる向上を図ることが可能となる。
また、本発明において、例えば、前記基材は、アルミナ、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記溶射粒子は酸化イットリウムからなることが好ましい。
また、本発明において、例えば、前記溶射粒子を溶媒に分散させたスラリーの形態でプラズマ炎流又は燃焼炎ジェット流に供給することにより、前記溶射を行うが好ましい。
また、本発明において、例えば、前記基材と前記溶射膜の密着強度が20[MPa]以上であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る溶射部材の製造方法を模式的に示す図であり、図1Aは溶射膜形成工程を示し、図1Bは溶射膜形成工程完了後を示す。 本発明の実施形態に係る溶射部材の製造方法のフローチャート。 溶融状態の溶射粒子が基材の表面に付着する形態を模式的に示す図であり、図3Aは溶射粒子が大きい場合、図3Bは溶射粒子が小さい場合を示す。 溶射粒子がキャリアガスの反流の影響を受けることを模式的に示す図。 溶射粒子が基材の表面の深い谷に入り込んだ状態を模式的に示す図。
本発明の実施形態に係る溶射部材10の製造方法について説明する。
この製造方法は、図1及び図2を参照して、溶射粒子11を準備する溶射粒子準備工程S1(STEP1)と、基材12を準備する基材準備工程S2(STEP2)と、基材12の表面12aに溶射膜13を形成する溶射膜形成工程S3(STEP3)とを備える。これにより、基材12の表面12aに溶射膜13が形成された溶射部材10が製造される。
溶射粒子準備工程S1においては、溶射の粉末原料である溶射粒子11として、メディアン径D50が0.1[μm]以上6[μm]以下のものを用意する。なお、メディアン径D50とは、積算値で50%の粒子径(粒度)を意味する。
溶射膜形成工程S3における溶射において、基材12の表面12aに衝突する溶射粒子11が大きいと、図3Aに模式的に示すように、溶融状態の溶射粒子11がブリッジするようにつぶれた形態で基材12の表面12aに付着するため、基材12と溶射膜13との間に隙間が生じやすい。
これに対して、溶射粒子11が小さいと、図3Bに模式的に示すように、溶融状態の溶射粒子11が基材12の表面12aに衝突して付着する際、溶射粒子11と基材12との間に隙間が生じ難い。そのため、溶射粒子11と基材12とが実質的に接触して密着する面積が大きくなるので、密着強度が増加する。よって、溶射粒子11を小さくすれば、密着強度が大きくなると本願の発明者は推測した。
具体的には、溶射粒子11のメディアン径D50が6[μm]以下、より好ましくは4[μm]以下であれば、密着強度が好ましいものとなるものとなる。
なお、上記の推測は、基材12の表面12aに堆積された溶射粒子11同士に関しても同様であり、溶射粒子11のメディアン径D50が6[μm]以下であると、溶射粒子11同士の間に生じる隙間が小さくなり、溶射膜13の緻密性の向上を図ることも可能となると推測される。
なお、溶射粒子11のメディアン径D50が0.1[μm]未満であると、溶射粒子11が細かすぎて基材12の表面12aに堆積されずに飛散するものが多くなり、材料効率が劣るので好ましくない。
本実施形態において、溶射粒子11は、酸化イットリウム(Y)からなる。ただし、溶射粒子11は、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、フッ化イットリウム(YF)、オキシフッ化イットリウム(YOF)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ−ジルコニア(Al−ZrO)又はスピネル(MgAl)であってもよく、さらに、酸化イットリウム(Y)、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、フッ化イットリウム(YF)又はオキシフッ化イットリウム(YOF)にアルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ−ジルコニア(Al−ZrO)、スピネル(MgAl)などを混合したもの、又はこの混合物を主成分とするものであってもよい。
基材準備工程S2においては、基材12として、表面12aの算術平均高さSa[μm]が0.04×D50≦Sa≦1.4×D50を満たすものを準備する。
溶射膜形成工程S3における溶射において、基材12の表面12aの算術平均高さSaがメディアン径D50に比べ大き過ぎると、図4に模式的に示すように、溶射ガンよりキャリアガスにのせて吐出された溶融状態の溶射粒子11が基材12との衝突時に表面12aの形状に起因するキャリアガスの反流の影響を受ける。そのため、算術平均高さSaを適当に小さくして反流の影響を抑制し、基材12の表面12aに十分な衝突力を有して衝突する溶射粒子11の割合を大きくすることにより、基材12の表面12aに付着する溶射粒子11の割合を大きくすることができると本願の発明者は推測した。
特に溶射粒子のメディアン径D50が6[μm]以下のような細かな粒子である場合には粒子の運動の慣性が小さくキャリアガスの反流の影響を受けやすい。そのため、溶射粒子11のメディアン径D50と基材12の表面12a粗さとの間に一定の関係が必要になると本願の発明者は推測した。
さらに、基材12の表面12aは、スキューネス(偏り度)Sskが負の値であることが好ましく、スキューネスSskが−0.9未満であることがより好ましい。スキューネスSskは、高さ分布の対称性を示す指標であり、スキューネスSskが負の値である場合、表面12aに細かい谷が多いことをあらわす。そして、スキューネスSskの絶対値の値が大きいほど、谷が深いことを意味する。
図5に模式的に示すように、表面12aに存在する細かい谷に溶融状態の溶射粒子11が入り込み、この谷内で溶射粒子11が固化する。そして、固化した溶射粒子11が基材12に圧縮応力を及ぼし、その結果として、基材12と固化した溶射粒子11間に働く摩擦力が大きくなるので、基材12と溶射膜13との密着強度の向上が図られると推測される。そのため、上述したように、スキューネスSskは負の値であることが好ましい。
さらに、スキューネスSskが負の値であってその絶対値が大きいと表面12aに存在する谷は深く、この深い谷の狭小空間に入り込んだ状態で固化した溶射粒子11は、脱離しようとする力(図5の上向き矢印)に対し、基材12と固化した溶射粒子11との間に生じる摩擦力が反対方向(図5の略下向き)に作用するので、固化した溶射粒子11が脱離することを抑制する作用は増大するため、基材12と溶射膜13との密着強度の向上がさらに図られると推測される。
そして、このような効果は、スキューネスSskが−0.9未満である場合に顕著となる。スキューネスSskが−0.9以上であると、表面12aの谷部の形状がV字状からU字状に変化する。溶射粒子11が溶融凝固してU字状の谷部の側壁に接触するには、多量の溶融した溶射粒子11ひいては粒径の充分大きな溶射粒子11が必要となる。しかし、粒径の大きな溶射粒子11を用いると、上述したように基材12との密着性が十分に得られない。そのためスキューネスSskを−0.9未満とし、且つ粒径の小さな溶射粒子11を用いることより、基材12と溶射膜13との密着性を高めることができる。
また、基材12の表面12aは、クルトシス(尖り度)Skuが4を超えることが好ましい。クルトシスSkuは、高さ分布の鋭さを示す指標であり、クルトシスSkuが3である場合、高さ分布が正規分布であり、クルトシスSkuが3を超えて値が大きくなるに伴い、表面aに鋭い山や谷が多くなり、クルトシスSkuが3未満で値が小さくなるに伴い、表面が平坦であることを表わす。
クルトシスSkuが4以下になると、基材12の表面12aの任意の断面において粗さ曲線の中心線から離れた位置の確率密度が大きくなる。すなわち、基材12の表面12aにおいて、谷部の占める割合に対する山部の占める割合が相対的に大きくなる。山部と谷部とでは溶射粒子11が基材12と接触して溶融凝固する際に受けるキャリアガスの影響が異なるので、得られる溶射膜13の密着力にばらつきが生じ、溶射膜13の均一性が低下する。その結果、密着性の弱い部分から剥離が生じるために、溶射膜13の密着強度が低下するものと推定される。
クルトシスSkuが大きいと、キャリアガスの反流の影響が小さくなり、溶射粒子11が表面12aに付着する割合が向上すると推測される。特に、スキューネスSskが−0.9の場合には、クルトシスSkuが4を超えることが好ましい。スキューネスSskが−0.9の場合にクルトシスSkuが4を超えるようにすることにより、小さな溶射粒子11が基材12に溶射される際に表面12aの深い谷部に良好に密着するとともに、基材12に対して均質に溶射され、基材12と溶射膜13の密着強度が大きくなる。また、基材12と溶射膜13の密着密度が大きくなるのは、表面12aの特に谷の深い部分ではV字角度が鋭くなる傾向になるため、谷部で凝固した溶射粒子11と表面12aとの摩擦力がさらに大きくなるためと推定される。
基材12は、アルミナ、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。ただし、基材12は、ステンレス鋼、チタン合金、タングステン、シリコン、金属複合材料(MMC)などの金属からなるものであってもよい。また、基材12の形状は、円板状、多角形板状、楕円板状などの種々の形状であってもよく、複雑形状であってもよい。
溶射膜形成工程S3においては、基材12の表面12aに溶射粒子11を溶射することにより基材12の表面12aに溶射膜13を形成する。
具体的には、図示しないが、アノード(陽極電極)とカソード(陰極電極)とからなる一対の電極を備えたプラズマ溶射装置において、アノードとカソードとの間に直流高圧電圧が印加されることによりアークが発生する。これにより、プラズマ溶射装置から噴出されるプラズマガスはプラズマ炎流となって噴出する。そして、この噴出するプラズマ炎流に、溶射粒子11を溶媒に分散させたスラリーが供給されることにより、プラズマ炎に溶射粒子11が投入される。
プラズマ溶射装置は、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、加圧プラズマ溶射法などのガスプラズマ溶射法によってプラズマ溶射を行うことが可能な従来公知の装置であってよく、特に限定されない。プラズマガスとして、例えば、Ar、Ar+N,Ar+H、Ar+N+H、Ar+CO又はAr+Oなどを用いればよい。
なお、溶射は、スラリーをプラズマ炎流に供給する代わりに、スラリーを燃焼炎ジェット流などに供給することにより行ってもよい。
本実施形態においては、溶射粒子11を溶媒に分散させたスラリーの形態で溶射する湿式溶射を行うことによって工程S3は行われる。これは、溶射粒子11が細かいので、乾式溶射では溶射粒子をプラズマ炎流に供給することが困難であるからである。ただし、本発明は乾式溶射で行ってもよい。溶媒としては、エタノールなどの可燃性有機溶媒又は水などが用いられる。スラリーにおける溶射粒子11の割合は、例えば20〜40[重量%]である。
プラズマ炎流に投入された溶射粒子11は、プラズマ炎中で高温加熱され外表面付近が少なくも半溶融状態となって、プラズマ炎流に乗って基材12の表面12aに衝突する。基材12に衝突した溶射粒子11は、表面12aに堆積され、その後冷却される。このようにして形成された溶射膜13は、後述する実施例から分かるように、基材12との密着強度が20[MPa]以上と密着強度が高いものとなる。
溶射部材10は、例えば、内部に埋設された電極に電圧が印加されることによって発生するクーロン力により、基板を載置面である基材12の表面12aに吸引する静電チャックであってもよい。また、溶射部材10は、内部に埋設された発熱抵抗体によって、載置面である基材12の表面12aに載置された基板を加熱するヒータであってもよい。また、溶射部材10は、ヒータ機能付きの静電チャックであってもよい。
(実施例1)
溶射粒子11として、メディアン径D50が3μmの酸化イットリウム(Y)粉末を用意した。
基材12として、アルミナ(Al)からなり、一辺100[mm]、厚さ5[mm]の正方形板状のものを用意した。基材12の表面12aを炭化珪素(SiC)からなる粒度#170の砥石を用いて平面研削を行った。研削後の表面12aは、算術平均高さSaが1.07[μm]、スキューネスSskが−1.67、クルトシスSkuが11.4であった。
そして、プラズマ溶射装置によって上記溶射粒子を30重量%の割合で水を用いて分散させたスラリーを基材12の表面12aに溶射して基材12の表面12aに、厚さ30[μm]の溶射膜13を形成した。プラズマガスGとして、Ar、N、Hの混合ガスを用い、溶射距離を75[mm]とした。
このとき、プラズマ溶射装置における入力電力は105[kW]であった。
引っ張りにより基材12と溶射膜13とが剥離する強度、すなわち密着強度を、JIS H8666に準じた試験方法によって測定した。密着強度は22[MPa]であり、20[MPa]を超えており、良好であった。溶射膜13には、クラックなどの欠陥は目視で確認できなかった。
(実施例2)
上述した実施例1と比較して、基材12の材質をアルミ合金(A6061)としたことのみが相違する。研削後の基材12の表面12aは、算術平均高さSaが0.38[μm]、スキューネスSskが−1.17、クルトシスSkuが5.29であった。
溶射膜13の密着強度は24[MPa]であり、実施例1より良好であった。溶射膜13には、クラックなどの欠陥は目視で確認できなかった。
(実施例3)
上述した実施例2と比較して、平面研削に代えて、基材12の表面12aを炭化珪素(SiC)からなる粒度#120の研磨材を用いてサンドブラストを行ったことのみが相違する。研磨後の表面12aは、算術平均高さSaが2.52[μm]、スキューネスSskが−0.97、クルトシスSkuが5.74であった。
溶射膜13の密着強度は22[MPa]であり、実施例1と同じであり、良好であった。溶射膜13には、クラックなどの欠陥は目視で確認できなかった。
(比較例1)
上述した実施例1と比較して、平面研削に代えて、基材12の表面12aを炭化珪素(SiC)からなる粒度#46の研磨材を用いてサンドブラストを行ったことのみが相違する。研磨後の表面12aは、算術平均高さSaが5.67[μm]、スキューネスSskが−0.80、クルトシスSkuが3.50であった。
溶射膜13の密着強度は14[MPa]と20[MPa]未満であり、良好ではなかった。溶射膜13には、クラックなどの欠陥は目視で確認できなかった。
(比較例2)
上述した比較例1と比較して、溶射粒子11としてメディアン径D50が30μmの酸化イットリウム(Y)粉末を用意し、この溶射粉末11を顆粒として乾式溶射を行ったことのみが相違する。研磨後の基材12の表面12aは、算術平均高さSaが5.67[μm]、スキューネスSskが−0.80、クルトシスSkuが3.50であった。
溶射膜13の密着強度は11[MPa]と20[MPa]未満であり、良好ではなかった。溶射膜13には、クラックなどの欠陥は目視で確認できなかった。
(比較例3)
上述した実施例3と比較して、基材12の表面12aを炭化珪素(SiC)からなる粒度#46の研磨材を用いてサンドブラストを行ったことのみが相違する。研磨後の基材12の表面12aは、算術平均高さSaが5.49[μm]、スキューネスSskが−0.43、クルトシスSkuが3.13であった。
溶射膜13の密着強度は17[MPa]と20[MPa]未満であり、良好ではなかった。溶射膜13には、クラックなどの欠陥は目視で確認できなかった。
(比較例4)
上述した比較例3と比較して、溶射粒子11としてメディアン径D50が30μmの酸化イットリウム(Y)粉末を用意し、この溶射粉末11を顆粒として乾式溶射を行ったことのみが相違する。研磨後の基材12の表面12aは、比較例3と同様に、算術平均高さSaが5.49[μm]、スキューネスSskが−0.43、クルトシスSkuが3.13であった。
溶射膜13の密着強度は14[MPa]と20[MPa]未満であり、良好ではなかった。溶射膜13には、クラックなどの欠陥は目視で確認できなかった。
以上の結果を表1及び表2にまとめた。
溶射粒子11のメディアン径D50が0.1[μm]以上6[μm]以下であり、且つ、基材12の表面12aの算術平均高さSa[μm]が0.04×D50≦Sa≦1.4×D50を満たす場合、実施例1〜3に示すように、基材12と溶射膜13との密着強度は20[MPa]を超えており、良好であった。
一方、溶射粒子11のメディアン径D50が6[μm]を超える場合、比較例2,4に示すように、基材12と溶射膜13との密着強度は14[MPa]以下であり、良好ではなかった。また、溶射粒子11のメディアン径D50が0.1[μm]以上6[μm]以下であっても、基材12の表面12aの算術平均高さSa[μm]が1.4×D50を超える場合、比較例3に示すように、基材12と溶射膜13との密着強度は17[MPa]であり、良好ではなかった。
さらに、基材12の表面12aのスキューネスSskが−0.9未満、且つ、クルトシスSkuが4を超える場合、実施例1〜3に示すように、基材12と溶射膜13との密着強度は20[MPa]を超えており、良好であった。
一方、基材12の表面12aのスキューネスSskが−0.9以上、且つ、クルトシスSkuが4以下である場合、比較例1〜4に示すように、基材12と溶射膜13との密着強度は17[MPa]以下であり、良好ではなかった。
10…溶射部材、 11…溶射粒子、 12…基材、 12a…基材の表面、 13…溶射膜。

Claims (5)

  1. 基材の表面に溶射膜が形成された溶射部材の製造方法であって、
    メディアン径D50が0.1[μm]以上6[μm]以下の溶射粒子を準備する工程と、
    前記表面の算術平均高さSa[μm]が0.04×D50≦Sa≦1.4×D50を満たす前記基材を準備する工程と、
    前記基材の表面に前記溶射粒子を溶射することにより前記基材の表面に前記溶射膜を形成する工程とを備えることを特徴とする溶射部材の製造方法。
  2. 前記基材の表面は、スキューネスSskが−0.9未満、且つ、クルトシスSkuが4を超えることを特徴とする請求項1に記載の溶射部材の製造方法。
  3. 前記基材は、アルミナ、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記溶射粒子は酸化イットリウムからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶射部材の製造方法。
  4. 前記溶射粒子を溶媒に分散させたスラリーの形態でプラズマ炎流又は燃焼炎ジェット流に供給することにより、前記溶射を行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の溶射部材の製造方法。
  5. 前記基材と前記溶射膜の密着強度が20[MPa]以上であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の溶射部材の製造方法。
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