JP7311319B2

JP7311319B2 - 時系列データ表示装置

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Publication number: JP7311319B2
Application number: JP2019113903A
Authority: JP
Inventors: 泰弘芝▲崎▼
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Priority date: 2019-06-19
Filing date: 2019-06-19
Publication date: 2023-07-19
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Description

本発明は、時系列データ表示装置に関し、特に産業機械において検出された時系列データの分布を容易に把握する事を可能とする時系列データ表示装置に関する。

工場等の製造現場では、加工機や工作機械等の複数の産業機械が設置されて稼働している。製造現場では、該製造現場で稼働する複数の産業機械の稼働に係るデータを収集し、収集したデータを解析することで各々の産業機械の稼働状況を監視している（例えば、特許文献１等）。

産業機械の稼働に係るデータは、軸の最大速度や時定数等のように設定により変化する静的データと、軸の移動速度や電流値等のように時間的な推移に伴い変化する時系列データがある。産業機械の稼働状況を監視する際には、時系列データの変化が重点的に解析される。

産業機械の稼働状況を監視するために時系列データの解析をする際には、時系列データを可視化して画面等に表示し、簡単に直感的に作業者に把握させる手段が取られる場合がある。時系列データの可視化においては、データ項目毎に時系列データを折線表示したり、必要に応じて作業者に複数のデータ項目を選択させ、選択したデータ項目の時系列データを重畳表示したりすることがある。

特開２００４－１９８１４８号公報

産業機械から取得した時系列データは、長期間に渡って取得された時系列データであったり、取得時刻が不定な時系列データ（時間的な欠損があったり、取得のタイミングが時間的に偏っていたりする等）であったりする場合もある。また、稼働時における産業機械の振る舞いによっては、稼働時に取得される時系列データが複数のモードに分離することがある。

図１０は、産業機械から取得される時系列データが複数のモードに分離した例を示している。稼働中に２つ動作モードを行き来しながら繰り返し動作する産業機械において、例えば第１の動作モードでは電圧値Ｖ₁、第２の動作モードでは電圧値Ｖ₂で動作している場合、その電圧値を時間と共に取得することで、図１０に例示されるように２つの電圧値Ｖ₁とＶ₂の近傍に集中した電圧値が繰り返し検出される時系列データが取得される。このようなデータを、時系列データの一般的な表示方法である折れ線グラフで表示すると、図１０下に示すように２つの電圧の間を多数の線が行き来するグラフとなり、電圧値の分布状況を把握することが困難となり、また、外れ値等が線に埋もれて画面上で認識できなくなるという課題が生じる。また、長期に渡って取得した取得点が偏っている時系列データについても、折れ線グラフで表示すると記述が重複して変化点が潰れ易いという課題がある。

更に、複数の時系列データを重畳表示する場合、それぞれの時系列データの変化を示す線が重なり合い、全体的な分布が把握し辛くなるという問題も生じる。
そこで、製造現場の作業者が時系列データの値の分布を容易に把握できるデータの可視化手法が望まれている。

本発明による一態様の時系列データ表示装置は、時系列データの検出値の度数を計算して色分け表示することにより、上記課題を解決する。

そして、本発明の一態様は、時系列データを表示する時系列データ表示装置であって、該時系列データに係る表示データを出力する表示部を備え、前記表示部は、前記時系列データの概要傾向を概要表示するための概要表示データを作成する概要表示作成部と、前記時系列データの詳細個別値を詳細表示するための詳細表示データを作成する詳細表示作成部と、複数の時系列データに係る前記概要表示を集約表示するための集約表示データを作成する集約表示作成部と、を備え、前記概要表示は、前記時系列データの描画平面上における各位置での前記時系列データを構成する個別データの度数又は密度を、該度数又は密度に応じた視覚効果で表示したものであり、前記集約表示は、複数の前記時系列データの内で、類似した度数又は密度の変化傾向を示す時系列データを並べて表示する、時系列データ表示装置である。

本発明の一態様により、観測対象の振舞い次第でデータが複数モードに分離しても、振舞いを可視化でき、また、取得点が偏った長期データでも、適切に変化点を把握できるようになる。

一実施形態による時系列データ表示装置の概略的なハードウェア構成図である。第１実施形態による時系列データ表示装置の概略的な機能ブロック図である。概要表示と詳細表示の例を示す図である。第２実施形態による時系列データ表示装置の概略的な機能ブロック図である。集約表示の例を示す図である。集約表示の他の例を示す図である。第３実施形態による時系列データ表示装置の概略的なハードウェア構成図である。第３実施形態による時系列データ表示装置の概略的な機能ブロック図である。ＡＲ表示の例を示す図である。従来技術による時系列データの表示の例を示す図である。

以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図１は本発明の一実施形態による時系列データ表示装置の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。時系列データ表示装置１は、例えば産業機械を制御する制御装置上に実装することができる。また、時系列データ表示装置１は、例えば制御装置を備えた産業機械に併設されたパソコンや、該制御装置に有線／無線のネットワークで接続されたエッジコンピュータ、フォグコンピュータ、クラウドサーバ等のコンピュータとして実装することができる。本実施形態では、時系列データ表示装置１を、産業機械２に併設されたパソコン上に実装した場合の例を示す。

本実施形態による時系列データ表示装置１が備えるＣＰＵ１１は、時系列データ表示装置１を全体的に制御するプロセッサである。ＣＰＵ１１は、ＲＯＭ１２に格納されたシステム・プログラムをバス２０を介して読み出し、該システム・プログラムに従って時系列データ表示装置１全体を制御する。ＲＡＭ１３には一時的な計算データや表示データ、及び外部から入力された各種データ等が一時的に格納される。

不揮発性メモリ１４は、例えば図示しないバッテリでバックアップされたメモリやＦＤ（ＦｌｏｐｐｙＤｉｓｋＤｒｉｖｅ）やＨＤＤ（ＨａｒｄＤｉｓｋＤｒｉｖｅ）、ＳＳＤ（ＳｏｌｉｄＳｔａｔｅＤｒｉｖｅ）等で構成され、時系列データ表示装置１の電源がオフされても記憶状態が保持される。不揮発性メモリ１４には、図示しないインタフェースを介して外部機器から読み込まれたＮＣプログラム、入力装置７１を介して入力されたＮＣプログラム、産業機械等から取得された時系列データ等が記憶される。不揮発性メモリ１４に記憶されたＮＣプログラムや各種データは、実行時／利用時にはＲＡＭ１３に展開されても良い。また、ＲＯＭ１２には、公知の解析プログラムなどの各種システム・プログラムがあらかじめ書き込まれている。

表示装置７０には、メモリ上に読み込まれた各データ、プログラム等が実行された結果として得られたデータ、産業機械等から取得されたデータ等がインタフェース１７を介して出力されて表示される。また、キーボードやポインティングデバイスや音声入力デバイス、ジェスチャー入力デバイス等から構成される入力装置７１は、作業者による操作に基づく指令や、他の外部装置からの転送データ等を受けて、インタフェース１８を介してＣＰＵ１１に渡す。

時系列データ表示装置１は、インタフェース１９を介して産業機械２と接続され、該産業機械２が備える軸の位置、速度、加速度、該産業機械２が備えるモータ等の電流値、電圧値、該産業機械２に備え付けられたセンサが検出した検出値等を取得する。時系列データ表示装置１は、取得したデータを時刻等と関連付けたデータの系列である時系列データとして、不揮発性メモリ１４に記憶することができる。

図２は、本発明の第１実施形態による時系列データ表示装置１の概略的な機能ブロック図である。図２に示した各機能ブロックは、図１に示した時系列データ表示装置１が備えるＣＰＵ１１がシステム・プログラムを実行し、時系列データ表示装置１の各部の動作を制御することにより実現される。

本実施形態の時系列データ表示装置１は、データ取得部１００、表示部１１０を備える。また、時系列データ表示装置１の不揮発性メモリ１４には、データ取得部１００が取得したデータを記憶する領域である取得データ記憶部２００が予め設けられている。

データ取得部１００は、図１に示した時系列データ表示装置１が備えるＣＰＵ１１がＲＯＭ１２から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてＣＰＵ１１によるＲＡＭ１３、不揮発性メモリ１４、インタフェース１９を用いた入出力処理等が行われることで実現される。データ取得部１００は、産業機械２において検出される各種データを取得し、取得データ記憶部２００に記憶する機能手段である。データ取得部１００は、例えば、産業機械２に備え付けられたセンサから取得された軸の位置、速度、加速度、モータの電流値、電圧値、トルク値、各部の温度データ、音声データ、動画像データ、硬度データ、湿度データ等の時系列データ等を取得し、取得データとして取得データ記憶部２００に記憶する。データ取得部１００は、図示しない外部装置や有線／無線のネットワーク５を介して他の装置からデータを取得したり、また、図示しないセンサデータ前処理装置や機械学習装置等の出力するデータを取得したりするようにしても良い。

表示部１１０は、図１に示した時系列データ表示装置１が備えるＣＰＵ１１がＲＯＭ１２から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてＣＰＵ１１によるＲＡＭ１３、不揮発性メモリ１４を用いた演算処理、インタフェース１７、１８を用いた入出力処理等が行われることで実現される。表示部１１０は、取得データ記憶部２００に記憶された取得データに対して統計的な解析を行い、解析した結果を表示する表示データを作成して表示装置７０へと表示する機能手段である。表示部１１０は、取得データの概要傾向を表示する概要表示のための概要表示データを作成する概要表示作成部１１２と、取得データの詳細個別値を表示する詳細表示のための詳細表示データを作成する詳細表示作成部１１４を備える。表示部１１０は、入力装置７１からの作業者による操作や画面連続表示時間のような環境状態等に応じて、概要表示作成部１１２が作成した概要表示データと、詳細表示作成部１１４が作成した詳細表示データとの表示装置７０上の表示を切り替える。

概要表示作成部１１２は、取得データに含まれる時系列データについて、該時系列データの描画平面（データ値－時刻平面）における各位置近辺の該時系列データを構成する個別データの数を度数として算出し、算出した度数に基づいた概要表示データを作成する。概要表示作成部１１２は、例えば所定の時刻ｔ_iにおける所定の値ｘ_jの度数ｆ_ijを、以下に示す数１式を用いて算出するようにしても良い。数１式において、Δｔは予め設定されている所定の時間幅、Δｘは予め設定されている所定のデータ値幅である。

一方、詳細表示作成部１１４は、取得データに含まれる時系列データについて、該時系列データを構成する個別のデータを把握できる詳細表示のための詳細表示データを作成する。詳細表示データの例としては、時系列データを構成する個々のデータに関する散布図の例が挙げられる。詳細表示データの他の例としては、時系列データを構成する個々のデータに関するリスト表示の例が挙げられる。詳細表示作成部１１４は、時系列データを構成する個々のデータが把握できる形式であれば、どのような形式の詳細表示データを作成するようにしても良い。また、詳細表示作成部１１４は、所定の範囲のデータについての詳細表示データを作成するようにしても良い。このようにする場合、詳細表示作成部１１４は、例えば概要表示がされている画面上で、作業者が入力装置７１を操作して概要表示内の所定の範囲の詳細表示をするように指令した場合に、指令された当該範囲を拡大して詳細表示するための詳細表示データを作成するようにしても良い。

図３は、概要表示作成部１１２が作成する概要表示データに基づく概要表示と、詳細表示作成部１１４が作成する詳細表示データに基づく詳細表示との例を示す図である。図３の上に示される概要表示は、概要表示作成部１１２が、数１式により算出した度数ｆ_ijをグラフで表示した例を示している。また、図３の下に示される詳細表示は、詳細表示作成部１１４が、時系列データを構成する各データ値を散布図で表示した例を示している。図３に例示される度数グラフでは、それぞれの時刻におけるそれぞれのデータ値の度数を、度数の大きさに応じて異なる色や異なる明るさ（図中では、枠及び網掛け枠）で表示している。また、該度数又は密度が予め定めた所定の閾値を超えた際に、その旨把握できるように特別な視覚効果（所定の色、点滅表示、反転表示等）により表示するようにしても良い。この様に、時系列データをそれぞれの時刻におけるそれぞれのデータ値の度数で色等を用いた視覚効果で表現することで、図１０に示す折れ線グラフで表示した場合と比較して、データ値が複数モードに分離しているデータであることがひと目で把握することができるようになる。視覚効果の他の例としては、文字列による表示やアイコンの種類、大きさ、フォント、アニメーション等の変更が挙げられる。また、図３の度数グラフの中央にある孤立した枠は、いずれのモードにも属さない外れ値があることを示している。このように、本手法による度数グラフでの表示においては、図１０に示す折れ線グラフによる表示と比較して、外れ値等が線に埋もれて把握できなくなるということがない。

上記した時系列データを折れ線グラフで表示した場合の問題は、時系列データを取り扱う分野における共通の課題ではあるが、特に産業機械の分野においては、機械上でセンサにより所定の物理量を検出した時系列データを扱っているため、設定ミスや生産システムの配置、センサ仕様の制限等による時系列データの複数モードへの分離が発生しやすいという傾向がある。そのため、本実施形態による時系列データ表示装置は、特に産業機械から取得される時系列データの表示において顕著な効果を奏する。

上記した実施形態による時系列データ表示装置１では、時系列データを構成する各データについて、度数を用いた概要表示を作業者に対して提供するため、作業者はデータ値が複数モードに分離している場合であっても、そのモードへの分離状況を可視化された状態で把握できるようになる。また、取得点が偏った長期データでも、度数の変化する位置を変化点として適切に把握できるようになる。

本実施形態による時系列データ表示装置１の一変形例として、概要表示作成部１１２は、所定の時刻ｔ_iにおける所定の値ｘ_jの度数ｆ_ijに代えて、当該時刻の当該値の近辺におけるデータの分布状態を示す他の統計値を算出し、算出した統計値に基づいた概要表示データを作成するようにしても良い。例えば、概要表示作成部１１２は、所定の時刻ｔ_i、所定の値ｘ_jにおけるデータの存在に係る確率密度を算出し、算出した確率密度の分布グラフを概要表示データとして作成するようにしても良い。

本実施形態による時系列データ表示装置１の他の変形例として、概要表示作成部１１２は、概要表示を異なる色や異なる明るさで表示することに代えて、三次元棒グラフ等で表現するようにしても良い。この様な表示形態を取ることで、三次元表示処理のためにコストが掛かる代わりに、度数や密度の違いを棒グラフの高さで細かく表現した分布図を作業者に提供することができるようになる。

本実施形態による時系列データ表示装置１の他の変形例として、概要表示作成部１１２は、概要表示データを作成する際に、最小値が０、最大値が１となるように時系列データの正規化を行い、正規化した時系列データについて度数や密度による表示を行うようにしても良い。また、時系列データの正規化を行う際には、度数や密度の算出において、データ値の範囲を０～０．２，０．２～０．４、…、０．８～１．０といったような範囲で区切った上で、各範囲における度数や密度を算出するようにしても良い。

なお、上記した概要表示の表示手法をそれぞれ実装し、作業者による入力装置７１からの入力に応じて適宜切り替えられるようにしても良い。

図４は、本発明の第２実施形態による時系列データ表示装置１の概略的な機能ブロック図である。図４に示した各機能ブロックは、図１に示した時系列データ表示装置１が備えるＣＰＵ１１がシステム・プログラムを実行し、時系列データ表示装置１の各部の動作を制御することにより実現される。

本実施形態の時系列データ表示装置１は、第１実施形態で説明した各機能手段に加えて、更に集約表示作成部１１６を備える。
集約表示作成部１１６は、取得データに含まれる複数の時系列データについて、各時系列データの分布傾向を１つの表示上へと集約した集約表示のための集約表示データを作成する。集約表示の例としては、それぞれの時刻における各時系列データの支配的なデータ値（最も度数又は密度が高いデータ値）を１つの表示上で把握できるようにした表示手法が考えられる。別の例としては、それぞれの時刻における各時系列データの値自体の平均値や中央値を１つの表示上で把握できるようにした表示手法が考えられる。

図５は、概要表示作成部１１２が作成する複数の時系列データに関する概要表示データに基づく概要表示と、これら複数の時系列データに関して集約表示作成部１１６が作成する集約表示データに基づく集約表示との例を示す図である。図５の上に示される３つの概要表示は、概要表示作成部１１２が、各時系列データのデータ値を０．０～１．０の値を取るように正規化し、各データの度数をグラフで表示した例を示している。また、図５の下に示される集約表示は、各時系列データについてそれぞれの時刻において度数が高いデータ値を色分けして表示した例を示している。例えば、時系列データＡについて、時刻０～ｔ₁まではデータ値が０．０～０．２の範囲であること多く、時刻ｔ₁～ｔ₂まではデータ値であることが多い。そのため、集約表示において、時系列データＡは時刻０～ｔ₁までの範囲は０～０．２を示す色（図５では白抜き枠）で表示し、時刻ｔ₁～ｔ₂までの範囲は０．２～０．４を示す色（図５では左下がり斜線の網掛け枠）で表示する。この様な表示をすることで、複数の時系列データの時間的な変化を１つの図に集約して表示させることができる。また、折れ線グラフで表示する場合と異なり、各時系列データの表示が重畳しないため、全体的な時系列データの分布が把握し易くなる。更に、各時系列データの分布の変化点がどこにあるのかをひと目で把握でき、それぞれの時系列データの変化点の時間的な関係も確認できるようになる。

なお、図５の例では、時系列データＡと時系列データＣとの時間的変化が極めて類似している。このような場合、集約表示作成部１１６は、例えば図６に例示されるように、分布が類似する時系列データを並べて表示するような集約表示データを作成するようにしても良い。
また、集約表示する際に、それぞれの時刻における各時系列データの最も度数又は密度が高いデータについて、該度数又は密度が予め定めた所定の閾値を超えた際に、その旨把握できるように特別な視覚効果（所定の色、点滅表示、反転表示等）により表示するようにしても良い。

産業機械の分野においては、該産業機械の動作状況を、複数のセンサで検出された複数の時系列データの値から総合的に判断する必要がある場合が多い。本実施形態による時系列データ表示装置は、複数のセンサから取得された時系列データのデータ値の度数等の分布を１つの表示上に集約して提供することができる。そのため、本実施形態による時系列データ表示装置は、特に産業機械から取得される時系列データの表示において顕著な効果を奏する。なお、前記時系列データは、通信ネットワークを介して産業機械から取得された１以上のセンサデータであっても良い。

図７は、本発明の第３実施形態による時系列データ表示装置１の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。本実施形態による時系列データ表示装置１は、データの表示及び作業者からの入力の受付を、作業者が携帯する公知のカメラ付き携帯端末７５との間で行う。カメラ付き携帯端末７５は、例えば所謂タブレット端末やスレート端末として構成されていて良い。また、カメラ付き携帯端末７５は、例えばＨＭＤ（ＨｅａｄＭｏｕｎｔＤｉｓｐｌａｙ）として構成されていても良い。カメラ付き携帯端末７５は、例えば表示装置としての液晶ディスプレイを備え、また、入力装置としてのキーボード乃至タッチパネル、タッチパッドを備える。

カメラ付き携帯端末７５は、カメラ等の撮像装置が設けられており、該カメラにより撮像された現実の画像を取得して、表示装置上に対して表示する機能を備える。また、カメラ付き携帯端末７５は、カメラで撮像した現実の画像内に所定の図形（例えば、二次元コード等）を検出した時、その図形に係る情報や当該図形の画像内における座標位置を時系列データ表示装置１へと送信する機能を備える。一方で、カメラ付き携帯端末７５は、インタフェース２１を介して時系列データ表示装置１から送信されてきた画像を、表示装置上の所定の位置に、カメラで撮像した現実の画像と重畳して液晶ディスプレイに表示することができる。カメラ付き携帯端末７５から送られてきた画像を表示する表示装置上の所定の位置は、時系列データ表示装置１乃至カメラ付き携帯端末７５に設定された表示装置上の固定的な位置であってもよく、また、カメラで撮像した現実の画像から検出された所定の図形（例えば、二次元コード等）が検出された位置であっても良い。カメラ付き携帯端末７５による現実世界の画像に対する所定の画像の重畳表示の機能については、ＡＲ（ＡｕｇｍｅｎｔｅｄＲｅａｌｉｔｙ：拡張現実）技術として公知となっているため、本明細書における詳細な説明は省略する。

図８は、本発明の第３実施形態による時系列データ表示装置１の概略的な機能ブロック図である。図８に示した各機能ブロックは、図７に示した時系列データ表示装置１が備えるＣＰＵ１１がシステム・プログラムを実行し、時系列データ表示装置１の各部の動作を制御することにより実現される。

本実施形態による時系列データ表示装置１は、第１、２実施形態で説明した各機能手段に加えて、更に、概要表示作成部１１２が作成する概要表示データや、集約表示作成部１１６が作成する集約表示データを、カメラ付き携帯端末７５上にカメラで撮像した画像と重畳表示するためのＡＲ表示データを作成するＡＲ表示作成部１１８を備える。ＡＲ表示作成部１１８は、カメラ付き携帯端末７５から送信されてきた、所定の図形に関連する時系列データについて、概要表示作成部１１２や集約表示作成部１１６に指令して概要表示データ乃至集約表示データを作成させ、作成された概要表示データ乃至集約表示データをカメラで撮像した画像から検出された当該図形の位置へと重畳表示するためのＡＲ表示データを生成し、カメラ付き携帯端末７５へと送信する。

図９は、本実施形態による時系列データ表示装置１を、作業者による産業機械２の稼働状況の点検作業に応用した例を示している。図９において、時系列データ表示装置１は、点検対象となる複数の産業機械２と有線ネットワークで接続されており、各産業機械２の稼働に係る時系列データを取得できるようになっている。また、各産業機械２には、該産業機械２を一意に識別する番号と、点検時に作業者により参照されるべき時系列データの種類とを符号化した二次元コードが印刷されたシートが貼付されている。そして、作業者は、時系列データ表示装置１と無線ネットワークを介して接続されたカメラ付き携帯端末７５を携帯している。

図９に示した状況において、作業者は点検を行う際には各産業機械２の前に立ち、カメラ付き携帯端末７５のカメラを産業機械２に対して向けて、表示装置上に産業機械２及び二次元バーコードを捉えた画像を表示する。カメラ付き携帯端末７５は、カメラで撮像した画像内に二次元バーコードを検出すると、該二次元バーコードを解析して産業機械２の識別番号及び参照するべき時系列データの種類を復号し、時系列データ表示装置１へと送信する。時系列データ表示装置１は、受信した産業機械２の識別番号と、参照するべき時系列データの種類に基づいて取得データ記憶部２００に記憶されたデータの中から表示対象とする時系列データを選択し、選択した時系列データの概要表示データや集約表示データを作成する。そして、作成された概要表示データや集約表示データに基づいて、カメラ画像と重畳するためのＡＲ表示データを作成して、カメラ付き携帯端末７５に対して送信する。カメラ付き携帯端末７５は、受信したＡＲ表示データを、カメラ画像の二次元コードの位置へと重畳して表示する。

上記したＡＲによる表示方法は、産業機械２毎に行う必要はなく、例えばそれぞれのセンサの近傍に二次元コードを貼り付けておいて、該センサを二次元コードと共にカメラ付き携帯端末７５で撮像した際に、該センサで検出された時系列データの概要表示をセンサの画像と重畳させてカメラ付き携帯端末７５に表示するようにしても良い。

また、点検作業以外にも、ベルトコンベア上を流れてくる製品の検品等にも応用することができる。例えば、ベルトコンベア上を複数種類の製品が流れてくる状況において、製品を計量する計量機に二次元コードを付与しておいて、計量結果の時系列データの概要表示を計量機の画像と重畳させてカメラ付き携帯端末７５に表示することで、ベルトコンベア上を流れてくると想定される複数種類の製品以外の製品（不良品や作業者のミスで流れてきた別製品）の混入を容易に把握することも可能となる。

上記した実施形態によれば、作業者は、該産業機械２と共に、該産業機械２の稼働状況に係る時系列データを度数の分布を色分けした表示や３次元棒グラフ等の表示で閲覧することが可能となり、視野に収めている産業機械２の稼働に係る状況を直感的に把握することができるようになる。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例のみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。
上記した実施形態においては、産業機械から取得された時系列データを表示する例を示しているが、他の技術分野において扱われる時系列データの表示において用いることも可能である。

１時系列データ表示装置
１１ＣＰＵ
１２ＲＯＭ
１３ＲＡＭ
１４不揮発性メモリ
１６，１７，１８，１９インタフェース
２０バス
７０表示装置
７１入力装置
７５カメラ付き携帯端末
１００データ取得部
１１０表示部
１１２概要表示作成部
１１４詳細表示作成部
１１６集約表示作成部
１１８ＡＲ表示作成部
２００取得データ記憶部

Claims

時系列データを表示する時系列データ表示装置であって、
該時系列データに係る表示データを出力する表示部を備え、
前記表示部は、
前記時系列データの概要傾向を概要表示するための概要表示データを作成する概要表示作成部と、
前記時系列データの詳細個別値を詳細表示するための詳細表示データを作成する詳細表示作成部と、
複数の時系列データに係る前記概要表示を集約表示するための集約表示データを作成する集約表示作成部と、
を備え、
前記概要表示は、前記時系列データの描画平面上における各位置での前記時系列データを構成する個別データの度数又は密度を、該度数又は密度に応じた視覚効果で表示したものであり、
前記集約表示は、複数の前記時系列データの内で、類似した度数又は密度の変化傾向を示す時系列データを並べて表示する、
時系列データ表示装置。
前記時系列データは、通信ネットワークを介して産業機械から取得された１以上のセンサデータである、
請求項１に記載の時系列データ表示装置。
前記表示部は、現実の画像に対して前記概要表示を重畳するためのＡＲ画像データを作成するＡＲ画像作成部を更に備える、
請求項１又は２に記載の時系列データ表示装置。
前記視覚効果は、
前記度数を色、明るさ又は高さで示すものである、
請求項１～３のいずれか１つに記載の時系列データ表示装置。
前記詳細表示は、前記時系列データを構成する個別データの散布図、又は、前記時系列データを構成する個別データのリスト表示である、
請求項１～４のいずれか１つに記載の時系列データ表示装置。
前記集約表示は、複数の前記時系列データについて、それぞれの時刻における度数若しくは密度が高いデータ値若しくはデータ値自体の平均値又は中央値を視覚効果で表示したものである、
請求項１に記載の時系列データ表示装置。
前記集約表示は、予め定めた所定の閾値を超えた度数又は密度のデータについて、他と
は異なる視覚効果で表示する、
請求項１又は６に記載の時系列データ表示装置。