JP7310328B2 - 型抜き方法、その方法において用いる鋼塊のクランプ装置およびそのクランプ装置を含む型抜き装置 - Google Patents
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Description
ここで、得られる柱状の鋼塊をモールド内から抜き出す場合、初めに柱状のモールドの一方端部をトングで掴み、その長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したままクレーンで吊り上げ、前記モールドを所定の位置まで移動し、前記モールドの他方端部に存するスツール(モールドの蓋に相当)を前記モールドと分離可能とした後、前記クレーンを巻き上げて前記モールドを上方へ移動させることで、前記モールド内から前記鋼塊を抜き出していた。そして、その後、前記鋼塊の上側端部をトングで掴み、その場所に鋼塊を横に倒して置いていた。
本発明は下記(1)~(3)である。
(1)長手方向が鉛直方向と平行になるように配置された状態でその内部において鋼塊が凝固する柱状のモールドの一方端部を第1トングで掴み、前記モールドの長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したままクレーンで吊り上げ、前記モールドを移動した後、前記モールドの他方端部に存する前記モールドの蓋であるスツールが、前記モールドを乗せたまま鉛直方向へ移動可能な台である鋼塊リフターの上面に接するように、前記モールドを前記鋼塊リフター上に置く第1裁置工程と、
前記スツールを前記モールドと分離可能とした後、前記モールドの長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したまま、前記モールド内から前記鋼塊の一部を抜き出す第1抜出工程と、
前記モールド内から前記鋼塊の一部が抜き出された状態で、クランプ装置によって前記鋼塊の側面を水平方向から挟むことで前記鋼塊が倒れないように支える支持工程と、
前記鋼塊の側面が前記クランプ装置によって挟まれた状態で、前記鋼塊の長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したまま、前記モールド内から前記鋼塊の全てを抜き出す第2抜出工程と、
前記鋼塊の上側端部を第2トングで掴み、前記クランプ装置を前記鋼塊の側面から離し、前記鋼塊をクレーンで吊り上げ、前記鋼塊を所定の場所へ移動させた後、その場所に前記鋼塊を横に倒して置く第2裁置工程と、
を備える、型抜き方法。
(2)上記(1)に記載の型抜き方法において用いる前記クランプ装置であって、
前記鋼塊リフターを水平方向から挟むようにその両サイドに配置され、
鉛直方向において移動可能に構成され、
前記鋼塊の側面を水平方向から挟むことで前記鋼塊が倒れないように支持することができる、クランプ装置。
(3)上記(1)に記載の型抜き方法を行うことができる型抜き装置であって、
前記モールドの一方端部を掴む前記第1トングと、
前記鋼塊の上側端部を掴む前記第2トングと、
前記第1トングおよび/または前記第2トングと連結される前記クレーンと、
前記モールドの他方端部に存する前記スツールが上面に接するように前記モールドを置く、前記モールドを乗せたまま鉛直方向へ移動可能な台である前記鋼塊リフターと、
上記(2)に記載のクランプ装置と、
を有する型抜き装置。
本発明は、長手方向が鉛直方向と平行になるように配置された状態でその内部において鋼塊が凝固する柱状のモールドの一方端部を第1トングで掴み、前記モールドの長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したままクレーンで吊り上げ、前記モールドを移動した後、前記モールドの他方端部に存する前記モールドの蓋であるスツールが、前記モールドを乗せたまま鉛直方向へ移動可能な台である鋼塊リフターの上面に接するように、前記モールドを前記鋼塊リフター上に置く第1裁置工程と、前記スツールを前記モールドと分離可能とした後、前記モールドの長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したまま、前記モールド内から前記鋼塊の一部を抜き出す第1抜出工程と、前記モールド内から前記鋼塊の一部が抜き出された状態で、クランプ装置によって前記鋼塊の側面を水平方向から挟むことで前記鋼塊が倒れないように支える支持工程と、前記鋼塊の側面がクランプ装置によって挟まれた状態で、前記鋼塊の長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したまま、前記モールド内から前記鋼塊の全てを抜き出す第2抜出工程と、前記鋼塊の上側端部を第2トングで掴み、前記クランプ装置を前記鋼塊の側面から離し、前記鋼塊をクレーンで吊り上げ、前記鋼塊を所定の場所へ移動させた後、その場所に前記鋼塊を横に倒して置く第2裁置工程と、を備える、型抜き方法である。
このような型抜き方法を、以下では「本発明の方法」ともいう。
このようなクランプ装置を、以下では「本発明のクランプ装置」ともいう。
このような型抜き装置を、以下では「本発明の型抜き装置」ともいう。
図1は本発明の型抜き装置の概略図である。
図1において本発明の型抜き装置1は、モールド3の一方端部31を掴む第1トング5と、鋼塊7の上側端部71を掴む第2トング9と、第1トング5および/または第2トング9と連結されるクレーン11と、モールド3の他方端部32に存するスツール13が上面151に接するようにモールド3を置く鋼塊リフター15と、クランプ装置17と、を有する型抜き装置である。
図2は、長手方向が鉛直方向と平行になるように配置された状態でその内部において鋼塊7が凝固する、柱状のモールド3を示している。
真空アーク溶解法(VAR法)やエレクトロスラグ溶解法(ESR法)などでは、柱状のモールドを、その長手方向が鉛直方向と平行になるように配置した状態で、その内部において鋼塊が溶解されたり、その後、凝固したりすることによって柱状の鋼塊7が得られる。
なお、長手方向が鉛直方向と平行になるように配置されたときのモールド3の上部を一方端部31、下部を他方端部32という。
本発明において、長手方向と鉛直方向とが平行であることは、同様に、略平行であることを意味するものとする。
次に、スツール13をモールド3と分離可能とする。前述のように、モールド13内で鋼塊を溶解させたり凝固させたりする際は、スツール13はモールド3に強固に固定されているが、この固定を開放することで、スツール13とモールド3とは分離可能となる。ただし、図3(b)に示す状態ではその固定を開放しても、スツール13とモールド3とは密着した状態を維持している。
したがって鋼塊リフター15は、その上面にモールド13または鋼塊7を乗せた状態で、鉛直方向に移動可能に構成されていることが好ましい。
次に、図5に示すように、モールド3の内部から鋼塊7の一部が抜き出された状態で、クランプ装置17によって鋼塊7の側面を水平方向から挟む。そして、鋼塊7が倒れないように支える。
クランプ装置17は鋼塊7の側面を水平方向から挟み、モールド3を完全に抜き出した後であっても鋼塊7が倒れないように支えることができるものであればよい。
また、図5では水平方向(左右方向)から2個のクランプ装置17によって鋼塊7を挟む態様が示されているが、クランプ装置17の数は限定されない。例えば3~4個のクランプ装置17によって水平方向から鋼塊7を囲むようにして支えてもよい。
次に、図6に示すように、鋼塊7の側面がクランプ装置17によって挟まれた状態で、鋼塊7の長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したまま、モールド3内から鋼塊7の全てを抜き出す。
クランプ装置17が鋼塊7の側面を水平方向から挟んでいるため、モールド3を完全に抜き出した後であっても、鋼塊7は倒れない。
次に、図7(a)に示すように、鋼塊7の上側端部71を第2トング9で掴んだ後、図7(b)に示すように、クランプ装置17を鋼塊7の側面から離す。ここで第2トング9は第1トング5と異なる態様のものであってよいが、同じものであってもよい。
ここで、鋼塊7をクレーン11で吊り上げることで、通常、鋼塊7とスツール13とは分離する。
次に、本発明の実施態様を説明する。
次に説明する本発明の実施態様は、2階建ての建屋において、2階に真空アーク溶解炉が存在し、そこで得られた鋼塊を1階の所定の場所へ移動させて、そこに鋼塊を横に倒して置く態様である。
本発明は、次に説明する実施態様に限定されない。
このような状態において柱状の鋼塊7を得た後、図3(a)に示したように、その一方端部31を第1トング5で掴む。そして、モールド3の長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したままクレーン11で吊り上げ、モールド3を移動し、図3(b)に示したように、モールド3を鋼塊リフター15の上に置く。ここで鋼塊リフター15の上面151が2階の床レベルとなるように配置されていることが好ましい。そして、2階において作業員がスツール13をモールド3と分離可能とする。具体的には、例えばスツール13をモールド3に固定してたボルトや爪を取り外す。
ここで、クレーン11は動かさずに、第1トング5によってモールド3を掴んだまま、鋼塊リフター15を下方(1階方向)へ移動させることで、モールド3内から鋼塊7の一部を抜き出す。
次に、図5に示したように、モールド3の内部から鋼塊7の一部が抜き出された状態で、クランプ装置17によって鋼塊7の側面を水平方向から挟む。そして、鋼塊7が倒れないように支える。ここでクランプ装置17は鉛直方向に移動可能に構成されており、鋼塊7の側面における長手方向の上方をクランプ装置17によって挟む。
そして、図8(a)に示したように、鋼塊7をクレーン11で吊り上げる。ただし、この時点で鋼塊7は1階のレベルに存在しているため、1階の内部を移動できる程度に鋼塊7をクレーン11で吊り上げればよい。
その後、図8(b)に示したように、鋼塊7を1階における所定の場所へ移動させ、その場所に鋼塊7を横に倒して置く。
3 モールド
5 第1トング
7 鋼塊
9 第2トング
11 クレーン
13 スツール
15 鋼塊リフター
17 クランプ装置
31 モールドの一方端部
32 モールドの他方端部
71 鋼塊の上側端部
151 鋼塊リフターの上面
L 鋼塊の中心軸
Claims (3)
- 長手方向が鉛直方向と平行になるように配置された状態でその内部において鋼塊が凝固する柱状のモールドの一方端部を第1トングで掴み、前記モールドの長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したままクレーンで吊り上げ、前記モールドを移動した後、前記モールドの他方端部に存する前記モールドの蓋であるスツールが、前記モールドを乗せたまま鉛直方向へ移動可能な台である鋼塊リフターの上面に接するように、前記モールドを前記鋼塊リフター上に置く第1裁置工程と、
前記スツールを前記モールドと分離可能とした後、前記モールドの長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したまま、前記第1トングによって前記モールドを掴んだまま、前記鋼塊リフターを下方へ移動させることで、前記モールド内から前記鋼塊の一部を抜き出す第1抜出工程と、
前記モールド内から前記鋼塊の一部が抜き出された状態で、クランプ装置によって前記鋼塊の側面を水平方向から挟むことで前記鋼塊が倒れないように支える支持工程と、
前記鋼塊の側面が前記クランプ装置によって挟まれた状態で、前記鋼塊の長手方向が鉛直方向と平行である状態を維持したまま、前記クレーンによって前記第1トングを引き上げて、前記モールド内から前記鋼塊の全てを抜き出す第2抜出工程と、
前記鋼塊の上側端部を第2トングで掴み、前記クランプ装置を前記鋼塊の側面から離し、前記鋼塊をクレーンで吊り上げ、前記鋼塊を所定の場所へ移動させた後、その場所に前記鋼塊を横に倒して置く第2裁置工程と、
を備える、型抜き方法。 - 請求項1に記載の型抜き方法において用いる前記クランプ装置であって、
前記鋼塊リフターを水平方向から挟むようにその両サイドに配置され、
鉛直方向において移動可能に構成され、
前記鋼塊の側面を水平方向から挟むことで前記鋼塊が倒れないように支持することができる、クランプ装置。 - 請求項1に記載の型抜き方法を行うことができる型抜き装置であって、
前記モールドの一方端部を掴む前記第1トングと、
前記鋼塊の上側端部を掴む前記第2トングと、
前記第1トングおよび/または前記第2トングと連結される前記クレーンと、
前記モールドの他方端部に存する前記スツールが上面に接するように前記モールドを置く、前記モールドを乗せたまま鉛直方向へ移動可能な台である前記鋼塊リフターと、
請求項2に記載のクランプ装置と、
を有する型抜き装置。
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JP2019106759A JP7310328B2 (ja) | 2019-06-07 | 2019-06-07 | 型抜き方法、その方法において用いる鋼塊のクランプ装置およびそのクランプ装置を含む型抜き装置 |
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