JP6266996B2 - 鳥害防止具と、その取付方法 - Google Patents
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Description
本実施による鳥害防止具は、図1(a)(b)のように、複数の起立体2,2aと、各起立体2,2aを繋ぐラインロープ(ライン材)3と、各起立体2,2aを取り付ける連装部材1とを備えている。このうち起立体2,2aは、ラインロープ3の長手方向の両端に繋ぐもの(符号2)と、ラインロープ3の中間に繋ぐもの(符号2a)があるが、本実施ではいずれも同一の構成のものを使用していることから、まとめて説明する。起立体2,2aは、電線取付部4と離隔部5とからなっている。電線取付部4は、電線Dを囲む電線受け部材6と、電線押圧部材7とからなっている。電線受け部材6は、上片と下片と縦片とから、ほぼコ字型をなしている。さらに、電線受け部材6の開放側には、開閉可能な蓋部材8を有しており、開放口から電線受け部材6の内周側に受け入れた電線Dを蓋部材8で閉塞することによって、電線Dを離脱させなくできる。電線押圧部材7は、棒状をなしている。さらに、電線押圧部材7の長手方向の一端部には、電線Dを押すための押圧部7aを有しており、長手方向の他端部には、間接活線把持具9に取り付けできる被取付部7bを有している。そして、押圧部7aは、電線受け部材6の下片に対して上下に挿通しており、電線押圧部材7を電線受け部材6の内周側に配するとともに、電線受け部材6の外周側には間接活線把持具9で掴むことのできるヒレ状をなす被把持部12を配している。さらに、離隔部5は、電線取付部4の上部からほぼ垂直に起立するロープ受け部13と、ロープ受け部13の上下の任意の位置でラインロープ3を挟んで固定できるロープ押さえ部14とから構成するものである。ロープ受け部13とロープ押さえ部14は、ネジ15で締め付けることでロープ受け部13がロープ押さえ部14側に引き寄せられてラインロープ3を挟み込む構造をなす。また、離隔部5の頂部には、鳥の立ち止まりを防ぐ鳥返し16が設けてあり、頂部を尖らせることにより離隔部5に鳥が立ち止らないようにしてある。さらに、ラインロープ3は、本実施形態では樹脂材料で成形されたものを使用しており、絶縁性を有するとともに一定以上の引張り強度と剪断耐力のある強靭な材質が選定されている。
第一の手順として、図3(a)のように、鳥害防止具のいずれかの起立体2,2aの被把持部12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの近くまで運ぶ。さらに、すべての起立体2,2aの電線取付部4を電線Dに引っ掛け、蓋部材8を閉めて電線取付部4の内周に電線Dを包囲する。
第二の手順として、図3(b)のように、複数の起立体2,2aのうち、最端に配してある起立体2の電線押圧部材7の被取付部7bを間接活線把持具9で回転し、電線Dに対して最端に配してある起立体2を固定する。さらに、他の起立体2、2aのいずれかの被把持部12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの長手方向に移動させることで、最端に配される起立体2が連装部材1から外れる。このまま、連装部材1を移動させることで、最端に配される起立体2と隣接する他の起立体2,2a間のラインロープ3が張った状態となる。
第三の手順として、図3(c)のように、最端から2番目に配置する起立体2aの電線押圧部材7を間接活線把持具9で回して固定する。さらに、連装部材1を電線Dの長手方向に移動させて最端から2番目の起立体2aと同じく最端から3番目の起立体2aの間のラインロープ3を張った状態とする。
第四の手順として、図3(d)のように、すべての起立体2,2aを電線Dに取り付けた後、最後の起立体2から間接活線把持具9で連装部材1を取り外すことにより、電線Dにほぼ平行してラインロープ3が張られ、これにより、電線Dに対する鳥害防止具の取り付けが完了する。
これにより、電線Dに取り付ける全ての起立体2,2aとラインロープ3を繋いで組み立てた状態で、且つ連装部材1の一側面に一纏めにした状態で間接活線把持具9により電線Dの近傍まで近付け、さらに、すべての起立体2,2aを一度の工程で電線Dに仮置きすることができる。したがって、鳥害防止具の電線Dに対する設置が容易になり、バケット車の作業者が短絡事故の危険を感じることなく作業ができる。さらに、鳥害防止具を電線Dに取り付け後に残った連装部材1は、ダンボール紙を使用していることで簡単に廃棄できるものである。
第一の手順として、図5(a)のように、いずれかの起立体2,2bの被把持部(図示省略)12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの近くまで運ぶ。さらに、両端に配置される起立体2と、中間に配置される起立体2bを電線Dに仮置きの状態で引っ掛ける。このとき、最端に配してある起立体2の蓋部材8を閉めるとともに、中間の起立体2bの電線挿通部33を閉じることで、電線取付部4および電線挿通部33の内周側で電線Dを包囲する(図1(b)もあわせて参照)。
第二の手順として、図5(b)のように、複数の起立体2,2bのうち、最端に配してある起立体2の電線押圧部材7の被取付部7b(図1(b)参照)を間接活線把持具9の操作で電線Dに起立体2を取り付ける。さらに、他の起立体2,2bのいずれかの被把持部12を間接活線把持具9で掴んで電線Dの長手方向に沿って移動させることで、最端に配される起立体2が連装部材1の起立体取付孔10aから外れる。このまま、連装部材1を移動させることで、図5(c)のように、最端に配される起立体2と隣接する他の起立体2b間のラインロープ3が張った状態となる。
第三の手順として、図5(d)のように、すべての起立体2,2bをラインロープ3が張った状態で電線Dに取り付けた後、最後の起立体2の被取付部7bを間接活線把持具9の操作で電線Dに取り付ける。その後、連装部材1を取り外すことにより、電線Dにほぼ平行してラインロープ3が張られ、これにより、電線Dに対する鳥害防止具の取り付けが完了する。
1a 折り曲げ部
2 最端に配してある起立体
2a 中間に配してある電線に固定する態様の起立体
2b 中間に配してある電線に挿通する態様の起立体
3 ラインロープ(ライン材)
4 電線取付部
5 離隔部
6 電線受け部材
7 電線押圧部材
7a 押圧部
7b 被取付部
8 蓋部材
9 間接活線把持具
10a 起立体取付孔(起立体保持部)
10b ロープ保持部(起立体保持部)
11 上部通し孔
11a 切れ込み線
12 被把持部
13 ロープ受け部
14 ロープ押さえ部
15 ネジ
16 鳥返し
20 ロープ通し孔
21 切れ込み線
22 折り曲げ線
33 電線挿通部
34 ヒンジ
D 電線
Claims (2)
- 複数の起立体と、ライン材と、連装部材とを備えており、
ライン材は、可撓性を有しており、
各起立体は、ライン材の長手方向に間隔をあけて一続きに繋がれており、開閉可能な電線取付部を備え、電線取付部が電線の外周を包囲して電線長手方向へ移動可能であり、
ライン材の両端に繋いである起立体は、電線に取り付けが可能であり、
ライン材の中間に繋いである起立体は、電線に取り付けが可能なものと電線から離脱不能に挿通するものが適宜選択され、
連装部材は、各起立体を脱着可能に取り付けており、電線と接触せず起立体を介して電線に取り付けられることを特徴とする鳥害防止具。 - 鳥害防止具は、複数の起立体と、ライン材と、連装部材とを備え、
各起立体は、ライン材の長手方向に間隔をあけて一続きに繋がれており、開閉可能な電線取付部を備え、電線取付部が電線の外周を包囲して電線長手方向へ移動可能であり、
連装部材は、各起立体を脱着可能に取り付けており、電線と接触せず起立体を介して電線に取り付けられるものであり、
鳥害防止具を間接活線把持具により把持して電線に近付け、起立体の電線取付部を電線の外周へ包囲させて仮置きする第一の工程と、
複数の起立体のうち、ライン材の一方側端部に繋いである起立体を間接活線把持具により電線に固定する第二の工程と、
間接活線把持具によって鳥害防止具を電線の他方側に引っ張り、第二の工程で電線に固定した起立体を連装部材から抜き出すとともに、残りの起立体を連装部材から次々に抜き出しながら電線の長手方向に沿って配置していき、さらに、ライン材を電線とほぼ平行に張った状態とする第三の工程と、
ライン材に繋いである最後の起立体を電線に取り付けた後、間接活線把持具により連装部材を最後の起立体から取り外す第四の工程を経ることを特徴とする鳥害防止具の取付方法。
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