JP6935917B2 - 忌避線架線具の設置具 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の忌避線架線具を架空線に設置する作業で用いられる設置具に関する。
架空線には、鳥害を防止するため、架空線の上方に鳥害防止用の忌避線が架けられることがある。この忌避線を架空線の上方に架けるために用いられるのが忌避線架線具であり、架空線には複数の忌避線架線具が所定間隔ごとに固定される。
忌避線架線具は、架空線に設置可能な本体部と、この本体部から延設された支持部及び操作部とを備えている。このうち、支持部は、本体部のうち、本体部が架空線に設置されたときに架空線の上方側に位置する部分から上方に向かって延設されている。この支持部は、忌避線架線具が架空線に設置されると、架空線の上方に忌避線を支持する。一方、操作部は、本体部のうち、本体部が架空線に設置されたときに架空線の上方側以外の非上方側(側方側や下方側)に位置する部分から延設されている。具体的には、操作部は、本体部のうち、架空線の下方側に位置する部分から下方に向かって延設されていたり、本体部のうち架空線の側方側(左方側又は右方側)に位置する部分からその側方に向かって延設されていたりする。忌避線架線具は、この操作部が操作されると、架空線に設置された本体部を、架空線に固定することができる。
このように構成された複数の忌避線架線具を架空線に一度に設置することができる設置具として、図10に記載された、平板状に形成された設置具100が知られている(特許文献1)。
この設置具100は、複数の忌避線架線具を架空線に一度に設置するため、その一方の板面上に、各忌避線架線具200を平行に一列に並べられて取り付けることができるよう構成されている。
この設置具100を用いて各忌避線架線具200を架空線に設置した場合、その後、各忌避線架線具200は、作業員によって所定間隔毎に離間されて架空線に固定される。
すると、各忌避線架線具200の各支持部201を渡して忌避線が架空線上に張られるので、これによって架空線への鳥害が忌避線によって抑制される。
特開2015−154598号公報
ところで、上述した設置具100を用いて、複数の忌避線架線具200を活線の架空線に設置する作業を行う場合、次のような活線作業用の工事具が用いられることが多い。その工事具は、竿の先端部が二股に分かれて2本の指部をなし、竿の後端部に備えられた操作部を操作すると各指部の遊端が近づき、各指部の遊端の間に対象物を挟んで対象物を把持することが可能な器具である。
この活線作業用の工事具を用いて複数の忌避線架線具200を活線の架空線に設置する作業を行う場合、作業員は、まず、設置具100に複数の忌避線架線具200を取り付ける。次に、作業員は、活線作業用の工事具の先端側に設けられた二本の指部で設置具100を挟み、活線作業用の工事具の後端側を持って設置具100を持ち上げ、設置具100に取り付けられた複数の忌避線架線具200を架空線に近づける。
しかし、設置具100は、平板状に形成されているため、活線作業用の工事具の指部で挟んで持ち上げたときに、複数の忌避線架線具200の重さによって、指部で挟まれている部分で折れ曲がってしまうことがある。
そのため、設置具100を用いても、複数の忌避線架線具を一度に架空線に設置することができない場合があった。
本発明は、平面形状に形成された設置具に比べ、複数の忌避線架線具を架空線に一度に設置できる機会を増加させることができる設置具を提供することを目的とする。
(1)本発明の設置具は、複数の忌避線架線具を、各支持部同士が平行になり、かつ、各操作部同士が平行になるように集めて一列に並べた状態で架空線に設置する作業で用いられる器具である。
本発明の設置具は、各忌避線架線具が備える各本体部からなる本体部群のうち、各支持部が延設される上方側から、各操作部が延設される非上方側までを少なくとも覆う覆部と、覆部が本体部群を覆った状態を保持させる保持部と、を備えている。
このうち覆部は、本体部群の上方側を覆う部分に設けられ、各忌避線架線具が備える各支持部を通す複数の第1孔部と、本体部群の非上方側を覆う部分に設けられ、各忌避線架線具が備える各操作部を通す複数の第2孔部と、を備える。
本発明の設置具は、各忌避線架線具の支持部及び操作部を各第1孔部及び各第2孔部に通すと、覆部が本体部群の上方側及び非上方側を覆う。このとき覆部は、立体構造である本体部群の少なくとも2面を覆うため立体構造をなし、その立体構造は保持部によって保持される。そしてこの立体構造が保持されると、各忌避線架線具は覆部に取り付けられる。
本発明の設置具は、覆部の立体構造と、その立体構造を保持する構造によって、平面形状の設置具に比べ折り曲げにくい構造を有している。そのため、複数の忌避線架線具が取り付けられた本発明の設置具の覆部を上述した活線作業用の工事具が備えている二本の指具で挟んで持ちあげても、本発明の設置具は、従来の設置具に比べ、折れ曲がる機会が少なくなる。
したがって、本発明の設置具は、平面形状に形成された設置具に比べ、複数の忌避線架線具を架空線に一度に設置できる機会を増加させることができる。
(2)本発明の設置具を構成する覆部は、第1孔部から形成された第1切目部であって、第1孔部からみて対応する第2孔部が位置する側とは反対側の当該覆部の縁まで形成された第1切目部と、第2孔部から形成された第2切目部であって、第2孔部からみて対応する第1孔部が位置する側とは反対側の当該覆部の縁まで形成された第2切目部と、を複数備えていてもよい。
本発明の設置具は、各忌避線架線具を架空線に設置した後、各忌避線架線具から取り外す必要がある。この取り外しの際、覆部を切断用の器具で切断してもよい。しかし、各忌避線架線具は、各第1孔部に各支持部が通され、各第2孔部に各操作部が通されて本発明の設置具に取り付けられている。そのため、これら第1孔部及び第2孔部に、本発明のように覆部の縁まで延びる第1切目部及び第2切目部を設けると、これら第1切目部及び第2切目部を切るだけで、忌避線架線具を本発明の設置具から簡単に外すことができる。すなわち、本発明の設置具は、これら第1切目部及び第2切目部が切れる程度の力で覆部を引っ張れば、これら第1切目部及び第2切目部が切れて、架空線に掛けられた各忌避線架線具から簡単に取り外すことができる。
したがって、本発明の設置具は、平面形状に形成された設置具に比べ、複数の忌避線架線具を架空線に一度に設置できる機会を増加させることができるだけでなく、架空線に設置された各忌避線架線具から簡単に外すこともできる。
(3)本発明の設置具を構成する覆部は、各第1孔部が並ぶ位置と各第2孔部が並ぶ位置との間の位置に形成され、本体部群を覆った当該覆部を持ち運ぶための持運部を備えるようにしてもよい。
本発明の設置具を構成する覆部は、本体部群を覆うとき立体構造をなし、その立体構造が保持部によって保持される。特に、各第1孔部が並ぶ位置と各第2孔部が並ぶ位置との間の位置では、覆部は、各第1孔部及び各第2孔部に各支持部と各操作部が挿入されて止められるので、立体構造が他の部分に比べ崩れにくい。
そのため、本発明の設置具のように上述した位置に持運部を設置し、この持運部を介して複数の忌避線架線具が取り付けられた本発明の設置具を持ち運べば、複数の忌避線架線具を一列に並べた状態で架空線に確実に設置することができる。
(4)本発明の設置具を構成する持運部は、本体部群をなす各本体部が並べられた並び方向の両端の中間位置に設けてもよい。
この中間位置以外の場所に持運部を設け、この持運部を介して本発明の設置具に一列に並べて取り付けられた忌避線架線具を持ち運ぶと、それら忌避線架線具は、重量の不平衡によって、その並び方向のうちいずれか一方の端部側に傾いてしまうことがある。そうすると、一列に並べて設置具に取り付けられた忌避線架線具を架空線に近づけたとき、各忌避線架線具が並べられた並び方向と架空線の長手方向とが一致しなくなる場合がある。しかし、本発明のように上述した中間位置に持運部を設けると、上記のような傾きの発生を抑制できるので、各忌避線架線具が並べられた並び方向と架空線の長手方向とを一致させやすくなる。
(5)持運部は、覆部に形成された孔部である持運孔であってもよい。この場合、例えば、上述した活線作業用の工事具が備える指部の先端を持運孔に挿入すれば、その活線作業用の工事具の先端に複数の忌避線架線具を覆った設置具を引っ掛けて持ち運ぶことができ、そうすると、電線にアプローチすることに使用できる。
(6)本発明の設置具を構成する保持部は、どのような構成でもよいが、例えば、保持部は、覆部に対して折り曲げ可能に接続された保持覆部と、本体部群を覆っている覆部と、覆部に対して折り曲げられた保持覆部との非接続部分を連結させる連結部と、を有し、各忌避線架線具が一列に並べられた並び方向を前後方向とした場合に、本体部群の前方側を覆うことが可能な位置及び後方側を覆ことが可能な位置のうち少なくとも一方の位置で本体部群が保持覆部に覆われるとともに、保持覆部が本体部群を覆うことが可能な位置に位置するとき、保持覆部と覆部とが連結部で連結されるよう構成してもよい。
このようにすると、保持覆部を覆部に対して折り曲げ、連結部を介して保持覆部と覆部との非連結部分を連結させるだけの簡単な作業で、覆部の立体構造を保持可能に本発明の設置具を組み立てることができる。
(7)なお、保持覆部は、本体部群を構成する各本体部に固定された架空線が通る位置に設けられる場合、この架空線を通す架空線挿通孔と、当該保持覆部の外周縁から架空線挿通孔まで形成された切断部、を備える構成としてもよい。
(8)本発明の設置具は、支持部と操作部以外にも本体部から延設された構成を備えてもよいが、例えば、各忌避線架線具が、覆部に覆われる表面のうち、支持部と操作部との間の位置で、本体部から延設される突設部を備える場合、設置具を構成する覆部は、各突設部を通す複数の第3孔部を備えるようにしてもよい。
(9)この場合、本発明の設置具を構成する覆部は、忌避線架線具が取り付けられる位置に、第3孔部と、対応する第1孔部または対応する第2孔部とを結んで形成された第3切目部を備えるようにしてもよい。
なお、第1切目部、第2切目部、第3切目部は、覆部の表面を、その表面とは反対側の面まで届かない深さで線状に切って形成してもよいし、覆部を切った部分と、切らない部分を交互に線状に繰り返す、いわゆるミシン目と呼ばれる形態で形成してもよい。
実施形態の設置具に取り付けられる忌避線架線具の斜視図である。(a)は正面斜視図、(b)は背面斜視図である 実施形態の設置具の平面図である。 実施形態の設置具に忌避線架線具を取り付ける様子を説明するための説明図である。この説明図は、設置具及び忌避線架線具を斜視図で示している。なお、図3では、図面が煩雑になるため、一部構成については符号を省略している。 実施形態の設置具に忌避線架線具を取り付ける様子を説明するための説明図である。この説明図は、設置具及び忌避線架線具を斜視図で示している。なお、図4では、図面が煩雑になるため、一部構成については符号を省略している。 (a)(b)ともに、実施形態の設置具を用いて、架空線に忌避線架線具を設置する様子を説明するための説明図である。 (a)(b)ともに、実施形態の設置具を用いて、架空線に忌避線架線具を設置する様子を説明するための説明図である。 実施形態の設置具を用いて、架空線に忌避線架線具を設置する様子を説明するための説明図である。 他の実施形態である設置具の平面図である。 (a)忌避線架線具の本体部を囲った他の実施形態である設置具を説明するための説明図であり、前後方向に垂直な断面で、他の実施形態である設置具を示している。(b)は、比較のために示した、本実施形態の設置具の断面図である。 従来の設置具の説明図である。
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の設置具は、図1(a)及び図1(b)に示す忌避線架線具9を架空線に設置するための設置具である。そのためまず、忌避線架線具9について詳細に説明した後、本実施形態の設置具を説明する。
<忌避線架線具9>
忌避線架線具9は、三方覆部90と、蓋部91と、支持部92と、挟持部93と、操作部94と、非把持部95とを備える。なお、三方覆部90と、蓋部91とをまとめて本体部96と呼ぶ。
三方覆部90は、コ字形状に形成されており、忌避線架線具9が架空線に設置されるとき、架空線の上方側、下方側、及び、一方の側方側を覆う。このうち一方の側方側とは、架空線の軸方向を前後方向としたときの左右方向のいずれかの一方の方向側を意味する。
なお、前後方向は、架空線の軸方向に沿った方向としたが、本実施形態では、各忌避線架線具9が後述するように一列に並べられた並び方向(図3参照)をも意味する。
蓋部91は、長方形状に形成されており、忌避線架線具9が架空線に設置されるとき、三方覆部90が架空線を覆っていない部分、すなわち、架空線の他方の側方側を覆う。
三方覆部90及び蓋部91は、蓋部91が架空線の他方の側方側を覆う位置にあるとき、架空線の外周面を囲って、架空線が入る大きさの取付空間99を形成する。
蓋部91は、三方覆部90が形作るコ字の上方側の端部に相当する位置で、長手方向の一端が三方覆部90に対して回動可能に固定されており、架空線の他方の側方側を覆う閉位置から、取付空間99の外部から取付空間99の内部に架空線を差し入れることが可能となる開位置まで移動可能に三方覆部90に取り付けられている。
また、蓋部91は、三方覆部90が形作るコ字の下方側の端部に相当する位置に設けられた突起905に、蓋部91に設けられている固定用孔906を嵌挿すると、三方覆部90に対して固定することができる。
支持部92は、上下方向に長細い平板形状に形成されており、板面が左右方向に対して垂直となるように、三方覆部90のうち架空線の上方側を覆う上方側覆部901の左右方向の中央から上方に向かって延設されている。
この支持部92には、後述する忌避線固定具98が取り付けられる固定用孔部97が設けられている。この固定用孔部97は、支持部92の長さで示すと、支持部92の上端から下方に1/5下がった地点から3/5下がった地点まで形成された、上下方向に細長い長方形状の孔部である。
忌避線固定具98も、固定用孔部97と同様、上下方向に長細い長方形状に形成されている。固定用孔部97の内部には、固定用孔部97の長手方向の中央に、軸方向が前後方向に沿った回転軸が設けられている。忌避線固定具98は、その長手方向の中央部分が、この回転軸に対し回転可能に固定されている。忌避線固定具98は、支持部92と平行となる位置(以下、「折畳位置」という)まで回転したときに、固定用孔部97をほぼ埋める大きさに形成されている。
忌避線固定具98は、折畳位置に位置するとき、支持部92に対して固定される。本実施形態では、固定用孔部97上を通るように忌避線を配置した後、忌避線固定具98を回転させ、忌避線固定具98で忌避線を押して忌避線を固定用孔部97内に押し入れ、固定用孔部97内で忌避線固定具98と支持部92との間に忌避線を挟み、忌避線固定具98を支持部92に固定すると、忌避線が忌避線架線具9に固定される。すると、忌避線は、取付空間99に位置する架空線から所定距離上方で支持部92に支持される。
挟持部93は、移動挟持部930と、三方覆部90のうち架空線の上方側を覆う上方側覆部901とで構成されている。このうち移動挟持部930は、取付空間99内で上下方向に移動可能に、三方覆部90に対して取り付けられている。また、移動挟持部930のうち、蓋部91側の端部には、移動挟持部930が架空線を挟持可能な位置まで来ると、蓋部91に引っ掛かる固定部931が形成されている。
挟持部93は、後述する操作部94を操作して、移動挟持部930を取付空間99内で上方に向かって移動させると、取付空間99の天井面であって、三方覆部90の上方側覆部901と、上述した移動挟持部930との間に架空線を挟む。そのため、本実施形態では、蓋部91を開けて架空線を取付空間99内に差し入れた後、操作部94を操作すれば、忌避線架線具9が架空線に固定される。
操作部94は、円筒形状に形成されており、中心軸が三方覆部90の下方側覆部902の左右方向に沿った長手方向の中央から下方に向かって延設されるように、下方側覆部902から下方に向かって延設されている。本実施形態の忌避線架線具9では、操作部94を軸周りに回転させると、挟持部93の移動挟持部930が上下方向に移動するよう構成されている。
非把持部95は、前後方向に垂直な板面を有する長板形状に形成されたものであり、三方覆部90の下方側覆部902と、三方覆部90が一方の側面側を覆う一方側覆部903との境界部分から、他方の側面側の斜め下方に向かって延設されている。非把持部95の板面には、滑り止め用の複数の突起が形成されている。非把持部95は、活線作業用の工事具5(図5(a)参照)で把持することができる大きさに形成されている。
なお、活線作業用の工事具は、例えば、図5(a)に示すように、竿の先端部が二股に分かれて2本の指部をなし、竿の後端部に備えられた操作部を操作すると各指部の遊端が近づき、各指部の遊端の間に対象物を挟んで対象物を把持することが可能な工具である。
以上のように構成された複数の忌避線架線具9を架空線に所定間隔ごとに固定するとともに、忌避線をそれぞれの忌避線架線具9の支持部92に支持させれば、架空線上に鳥害防止用の忌避線を張ることができる。
<設置具1>
次に、本実施形態の設置具1について、図2、図3(a)、図3(b)、図4を参照しながら説明する。
なお、設置具1の各部が設置される方向について、上方側、下方側、前方側、後方側、一方の側方側、及び、他方の側面側というとき、これらが示す方向は、設置具1を用いて忌避線架線具9を架空線に設置されたとき、設置具1の各部が架空線に対して位置する方向を示している。前後方向は、前述したように、架空線の軸方向に沿った方向である。
また、図2では、本実施形態の設置具1が折り曲げられる部分を点線で示し、切目部や切断部を実線(設置具1の輪郭を除く)で示しているものとして説明する。
本実施形態の設置具1は、複数の忌避線架線具9を架空線に一度に設置するための工事用の道具である。
本実施形態の設置具1を構成する材料は、透明なポリプロピレンである。設置具1は、透明なポリプロピレン製のシートを、図2に示すように、プレス加工などによって所定の形状に型抜きする方法で形成される。
この設置具1の大きさは、図3、及び、図4に示すように、架空線に掛けられるときに各蓋部91が他方の側方側を向くように向きを揃えて一列に並べられた複数の忌避線架線具9の各本体部96からなる本体部群8を覆うことができる大きさである。
本実施形態の設置具1は、図2に示すように、大きく2つの部位を有する。1つは、架空線に設置されたとき、本体部群8の上方側、下方側、一方の側方側、及び、他方の側面側を覆う覆部2であり、もう1つは、本体部群8の前方側及び後方側を覆う保持覆部3である。覆部2及び保持覆部3は、このように一体に形成されている。
<覆部2>
覆部2について、図2を用いて説明する。
覆部2の形状は、本体部群8を構成する本体部96が並べられる方向(図3参照)、すなわち、設置具1が架空線に設置されたときの前後方向に沿って長尺な長方形状である。このため、覆部2について、図2を用いて説明する場合、以下では、前後方向を長辺方向、前後方向に垂直な方向を短辺方向と呼ぶ。
この覆部2が本体部群8(図3参照)を覆うとき、覆部2は、4カ所で折られる。この折られる場所は、図2では、4本の点線で示している。そして、覆部2のうち、これら4つの点線で区切られる5つのそれぞれの部分については、下記のように呼ぶものとする。
覆部2のうち、短辺方向の中央に位置する部分(図2中で上から2本目と3本目の点線で囲まれた部分)は、本体部群8(図3参照)を覆うときに本体部群8の一方の側方側部分を覆う。覆部2のうち、この本体部群8の一方の側方側部分を覆う部分を、中央覆部分25と呼ぶ。
覆部2のうち、中央覆部分25に対し短辺方向の一方の側で隣接する部分(図2中で上から1本目と2本目の点線で囲まれた部分)は、本体部群8(図3参照)を覆うときに本体部群8の上方側部分を覆う。覆部2のうち、この本体部群8の上方側部分を覆う部分を、上方覆部分24という。
覆部2のうち、中央覆部分25に対し短辺方向の他方の側で隣接する部分(図2中で上から3本目と4本目の点線で囲まれた部分)は、本体部群8(図3参照)を覆うときに本体部群8の下方側部分を覆う。覆部2のうち、この本体部群8の下方側部分を覆う部分を、下方覆部分26という。
覆部2のうち、上方覆部分24に対し中央覆部分25とは反対側で隣接する部分(図2中で上から1本目の点線よりも上方部分)は、本体部群8(図3参照)を覆うときに本体部群8の他方の側方側部分のうち上方側の一部を覆う。覆部2のうち、この本体部群8の他方の側方側部分のうち上方側の一部を覆う部分を、第1覆部分23という。
覆部2のうち、下方覆部分26に対し中央覆部分25とは反対側で隣接する部分(図2中で上から4本目の点線よりも下方部分)は、本体部群8(図3参照)を覆うときに本体部群8の他方の側方側部分のうち下方側の一部を覆う。覆部2のうち、この本体部群8の他方の側方側部分のうち下方側の一部を覆う部分を、第2覆部分27という。
≪覆部2の中央覆部分25≫
覆部2の中央覆部分25には、複数の挿通孔250が形成されている。これら挿通孔250は、覆部2の長辺方向に沿って並べられ、互いに間隔をあけて形成されている。また、これら挿通孔250は、中央覆部分25の短辺方向に沿った幅方向でみた場合、その幅方向の中央より下方覆部分26側に寄った位置に形成されている。
これら挿通孔250の大きさは、それぞれの忌避線架線具9の非把持部95を挿通可能な大きさであり、その形状は、覆部2の短辺方向沿って長尺な長方形状である。
覆部2の中央覆部分25には、複数の切目部251が形成されている。これら切目部251は、挿通孔250の下方覆部分26側の端部を結んで覆部2の長辺方向に沿って引いた線のうち、覆部2に形成されたそれぞれの挿通孔250の間、及び、長辺方向の両端の挿通孔250と覆部2の長辺方向の両端の辺(短辺方向に沿った辺)との間の部分に形成されている。
また、覆部2の中央覆部分25には、切目部251とは異なる複数の切目部252も形成されている。これら切目部252は、覆部2と保持覆部3との接続部分のうちの下方覆部分26の端点である端点301を通って、覆部2の長辺方向に沿って引いた線のうち、長辺方向の両端の挿通孔250と覆部2の長辺方向の両端の辺(短辺方向に沿った辺)との間の部分に形成されている。
覆部2の中央覆部分25には、持運孔253が形成されている。この持運孔253は、覆部2の中央覆部分25の長辺方向の中央(本体部群8(図3参照)をなす各本体部96が並べられた並び方向の両端の中間位置)に形成されている。この持運孔253の大きさは、活線作業用の工事具5(図5(a)参照)が備える指部の遊端側を差し込むことができる大きさである。
なお、後述する保持覆部3は、この覆部2の中央覆部分25で連結されている。
≪覆部2の上方覆部分24≫
覆部2の上方覆部分24には、複数の挿通孔240が形成されている。これら挿通孔240は、覆部2の長辺方向に沿って並べられ、互いに間隔をあけて形成されている。また、これら挿通孔240は、上方覆部分24の短辺方向に沿った幅方向でみた場合、その幅方向の中央に形成されている。
これら挿通孔240の大きさは、それぞれの忌避線架線具9の支持部92であって、忌避線固定具98で固定用孔部97を閉じた支持部92(図1参照)を挿通可能な大きさであり、その形状は、覆部2の長辺方向に沿って長尺な長方形状である。
覆部2の上方覆部分24には、複数の切目部241が形成されている。これら切目部241は、それぞれの挿通孔240の長手方向(長辺方向に沿った方向)に沿った辺のうち第1覆部分23側の辺の中央から、短辺方向に沿って第1覆部分23側に向かって形成されている。これら切目部241は、第1覆部分23に設けられた後述するそれぞれの蓋止切欠部230(覆部2の長辺方向に沿って長尺な辺のうち、蓋止切欠部230が設けられた辺側の縁)まで形成されている。
覆部2の上方覆部分24には、切目部241とは異なる複数の切目部242が形成されている。これら切目部242は、それぞれの挿通孔240の長手方向(長辺方向に沿った方向)に沿った辺のうち中央覆部分25側の辺の中央から、短辺方向に沿って中央覆部分25側に向かって、覆部2の上方覆部分24と中央覆部分25との境目となる部分(図2中で上から2本目の点線が記載された部分)と挿通孔240との中間部分まで形成されている。これら切目部242は、挿通孔240側を下端とするT字状に形成されている。
覆部2の上方覆部分24には、覆部2を切断した複数の切断部243が形成されている。これら切断部243は、上方覆部分24のうち、それぞれの挿通孔240が設けられている位置の中間に形成されている。これら切断部243は、短辺方向に沿って覆部2を直線上に切断した形状に形成されており。これら切断部243の上下端には、所定の大きさの開口が形成されている。
覆部2の上方覆部分24には、複数の連結突起244が設けられている。これら連結突起244は、上方覆部分24の長辺方向の両端の辺(短辺方向に沿った辺)から突設されている。
覆部2の上方覆部分24には、切目部241、切目部242とも異なる、複数の切目部245が形成されている。これら切目部245は、長辺方向の中央の切断部243と、その両隣の挿通孔240との間に形成されている。
さらに、覆部2の上方覆部分24には、切目部241、切目部242、切目部245とも異なる、複数の切目部246が形成されている。これら切目部246は、覆部2の長辺方向の両端に位置する挿通孔240と、覆部2の短辺との間に形成されている。
≪覆部2の第1覆部分23≫
覆部2の第1覆部分23には、複数の蓋止切欠部230が形成されている。これら蓋止切欠部230は、覆部2の長辺方向に沿った辺を切り欠いて形成されており、覆部2の長辺方向に沿って、互いに間隔をあけて形成されている。
また、それぞれの蓋止切欠部230には、2つずつ突起231が形成されている。これら突起231は、開いた蓋部91を開いた状態に止めるためのものである。これら突起231は、蓋止切欠部230を形成する辺のうち、短辺方向に沿った対向する2つの辺の長手方向中央に形成されている。
覆部2の第1覆部分23には、複数の連結突起232が設けられている。これら連結突起232は、第1覆部分23の長辺方向の両端の辺(短辺方向に沿った辺)から突設されている。
≪覆部2の下方覆部分26≫
覆部2の下方覆部分26には、複数の挿通孔260が形成されている。これら挿通孔260は、覆部2の長辺方向に沿って並べられ、互いに間隔をあけて形成されている。また、これら挿通孔260は、下方覆部分26の短辺方向に沿った幅方向でみた場合、その幅方向の中央に形成されている。
これら挿通孔260の大きさは、それぞれの忌避線架線具9の操作部94(図1参照)を挿通可能な大きさであり、それら挿通孔260の形状は、円形状である。
覆部2の下方覆部分26には、複数の切目部262が形成されている。これら切目部262は、それぞれの挿通孔260から、それぞれの挿通孔260の上方に位置する挿通孔250まで形成されている。
覆部2の下方覆部分26には、切目部262とは異なる複数の切目部263が形成されている。これら切目部263は、それぞれの挿通孔260から、それぞれの挿通孔260の下方に位置する後述する蓋開用切欠部270(覆部2の長辺方向に沿って長尺な辺のうち、蓋開用切欠部270が設けられた辺側の縁)まで形成されている。
覆部2の下方覆部分26には、複数の連結突起264が設けられている。これら連結突起264は、下方覆部分26の長辺方向の両端の辺(短辺方向に沿った辺)から突設されている。
≪覆部2の第2覆部分27≫
覆部2の第2覆部分27には、複数の蓋開用切欠部270が形成されている。これら蓋開用切欠部270は、覆部2の長辺方向に沿った辺を切り欠いて形成されており、覆部2の長辺方向に沿って、互いに間隔をあけて形成されている。これら蓋開用切欠部270は、忌避線架線具9の蓋部91を開けたときに邪魔にならない大きさに形成されている。
また、それぞれの蓋開用切欠部270には、2つずつ引掛凹部271が形成されている。これら引掛凹部271は、忌避線架線具9が設置具1に取り付けられたときに、忌避線架線具9の固定部931が引っ掛けられるものである。これら引掛凹部271は、蓋開用切欠部270を形成する辺のうち、短辺方向に沿った対向する2つの辺の長手方向中央に形成されている。
覆部2の第2覆部分27には、4つの連結突起272が設けられている。これら連結突起272は、第2覆部分27の長辺方向の両端の辺(短辺方向に沿った辺)から突設されている。これら連結突起272は、第2覆部分27の長手方向の両端に位置する辺から2つずつ設けられている。
覆部2の第2覆部分27には、引剥孔273が形成されている。この引剥孔273は、覆部2の第2覆部分27の長辺方向の中央に形成されている。この第2覆部分27の大きさは、活線作業用の工事具5(図5(a)参照)の先端を通すことができる大きさである。
<保持覆部3>
次に、保持覆部3について説明する。
保持覆部3は、覆部2の中央覆部分25の長辺方向の両端に設けられている。
保持覆部3は、覆部2の短辺方向に沿って長尺な形状に形成されている。保持覆部3全体の短辺方向の長さは、中央覆部分25の短辺方向に沿った幅とほぼ同じ長さである。しかし、保持覆部3と覆部2の中央覆部分25との接合は、中央覆部分25の短辺方向に沿った幅の略中央より上方覆部分24側でなされている。保持覆部3と覆部2との接合部分のうち、下方覆部分26側の端点を端点301と呼ぶ。
保持覆部3の長手方向(覆部2の短辺方向)の中央には、架空線を通す架空線挿通孔30が形成されている。また、保持覆部3の長手方向に沿った辺のうち、覆部2との接続部分とは反対側の辺の中央には、架空線挿通孔30に向かって三角形状に凹んだ切欠31が形成されている。
また切欠31から架空線挿通孔30までの部分には、保持覆部3を切断した切断部32が設けられている。
また、架空線挿通孔30や切断部32からは、保持覆部3を上下方向に沿って切断した複数の切断部33も設けられている。さらに、それぞれの架空線挿通孔30からみて覆部2側にも切断部33が設けられている。
さらに、設置具1を組み立てたときに、連結突起232、連結突起244、連結突起264、連結突起272がそれぞれ対向する部分(保持覆部3の覆部2と接合する側の辺以外の辺付近)には、それぞれの連結突起232、連結突起244、連結突起264、連結突起272が挿入されると、それぞれの先端が引っ掛かる複数の引掛部34が設けられている。
<取付方法>
次に、複数の忌避線架線具9を設置具1に取り付ける方法について、図3、図4を参照しながら、説明する。
本実施形態の設置具1に忌避線架線具9を取り付けるには、第1に、図3に示すように、本体部群8を覆部2で覆う。このとき、本体部群8を構成するそれぞれの忌避線架線具9の忌避線固定具98を閉じたそれぞれの支持部92を、覆部2のそれぞれの挿通孔240に通し、それぞれの忌避線架線具9のそれぞれの非把持部95を、覆部2のそれぞれの挿通孔250(図5(a)参照)に通し、それぞれの忌避線架線具9のそれぞれの操作部94を、覆部2のそれぞれの挿通孔260に通す。そうすると覆部2は、立体構造である本体部群8を覆うため立体構造をなす。
第2に、図4に示すように、覆部2に設けられているそれぞれの連結突起232、244、264、272を、保持覆部3に設けられた各引掛部34に挿入して引っ掛ける。すると、覆部2の立体構造は、保持覆部3によって保持される。そして、覆部2の立体構造が保持されると、各忌避線架線具9は、覆部2に固定される。
第3に、それぞれの忌避線架線具9の支持部92に忌避線であるテグス7が所定間隔ごとに固定される。このときテグス7は、忌避線固定具98を用いて各支持部92に固定される。また、各支持部92間に張られる余ったテグス7は、まとめられて切断部243に通され、設置具1に止められる。
第4に、それぞれの忌避線架線具9のそれぞれの蓋部91が開けられ、これら蓋部91は、それぞれの蓋部91の根本部分の細くなった部分が、対応する蓋止切欠部230内に挿入されて突起231に引っ掛けられ、覆部2に固定される。
本実施形態の設置具1は、覆部2が、複数の忌避線架線具9が備える本体部96からなる本体部群8の上方側、下方側、一方の側方側、及び、他方の側面側を覆って立体構造をなし、その立体構造を保持覆部3が保持している。そのため、本実施形態の設置具1は、複数の忌避線架線具9が取り付けられた状態で活線作業用の工事具5(図5(a)参照)が備える指部が持運孔253に挿入されるなどして持ち運ばれても、折れ曲がりにくい。
一方で、覆部2には、支持部92を通す挿通孔240と、操作部94を通す挿通孔260とから、他方の側方側に向かって覆部2の端部まで形成された切目部241,263や、挿通孔250から挿通孔260まで形成された切目部262が設けられているので、少なくともこれら切目部241、262、263を切れば、各忌避線架線具9は、設置具1から簡単に外すことができる。
また、これら切目部241、262、263以外にも多くの切目部を備えているので、これらの切目部241、262、263以外切目部を切目部を切ることで、各忌避線架線具9が設置具1から簡単に外れる。
したがって、本実施形態の設置具1は、複数の忌避線架線具9が取り付けられた状態で活線作業用の工事具5(図5(a)参照)で運ばれても折れ曲がりにくいので、複数の忌避線架線具9を一列に並べた状態で架空線に設置することができる。しかも、本実施形態の設置具1は、切目部241、262、263を切ればそれぞれの忌避線架線具から簡単に外すことができるので、それぞれの忌避線架線具9を架空線に設置した後、それぞれの忌避線架線具9から簡単に外すことができる。
<架空線への設置方法>
本実施形態の設置具1を用いて、複数の忌避線架線具9を架空線に設置する作業について簡単に説明する。
第1に、図5(a)に示すように、複数の忌避線架線具9が取り付けられた設置具1の持運孔253に活線作業用の工事具5の先端を通す。このとき、忌避線架線具9の蓋部91は開けておく(三方覆部90の取付空間99内に架空線6を差し入れることができる状態にしておく)。
第2に、図5(b)に示すように、設置具1に取り付けられたそれぞれの忌避線架線具9の取付空間99(図1参照)に架空線6を差し入れ、それぞれの忌避線架線具9の蓋部91を閉じる。このとき、架空線6は、保持覆部3の切欠31に当てられ、切断部32によって保持覆部3を割りながら、切断部32を通過して、架空線挿通孔30まで導かれる。なお、本実施形態の設置具1は、本体部群8の他方の側面側を覆う部分が上下2つに分かれているので(第1覆部分23、第2覆部分27)、覆部2のうち、本体部群8の他方の側面側を覆っている部分に邪魔されることなく、架空線6をそれぞれの忌避線架線具9の取付空間99内に差し入れることができる。
第3に、図6(a)に示すように、設置具1に取り付けられた複数の忌避線架線具9のうち、端に位置する忌避線架線具9を架空線6に固定する。具体的には、この端に位置する忌避線架線具9の操作部94を操作して、架空線6を取付空間99内で挟持部93を用いて挟持させる。このとき、挟持部93の固定部931が蓋部91を三方覆部90に固定する。
そして、設置具1にまだ取り付けられている忌避線架線具9のうち、いずれかの忌避線架線具9の非把持部95を活線作業用の工事具5(図5(a)参照)で把持して、架空線6に固定した忌避線架線具9から、設置具1にまだ取り付けられている忌避線架線具9を引き離す。このとき、切目部241、262、263やその他の切目部が切れ、架空線6に固定された忌避線架線具9が、設置具1から取り外される。そして、架空線6に固定された忌避線架線具9と、設置具1に取り付けられていたときに、架空線6に固定された忌避線架線具9の隣に設置されていた忌避線架線具9との間のテグス7が切断部243から外れ、これら忌避線架線具9が設置された架空線6上にテグス7が張られる。
その後、同様の作業を繰り返す。
第4に、最後に架空線6に固定された忌避線架線具9には、図6(b)に示すように、設置具1が取り付けられたまま残るので、図7に示すように、活線作業用の工事具5でその設置具1を忌避線架線具9から引き離す。
<対応関係>
本実施形態の挿通孔240は、本発明の第1孔部に相当する。
本実施形態の挿通孔260は、本発明の第2孔部に相当する。
本実施形態の挿通孔250は、本発明の第3孔部に相当する。
本実施形態の切目部241は、本発明の第1切目部に相当する。
本実施形態の切目部263は、本発明の第2切目部に相当する。
本実施形態の切目部262は、本発明の第3切目部に相当する。
本実施形態の非把持部95は、本発明の突設部に相当する。
本実施形態の切断部32は、本発明の切断部に相当する。
本実施形態の連結突起232、244、264、272、及び、各引掛部34は、本発明の連結部に相当する。本実施形態では、二組の保持覆部3が備えられているので、保持覆部3ごとに、連結部、すなわち、連結突起232、244、264、272、及び、各引掛部34が備えられている。
[他の実施形態]
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(1)上記実施形態で説明した設置具1に設けられたそれぞれの切目部241、242、245、246、251、252、262、263は、例えば、覆部2を貫通するように切るのではなく、覆部2の厚み方向の下半分を残して上半分だけを切るなど、覆部2の厚み方向でみて、つながる部分を一部に残して覆部2を切って形成されるものでもよい。また、これら切目部は、ミシン目のように、覆部2を切断する部分と、切断しない部分を交互に繰り返す形状に形成されたものでもよい。
(2)上記実施形態では、設置具1の覆部2が、本体部群8の他方の側面側をも覆っているが、本体部群8の他方の側面側については、その一部だけを覆うようにしてもよいし、全く覆わなくてもよい。
(3)上記実施形態では、6つの忌避線架線具9を設置可能な設置具1について説明したが、例えば、設置具1は、図8に示すように、4つの忌避線架線具9を設置するものでもよい。
(4)上記実施形態では、それぞれの忌避線架線具9を設置具1から順次取り外す例について説明したが、設置具1をそれぞれの忌避線架線具9から一度に外すようにしてもよい。この場合、引剥孔273に活線作業用の工事具5の先端を差し込んで設置具1を掴み、設置具1を下方に引っ張ることでそれぞれの忌避線架線具9から引きはがせばよい。
この場合、図8に示すように、切目部241、263、262に相当する切目部を、それぞれの忌避線架線具9を取り付ける部分ごとに1つずつではなく、2つずつ設けるなどして、これら切目部241、263、262が設けられた部分で設置具1が切れやすくすれば、それぞれの忌避線架線具9から設置具1を引きはがしやすくなる。
(5)上記実施形態では、切目部263が挿通孔250から挿通孔260に向かって設けられていると説明したが、この切目部263は、挿通孔250から挿通孔240に向かって設けられていてもよい。
(6)上記実施形態では、持運孔253が覆部2に設けられていると説明したが、この持運孔253に代えて、活線作業用の工事具5で把持可能なヒダ部等の持運部を覆部2に設けてもよい。
また、持運孔253は、図2に示すように、覆部2のうち、各挿通孔240が並ぶ位置αと各挿通孔260が並ぶ位置βとの間の位置に形成されていればよく、上記実施形態で示す位置に限られるものではない。
(7)上記実施形態では、図9(b)に示すように、操作部94が三方覆部90の下方側から延設された忌避線架線具9を覆う設置具1について説明したが、設置具1は、図9(a)に示すように、操作部94が本体部96の一方の側方側から延設された忌避線架線具9を覆うものでもよい。
この忌避線架線具9は、本体部96が、支点907から下方側に延設された一対の柄部908、909を備えている。また、この忌避線架線具9は、一方の柄部908の上端から上方に向かって延設された支持部92を備えている。一方の柄部908は支持部92に対して動かないが、他方の柄部909は、支持部92に対して支点907まわりに回動可能に一方の柄部908及び支持部92に対して固定されている。
また、忌避線架線具9は、一方の柄部908の外側(一方の柄部908からみて他方の柄部909とは反対側)に操作部94が備えられている。この操作部94を操作すると、他方の柄部909が一方の柄部908に対して回動して、他方の柄部909を一方の柄部908に対して閉じる。これにより忌避線架線具9は、架空線に固定される。
この忌避線架線具9は、架空線に固定されると、操作部94が本体部96の一方の側方側から延設されることとなる。この場合、設置具1を構成する覆部2は、本体部96の上方側と、一方の側方側だけを覆う形状としてもよい。
(8)上記実施形態では、非把持部95は、三方覆部90の下方側覆部902と、三方覆部90が一方の側面側を覆う一方側覆部903との境界部分に設けられているが、忌避線架線具9が、覆部2に覆われる表面のうち、支持部92と操作部94との間の位置で、本体部90から延設されていればよい。
(9)本発明のそれぞれの構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
1… 設置具 2… 覆部 3… 保持覆部 5… 工事具 6… 架空線 7… テグス
8… 本体部群 9… 忌避線架線具 23… 第1覆部分 24… 上方覆部分
25… 中央覆部分 26… 下方覆部分 27… 第2覆部分 30… 架空線挿通孔
31… 切欠 32… 切断部 33… 切断部 34… 引掛部 90… 三方覆部
91… 蓋部 92… 支持部 93… 挟持部 94… 操作部 95… 非把持部
96… 本体部 97… 固定用孔部 98… 忌避線固定具 99… 取付空間
230… 蓋止切欠部 231… 突起 232… 連結突起 240… 挿通孔
241… 切目部 242… 切目部 243… 切断部 244… 連結突起
245… 切目部 246… 切目部 250… 挿通孔 251… 切目部
252… 切目部 253… 持運孔 260… 挿通孔 262… 切目部
263… 切目部 264… 連結突起 270… 蓋開用切欠部 271… 引掛凹部
272… 連結突起 273… 引剥孔 301… 端点 901… 上方側覆部
902… 下方側覆部 903… 一方側覆部 905… 突起 907… 支点
908… 柄部 909… 柄部 906… 固定用孔 930… 移動挟持部
931… 固定部

Claims (9)

  1. 架空線に取付可能な本体部と、
    前記本体部のうち、前記本体部が前記架空線に設置されたときに前記架空線の上方側に位置する部分から延設され、忌避線を支持する支持部と、
    前記本体部のうち、前記本体部が前記架空線に設置されたときに前記架空線の前記上方側以外の非上方側に位置する部分から延設され、前記本体部を前記架空線に固定する操作を行うための操作部と、
    を備える複数の忌避線架線具を、各前記支持部同士が平行になり、かつ、各前記操作部同士が平行になるように集めて一列に並べた状態で前記架空線に設置する作業で用いられる設置具であって、
    各前記忌避線架線具が備える各前記本体部からなる本体部群のうち、各前記支持部が延設される前記上方側から、各前記操作部が延設される前記非上方側までを少なくとも覆う覆部と、
    前記覆部が前記本体部群を覆った状態を保持させる保持部と、
    を備え、
    前記覆部は、
    前記本体部群の前記上方側を覆う部分に設けられ、各前記忌避線架線具が備える各前記支持部を通す複数の第1孔部と、
    前記本体部群の前記非上方側を覆う部分に設けられ、各前記忌避線架線具が備える各前記操作部を通す複数の第2孔部と、
    を備える設置具。
  2. 請求項1に記載の設置具において、
    前記覆部は、
    前記第1孔部から形成された第1切目部であって、前記第1孔部からみて対応する前記第2孔部が位置する側とは反対側の当該覆部の縁まで形成された前記第1切目部と、
    前記第2孔部から形成された第2切目部であって、前記第2孔部からみて対応する前記第1孔部が位置する側とは反対側の当該覆部の縁まで形成された前記第2切目部と、
    を複数備える設置具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の設置具において、
    前記覆部は、
    各前記第1孔部が並ぶ位置と各前記第2孔部が並ぶ位置との間の位置に形成され、前記本体部群を覆った当該覆部を持ち運ぶための持運部を備える設置具。
  4. 請求項3に記載の設置具において、
    前記持運部は、
    前記本体部群をなす各前記本体部が並べられた並び方向の両端の中間位置に設けられている設置具。
  5. 請求項4に記載の設置具において、
    前記持運部は、前記覆部に形成された孔部である持運孔である設置具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の設置具において、
    前記保持部は、
    前記覆部に対して折り曲げ可能に接続された保持覆部と、
    前記本体部群を覆っている前記覆部と、前記覆部に対して折り曲げられた前記保持覆部との非接続部分を連結させる連結部と、
    を有し、
    各前記忌避線架線具が前記一列に並べられた並び方向を前後方向とした場合に、前記本体部群の前方側を覆うことが可能な位置及び後方側を覆うことが可能な位置のうち少なくとも一方の位置で前記本体部群が前記保持覆部に覆われるとともに、前記保持覆部が前記本体部群を覆うことが可能な位置に位置するとき、前記保持覆部と前記覆部とが前記連結部で連結される設置具。
  7. 請求項6に記載の設置具において、
    前記保持覆部は、
    前記本体部群を構成する各前記本体部に固定された前記架空線を通す架空線挿通孔と、
    前記本体部群を構成する各前記本体部に前記架空線を固定させるときに架空線が通過する切断部であって、当該保持覆部の外周縁から前記架空線挿通孔まで形成された切断部と、
    を備える設置具。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の設置具において、
    各前記忌避線架線具が、前記覆部に覆われる表面のうち、前記支持部と前記操作部との間の位置で、前記本体部から延設される突設部を備える場合、
    当該設置具を構成する前記覆部は、各前記突設部を通す複数の第3孔部
    を備える設置具。
  9. 請求項2を引用する請求項8に記載の設置具において、
    前記覆部は、
    前記忌避線架線具が取り付けられる位置に、前記第3孔部と、対応する前記第1孔部または対応する前記第2孔部とを結んで形成された第3切目部
    を複数備える設置具。
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