JP6629122B2 - 間接活線工具のアダプタおよびこれを用いた作業方法 - Google Patents

間接活線工具のアダプタおよびこれを用いた作業方法 Download PDF

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Description

本発明は、間接活線工具のアダプタおよびこれを用いた作業方法に関する。
電線などの架線には、必要に応じて鳥害防止具などの用具が取り付けられる。例えば、特許文献1には、電線に取り付けられる鳥害防止具と、その取付方法について記載されている。これによると、鳥害防止具は、構成の一つとして上下に開閉可能な部分を有する環状部を備え、環状部に電線を通して環状部を閉じることにより、電線に取り付けられる。また、その取付方法は、いわゆるやっとこと呼ばれる間接活線工具(絶縁工具)を用いて鳥害防止具を間接活線工法により電線に取り付けるものである。
上記の鳥害防止具およびその取付方法によると、鳥害防止具や間接活線工具の構造上、作業者は電線より低い位置から作業を行う必要がある。
しかしながら、上記の取付方法によると、図19に示すような電線L1,L2が電柱Pに上下に架線されているような場所で上記鳥害防止具を上側の電線に取り付ける場合に、作業車輌のバケットB等に乗った作業者が間接活線工具140を用いて上側の電線L1より低い位置から作業を行うと、間接活線工具140または作業者が下側の電線L2に触れてしまう可能性がある。そのため、このような場合、送電を停止して作業を行うこととなるが、需要者の活動に支障が生じる。
特開2012−235726号
本発明は、架線に関する作業において、架線が上下に複数存在する場所であっても、安全に活線作業を行うことができる間接活線工具のアダプタおよびこれを用いた作業方法を提供することを目的とする。
間接活線工具のアダプタは、操作部を有する操作棒と、操作棒の先端に設けられ、操作部の操作により開閉軸周りに開閉する一対の開閉アームと、一対の開閉アームのそれぞれの先端に設けられ、一対の開閉アームの開閉に伴って接近または離隔するあご部と、を有する間接活線工具に備えられる間接活線工具のアダプタであって、あご部が挿入される挿入孔をそれぞれ有する一対の基部と、各基部から延び、一対の開閉アームの開閉に連動して開閉する一対のアーム部であって、一対のアーム部のそれぞれの先端側が開閉アームの開閉軸と平行な方向に対して直角であり、かつ前記アーム部が閉じた状態において操作棒の長手方向に対して傾斜している一対のアーム部と、一対のアーム部の先端側にそれぞれ設けられ、アーム部が閉じた状態において対向する一対の挟み体と、を備えている。そして、操作部を操作して一対の開閉アームを開閉することにより、一対の基部が接近または離隔し、一対のアーム部が開閉し、および一対の挟み体が接近または離隔し、一対の挟み体で物を挟むことができるようになっている。
また、間接活線工具のアダプタは、各アーム部または各挟み体から開閉アームの開閉軸と略平行な方向に突出する一対の突出部を備えることもできる。この場合、操作部を操作して一対の開閉アームを開閉することにより、一対の突出部で物を挟むことができる。
また、間接活線工具のアダプタは、基部に対するアーム部の角度を変更する角度変更機構を備えることもできる。
また、間接活線工具のアダプタは、一対の基部が、対向する側に、物を挟むための挟み部を備えることもできる。
また、間接活線工具のアダプタは、一対の挟み体のうちの一方が、一対の挟み体が対向する側に、略挟み体の一方が設けられているアーム部の先端側が延びる方向に沿って設けられる溝部を備え、他方が一対の挟み体が対向する側に、開閉アームの開閉軸と略平行な方向に沿って設けられる溝部を備えることもできる。
また、間接活線工具のアダプタは、一対のアーム部が、操作棒の長手方向に対し、一対の基部の先端から一対の開閉アーム部の後端までの範囲内で交差しており、一対のアーム部の先端側、一対の挟み体および一対の突出部がその範囲内に位置するようにすることができる。
作業方法は、操作部を有する操作棒と、操作棒の先端に設けられ、操作部の操作により開閉軸周りに開閉する一対の開閉アームと、一対の開閉アームのそれぞれの先端に設けられ、一対の開閉アームの開閉に伴って接近または離隔するあご部と、を有する間接活線工具に上記いずれかの間接活線工具のアダプタを備えて、架線に対する作業を行う作業方法であって、架線の略側方または斜め上において作業者が前記間接活線工具のアダプタを備えた前記間接活線工具を用いて架線に対する作業を行うものである。
また、作業方法には、架線に鳥害防止具を取り付ける作業方法が含まれる。
鳥害防止具は、鳥が電線に留まることを防止する留まり止めと、環状部とを備え、環状部は第一部と第二部とが両者の基端側を中心に開閉可能に設けられ、第一部と第二部とのいずれか一方の先端側に弾性変形可能な挿入部が設けられ、第一部と第二部とのいずれか他方の先端側に挿入部を挿入する受容部が設けられ、挿入部は係合部を備え、受容部は係合部を係止する係止部を備えている。
そして、受容部に挿入部が挿入された状態で、係合部と係止部とが係止されることにより、第一部と第二部とが固定され、挿入部を弾性変形させることで、係合部と係止部との係止が解除され、挿入部を受容部から抜くことが可能になっている。
鳥害防止具を取り付ける作業方法は、架線の略側方または斜め上において作業者が間接活線工具のアダプタを備えた間接活線工具または別の間接活線工具を用いて、第一部または第二部が開いた鳥害防止具を、環状部内に架線を通して架線に掛ける工程と、架線の略側方または斜め上において作業者が間接活線工具のアダプタを備えた間接活線工具を用い、操作部の操作により鳥害防止具を一対の突出部で挟み込んで挿入部の先端側を受容部に挿入する工程と、架線の略側方または斜め上において作業者が間接活線工具のアダプタを備えた間接活線工具を用い、操作部の操作により鳥害防止具を一対の挟み体で挟むことによりさらに挿入部を受容部に挿入して係合部を係止部に係止する工程と、を備えている。
間接活線工具のアダプタは、間接活線工具に装着して用いることにより、架線の側方または斜め上から、架線に物を取り付ける作業など架線に関する作業を行うことができるので、上下に架線が複数存在する場所であっても架線に触れることなく安全に活線作業を行うことができる。また、作業者が作業車両のバケットに乗って架線の側方または斜め上から作業を行う場合には、バケットの周壁の上端に間接活線工具を載せながら作業を行うことができるので、架線の下側から作業を行う場合に比べ、作業者の負担を著しく軽減することができる。
作業方法は、架線の側方または斜め上から作業を行うことができるので、上下に架線が複数存在する場所であっても架線に触れることなく安全に活線作業を行うことができる。しかも作業方法は、上記理由により、作業者の負担を著しく軽減することができる。
本発明の実施形態の間接活線工具のアダプタを示す正面図である。 本発明の実施形態の間接活線工具のアダプタを示す背面図である。 本発明の実施形態の間接活線工具のアダプタを示す側面図である。 上側の基部を間接活線工具のあご部に装着した状態を示す一部縦断面図である。 上側の基部に備えられるアーム部を示す側面図である。 図1の着脱ヘッド周辺を示す拡大した一部横断面図である。 下側の基部に備えられるアーム部を示す側面図である。 基部に対するアームの角度を変更した状態を示す間接活線工具のアダプタの側面図である。 下側の基部のアーム部に備えられる挟み体を示す縦断面図である。 間接活線工具を示す側面図である。 間接活線工具のアダプタを間接活線工具に装着した状態を示す側面図である。 鳥害防止具を示す正面図である。 鳥害防止具を示す平面図である。 鳥害防止具を示す側面図であり、(A)は環状部が開いた状態、(B)は挿入部の先端側が受容部に挿入された状態、(C)は係合部が係止部に嵌り込み第一部と第二部とが固定された状態、(D)は係止部から係合部を外し、第一部と第二部の固定を解除する状態を示す。 電線が電柱に上下に架線されている場所において、上側の電線の斜め上から作業を行う様子を示す模式図である。 鳥害防止具を電線に掛ける工程を示す図である。 鳥害防止具の第一部と第二部とを仮固定する工程を示す図である。 鳥害防止具の第一部と第二部とを固定する工程を示す図である。 電線が電柱に上下に架線されている場所において、従来の方法により上側の電線に鳥害防止具を取り付ける様子を示す模式図である。
まず、本発明の実施形態の間接活線工具のアダプタについて説明し、次いでこれを用いた作業方法について説明する。
図1ないし図3は本実施形態の間接活線工具のアダプタを示す。間接活線工具のアダプタは、操作部142を有する操作棒148と、操作棒148の先端に設けられ、操作部142の操作により開閉軸151周りに開閉する一対の開閉アーム150,150と、一対の開閉アーム150,150のそれぞれの先端に設けられ、一対の開閉アーム150,150の開閉に伴って接近または離隔するあご部152,152と、を有する間接活線工具140に備えられるものであって、一対の基部10,50と、一対のアーム部60,70と、一対の挟み体90,100と、一対の突出部110,120と、を備えている。
以下の説明において、説明の便宜上、図10に示される間接活線工具140の長手方向を前後方向とし、開閉アーム150の開閉軸151の軸方向を左右方向とし、これらの方向と直交する方向を上下方向とする。
一対の基部10,50は、図1ないし図3に示すように、上下に配される。一対の基部10,50は、個々の構成が同じであるので、ここでは、上側の基部10についてのみ説明する。
上側の基部10は、図1ないし図4に示すように、基部本体12と、基部本体12に設けられる挿入孔14と、を備えている。基部本体12は、直方体の前面上側の角を面取りした形状であり、その底面が物を挟むための挟み部15となっている。基部本体12の底面には、滑り止めとしてゴムまたは樹脂等で形成されたシート16が取り付けられている。挿入孔14は、間接活線工具140のあご部152を挿入するためのものであり、基部本体12の背面から前方に向かって設けられる孔である。
基部本体12の上面には、この面から上方に延びる円柱状の枠部20が設けられている。枠部20の内部には円柱状の空間である内部空間26が設けられており、枠部20の上壁には上下に貫通する導入孔22が設けられている。また、基部本体12の上壁のうち枠部20の導入孔22の延長線上に位置する部分には、上下に貫通する導入孔23が設けられている。
枠部20の導入孔22および内部空間26ならびに基部本体12の導入孔23には、着脱ピン30が挿入されている。着脱ピン30は、胴部32と、頭部34と、を備えている。胴部32は、枠部20の導入孔22および内部空間26ならびに基部本体12の導入孔23に挿入される部分であり、円柱状であって、下端側が挿入孔14内に突出している。頭部34は、着脱ピン30をつまみやすくするとともに、胴部32の下方への移動を規制するためのものであり、円盤状であり、その底面が胴部32の上端に連結している。頭部34は、枠部20の導入孔22より径が大きくなっている。着脱ピン30の胴部32のうち、枠部20の内部空間26に位置する部分には、上下方向に伸縮するスプリングコイル36が巻かれている。また、着脱ピン30の胴部32のうち、スプリングコイル36の下端より下方に位置する部分には、側方に突出する掛け部38が設けられている。
着脱ピン30を外側(上側)に引くと、着脱ピン30の掛け部38がスプリングコイル36に引掛り、スプリングコイル36が押し上げられる。押し上げられるスプリングコイル36は、枠部20の上壁により移動が規制されて収縮するので、着脱ピン30を元の位置に戻そうとする。
間接活線工具140を基部10に装着する場合には、まず着脱ピン30を外側(上側)にひいて、挿入孔14に間接活線工具140のあご部152を挿入し、次いで着脱ピン30を元の位置に戻して、着脱ピン30の胴部32をあご部152に設けられた凹部154に嵌る。
基部10から間接活線工具140を取り外す場合には、着脱ピン30を上側にひいて、胴部32をあご部152の凹部154から外し、あご部152を挿入孔14から引き出す。
以上のような構成により、基部10は間接活線工具140のあご部152に着脱自在に装着できるようになっている。
基部本体12の左右の側面には、図1ないし図3に示すように、受け部40,40が備えられている。各受け部40は、板状であって、その一面が基部本体12の側面に取り付けられており、基部本体12の上面よりも上側に延び出している。左右の受け部40,40のうち基部本体12の上面よりも上側に位置する部分には、左右方向に延びる軸部42が支持されている。
一対のアーム部60,70は、図1ないし図3に示すように、それぞれ上側の基部10と下側の基部50に備えられている。
上側の基部10のアーム部60,60は、左右方向に間隔を保って左右の受け部40,40にそれぞれ備えられている。各アーム部60は、図1ないし図3および図5に示すように、帯状であって、基部10の後方に向かって上側に傾斜して延びるアーム基部62と、アーム基部62の先端から後方に向かって延び、途中屈曲してアーム基部62よりさらに上側に傾斜している主アーム部64とにより構成されている。なお、主アーム部64の形状は特に限定されるものではなく、少なくともその先端側(上側)がアーム基部62よりさらに上側に傾斜していればよい。
上側の基部10に備えられる左右のアーム部60,60のうち、アーム基部62,62には、図5に示すように、基部10に対するアーム部60の角度を変えるため、左右方向に貫通する軸孔66が同心円上に15°間隔で3つ設けられている。軸孔66は、断面円状であり、軸部42より径が大きくなっており、隣り合う軸孔66,66は一部重なるように設けられている。
左右のアーム部60,60の対向する軸孔66,66には、図6に示すように、軸部42が通されている。また、軸部42の両端側には、着脱ヘッド80,80が備えられている。着脱ヘッド80は、底部を有する円筒状の着脱ヘッド本体82と、着脱ヘッド80を摘む部分であって、着脱ヘッド本体82の上部の側面から外側に突出する摘み部84と、着脱ヘッド本体82の底部に設けられ、軸孔に挿入可能な凸部86と、着脱ヘッド本体82の底部および凸部86を左右方向に貫通する貫通孔89と、を備えている。着脱ヘッド80の貫通孔89には軸部42が通されており、着脱ヘッド80の凸部86がアーム部60の軸孔66に嵌められている。軸部42のうち、着脱ヘッド本体82内に位置する部分には、軸部42の軸方向(左右方向)に伸縮するスプリングコイル87が巻かれている。また、軸部42の端部には、軸部42の軸方向へのスプリングコイル87の移動を規制するために、規制部88が設けられている。
着脱ヘッド80を外側(左右方向)に引くと、規制部88に移動が規制されるスプリングコイル87が着脱ヘッド本体82の底部により押し上げられて収縮するので、着脱ヘッド80は元の位置に戻ろうとする。
基部10に対するアーム部60の角度を変更する場合には、まず左右の着脱ヘッド80,80を外側に引いて、着脱ヘッド80,80の凸部86,86を軸孔から外す。次いで軸部42を対向する別の軸孔66,66に移動し、着脱ヘッド80,80を元の位置に戻して凸部86,86を軸部42が通された軸孔66,66に嵌める。
上記構成のうち、受け部40、軸部42、アーム部60の軸孔66、着脱ヘッド80、スプリングコイル87および規制部88が角度調整機構に該当する。なお、角度調整機構は、基部10に対するアーム部60の角度を変更できるものであれば、どのような態様であってもよい。
下側の基部50のアーム部70,70は、図1ないし図3および図7に示すように、左右方向に間隔を保って左右の受け部40,40にそれぞれ備えられている。下側の基部50の各アーム部70は、帯状であって、基部50からその後方に向かって上側に傾斜して延びるアーム基部72と、アーム基部72の先端から後方に向かって延び、途中屈曲してアーム基部72よりさらに上側に傾斜している主アーム部74と、主アーム部74の先端から前方に延びる延出部78と、により構成されている。
下側の基部50に備えられる左右のアーム部70,70のうちアーム基部72,72には、基部50に対するアーム部70の角度を変えるため、上側の基部10のアーム部60と同様に、左右方向に貫通する軸孔76が同心円上に15°間隔で3つ設けられている。
下側の基部50のアーム部70,70は、上記上側の基部10のアーム部60と同様に角度調整機構を介して基部50に取り付けられている。なお、主アーム部74の形状は特に限定されるものではなく、少なくともその先端側(上側)がアーム基部72よりさらに上側に傾斜していればよい。
上記一対のアーム部60,70に関して、下側の基部50に備えられる左右のアーム部70,70の間に、上側の基部10に備えられる左右のアーム部60,60を通すために、下側の基部50に備えられる左右の主アーム部74,74の間隔は、上側の基部10に備えられる左右の主アーム部64,64の間隔より広くなっている。そして、上側の基部10に備えられる左右のアーム部60,60は、下側の基部50に備えられる左右のアーム部70,70の間に通されてこれと交差しており、下側の基部50に備えられる主アーム部74,74の先端側は、上側の基部10に備えられる主アーム部64,64の先端側より前方に位置している。
上記一対のアーム部60,70は、軸孔66,76を同心円上に15°刻みで設けているので、基部10,50に対するアーム部60,70(主アーム部64,74)の先端側の角度を90°、105°または120°に変更することができる。上側の基部10および下側の基部50に対する一対のアーム部60,70の角度が同じ場合、それぞれの主アーム部64,74の先端側は略平行となる。
間接活線工具のアダプタを取り付けた間接活線工具140を用いて作業者が電線L1の側方から作業を行う場合には、図3に示すように、基部10,50に対するアーム部60,70の先端側の角度を90°とし、作業者が電線L1より高い位置(斜め上)から作業を行う場合には、図8に示すように、基部10,50に対するアーム部60,70の先端側の角度を105°または120°とすると作業が行いやすくなる。
なお、上記一対のアーム部60,70について、軸孔66,76の数やその設置角度は、適宜変更してもよい。また、一対のアーム部60,70は、交差しないものであってもよい。
一対の挟み体90,100は、物を挟むためのものであり、図1ないし図3に示すように、上側の基部10および下側の基部50に備えられるアーム部60,70の主アーム部64,74の先端側にそれぞれ設けられている。
上側の基部10に備えられるアーム部60の主アーム部64に設けられる挟み体90は、その前面側に、左右方向、言い換えれば間接活線工具140の開閉アーム150の開閉軸151と平行な方向に沿う溝である溝部92を備えている。この溝部92の断面は、曲線状になっている。また、この溝部92の内面には、滑り止めとしてゴムまたは樹脂等で形成されたシート94が取り付けられている。
下側の基部50に備えられるアーム部70の主アーム部74に設けられる挟み体100は、上側の基部10に備えられるアーム部60の主アーム部64の挟み体90に比べ、上下方向に長いものとなっている。下側の基部50に備えられるアーム部70の主アーム部74に設けられる挟み体100は、図2および図9に示すように、その後面、言い換えれば上側の基部10に備えられるアーム部60の主アーム部64に設けられる挟み体90に対向する面に、主アーム部74の延伸方向と略平行な方向に沿う溝部102を備えている。この溝部102は、横断面が矩形状になっている。また、溝部102は、先端側(上側)が曲面状になっており、先端に向かって溝が浅くなっている。溝部102の内面には、滑り止めとしてゴムまたは樹脂等で形成されたシート94が取り付けられている。
なお、上記一対の挟み体90,100は、上記とは逆のアーム部60,70に取り付けられていてもよい。また、一対の挟み体90,100は、アーム部60,70のうち主アーム部64,74の先端側以外の部分に設けられるものであってもよい。また、アーム部60,70は、アーム部60,70と一体的になっているものであってもよい。
一対の突出部110,120は、対象物を挟むためのものであり、本実施形態では、図1ないし図3に示すように、上側の基部10に備えられる左右のアーム部60,60の主アーム部64,64の側面と、下側の基部50に備えられる左右のアーム部70,70の延出部78,78の側面から左右方向に突出するように設けられている。個々の突出部110,120は、棒状であり、その外周には、滑り止めとしてゴム又は樹脂からなるシート112が取り付けられている。
また、一対の突出部110,120は、対象物を挟みやすくするため、先端側が互いに離れるように屈曲している。
なお、一対の突出部110,120は、アーム部60,70以外に取り付けられていてもよい。また、一対の突出部110,120は、左右の一方に備えられるものであってもよい。
上記間接活線工具のアダプタが取り付けられる間接活線工具140は、いわゆるやっとこと呼ばれるものであり、図10に示すように、操作部142を有する絶縁性の操作棒148と、操作棒148の先端に設けられ、操作部142の操作により開閉軸151周りに開閉する一対の開閉アーム150,150と、開閉アーム150,150のそれぞれの先端に設けられ、開閉アーム150,150の開閉に伴って接近または離隔するあご部152,152と、を備えている。操作部142は、操作棒148に設けられる回動自在なレバー144と、レバー144と一方の開閉アーム150の後端部とを連結する副操作棒146と、を備えている。各あご部152は、図4に示すように、一対のあご部152,152が対向する側とは反対側の面(上面または下面)に着脱ピン30が嵌る凹部154を備えている。
間接活線工具のアダプタは、上記した手順により間接活線工具140に装着して用いられる。間接活線工具のアダプタが装着された間接活線工具140は、操作部142のレバー144を操作して開閉アーム150,150を開閉させて、一対の基部10,50を接近または離隔させることにより、基部10,50の挟み部15,15で物を挟む。また、間接活線工具のアダプタが装着された間接活線工具140は、開閉アーム150,150を開閉させて、上側の基部10および下側の基部50に備えられる一対のアーム部60,70を開閉させるとともに一対の挟み体90,100および一対の突出部110,120を接近または離隔させることにより、一対の挟み体90,100または一対の突出部110,120で物を挟む。
本実施形態における間接活線工具のアダプタは、図11に示すように、一対の開閉アーム150,150が閉じた状態では、一対のアーム部60,70が、操作棒148の長手方向に対し、一対の基部10,50の先端から一対の開閉アーム150,150の後端までの範囲R内で交差しており、一対のアーム部60,70の先端側、一対の挟み体90,100および一対の突出部110,120がその範囲R内に位置する。
間接活線工具のアダプタを用いる作業は、架線に関する作業であれば特に限定されるものではないが、ここではその作業方法の一例として、電線L1に鳥害防止具200を取り付ける作業方法について説明する。まず、電線L1に取り付けられる鳥害防止具200について説明し、次いで鳥害防止具200を取り付ける作業方法について説明する。
本願発明に係る鳥害防止具200は、合成樹脂で形成されており、図12ないし図14に示すように、鳥が電線L1に留まることを防止する留まり止め210と、この留まり止め210を電線L1に取り付ける環状部220と、環状部220の下方に設けられる重心部260とを備えている。環状部220は、その中に電線L1が通され、電線L1を中心にして鳥害防止具200全体を回動可能にするものである。環状部220は留まり止め210の両端に設けられている。重心部260は下端に錘264を備えており、通常時に留まり止め210が上方に位置するように配置される。
環状部220は、第一部230と第二部240との2つの部分が、上方の基端側のヒンジ232を中心に開閉可能に設けられたものであり、第一部230には、留まり止め210および重心部260の双方が設けられている。
留まり止め210は、電線L1に沿って伸びる棒状の水平部212と、水平部212から上方に伸びる多数の針状体214とを備えている。また、留まり止め210の水平部212の中央には、前後方向の一方に突出する突出片216が設けられている。
なお、留まり止め210は、鳥が留まることを防止できる構造であればどのようなものであってもよい。
第一部230は、電線L1に引掛けられる部分であり、左右方向(環状部220の軸心方向)から見て約4分の3円弧に形成されている。この第一部230の上部には、左右方向から見て、環状部220の中央に留まり止め210が設けられている。第一部230は、この中央から前後方向の一方側(図14(A)では紙面左側)に約4分の1円弧延ばされ、他方側(図14(A)では紙面右側)に約2分の1円弧延ばされている。上記の一方側の端部にはヒンジ232を介して第二部240が回動可能に接続されている。また、上記の他方側の端部には受容部234と、重心部260の延設部262とが設けられている。
第二部240は、約4分の1円弧に形成されており、この第二部240の下端には挿入部242が設けられている。そして受容部234に挿入部242を挿入すると、第一部230と第二部240とが一体になって、円形リング状になる(図14(C)参照)。電線L1への装着は、受容部234から挿入部242を抜いて(図14(D)参照)、ヒンジ232を支点に第二部240を回転させることで環状部220が開いて(図14(A)参照)、この開いた開口から電線L1を入れて、電線L1を第一部230に引掛ける。そしてヒンジ232を逆方向に回転させ、受容部234に挿入部242を挿入する(図14(B)および(C)参照)。この環状部220が開いた開口状態を保持するために、ヒンジ232には、クリック作用をなす凹凸が形成されており、これにより、上記の開口から電線L1を入れる作業を円滑に行なうことができる。
環状部220(第一部230、第二部240)の内周面には、リブ(図示略)が設けられている。このリブは、環状部220の内周面の一部を内方に向かって筋状に突出させた部分であって、環状に形成されており、強度向上のほか、電線L1への接触面積を減らして回転を円滑にする働きをする。
なお、図示した実施の形態では、環状部220は、円筒形に形成されているが、例えば、外周面を多角形にしても良い。また内周面についても、楕円形にしたり、上部は半円形として下部は多角形にしたりするなど、鳥が留まり止め210に留まったときに揺動できれば適宜形状を変更することができる。環状部220を複数設ける場合、それらの軸心を同一にして設けることが望ましい。
重心部260は、環状部220の第一部230の下端寄りから下方に伸びる延設部262と、延設部262の下端に設けられる錘264と、を備えている。この錘264は金属などの重量の大きなものを用いてもよいし、磁石を用いてもよい。重心部260は錘264を環状部220の中心直下に配置するように延設部262から屈曲して伸びる折曲部266を備えているが、全体を斜めに伸びる直線状の部材としてもよい。また折曲部266は左右方向にも曲がっている。本実施形態では、環状部220が2個設けられており、重心部260も2個設けられているが、折曲部266で互いに近づくように曲げられており、両重心部260,260の先端間を結んだ長さは水平部212の長さよりも短く設定されている。
受容部234は第一部230の下端に設けられたもので、第二部240の下端に向けて開口した筒状をなす部分である。より詳しく述べると、受容部234は、上面と下面との間に挿入部242を受容するもので、下面には係止部236として係止穴が形成されている。
挿入部242は、第二部240の下端につながる固定部244と、固定部244から先端方向(第一部230の下端方向)に伸びる内腕246と、内腕246の先端の折り返し端248と、折り返し端248から折り返して基端方向に伸びる外腕250と、外腕250の基端に下方向に曲がった操作部252とを備えている。外腕250は内腕246の外側に間隔を隔てて配置されている。外腕250の外側には係合部254として突起が外方向(下方向)に突出して設けられている。
挿入部242は、折り返し端248から受容部234に挿入され、係合部254が係止部236に係止されると、第一部230と第二部240とが環状に閉じた状態で固定される。より詳しく述べると、図14(B)に示すように、挿入部242が折り返し端248から受容部234に挿入されていくと、下面に係合部254が当接して、折り返し端248を中心にして外腕250が内腕246に近づくように弾性変形する。そして、図14(C)に示すように、係合部254が係止部236に嵌り込むことにより、内腕246と外腕250とが遠ざかり、強固に固定される。
係止を外すには、図14(D)に示すように、外腕250を上方に押し上げて係止部236と係合部254との嵌合を外し、第二部240を開き方向に回動すると、挿入部242が受容部234から抜け出す。その際には、操作部252を斜め上方に押し上げるだけで、嵌合を外して挿入部242を抜くことができる。
この例では、操作部252は、下方に向けて湾曲する半円状のものを示したが、これに限らず、例えば、リング形状、上方向に湾曲したもの、L字状に屈曲したもの等、絶縁工具を用いて容易に操作できる形状であればどのような形状であってもよい。
また、係止部236と係合部254は、受容部234と挿入部242のどちらに設けてもよい。係止部236としては、係止穴に限らず凹部としてもよい。受容部234は筒状でなくてもよく、上面と下面との間に挿入部242を挿入できればよい。また受容部234を単なる環状の形状としてもよい。挿入部242の形状は、略U字状のものとして実施したが、円錐形などの筒状体をなすものとして、これを径方向に押しつぶすように弾性変形させるものであってもよく適宜変更できる。内腕246と上面の側に係合部254、係止部236を設けるようにしてもよい。
次に、鳥害防止具を電線L1に取り付ける作業方法について説明する。この作業には、上記間接活線工具のアダプタを装着した上記間接活線工具140を用いる。以下、説明の便宜上、間接活線工具のアダプタが取り付けられた間接活線工具140をアダプタ付き間接活線工具140というものとする。また、以下の説明において、鳥害防止具200は、図15に示すように、上下2段に電線L1,L2が電柱Pに架線されている場所において上側の電線L1に取り付けるものとする。また、作業者は、上側の電線L1より高い位置(斜め上)から作業を行うものとし、基部10,50に対するアーム部60,70の先端側の角度は90°より大きい角度に設定されている。
まず、鳥害防止具200の第二部240を開いておく。次いで、電線L1の斜め上において、作業車のバケットBに乗った作業者がアダプタ付き間接活線工具140を操作して一対の基部10,50の挟み部15,15で鳥害防止具200の突出片216を挟む。次いで、図16に示すように、アダプタ付き間接活線工具140を斜め下に降ろして鳥害防止具200の環状部220内に電線L1を通して収容し、その環状部220の第一部230を電線L1に掛ける。この際、鳥害防止具200は、後の作業を効率よく行う観点からは、環状部220の開口部を作業者側に向けるように電線L1に掛けることが好ましい。
なお、アダプタ付き間接活線工具140で鳥害防止具200を挟む部分は、突出片216以外の部分であってもよい。また、この工程に用いる間接活線工具は、アダプタがついていない上記間接活線工具140または別の間接活線工具であってもよい。
次いで、図17に示すように、電線L1の斜め上において、作業者がアダプタ付き間接活線工具140を斜め下に降ろし、操作部142を操作して一対の突出部110,120のうちの一方の対により鳥害防止具200をその前後から挟み込み、挿入部242の先端側(折り返し端248)を受容部234に挿入することにより、第一部230と第二部240を仮固定する。鳥害防止具200のうち、一対の突出部110,120で挟み込む部分としては、例えば挿入部242と第一部230または延設部262とが挙げられる。
なお、第一部230と第二部240の仮固定は、一対の突出部110,120ではなく、一対の挟み体90,100で挟み込むことにより行ってもよい。
次いで、図18に示すように、電線L1の斜め上において、アダプタ付き間接活線工具140を斜め下に降ろし、操作部142を操作して、一対の挟み体90,100で鳥害防止具200を前後から挟むことにより挿入部242を受容部234にさらに挿入して係合部254を係止部236に係止させる。これにより、第一部230と第二部240が固定され、鳥害防止具200の電線L1への取付けが完了する。この工程は、例えば、下側の基部50のアーム部70に設けられる挟み部100の溝部102の先端側の曲面状部分を、第一部230の上側の円弧部分に合わせるように当て、また上側の基部10のアーム部60に設けられる挟み体90の溝部92に、鳥害防止具200の延設部262を当てて、鳥害防止具200を挟むとよい。このようにすれば、容易かつ確実に鳥害防止具200の挿入部242を受容部234に挿入することができる。
なお、上記各作業は、電線L1の斜め上において作業を行っているが、電線L1の側方において作業を行うこともできる。この場合、必要に応じて基部10,50に対するアーム部60,70の角度を変更し、アダプタ付きの間接活線工具140を略水平にした状態で上記各作業を行う。
上記間接活線工具のアダプタおよび作業方法は、電線(架線)L1が上下に1本架線されている場所はもちろん、2本以上架線されている場所でも、適用できる。電線L1が上下に2本以上架線されている場所では、最も上の電線以外の電線については、その電線の側方においてアダプタ付き間接活線工具140を用いて作業を行えばよい。
なお、上記間接活線工具のアダプタおよび作業方法は、電線L1だけではなく架空地線などの各種架線にも適用できる。
以上に示した間接活線工具のアダプタは、間接活線工具に装着して用いることにより、架線の側方または斜め上から、架線に物を取り付けるなど架線に関する作業を行うことができるので、上下に架線が複数存在する場所であっても架線に触れることなく安全に活線作業を行うことができる。また、図15に示すように、作業者がバケットに乗り、架線の側方または斜め上から作業を行う場合には、バッケットの周壁の上端に間接活線工具を載せながら作業を行うことができるので、架線の下側から作業を行う場合に比べ、作業者の負担を著しく軽減することができる。
また、間接活線工具のアダプタは、一対の突出部を備えることにより、突出部でも物を挟むことができる。
また、間接活線工具のアダプタは、基部に対してアーム部の角度を変更することができるので、作業現場の状況に応じて、架線の略側方において作業を行ったり、架線の斜め上において作業を行ったりすることができる。
また、間接活線工具のアダプタは、一対の基部にそれぞれ挟み部が設けられているので、基部でも物を挟むことができる。
また、上記作業方法は、架線の側方または斜め上から架線に関する作業を行うことができるので、上下に架線が複数存在する場所であっても架線に触れることなく安全に活線作業を行うことができる。しかも、上記作業方法は、上述の理由により、作業者の負担を著しく軽減することができる。
また、上記作業方法は、架線の側方または斜め上から架線に関する作業を行うことができるので、上下に架線が複数存在する場所であっても、上記鳥害防止具を効率よく架線に取り付けることができる。
本発明の間接活線工具のアダプタおよび鳥害防止具の取付方法は、上記実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変更することができる。また、間接活線工具のアダプタの用途は、鳥害防止具の取り付けに限定されるものではなく、電線に物を取り付けるなどの電線に関する様々な作業に用いることができる。
10,50 基部
12 基部本体
14 挿入孔
15 挟み部
16 シート
20 枠部
22,23 導入孔
26 内部空間
30 着脱ピン
32 胴部
34 頭部
36 スプリングコイル
38 掛け部
40 受け部
42 軸部
60,70 アーム部
62,72 アーム基部
64,74 主アーム部
66,76 軸孔
78 延出部
80 着脱ヘッド
82 着脱ヘッド本体
84 摘み部
86 凸部
87 スプリングコイル
88 規制部
89 貫通孔
90,100 挟み体
92,102 溝部
94 シート
110,120 突出部
112 シート
140 間接活線工具
142 操作部
144 レバー
146 副操作棒
148 操作棒
150 開閉アーム
151 開閉軸
152 あご部
154 凹部
200 鳥害防止具
210 留まり止め
212 水平部
214 針状体
216 突出片
220 環状部
230 第一部
232 ヒンジ
234 受容部
236 係止部
240 第二部
242 挿入部
244 固定部
246 内腕
248 折り返し端
250 外腕
252 操作部
254 係合部
260 重心部
262 延設部
264 錘
266 折曲部
P 電柱
L1,L2 電線
B バケット
R 範囲

Claims (8)

  1. 操作部を有する操作棒と、前記操作棒の先端に設けられ、前記操作部の操作により開閉軸周りに開閉する一対の開閉アームと、前記一対の開閉アームのそれぞれの先端に設けられ、前記一対の開閉アームの開閉に伴って接近または離隔するあご部と、を有する間接活線工具に備えられる間接活線工具のアダプタであって、
    前記あご部が挿入される挿入孔をそれぞれ有する一対の基部と、
    各前記基部から延び、前記一対の開閉アームの開閉に連動して開閉する一対のアーム部であって、一対のアーム部のそれぞれの先端側が前記開閉アームの開閉軸と平行な方向に対して直角であり、かつ前記アーム部が閉じた状態において前記操作棒の長手方向に対して傾斜している一対のアーム部と、
    前記一対のアーム部の先端側にそれぞれが設けられ、前記アーム部が閉じた状態において対向する一対の挟み体と、を備え、
    前記操作部を操作して前記一対の開閉アームを開閉することにより、前記一対の基部が接近または離隔し、前記一対のアーム部が開閉し、および前記一対の挟み体が接近または離隔し、前記一対の挟み体で物を挟むことができることを特徴とする間接活線工具のアダプタ。
  2. 各前記アーム部または各前記挟み体から前記開閉アームの開閉軸と略平行な方向に突出する一対の突出部を備え、前記操作部を操作して前記一対の開閉アームを開閉することにより、前記一対の突出部で物を挟むことができることを特徴とする請求項1記載の間接活線工具のアダプタ。
  3. 前記基部に対する前記アーム部の角度を変更する角度変更機構を備えることを特徴とする請求項1または2記載の間接活線工具のアダプタ。
  4. 前記一対の基部が、対向する側に、物を挟むための挟み部を備えていることを特徴とする請求項1、2または3記載の間接活線工具のアダプタ。
  5. 前記一対の挟み体のうちの一方が、前記一対の挟み体が対向する側に、略前記挟み体の一方が設けられている前記アーム部の先端側が延びる方向に沿って設けられる溝部を備え、他方が前記一対の挟み体が対向する側に、前記開閉アームの開閉軸と略平行な方向に沿って設けられる溝部を備えることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の間接活線工具のアダプタ。
  6. 前記一対のアーム部が、前記操作棒の長手方向に対し、前記一対の基部の先端から前記一対の開閉アーム部の後端までの範囲内で交差しており、前記一対のアーム部の先端側、前記一対の挟み体および前記一対の突出部が前記範囲内に位置することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の間接活線工具のアダプタ。
  7. 操作部を有する操作棒と、前記操作棒の先端に設けられ、前記操作部の操作により開閉軸周りに開閉する一対の開閉アームと、前記一対の開閉アームのそれぞれの先端に設けられ、前記一対の開閉アームの開閉に伴って接近または離隔するあご部と、を有する間接活線工具に請求項1、2、3、4、5または6記載の間接活線工具のアダプタを備えて、架線に対する作業を行う作業方法であって、
    前記架線の略側方または斜め上において作業者が前記間接活線工具のアダプタを備えた前記間接活線工具を用いて架線に対する作業を行うことを特徴とする作業方法。
  8. 前記間接活線工具に請求項2、3、4、5または6記載の間接活線工具のアダプタを備えて、架線に鳥害防止具を取り付ける作業方法であって、
    前記鳥害防止具は、鳥が電線に留まることを防止する留まり止めと、環状部とを備え、 前記環状部は第一部と第二部とが両者の基端側を中心に開閉可能に設けられ、
    前記第一部と前記第二部とのいずれか一方の先端側に弾性変形可能な挿入部が設けられ、前記第一部と前記第二部とのいずれか他方の先端側に前記挿入部を挿入する受容部が設けられ、
    前記挿入部は係合部を備え、前記受容部は前記係合部を係止する係止部を備え、
    前記受容部に前記挿入部が挿入された状態で、前記係合部と前記係止部とが係止されることにより、前記第一部と前記第二部とが固定され、
    前記挿入部を弾性変形させることで、前記係合部と前記係止部との係止が解除され、前記挿入部を前記受容部から抜くことが可能なものであり、
    前記架線の略側方または斜め上において作業者が前記間接活線工具のアダプタを備えた前記間接活線工具または別の間接活線工具を用いて、前記第一部または前記第二部が開いた前記鳥害防止具を、前記環状部内に前記架線を通して前記架線に掛ける工程と、
    前記架線の略側方または斜め上において作業者が前記間接活線工具のアダプタを備えた前記間接活線工具を用い、前記操作部の操作により前記鳥害防止具を前記一対の突出部で挟み込んで前記挿入部の先端側を前記受容部に挿入する工程と、
    前記架線の略側方または斜め上において作業者が前記間接活線工具のアダプタを備えた前記間接活線工具を用い、前記操作部の操作により前記鳥害防止具を前記一対の挟み体で挟むことによりさらに前記挿入部を前記受容部に挿入して前記係合部を前記係止部に係止する工程と、を備えることを特徴とする請求項7記載の作業方法。
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