JP7219951B2 - 鳥害防止具 - Google Patents
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Description
しかし、上記特許文献1記載の鳥害防止具は、電線径が太い場合に蓋部を閉状態に固定する機構を有しておらず、鳥害防止具が電線から落下する危険があった。詳しくは、蓋部は、該締付部の係合片と蓋部の係合溝が係合する位置まで締付部を移動させ、締付部の係合片と蓋部の係合溝とが係合することで閉状態に固定されるが、電線が太い場合には、締付部の係合片と蓋部の係合溝とが係合する位置まで締付部を移動できないため、蓋部を閉状態に固定出来なかった。
また、締付部による電線取付部への電線の固定と、蓋部の閉状態への固定をそれぞれ独立して実行できないため、電線が細い場合にも、締付部を緩めると締付部と蓋部の係合も解除されるので、蓋部が開いた際には鳥害防止具が電線から外れ落下する危険があった。
更に、鳥害防止具の電線への取り付け時、取り外し時ともに、締付部を移動させるには間接活線工具を用いてナット部を回転させる必要があり、作業性の良いものが求められていた。
また、締付部の移動による電線の電線取付部への固定と、蓋部の閉状態への固定とを各々独立して行えるため、電線取付部に取り付ける電線が太い場合でも、電線取付部の係合部と蓋部の被係合部を係合させることで蓋部を閉状態に固定できる。更に、蓋部を閉状態に固定したまま、締付部を緩めることが可能であり、鳥害防止具の電線上の移動作業など、締付部を緩める必要がある作業を行っても、蓋部が閉状態に固定されていることから、蓋部が開くことによる鳥害防止具の落下が防止され、安全性が向上する。
加えて、係合状態のとき、係合爪は蓋部の先端部の上方で近接していて、また、係合爪の先部を押し下げることで係合状態は解除され、蓋部は、先端部が引き上げられることで開状態となる構成であるので、電線に取り付けられた鳥害防止具の取り外しの際に先端に挟持部を備えた間接活線工具を用いることで、係合爪の先部の押し下げによるスナップフィット係合の解除と、蓋部先端部の持ち上げによる蓋部を開く動作を同時に実施可能であるので、蓋部を容易に開くことができ、作業性が良い。
本実施による鳥害防止具は、図1のように、電線Dに脱着可能に取り付けられる側面視略コの字状の電線取付部1と、ライン材を保持するために該電線取付部1に突設された離隔部2と、間接活線工具により鳥害防止具を保持するための把持部9から構成されている。なお、以下において前後とは図1に示す通りとする。また、上下とは図1における上下とする。該離隔部2は、前側に開口した凹部であるライン材受け部2aとライン材押さえ部2bを上下に間隔を空けて2対備えており、ライン材押さえ部2bがライン材受け部2aの開口部に係合することで、ライン材受け部2aに挿入されたライン材が保持される。この鳥害防止具は、電線取付部1を介して電線Dの長手方向に沿って間隔をあけて複数取り付け、各鳥害防止具の離隔部2のライン材受け部2aにライン材を固定することで、各鳥害防止具の離隔部2の間にライン材を架設して使用するものである。なお、ライン材は、本実施形態では繊維を束ねるとともに表面に樹脂被膜を施したものを使用し、絶縁性と引張り張力、剪断耐力を有するものが使用されている。該把持部9は、鳥害防止具の電線取り付け作業を行う際に把持される略平板状の垂下片であり、作業者は、把持部9を間接活線工具で把持して作業を行う。該把持部9は、離隔部2と略直線状になるように鳥害防止具の下部に設けられており、電線取付部1は、略直線状の離隔部2と把持部9に対して、電線取付部1の下部が把持部9よりも前側に位置するように傾斜して設けられている。
電線取付部1は、図1乃至図5及び図8のように電線Dの上側やや後方を保持する受け部6と、電線Dを下側やや前方から押圧保持する締付部7とを備えている。該締付部7はナット部8を回転することで受け部6に近付く方向あるいは、受け部6から遠ざかる方向に移動する機構を備えており、ナット部8は該締付部7の下方において、ナット部8の下端が上端よりも前側に位置するように傾斜して設けられている。また、受け部6の電線Dとの接触面は、電線Dの受け部6での保持力を高める目的で複数の凹部が設けられており、更に締付部7の電線Dとの接触面は、締付部7がナット部8の回転で移動する際に、電線Dが締付部7の前側や後側に移動しないようにV字形状となっている。図4及び図5の状態の電線取付部1の開口部1aに電線Dを挿入した後、電線Dの上側が受け部6に保持され電線Dの下側が締付部7で押圧保持される位置、すなわち、図1の状態になるまでナット部8を回転させて締付部7を受け部6方向に移動させることで受け部6と締付部7の間に電線が保持され、電線Dに電線取付部1が回動及び移動不能に固定される。
まず、図8(a)のように鳥害防止具の蓋部3を開口部1aへの電線Dの挿入を妨げない程度の開状態とし、開口部1aの開口径が電線Dの直径よりも大きくなる位置に締付部7を位置させた鳥害防止具を準備し、該鳥害防止具の把持部9を間接活線工具で把持し、図8(b)のように鳥害防止具の前方から電線Dに近づけ、開口部1aに電線Dを挿入し、次いで、図8(c)のように鳥害防止具の受け部6を電線Dの上側に当接させる。図8(c)の状態で鳥害防止具の把持部9を把持している間接活線工具とは別の間接活線工具を用いて、蓋部3の先部等を操作し、蓋部3を蓋部3が閉状態になる方向に回動させ、さらに、蓋部3を間接活線工具を用いて前方から押さえることで、図8(d)のように、電線取付部1に設けた係合部4と蓋部3に設けた被係合部5が係合し、蓋部3が閉状態に保持された状況となる。その後、鳥害防止具の離隔部2が略鉛直となるように、鳥害防止具の把持部9を間接活線工具で把持しながら、鳥害防止具のナット部8を別の間接活線工具を用いて回転させることによって締付部7を受け部6方向に移動させ、電線Dを受け部6と締付部7の間で押圧保持することで、図8(e)及び図1のように電線Dが電線取付部1に固定され、蓋部3が閉状態で固定された状態となる。
間接活線工具10は、支持部10aとハンドル部10bから構成され、支持部10aとハンドル部10bは、各々の先部付近の軸部10cで回動可能に軸支され、ハンドル10bを操作することで、ハンドル部10bの先部である可動部10dが回動し、該可動部10dと、支持部10aの先部である固定部10eが挟持部として動作する。図9(a)のように、固定部10eを蓋部3の先端部の下側に当接させ、可動部10dを係合爪4aの上側から当接させた位置から可動部10dが係合爪4aを上から押さえる方向の力と、固定部10eが蓋部3の先端部を持ち上げる方向の力が働くように、例えば間接活線工具10全体を図9中における反時計まわりに動かすことで、図9(b)のように、係合爪4aの先部押し下げによる係合爪4aと被係合部5のスナップフィット係合の解除と、蓋部3の先端部の引き上げによる蓋部3を開く動作とが同時に実施され、蓋部3を開けることができる。
1a 開口部
1b 軸部
2 離隔部
2a ライン材受け部
2b ライン材押さえ部
3 蓋部
3a 軸受部
4 係合部
4a 係合爪
4b 係合部本体
4c 突起部
4d 段差部
5 被係合部
6 受け部
7 締付部
8 ナット部
9 把持部
10 間接活線工具
10a 支持部
10b ハンドル部
10c 軸部
10d 可動部
10e 固定部
D 電線
Claims (2)
- 電線に取り付けられる電線取付部と、該電線取付部に突設された離隔部とを備え、電線取付部を介して電線の長手方向に沿って間隔をあけて複数取り付けられると共に、各々の離隔部の間に電線と略平行にライン材を架設して鳥の飛来を防ぐ鳥害防止具であって、
電線取付部は、電線を挿入するための開口部と、該開口部に設けられた軸部と、係合部とを有しており、
前記軸部において基部を回動自在に軸支されて開閉自在である前記開口部を塞ぐための蓋部を備え、前記係合部は爪状の係合爪を有し、前記蓋部は前記係合部にスナップフィット係合可能な孔状の被係合部を先部に有していて、前記係合部と前記被係合部とのスナップフィットによる係合状態において蓋部の閉状態が保持され、前記係合状態のとき、前記係合爪は前記蓋部の先端部の上方で近接していて、前記軸部から前記蓋部の先端部に向かう方向に直交する方向において前記蓋部の先端部と前記電線取付部との間に隙間が設けられており、前記係合爪の先部を押し下げることで係合状態は解除され、前記蓋部は、先端部が引き上げられることで開状態となることを特徴とする鳥害防止具。 - 電線取付部は、電線の一側を保持する受け部と、該受け部と電線を介して対向する位置から電線の他側を押圧保持する締付部とを備え、該締付部を挟んで電線とは反対側に前記係合部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鳥害防止具。
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JP2018186855A JP7219951B2 (ja) | 2018-10-01 | 2018-10-01 | 鳥害防止具 |
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JP2009039055A (ja) | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 鳥害防止具 |
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2018
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