JP6327464B2 - 鉄骨部材の吊上げ補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物上に組み付けられている鉄骨部材を吊り上げる際に用いられる鉄骨部材の吊上げ補助装置に関する。
従来、建物の梁材などの鉄骨部材をクレーン等の揚重機械を用いて吊り上げる場合には、ワイヤ先端の玉掛け治具を鉄骨部材に玉掛けしている。このような玉掛け作業にかかる手間を低減する手段として、例えば特許文献1に示すような吊上げ装置を使用して、鉄骨部材に対して無人で玉掛けを行う方法が知られている。
特開2007−308289号公報
しかしながら、上述した従来の吊上げ装置では、以下のような問題があった。
すなわち、例えば柱仕口に対して上方から嵌合により大梁が接合されている鉄骨構造の柱梁構造において、大梁を吊り上げて柱仕口から離脱させて解体する際に、柱仕口と大梁との嵌合部分が密接した状態で接合されているため、外れ難い場合があった。仮に前述の嵌合部分においてクリアランスがあったとしても、例えば柱側の回転や傾き等により、柱仕口と大梁とが引っ掛かってしまい、大梁を吊り上げることができないおそれがあった。
また、このように部材同士が嵌合する接触部分に大きな摩擦抵抗が生じている場合には、両部材同士の間にクサビ等を押し込んで、両者の縁を切って接触抵抗を緩和させてから大梁を吊り上げる方法も可能であるが、嵌合部分の作業条件が悪い場所の場合には、対応が難しく、その点で改良の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、構造物に対して嵌合する鉄骨部材を離脱させて容易に吊り上げることが可能となるうえ、遠隔操作を可能とすることで作業効率を向上させることができる鉄骨部材の吊上げ補助装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄骨部材の吊上げ補助装置では、構造物上に嵌合により接合された鉄骨部材を吊り上げて解体する際に用いられる鉄骨部材の吊上げ補助装置であって、揚重手段によって吊り下げられる本体フレームと、該本体フレームに設けられ、前記鉄骨部材を把持するクランプ機構と、前記構造物に対して反力を取って前記本体フレームを上昇させる持上げ機構と、前記クランプ機構で把持され前記持上げ機構によって上昇された前記鉄骨部材と前記構造物との間の隙間にスペーサを残置可能に挿入させる差込み機構と、を備えていることを特徴としている。
本発明の鉄骨部材の吊上げ補助装置では、本体フレームを鉄骨部材の所定位置に配置し、クランプ機構によって鉄骨部材を本体フレームに把持させた後、持上げ機構により構造物に反力を取って本体フレームを上昇させ、これにより鉄骨部材を構造物の上方に離脱させることができる。次に、持ち上げられた鉄骨部材と構造物との間の隙間に差込み機構によってスペーサを挿入し、そのスペーサを前記隙間に残置させることで、鉄骨部材の荷重をスペーサで受けることができる。そして、構造物と鉄骨部材との接合部から吊上げ補助装置を退避させたときに、鉄骨部材を持ち上げた状態で維持することができる。このとき、すでに鉄骨部材が構造物に対して離脱され、嵌合による摩擦抵抗が小さくなった状態となるので、任意の吊上げ治具を用いて鉄骨部材を容易に吊り上げて解体することができる。
また、本発明の吊上げ補助装置では、鉄骨部材と構造物との嵌合部分に近づき難いような作業条件の場合であっても、前述の各動作を遠隔操作により行うことができる。
また、本発明に係る鉄骨部材の吊上げ補助装置は、前記クランプ機構は、上下移動自在で、かつ前記鉄骨部材の下方に配置させることが可能な係止爪部を備えていることが好ましい。
この場合には、係止爪部を鉄骨部材の下方に配置させた後、その係止爪部を上昇させて鉄骨部材の下面に係止させることで、本体フレームで鉄骨部材を把持させることができる。この場合、鉄骨部材のうち構造物上に載置されていない部分の下方に係止爪部を位置させればよいので、確実に鉄骨部材を持ち上げることができる。
また、本発明に係る鉄骨部材の吊上げ補助装置は、前記本体フレームには、前記鉄骨部材の側面に当接して水平方向に位置決めする側面ガイドが設けられていることが好ましい。
このような構成とすることで、本体フレームを鉄骨部材の接合部に配置する際に、側面ガイドを鉄骨部材の側面に当接させるだけで、容易に本体フレームの水平方向の位置決めを行うことができる。
また、本発明に係る鉄骨部材の吊上げ補助装置は、前記スペーサは、少なくとも一部が前記鉄骨部材に固着可能な磁力を有することが好ましい。
本発明では、前記隙間に挿入され残置されたスペーサが鉄骨部材の下面に対して磁力により固着されるので、鉄骨部材を吊り上げて解体する際に、その鉄骨部材とともにスペーサを回収することができる。そのため、スペーサが鉄骨部材を取り除いた後の構造物上に取り残されることがなく、その位置まで行って回収する手間がかからなくなり作業効率を向上させることができる。
本発明の鉄骨部材の吊上げ補助装置によれば、構造物に対して嵌合する鉄骨部材を離脱させて容易に吊り上げることが可能となるうえ、遠隔操作を可能とすることで作業効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態による鉄骨部材の吊上げ補助装置の構成を示す斜視図である。 図1に示すA−A線矢視図であって、吊上げ補助装置が配置された柱梁接合部を示す側面図である。 図2に示すB−B線方向から見た図であって、吊上げ補助装置が柱梁接合部に配置される前の状態を示す図である。 (a)、(b)は、図2に示すB−B線矢視図であって、吊上げ補助装置が柱梁接合部に配置された状態を示す側面図である。 (a)、(b)は、図4に続く動作を示す図であって、クランプ機構で大梁を把持する状態を示す側面図である。 (a)、(b)は、図5に続く動作を示す図であって、差込み機構でスペーサを大梁下側の隙間に挿入する状態を示す側面図である。 図6に続く動作を示す図であって、吊上げ補助装置を退避させる状態を示す側面図である。 第2の実施の形態による鉄骨部材の吊上げ補助装置の構成を示す側面図であって、図2に対応する図である。
以下、本発明の実施の形態による鉄骨部材の吊上げ補助装置について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態による鉄骨部材の吊上げ補助装置1は、例えば鉄骨構造の建物の柱梁の接合部において、柱3の柱仕口3A(構造物)に対して嵌合により接合される大梁2(鉄骨部材)をクレーン等の揚重機械(揚重手段)によって吊り上げて解体する際に用いられる。
ここで、本実施の形態の柱梁は、柱3の柱仕口3Aと大梁2の梁接合端2Aとがボルト等の固定手段を用いずに嵌め合わせのみで接合された構造となっている。柱仕口3Aは、建物の角部に配置され、大梁2同士が直交する2方向に向けて突出する上下一対の柱側フランジ31、31を備えている。これら柱側フランジ31は、図2に示すように、互いに上下方向に間隔をあけて配置され、各別に上方に向けて係止突起32が突設されている。係止突起32は、下半部分が断面正方形状に形成され、上半部分が全体として上方に向かうに従い漸次平面視の中心に向かう四角錐形状をなしている。
大梁2は、断面視で四角形状に組み合わされたトラス形状で構成され、材軸方向(長さ方向)の両端部が上下一対の梁側フランジ21、21を備えている。これら梁側フランジ21は、互いに上下方向に間隔をあけて配置され、各別に前述した柱側フランジ31に設けられる係止突起32の下半部分に嵌合される正方形状の貫通穴22が形成されている(図3参照)。つまり、柱仕口3Aの係止突起32に対して、大梁2の貫通穴22を上方から係合させることで、ボルトレス構造の柱梁接合構造となる。ここで、本実施の形態では、柱側フランジ31と梁側フランジ21とは、それぞれ幅寸法が同等となっている。
なお、柱仕口3Aと梁接合端2Aとが重なる上下2箇所の部分のうち上側を、以下、柱梁接合部Tという。そして、柱仕口3Aに対して大梁2を離脱させる際には、大梁2を持ち上げることのみで両者を分離できるようになっている。
図1及び図2に示すように、吊上げ補助装置1は、揚重機械(揚重手段)によって吊り下げられる本体フレーム4と、本体フレーム4に設けられ、上下移動自在に、かつ大梁2を把持可能に設けられたクランプ機構6と、柱仕口3Aに対して反力を取って本体フレーム4を上昇させる持上げシリンダ5(持上げ機構)と、クランプ機構6での把持によって上昇させた大梁2と柱仕口3Aとの間の隙間S(図5(b)参照)にスペーサ7Aを残置可能に挿入させる差込み機構7と、を備えている。
本体フレーム4は、柱梁接合部Tを覆うように平面視で矩形状に枠組みされ、適宜な位置に揚重機械から吊り下げられたワイヤW(図1参照)に連結される吊りピース(図示省略)が設けられている。本体フレーム4の中央上面には、通信機器を有する制御盤40が設けられており、後述する各シリンダ等の動作指令を無線による遠隔操作が可能となっている。
持上げシリンダ5は、本体フレーム4に対して下方に向けて伸張し、そのジャッキ先端(下端)において係止突起32に嵌合可能で四角錐状に凹んだ凹部51が形成されている。持上げシリンダ5を下方に向けて伸張させ、凹部51を係止突起32に対して下方に向けて押圧することで、後述する大梁2の持ち上げ時における反力を得ることができる構成となっている。
クランプ機構6は、図3に示すように、本体フレーム4に設けられた横材61と、横材61の両端に対して互いに近接離反可能に支持された一対のクランプ62、62と、を備えている。一対のクランプ62、62は、横材61の両側部分から下方に向けて延び、それぞれの下端に梁側フランジ21の下方位置に向けて水平方向に進入することが可能な係止爪部63を備えている。
一対のクランプ62、62は、それぞれ電動シリンダ等の横移動シリンダ64によって横材61の材軸方向に沿って移動可能に設けられ、かつ上下伸縮シリンダ65によって上下方向に伸縮自在に設けられている。つまり、一対のクランプ62、62は、横材61の材軸方向を大梁2の幅方向Xに向けて配置させた状態(このときの本体フレーム4の位置を把持位置という)で、大梁2を幅方向Xから挟持することが可能となっている。
係止爪部63は、先鋭爪形状をなし、その先鋭端63aが、クランプ62、62同士が対向する方向に向けて突出するように各クランプ62の下端62aに固定されている。
なお、一対のクランプ62、62同士の間の開き間隔は、開いた状態で少なくとも一対の係止爪部63同士の距離が大梁2の幅寸法よりも大きくなるとともに、閉じた状態で大梁2の幅寸法よりも小さくなるように設定されている。また、係止爪部63の上下方向の移動範囲は、大梁2の下方の位置から、大梁2の下面2aよりも上方となる位置までの範囲に決められている。
差込み機構7は、一方の係止爪部63の側方に設けられており、図6(a)に示すように、前記把持状態において幅方向Xの内側に向けて突出するとともに、突出先端71aにスペーサ7Aを着脱自在に係止する突出ロッド71と、突出ロッド71を突出可能に押し出す挿入シリンダ72と、を備えている。
突出ロッド71は、クランプ機構6によって上昇させた大梁2と柱仕口3Aとの間の隙間Sにスペーサ7Aを差し込める高さに配置され、スペーサ7Aを挿入したその位置で離脱させて、残置させることが可能な構成となっている。例えば、突出ロッド71の突出先端71a(図6(a)参照)にスペーサ7Aの基端部分を当接のみで係止させる構成であって、突出ロッド71を進出によりスペーサ7Aを前記隙間Sに押し込んで大梁2と柱仕口3Aとの間に挟持させた状態で、突出ロッド71を後退させることでスペーサ7Aのみをその挟持位置に残置させることができる。
スペーサ7Aは、クサビ形状をなし、それ自体が磁石から形成された部材、或いは部分的に磁石を備えた部材で磁力を有しており、差込み機構7によって大梁2の下面2aに対して固着可能となっている。
なお、スペーサ7Aの上面7a(大梁2側)のみに磁石が設けられていることが好ましい。これによりスペーサ7Aは、大梁2に対してのみ固着されることとなり、大梁2を吊り上げて解体する際に、柱仕口3Aに対しては離反し、大梁2の下面2aにスペーサ7Aが固着されたまま解体して回収することができる。
また、本体フレーム4には、図1及び図3に示すように、梁接合端2Aの梁側フランジ21の側面21aに当接させて水平方向に位置決めする一対の側面ガイド41、41が設けられている。これら一対の側面ガイド41、41は、本体フレーム4の一方の外周縁から互いに間隔をあけて下方に向けて延びている。側面ガイド41の長さ寸法は、本体フレーム4を大梁2上に配置した状態で、梁側フランジ21の側面21aだけでなく柱側フランジ31の側面31aにも当接可能な長さ寸法に設定されている。
次に、上述した鉄骨部材の吊上げ補助装置1を用いて柱3に対して大梁2を解体する方法について、図面に基づいて説明する。
図1及び図3に示すように、揚重機械のワイヤ先端に吊り下げられた吊上げ補助装置1を下降させて、柱梁接合部Tに対して上方から近接させ、側面ガイド41を梁側フランジ21及び柱側フランジ31の側面21a、31aに当接させることで吊上げ補助装置1が柱梁接合部Tに位置決めされる。そして、吊上げ補助装置1は、持上げシリンダ5の凹部51を柱仕口3Aの係止突起32に嵌合させた状態で配置される(図4(a)参照)。
次に、クランプ機構6によって大梁2を柱仕口3Aに対して持ち上げる動作を行う。具体的には、図4(b)に示すように、クランプ機構6の横移動シリンダ64を収縮させ、一対のクランプ62、62を互いに近接する方向に移動させて閉じることで、係止爪部63の先鋭端63aを大梁2の下方に位置させる。その後、上下伸縮シリンダ65を収縮させ、係止爪部63を大梁2の下面2aに係止させる。これにより、大梁2は、本体フレーム4と、クランプ機構6の係止爪部63とによって把持された状態となる。
続いて、図5(a)、(b)に示すように、持上げシリンダ5を下方に向けて伸張させて凹部51で係止突起32に押し付けることで、本体フレーム4は、柱仕口3Aに反力をとり、クランプ機構6によって把持されている大梁2とともに持ち上がる。これにより、梁側フランジ21と柱側フランジ31との間の間隔が開き隙間S(図5(b)が生じることになる。このときの隙間Sの高さ方向の寸法は、持上げシリンダ5の伸張量に相当し、例えば50mm程度とされる。
次に、図6(a)に示すように、大梁2を持ち上げることによって生じた隙間Sに対して、差込み機構7によってスペーサ7Aを押し込む。このとき、スペーサ7Aは予め突出ロッド71の突出先端71aに係止させておき、大梁2が持ち上がったときに、挿入シリンダ72を伸張させて突出ロッド71を突出させることで、スペーサ7Aが隙間Sに挿入されることになる。
その後、図6(b)に示すように、持上げシリンダ5を収縮させて、凹部51による柱仕口3Aへの押圧を解除することで、吊上げ補助装置1とともに大梁2が下がり、その大梁2の荷重は隙間Sに残置されているスペーサ7Aが受け持つことになる。そして、クランプ機構6の係止爪部63を下降させるとともに、クランプ62、62を開いてクランプ機構6による把持状態を解除する。
次に、図7に示すように、吊上げ補助装置1を吊り上げて、この柱梁接合部Tから退避させた位置へ移動させる。これにより、大梁2は柱仕口3A上にスペーサ7Aの厚み分の隙間高さを維持した状態となり、揚重機械により適宜な吊下げ装置等を用いて大梁2のみを吊り上げて撤去する。このとき撤去される大梁2の下面2aにはスペーサ7Aが磁石により固着したままとなるので、大梁2とともに前記隙間Sに残置されたスペーサ7Aを回収することができる。
ここで、スペーサ7Aによって持ち上げられた大梁2を吊り上げて撤去する際に用いられる上記吊下げ装置として、例えば特開2013−32218号公報の図9〜図12に開示される吊下げ装置を使用することができる。
次に、鉄骨部材の吊上げ補助装置1の作用について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の吊上げ補助装置1では、本体フレーム4を大梁2の柱仕口3Aとの接合部(柱梁接合部T)に配置し、クランプ機構6によって大梁2を本体フレーム4に把持させた後、持上げシリンダ5により柱仕口3Aに反力を取って本体フレーム4を上昇させ、これにより大梁2を柱仕口3Aの上方に離脱させることができる。
続いて、図6(a)、(b)に示すように、持ち上げられた大梁2と柱仕口3Aとの間の隙間Sに差込み機構7によってスペーサ7Aを挿入し、そのスペーサ7Aを前記隙間Sに残置させることで、大梁2の荷重をスペーサ7Aで受けることができる。そして、柱仕口3Aと大梁2との接合部から吊上げ補助装置1を退避させたときに、大梁2を持ち上げた状態で維持することができる。このとき、すでに大梁2が柱仕口3Aに対して離脱され、嵌合による摩擦抵抗が小さくなった状態となるので、任意の吊上げ治具を用いて大梁2を容易に吊り上げて解体することができる。
また、本実施の形態では、大梁2と柱仕口3Aとの嵌合部分に近づき難いような作業条件の場合であっても、前述の各動作を遠隔操作により行うことができる。
また、本実施の形態では、図5(a)、(b)に示すように、係止爪部63の先鋭端63aを大梁2の下方に配置させた後、その係止爪部63を上昇させて大梁2の下面2aに係止させることで、本体フレーム4で大梁2を把持させることができる。この場合、大梁2のうち柱仕口3A上に載置されていない部分の下方に係止爪部63を位置させればよいので、クランプ機構6が簡単な構成となり、かつ確実に大梁2を持ち上げることができる。
また、本実施の形態では、本体フレーム4を大梁2の接合部に配置する際に、側面ガイド41を大梁2の側面21aに当接させるだけで、容易に本体フレーム4の水平方向の位置決めを行うことができる。
また、本実施の形態の場合には、図7に示すように、前記隙間Sに挿入され残置されたスペーサ7Aが大梁2の下面2aに対して磁力により固着されるので、大梁2を吊り上げて解体する際に、その大梁2とともにスペーサ7Aを回収することができる。そのため、スペーサ7Aが大梁2を取り除いた後の柱仕口3A上に取り残されることがなく、その位置まで行って回収する手間がかからなくなり作業効率を向上させることができる。
上述のように本実施の形態による鉄骨部材の吊上げ補助装置では、柱仕口3Aに対して嵌合する大梁2を容易に離脱させて容易に吊り上げることが可能となるうえ、遠隔操作を可能とすることで作業効率を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図8に示すように、第2の実施の形態による鉄骨部材の吊上げ補助装置1Aは、持上げシリンダ5Aの反力保持部の位置を代えたものである。具体的には、持上げシリンダ5Aは、本体フレーム4のうち平面視で梁接合端2Aの外側で、かつ柱仕口3Aに反力を取ることが可能な位置に複数が幅方向に沿って間隔をあけて設けられている。持上げシリンダ5Aの下端に位置する反力保持部5aは、上下一対の柱側フランジ31のうち上側に位置する柱側フランジ31の上面31bに当接する。
この場合、クランプ機構6によって大梁2を把持した後、複数の持上げシリンダ5Aを柱仕口3Aに反力を取って略同時に伸張させることで、本体フレーム4が大梁2とともに持ち上げられる。
以上、本発明による鉄骨部材の吊上げ補助装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、本体フレーム4を持ち上げる際の持上げシリンダ5の反力受け位置が柱側フランジ31の係止突起32や、柱側フランジ31の上面31bとされているが、この位置に限定されることはなく、鉄骨部材(大梁2)を嵌合により接合する構造物であればよい。そのため、吊り上げられる鉄骨部材が嵌合する対象となる構造物としては、本実施の形態のような柱3に限定されることはなく、例えば壁面から突出するリブ材などでも良く、また構造物が鉄骨構造であることに制限されず、鉄筋コンクリート造のブロックなどであってもかまわない。要は、鉄骨部材が構造物に対して嵌合により接合されている構造が適用対象となるのである。
また、本実施の形態では、側面ガイド41が大梁2の幅方向Xの一方側のみに当接するように片側のみに設けられているが、これに限定されることはなく、大梁2の両側に位置決め用ガイドが配置されるように設けられていてもよい。また、片側用の側面ガイド41を両側兼用とし、大梁2の位置や形状に対応可能とし、いずれか一方側に付け直して使用するようにしてもよい。さらにまた、側面ガイド41を設けることに限らず、省略してもよい。
また、本実施の形態のクランプ機構6は、係止爪部63を横移動シリンダ64によって横移動させ、かつ上下伸縮シリンダ65によって上下に移動させる構成となっているが、このような構成に限定されることはない。要は、本体フレーム4を構造物に反力を取って持上げ機構(持上げシリンダ5)によって上昇可能な状態において、クランプ機構6によって大梁2などの鉄骨部材を把持することができる機構であれば、その構造が限定されることはない。
さらに、差込み機構7の構成についても本実施の形態に制限されることはない。例えば、本実施の形態のように突出ロッド71を幅方向Xに突出させる構成に代えて、上下方向を回転中心とする回転機構によりスペーサ7Aを前記隙間Sに挿入する構成とすることも可能である。
また、スペーサ7Aの形状は、任意に設定することができる。そして、本実施の形態では、スペーサ7Aの上面7aなどに磁力を有し、大梁2の下面2aに固着可能な構成としているが、磁力を有さないスペーサであってもよい。
また、本体フレーム4、クランプ機構6、差込み機構7の各部の寸法および形状は、吊り上げ対象となる鉄骨部材の寸法、形状などの構成に応じて、適宜変更可能に設定することができ、あるいは鉄骨部材に合せて適宜調整可能に設けることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1、1A 吊上げ補助装置
2 大梁(鉄骨部材)
2A 梁接合端
2a 下面
3 柱
3A 柱仕口(構造物)
4 本体フレーム
5、5A 持上げシリンダ(持上げ機構)
6 クランプ機構
7 差込み機構
7A スペーサ
21 梁側フランジ
31 柱側フランジ
32 係止突起
41 側面ガイド
62 クランプ
63 係止爪部
71 突出ロッド
72 挿入シリンダ
S 隙間
T 柱梁接合部
X 幅方向

Claims (4)

  1. 構造物上に嵌合により接合された鉄骨部材を吊り上げて解体する際に用いられる鉄骨部材の吊上げ補助装置であって、
    揚重手段によって吊り下げられる本体フレームと、
    該本体フレームに設けられ、前記鉄骨部材を把持するクランプ機構と、
    前記構造物に対して反力を取って前記本体フレームを上昇させる持上げ機構と、
    前記クランプ機構で把持され前記持上げ機構によって上昇された前記鉄骨部材と前記構造物との間の隙間にスペーサを残置可能に挿入させる差込み機構と、
    を備えていることを特徴とする鉄骨部材の吊上げ補助装置。
  2. 前記クランプ機構は、上下移動自在で、かつ前記鉄骨部材の下方に配置させることが可能な係止爪部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨部材の吊上げ補助装置。
  3. 前記本体フレームには、前記鉄骨部材の側面に当接して水平方向に位置決めする側面ガイドが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨部材の吊上げ補助装置。
  4. 前記スペーサは、少なくとも一部が前記鉄骨部材に固着可能な磁力を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄骨部材の吊上げ補助装置。
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