JP3632068B2 - 型枠装置の型枠接合機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、所要傾斜度で、ダムの周囲にコンクリート壁面を構築する際に使用される型枠装置の型枠接合機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダム等の型枠装置は、図14に示すようにクレーンによって吊下げて、構築されるべきコンクリート壁面に沿ってスライドさせ、既に打設された下部の壁面に固定する方式がとられている。スライドされた隣接する型枠装置相互の連結は、型枠のメタルフォームにあけられている孔にUクリップをはめて連結する方法が一般に行われている。この作業は、堤外の足場に作業者が乗って行われており、ダム等においては、高所作業であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような作業環境では、作業者にとって危険性が高いので、型枠固定用の各種ボルトの取付・取り外し作業を極力、自動化する必要がある。このため、図1に示すような、各種ボルトの着脱機能(締め付け、弛め)を保有するダムフォームスライド機などが開発されているが、型枠上昇後、隣接する既設の型枠に、前記型枠を連結するためには、堤外に足場を設け、作業者が高所で行わねばならなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、コンクリート壁面を順次、高さ方向に構築する際に、コンクリート打設の工程に追従して、型枠を上昇させ、コンクリート既設部分に保持固定する型枠装置において、横方向に隣接する型枠相互を、操作桿の簡単な操作で、堤内の安全な場所で、確実かつ容易に結合することができる型枠接合機構を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の型枠装置の型枠接合機構は、コンクリート壁面を順次、高さ方向に構築する際に、コンクリート打設の工程に追従して、型枠を上昇させ、コンクリート既設部分に保持固定する型枠装置において、
型枠上昇後、隣接する既設の型枠に、上昇させた型枠を連結するために、各型枠の両側縁部にそれぞれ補強用縦端太を装着し、その型枠の一側縁部の補強用縦端太上端部及び中間部と下端部の複数箇所にリブを設け、これらのリブには、それぞれガイド穴を形成させて、この縦端太の長手方向に、それらのガイド穴を貫通して摺動可能に支持される操作桿を備え、
前記操作桿は、前記各リブに対応してそれぞれ下向きのL字形のフックを隣接形枠との係合子として設け、その係合子はそれぞれリブ上に支持され、
一方各型枠の他側縁部の補強用縦端太には、前記操作桿を90度回動した際に、前記係合子にそれぞれ対応して係脱可能に係合する係合穴が形成され、
さらに、前記操作桿の下端には、抜け止め用ストッパーを設ける構成とし、
型枠の隣接箇所は、先に設置された型枠がある場合には、上昇させた型枠の前記一側縁部の縦端太と、設置されている型枠の前記他側縁部の縦端太とを対向させ、
相互に当接させた状態で前記操作桿の頂部を90度回動させ、複数の係合子が隣接の縦端太にある複数の係合穴に対応して係脱可能に係合させ、隣接型枠を相互に結合させることを特徴とする。
【0007】
また、コンクリート壁面を順次、高さ方向に構築する際に、コンクリート打設の工程に追従して、型枠を上昇させ、コンクリート既設部分に保持固定する型枠装置において、
型枠上昇後、隣接する既設の型枠に、上昇させた型枠を連結するために、各型枠の両側縁部にそれぞれ補強用縦端太を設け、
前記各縦端太には、その上下端部を除いて、その両側の縦端太縁部に沿ってアングル鋼材よりなるガイド部材をそれぞれ装備し、
さらに、前記各縦端太の上端には、テーパーピンを嵌脱可能に嵌挿する環状の受け部材を設け、
一方、各縦端太の下端部には、リブを設け、型枠が結合位置に隣接したとき併せて一つになる半割のロックピンを上向きに設け、
さらに、パイプで構成され、そのパイプの上端にはパイプの中心から等距離に前記環状の受け部材に嵌挿するためのテーパーピンを設けた操作桿を備え、
前記操作桿は、型枠が結合位置に隣接したとき、その間に対向するそれぞれのガイド部材により上下摺動に抱き込まれる構成とし、
型枠の隣接箇所に、先に設置された型枠がある場合には、上昇させた型枠の縁部縦端太のガイド部材と、先に設置された型枠の縁部縦端太のガイド部材とを対向させ、
相互に当接させた状態で、前記操作桿を抱き込ませ、押し下げて、その操作桿の上端にある前記テーパーピンをそれぞれ環状の受け部材に嵌挿すると共に、前記操作桿下端のパイプの内側へ対向した二つの半割ロックピンを併せて嵌合し、隣接型枠を相互に結合させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1ないし図13を参照して具体的に説明する。ここでの型枠装置Aは、コンクリート打設されるべき所要傾斜度(勾配)の壁面Bに沿って、互いに平行な縦端太1、1を上昇可能に保持する。該縦端太1、1には、所要の間隔で、板状の固定部材2が架設してあって、この固定部材の幾つかにダミーボルト3および固定用ボルト4が装備される(図1ないし図4を参照)。
【0009】
また、縦端太1、1には、その上側に偏って、複数の横端太5を介して、壁面Bに沿う方形の型枠6が装着されている。該型枠6には、ダミーボルトの配備箇所に対応して、ダミーボルト挿通用の穴6aが形成されており、固定部材2側には、ダミーボルト3を保持するためのハウジング7が構成されている。なお、このハウジング7の構成およびダミーボルト3に採用されているボルト機構は、本発明の実施の形態では、固定用ボルト4を保持するためのハウジングおよびボルト機構と共通なので、同じ構成として以下に説明する。
【0010】
上記ボルト機構は、ダミーボルト3および固定用ボルト4が、それぞれ、螺脱方向にバネ手段8(この実施の形態では、ハウジング7内に収納された圧縮コイルばね)で弾持されると共に、型枠6からの抜け止め用ストッパ9(これは、バネ手段8でボルトの後退側に弾持される)を備えている。
【0011】
また、この実施の形態では、ダミーボルト3および固定用ボルト4は、それぞれ、ハウジング7内で、コンクリート壁面に対して垂直に支持されており、前記垂直方向に進退可能であり、その先端には、アンカーボルト10に螺脱可能に螺合するねじ部3aが、また、基端側には、アンカーボルト10と螺合された状態で、縦端太1、1および型枠6をコンクリート壁面側に保持するためのねじ手段11(ここでは、ボルトに形成した雄ねじ部と、これに螺合するナットとから構成される)を装備している。
【0012】
また、このようなボルト機構を採用した本発明の型枠装置Aでは、固定用ボルト4が、高さ方向に関してコンクリート壁面に埋設されたアンカーボルト10と同ピッチ(もしくは等倍ピッチでもよい)で、縦端太1、1に装備したダミーボルト3に対して、型枠6から外れた位置にて、縦端太1、1の長手方向下側に配設されている。また、縦端太1、1側には、固定用ボルト4より下側で、型枠6の傾斜度を調整するためのジャッキ機構12が設けられている。
【0013】
そして、本発明の実施の形態として、ここでは、横方向に隣接する型枠6相互を接合する型枠接合機構Cが装備されている。即ち、この型枠接合機構は、図5ないし図8に示すように、型枠6の両側縁部に、溝形鋼材からなる補強用縦端太13、13′が装着してあり、その一側縁部の縦端太13上端部および中間部にあるリブ13aには、この縦端太13の長手方向に延びる操作桿14が、その長手方向に摺動可能に貫通・支持されるガイド穴13bが形成されている。
【0014】
また、操作桿14には、各リブ13aに対応して、その頂部および中間部に、係合子として、下向きのL字形のフック14b(側方に延びるアームに対して下向きのテーパピンを備えたもの)が設けてあって、その先端がリブ13a上に支持されている。
【0015】
一方、縦端太13′には、操作桿14を90度、回動した際に、上述のフック14bに対応して、これに係脱可能に係合する係合穴13cが形成されている。なお、図中、符号13dは、操作桿14の下端に設けた抜け止め用のストッパである。
【0016】
このような構成では、型枠6が、被コンクリート打設面の所定位置(最初は、最下位置)に配備された状態で、型枠装置A側に装備した、正逆切換用の一方向チャック付き自動ドライバ手段(図示せず)で、バネ手段8に抗して、ダミーボルト3を、所要のストロークで、即ち、この実施の形態では、前述のねじ手段11のナットが固定部材2に当接する設定位置まで進出させて、挿通穴6aを介して、型枠6より突出した箇所にアンカーボルト10を装着する。
【0017】
この状態で、型枠6と被コンクリート打設面との間にコンクリートを打設し、固化するのを待つ。固化した後で、再び、前記自動ドライバ手段を逆に動作して、バネ手段8の弾性力で、ダミーボルト3をアンカーボルト10から離脱させ、ハウジング7側に退出させ、型枠6のコンクリート接触面から後退させる。
【0018】
この状態で、型枠装置Aの引き上げ手段(図示せず)を作動して、型枠6をコンクリート打設面に沿って上昇させる。その上昇ストロークは、少なくとも、型枠6が外れた位置で、既にコンクリート打設面下に埋設されたアンカーボルト10に固定用ボルト4の先端が対応する値に調整される。
【0019】
次いで、前記自動ドライバ手段で、固定用ボルト4を、ダミーボルト3の場合と同様に、埋設された上述のアンカーボルト10に螺合させる。この際、ねじ手段11のナットは、固定部材に当たり、縦端太1、1および型枠6をコンクリート打設面に押し付ける働きをする。
【0020】
この際、ジャッキ機構12の働きで、被コンクリート打設面の所定の傾斜度(勾配)に縦端太1、1を調節することができる。
そして、アンカーボルト10に螺合された固定用ボルト4を介して、縦端太1、1および型枠6が上昇した新たな位置に固定される。このようにして、型枠6の固定が実現された後、再び、ダミーボルト3を被コンクリート打設面側に進出させ、新たなアンカーボルト10を螺合させる。なお、上述のアンカーボルト10は、型枠6の上昇操作前に、ダミーボルト3の先端に装着する。
【0021】
この状態で、既に、型枠6の隣接箇所に、先に設置された型枠6がある場合には、型枠6、6の縦端太13、13′側面を相互に当接させた状態で、操作桿14の頂部14aを若干持ち上げて、フック14bの先端をリブ13aから上方に移動し、更に、操作桿14を90度、回動させる。
【0022】
これによって、フック14bが、隣接の縦端太13′にある係合穴13cに対応するから、この状態で、操作桿14の自重を利用して、操作桿14を降下し、フック14bを係合穴13cに係脱可能に係合させる。このようにして、隣接型枠6、6相互を結合することができる。そして、型枠と被コンクリート打設面との間において、コンクリートを打設するのである。
【0023】
(他の実施の形態)
また、本発明の型枠接合機構には、図10ないし図14に示すように、別の構成を採用しても良い。ここで、型枠6、6の縦端太13、13′には、その上下端部を除いて、互いに対向する、アングル鋼材よりなるガイド部材15、15′が装備してあって、この間に、上下摺動可能に操作桿14を抱き込むようになっている。
【0024】
この操作桿14は、パイプで構成され、その上端から左右に延びる板状の支持部材14eが設けてあり、これには、操作桿14の中心から等距離に、下向きのテーパピン(ロックピン)16、16が装備されている。また、このテーパピンに対向して、縦端太13、13′の上端には、前記テーパピンを嵌脱可能に嵌挿する環状の受け部材17、17が設けてある。
【0025】
一方、各縦端太13、13′の下端部にあるリブには、併せて一つになる半割のテーパピン(ロックピン)18が上向きに設けてあり、これには、操作桿14の下端が嵌脱可能に嵌挿することができる。
【0026】
このような構成では、型枠6が隣接する型枠(既に固定済み)と並んだ状態で、互いに隣接する縦端太13、13′をその側面で接合させるが、この時、操作桿14をロック位置より若干引き上げた状態でガイド部材15、15の間に抱え込む。そして、操作桿14を降下させることで、テーパピン16、16を受け部材17、17に嵌挿し、また、操作桿14の下端をテーパピン18に嵌合する。このようにして、左右の隣接型枠を、相互に、連結固定することができる。
【0027】
なお、この実施の形態では、図1に示すような、ダムフォームスライド機について説明したが、図9に示すようなクレーンを用いた従来方式の型枠装置にも、本発明のボルト機構を採用できることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上詳述したようになり、型枠上昇後、隣接する既設の型枠に、前記型枠を連結するために、各型枠の両側縁部に設けた補強用縦端太に、その長手方向に沿って、摺動可能に操作桿を支持し、該操作桿に設けた係合子を、前記縦端太側に設けた係合部に係合することで、両型枠を相互に連結することを特徴とする。
【0029】
従って、コンクリート壁面を順次、高さ方向に構築する際に、コンクリート打設の工程に追従して、型枠を上昇させ、コンクリート既設部分に保持固定する型枠装置において、横方向に隣接する型枠相互を、操作桿の簡単な操作で、確実かつ容易に結合することができる。
【0030】
このため、型枠装置では、ダム型枠の背面(堤外)側の作業足場上での人力による作業など、危険の伴う高所作業を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す、ダムフォームスライド機を用いた型枠装置の全体外観図である。
【図2】同じく、型枠装置の正面図である。
【図3】同じく、型枠装置の側面である。
【図4】同じく、ボルト機構の構成および機能を説明するための縦断側面図である。
【図5】同じく、型枠接合機構の頂部を示す平面図である。
【図6】同じく、縦断正面図である。
【図7】同じく、型枠の補強用縦端太の中間部における型枠接合機構の部分を示す縦断正面図である。
【図8】同じく、前記縦端太の下端部における型枠接合機構の部分を示す縦断正面図である。
【図9】本発明における型枠接合機構の他の事例を示す、頂部の平面図である。
【図10】同じく、縦断正面図である。
【図11】同じく、型枠の補強用縦端太の中間部における、前記型枠接合機構の横断面図である。
【図12】同じく、前記縦端太の中間部での縦断正面図である。
【図13】同じく、前記縦端太の下端部での縦断正面図である。
【図14】クレーン式の従来型の型枠装置を示す全体外観図である。
【符号の説明】
1、1 縦端太
2 固定部材
3 ダミーボルト
4 固定用ボルト
5 横端太
6 型枠
6a 穴(挿通穴)
7 ハウジング
8 バネ手段
9 ストッパ
10 アンカーボルト
11 ねじ手段
12 ジャッキ機構
13、13′ 補強用縦端太
14 操作桿
14a 頂部
14b フック
15、15′ ガイド部材
16、16 テーパピン
17、17 受け部材
18 半割テーパピン
A 型枠装置
B 壁面
C 型枠接合機構

Claims (2)

  1. コンクリート壁面を順次、高さ方向に構築する際に、コンクリート打設の工程に追従して、型枠を上昇させ、コンクリート既設部分に保持固定する型枠装置において、
    型枠上昇後、隣接する既設の型枠に、上昇させた型枠を連結するために、各型枠の両側縁部にそれぞれ補強用縦端太を装着し、その型枠の一側縁部の補強用縦端太上端部及び中間部と下端部の複数箇所にリブを設け、これらのリブには、それぞれガイド穴を形成させて、この縦端太の長手方向に、それらのガイド穴を貫通して摺動可能に支持される操作桿を備え、
    前記操作桿は、前記各リブに対応してそれぞれ下向きのL字形のフックを隣接形枠との係合子として設け、その係合子はそれぞれリブ上に支持され、
    一方各型枠の他側縁部の補強用縦端太には、前記操作桿を90度回動した際に、前記係合子にそれぞれ対応して係脱可能に係合する係合穴が形成され、
    さらに、前記操作桿の下端には、抜け止め用ストッパーを設ける構成とし、
    型枠の隣接箇所は、先に設置された型枠がある場合には、上昇させた型枠の前記一側縁部の縦端太と、設置されている型枠の前記他側縁部の縦端太とを対向させ、
    相互に当接させた状態で前記操作桿の頂部を90度回動させ、複数の係合子が隣接の縦端太にある複数の係合穴に対応して係脱可能に係合させ、隣接型枠を相互に結合させることを特徴とする型枠装置の型枠接合機構。
  2. コンクリート壁面を順次、高さ方向に構築する際に、コンクリート打設の工程に追従して、型枠を上昇させ、コンクリート既設部分に保持固定する型枠装置において、
    型枠上昇後、隣接する既設の型枠に、上昇させた型枠を連結するために、各型枠の両側縁部にそれぞれ補強用縦端太を設け、
    前記各縦端太には、その上下端部を除いて、その両側の縦端太縁部に沿ってアングル鋼材よりなるガイド部材をそれぞれ装備し、
    さらに、前記各縦端太の上端には、テーパーピンを嵌脱可能に嵌挿する環状の受け部材を設け、
    一方、各縦端太の下端部には、リブを設け、型枠が結合位置に隣接したとき併せて一つになる半割のロックピンを上向きに設け、
    さらに、パイプで構成され、そのパイプの上端にはパイプの中心から等距離に前記環状の受け部材に嵌挿するためのテーパーピンを設けた操作桿を備え、
    前記操作桿は、型枠が結合位置に隣接したとき、その間に対向するそれぞれのガイド部材により上下摺動に抱き込まれる構成とし、
    型枠の隣接箇所に、先に設置された型枠がある場合には、上昇させた型枠の縁部縦端太のガイド部材と、先に設置された型枠の縁部縦端太のガイド部材とを対向させ、
    相互に当接させた状態で、前記操作桿を抱き込ませ、押し下げて、その操作桿の上端にある前記テーパーピンをそれぞれ環状の受け部材に嵌挿すると共に、前記操作桿下端のパイプの内側へ対向した二つの半割ロックピンを併せて嵌合し、隣接型枠を相互に結合させることを特徴とする型枠装置の型枠接合機構。
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