JP7301192B2 - 射出装置及び成形機 - Google Patents

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本開示は、射出装置及び成形機に関する。成形機は、例えば、ダイカストマシン又は射出成形機である。
射出装置として、成形材料を金型内に押し出すプランジャを射出シリンダによって駆動するものが知られている(例えば特許文献1)。射出シリンダは、プランジャに連結された射出ピストンロッド、当該射出ピストンロッドに固定された射出ピストン、及び当該射出ピストンを収容する射出シリンダ部を有している。射出シリンダ部の内部は、射出ピストンによって射出ピストンロッドが延び出る側の射出ロッド側室と、その反対側の射出ヘッド側室とに区画されている。そして、射出ヘッド側室に作動液(例えば油)が供給されることによって、射出ピストンが射出ピストンロッド側へ移動し、これにより、プランジャが金型に向かって前進する。射出シリンダの速度(換言すれば射出速度)は、例えば、射出ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する流量制御弁(メータアウト回路)によって制御される(例えば特許文献1)。
なお、特許文献1では、サージ圧を抑制するために射出ロッド側室に接続されたアキュムレータが開示されている。また、特に例示しないが、射出シリンダとして、射出ヘッド側室の圧力を上昇させることが可能な増圧ピストンを有しているものが知られている。
特開平6-297128号公報
メータアウト回路を用いた場合においては、理想的には、射出ピストンは、射出ロッド側室から排出された作動液の流量に相当する速度で前進する。しかし、実際には、例えば、射出ヘッド側室への作動液の供給を開始したとき、射出ピストンから射出ロッド側室の作動液に付与される圧力によって射出ロッド側室の作動液が圧縮され、射出ロッド側室から排出される作動液の流量に相当する速度を超える速度で射出ピストンが前進してしまうことがある。すなわち、いわゆるジャンピング(飛び出し)が生じることがある。その結果、成形品の品質が低下するおそれがある。
従って、ジャンピングするおそれの低減及び昇圧性能の向上の少なくとも一方を実現できる射出装置及び成形機が提供されることが好ましい。
本開示の一態様に係る射出装置は、成形材料を前方の金型内へ押し出すプランジャを駆動する射出シリンダと、前記射出シリンダにおける作動液の流れを制御する液圧装置と、前記液圧装置を制御する制御装置と、を有しており、前記射出シリンダは、前記プランジャの後部に連結される射出ピストンロッドと、前記射出ピストンロッドの後部に固定されている射出ピストンと、前記射出ピストンを摺動可能に収容しており、内部が前記射出ピストンによって前方の射出ロッド側室と、後方の射出ヘッド側室とに区画されている射出シリンダ部と、前記射出ヘッド側室に通じている小径シリンダ部と、前記小径シリンダ部に直列に続いており、前記小径シリンダ部よりも径が大きい大径シリンダ部と、前記小径シリンダ部に摺動可能に収容されている小径ピストンと、前記小径ピストンに直列に固定されており、前記大径シリンダ部に摺動可能に収容されており、前記大径シリンダ部内を前記小径シリンダ部側の増圧ロッド側室と、その反対側の増圧ヘッド側室とに区画している大径ピストンと、を有しており、前記制御装置は、射出開始前に、前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給して前記増圧ロッド側室から前記射出ロッド側室へ液圧を付与する与圧を行うように前記液圧装置を制御する与圧制御部を有している。
一例において、前記与圧制御部は、前記与圧の際に、前記射出ヘッド側室の圧抜きを行うように前記液圧装置を制御する。
一例において、前記射出シリンダは、前記射出シリンダ部に固定的な、前記射出ピストンの後退を規制するストッパを有している。
一例において、前記小径シリンダ部は、前記射出シリンダ部の後側に対して直列に続いており、前記小径シリンダ部の内径は、前記射出シリンダ部の内径よりも小さく、前記射出シリンダ部と小径シリンダ部との間の段差によって前記ストッパが構成されている。
一例において、前記射出ピストンの前記射出ヘッド側室における受圧面積S1の、前記射出ピストンの前記射出ロッド側室における受圧面積S2に対する比S1/S2に対する、前記大径ピストンの前記増圧ヘッド側室における受圧面積S3の、前記大径ピストンの前記増圧ロッド側室における受圧面積S4に対する比S3/S4の比(S3/S4)/(S1/S2)は、0.9以上1.2以下である。
一例において、前記液圧装置は、前記射出ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する流量制御弁を有しており、前記制御装置は、前記射出ヘッド側室に作動液を供給するとともに前記流量制御弁を開くことにより射出を開始するように前記液圧装置を制御する射出制御部と、前記増圧ヘッド側室に作動液を供給することにより増圧を行うように前記液圧装置を制御する増圧制御部と、を有している。
一例において、前記射出装置は、前記射出ピストンロッドを前記射出シリンダ部に対して駆動可能な電動式駆動部を更に有しており、前記液圧装置は、前記射出ロッド側室の圧力が所定の圧力を超えたときに前記射出ロッド側室から作動液を排出させるリリーフ弁と、前記射出ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する流量制御弁と、を有しており、前記制御装置は、前記電動式駆動部の駆動力により低速射出を開始し、その後、前記射出ヘッド側室へ作動液を供給するとともに前記流量制御弁を開くことにより前記低速射出よりも高速な高速射出を行うように前記電動式駆動部及び前記液圧装置を制御する射出制御部と、前記増圧ヘッド側室に作動液を供給することにより増圧を行うように前記液圧装置を制御する増圧制御部と、を有している。
一例において、前記液圧装置は、前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するアキュムレータと、前記増圧ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する増圧側流量制御弁と、を有しており、前記制御装置は、前記与圧から増圧完了まで継続して前記アキュムレータから前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するように前記液圧装置を制御するヘッド制御部と、前記増圧側流量制御弁を開くことにより増圧を開始するように前記液圧装置を制御する増圧制御部と、を有している。
本開示の一態様に係る射出装置は、成形材料を前方の金型内へ押し出すプランジャを駆動する射出シリンダと、前記射出シリンダにおける作動液の流れを制御する液圧装置と、前記液圧装置を制御する制御装置と、を有しており、前記射出シリンダは、前記プランジャの後部に連結される射出ピストンロッドと、前記射出ピストンロッドの後部に固定されている射出ピストンと、前記射出ピストンを摺動可能に収容しており、内部が前記射出ピストンによって前方の射出ロッド側室と、後方の射出ヘッド側室とに区画されている射出シリンダ部と、前記射出ヘッド側室に通じている小径シリンダ部と、前記小径シリンダ部に直列に続いており、前記小径シリンダ部よりも径が大きい大径シリンダ部と、前記小径シリンダ部に摺動可能に収容されている小径ピストンと、前記小径ピストンに直列に固定されており、前記大径シリンダ部に摺動可能に収容されており、前記大径シリンダ部内を前記小径シリンダ部側の増圧ロッド側室と、その反対側の増圧ヘッド側室とに区画している大径ピストンと、を有しており、前記液圧装置は、前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するアキュムレータと、前記増圧ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する増圧側流量制御弁と、を有しており、前記制御装置は、増圧開始前から増圧完了まで継続して前記アキュムレータから前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するように前記液圧装置を制御するヘッド制御部と、前記増圧側流量制御弁を開くことにより増圧を開始するように前記液圧装置を制御する増圧制御部と、を有している。
一例において、前記液圧装置は、前記増圧ロッド側室から前記射出ロッド側室への作動液の流れを許容及び禁止可能な与圧用バルブを有しており、前記制御装置は、射出開始前に、前記増圧ロッド側室から前記射出ロッド側室へ液圧を付与するように前記与圧用バルブを制御する与圧制御部を有している。
一例において、前記液圧装置は、前記射出ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する流量制御弁を有しており、前記増圧制御部は、増圧に亘って前記流量制御弁を全開にするように前記液圧装置を制御する。
本開示の一態様に係る成形機は、上記の射出装置と、前記金型を型締めする型締装置と、前記金型から成形品を押し出す押出装置と、を有している。
上記の構成によれば、ジャンピングするおそれの低減及び昇圧性能の向上の少なくとも一方を実現できる。
本開示の第1実施形態に係る射出装置を有するダイカストマシンの構成を示す模式図。 図1の射出装置における液圧系の構成を示す模式図。 図3(a)~図3(c)は射出シリンダの一部を拡大して示す模式的な断面図。 図1の射出装置の動作を説明するためのタイミングチャート。 本開示の第2実施形態に係る射出装置における駆動機構の構成を示す模式図。 図5の射出装置における液圧系の構成を示す模式図。 図5の射出装置の動作を説明するためのタイミングチャート。 図8(a)及び図8(b)は射出シリンダの変形例を示す模式図。 本開示の第3実施形態に係る射出装置の要部構成を示す模式図。 図9の射出装置の動作を説明するためのタイミングチャート。
以下、図面を参照して本開示に係る実施形態及びその変形例について説明する。なお、第2実施形態又は変形例の説明においては、基本的に、既に説明された態様(基本的には第1実施形態)との相違部分についてのみ説明する。特に言及がない点は、既に説明された態様と同様とされてよい。また、既に説明された態様の構成と同一又は類似する構成については、既に説明された態様の構成に付した符号を付すことがある。
<第1実施形態>
(ダイカストマシンの全体構成)
図1は、本開示の第1実施形態に係るダイカストマシン1の要部の構成を示す、一部に断面図を含む側面図である。
ダイカストマシン1は、溶解されて液状となった金属材料(溶湯)を金型101内(キャビティCa等の空間。以下同様。)へ射出し、溶湯を金型101内で凝固させることにより、ダイカスト品(成形品)を製造するものである。金属は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金である。
金型101は、例えば、固定金型103及び移動金型105を含んでいる。本実施形態の説明では、便宜上、固定金型103又は移動金型105の断面を1種類のハッチングで示すが、これらの金型は、直彫り式のものであってもよいし、入れ子式のものであってもよい。また、固定金型103及び移動金型105には、中子などが組み合わされてもよい。
ダイカストマシン1は、例えば、成形のための機械的動作を行うマシン本体3と、マシン本体3の動作を制御する制御ユニット5とを有している。
マシン本体3は、例えば、金型101の開閉及び型締めを行う型締装置7と、金型101内に溶湯を射出する射出装置9と、ダイカスト品を固定金型103又は移動金型105(図1では移動金型105)から押し出す押出装置11とを有している。マシン本体3において、射出装置9以外の構成(例えば型締装置7及び押出装置11の構成)は、公知の種々の構成と同様とされてよい。
成形サイクルにおいて、型締装置7は、移動金型105を固定金型103へ向かって移動させ、型閉じを行う。さらに、型締装置7は、タイバー(符号省略)の伸長量に応じた型締力を金型101に付与して型締めを行う。型締めされた金型101内には成形品と同一形状のキャビティCaが構成される。射出装置9は、そのキャビティCaへ溶湯を射出・充填する。キャビティCaに充填された溶湯は、金型101に熱を奪われて冷却され、凝固する。これにより、成形品が形成される。その後、型締装置7は、移動金型105を固定金型103から離れる方向へ移動させて型開きを行う。この際、又はその後、押出装置11は、移動金型105から成形品を押し出す。
制御ユニット5は、例えば、各種の演算を行って制御指令を出力する制御装置13(図2参照)と、画像を表示する表示装置15と、オペレータの入力操作を受け付ける入力装置17とを有している。また、別の観点では、制御ユニット5は、例えば、電源回路及び制御回路等を有する不図示の制御盤と、ユーザインターフェースとしての操作部19とを有している。
制御装置13は、例えば、不図示の制御盤及び操作部19に設けられている。制御装置13は、適宜に分割乃至は分散して構成されてよい。例えば、制御装置13は、型締装置7、射出装置9及び押出装置11毎の下位の制御装置と、この下位の制御装置間の同期を図るなどの制御を行う上位の制御装置とを含んで構成されてよい。
表示装置15及び入力装置17は、例えば、操作部19に設けられている。操作部19は、例えば、型締装置7の固定的部分に設けられている。表示装置15は、例えば、液晶表示ディスプレイ乃至は有機ELディスプレイを含んだタッチパネルによって構成されている。入力装置17は、例えば、機械式のスイッチ及び前記のタッチパネルによって構成されている。
(射出装置の構成)
射出装置9は、例えば、金型101内に通じるスリーブ21と、スリーブ21内を摺動可能なプランジャ23と、プランジャ23を駆動する射出駆動部25とを有している。なお、射出装置9の説明においては、金型101側を前方、その反対側を後方ということがある。
スリーブ21は、例えば、固定金型103に連結された筒状部材であり、上面には溶湯をスリーブ21内に受け入れるための供給口21aが開口している。プランジャ23は、スリーブ21内を前後方向に摺動可能なプランジャチップ23aと、先端がプランジャチップ23aに固定されたプランジャロッド23bとを有している。
なお、本開示の説明において2つの部材が固定されているという場合、特に断りがない限り、2つの部材は、一体的に形成されることによって固定されていてもよいし、互いに接合されていてもよいし、ねじなどによって分離可能に連結されていてもよい。
型締装置7による金型101の型締めが完了すると、不図示の給湯装置によって1ショット分の溶湯が供給口21aからスリーブ21内へ注がれる。そして、プランジャ23が図示の位置からスリーブ21内を前方へ摺動することにより、スリーブ21内の溶湯が金型101内に押し出される(射出される)。
(射出駆動部の構成)
図2は、射出駆動部25の構成を示す模式図である。
図1及び図2に示すように、射出駆動部25は、例えば、液圧式のものであり、プランジャ23に連結された射出シリンダ27と、射出シリンダ27に対する作動液(例えば油)の供給等を行う液圧装置28(図2)とを有している。
(射出シリンダの構成)
図3(a)~図3(c)は、射出シリンダ27の一部を拡大して示す模式的な断面図である。なお、図3(a)~図3(c)は、射出シリンダ27の互いに異なる動作状態を示している。
図2及び図3(a)~図3(c)に示すように、射出シリンダ27は、例えば、いわゆる直結形の増圧式シリンダによって構成されている。具体的には、例えば、射出シリンダ27は、射出シリンダ部29と、射出シリンダ部29の内部を摺動可能な射出ピストン31と、射出ピストン31に固定され、射出シリンダ部29から延び出る射出ピストンロッド32と、射出シリンダ部29に通じている増圧シリンダ部33と、増圧シリンダ部33の内部を摺動可能な増圧ピストン35と、を有している。
射出シリンダ部29は、例えば、内部の断面形状が円形の筒状体である。射出ピストン31は、例えば、概略円柱状である。射出シリンダ部29の内部は、射出ピストン31により、射出ピストンロッド32が延び出る側(前方)の射出ロッド側室29rと、その反対側(後方)の射出ヘッド側室29h(符号は図3(c))とに区画されている。射出ヘッド側室29h及び射出ロッド側室29rに選択的に作動液が供給されることにより、射出ピストン31は射出シリンダ部29内を前後方向に移動する。
なお、射出シリンダ27の構成によっては、射出ピストン31が後退限に位置しているとき(図2、図3(a)及び図3(b))、射出ヘッド側室29hの容積は0になり、又は0に近くなる。本開示の説明では、便宜上、このような状態についても、射出ヘッド側室29hが存在するものとして表現することがある。
増圧シリンダ部33は、例えば、射出ヘッド側室29hに通じる小径シリンダ部33aと、小径シリンダ部33aの後方に直列(例えば同軸状)に続いており、小径シリンダ部33aよりも内径が大きい大径シリンダ部33bとを有している。小径シリンダ部33a及び大径シリンダ部33bは、それぞれ、内部の断面形状が円形の筒状体である。小径シリンダ部33aは、例えば、射出シリンダ部29の後端に直列(例えば同軸状)に続くように設けられていることによって、その内部が射出ヘッド側室29hに通じている。
なお、図3(a)~図3(c)は、模式図であることから、射出シリンダ部29及び増圧シリンダ部33に1つのハッチングを付しているが、実際には、複数の部材が連結されて射出シリンダ部29及び増圧シリンダ部33が構成されてよい。その複数の部材の継ぎ目は、射出シリンダ部29と増圧シリンダ部33との境界と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。また、図3(a)~図3(c)は、模式図であることから、射出シリンダ部29及び増圧シリンダ部33は一定の厚みで示されているが、実際には、部位によって厚さが異なっていてよい。後述する他の図面においても同様である。
増圧ピストン35は、小径シリンダ部33aを摺動可能な小径ピストン35aと、小径ピストン35aに直列(例えば同軸状)に固定されており、大径シリンダ部33bを摺動可能な大径ピストン35bとを有している。小径ピストン35a及び大径ピストン35bは、例えば、それぞれ概略円柱状である。大径シリンダ部33bの内部は、大径ピストン35bにより、小径シリンダ部33a側の増圧ロッド側室33rと、その反対側の増圧ヘッド側室33h(符号は図3(b)及び図3(c))とに区画されている。
なお、射出シリンダ27の構成によっては、増圧ピストン35が後退限に位置しているとき(図2及び図3(a))、増圧ヘッド側室33hの容積は0になり、又は0に近くなる。本開示の説明では、便宜上、このような状態についても、増圧ヘッド側室33hが存在するものとして表現することがある。
増圧ロッド側室33rの圧抜きを行うと、小径ピストン35aの小径シリンダ部33a内における受圧面積に対して大径ピストン35bの増圧ヘッド側室33hにおける受圧面積が大きいことから、増圧ピストン35は、増圧ヘッド側室33hの作動液から受ける圧力よりも高い圧力を小径シリンダ部33a及び射出ヘッド側室29hの作動液に加えることが可能である。これにより、射出シリンダ27は、付与された液圧よりも高い液圧を射出ピストン31の背後に付与する増圧機能を発揮する。
なお、本実施形態の説明でいうピストンの受圧面積は、作動液の圧力がピストンに作用する面積をピストンの移動方向(軸方向)に投影した面積である。従って、受圧面積は、ピストンの、シリンダ室に露出する面の凹凸に基本的に影響されない。また、ピストンの形状が特異なものでない限り、受圧面積は、ピストンの断面積と概ね同一である。ピストンが直径dの円柱状であれば、受圧面積は、π×(d/2)である。
小径シリンダ部33aの内径は、例えば、射出シリンダ部29(射出ヘッド側室29h)の内径よりも小さくされている。これにより、射出シリンダ部29と増圧シリンダ部33との間には段差が構成されている。この段差は、射出ピストン31に対して後方から当接して射出ピストン31の後退を規制する(後退限を規定する)ストッパ36(符号は図3(a)~図3(c))として機能する。ストッパ36は、例えば、射出ピストン31の後端面の外周側部分に対して全周に亘って当接する。
図1に示すように、射出シリンダ27は、例えば、プランジャ23に対して同軸的に配置されている。そして、射出ピストンロッド32は、その先端がプランジャ23の後端にカップリング(符号省略)を介して連結されている。射出シリンダ部29は、不図示の型締装置などに対して固定的に設けられている。従って、射出ピストン31の射出シリンダ部29に対する移動により、プランジャ23はスリーブ21内を前進又は後退する。
(ジャンピング抑制の原理)
上記のような構成においては、例えば、射出ヘッド側室29hへ作動液が供給され、射出ピストン31が前進することによって射出が行われる。射出ピストン31の速度は、例えば、射出ロッド側室29rから排出される作動液の流量を調整することによって制御される。すなわち、射出速度は、メータアウト回路によって制御される。
このような場合において、射出ヘッド側室29hへ作動液の供給を開始したときに、射出ロッド側室29rにおける作動液の圧縮に起因して、射出ロッド側室29rから排出される作動液の流量に相当する速度を超える速度で射出ピストン31が駆動される(ジャンピングが生じる)おそれがある。
そこで、本実施形態では、例えば、射出ヘッド側室29hへ作動液を供給する前に、予め射出ロッド側室29rの作動液を圧縮しておき、これにより、ジャンピングが生じるおそれを低減する。
具体的には、射出開始前に、増圧ロッド側室33rから射出ロッド側室29rへの流れが許容され、かつこれら2つのシリンダ室全体としては作動液の排出が禁止された状態で、増圧ヘッド側室33hに作動液を供給する。その結果、増圧ピストン35が比較的小さい移動量δ(図3(b))で前進し、増圧ロッド側室33r及び射出ロッド側室29rの作動液が圧縮される。この際、小径シリンダ部33aは、例えば、圧抜きされる。
大径ピストン35bの増圧ロッド側室33rにおける受圧面積は、大径ピストン35bの増圧ヘッド側室33hにおける受圧面積よりも小さいから、大径ピストン35bは、増圧ヘッド側室33hの作動液から受ける圧力よりも高い圧力を増圧ロッド側室33rの作動液に加えることが可能である。
具体的には、図3(c)に示すように、大径ピストン35bの増圧ヘッド側室33hにおける受圧面積をS3、大径ピストン35bの増圧ロッド側室33rにおける受圧面積をS4(<S3)とすると、大径ピストン35bは、増圧ヘッド側室33hの圧力をS3/S4倍して増圧ロッド側室33rに付与することができる。なお、厳密には、増圧ヘッド側室33hの圧力と増圧ロッド側室33rの圧力との比は、増圧ピストン35の摺動抵抗等の影響を受けるが、本開示の説明では、便宜上、そのような影響については無視することがある。
ここで、射出ピストン31の射出ロッド側室29rにおける受圧面積は、射出ピストンロッド32によって減じられている。すなわち、射出ピストン31は、射出ロッド側室29rにおける受圧面積よりも射出ヘッド側室29hにおける受圧面積が大きい。従って、射出ピストン31は、射出ヘッド側室29hの圧力を増圧して射出ロッド側室29rに付与する増圧作用を生じ得る。この増圧作用もジャンピングを生じさせる一因である。そこで、例えば、増圧ピストン35による増圧ロッド側室33rに対する増圧作用は、上記の射出ピストン31における増圧作用に対して同等若しくは同等以上、又は射出ピストン31における増圧作用よりも大きくされてよい。
具体的には、例えば、図3(c)に示すように、射出ピストン31の射出ヘッド側室29hにおける受圧面積をS1、射出ピストン31の射出ロッド側室29rにおける受圧面積をS2(<S1)とする。また、例えば、2つの増圧比の差が1割程度の場合は、2つの増圧比は概ね同等であるものと捉えるものとする。このとき、面積比S3/S4は、例えば、面積比S1/S2の0.9倍以上1.1倍以下(すなわち同等)とされてよい。また、例えば、面積比S3/S4は、面積比S1/S2の0.9倍以上(すなわち同等以上)とされてよい。また、例えば、面積比S3/S4は、面積比S1/S2の1.1倍以上1.2倍以下とされてよい。また、例えば、これらを組み合わせて、面積比S3/S4は、面積比S1/S2の0.9倍以上1.2倍以下とされてよい。
なお、図3(a)に示すように、射出ピストン31の直径をd1、射出ピストンロッド32の直径をd2、大径ピストン35bの直径をd3、小径ピストン35aの直径をd4とする。また、これらの形状がそれぞれ円柱形であるとする。この場合、S1/S2とS3/S4とが概ね同等の態様では、d1/d2とd3/d4とは概ね同等である。
(液圧装置の構成)
液圧装置28は、通常の射出動作に加えて、増圧ピストン35によって射出ロッド側室29rの圧力を予め上昇させる動作が可能である限り、適宜な構成とされてよい。以下では、その一例について説明する。
図2に示すように、液圧装置28は、例えば、作動液を貯留するタンク37と、タンク37の作動液を送出可能なポンプ39と、蓄圧された作動液を放出可能なアキュムレータ41と、これら及び射出シリンダ27を互いに接続する複数の流路(43A~43H等)と、当該複数の流路における作動液の流れを制御する複数のバルブ(45、47、49、51、53、54及び55)とを有している。
タンク37は、例えば、開放タンクであり、大気圧下で作動液を保持している。タンク37は、例えば、ポンプ39及びアキュムレータ41を介して射出シリンダ27に作動液を供給し、また、射出シリンダ27から排出された作動液を収容する。
ポンプ39は、ポンプ電動機40によって駆動され、作動液を送出する。ポンプ39は、ロータリポンプ、プランジャポンプ、定容量ポンプ、可変容量ポンプ、1方向ポンプ、双方向(2方向)ポンプ等の適宜な方式のものとされてよい。ポンプ電動機40は、直流モータ、交流モータ、誘導モータ、同期モータ、サーボモータ等の適宜な方式のものとされてよい。ポンプ39(ポンプ電動機40)は、ダイカストマシン1の稼働中において常時駆動されてもよいし、必要なときだけ駆動されてもよい。ポンプ39は、例えば、アキュムレータ41に対する作動液の供給(アキュムレータ41の蓄圧)、及び、射出シリンダ27に対する作動液の供給に寄与する。
アキュムレータ41は、例えば、重量式、ばね式、気体圧式(空気圧式含む)、シリンダ式又はプラダ式のものである。図示の例では、アキュムレータ41は、シリンダ式のものであり、シリンダ部41aと、シリンダ部41aを液体室41eと気体室41fとに区画するピストン41bとを有している。液体室41eには作動液が収容され、気体室41fには気体(例えば空気又は窒素)が充填される。液体室41eに作動液が供給され、ピストン41bが気体室41f側へ移動することにより、気体室41fの気体が圧縮され、アキュムレータ41は蓄圧される。また、その気体の圧力を利用して、液体室41eから作動液が放出される。アキュムレータ41は、例えば、射出シリンダ27に対する作動液の供給に寄与する。
第1流路43Aは、ポンプ39とアキュムレータ41(液体室41e)とを接続している。これにより、例えば、ポンプ39からアキュムレータ41へ作動液を供給してアキュムレータ41を蓄圧することができる。
第2流路43Bは、アキュムレータ41(液体室41e)と射出ヘッド側室29hとを接続している。これにより、例えば、アキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへ作動液を供給して、射出ピストン31を前進させることができる。
第3流路43Cは、アキュムレータ41(液体室41e)と増圧ヘッド側室33hとを接続している。これにより、例えば、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへ作動液を供給して、増圧ピストン35による増圧作用を得ることができる。
第4流路43Dは、射出ロッド側室29rとタンク37とを接続している。これにより、例えば、射出ピストン31の前進に伴って容積が縮小する射出ロッド側室29rの作動液をタンク37へ排出することができる。
第5流路43Eは、一端が射出ロッド側室29rに接続されており、他端が後述する補助用バルブ51によってポンプ39又はタンク37に接続される。
第6流路43Fは、一端が射出ヘッド側室29hに接続されており、他端が後述する補助用バルブ51によってポンプ39又はタンク37に接続される。
第7流路43Gは、射出ロッド側室29rと増圧ロッド側室33rとを接続している。これにより、例えば、増圧ピストン35によって増圧された増圧ロッド側室33rの圧力を射出ロッド側室29rに付与して、射出ロッド側室29rの圧力を予め上昇させることができる。
複数の流路(43A~43H等)は、例えば、鋼管、可撓性のホース又は金属ブロックにより構成されている。複数の流路は、適宜に一部が共通化されてよい。例えば、図2の例では、第1流路43A~第3流路43Cは、アキュムレータ41側の一部が共通化され、第4流路43D、第5流路43E及び第7流路43Gは、射出ロッド側室29r側の一部が共通化されている。
射出用バルブ45は、例えば、第2流路43B(そのうち他の流路(43A及び43C)と共通化されていない部分)に設けられており、アキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへの作動液の流れを許容又は禁止する。射出用バルブ45は、例えば、パイロット式の逆止弁により構成されており、パイロット圧が導入されていないときは、アキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへの作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止し、パイロット圧が導入されているときは、双方の流れを禁止する。なお、射出用バルブ45は、射出ヘッド側室29hからの作動液の逆流防止にも寄与する。
増圧用バルブ47は、例えば、第3流路43C(そのうち他の流路(43A及び43B)と共通化されていない部分)に設けられており、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへの作動液の流れを許容又は禁止する。増圧用バルブ47は、例えば、流量制御弁によって構成されている。増圧用バルブ47は、圧力補償を行うもの(流量調整弁)であってもよし、圧力補償を行わないものであってもよい。また、増圧用バルブ47の制御方式は、例えば、ばね式、電磁式及びパイロット式並びにこれらの2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。増圧用バルブ47は、フィードバック制御がなされるサーボバルブであってもよいし、オープン制御がなされる比例弁であってもよい。図2では、増圧用バルブ47として、ばねによりノーマル位置で閉位置とされ、電磁力とパイロット圧力とが順次作動して開かれる流量調整弁が図示されている。
増圧用バルブ47は、閉状態における作動液の漏れが比較的少ないノンリーク弁によって構成されてもよい。ノンリーク弁は、そのカタログ乃至は仕様書などにおいて、ノンリーク弁である旨が記載されていることが多く、当該記載に基づいてノンリーク弁であるか否かを特定可能である。
速度用バルブ49は、例えば、第4流路43D(そのうち他の流路(43E及び43G)と共通化されていない部分)に設けられた流量制御弁であり、例えば、射出ロッド側室29rからタンク37へ排出される作動液の流量の制御に寄与する。この流量の制御により、射出ピストン31の前進速度が制御される。すなわち、速度用バルブ49は、いわゆるメータアウト回路を構成している。速度用バルブ49は、圧力補償を行うもの(流量調整弁)であってもよし、圧力補償を行わないものであってもよい。また、速度用バルブ49の制御方式は、例えば、ばね式、電磁式及びパイロット式並びにこれらの2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。速度用バルブ49は、フィードバック制御がなされるサーボバルブであってもよいし、オープン制御がなされる比例弁であってもよい。図2では、速度用バルブ49として、ばねによりノーマル位置で閉位置とされ、電磁力とパイロット圧力とが順次作動して開かれる流量調整弁が図示されている。
ここで、図示の例では、射出ロッド側室29rと増圧ロッド側室33rとを接続する第7流路43Gには、当該流路の流れを許容又は禁止するバルブが設けられていない。従って、速度用バルブ49の開閉によって、射出ロッド側室29rからタンク37への流れだけでなく、増圧ロッド側室33rからタンク37への流れも許容又は禁止される。
補助用バルブ51は、例えば、4ポート3位置の切換弁によって構成されており、4ポート間の接続及び遮断を切り換える。各ポートは、例えば、第5流路43E(射出ロッド側室29r)、第6流路43F(射出ヘッド側室29h及び小径シリンダ部33a)、ポンプ39又はタンク37に接続されている。補助用バルブ51の一のポートとタンク37とを接続する第8流路43Hは、図示の例では、第4流路43Dのうちの速度用バルブ49よりも下流側の部分と共通化されている。
また、図示の例では、射出ロッド側室29rと増圧ロッド側室33rとを接続する第7流路43Gは、第5流路43Eと射出ロッド側室29r側の一部が共通化されているから、補助用バルブ51の、第5流路43E(射出ロッド側室29r)に接続されているポートは、第7流路43G(増圧ロッド側室33r)にも接続されていることになる。
補助用バルブ51は、例えば、紙面中央の位置(中立位置及び/又はノーマル位置)では、4ポートの接続を遮断する。なお、以下では、この位置を閉位置ということがある。
また、補助用バルブ51は、例えば、紙面左側に示す位置(以下、「a位置」ということがある。)では、第5流路43E(射出ロッド側室29r)とポンプ39とを接続し、第6流路43F(射出ヘッド側室29h及び小径シリンダ部33a)とタンク37とを接続する。これにより、例えば、ポンプ39から射出ロッド側室29rに作動液を供給して、射出ピストン31を後退させることができる。
ここで、図示の例では、射出ロッド側室29rと増圧ロッド側室33rとを接続する第7流路43Gには、当該流路の流れを許容又は禁止するバルブが設けられていない。従って、例えば、ポンプ39から補助用バルブ51を介して射出ロッド側室29rに作動液を供給する際には、ポンプ39から増圧ロッド側室33rにも作動液が供給される。その結果、例えば、増圧ピストン35を後退させる力が得られる。
また、例えば、補助用バルブ51をa位置にすることにより、増圧ピストン35の前進によって増圧ロッド側室33r及び射出ロッド側室29rの作動液を圧縮するときに、射出ヘッド側室29h及び小径シリンダ部33aの圧抜きを行うことができる。
また、補助用バルブ51は、紙面右側に示す位置(以下、「b位置」ということがある。)では、第5流路43E(射出ロッド側室29r)とタンク37とを接続し、第6流路43F(射出ヘッド側室29h)とポンプ39とを接続する。これにより、ポンプ39から射出ヘッド側室29hに作動液を供給して、射出ピストン31を前進させることができる。ただし、本実施形態では、この作動液の流れは必須ではなく、補助用バルブ51は、閉位置とa位置との2位置弁であってもよい。
補助用バルブ51の制御方式は、例えば、ばね式、電磁式及びパイロット式並びにこれらの2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。図2では、補助用バルブ51として、ばねによりノーマル位置で閉位置(紙面中央の位置)とされ、電磁力とパイロット圧力とが順次作動して制御されるものが図示されている。
バルブ53は、例えば、第1流路43A(そのうち他の流路(43B及び43C)と共通化されていない部分)に設けられた逆止弁であり、ポンプ39からアキュムレータ41への流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止する。
バルブ54は、例えば、第4流路43D(そのうち第8流路43Hと共通化されている部分)に設けられた逆止弁であり、タンク37への流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止する。
バルブ55は、例えば、補助用バルブ51とポンプ39とを接続する流路(符号省略)に設けられた逆止弁であり、ポンプ39から補助用バルブ51への流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止する。
上記の他、液圧装置28は、例えば、タンク37からポンプ39への作動液を濾過するフィルタ57、速度用バルブ49を介してタンク37へ流れる作動液を冷却する冷却器59等を有している。
(制御装置の機能部及びセンサ)
制御装置13は、例えば、特に図示しないが、CPU、RAM、ROM及び外部記憶装置を含むコンピュータによって構成されている。CPUがROM及び外部記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、種々の制御乃至は演算を担う複数の機能部が構成される。
図2に示すように、複数の機能部は、例えば、与圧制御部13a、射出制御部13b及び増圧制御部13cである。与圧制御部13aは、射出開始前に射出ロッド側室29rの圧力を上昇させるための制御を行う。射出制御部13bは、成形材料を金型101内へ射出するための(狭義の射出のための)制御を行う。増圧制御部13cは、金型101内に射出された成形材料の圧力を上昇させるための(増圧のための)制御を行う。
これらの機能部は、例えば、入力装置17及び各種のセンサ等からの信号に基づいて液圧装置28へ制御信号を出力する。各種のセンサは、例えば、プランジャ23の位置を検出する位置センサ69、及びアキュムレータ41の圧力を検出する圧力センサ71である。
位置センサ69は、例えば、リニアエンコーダを構成している。例えば、位置センサ69は、不図示のスケール部に対して当該スケール部の軸方向に直交する方向において対向し、スケール部との軸方向における相対移動に応じてパルスを生成する。そして、位置センサ69及び/又は制御装置13は、生成されたパルスの数を積算することによって位置センサ69とスケール部との相対位置を特定可能であり、また、時間当たりのパルスの数を特定することによって速度を特定可能である。
そして、位置センサ69は、射出シリンダ部29に対して固定的に設けられ、スケール部は、射出ピストンロッド32又は射出ピストンロッド32に固定的な部材に設けられる。従って、射出ピストンロッド32の位置及び/又は速度が検出されることによって、間接的にプランジャ23の位置及び/又は速度が検出される。
なお、位置センサ69は、パルスを出力するだけであってもよいし、位置及び/又は速度を特定し、その特定した位置及び/又は速度に応じた信号を出力してもよい。前者であっても、位置に応じてパルスの総数が異なるから位置に応じた信号を出力しているといえ、また、速度に応じて単位時間当たりのパルス数が異なるから速度に応じた信号を出力しているといえる。後者の場合の信号は、例えば、位置及び/又は速度の変化に応じて信号レベルが変化する信号である。
位置センサ69は、上記のようなリニアエンコーダの他、例えば、射出シリンダ部29に対して固定的に設けられ、射出ピストンロッド32又は射出ピストンロッド32に対して固定的な部材との距離を測定するレーザ測長器であってもよい。
圧力センサ71は、例えば、液体室41eの圧力に応じた信号を出力する。圧力に応じた信号は、例えば、圧力の変化に対応して信号レベルが変化する信号である。圧力センサ71は、ダイヤフラム式など、公知の適宜なものが用いられてよい。また、圧力センサ71として、液体室41eの圧力を検出するものに加えて、又は代えて、気体室41fの圧力を検出するものが用いられてもよい。
(射出装置の動作)
図4は、射出装置9の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図4の上部は、射出速度V(プランジャ23の前進速度)及び射出圧力P(プランジャ23が溶湯に付与する圧力)の経時変化を示している。図4の上部において、横軸は時間tを示し、縦軸は、射出速度V及び射出圧力Pを示している。線L及びLは、それぞれ時間tの経過に対する射出速度V及び射出圧力Pの変化を示している。
図4の下部は、図4の上部の時間経過に対応する射出用バルブ45、増圧用バルブ47、速度用バルブ49及び補助用バルブ51の動作を示している。図4の下部において、実線は本実施形態における動作を示しており、2点鎖線は後述する変形例について示している。増圧用バルブ47及び速度用バルブ49の「開」は、これらのバルブが開かれているとともに開度が適宜に制御されている状態を示している。なお、制御装置13が制御信号を出力するタイミングは、バルブの制御遅れ等を考慮して、図示のタイミングよりも早くされてもよい。
射出装置9は、基本的な動作として、例えば、低速射出(概ね時点t0~t1)、高速射出(概ね時点t1~t2)、及び増圧(昇圧、概ね時点t3~)を順に行う。また、低速射出に先立って、ジャンピング防止のために射出ロッド側室29rの圧力を上昇させる(~t0)。これらの工程の動作は、例えば、以下のとおりである。
(射出開始前の与圧)
与圧の開始前において、射出装置9は、例えば、図1、図2及び図3(a)に示すような状態とされている。すなわち、射出ピストン31及び増圧ピストン35は、例えば、後退限に位置している。プランジャ23は、供給口21aよりも後方に位置している。アキュムレータ41は、例えば、所定の圧力まで充填が完了している。ポンプ39は、既に述べたように、常時駆動されていてもよいし、必要なときだけ駆動されてもよく、後者の場合においては、例えば、停止されている。射出用バルブ45は、パイロット圧力が導入されて閉じられている。増圧用バルブ47、速度用バルブ49及び補助用バルブ51は、閉位置とされている。
そして、制御装置13は、所定の与圧開始条件が満たされると、射出ロッド側室29rへの与圧を開始する。具体的には、制御装置13は、例えば、増圧用バルブ47を開くとともに、補助用バルブ51をa位置にする。これにより、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hに作動液が供給されるとともに、小径シリンダ部33a及び射出ヘッド側室29hの圧抜きが行われる。その結果、図3(b)に示すように、増圧ピストン35は、前後から受ける力が釣り合うまで(別の観点では距離δだけ)前進し、増圧ロッド側室33r、及び増圧ロッド側室33rと通じている射出ロッド側室29rの作動液が圧縮される。
このときの射出ロッド側室29rの圧力P1(図3(b))は、理論上は、アキュムレータ41の圧力P0(図3(b))に増圧ピストン35による射出ロッド側室29rに係る増圧比S3/S4を乗じた大きさ(P0×S3/S4)となる。距離δは、例えば、射出ロッド側室29rへの与圧前の圧力と、圧力P1と、作動液の圧縮率と、射出ロッド側室29rを含む閉じられた空間の容積とによって決定される。ただし、ポンプ39が駆動されている場合、図示の例では、ポンプ39からa位置の補助用バルブ51を介して射出ロッド側室29rを含む空間に作動液が供給されるから、ポンプ39が駆動されていない場合に比較して、距離δは小さくなり得る。
射出ロッド側室29rへの与圧の際、小径シリンダ部33a及び射出ヘッド側室29hの圧抜きが行われていることから、増圧ピストン35が前進しても、射出ピストン31は前進しない。すなわち、プランジャ23は前進しない。
与圧開始条件(別の観点では与圧開始時期)は、射出を開始するまでに、増圧ピストン35による射出ロッド側室29rの作動液の圧縮(与圧)が完了するように、又は圧縮がある程度進むように、適宜に設定されてよい。
ここでいう圧縮完了又は与圧完了は、例えば、増圧ピストン35の前後の圧力が釣り合って増圧ピストン35が停止したこと、別の観点では、射出ロッド側室29rの圧力P1が上述のP0×S3/S4(厳密には摺動抵抗等の影響によりこれよりも若干小さい)に到達したこと、さらに別の観点では増圧ピストン35の移動量が距離δに到達したことである。なお、本開示の説明では、例えば、射出ロッド側室29rの圧力が上昇している途中で増圧用バルブ47を閉じるような動作は、与圧(圧縮)の停止又は終了等といい、与圧(圧縮)の完了とは言わないものとする。
与圧開始条件は、具体的には、例えば、型締装置7による型締めが完了したこととされてよい。型締完了は、例えば、リミットスイッチによって検出される。この場合、一般には、型締完了後、不図示の給湯装置によってスリーブ21へ溶湯が供給され、プランジャ23の前進が開始されるから、給湯の間に与圧を行うことができる。このように、与圧開始条件は、例えば、射出開始の前提条件(上記の例では型締完了)、又はそのような前提条件が生じてから所定時間が経過したこととされてよい。
(低速射出)
制御装置13は、所定の射出開始条件が満たされると(時点t0)、射出ロッド側室29rへの与圧を終了し、プランジャ23の前進を開始し、さらには、比較的低速の低速射出速度Vでプランジャ23を前進させる。これにより、溶湯による空気の巻き込みが抑制されつつ、スリーブ21内の溶湯がキャビティCaへ向かって押し出されていく。
具体的には、例えば、制御装置13は、増圧用バルブ47を閉じ、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへの作動液の供給を停止する。これにより、アキュムレータ41の圧力を増圧ピストン35を介して射出ロッド側室29rへ付与する動作(与圧)が終了する。また、制御装置13は、例えば、補助用バルブ51を中立位置とし、射出ヘッド側室29h及び小径シリンダ部33aからタンク37への作動液の排出を禁止する。これにより、射出開始の準備がなされる。
続いて、例えば、制御装置13は、射出用バルブ45への閉じるパイロット圧力の導入を停止することにより、アキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへ作動液を供給する。また、制御装置13は、例えば、速度用バルブ49を適宜な開度で開き、射出ロッド側室29rからタンク37への作動液の排出を許容する。これにより、射出ピストン31は前進し、ひいてはプランジャ23が前進する。
このとき、既に述べたように、射出ロッド側室29rの圧力が予め上昇していることによって、ジャンピングが抑制される。例えば、理論上は、面積比S3/S4が面積比S1/S2以上であれば、プランジャ23は前進しない(ジャンピングは生じない)。
アキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへ作動液が供給されることによって、増圧ピストン35は後方へ付勢される。しかし、増圧用バルブ47は閉じられており、増圧ヘッド側室33hの作動液の排出は禁止されている。従って、図3(c)に示すように、増圧ピストン35は後退せずに、後退限から距離δで前進した位置が保持される。これにより、例えば、増圧ピストン35の後退によって小径シリンダ部33aの容積が大きくなってしまい、射出ヘッド側室29hへの作動液の供給に対してプランジャ23の前進に遅れが生じてしまうおそれが低減される。増圧用バルブ47がノンリーク弁であることによって、この増圧ピストン35の位置保持の作用は増大する。
射出開始条件は、例えば、上記のように与圧開始条件が型締完了である場合において、不図示の給湯装置によるスリーブ21への給湯が完了したこととされてよい。別の観点では、射出開始条件は、射出開始前における射出ロッド側室29rへの与圧を行わない一般的な射出装置における射出開始の前提条件(例えば型締完了及び給湯完了)が全て満たされたことである。
射出開始条件は、上記のような前提条件が満たされたことに加えて、射出開始前における射出ロッド側室29rへの与圧が完了したことを含んでもよい。与圧完了は、例えば、与圧開始から所定時間が経過したか否かによって判定されてもよいし、不図示の圧力センサによって検出される射出ロッド側室29r(増圧ロッド側室33r及び第7流路43G)の圧力が所定の閾値に到達したか否かによって判定されてもよい。その他、例えば、増圧ピストン35の移動又は位置の検出によっても判定可能である。
上記の例では、与圧開始条件は、射出開始前における射出ロッド側室29rへ与圧を行わない一般的な射出開始の前提条件のうち最終的なもの(例えば給湯完了)を含まず、射出開始条件よりも先に満たされるように設定されている。別の観点では、与圧開始条件は、与圧を行わない一般的な射出に比較して、射出開始に遅れが生じない、又は遅れが減じられるように設定されている。ただし、与圧開始条件は、射出開始の前提条件の最終的なものを含み、射出開始条件は、例えば、与圧が完了したこととされてもよい。
図示の例では、増圧用バルブ47及び補助用バルブ51を閉じると略同時に射出用バルブ45及び速度用バルブ49を開いている。ただし、増圧用バルブ47及び補助用バルブ51を閉じても、射出ロッド側室29rの圧力は、理論上は(液漏れを考慮しなければ)維持されるから、増圧用バルブ47及び/又は補助用バルブ51を閉じる動作と、射出用バルブ45及び速度用バルブ49を開く動作との間には時間差があっても構わない。換言すれば、射出開始前における射出ロッド側室29rへの与圧は、射出開始条件が満たされるまで(射出開始まで)継続されている必要はない。ただし、与圧は、射出開始まで継続されていれば、例えば、与圧完了に必要な時間を射出開始前に確保する(別の観点では与圧開始時間を遅らせる)ことが容易化され、また、液漏れによる与圧の効果の低減も生じない。
また、図示の例では、射出用バルブ45及び速度用バルブ49が略同時に開かれているが、射出用バルブ45を開いた後に、速度用バルブ49を開いてもよい。なお、この場合、例えば、速度用バルブ49を開いたときにプランジャ23の前進が開始される。すなわち、射出開始時は、速度用バルブ49を開いた時である。
プランジャ23の速度は、例えば、速度用バルブ49の開度を制御することによって制御される。この速度制御は、オープン制御であってもよいし、位置センサ69の検出する速度に基づくフィードバック制御であってもよい。速度フィードバック制御は、速度自体の偏差を求めるようなものであってもよいし、速度の目標値から求められる時々刻々の(経過時間毎の)目標位置と、検出された位置との偏差を求め、時々刻々と位置フィードバック制御を行うことによって実質的に速度フィードバック制御を行うものであってもよい。
低速射出速度Vは、適宜に設定されてよいが、例えば、3m/s未満である。低速射出速度Vは、例えば、一定の値である。ただし、適宜な変速制御がなされてもよい。低速射出において、射出圧力は、射出速度が比較的低速であることから、比較的低圧である。
(高速射出)
プランジャ23が所定の高速切換位置に到達すると(時点t1)、制御装置13は、比較的高速の高速射出速度Vでプランジャ23を前進させる。これにより、例えば、溶湯の凝固に遅れずに速やかに溶湯がキャビティCaに充填される。高速射出速度Vは適宜に設定されてよいが、例えば、3m/s以上である。高速射出速度Vは、例えば、一定の値である。ただし、適宜な変速制御がなされてもよい。高速射出において、射出圧力は、射出速度が比較的高速であることから、低速射出のときの圧力よりも高い圧力となる。
上記のような動作のために、制御装置13は、具体的には、例えば、低速射出から引き続いてアキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへの作動液の供給を継続しつつ、速度用バルブ49の開度を大きくする。このように速度用バルブ49の開度を大きくするだけの場合、制御装置13は、例えば、低速射出から引き続いてオープン制御又はフィードバック制御を行い、単に速度の目標値を低速射出のものから高速射出のものへ変化させるだけでよい。
制御装置13は、例えば、プランジャ23の移動範囲を複数に分けた区間毎に設定された目標速度を経過時間毎のプランジャ23の位置の目標値に変換して、時々刻々と位置フィードバック制御(実質的な速度フィードバック制御)を行っており、プランジャ23が高速切換位置に到達したか否か検知しない。ただし、制御装置13は、位置センサ69からの信号に基づいてプランジャ23が所定の高速切換位置に到達したことを検知して速度の目標値を切り換えてもよい。
(減速)
高速射出の結果、キャビティCaに溶湯が概ね充填されると(時点t2)、溶湯の圧力は上昇し、これによりプランジャ23は減速する。なお、適宜な時期に、速度用バルブ49の開度を絞ることによって減速制御が行われてもよい。減速の結果、プランジャ23は概ね停止する(時点t4)。
(増圧及び保圧)
制御装置13は、上記のようにプランジャ23の速度が減速されている間に増圧を開始する。具体的には、例えば、制御装置13は、適宜な時期(t3)に増圧用バルブ47を開き、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hに作動液を供給する。一方、増圧ロッド側室33rは、速度用バルブ49を介してタンク37への作動液の排出が許容されている。従って、増圧ピストン35によって増圧ヘッド側室33hの圧力よりも高い圧力が射出ヘッド側室29hへ付与され、ひいては、増圧が行われる。射出用バルブ45は、射出ヘッド側室29hの圧力がアキュムレータ41の圧力よりも高くなることによって自閉する。ただし、射出用バルブ45は、適宜な時期に閉じるパイロット圧力が導入されて閉じられてもよい。また、制御装置13は、適宜な昇圧曲線が得られるように、速度用バルブ49の開度を増圧用の適宜な開度とする。
増圧ヘッド側室33hの圧力は、射出開始前における射出ロッド側室29rへの与圧の際に上昇し、その後、増圧ピストン35の後退を抑制するように比較的高く(例えばタンク圧よりも高く)維持されている。従って、本実施形態の射出ロッド側室29rへの与圧は、増圧用バルブ47を開いてから増圧ヘッド側室33hの圧力が上昇するまでの時間遅れを低減するという副次的な効果も奏することになる。
なお、増圧用バルブ47を開くための制御指令の出力時期に対して速度用バルブ49の開度を増圧用のものにするための制御指令の出力時期を遅らすなど、両者は互いにずれていてもよい。また、増圧用バルブ47を開くための制御指令の出力は、高速射出中に開始することも可能である。
その後、増圧された射出ヘッド側室29hの圧力による力と、プランジャ23が溶湯から受ける圧力による力とが釣り合うことによって、射出圧力は一定となる(鋳造圧力となる。)。このとき、射出ロッド側室29rの圧力は、例えば、タンク圧とされる(概ね0とされる。)。なお、適宜な時期に速度用バルブ49を閉じることなどによって射出ロッド側室29rからの作動液の排出を禁止し、射出ロッド側室29rの圧力をタンク圧よりも高い適宜な圧力とし、これにより、任意の鋳造圧力を得てもよい。制御装置13は、保圧工程においては、鋳造圧力が得られたときの状態を維持する。例えば、増圧用バルブ47及び速度用バルブ49は開かれたままとされる。
(プランジャ後退等)
キャビティCaに充填された溶湯が凝固すると、制御装置13は保圧を終了する。具体的には、例えば、制御装置13は、増圧用バルブ47及び速度用バルブ49を閉じる。また、既に述べたように、制御装置13は、型締装置7による型開き及び押出装置11による押し出しを行う。特に図示しないが、型開きの際には、制御装置13は、プランジャ23によってビスケットを押すように(押出追従を行うように)液圧装置28を制御してもよい。
型開き開始後、又は押出追従を行う場合はその後、制御装置13は、射出装置9を射出開始前の初期状態に戻す。具体的には、例えば、射出装置9は、補助用バルブ51をa位置とする。すなわち、ポンプ39と射出ロッド側室29r及び増圧ロッド側室33rとを接続し、射出ヘッド側室29hとタンク37とを接続する。また、制御装置13は、増圧ヘッド側室33hも不図示の流路及びバルブを介してタンク37と接続する。さらに、制御装置13は、ポンプ39の駆動を継続し、又は開始する。これにより、ポンプ39から射出ロッド側室29r及び増圧ロッド側室33rへ作動液が供給されて射出ピストン31及び増圧ピストン35が後退する。射出ヘッド側室29h及び増圧ヘッド側室33hの作動液はタンク37へ排出される。なお、射出ヘッド側室29h及び/又は増圧ヘッド側室33hから排出される作動液は、タンク37に代えて、アキュムレータ41に充填されてもよい。
特に図示しないが、射出ピストン31及び増圧ピストン35が後退限に到達した後、制御装置13は、補助用バルブ51を中立位置にし、また、ポンプ39を継続的に駆動しない態様においてはポンプ39を停止させる。すなわち、ポンプ39による射出ロッド側室29r及び増圧ロッド側室33rへの作動液の供給を停止する。
プランジャ23の後退が完了した後、制御装置13は、射出用バルブ45、増圧用バルブ47及び補助用バルブ51を閉じた状態で、ポンプ39を駆動する。これにより、ポンプ39からアキュムレータ41へ作動液が供給され、アキュムレータ41が充填される。そして、制御装置13は、圧力センサ71の検出する圧力が所定の設定圧力に到達すると、例えば、ポンプ39の駆動を停止する。
(第1変形例)
特に図示しないが、ポンプ39から射出ヘッド側室29hへ作動液を供給しつつ、射出ロッド側室29rから速度用バルブ49を介してタンク37へ作動液を排出できるように液圧装置28を変形してもよい。例えば、補助用バルブ51を、b位置において、ポンプ39と第6流路43F(射出ヘッド側室29h)とを接続し、第5流路43E(射出ロッド側室29r)とタンク37とを遮断するように構成する。
そして、低速射出においては、補助用バルブ51をb位置にし(図4の補助用バルブ51に係る線図における2点鎖線参照)、ポンプ39から射出ヘッド側室29hへ作動液を供給して射出ピストン31を前進させ、速度用バルブ49によって射出ロッド側室29rのプランジャ23の速度を制御する。また、射出用バルブ45は、高速射出の開始時に開かれる(図4の射出用バルブ45に係る2点鎖線参照)。
このようにポンプ39から射出ヘッド側室29hへ作動液を供給する場合においても、増圧ピストン35によって予め射出ロッド側室29rの作動液を圧縮しておくことにより、ジャンピングが抑制される。
(第2変形例)
実施形態では、低速射出及び高速射出(狭義の射出)において、増圧用バルブ47は閉じられた。ただし、図4の増圧用バルブ47に係る線図における2点鎖線で示すように、狭義の射出において、増圧用バルブ47の開度を絞り、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへ微量の作動液を供給するようにしてもよい。これにより、例えば、増圧ヘッド側室33hの作動液が漏れても、増圧ピストン35の後退を抑制することができる。
(第3変形例)
アキュムレータ41の充填後であって、射出ロッド側室29rへの与圧のために増圧用バルブ47が開かれるよりも前に、補助用バルブ51がa位置とされ(図4の補助用バルブ51に係る線図における2点鎖線参照)、ポンプ39から射出ロッド側室29r及び増圧ロッド側室33rに液圧が付与されていてもよい。この場合、例えば、増圧ピストン35によって与圧が行われる直前に、射出ロッド側室29rの圧力を上昇させることができる、及び/又は、前サイクルの射出ピストン31及び増圧ピストン35の後退後、液漏れ等によって低下した射出ロッド側室29rの圧力を増圧ピストン35による与圧の直前に回復できる。その結果、例えば、増圧ピストン35の移動量δを短くすることができる。
以上のとおり、本実施形態では、射出装置9は、成形材料を前方の金型101内へ押し出すプランジャ23を駆動する射出シリンダ27と、射出シリンダ27における作動液の流れを制御する液圧装置28と、液圧装置28を制御する制御装置13とを有している。射出シリンダ27において、射出ピストンロッド32は、プランジャ23の後部に連結される。射出ピストン31は、射出ピストンロッド32の後部に固定されている。射出シリンダ部29は、射出ピストン31を摺動可能に収容しており、内部が射出ピストン31によって前方の射出ロッド側室29rと、後方の射出ヘッド側室29hとに区画されている。小径シリンダ部33aは、射出ヘッド側室29hに通じている。大径シリンダ部33bは、小径シリンダ部33aに直列に続いており、小径シリンダ部33aよりも径が大きい。小径ピストン35aは、小径シリンダ部33aに摺動可能に収容されている。大径ピストン35bは、小径ピストン35aに直列に固定されており、大径シリンダ部33bに摺動可能に収容されており、大径シリンダ部33b内を小径シリンダ部33a側の増圧ロッド側室33rと、その反対側の増圧ヘッド側室33hとに区画している。制御装置13は、射出開始前に、増圧ヘッド側室33hへ作動液を供給して増圧ロッド側室33rから射出ロッド側室29rへ液圧を付与するように液圧装置28を制御する与圧制御部13aを有している。
従って、例えば、既に説明したように、射出開始時におけるジャンピングが生じるおそれを低減することができる。この際、増圧ピストン35の増圧作用によって、射出ロッド側室29rには増圧ヘッド側室33hに付与される圧力よりも高い圧力を付与することができる。また、例えば、増圧用の増圧ピストン35を用いて増圧作用を得ることから、射出シリンダ27とは別に増圧用のシリンダを設ける必要がなく、そのような態様に比較して、射出装置9の小型化及び/又はコスト削減が図られる。射出ロッド側室29rへの与圧(~t0)における増圧ピストン35による増圧ロッド側室33rの昇圧は、増圧(t3~)における増圧ピストン35による小径シリンダ部33a内の昇圧とは異なり、射出ヘッド側室29hの昇圧に直結しない。従って、例えば、増圧ピストン35を前進させつつも、射出ピストン31の前進を抑制できる。増圧ピストン35の増圧ロッド側室33rに対する増圧作用は、増圧(t3~)における増圧ピストン35による小径シリンダ部33a内に対する増圧作用とは異なり、通常利用される作用ではない。このような増圧作用の利用によって上述の種々の効果を得ることができる本実施形態の構成は画期的なものである。
本実施形態では、与圧制御部13aは、射出開始前における射出ロッド側室29rへの与圧の際に射出ヘッド側室29hの圧抜きを行うように液圧装置28を制御する。
従って、与圧の際に射出ピストン31が前進するおそれを確実に抑制することができる。ひいては、例えば、オペレータが設定した、射出開始時のプランジャ23の位置と速度との相対関係を高精度に実現することができる。
本実施形態では、射出シリンダ27は、射出シリンダ部29に固定的な、射出ピストン31の後退を規制するストッパ36を有している。
従って、射出開始前に射出ロッド側室29rの圧力が上昇しても、射出ピストン31の後退は抑制される。増圧ピストン35に固定的に設けられたロッドを射出ピストン31の後端に当接させて射出ピストン31の後退を規制するような態様とは異なり、射出開始前における増圧ピストン35の前進は、射出ピストン31の前進に直結しない。
本実施形態では、小径シリンダ部33aは、射出シリンダ部29の後側に対して直列に続いている。小径シリンダ部33aの内径は、射出シリンダ部29の内径よりも小さく、射出シリンダ部29と小径シリンダ部33aとの間の段差によってストッパ36が構成されている。
従って、例えば、シリンダ部全体(29及び33)の内径の変化とは別個にストッパ36を形成する必要がない。その結果、例えば、シリンダ部全体を構成する部材の数を低減し、シリンダ部の製造コストを下げることが容易化される。
本実施形態では、射出ピストン31の射出ヘッド側室29hにおける受圧面積S1の、射出ピストン31の射出ロッド側室29rにおける受圧面積S2に対する比S1/S2に対する、大径ピストン35bの増圧ヘッド側室33hにおける受圧面積S3の、大径ピストン35bの増圧ロッド側室33rにおける受圧面積S4に対する比S3/S4の比(S3/S4)/(S1/S2)は、0.9以上1.2以下である。
従って、例えば、増圧ピストン35の増圧作用によって射出ロッド側室29rに生じる射出開始前の圧力を、射出開始のためにアキュムレータ41から射出ヘッド側室29hに作動液を供給したときに射出ピストン31の増圧作用によって射出ロッド側室29rに生じる圧力に対して同等以上にすることが容易化される。その結果、例えば、ジャンピングがより確実に抑制される。(S3/S4)/(S1/S2)が1.1以上の場合は、例えば、射出開始前における射出ロッド側室29rの圧力が静圧であり、射出のために作動液が供給される射出ヘッド側室29hの圧力が動圧であることによってプランジャ23が前進するおそれを低減しやすい。一方で、(S3/S4)/(S1/S2)が大きいと、増圧(t3~)における増圧ピストン35の射出ヘッド側室29hに対する増圧作用が低下してしまうが、1.2以下であれば、そのようなおそれが低減される。
なお、第1実施形態において、ダイカストマシン1は成形機の一例であり、速度用バルブ49は流量制御弁の一例である。
<第2実施形態>
(射出駆動部の構成)
図5は、本開示の第2実施形態に係る射出装置209の構成を示す模式図である。
第1実施形態の射出駆動部25は、液圧式のものであった。これに対して、本実施形態の射出駆動部225は、液圧式と電動式とを組み合わせた、いわゆるハイブリッド式とされている。また、この相違に対応して、本実施形態の射出駆動部225の動作(制御装置13による制御)も、第1実施形態のものとは異なっている。なお、本実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
具体的には、射出駆動部225は、第1実施形態と同様の射出シリンダ27に加えて、電動式駆動部281を有している。
第1実施形態の説明では省略したが、プランジャ23の後端と、射出ピストンロッド32の先端とは、例えば、カップリング24によって連結されている。カップリング24は、例えば、プランジャ23の後端及び射出ピストンロッド32の先端を収容するケース部材(符号省略)を有しており、ケース部材は、プランジャ23及び射出ピストンロッド32の間にこれらに対して拡径する部分を構成している。
電動式駆動部281は、例えば、回転式の駆動用電動機283と、駆動用電動機283の回転を伝達する伝達機構285と、伝達機構285から伝達される回転を並進運動に変換する変換機構287と、変換機構287からの駆動力によってプランジャ23の移動方向に駆動される被駆動部291とを有している。そして、被駆動部291からプランジャ23へ駆動力が伝達されることによって、プランジャ23は駆動される。
駆動用電動機283は、例えば、特に図示しないが、公知のように、電機子又は界磁の一方を構成するステータと、電機子又は界磁の他方を構成するロータとを有している。駆動用電動機283の配置位置及び向きは適宜に設定されてよい。図示の例では、駆動用電動機283は、出力軸283aが射出ピストンロッド32に平行になるように配置されている。
駆動用電動機283は、直流モータでも交流モータでもよいし、誘導モータでも同期モータでもよい。駆動用電動機283は、ブレーキ付きの電動機であってもよい。駆動用電動機283は、例えば、サーボモータとして構成されており、駆動用電動機283の回転を検出するエンコーダ283bと、駆動用電動機283に電力を供給する不図示のサーボドライバと共にサーボ機構を構成している。
伝達機構285は、例えば、プーリ・ベルト機構により構成されており、駆動用電動機283の出力軸283aに固定された第1プーリ285aと、変換機構287に固定された第2プーリ285bと、第1プーリ285a及び第2プーリ285bに架け渡されたベルト285cとを有している。従って、駆動用電動機283が回転されると、その回転は伝達機構285を介して変換機構287に伝達される。
変換機構287は、例えば、ボールねじ機構により構成されており、ねじ軸287aと、ねじ軸287aに不図示のボールを介して螺合するナット287bとを有している。
ねじ軸287aは、射出ピストンロッド32に平行に配置されている。また、ねじ軸287aは、軸方向の移動が規制されているとともに軸回りの回転が許容されている。一方、ナット287bは、軸方向の移動が許容されるとともに軸回りの回転が規制されている。従って、ねじ軸287aが回転されると、ナット287bは射出ピストンロッド32に平行な方向において移動する。
上述の第2プーリ285bは、ねじ軸287aと同心又は同軸に固定されている。従って、駆動用電動機283から伝達機構285を介して伝達された回転は、ねじ軸287aに伝達される。ひいては、駆動用電動機283の駆動力によってナット287bが射出ピストンロッド32に平行な方向において移動する。
被駆動部291は、係合及び/又は着脱等によって、射出ピストンロッド32に対する相対的な前進が規制されるとともに、射出ピストンロッド32に対する相対的な後退が許容されるものである。なお、射出ピストンロッド32とプランジャ23とは連結されているから、ここでいう射出ピストンロッド32に対する相対的な前進の規制及び後退の許容は、プランジャ23に対する相対的な前進の規制及び後退の許容と同義である。
具体的には、例えば、被駆動部291は、基部291aと、基部291aに揺動可能に支持されたフック291bと、フック291bを駆動する不図示のアクチュエータとを有している。
基部291aは、例えば、ナット287bに固定されている。また、基部291aは、例えば、カップリング24(被当接部)に対して後方から当接可能である。従って、基部291aは、カップリング24に対する当接により、射出ピストンロッド32に対する相対的な前進が規制されるとともに、その当接位置から後方における射出ピストンロッド32に対する相対的な後退が許容される。
従って、基部291aがカップリング24に対して当接した状態で基部291aを前進させることにより、プランジャ23を前進させることができる。すなわち、駆動用電動機283の駆動力によりプランジャ23を前進させることができる。また、射出ヘッド側室29hへ作動液を供給して射出ピストンロッド32を比較的高速に移動させることなどにより、プランジャ23を基部291aに対して相対的に前進させることが可能である。
フック291bは、例えば、概ねL字状に形成されるとともに、一端が基部291aによって回転可能に支持されている。そして、フック291bは、カップリング24(被当接部、被係合部)に対してプランジャ23の後退方向に係合可能な位置(図示の位置)と、当該係合が解除される位置(図示の位置から紙面下方へ移動した位置)との間で移動可能である。なお、フック291bは、係合位置において、基部291aとでカップリング24を挟持可能である。
フック291bが係合されることにより、プランジャ23の被駆動部291に対する相対的な前進が規制される。従って、例えば、電動式駆動部281によってプランジャ23を前進させているときに減速制御を行ったり、射出後のプランジャ23の後退を電動式駆動部281によって行ったりすることができる。
フック291bを駆動する不図示のアクチュエータは、エアシリンダ又はリニアモータ等の適宜なものによって実現されてよい。なお、フック291b及びアクチュエータは設けられなくてもよい。また、被駆動部291は、基部291aの係合に加えて、又は代えて、例えば、電磁石で射出ピストンロッド32と着脱されたり、射出ピストンロッド32の径方向における挟持(ひいては摩擦抵抗)によって着脱されたりしてもよい。
特に図示しないが、射出駆動部225は、電動式駆動部281を左右対称又は上下対称に1対有していてもよい。また、1対の電動式駆動部281は、1つの駆動用電動機283を共用していてもよい。伝達機構285を省略して駆動用電動機283の回転を直接的に変換機構287に伝達してもよい。また、図示の例とは逆に、ナット287bが軸方向に移動不可能かつ軸回りに回転可能とされ、ねじ軸287aが軸方向に移動可能かつ軸回りに回転不可能とされ、被駆動部291がねじ軸287aに固定され、駆動用電動機283の回転がナット287bに伝達されてもよい。
(液圧系の構成)
図6は、射出駆動部225の液圧系の構成を模式的に示す、図2に相当する図である。
射出駆動部225の液圧系は、例えば、第9流路243I及びリリーフ弁293が設けられている点のみが第1実施形態の射出駆動部25の液圧系と相違する。
第9流路243Iは、射出ロッド側室29rとタンク37とを接続している。なお、第9流路243Iの射出ロッド側室29r側の一部は、他の流路(43D、43E及び43G)の一部と共通化されている。第9流路243Iのタンク37側の一部は、他の流路(43D及び43H)の一部と共通化されている。
リリーフ弁293は、第9流路243I(他の流路(43D、43E、43G及び43H)と共通化されていない部分)に設けられている。リリーフ弁293は、射出ロッド側室29rの圧力が所定の設定圧を超えると射出ロッド側室29rからタンク37への作動液の流れを許容する。これにより、射出ロッド側室29rの圧力は所定の設定圧以下に維持される。リリーフ弁293は、射出ロッド側室29rの圧力が弁体に直接に作用するものであってもよいし、射出ロッド側室29rの圧力がパイロット圧として利用されるものであってもよい。また、リリーフ弁293は、設定圧が手動で調整されるものであってもよいし、ソレノイド等によって調整されるものであってもよい。
リリーフ弁293の設定圧は、適宜に設定されてよい。例えば、アキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへ作動液を供給するとともに射出ロッド側室29rから速度用バルブ49を経由して排出される作動液の流量を高速射出用の流量としたと仮定したときに射出ロッド側室29rに生じる圧力と同程度とされてよい。また、これよりも高い圧力とされてもよいし、低い圧力とされてもよい。
(制御系の構成)
第1実施形態と同様に、制御装置13においては、CPUがプログラムを実行することによって各種の機能部が構成される。具体的には、例えば、第1実施形態と同様に、与圧制御部13a、射出制御部13b及び増圧制御部13cが構築される。なお、より詳細には、各機能部に入力される信号、各機能部の演算及び各機能部の制御信号の出力先は、第1実施形態とは異なるが、便宜上、第1実施形態と同様の符号を各機能部に付している。
制御装置13に信号を入力する機器として、第1実施形態と異なるものは、例えば、エンコーダ283bである。また、制御装置13が信号を出力する機器として、第1実施形態と異なるものは、例えば、駆動用電動機283(そのドライバ)及びフック291bを駆動する不図示のアクチュエータ(そのドライバ)である。
(射出装置の動作)
図7は、射出装置209の動作を説明するためのタイミングチャートであり、第1実施形態の図4に対応する図である。
図7の横軸及び縦軸等は、図4のものと同様である。ただし、図7では、図4で示した制御対象に加えて、駆動用電動機283が追加されている。
射出装置209は、例えば、第1実施形態と同様に、射出ロッド側室29rへの与圧(~時点t0)、低速射出(概ね時点t0~t1)、高速射出(概ね時点t1~t2)、及び増圧(昇圧、概ね時点t3~)を順に行う。具体的には、以下のとおりである。
(射出開始前の与圧)
与圧開始前において、射出装置209の液圧系の状態は、例えば、第1実施形態の与圧開始前の状態と同様である。また、与圧開始前において、電動式駆動部281の基部291aは、例えば、後退限に位置する射出ピストンロッド32に後方から係合しており、また、フック291bは係合位置とされている。
そして、制御装置13は、第1実施形態と同様に射出ロッド側室29rへの与圧を行う。ただし、本実施形態では、リリーフ弁293が設けられていることから、射出ロッド側室29rの圧力は、リリーフ弁293の設定圧以上とはならない。電動式駆動部281は、そのイナーシャ、位置制御又はブレーキ(ブレーキ付の場合)等によって、射出ピストン31の前進の抑制に寄与してもよい。
(低速射出)
制御装置13は、第1実施形態と同様に、射出開始条件が満たされると(時点t0)、射出ロッド側室29rへの与圧を終了し、低速射出を開始する。ただし、第1実施形態とは異なり、低速射出は、電動式駆動部281の駆動力によって行われる。
具体的には、制御装置13は、駆動用電動機283のドライバへ制御信号を出力して駆動用電動機283を駆動する。駆動用電動機283の駆動力は、伝達機構285、変換機構287及び被駆動部291を介してカップリング24に伝達される。これにより、プランジャ23及び射出ピストンロッド32が前進する。
この際、射出ピストン31の前進に伴って容積が縮小する射出ロッド側室29rの作動液は、リリーフ弁293を介してタンク37へ排出される。リリーフ弁293の作用によって、射出ロッド側室29rの圧力は、基本的に設定圧に保たれる。射出用バルブ45及び速度用バルブ49は、第1実施形態と異なり、低速射出では閉じられた状態が維持される。
射出ピストン31の前進に伴って容積が拡大する射出ヘッド側室29hへの作動液の補給は、適宜になされてよい。例えば、補助用バルブ51をa位置として射出ヘッド側室29hとタンク37とを接続し(ポンプ39は例えば停止)、負圧によって作動液を補給してよい。また、例えば、第1変形例において説明したような構成によって、ポンプ39から射出ヘッド側室29hへ作動液を補給してもよい。このとき、射出ヘッド側室29hの作動液の圧力は、負圧が生じない程度とされてもよいし、タンク圧以上の圧力とされ、ポンプ39が電動式駆動部281をアシストしてもよい。
プランジャ23の速度は、駆動用電動機283の回転数の調整により制御される。具体的には、制御装置13は、位置センサ69からの信号に基づいて駆動用電動機283の回転数をフィードバック制御する。なお、この速度フィードバック制御が、速度自体を偏差とするものであってもよいし、時々刻々の位置フィードバック制御であってもよいことは、第1実施形態と同様である。
なお、低速射出において、フック291bは、カップリング24に係合していてもよいし、係合していなくてもよい。係合している場合においては、例えば、減速を含む多段制御を行ったときに、慣性力によってプランジャ23が基部291aから離間して前進してしまうおそれを低減できる。
(高速射出)
高速射出は、第1実施形態と同様に行われる。すなわち、射出用バルブ45が開かれてアキュムレータ41から射出ヘッド側室29hへ作動液が供給されるとともに、速度用バルブ49が開かれて射出ロッド側室29rからタンク37への作動液の排出が許容される。プランジャ23の速度は、速度用バルブ49における流量によって制御され、また、位置センサ69からの信号に基づいてフィードバック制御される。
リリーフ弁293からの作動液の排出は、設定圧が高くされることにより、又は第9流路243Iに設けられた不図示の弁が閉じられることによって禁止される。
高速射出において、フック291bは、係合が解除される位置とされる。従って、射出シリンダ27によって駆動されたプランジャ23は、被駆動部291を置き去りにして前進する。これにより、電動式駆動部281は、プランジャ23の前進を妨げる負荷とはならない。
なお、図7では、高速射出において電動式駆動部281の駆動を停止する場合を例示している。ただし、例えば、電動式駆動部281は、低速射出後の適宜な時期に被駆動部291を後退させ、次の射出に備えてもよいし、下記の説明から理解されるように、低速射出に引き続いて被駆動部291を前進させてもよい。
(減速、増圧、保圧、押出追従及びプランジャ後退)
減速、増圧、保圧、押出追従及びプランジャ後退は、第1実施形態と同様に行われてよい。ただし、低速射出に引き続いて被駆動部291を前進させ、溶湯からの力等によって減速されたプランジャ23に被駆動部291を追い付かせ、電動式駆動部281を増圧、保圧及び押出追従のいずれかに寄与させてもよい。また、フック291bをカップリング24に係合させて、電動式駆動部281の駆動力によってプランジャ23を後退させてもよい。
上記のように、本実施形態では、低速射出(別の観点では射出開始時)における速度制御は、電動式駆動部281によってなされる。電動機による速度制御は、液圧機器の制御に比較して精度が高く、また、電動機による速度制御の際には速度用バルブ49を全開とすることも可能である。従って、第1実施形態に比較すると、ジャンピングが生じるおそれは低い。そして、射出開始前における射出ロッド側室29rへの与圧によって、より確実にジャンピングを抑制することができる。
また、低速射出において電動式駆動部281の駆動力によって射出ピストン31が前進しているとき、射出ロッド側室29rの作動液はリリーフ弁293の設定圧以下に維持される。射出開始前に射出ロッド側室29rに付与された圧力がリリーフ弁293の設定圧以上であれば、低速射出の開始後、射出ロッド側室29rの圧力は基本的に一定(設定圧)である。また、射出開始前に射出ロッド側室29rに付与される圧力が設定圧よりも小さくても、低速射出の進行に伴って射出ロッド側室29rの圧力は上昇し、一定(設定圧)に収束する。
従って、射出開始前の与圧及びリリーフ弁293によって、電動式駆動部281によってプランジャ23を駆動している間、射出ロッド側室29rの圧力変動が抑制される。その結果、射出シリンダ27における圧力変動が電動式駆動部281の制御に及ぼす影響が低減され、より高精度な制御が可能になる。
また、本実施形態では、高速射出の開始時に、比較的高圧の液圧が射出ヘッド側室29hに付与されることになるから、このときにジャンピングが生じるおそれがある。しかし、低速射出において射出ロッド側室29rの圧力はリリーフ弁293の設定圧に維持されていることから、低速射出において射出ロッド側室29rの圧力がタンク圧とされている態様に比較して、ジャンピングが生じるおそれが低減される。
なお、この実施形態においても、第2変形例及び第3変形例が適用されてよい。
<第3実施形態>
(射出駆動部の構成)
図9は、本開示の第3実施形態に係る射出装置409の構成を示す模式図である。なお、この図では、便宜上、タンク37を2つの位置に示しているが、実際には、タンク37は1つとされてよい。
第1及び第2実施形態では、基本的に、増圧ピストン35を駆動するときだけ(換言すれば射出ロッド側室29rへの与圧及び増圧のときだけ)、増圧用バルブ47が開かれてアキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへ液圧が付与された。一方、本実施形態では、増圧ピストン35を駆動しないときも含めて継続的にアキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへ液圧が付与される。そして、増圧ロッド側室33rからの作動液の排出を制御することによって、増圧ピストン35の駆動が制御される(与圧及び増圧が行われる。)。具体的には、以下のとおりである。
射出装置409の射出駆動部425は、第1実施形態と同様に、液圧式のものとされてもよいし、第2実施形態と同様に、ハイブリッド式のものとされてもよい。以下では、液圧式の態様を例に取る。
射出駆動部425の液圧装置428において、第1実施形態の液圧装置28と相違する構成要素は、例えば、増圧ヘッド用バルブ447、増圧ロッド用バルブ481及び与圧用バルブ483である。
増圧ヘッド用バルブ447は、アキュムレータ41と増圧ヘッド側室33hとを接続する第3流路43Cにおいて、第1実施形態の増圧用バルブ47に代えて設けられている。増圧ヘッド用バルブ447は、増圧用バルブ47と同様に、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへの作動液の流れを許容又は禁止する。
増圧ヘッド用バルブ447は、増圧用バルブ47と同様の構成とされても構わないが、ここでは異なる構成を例示している。具体的には、例えば、増圧ヘッド用バルブ447は、パイロット式の逆止弁により構成されている。そして、増圧ヘッド用バルブ447は、パイロット圧が導入されていないときは、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへの作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止し、パイロット圧が導入されているときは、双方の流れを禁止する。
増圧ロッド用バルブ481は、増圧ロッド側室33rとタンク37とを接続する流路(符号省略)に設けられた流量制御弁であり、例えば、増圧ロッド側室33rからタンク37へ排出される作動液の流量の制御に寄与する。この流量の制御により、例えば、増圧ピストン35によって増圧を行うときの昇圧曲線が制御される。
増圧ロッド用バルブ481は、圧力補償を行うもの(流量調整弁)であってもよし、圧力補償を行わないものであってもよい。また、増圧ロッド用バルブ481の制御方式は、例えば、ばね式、電磁式及びパイロット式並びにこれらの2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。増圧ロッド用バルブ481は、フィードバック制御がなされるサーボバルブであってもよいし、オープン制御がなされる比例弁であってもよい。図9では、増圧ロッド用バルブ481として、ばねによりノーマル位置で閉位置とされ、電磁力とパイロット圧力とが順次作動して開かれる流量調整弁が図示されている。
与圧用バルブ483は、第7流路43Gに設けられており、例えば、増圧ロッド側室33rから射出ロッド側室29rへの作動液の流れを許容又は禁止する。当該流れが許容されることによって、例えば、射出開始前における射出ロッド側室29rへの与圧が行われる。
与圧用バルブ483は、例えば、パイロット式の逆止弁により構成されている。そして、与圧用バルブ483は、パイロット圧が導入されていないときは、増圧ロッド側室33rから射出ロッド側室29rへの作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止し、パイロット圧が導入されているときは、双方の流れを禁止する。
液圧装置428のその他の構成は、第1実施形態の液圧装置28と同様でよい。なお、図9では、第1実施形態においては図示を省略した圧力センサ73及び75が図示されている。圧力センサ73は、射出ロッド側室29rの圧力を検出する。圧力センサ75は、射出ヘッド側室29hの圧力を検出する。制御装置13は、両センサの圧力に基づいて射出圧力を特定することができる。
制御装置13は、第1実施形態において説明した機能部に加えて、例えば、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへの継続的な液圧の付与を制御するヘッド制御部13dを有している。
(射出装置の動作)
図10は、射出装置409の動作を説明するためのタイミングチャートであり、第1実施形態の図4に対応する図である。
図10の横軸及び縦軸等は、図4のものと同様である。ただし、図10では、増圧用バルブ47の動作に代えて、増圧ヘッド用バルブ447の動作が示されている。また、与圧用バルブ483及び増圧ロッド用バルブ481の動作が追加されている。
射出装置409は、例えば、第1実施形態と同様に、射出ロッド側室29rへの与圧(~時点t0)、低速射出(概ね時点t0~t1)、高速射出(概ね時点t1~t2)、及び増圧(昇圧、概ね時点t3~)を順に行う。具体的には、以下のとおりである。
(射出開始前の与圧)
与圧開始前において、射出装置409の状態は、基本的に第1実施形態と同様である。また、第1実施形態では設けられていなかった増圧ヘッド用バルブ447、与圧用バルブ483及び増圧ロッド用バルブ481は、例えば、閉じられている。
そして、制御装置13は、第1実施形態で説明した与圧開始条件が満たされると、増圧ヘッド用バルブ447を開き、与圧用バルブ483を開き、補助用バルブ51をa位置にする。これにより、第1実施形態と同様に射出開始前における射出ロッド側室29rの与圧が行われる。なお、図示の例では、上記3つのバルブのタイミングが同時である場合を例示しているが、増圧ヘッド用バルブ447を他のバルブよりも先又は後に開くなど、これらのタイミングは適宜に変更可能である。
(低速射出、高速射出及び減速)
制御装置13は、第1実施形態で説明した射出開始条件が満たされると(時点t0)、射出ロッド側室29rへの与圧を終了して低速射出を開始する。具体的には、例えば、制御装置13は、与圧用バルブ483を閉じ、これにより、増圧ロッド側室33rから射出ロッド側室29rへの液圧の供給を停止する。また、制御装置13は、例えば、補助用バルブ51を中立位置とし、射出ヘッド側室29h及び小径シリンダ部33aからタンク37への作動液の排出を禁止する。これにより、射出開始の準備がなされる。
ここで、第1実施形態とは異なり、制御装置13は、増圧ヘッド用バルブ447を開いたままとし、アキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへの液圧の供給を継続する。ただし、増圧ロッド側室33rからの作動液の排出が各種の弁(51、481及び483)によって規制されていることから、増圧ピストン35は、理論上は、前進せず、また、アキュムレータ41(増圧ヘッド側室33h)の圧力を増圧して射出ヘッド側室29hに付与する作用も生じない。
その後、射出開始から増圧開始までは、射出装置409の動作は、基本的に、第1実施形態の射出装置9の動作と同様とされてよい。なお、増圧ヘッド用バルブ447は、例えば、開かれた状態が維持される。増圧ロッド用バルブ481は、例えば、閉じられた状態が維持される。与圧用バルブ483は、例えば、閉じられた状態が維持される。
(増圧及び保圧)
射出装置409は、所定の増圧開始条件が満たされると、増圧を開始する(t3)。増加開始条件は適宜に設定されてよい。
例えば、射出が進行すると、当然に、プランジャ23は前方へ移動する。従って、プランジャ23が所定の増圧開始位置に到達したことを増圧開始条件としてよい。増圧開始位置に到達したか否かに供されるプランジャ23の位置は、例えば、位置センサ69によって検出される。なお、例えば、プランジャ23の目標位置の時系列に従って、時々刻々と目標位置が実現されるように位置制御が行われ、これにより実質的に速度制御が行われているような場合においては、所定の時刻が到来したときに増圧開始位置に到達したと判定されてもよい。
また、キャビティCa内に溶湯が充填されていくと、プランジャ23は、キャビティCa内の溶湯から受ける力によって減速する。従って、射出速度が所定の増圧開始速度まで降下したことを増圧開始条件としてよい。増圧開始速度まで降下したか否かに供される射出速度は、例えば、位置センサ69の検出値に基づいて得られる。
また、キャビティCa内に溶湯が充填されていくと、射出圧力(例えばプランジャ23が溶湯に付与する圧力)は上昇する。従って、射出圧力が所定の増圧開始圧力まで上昇したことを増圧開始条件としてよい。増圧開始圧力まで上昇したか否かに供される射出圧力は、例えば、圧力センサ73及び75の検出値に基づいて得られる。
増圧開始位置、増圧開始速度及び/又は増圧開始圧力を含む増圧開始条件は、オペレータによって設定されてもよいし、制御装置13が他の鋳造条件等に基づいて設定してもよい。
制御装置13は、増圧の開始のために、例えば、増圧ロッド用バルブ481を開く。これにより、増圧ピストン35の前進が許容され、増圧ヘッド側室33hの圧力よりも高く増圧された圧力が射出ヘッド側室29hに付与される。
このとき、制御装置13は、所望の昇圧曲線が得られるように、増圧ロッド用バルブ481によって増圧ロッド側室33rから排出される作動液の流量制御を行う。速度用バルブ49は、例えば、全開とされる。すなわち、速度用バルブ49による流量制御は行われない。ただし、両バルブの流量制御によって所望の昇圧曲線を得るようにしてもよい。
射出用バルブ45は、第1実施形態と同様に、自閉するか、パイロット圧力の導入によって閉じられる。なお、後者の場合、パイロット式の弁の時間遅れとサーボバルブの時間遅れとの差を考慮して、射出用バルブ45を閉じる指令を出力するタイミングを、増圧ロッド用バルブ481を開く指令を出力するタイミングよりも若干早くしてよい。
その後、第1実施形態と同様に、増圧された射出ヘッド側室29hの圧力による力と、プランジャ23が溶湯から受ける圧力による力とが釣り合うことによって、射出圧力は一定となる(鋳造圧力となる。)。このとき、射出ロッド側室29rの圧力及び増圧ロッド側室33rの圧力は、例えば、タンク圧とされる。なお、適宜な時期に増圧ロッド用バルブ481及び/又は速度用バルブ49を閉じることなどによって、任意の鋳造圧力を得てもよい。
制御装置13は、保圧工程においては、鋳造圧力が得られたときの状態を維持する。保圧工程が終了すると、制御装置13は、例えば、増圧ヘッド用バルブ447及び増圧ロッド用バルブ481を閉じる。その他は、第1実施形態と同様である。
以上のとおり、本実施形態においても、射出装置409は、射出開始前に、増圧ヘッド側室33hへ作動液を供給して増圧ロッド側室33rから射出ロッド側室29rへ液圧を付与する。従って、第1及び第2実施形態と同様の効果が奏される。例えば、射出開始時におけるジャンピングが生じるおそれを低減することができる。
また、本実施形態では、液圧装置428は、増圧ヘッド側室33hへ作動液を供給するアキュムレータ41と、増圧ロッド側室33rから排出される作動液の流量を制御する増圧ロッド用バルブ481と、を有している。制御装置13は、射出ロッド側室29rへの(少なくとも)与圧から増圧完了まで継続してアキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへ作動液を供給するように液圧装置428を制御するヘッド制御部13dと、増圧ロッド用バルブ481を開くことにより増圧を開始するように液圧装置418を制御する増圧制御部13cと、を有している。
従って、例えば、昇圧特性を向上させることができる。具体的には、以下のとおりである。
第1又は第2実施形態において、制御装置13が増圧用バルブ47を開く指令を出力してから実際に増圧ピストン35が前進するまでには時間遅れが生じる。ひいては、好適なタイミングで増圧を開始できないおそれがある。その理由としては、例えば、増圧用バルブ47から増圧ヘッド側室33hまでの作動液が圧縮されるまでに時間を要することが挙げられる。
しかし、本実施形態においては、増圧開始前から増圧ヘッド側室33hに液圧を付与していることから、そのような不都合は生じない。なお、図10では、図4及び図7に比較して、時点t3~t4までの昇圧曲線が急峻に示されることによって、当該効果が表されている。
第1又は第2実施形態においては、上記のような時間遅れを解消するために、既述の増圧開始条件が満たされる前に増圧用バルブ47を開き、その後、増圧開始条件が満たされたときに速度用バルブ49の開度を増圧用のものにする制御が行われてよい。
ただし、この場合、種々のデメリットも生じる。例えば、増圧開始よりも前に増圧ピストン35を前進させるから、増圧ピストン35のストロークが長くなる。また、増圧開始よりも前(狭義の射出完了前)に増圧ピストン35が前進を開始すると、その増圧作用によって射出ヘッド側室29hの圧力が高くなり、アキュムレータ41から射出用バルブ45を経由して射出ヘッド側室29hへ流れる作動液の流量が減少する。その結果、狭義の射出において、意図していない減速がなされる。また、金型毎に増圧用バルブ47を開くタイミングを設定しなければならない。
しかし、本実施形態では、増圧ロッド側室33rからの作動液の排出を禁止することによって増圧ピストン35の前進及び増圧作用を規制した状態で、予めアキュムレータ41から増圧ヘッド側室33hへ液圧が付与される。すなわち、上記のような増圧開始前に増圧用バルブ47を開くことによる不都合を生じることなく、予め増圧ヘッド側室33hへ液圧を付与しておくことができる。
また、第1又は第2実施形態では、速度用バルブ49の流量制御によって、狭義の射出における速度制御と、増圧における圧力制御との双方を行っている。その結果、例えば、速度制御から圧力制御へ切り替えるときに、射出圧力が一時的に低下して昇圧特性が悪化するおそれがある。これは、例えば、増圧ヘッド側室33hの作動液の圧縮完了前に速度用バルブ49の制御が開始されてしまうことによる。また、例えば、射出速度の目標値を変更した場合に、速度制御から圧力制御へ切り替えるタイミングの補正等が必要になる。また、制御精度の低下が生じるおそれもある。
しかし、本実施形態では、増圧ロッド側室33rから排出される作動液の流量の制御によって圧力制御を行う。別の観点では、速度制御用の流量制御と、圧力制御用の流量制御とは別個に行われる。その結果、上記のような不都合が解消される。例えば、昇圧特性が向上する。昇圧特性の向上により、例えば、冷却の早い薄肉ダイカスト品の鋳造が容易化される。
また、仮に、複数のショット間で給湯量にばらつきが生じると、プランジャ23の位置と溶湯の充填の進行状況との相対関係にばらつきが生じ、ひいては、ダイカスト品の品質にばらつきが生じる。しかし、本実施形態では、増圧開始速度及び/又は増圧開始圧力に基づいて増圧を開始することによって、給湯量にばらつきが生じても適切なタイミングで増圧を開始することができる。従って、昇圧特性の向上と相俟って、品質が高いダイカスト品を安定的に生産できる。
なお、第1及び第2実施形態は、本実施形態に比較すると、例えば、流量制御弁が1つでよく、コストを下げることができる等の効果を奏する。従って、ユーザに要求される仕様等に応じて、第1~第3実施形態のいずれかが適宜に選択されてよい。
第3実施形態において、増圧ロッド用バルブ481は、増圧側流量制御弁の一例である。
<シリンダ部の変形例>
図8(a)及び図8(b)は、シリンダ部の変形例を示している。なお、以下のシリンダ部は、第1~第3実施形態のいずれに適用されてもよいが、以下の説明では、第1実施形態の符号等を用いる。また、第1実施形態と相違があっても、その相違が主として寸法である構成については、第1実施形態と同一の符号を付している。
(第4変形例)
実施形態では、小径シリンダ部33aの内径d4は、射出シリンダ部29の内径d1よりも小さくされ、その段差によってストッパ36が構成された。これに対して、図8(a)に示す変形例に係る射出シリンダ301では、内径d4は内径d1と同等とされている。
そして、射出ピストン31の後退限を規定するストッパ303は、射出シリンダ部29の内面及び小径シリンダ部33aの内面から突出する凸部によって構成されている。この凸部は、例えば、射出シリンダ部29の内周面の全周に亘って延びている(環状に形成されている。)。
このように、内径d4は、内径d1よりも小さくなくてもよい。また、別の観点では、ストッパは、シリンダ室間の内面の段差によって構成されるものに限定されない。特に図示しないが、内径d4は、内径d1よりも大きくされてもよい。
なお、図8(a)では、ストッパ303の構成方法として、射出シリンダ部29の内面に嵌合する筒状部と、当該筒状部から外側に突出するフランジ部とを有する部材を射出シリンダ部29と小径シリンダ部33aとの間に介在させている場合を例示している。ただし、実施形態の説明でも述べたように、シリンダ部等を構成する部材の数及びその分割位置は適宜に設定されてよい。
(第5変形例)
実施形態では、増圧シリンダ部33は、射出シリンダ部29に対して直列(例えば同軸状)につながるように設けられた。これに対して、図8(b)に示す射出シリンダ311では、増圧シリンダ部33は、射出シリンダ部29に対して交差(例えば直交)するように設けられている。
また、別の観点では、小径シリンダ部33aは、直接的に射出ヘッド側室29hに通じるのではなく、流路313を介して射出ヘッド側室29hに通じている。なお、図示の例では、流路313は、ブロック状の部材内に構成されているが、剛体からなる管状部材又は可撓性のホースによって構成されていてもよい。特に図示しないが、射出シリンダ部29と増圧シリンダ部33とは直接的に固定されていなくてもよい。
本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、樹脂を成形する射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。成形材料は、液状のものに限定されず、ある程度の粘度を有するものであってもよい。例えば、金属材料は、固液共存金属(半凝固金属又は半溶融金属)であってもよい。
また、成形機は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、横型締縦射出、縦型締横射出であってもよい。成形機がダイカストマシンである場合において、ダイカストマシンは、コールドチャンバマシンに限定されず、ホットチャンバマシンであってもよい。
型締装置等の射出装置以外の構成は、公知の種々の構成とされてよい。例えば、実施形態では、型締装置としてトグル式のものを示したが、型締装置は、型開閉と型締めとで別個の駆動源を用いる複合式のものであってもよい。また、例えば、型締装置は、全電動式であってもよいし、全液圧式であってもよい。
射出シリンダ部と増圧シリンダ部とが直列に接続されている場合において、両者は偏心していてもよい。また、小径シリンダ部と大径シリンダ部とは偏心していてもよい。
実施形態で示した液圧回路は一例に過ぎず、流路及びバルブは適宜に設定されてよい。例えば、実施形態では、増圧ロッド側室のタンク及び/又はポンプとの接続及び遮断は、射出ロッド側室のタンク及び/又はポンプとの接続及び遮断と完全に共通化されたが、別個に制御可能に流路及びバルブが設けられてもよい。増圧ロッド側室と射出ロッド側室とを連通する流路にバルブが設けられてもよい。
射出において、射出ロッド側室から排出される作動液は、タンクではなく、流量制御弁(速度用バルブ)を介して射出ヘッド側室へ還流されてもよい。すなわち、ランアラウンド回路が設けられてもよい。液圧装置は、メータアウト回路に加えて、メータイン回路を有していてもよい。
射出開始前における射出ロッド側室への与圧のために増圧ヘッド側室へ作動液を供給する液圧源は、アキュムレータに限定されず、例えば、ポンプであってもよい。また、別の観点では、与圧のために増圧ヘッド側室へ作動液を供給する液圧源は、射出のために射出ヘッド側室へ作動液を供給する液圧源と同一であってもよいし、同一でなくてもよく、また、増圧及び/又は保圧のために増圧ヘッド側室へ作動液を供給する液圧源と同一であってもよいし、同一でなくてもよい。実施形態では、アキュムレータ41は、射出と増圧とに兼用されたが、射出用のアキュムレータと、増圧用のアキュムレータとが設けられてもよい。
射出開始前における射出ロッド側室への与圧は、前サイクルの増圧ピストンの後退の後であれば適宜な時期に開始されてよく、また、実施形態の説明でも言及したように、射出開始まで継続されている必要はない。射出開始時(例えば速度用バルブ49を開く時、又は駆動用電動機283を駆動する時)の射出ロッド側室の圧力が、射出開始前の与圧が行われなかったと仮定した場合に比較して、多少なりとも高くなっていればよい。逆に言えば、前サイクルの増圧ピストンの後退の後、増圧ヘッド側室に作動液が供給されて増圧ロッド側室の液圧が射出ロッド側室に付与される動作がなされ、かつその後の射出開始時に、前記の動作が行われなかったと仮定した場合よりも射出ロッド側室の圧力が多少なりとも高くなっていれば、射出開始前の与圧が行われたといえる。
実施形態で示した構成は、メータアウト回路によって射出ロッド側室から排出される作動液の流量が制限される場合において生じるジャンピングの抑制という課題から着想されている。ただし、その課題を解決するために得られた構成乃至は動作は、メータアウト回路を前提としないし、ジャンピングの抑制という用途に用いられなくてもよい。例えば、第2実施形態の低速射出の動作から理解されるように、メータアウト回路が機能しておらず、リリーフ弁が設けられているような状態において、射出開始前における射出ロッド側室への与圧は、射出ロッド側室の圧力変動を一定にして電動機によるプランジャの位置及び速度の制御を高精度化することに寄与する。
なお、第2実施形態からは、射出開始前の与圧を要件としない以下の射出装置を抽出可能である。
成形材料を前方の金型内へ押し出すプランジャの後部に連結される射出ピストンロッド、前記射出ピストンロッドの後部に固定されている射出ピストン、及び前記射出ピストンを摺動可能に収容している射出シリンダ部を有しており、前記射出シリンダ部の内部が前方の射出ロッド側室と、後方の射出ヘッド側室とに区画されている射出シリンダと、
前記射出ヘッド側室に作動液を供給可能な液圧装置と、
前記射出ピストンロッドを前記射出シリンダ部に対して駆動可能な電動式駆動部と、
を有しており、
前記液圧装置は、前記射出ロッド側室の圧力が所定の圧力を超えたときに前記射出ロッド側室から作動液を排出させるリリーフ弁を有している
射出装置。
上記の射出装置においては、例えば、射出開始前の与圧を行わなくても、低速射出の間において射出ロッド側室からの作動液の排出をリリーフ弁からのみ許容すれば、高速射出の開始までに射出ロッド側室の圧力がリリーフ弁の設定圧まで上昇する。その結果、高速射出の開始時のジャンピングが抑制される。
なお、第3実施形態から抽出される、増圧ヘッド側室へ継続して作動液を供給しつつ、増圧側流量制御弁を開くことにより増圧を開始する射出装置においては、例えば、昇圧曲線を向上させることができる効果が奏される。また、上記の射出装置において、「増圧開始前」は、第3実施形態とは異なり、狭義の射出開始前(例えば低速射出前)に限定されず、狭義の射出が開始された後であってもよいし、高速射出が開始された後であってもよい。ただし、増圧開始前に増圧ヘッド側室の作動液の圧縮が完了するタイミングで、アキュムレータから前記増圧ヘッド側室への液圧の付与が開始されることが好ましい。
1…ダイカストマシン、9…射出装置、13…制御装置、13a…与圧制御部、21…スリーブ、23…プランジャ、27…射出シリンダ、28…液圧装置、29…射出シリンダ部、29r…射出ロッド側室、29h…射出ヘッド側室、31…射出ピストン、32…射出ピストンロッド、33…増圧シリンダ部、33a…小径シリンダ部、33b…大径シリンダ部、33r…増圧ロッド側室、33h…増圧ヘッド側室、35…増圧ピストン、35a…小径ピストン、35b…大径ピストン、101…金型。

Claims (10)

  1. 成形材料を前方の金型内へ押し出すプランジャを駆動する射出シリンダと、
    前記射出シリンダにおける作動液の流れを制御する液圧装置と、
    前記液圧装置を制御する制御装置と、
    を有しており、
    前記射出シリンダは、
    前記プランジャの後部に連結される射出ピストンロッドと、
    前記射出ピストンロッドの後部に固定されている射出ピストンと、
    前記射出ピストンを摺動可能に収容しており、内部が前記射出ピストンによって前方の射出ロッド側室と、後方の射出ヘッド側室とに区画されている射出シリンダ部と、
    前記射出ヘッド側室に通じている小径シリンダ部と、
    前記小径シリンダ部に直列に続いており、前記小径シリンダ部よりも径が大きい大径シリンダ部と、
    前記小径シリンダ部に摺動可能に収容されている小径ピストンと、
    前記小径ピストンに直列に固定されており、前記大径シリンダ部に摺動可能に収容されており、前記大径シリンダ部内を前記小径シリンダ部側の増圧ロッド側室と、その反対側の増圧ヘッド側室とに区画している大径ピストンと、を有しており、
    前記液圧装置は、
    前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するアキュムレータと、
    前記増圧ロッド側室からの作動液の排出を制御する増圧ロッド用バルブと、を有しており、
    前記制御装置は、
    増圧開始前から増圧完了まで継続して前記アキュムレータから前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するように前記液圧装置を制御するヘッド制御部と、
    前記増圧ロッド用バルブが閉じられて前記大径ピストンの前進が禁止されているときに前記アキュムレータから前記増圧ヘッド側室へ液圧が付与されることによって前記増圧ヘッド側室の作動液が圧縮されている状態で、前記増圧ロッド用バルブを開くことにより増圧を開始するように前記液圧装置を制御する増圧制御部と、を有している
    射出装置。
  2. 前記増圧ロッド用バルブは、前記増圧ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する流量制御弁である
    請求項1に記載の射出装置。
  3. 前記増圧制御部は、所定の昇圧曲線が得られるように前記増圧ロッド用バルブを制御する
    請求項2に記載の射出装置。
  4. 前記ヘッド制御部は、射出開始前から増圧完了まで継続して前記アキュムレータから前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するように前記液圧装置を制御する
    請求項1~3のいずれか1項に記載の射出装置。
  5. 成形材料を前方の金型内へ押し出すプランジャを駆動する射出シリンダと、
    前記射出シリンダにおける作動液の流れを制御する液圧装置と、
    前記液圧装置を制御する制御装置と、
    を有しており、
    前記射出シリンダは、
    前記プランジャの後部に連結される射出ピストンロッドと、
    前記射出ピストンロッドの後部に固定されている射出ピストンと、
    前記射出ピストンを摺動可能に収容しており、内部が前記射出ピストンによって前方の射出ロッド側室と、後方の射出ヘッド側室とに区画されている射出シリンダ部と、
    前記射出ヘッド側室に通じている小径シリンダ部と、
    前記小径シリンダ部に直列に続いており、前記小径シリンダ部よりも径が大きい大径シリンダ部と、
    前記小径シリンダ部に摺動可能に収容されている小径ピストンと、
    前記小径ピストンに直列に固定されており、前記大径シリンダ部に摺動可能に収容されており、前記大径シリンダ部内を前記小径シリンダ部側の増圧ロッド側室と、その反対側の増圧ヘッド側室とに区画している大径ピストンと、を有しており、
    前記液圧装置は、
    前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するアキュムレータと、
    前記増圧ロッド側室からの作動液の排出を制御する増圧ロッド用バルブと、
    前記増圧ロッド側室から前記射出ロッド側室への作動液の流れを許容及び禁止可能な与圧用バルブと、を有しており、
    前記制御装置は、
    増圧開始前から増圧完了まで継続して前記アキュムレータから前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するように前記液圧装置を制御するヘッド制御部と、
    前記増圧ロッド用バルブを開くことにより増圧を開始するように前記液圧装置を制御する増圧制御部と、を有している
    出装置。
  6. 前記制御装置は、射出開始前に、前記増圧ロッド側室から前記射出ロッド側室へ液圧を付与する与圧を行うように前記与圧用バルブを制御する与圧制御部を有している
    請求項5に記載の射出装置。
  7. 前記ヘッド制御部は、前記与圧のときに前記アキュムレータから前記増圧ヘッド側室へ作動液を供給するように前記液圧装置を制御する
    請求項6に記載の射出装置。
  8. 前記与圧制御部は、射出開始時に前記与圧用バルブを閉じる
    請求項6又は7に記載の射出装置。
  9. 前記液圧装置は、前記射出ロッド側室から排出される作動液の流量を制御する第1流量制御弁を有しており、
    前記増圧制御部は、増圧に亘って前記第1流量制御弁を全開にするように前記液圧装置を制御する
    請求項1~8のいずれか1項に記載の射出装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の射出装置と、
    前記金型を型締めする型締装置と、
    前記金型から成形品を押し出す押出装置と、
    を有している成形機。
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