JP2016185550A - 射出装置及び成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アキュムレータの圧力を簡便に調整できる射出装置を提供する。
【解決手段】射出装置1は、プランジャ5を駆動する射出シリンダ7と、射出シリンダ7に作動液を供給する気体圧式のアキュムレータ25と、アキュムレータ25に作動液を供給する作動液供給装置26(ポンプ23と第1バルブ29Aとの組み合わせ)と、アキュムレータ25の気圧を検出する圧力センサ37と、成形サイクルにおいて、作動液供給装置26からアキュムレータ25へ作動液を供給している状態で、圧力センサ37の検出値が所定の射出前目標気圧(圧力Pの目標値)に到達したときに、その作動液の供給を停止するように作動液供給装置26を制御する制御装置11と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、金型内に成形材料を射出する射出装置及び成形装置(成形機)に関する。成形装置は、例えば、ダイカストマシンや射出成形機である。
アキュムレータから射出シリンダへ作動液を供給することにより、射出シリンダのピストンに連結されたプランジャを駆動し、プランジャによって成形材料を金型内へ押し出す射出装置が知られている(例えば特許文献1及び2)。アキュムレータとしては、一般に、圧縮された気体(例えば空気)の圧力を利用して作動液を放出する気体圧式のものが利用されている。
特許文献1の射出装置では、金型内に成形材料を射出する工程(増圧を含む)の少なくとも後半において、アキュムレータは、射出シリンダへの作動液の放出が許容された状態のままとされる。また、射出シリンダは、ピストンの前進に伴うピストン前方の作動液の排出が許容されたままとされる。従って、金型に充填された成形材料の最終的な圧力(終圧)は、アキュムレータの圧力によって決定される。そこで、特許文献1では、目標とする終圧に応じて、アキュムレータの気体の放出又は充填を行い、必要な終圧が好適に得られるようにする技術を提案している。
特許文献2の射出装置では、上述のようなアキュムレータの気体の放出又は充填を不要とするために、射出シリンダのピストンの前進に伴うピストン前方からの作動液の排出を適宜なタイミングで禁止する技術を提案している。
特開2005−169432号公報 特開2004−330267号公報
しかし、特許文献1の技術では、鋳造圧力の目標値が変わるたびに、アキュムレータの気体の放出又は充填をしなければならない。その結果、作業者の負担が増加する。また、特許文献2の技術においても、アキュムレータの圧力は成形材料の終圧に影響を及ぼしており、アキュムレータの圧力が好適に調整された方が都合がよい。従って、アキュムレータの圧力を簡便に調整できる射出装置及び成形装置が提供されることが望まれる。
本発明の一態様に係る射出装置は、プランジャを駆動する射出シリンダと、前記射出シリンダに作動液を供給する気体圧式のアキュムレータと、前記アキュムレータに作動液を供給する作動液供給装置と、前記アキュムレータの気圧を検出する圧力センサと、成形サイクルにおいて、前記作動液供給装置から前記アキュムレータへ作動液を供給している状態で、前記圧力センサの検出値が所定の射出前目標気圧に到達したときに、その作動液の供給を停止するように前記作動液供給装置を制御する制御装置と、を有する。
好適には、前記射出装置は、成形材料の終圧の目標値の入力を受け付ける入力装置を更に有し、入力された前記終圧の目標値の変化に応じて前記アキュムレータの射出前の気体の圧力が変化する。
好適には、前記アキュムレータは、作動液と気体とを隔てるピストンを有し、前記制御装置は、入力された前記終圧の目標値に基づいて前記射出前目標気圧を設定する。
好適には、前記制御装置は、前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pを前記アキュムレータの気体室の圧力Pに変換する数式により得られる前記圧力Pを、前記気体室の圧力がPの前記アキュムレータに体積Vの作動液を供給したときの前記気体室の圧力Pを算出する数式における前記圧力Pに代入する数式において、入力された前記終圧の目標値を前記圧力Pに代入して、前記射出前目標圧力としての前記圧力Pを算出する。
好適には、前記制御装置は、前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pを前記アキュムレータの気体室の圧力Pに変換する数式における前記圧力Pに、入力された前記終圧の目標値を代入し、射出後目標気圧としての前記圧力Pを算出し、その算出した前記射出後目標気圧と、射出後の前記圧力センサの検出値とに基づいて、次の成形サイクルの前記射出前目標気圧を設定する。
好適には、前記制御装置は、前記アキュムレータの気体室の圧力Pを前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pに変換する数式における前記圧力Pに、前記アキュムレータから作動液が全放出された状態での前記圧力センサの検出値を代入して、最小終圧としての前記圧力Pを算出し、入力された前記終圧の目標値が前記最小終圧以上であるか否か判定する。
好適には、前記制御装置は、前記アキュムレータから体積Vの作動液を放出することにより気体室の圧力Pが圧力Pになる場合における圧力Pから圧力Pを算出する数式により得られる前記圧力Pを、前記アキュムレータの気体の圧力Pを前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pに変換する数式の前記圧力Pに代入する数式において、前記圧力Pに、前記入力装置から入力された値又は当該制御装置が保持している一定の値を代入して、最大終圧としての前記圧力Pを算出し、入力された前記終圧の目標値が前記最大終圧以下であるか否か判定する。
好適には、前記作動液供給装置は、前記アキュムレータに作動液を供給するポンプと、前記ポンプから前記アキュムレータへの作動液の流れを許容又は禁止する制御弁と、を有し、前記制御装置は、成形サイクルにおいて、前記ポンプから前記アキュムレータへ作動液を供給している状態で、前記圧力センサの検出値が前記射出前目標気圧に到達したときに、前記制御弁により前記ポンプから前記アキュムレータへの作動液の流れが禁止されるように前記作動液供給装置を制御する。
本発明の一態様に係る成形装置は、上記の射出装置を備えている。
本発明によれば、射出のためのアキュムレータの圧力を簡便に調整できる。
本発明の第1実施形態に係るダイカストマシンの射出装置の要部構成を示す模式図。 図1の射出装置における圧力及び面積に係る記号の定義を示す模式図。 図3(a)〜図3(c)はアキュムレータの圧力及び体積に係る記号の定義を示す模式図。 図1の射出装置が実行する初期処理の手順の一例を示すフローチャート。 図1の射出装置が実行する成形サイクル時処理の手順の一例を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係るダイカストマシンの射出装置の要部構成を示す模式図。 本発明の第3実施形態に係るダイカストマシンの射出装置の要部構成を示す模式図。 本発明の第4実施形態に係るダイカストマシンの射出装置の要部構成を示す模式図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、第2実施形態以降において、既に説明した実施形態の構成と同一又は類似の構成については、既に説明した実施形態の構成に付した符号と同一の符号を付すことがあり、また、説明を省略することがある。また、既に説明した実施形態の構成に対応(類似)する構成に対して、既に説明した構成と異なる符号を付した場合においても、特に断りがない事項については、既に説明した実施形態の構成と同様である。
<第1実施形態>
(射出装置の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るダイカストマシンDC1の射出装置1の要部構成を示す模式図である。
ダイカストマシンDC1は、金型101内(キャビティ107)に溶湯(溶融状態の金属材料)を射出し、その溶湯を金型101内で凝固させることにより、ダイカスト品(成形品)を製造するものである。金型101は、例えば、固定金型103及び移動金型105を含んでいる。
具体的には、ダイカストマシンDC1は、例えば、金型101の開閉及び型締めを行う不図示の型締装置と、型締めされた金型101の内部に溶湯を射出する射出装置1と、ダイカスト品を固定金型103又は移動金型105から押し出す不図示の押出装置と、これらを制御する制御装置とを有している。射出装置1以外の構成は、基本的に従来の種々の構成と同様でよく、説明は省略する。
射出装置1は、例えば、キャビティ107に連通するスリーブ3と、スリーブ3内の溶湯をキャビティ107へ押し出すプランジャ5と、プランジャ5を駆動する射出シリンダ7と、射出シリンダ7に対する作動液(例えば油)の供給等を行う液圧装置9と、液圧装置9を制御する制御装置11とを有している。
射出装置1の構成も、概略、制御装置11の構成(射出装置1の動作)を除いては、従来の種々の構成と同様とされてよい。射出装置1の各部の構成は、例えば、以下のとおりである。
スリーブ3は、例えば、固定金型103に挿通された筒状部材である。プランジャ5は、スリーブ3内を前後方向に摺動可能なプランジャチップ5aと、プランジャチップ5aに固定されたプランジャロッド5bとを有している。スリーブ3の上面に形成された給湯口3aから溶湯がスリーブ3内に供給された状態で、プランジャチップ5aがスリーブ3内をキャビティ107に向かって摺動する(前進する)ことにより、溶湯はキャビティ107に射出される。
射出シリンダ7は、例えば、いわゆる直結形の増圧式シリンダによって構成されている。具体的には、例えば、射出シリンダ7は、シリンダ部13と、シリンダ部13の内部を摺動可能な射出ピストン15及び増圧ピストン17と、射出ピストン15に固定され、シリンダ部13から延び出るピストンロッド19とを有している。
シリンダ部13は、例えば、射出シリンダ部13aと、射出シリンダ部13aの後端(ピストンロッド19の延び出る側とは反対側)に接続された増圧シリンダ部13bとを有している。射出シリンダ部13a及び増圧シリンダ部13bは、例えば、内部の断面形状が円形の筒状体である。射出シリンダ部13aは、例えば、径が長手方向において一定である。増圧シリンダ部13bは、例えば、射出シリンダ部13a側の小径シリンダ部13baと、その反対側に位置し、小径シリンダ部13baよりも径が大きい大径シリンダ部13bbとを有している。小径シリンダ部13baは、例えば、射出シリンダ部13aよりも径が小さく、大径シリンダ部13bbは、例えば、射出シリンダ部13aよりも径が大きい。
射出ピストン15は、射出シリンダ部13a内に配置されている。射出シリンダ部13aの内部は、射出ピストン15により、ピストンロッド19が延び出る側のロッド側室13rと、その反対側のヘッド側室13hとに区画されている。ロッド側室13r及びヘッド側室13hに選択的に作動液が供給されることにより、射出ピストン15は射出シリンダ部13a内を前後方向に摺動する。
増圧ピストン17は、小径シリンダ部13baを摺動可能な小径ピストン部17aと、大径シリンダ部13bbを摺動可能な大径ピストン部17bとを有している。大径シリンダ部13bbの内部は、大径ピストン部17bにより、小径シリンダ部13ba側の前側室13fと、その反対側の後側室13gとに区画されている。
従って、前側室13fの圧抜きを行うと、小径ピストン部17aのヘッド側室13hにおける受圧面積と、大径ピストン部17bの後側室13gにおける受圧面積との差に起因して、増圧ピストン17は、後側室13gの作動液から受ける圧力よりも高い圧力をヘッド側室13hの作動液に加えることが可能である。これにより、射出シリンダ7は、増圧機能を発揮する。
射出シリンダ7は、プランジャ5に対して同軸的に配置されている。そして、ピストンロッド19は、プランジャ5にカップリング(符号省略)を介して連結されている。シリンダ部13は、不図示の型締装置などに対して固定的に設けられている。従って、射出ピストン15のシリンダ部13に対する移動により、プランジャ5はスリーブ3内を前進又は後退する。
液圧装置9は、例えば、作動液を貯留するタンク21と、タンク21の作動液を送出可能なポンプ23と、蓄圧された作動液を放出可能なアキュムレータ25と、これら及び射出シリンダ7を互いに接続する複数の流路(第1流路27A〜第5流路27E)と、当該複数の流路における作動液の流れを制御する複数のバルブ(第1バルブ29A〜第3バルブ29C、第6バルブ29F及び第7バルブ29G)とを有している。
図1では、図示の都合上、複数個所にタンク21及びポンプ23を示している。実際には、これらの複数のタンク21及びポンプ23は、一のタンク21及び一のポンプ23に統合されていてよい。
タンク21は、例えば、開放タンクであり、大気圧下で作動液を保持している。タンク21は、ポンプ23及びアキュムレータ25を介して射出シリンダ7に作動液を供給し、また、射出シリンダ7から排出された作動液を収容する。
ポンプ23は、不図示の電動機によって駆動され、作動液を送出する。ポンプは、ロータリポンプ、プランジャポンプ、定容量ポンプ、可変容量ポンプ、1方向ポンプ、双方向(2方向)ポンプ等の適宜な方式のものとされてよい。ポンプ23を駆動する電動機も、直流モータ、交流モータ、誘導モータ、同期モータ、サーボモータ等の適宜な方式のものとされてよい。ポンプ23(電動機)は、ダイカストマシンDC1の稼働中において常時駆動されてもよいし、必要に応じて駆動されてもよい。ポンプ23は、アキュムレータ25に対する作動液の供給(アキュムレータ25の蓄圧)、及び、射出シリンダ7に対する作動液の供給に寄与する。
アキュムレータ25は、例えば、シリンダ型のものであり、シリンダ部31と、シリンダ部31を液体室31aと気体室31bとに区画するピストン33とを有している。液体室31aには作動液を収容可能であり、気体室31bには気体(例えば空気又は窒素)が充填される。液体室31aに作動液が供給され、ピストン33が気体室31b側へ移動することにより、気体室31bの気体が圧縮され、アキュムレータ25は蓄圧される。また、その気体の圧力を利用して、液体室31aから作動液が放出される。
第1流路27Aは、ポンプ23とアキュムレータ25(液体室31a)とを接続している。これにより、例えば、ポンプ23からアキュムレータ25へ作動液を供給してアキュムレータ25を蓄圧することができる。
第2流路27Bは、アキュムレータ25(液体室31a)とヘッド側室13hとを接続している。これにより、例えば、アキュムレータ25からヘッド側室13hへ作動液を供給して、射出ピストン15を前進させることができる。
第3流路27Cは、アキュムレータ25(液体室31a)と後側室13gとを接続している。これにより、例えば、アキュムレータ25から後側室13gへ作動液を供給し、増圧ピストン17によってヘッド側室13hの作動液を加圧することができる。
第4流路27Dは、ロッド側室13rとタンク21とを接続している。これにより、例えば、射出ピストン15の前進に伴ってロッド側室13rから排出される作動液をタンク21に収容することができる。
第5流路27Eは、前側室13fとタンク21とを接続している。これにより、例えば、前側室13fを圧抜きし、増圧ピストン17による増圧作用を得ることができる。
なお、図1では、液圧装置9の有する代表的な流路を例示しており、実際には、液圧装置9は不図示の他の流路を有している。例えば、液圧装置9は、射出ピストン15を後退させるために、ポンプ23からロッド側室13rに作動液を供給する流路を有している。
図示した若しくは不図示の複数の流路は、例えば、鋼管、可撓性のホース又は金属ブロックにより構成されている。複数の流路は、適宜に一部が共通化されてよい。例えば、図1の例では、第1流路27A〜第3流路27Cは、アキュムレータ25側の一部が共通化され、第4流路27D及び第5流路27Eは、タンク21側の一部が共通化されている。
第1バルブ29Aは、第1流路27Aに設けられており、例えば、ポンプ23からアキュムレータ25への作動液の供給の許容及び禁止、並びに、アキュムレータ25からタンク21への作動液の排出の許容及び禁止に寄与する。第1バルブ29Aは、例えば、方向制御弁により構成されており、より具体的には、例えば、スプリング及び電磁石によって駆動される4ポート3位置切換弁により構成されている。第1バルブ29Aは、例えば、一の位置(例えば中立位置)では、アキュムレータ25と、タンク21及びポンプ23との間の流れを禁止し、他の一の位置では、ポンプ23からアキュムレータ25への流れを許容するとともにアキュムレータ25からタンク21への流れを禁止し、さらに他の一の位置では、ポンプ23からアキュムレータ25への流れを禁止するとともにアキュムレータ25からタンク21への流れを許容する。
第2バルブ29Bは、第2流路27Bに設けられおり、例えば、ヘッド側室13hからアキュムレータ25への作動液の逆流防止に寄与する。第2バルブ29Bは、例えば、パイロット式の逆止弁により構成されており、パイロット圧が導入されていないときは、アキュムレータ25からヘッド側室13hへの作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止し、パイロット圧が導入されているときは、双方の流れを許容する。第2バルブ29Bへのパイロット圧の導入は、例えば、第6バルブ29Fによって制御される。
第3バルブ29Cは、第3流路27Cに設けられており、例えば、アキュムレータ25から後側室13gへの作動液の放出の許容及び禁止に寄与する。第3バルブ29Cは、例えば、ロジックバルブにより構成されており、パイロット圧が導入されているときは閉じられ、パイロット圧が導入されていないときは開かれる。第3バルブ29Cへのパイロット圧の導入は、例えば、第7バルブ29Gによって制御される。
なお、図1では、液圧装置9の有する代表的なバルブを例示しており、実際には、液圧装置9は不図示の他のバルブを有している。例えば、液圧装置9は、アキュムレータ25からヘッド側室13hへの作動液の放出を許容又は禁止するバルブ(ただし、第2バルブ29Bの構成を変えて対応することも可能)を有している。また、アキュムレータ25等からヘッド側室13hへの作動液の流量を制御する(メータイン回路を構成する)サーボバルブ、及び/又は、ロッド側室13rからタンク21等へ排出される作動液の流量を制御する(メータアウト回路を構成する)サーボバルブが設けられてもよい。
制御装置11は、例えば、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM及び外部記憶装置等を含んで構成されている。制御装置11は、予め記憶しているプログラムに従って、入力された信号に基づいて各部を制御するための制御信号(制御指令)を出力する。なお、制御装置11は、射出装置1の制御装置として構成されていてもよいし、射出装置1の動作だけでなく、不図示の型締装置及び不図示の押出装置の動作も制御する、ダイカストマシンDC1の制御装置として構成されていてもよい。
制御装置11に信号を入力するのは、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置35、アキュムレータ25の気体室31bの圧力(気圧)を検出する圧力センサ37、プランジャ5(ピストンロッド19)の位置を検出する不図示の位置センサである。制御装置11が信号を出力するのは、例えば、ユーザに情報を表示する表示装置39、ポンプ23を駆動する不図示の電動機(厳密にはそのドライバ)、各種のバルブ(例えば、第1バルブ29A、第6バルブ29F及び第7バルブ29G)である。
入力装置35及び表示装置39は、適宜な構成とされてよく、一部又は全部が一体的に構成されていてもよい。例えば、入力装置35及び表示装置39は、タッチパネルと機械スイッチとを含んで構成されてよい。圧力センサ37は、静電容量式、振動式等の適宜な方式のものとされてよい。
(射出装置の基本動作の概略)
以上の構成を有する射出装置1の基本動作の一例の概略を説明する。
(低速射出)
まず、不図示の型締装置によって固定金型103及び移動金型105の型締めが完了し、溶湯がスリーブ3に供給されると、制御装置11は、比較的低速でプランジャ5を前進させる。これにより、溶湯の巻き込みが抑制されつつ、スリーブ3内の溶湯がキャビティ107へ向かって押し出されていく。
具体的には、制御装置11は、例えば、ポンプ23からヘッド側室13hへ作動液を供給するように、又は、アキュムレータ25からヘッド側室13hへ作動液を供給するように液圧装置9を制御する。ロッド側室13rの作動液は、例えば、タンク21に排出され、又は、ヘッド側室13hに還流される。プランジャ5の速度は、例えば、ポンプ23の回転制御、メータイン回路、及び/又は、メータアウト回路により制御される。
(高速射出)
プランジャ5が所定の高速切換位置に到達したことが不図示の位置センサによって検出されると、制御装置11は、比較的高速でプランジャ5を前進させる。これにより、例えば、溶湯の凝固に遅れずに速やかに溶湯がキャビティ107に充填される。
具体的には、制御装置11は、例えば、低速射出においてアキュムレータ25からヘッド側室13hへ作動液を供給していなかったときは、不図示のバルブを開いてアキュムレータ25からヘッド側室13hへの作動液の供給を許容する。また、例えば、低速射出において既にアキュムレータ25からヘッド側室13hへ作動液を供給していたときは、メータイン回路及び/又はメータアウト回路を構成する不図示のバルブの開度を大きくする。ロッド側室13rの作動液は、例えば、タンク21に排出され、又は、ヘッド側室13hに還流される。プランジャ5の速度は、例えば、メータイン回路、及び/又は、メータアウト回路により制御される。
(減速、増圧及び保圧)
高速射出の結果、キャビティ107に溶湯が充填されると、プランジャ5は溶湯から反力を受けて減速する。メータイン回路、及び/又は、メータアウト回路により減速制御が行われてもよい。
その減速と概ね同時に、制御装置11は、第3バルブ29Cを開く。これにより、アキュムレータ25から後側室13gに作動液が供給され、増圧ピストン17による増圧作用が生じる。その結果、キャビティ107内の溶湯の圧力は上昇していく。ロッド側室13r及び前側室13fは、例えば、タンク21への作動液の排出が許容されている。そして、溶湯の圧力は一定の大きさ(終圧、狭義の鋳造圧力)に収束する。別の観点では、プランジャ5が溶湯から受ける力と、アキュムレータ25が作動液を介してプランジャ5に付与する力とが釣り合う。
その後、アキュムレータ25から後側室13gへ圧力が継続して付与されることにより、溶湯の圧力は一定に保たれる。すなわち、保圧される。なお、現実には、各部における作動液の漏れ等により圧力は変化するが、その大きさは微小であり、本実施形態の説明では当該変化を無視することがある。
その後、溶湯が凝固すると、不図示の型締装置による型開き、不図示の押出装置によるダイカスト品の金型からの押し出し、及び、ロッド側室13rに作動液が供給されることによるプランジャ5の後退等が行われる。また、次の成形サイクルに備えて、ポンプ23から第1バルブ29Aを介してアキュムレータ25の液体室31aに作動液が供給され、アキュムレータ25が蓄圧される。
(射出装置の各部の圧力の相互関係)
上述の基本動作の一例の説明から理解されるように、終圧は、アキュムレータ25の圧力によって決定される。既に述べたように、従来は、ダイカストマシンDC1の稼働開始時(複数の成形サイクルの開始前)にアキュムレータ25の気体室31bにおける気体の充填又は放出によって、適切な終圧が得られるようにされている。これに対して、本実施形態では、各成形サイクルにおいて、射出前にアキュムレータ25を適切な圧力まで蓄圧することにより、所望の終圧を得る。その原理は、以下に説明するような、射出装置1の各部の圧力の相互関係に基づいている。
図2は、各部の圧力の相互関係を説明するに際して必要な記号の定義を示している。具体的には、以下のとおりである。
:鋳造圧力(溶湯の圧力。終圧を指すことがある。)
:プランジャ5が溶湯から圧力を受ける面積
:ロッド側室13rの圧力
:ピストンロッド19の断面積
:ヘッド側室13hの圧力
:射出ピストン15の断面積(射出ピストン15がヘッド側室13hの作動液から圧力を受ける面積)
:小径ピストン部17aの断面積(増圧ピストン17がヘッド側室13hの作動液から圧力を受ける面積
:前側室13fの圧力
:大径ピストン部17bの断面積(増圧ピストン17が後側室13gの作動液から圧力を受ける面積
:後側室13gの圧力
:液体室31aの圧力
:気体室31bの圧力
:気体室31bの体積
後側室13g及び液体室31aは接続されているから、P=Pとみなせる。また、アキュムレータ25のピストン33は、例えば、液体室31aにおける受圧面積及び気体室31bにおける受圧面積が同等であり、P=Pとみなせる。ひいては、P=Pとみなせる。
また、溶湯が終圧に至るときには、例えば、ロッド側室13r及び前側室13fは、タンク21に接続されているから、P=0及びP=0とみなせる。
溶湯が終圧に至るときには、プランジャ5に加えられる力は釣り合うことから、下記式が成り立つ。
×A=P×A (1)
同様に、溶湯が終圧に至るときには、増圧ピストン17に加えられる力は釣り合うことから、下記式が成り立つ。
×Z=P×Z (2)
(1)式及び(2)式のPを消去するように一方の式を他方の式に代入して変形すると、気体室31bの圧力Pを鋳造圧力Pに変換する(3)式、及び、その逆に、鋳造圧力Pを気体室31bの圧力Pに変換する(4)式が得られる。
=P×(Z×A)/(Z×A) (3)
=P×(Z×A)/(Z×A) (4)
ここで、A、A、Z及びZは、射出装置1の構成によって決まり、固定値である。従って、(3)式より、アキュムレータ25の気体室31bの圧力Pによって鋳造圧力Pが決まることが理解される。逆の観点では、所望の品質を得るために必要な鋳造圧力Pに基づいて、終圧に至ったときに気体室31bに必要な圧力Pを求めることができる。
図3(a)は、気体室31bの圧力P及び体積の変化を示す模式図である。
図3(a)の紙面左側の図は、ピストン33が液体室31a側の移動限に位置している状態を示している。すなわち、全ての作動液が放出された状態(厳密には若干の作動液はある)を示している。この状態の気体室31bの圧力P及び体積VをP及びVとする。
図3(a)の紙面中央の図は、射出後(ここでいう「射出」は、増圧を含む広義の射出である。以下、特に断りがない限りは、基本的に同様とする。)の状態、すなわち、鋳造圧力Pが終圧に至っている状態を示している。なお、本実施形態では、この状態において、ピストン33は液体室31a側の移動限に到達していない。この状態の気体室31bの圧力P及び体積VをP及びVとする。
図3(a)の紙面右側の図は、射出前(低速射出前)の状態を示している。なお、当然に、この状態では、射出後の状態よりも、液体室31aの体積が大きく、気体室31bの体積が小さい。この状態の気体室31bの圧力P及び体積VをP及びVとする。
図3(a)の紙面中央の図及び紙面右側の図により示されているように、射出においてアキュムレータ25から作動液が放出されると、その放出した作動液の量に相当する体積で気体室31bの体積は増加する。この体積の増加分(放出した作動液の体積)をV(=V−V)とする。
体積Vは、アキュムレータ25の構成によって決まる固定値である。圧力Pは、体積V及び気体室31bに充填された気体の量によって決定される。すなわち、成形サイクルにおいては、気体室31bからの気体の漏れ等を無視すれば、圧力Pは固定値である。
気体室31bの圧力Pと体積Vとの積は、ピストン33の移動前後で概ね一定とみなすことができる。従って、任意の位置にピストン33が位置するときの圧力P及び体積Vについて、下記式が成り立つ。
×V=P×V (5)
射出後の圧力Pは、終圧に至るときの圧力であるから、(4)式より、Pを終圧として、下記式で表わされる。
=P×(Z×A)/(Z×A) (6)
また、射出後の体積Vは、(5)式より、下記式で表わされる。
=V×P/P (7)
射出前の圧力Pは、(5)式より、下記式で表わされる。
=P×V/V (8)
また、射出前の体積Vは、既に述べたとおり、下記式で表わされる。
=V−V (9)
体積Vは、主として、低速射出及び高速射出においてヘッド側室13hに供給される作動液の量、及び、増圧において後側室13gに供給される作動液の量に相当し、例えば、スリーブ3に供給される溶湯の量、及び、増圧開始タイミング等によって決定される。体積Vは、理想的には、一の金型101に対して繰り返される成形サイクルについて固定値である。体積Vは、例えば、ビスケット厚の目標値等が算出乃至は設定されれば、射出における射出ピストン15のストロークと射出ピストン15の断面積Aとの積から概算値を求めることができる。
(6)式において、Z、A、Z及びAは固定値であり、射出後の圧力Pは、所望の鋳造圧力(終圧)Pに基づいて算出できる。(7)式において、V及びPは、既に述べたように固定値であり、圧力Pは(6)式により算出できるから、結局、体積Vは、所望の鋳造圧力Pに基づいて算出できる。(9)式において、体積Vは、(7)式により算出でき、体積Vは、概算値を算出できるから、結局、体積Vは、所望の鋳造圧力Pに基づいて算出できる。従って、(8)式において、圧力P、体積V及び体積Vは、所望の鋳造圧力Pに基づいて算出でき、ひいては、射出前の圧力Pは、所望の鋳造圧力Pに基づいて算出できる。
そこで、制御装置11は、鋳造圧力P(終圧)の目標値を入力装置35により受け付け、その入力された鋳造圧力の目標値に基づいて射出前の圧力Pを算出する。そして、射出前に、気体室31bの圧力が射出前の圧力Pに到達するまで、ポンプ23からアキュムレータ25へ作動液を供給する。これにより、アキュムレータ25の気体室31bに対する気体の充填及び/又は放出を行わなくても、所望の鋳造圧力を得ることができる。
制御装置11は、例えば、(6)式、(7)式、(9)式及び(8)式の計算を順次行っていくことにより、射出前の圧力P(の目標値)を算出してもよいし、(6)式、(7)式、(9)式及び(8)式から導き出される一つの式を計算することにより、射出前の圧力Pを算出してもよい。なお、本実施形態の説明では、両者を特に区別しないことがある。他の式についても、一つの式の計算と、その式の計算と実質的に同一の複数の式の計算とを特に区別しないことがある。
図3(b)は、鋳造圧力(終圧)Pの下限値を説明するための模式図である。
気体室31bの圧力Pの下限値は、ピストン33が液体室31a側の移動限に位置しているときの圧力Pである。一方、圧力Pの成形サイクルにおける最小値は、射出後の圧力Pである。従って、射出後の圧力Pは、圧力P以上でなければならない。この条件から、鋳造圧力Pの下限値PCminが規定される。
具体的には、(3)式において、P=P>Pとすることにより、下記式が得られる。
≧PCmin
Cmin=P×(Z×A)/(Z×A) (10)
この圧力PCminを作業者に提示し、及び/又は、作業者が設定した鋳造圧力Pの目標値がPCmin以上であるか否かをチェックすることにより、適切に鋳造圧力Pの目標値を設定することができる。
図3(c)は、鋳造圧力(終圧)Pの上限値を説明するための模式図である。
気体室31bの圧力Pの上限値Pmaxは、例えば、アキュムレータ25の構造に基づいてアキュムレータ25の製造者等において設定されている。なお、この上限値Pmaxは、例えば、アキュムレータ25に印字された情報、又は、アキュムレータ25のパンフレット、仕様書若しくは説明書から把握できる。一方、圧力Pの成形サイクルにおける最大値は、射出前の圧力Pである。従って、射出後の圧力Pは、圧力Pmax以下でなければならない。この条件から、鋳造圧力Pの上限値PCmaxが規定される。
具体的には、まず、(5)式より、下記式が成り立つ。
=V×P/P (11)
また、(9)式及び(8)式の逆算の式として、下記式が成り立つ。
=V+V (12)
=P×V/V (13)
従って、(11)式において、V及びPは固定値であるから、P=Pmaxとすれば、上限値Pmaxのときの体積V(以下、体積Vminということがある。)を算出できる。(12)式において、Vは概算値が得られ、また、VはVminとして(11)式で得られるから、結局、圧力Pmaxに基づいて圧力Pmaxに対応する射出後の体積Vを算出できる。(13)式において、圧力P、体積V及び体積Vを、圧力Pmax、体積Vmin、圧力Pmaxに対応する体積Vとすれば、圧力Pmaxに対応する圧力Pを算出することができる。そして、(3)式において圧力Pとして、圧力Pmaxに対応する圧力Pを用いれば、鋳造圧力Pcの上限値PCmaxを求めることができる。
制御装置11は、例えば、(11)式、(12)式、(13)式及び(3)式の計算を順次行っていくことにより、上限値PCmaxを算出してもよいし、(11)式、(12)式、(13)式及び(3)から導き出される一つの式を計算することにより、上限値PCmaxを算出してもよい。なお、例えば、上限値PCmaxを圧力Pmax及び体積Vminにより示すと、以下のようになる。
≦PCmax
Cmax=Pmax×Vmin/(Vmin+V)×(Z×A)/(Z×A
(14)
圧力PCminと同様に、圧力PCmaxを作業者に提示し、及び/又は、作業者が設定した鋳造圧力Pの目標値がPCmax以下であるか否かをチェックすることにより、適切に鋳造圧力Pの目標値を設定することができる。
図3(a)において示すように、射出装置1は、初期動作を行い、その後、成形サイクルを繰り返す。初期動作では、例えば、圧力P及びPを取得するための処理を行う。成形サイクルでは、初期動作で取得した圧力Pに基づいてアキュムレータ25の充填を行う。
図4は、初期動作で射出装置1(制御装置11)が実行する初期処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、作業者が入力装置35に対して、成形条件を設定するための所定の操作を行うことにより開始される。
ステップST1では、制御装置11は、第1バルブ29Aによって液体室31aとタンク21とを接続し、アキュムレータ25の作動液の全放出を行う。これにより、アキュムレータ25は、図3(a)の紙面左側に示したように、ピストン33が液体室31a側の移動限に位置する状態となる。
ステップST2では、制御装置11は、圧力センサ37の検出値を取得し、これを圧力Pとして保持する。なお、制御装置11は、例えば、アキュムレータ25の全放出が完了したか否か判定し、完了したと判定したときに圧力Pを取得する。ただし、作業者がアキュムレータ25の全放出完了を判断し、入力装置35を介して圧力Pの取得を制御装置11に指示してもよい。アキュムレータ25の全放出完了は、例えば、圧力センサ37の検出する圧力が一定値に収束したこと、及び/又は、アキュムレータ25の放出を開始してから所定の時間が経過したことなどにより判断されてよい。
なお、ステップST1とステップST2との間において、気体室31bの気体の放出及び/又は充填が行われてもよい。ただし、そのような気体の充填量の調整は、本実施形態では必須のものではない。
ステップST3では、制御装置11は、ステップST2で取得した圧力P、並びに、予め保持している面積Z、A、Z及びAを(10)式に代入して、鋳造圧力の下限値PCminを算出する。また、制御装置11は、ステップST2で取得した圧力P、並びに、予め保持している、圧力Pmax、体積V及びV、面積Z、A、Z及びAを(11)〜(13)及び(3)式に代入して、鋳造圧力の上限値PCmaxを算出する。すなわち、鋳造圧力を設定可能な範囲を算出する。
なお、制御装置11が予め保持しておく値は、射出装置1の製造者によって入力されていてもよいし、射出装置1の作業者によって入力されていてもよい。後述する他の値についても同様である。射出前後の気体室31bの体積の変化量である体積Vは、この初期処理において、ステップST3の前に、作業者が入力してもよいし、入力装置35を介して制御装置11に入力された種々の成形条件(例えばビスケット厚)に基づいて制御装置11が算出してもよい。
ステップST4では、制御装置11は、ステップST3で算出した鋳造圧力を設定可能な範囲を表示装置39に表示させる。
ステップST5では、制御装置11は、入力装置35を介して、作業者の鋳造圧力の目標値の設定を受け付ける。
ステップST6では、制御装置11は、ステップST5で設定された鋳造圧力の目標値がステップST3で算出した範囲内か否か判定する。そして、制御装置11は、範囲内であると判定したときは、ステップST7に進み、範囲内でないと判定したときは、ステップST5に戻り、鋳造圧力の目標値が適切でない旨を表示装置39に表示させるとともに、再度、鋳造圧力の目標値の設定を受け付ける。
ステップST7では、制御装置11は、ステップST5で設定された鋳造圧力の目標値、並びに、予め保持している面積Z、A、Z及びAを(6)式に代入して、射出後の圧力P(目標値)を算出する。
ステップST8では、制御装置11は、ステップST7で算出した射出後の圧力P、ステップST2で取得した圧力P、並びに、予め保持している体積V及びVを(7)式、(9)式及び(8)式に代入して、射出前の圧力P(目標値)を算出する。なお、既に述べたように、予め一つに纏められた数式にステップST5で設定された鋳造圧力の目標値が代入されて、射出前の圧力Pが算出されてもよい。
図5は、成形サイクルにおいて射出装置1(制御装置11)が実行する成形サイクル時処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、作業者が入力装置35に対して、成形サイクルを開始するための所定の操作を行うことにより開始される。
ステップST11では、制御装置11は、第1バルブ29Aによってポンプ23と液体室31aとを接続する。これにより、ポンプ23から液体室31aに作動液が充填され、アキュムレータ25が蓄圧される。なお、ポンプ23は、既に述べたように、複数サイクルに亘って駆動されていてもよいし、このような必要時にのみ駆動されてもよい。
ステップST12では、制御装置11は、圧力センサ37の検出する気圧がステップST8で算出した射出前の圧力P(目標値)に到達したか否か判定する。そして、制御装置11は、到達していないと判定したときは、ステップST11に戻って作動液の充填を継続する。また、制御装置11は、到達したと判定したときは、第1バルブ29Aを中立位置にし、アキュムレータ25における作動液の充填及び放出のいずれも禁止する(ステップST13)。
なお、本実施形態では、気体室31bの圧力を圧力センサ37によって直接に検出し、制御弁(第1バルブ29A)によってアキュムレータ25の蓄圧を停止していることから、圧力Pの目標値と実際の値とは概ね一致しているとみなされてよい。以下では、両者を区別しないことがある。
ステップST14では、制御装置11は、既に説明したように、低速射出、高速射出、増圧及び保圧等を行う。
ステップST15では、制御装置11は、圧力センサ37の検出値を射出後の圧力Pの実測値として取得する。なお、図5では、便宜上、ステップST14の完了後にステップST15が実行されるように記載されているが、圧力Pの実測値は、溶湯の圧力Pが終圧に至ったとき若しくは保圧が行われているときなどに取得されてもよい。
溶湯の圧力Pが終圧に至ったか否かは、例えば、溶湯の圧力Pが(概ね)一定値に収束したか否かによって判断されてよい。溶湯の圧力Pは、例えば、ヘッド側室13hの圧力を検出する不図示の圧力センサによって(間接的に)検出されてもよいし、これに加えてロッド側室13rの圧力を検出する不図示の圧力センサの検出値が考慮されてもよいし、溶湯の圧力を直接に検出する不図示の圧力センサによって検出されてもよい。
ステップST16では、ステップST15で取得した射出後の圧力Pの実測値に基づいて、射出前の圧力Pの目標値を設定(修正)する。例えば、まず、ステップST7で算出した圧力Pの目標値と、ステップST15で取得した圧力Pの実測値との差ΔP(=目標値−実測値)を算出する。次に、圧力Pの目標値+差ΔPを圧力Pの新たな目標値とし、この値を(7)、(9)及び(8)式に代入することにより、射出前の圧力Pの新たな目標値を算出する。この圧力Pの新たな目標値は、次の成形サイクルのステップST12で用いられる。
このような修正を行うことにより、例えば、作動液の漏れ等に起因する射出後の圧力Pの実測値の目標値からのずれを修正し、より好適に所望の鋳造圧力Pを得ることができる。また、例えば、成形サイクルの開始当初において体積V等について概算値が入力されていても、成形サイクルを繰り返すことにより、所望の鋳造圧力を得ることができる。
なお、差ΔPが所定の許容範囲内か否か判定し、許容範囲内でないと判定したときにのみ、射出前の圧力Pの目標値を修正するようにしてもよい。また、現成形サイクルまでの複数回の成形サイクルにおける差ΔPの平均値に基づいて射出前の圧力Pの目標値を修正するようにしてもよい。
また、差ΔPを用いるのではなく、射出前後における気体室31bの圧力のドロップ率Dを求め、このドロップ率Dを用いて射出前の圧力Pの目標値の修正がなされてもよい。なお、ドロップ率は、下記式により表わされる。
=(P−P)/P (15)
その後、制御装置11は、ステップST11に戻る。すなわち、次の成形サイクルが行われる。
以上のとおり、本実施形態では、射出装置1は、プランジャ5を駆動する射出シリンダ7と、射出シリンダ7に作動液を供給する気体圧式のアキュムレータ25と、アキュムレータ25に作動液を供給する作動液供給装置26(ポンプ23と第1バルブ29Aとの組み合わせ)と、アキュムレータ25の気圧を検出する圧力センサ37と、成形サイクルにおいて、作動液供給装置26からアキュムレータ25へ作動液を供給している状態で、圧力センサ37の検出値が所定の射出前目標気圧(圧力Pの目標値)に到達したときに、その作動液の供給を停止するように作動液供給装置26を制御する制御装置11と、を有している。
従って、成形サイクルにおいて、直接的に気体室31bの圧力を検出し、気体室31bの圧力を鋳造圧力Pの目標値に応じたものとすることができる。その結果、例えば、鋳造圧力Pの目標値が変わっても、アキュムレータの放出又は充填を行う必要はない。すなわち、作業者の負担が軽減される。なお、特許文献1では、気体室の圧力を検出する圧力センサが開示されているが、このような圧力センサは、一般に、気体の放出及び充填において用いられ、成形サイクルにおける作動液の供給による蓄圧には用いられない。一般に、成形サイクルにおいてアキュムレータの蓄圧状態は、作動液の圧力の検出によって判断される。
また、本実施形態では、制御装置11は、鋳造圧力(終圧)Pの目標値の入力を受け付ける入力装置35を更に有している。アキュムレータ25は、作動液と気体とを隔てるピストン33を有している。制御装置11は、鋳造圧力Pの目標値に基づいて射出前目標気圧(圧力Pの目標値)を設定する(ステップST8)。別の観点では、射出装置1では、入力された鋳造圧力Pの目標値に応じて、アキュムレータ25の射出前の気体の圧力Pが変化する。
従って、作業者が自ら鋳造圧力Pに応じた圧力Pの目標値を計算等する態様(この態様も本願発明に含まれる)に比較して、作業者の負担が軽減される。アキュムレータ25がシリンダ型であることから、プラダ型等である態様(この態様も本願発明に含まれる)に比較して、制御装置11の計算手順は明確であり、また、具体的な構成(寸法及び強度など)が異なるアキュムレータ25への適用も容易である。
また、本実施形態では、制御装置11は、プランジャ5が溶湯から受ける圧力Pをアキュムレータ25の気体の圧力Pに変換する数式((4)式)により得られる圧力Pを、気体室31bの圧力がPのアキュムレータ25に体積Vの作動液を供給したときの気体室31bの圧力Pを算出する数式((7)式、(9)式及び(8)式)における圧力Pに代入する数式((6)〜(9)式の組み合わせ。纏められて一の式でもよい。)において、入力装置35を介して入力された終圧の目標値を圧力Pに代入して、射出前目標圧力としての圧力Pを算出する。
従って、所望の鋳造圧力Pから簡便にアキュムレータ25の射出前における気体室31bの圧力Pの目標値が算出される。この計算に用いられる変数の値は、所望の鋳造圧力P以外の値については、本実施形態では略固定値である。従って、作業者の負担が軽減される。
また、本実施形態では、制御装置11は、プランジャ5が溶湯から受ける圧力Pをアキュムレータ25の気体の圧力Pに変換する数式((4)式)における圧力Pに、入力装置35を介して入力された終圧の目標値を代入し、射出後目標気圧(圧力Pの目標値)としての圧力Pを算出し、その算出した射出後目標気圧と、射出後の圧力センサ37の検出値(圧力Pの実測値)とに基づいて、次の成形サイクルの射出前目標気圧を設定する(ステップST16)。
従って、既に述べたように、作動液の漏れ等による変化に対応して適切にアキュムレータ25の圧力を調整したり、初期設定における種々の値のずれを吸収して所望の鋳造圧力を得たりすることができる。
また、本実施形態では、制御装置11は、アキュムレータ25の気体の圧力Pをプランジャ5が溶湯から受ける圧力Pに変換する数式((3)式)における圧力Pに、アキュムレータ25から作動液を全放出した状態での圧力センサ37の検出値(圧力P)を代入して、最小終圧(最小鋳造圧力PCmin)としての圧力Pを算出し(ステップST3)、入力装置35により受け付けた終圧(鋳造圧力Pc)の目標値が最小終圧以上であるか否か判定する(ステップST6)。
従って、例えば、制御装置11が、受け付けた鋳造圧力Pcの目標値が最小鋳造圧力PCminよりも小さいときに、その旨を作業者に報知したり、受け付けた鋳造圧力Pcの目標値が最小鋳造圧力PCmin以上のときのみ、成形サイクルを開始したりすることにより、作業者の負担が軽減される。また、不良品が製造されるおそれも低減される。
また、本実施形態では、制御装置11は、アキュムレータ25から体積Vの作動液を放出することにより気体室31bの圧力Pが圧力Pになる場合における圧力Pから圧力Pを算出する数式((11)式、(12)式及び(13)式)により得られる圧力Pを、アキュムレータ25の気体室31bの圧力Pをプランジャ5が成形材料から受ける圧力Pに変換する数式((3)式)の圧力Pに代入する数式((11)式、(12)式、(13)式及び(3)式の組み合わせ。一の式に纏められていてもよい。)において、圧力Pに、入力装置35から入力された値又は当該制御装置が保持している一定の値(Pmax)を代入して、最大終圧(最大鋳造圧力PCmax)としての圧力Pを算出し(ステップST3)、入力装置35を介して入力された終圧の目標値が最大終圧以下であるか否か判定する(ステップST6)。
従って、例えば、最小鋳造圧力PCminに係る動作と同様に、制御装置11が、受け付けた鋳造圧力Pcの目標値が最大鋳造圧力PCmaxよりも大きいときに、その旨を作業者に報知したり、受け付けた鋳造圧力Pcの目標値が最大鋳造圧力PCmax以下のときのみ、成形サイクルを開始したりすることにより、作業者の負担が軽減される。また、不良品が製造されるおそれ、及び、アキュムレータ25に過大な負荷がかかるおそれが低減される。
また、本実施形態では、作動液供給装置26は、アキュムレータ25に作動液を供給するポンプ23と、ポンプ23からアキュムレータ25への作動液の流れを許容又は禁止する制御弁(第1バルブ29A)と、を有している。制御装置11は、成形サイクルにおいて、ポンプ23からアキュムレータ25へ作動液を供給している状態で、圧力センサ37の検出値が射出前目標気圧(圧力Pの目標値)に到達したときに、第1バルブ29Aによりポンプ23からアキュムレータ25への作動液の流れが禁止されるように作動液供給装置26を制御する。
従って、気体室31bの圧力が目標値に到達したときに、第1バルブ29Aによって、速やかにアキュムレータ25の蓄圧を停止して、射出前の圧力Pを目標値とすることができる。圧力センサ37によって気体室31bの圧力を直接的に検出していることと相俟って、より正確に所望の鋳造圧力Pを得ることができる。
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係るダイカストマシンDC201の要部構成を示す模式図である。
ダイカストマシンDC201の射出装置201は、特許文献2に記載の射出装置と同様に、増圧中の適宜な時期にロッド側室13rからの作動液の排出を禁止する。これに伴い、第1実施形態の数式は適宜に変形される。その他は、第1実施形態と同様である。具体的には、以下のとおりである。
射出装置201の液圧装置209は、第4流路27Dに設けられ、ロッド側室13rからの作動液の排出を許容又は禁止可能な第4バルブ29Dを有している。本実施形態では、第4バルブ29Dは、第4流路27Dと第5流路27Eとの共用部分に設けられており、ロッド側室13rからの作動液の排出の許容又は禁止とともに、前側室13fからの作動液の排出の許容又は禁止も行われる。第4バルブ29Dは、例えば、方向制御弁により構成されており、より具体的には、例えば、スプリング及び電磁石によって駆動される2ポート2位置切換弁により構成されている。
第4バルブ29Dは、第4流路27Dと第5流路27Eとの共用部分に設けられ、増圧においてロッド側室13rと前側室13fとの接続は維持されるから、第1実施形態と同様に、P=P(以下、両者を代表してPを用いることがある。)である。ただし、溶湯が終圧に至る前に、第4バルブ29Dによってロッド側室13r及び前側室13fからの作動液の排出が禁止されることから、溶湯が終圧に至ったとき、P≠0である。
従って、溶湯が終圧に至るときにおける、プランジャ5に加えられる力の釣り合いの式は、下記のようになる。
×A=P×A−P×(A−A) (1)′
また、溶湯が終圧に至るときにおける、増圧ピストン17に加えられる力の釣り合いの式は、下記のようになる。
×Z=P×Z+P×(Z−Z) (2)′
第1実施形態において(1)式及び(2)式から(3)式及び(4)式を導いたのと同様に、(1)′式及び(2)′式に基づいて、気体室31bの圧力Pを鋳造圧力Pに変換する式、及び、その逆に、鋳造圧力Pを気体室31bの圧力Pに変換する式が得られる。その式では、射出装置201の構成によって決まる固定値(A、A、A、Z及びZ)の他、圧力Pが含まれるが、この圧力Pを適宜に設定すれば、第1実施形態と同様に、鋳造圧力Pから射出前の圧力Pの目標値を算出することができる。
圧力Pは、例えば、入力装置35を介して入力されてもよいし、制御装置11により圧力P及び/又はPmaxに基づいて所定の数式に基づいて算出されてもよい。また、鋳造圧力Pの目標値の入力後に、その目標値に基づいて算出されてもよい。射出装置201は、例えば、ロッド側室13rの圧力を検出する不図示の圧力センサを有し、増圧においては、その圧力センサの圧力が、設定された圧力Pに到達したときに、第4バルブ29Dによってロッド側室13r及び前側室13fからの作動液の排出を禁止する。
また、第1実施形態の(5)式、(7)〜(9)式及び(11)〜(13)式は、第2実施形態においても同様である。また、第1実施形態の(6)式、(10)式及び(14)式に相当する式については、(1)′式及び(2)′式から得られる上述の変換式に基づいて第1実施形態と同様に導けばよい。
<第3実施形態>
図7は、本発明の第3実施形態に係るダイカストマシンDC301の要部構成を示す模式図である。
ダイカストマシンDC301の射出装置301は、射出シリンダ207の増圧部の構成が第1実施形態と相違する。具体的には、射出シリンダ207のシリンダ部213においては、増圧シリンダ部213bは、断面一定の円筒とされている。そして、増圧ピストン217の小径ピストン部217aは、射出ピストン15と同径とされ、射出シリンダ部213aの後端に摺動可能に挿入されている。すなわち、射出シリンダ部213aの後端部分が、第1実施形態における小径シリンダ部13baを兼ねている。
なお、射出ピストン15が射出シリンダ部213aの内部をロッド側室213rとヘッド側室213hとに区画していること、増圧ピストン217の大径ピストン部217bが増圧シリンダ部213b(第1実施形態の大径シリンダ部13bbに相当)の内部を前側室213fと後側室213gとに区画している点は、第1実施形態と同様である。
この構成においては、A=Zである。従って、第1実施形態の(3)式及び(4)式は、以下のように簡略化される。
=P×Z/A (3)″
=P×A/Z (4)″
同様に、他の式も簡略化される。
なお、第1実施形態を元に第3実施形態について説明したが、増圧時にロッド側室13rの作動液の排出を禁止する第2実施形態の液圧装置209と、第3実施形態の射出シリンダ307とが組み合わされてよい。この場合も、A=Zによって数式は簡略化される。
<第4実施形態>
図8は、本発明の第4実施形態に係るダイカストマシンDC401の要部構成を示す模式図である。
第1実施形態では、アキュムレータ25は、(狭義の)射出及び増圧の双方に利用された。これに対して、本実施形態のダイカストマシンDC401の射出装置401では、射出用アキュムレータ25Aと、増圧用アキュムレータ25Bとが設けられている。
射出用アキュムレータ25Aは、第2バルブ29Bを介してヘッド側室13hに作動液を供給可能である。また、射出用アキュムレータ25Aは、ポンプ23、及び、第1実施形態の第1バルブ29Aと同様のバルブ29A−1からなる作動液供給装置26−1により蓄圧される。
増圧用アキュムレータ25Bは、第3バルブ29Cを介して後側室13gに作動液を供給可能である。また、増圧用アキュムレータ25Bは、ポンプ23、及び、第1実施形態の第1バルブ29Aと同様のバルブ29A−2からなる作動液供給装置26−2により蓄圧される。
射出装置401は、例えば、低速射出及び高速射出においては、射出用アキュムレータ25Aからヘッド側室13hへの作動液の流れを許容するとともに、増圧用アキュムレータ25Bから後側室13gへの作動液の流れを第3バルブ29Cにより禁止する。その後、射出装置401は、射出用アキュムレータ25Aからヘッド側室13hへの作動液の流れを不図示のバルブによって禁止するとともに、増圧用アキュムレータ25Bから後側室13gへの作動液の流れを許容する。そして、プランジャ5が溶湯から受ける力と、増圧用アキュムレータ25Bが射出シリンダ7を介してプランジャ5に加える力とが釣り合うことにより、溶湯の圧力は一定値に収束する(終圧に至る)。
このような構成においても、例えば、鋳造圧力Pの目標値に応じて増圧用アキュムレータ25Bの射出前の圧力Pの目標値を算出し、その目標値まで増圧用アキュムレータ25Bを蓄圧することにより、所望の鋳造圧力Pを得ることができる。なお、第1実施形態を元に第4実施形態について説明したが、第2及び第3実施形態又はその組み合わせにおいて、射出用アキュムレータ25Aと増圧用アキュムレータ25Bとが設けられてもよい。
以上の実施形態において、ダイカストマシンDC1、DC201、DC301及びDC401は成形装置の一例であり、溶湯は成形材料の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、プラスチック射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、射出装置は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、横型締縦射出、縦型締横射出であってもよい。作動液は、油に限定されず、例えば水でもよい。
射出装置は、射出及び増圧を含む全工程を液圧によって行うものに限定されない。例えば、低速射出は、電動機の駆動力が作動液を介さずにプランジャに伝達されることによって行われてもよい。すなわち、射出装置は、全液圧式でなく、いわゆるハイブリッド式であってもよい。
射出シリンダは、増圧式のものに限定されず、射出シリンダ部と射出ピストンのみを有するものであってもよい。この場合、プランジャの力の釣り合いの式は、P×A=P×Aとなるから、実施形態の(3)式及び(4)式に相当する式は、以下のようになる。
=P×A/A (3a)
また、(3)式および
=P×A/A (4a)
なお、数式の上では、第1実施形態においてZ/Z=1と置き換えたことに相当する。第1実施形態における、他の式に相当する式は、(3)式及び(4)式に代えて、(3a)式及び(4a)式を用いて、第1実施形態と同様に導けばよい。
また、増圧式の射出シリンダは、直結形のものに限定されず、射出シリンダ部と増圧シリンダ部とが互いに離間するとともに流路によって接続されているものであってもよい。また、増圧式の射出シリンダにおいて、ロッド側室と前側室とは同圧とされなくてもよい。この場合の各式も、実施形態と同様に導くことが可能である。
第1実施形態のように増圧シリンダ部(13b)が小径シリンダ部(13ba)と大径シリンダ部(13bb)とを有する場合、大径シリンダ部の径が小径シリンダ部の径よりも大きければ増圧作用は得られるのであり、射出シリンダ部の径と増圧シリンダ部の径との関係は、適宜に設定されてよい。例えば、大径シリンダ部の径は、射出シリンダ部13aの径と同一であってもよいし、小さくてもよい。
アキュムレータは、気体の圧縮によって作動液を放出する力を得るもの(広義の気体圧式)であればよく、シリンダ型のものに限定されない。例えば、アキュムレータは、プラダ型であってもよいし、気体と作動液とが接するもの(狭義の気体圧式)であってもよい。また、シリンダ型のアキュムレータは、ピストンの気体室における受圧面積と、液体室における受圧面積とが異なるものであってもよい。
アキュムレータに作動液を供給する構成は、ポンプ及び制御弁の組み合わせに限定されない。例えば、シリンダのピストンを電動機によって駆動して、シリンダからアキュムレータに作動液を供給してもよい。また、制御弁の開閉ではなく、ポンプの回転及びその停止、又は、上記のピストンの移動及び停止によって、作動液の供給量が制御されてもよい。
数式は、実施形態において例示したものに限定されない。例えば、温度の影響等を加味した数式が利用されてもよい。
1…射出装置、5…プランジャ、7…射出シリンダ、11…制御装置、25…アキュムレータ、26…作動液供給装置、37…圧力センサ。

Claims (9)

  1. プランジャを駆動する射出シリンダと、
    前記射出シリンダに作動液を供給する気体圧式のアキュムレータと、
    前記アキュムレータに作動液を供給する作動液供給装置と、
    前記アキュムレータの気圧を検出する圧力センサと、
    成形サイクルにおいて、前記作動液供給装置から前記アキュムレータへ作動液を供給している状態で、前記圧力センサの検出値が所定の射出前目標気圧に到達したときに、その作動液の供給を停止するように前記作動液供給装置を制御する制御装置と、
    を有する射出装置。
  2. 成形材料の終圧の目標値の入力を受け付ける入力装置を更に有し、
    入力された前記終圧の目標値の変化に応じて前記アキュムレータの射出前の気体の圧力が変化する
    請求項1に記載の射出装置。
  3. 前記アキュムレータは、作動液と気体とを隔てるピストンを有し、
    前記制御装置は、入力された前記終圧の目標値に基づいて前記射出前目標気圧を設定する
    請求項2に記載の射出装置。
  4. 前記制御装置は、前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pを前記アキュムレータの気体室の圧力Pに変換する数式により得られる前記圧力Pを、前記気体室の圧力がPの前記アキュムレータに体積Vの作動液を供給したときの前記気体室の圧力Pを算出する数式における前記圧力Pに代入する数式において、入力された前記終圧の目標値を前記圧力Pに代入して、前記射出前目標圧力としての前記圧力Pを算出する
    請求項3に記載の射出装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pを前記アキュムレータの気体室の圧力Pに変換する数式における前記圧力Pに、入力された前記終圧の目標値を代入し、射出後目標気圧としての前記圧力Pを算出し、
    その算出した前記射出後目標気圧と、射出後の前記圧力センサの検出値とに基づいて、次の成形サイクルの前記射出前目標気圧を設定する
    請求項3又は4に記載の射出装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記アキュムレータの気体室の圧力Pを前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pに変換する数式における前記圧力Pに、前記アキュムレータから作動液が全放出された状態での前記圧力センサの検出値を代入して、最小終圧としての前記圧力Pを算出し、
    入力された前記終圧の目標値が前記最小終圧以上であるか否か判定する
    請求項3〜5のいずれか1項に記載の射出装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記アキュムレータから体積Vの作動液を放出することにより気体室の圧力Pが圧力Pになる場合における圧力Pから圧力Pを算出する数式により得られる前記圧力Pを、前記アキュムレータの気体の圧力Pを前記プランジャが成形材料から受ける圧力Pに変換する数式の前記圧力Pに代入する数式において、前記圧力Pに、前記入力装置から入力された値又は当該制御装置が保持している一定の値を代入して、最大終圧としての前記圧力Pを算出し、
    入力された前記終圧の目標値が前記最大終圧以下であるか否か判定する
    請求項3〜6のいずれか1項に記載の射出装置。
  8. 前記作動液供給装置は、
    前記アキュムレータに作動液を供給するポンプと、
    前記ポンプから前記アキュムレータへの作動液の流れを許容又は禁止する制御弁と、を有し、
    前記制御装置は、成形サイクルにおいて、前記ポンプから前記アキュムレータへ作動液を供給している状態で、前記圧力センサの検出値が前記射出前目標気圧に到達したときに、前記制御弁により前記ポンプから前記アキュムレータへの作動液の流れが禁止されるように前記作動液供給装置を制御する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出装置を備えた成形装置。
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