JP6868654B2 - 射出成形方法及び射出成形機 - Google Patents

射出成形方法及び射出成形機 Download PDF

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Description

本発明は、特定の成形方式により成形を行う際に用いて好適な射出成形方法及び射出成形機に関する。
従来、一般に広く知られている射出成形方法は、型締装置により所定の型締力で型締された固定型と可動型からなる金型に対して、射出装置により所定の射出圧力で樹脂を射出充填することにより成形を行うが、このような一般的な射出成形方法は、基本的に、型締装置の型締条件を固定条件として設定し、これに基づいて、射出装置の射出条件を設定するため、射出条件を正確かつ的確に設定した場合であっても、金型に充填された樹脂は、金型や型締機構における温度変動等の影響を受けるとともに、最終的な成形品の品質及び均質性も影響を受けやすい難点がある。また、成形条件は、主に射出装置側で設定するため、射出速度,速度切換位置,速度圧力切換位置,射出圧力,保圧力等の正確性の要求される射出条件をはじめ、正確な計量が要求される計量値等の計量条件を含む各種成形条件を設定する必要があり、成形条件に対する設定作業が容易でないとともに、成形時における動作制御も煩雑化し、しかも、通常、射出速度に対する多段の制御や保圧に対する制御などの一連の制御が行われるため、成形サイクル時間が長くなる傾向があり、成形サイクル時間の短縮化、更には量産性を高めるには限界があった。
そこで、本出願人は、既に、これらの問題を解消する好適な射出成形機の成形方法を特許文献1により提案した。同文献1の成形方法は、成形品の高度の品質及び均質性を確保するとともに、成形条件の設定の容易化、更には成形サイクル時間の短縮により量産性を高めることを目的としたものであり、具体的には、型締装置として少なくとも金型内の樹脂の固化に伴って樹脂の自然圧縮が可能となる型締装置を使用し、予め、射出充填時に可動型と固定型間に所定の型隙間が生じ、かつ良品成形可能な成形射出圧力と成形型締力を求めて設定するとともに、生産時に、成形型締力により型締装置を型締し、かつ成形射出圧力をリミット圧力として設定し、射出装置を駆動して金型に対する樹脂の射出充填を行った後、所定の冷却時間の経過後に成形品の取出しを行うようにしたものである。
国際公開WO2011/161899号公報
しかし、上述した特許文献1における射出成形機の成形方法は、次のような解決すべき課題も残されていた。
第一に、成形射出圧力を設定して樹脂の射出を行うため、金型に対する樹脂の充填速度が成形射出圧力により制限される。したがって、小型又は中型の成形品のように金型内における樹脂の流動長が比較的短い成形品の場合には問題を生じないが、大型成形品、即ち、自動車部品であるドアやバンパ等の幅サイズが1〔m〕程度、或いはそれ以上の大型成形品では成形が困難となる課題が存在した。例えば、図11に示すような幅サイズが1〔m〕程度の大型成形品100の場合、金型内に射出充填された樹脂は、キャビティの末端まで流れる前に固化が始まり、図11に示すように、末端一部分100sにショート不良が発生してしまう。このため、例示のような大型成形品100については、事実上、成形が困難或いは良好な成形を行いにくい側面があった。
第二に、大型成形品100については、従来の一般的な射出成形方法、即ち、射出装置側における成形条件を、高速及び高圧により充填可能になるように設定した射出成形方法により成形することも可能であるが、この場合、ショート不良は回避されるとしても、反面、大量で広範囲のバリ発生、更には金型の破損を招く虞れがある。このため、小型成形品から大型成形品までの幅広いサイズの成形品に対して高品質で良好な成形を実現できる新たな或いは改良された射出成形方法の実用化が要請されていた。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形方法及び射出成形機の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形方法は、上述した課題を解決するため、型締装置Mcにより所定の型締力で型締された固定型2cと可動型2mからなる金型2に対して、射出装置Miにより所定の射出圧力で樹脂Rを射出充填して成形を行うに際し、少なくとも金型2の内部の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rに対する自然圧縮が可能となる型締装置Mcを使用し、予め、射出充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に所定の隙間となるパーティング開量Lmが生じ、かつ良品成形可能な射出圧力となる成形射出圧力Pi及び良品成形可能な型締力となる成形型締力Pcを求めることにより特定成形条件Dcとして設定するとともに、当該特定成形条件Dcにより設定する射出速度よりも高速となる射出開始からの高速射出速度Vf及びこの高速射出速度Vfを継続させる高速射出区間Zfを高速射出条件Dfとして設定し、かつ当該高速射出区間Zfの終了をパーティング開量Lmの大きさに対する切換判定値Lmsにより設定し、成形時に、成形型締力Pcにより型締し、かつ成形射出圧力Piをリミット圧力Psに設定するとともに、射出開始から高速射出条件Dfにより金型2に樹脂Rを射出充填し、かつパーティング開量Lmを検出することにより、検出したパーティング開量Lmの大きさが切換判定値Lmsに達したなら、特定成形条件Dcに切換え、特定成形条件Dcによる樹脂Rの射出充填を行った後、所定の冷却時間が経過したなら金型2から成形品Gの取出しを行うようにしたことを特徴とする。
一方、本発明に係る射出成形機Mは、上述した課題を解決するため、固定型2cと可動型2mからなる金型2に対して所定の型締力により型締を行う型締装置Mcと、金型2に対して所定の射出圧力により樹脂Rを射出充填する射出装置Miとを備える射出成形機を構成するに際して、金型2に付設することにより、可動型2mと固定型2cの相対位置によりパーティング開量Lmを検出する型位置検出器18を備えるとともに、少なくとも金型2の内部の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rに対する自然圧縮が可能となる型締装置Mcと、射出充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に所定の隙間となるパーティング開量Lmが生じ、かつ良品成形可能な射出圧力となる成形射出圧力Pi及び良品成形可能な型締力となる成形型締力Pcを求めることにより特定成形条件Dcとして設定する特定成形条件設定機能Fc,特定成形条件Dcにより設定する射出速度よりも高速となる射出開始からの高速射出速度Vf及びこの高速射出速度Vfを継続させる高速射出区間Zfを高速射出条件Dfとして設定する高速射出条件設定機能Ff,並びに型締装置Mcを成形型締力Pcにより型締し、かつ成形射出圧力Piをリミット圧力Psに設定し、射出開始から高速射出条件Dfにより金型2に樹脂Rを射出充填するとともに、高速射出区間Zfの終了により特定成形条件Dcによる樹脂Rの射出充填を行う成形制御機能Fm,を少なくとも有してなる成形機コントローラ3とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、発明の好適な態様により、高速射出区間Zfは、パーティング開量Lmの大きさに対する切換判定値Lmsにより設定し、成形時に、パーティング開量Lmを検出するとともに、検出したパーティング開量Lmの大きさが切換判定値Lmsに達したなら、特定成形条件Dcに切換えることができる。なお、成形射出圧力Pi及び成形型締力Pcは、可動型2mと固定型2c間の最大時におけるパーティング開量Lmが0.03〜0.3〔mm〕になるように設定することが望ましい。一方、型締装置Mcは、型締シリンダ11の駆動ラム11pにより可動型2mを変位させる直圧方式の油圧式型締装置Mcsであってもよいし、或いは固定型2cを支持する固定盤12と圧受盤13間に架設したタイバー14…に可動型2mを支持する可動盤15をスライド自在に装填し、かつ圧受盤13と可動盤15間にトグルリンク機構16を配設するとともに、駆動機構部17によりトグルリンク機構16を駆動して可動型2mと固定型2cの型開閉を行うトグル方式の型締装置Mctを使用し、非ロックアップ状態で型締を行なうようにしてもよい。他方、成形機コントローラ3には、型位置検出器18により検出したパーティング開量Lmをディスプレイ3dにグラフィック表示するパーティング開量表示機能Fdを設けることができるとともに、成形時に検出したパーティング開量Lmの大きさが、パーティング開量Lmに対して設定したエラー判定値Lmjに達したなら所定のエラー処理を行うエラー処理機能Feを設けることができる。また、成形機コントローラ3には、高速射出区間Zfが0区間となる特定成形モード又は高速射出区間Zfが当該0区間以外の区間となる高速成形モードを選択的に切換可能なモード切換機能Fsを設けることができる。
このような本発明に係る射出成形方法及び射出成形機Mによれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 少なくとも金型2の内部の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rに対する自然圧縮が可能となる型締装置Mcを使用し、予め、射出充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に所定の隙間となるパーティング開量Lmが生じ、かつ良品成形可能な射出圧力となる成形射出圧力Pi及び良品成形可能な型締力となる成形型締力Pcを求めることにより特定成形条件Dcとして設定するとともに、当該特定成形条件Dcにより設定する射出速度よりも高速となる射出開始からの高速射出速度Vf及びこの高速射出速度Vfを継続させる高速射出区間Zfを高速射出条件Dfとして設定し、成形時に、成形型締力Pcにより型締し、かつ成形射出圧力Piをリミット圧力Psに設定するとともに、射出開始から高速射出条件Dfにより金型2に樹脂Rを射出充填し、高速射出区間Zfの終了により特定成形条件Dcによる樹脂Rの射出充填を行った後、所定の冷却時間が経過したなら金型2から成形品Gの取出しを行うようにしたため、充填初期には、高速射出条件Dfにより、樹脂Rを、例えば金型2の末端付近まで射出充填し、その後、特定成形条件Dcにより、射出充填することができる。したがって、樹脂Rの流動長が長い大型成形品であっても、末端部分に発生するショート不良を回避できる。
(2) また、小型又は中型の成形品と同様、特定成形条件Dcに基づく特定成形方式の特長を生かした高品質かつ高均質の成形を行うことができるとともに、射出充填時間の実質的な短縮化に基づく成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる。
(3) 高速射出区間Zfを、パーティング開量Lmの大きさに対する切換判定値Lmsにより設定し、成形時に、パーティング開量Lmを検出するとともに、検出したパーティング開量Lmの大きさが切換判定値Lmsに達したなら、特定成形条件Dcに切換えるようにしたため、実際の成形時におけるパーティング開量Lmの大きさに基づいて特定成形条件Dcに切換えることができる。これにより、常に樹脂圧の安定した状態で切換えることが可能となり、各ショット毎の成形品質を高めることができるとともに、成形不良の低減を図ることができる。
(4) 型締装置Mcを構成するに際し、金型2に、可動型2mと固定型2cの相対位置によりパーティング開量Lmを検出する型位置検出器18を設けたため、パーティング開量Lmの大きさを直接的に検出できる。これにより、型位置検出器18以外の誤差要因を極力排した正確なパーティング開量Lm、更にはその変化に係わるデータを得ることができる。
(5) 好適な態様により、成形射出圧力Pi及び成形型締力Pcを、可動型2mと固定型2c間の最大時におけるパーティング開量Lmが0.03〜0.3〔mm〕になるように設定すれば、成形不良の排除及び良好なガス抜きを確保できるとともに、パーティング開量Lmの設定目安にできるため、パーティング開量Lmに係わる設定の容易化を図れるとともに、最適化も容易に行うことができる。
(6) 好適な態様により、型締装置Mcに、型締シリンダ11の駆動ラム11pにより可動型2mを変位させる直圧方式の油圧式型締装置Mcsを用いれば、型締装置Mc自身の油圧挙動を直接利用して、金型2内の樹脂Rに対する自然圧縮を行わせることができるため、良好な自然圧縮を確実に実行できるとともに、制御の容易化にも寄与できる。
(7) 好適な態様により、型締装置Mcに、固定型2cを支持する固定盤12と圧受盤13間に架設したタイバー14…に可動型2mを支持する可動盤15をスライド自在に装填し、かつ圧受盤13と可動盤15間にトグルリンク機構16を配設するとともに、駆動機構部17によりトグルリンク機構16を駆動して可動型2mと固定型2cの型開閉を行うトグル方式の型締装置Mctを使用し、非ロックアップ状態で型締を行うようにすれば、本来の使用態様では自然圧縮を実現できないトグル方式の型締装置Mctであっても、非ロックアップ状態で型締を行うことにより自然圧縮が可能になるため、本発明に係る射出成形方法を有効に実現できるとともに、同射出成形方法に基づく前述した各種作用効果を享受できる。
(8) 好適な態様により、成形機コントローラ3に、型位置検出器18により検出したパーティング開量Lmをディスプレイ3dにグラフィック表示するパーティング開量表示機能Fdを設ければ、金型2のパーティング開量Lmの変化に係わる状況を視覚により容易かつ効果的にモニタリングすることができるとともに、各ショット毎のパーティング開量Lm…を重ね表示することも可能になるため、その変動状態なども容易に把握することができる。
(9) 好適な態様により、成形機コントローラ3に、成形時に検出したパーティング開量Lmの大きさが、パーティング開量Lmに対して設定したエラー判定値Lmjに達したなら所定のエラー処理を行うエラー処理機能Feを設ければ、金型2の内部で異常に高い樹脂圧が発生したことを速やかに検出できるため、動作停止等のエラー処理を速やかに行うことにより金型2の破損等を未然に回避することができる。
(10) 好適な態様により、成形機コントローラ3に、高速射出区間Zfが0区間となる特定成形モード又は高速射出区間Zfが当該0区間以外の区間となる高速成形モードを選択的に切換可能なモード切換機能Fsを設ければ、一台の射出成形機Mにより、小型成形品から大型成形品までの幅広いサイズの成形品に対して、特定成形条件Dcに基づく特定成形方式の特長を生かした高品質及び高均質の成形を行うことができるとともに、オールラウンドの成形が可能になるなど、ユーザーサイドに対して、汎用性及び発展性に優れた最適な射出成形方法を提供できる。
本発明の好適実施形態に係る射出成形方法による成形時の処理手順を説明するためのフローチャート、 同射出成形方法により成形する際の成形条件の設定時の処理手順を説明するためのフローチャート、 同射出成形方法を実施できる射出成形機の構成図、 同射出成形機の制御系のブロック系統図、 同射出成形機に備えるディスプレイにおけるグラフィック表示部の拡大抽出図を含む設定画面図、 同ディスプレイにおける設定画面の一部拡大抽出図、 同射出成形方法に用いる成形条件を設定する際の処理を説明するための型締力に対する成形品の良否結果を示すデータグラフ、 同射出成形機における成形時の金型の状態を示す模式図、 本発明に係る射出成形機の変更例に係る型締装置の構成図、 同射出成形方法により成形した大型成形品の一例を示す外観斜視図、 従来技術に係る射出成形方法により成形した大型成形品の一例を示す外観斜視図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る射出成形方法を実施できる射出成形機Mの全体構成について、図3を参照して説明する。
図3において、Mは射出成形機であり、射出装置Miと型締装置Mcを備える。射出装置Miは、前端に射出ノズル21nを、後部にホッパ21hをそれぞれ有する加熱筒21を備え、この加熱筒21の内部にはスクリュ22を挿入するとともに、加熱筒21の後端にはスクリュ駆動部23を配設する。スクリュ駆動部23は、片ロッドタイプの射出ラム24rを内蔵する射出シリンダ(油圧シリンダ)24を備え、射出シリンダ24の前方に突出するラムロッド24rsはスクリュ22の後端に結合するとともに、射出ラム24rの後端には、射出シリンダ24に取付けた計量モータ(オイルモータ)25のシャフトがスプライン結合する。また、26は、射出装置Miを進退移動させて金型2に対するノズルタッチ又はその解除を行う射出装置移動シリンダを示す。これにより、射出装置Miは、射出ノズル21nを金型2にノズルタッチし、金型2のキャビティ内に溶融(可塑化)した樹脂R(図8)を射出充填することができる。
一方、型締装置Mcには、少なくとも金型2の内部の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rに対する自然圧縮が可能となる型締装置を使用する。例示の型締装置Mcは、型締シリンダ(油圧シリンダ)11の駆動ラム11pにより可動型2mを変位させる直圧方式の油圧式型締装置Mcsである。このような直圧方式の油圧式型締装置Mcsを用いれば、型締装置Mc自身の油圧挙動を直接利用して、金型2内の樹脂Rに対する自然圧縮を行わせることができるため、良好な自然圧縮を確実に実行できるとともに、制御の容易化にも寄与できる利点がある。
例示する型締装置Mcsのより具体的な構成は、型締シリンダ11に対して離間して配し、かつ位置が固定された固定盤31と、この固定盤31と型締シリンダ11間に架設した複数(四本)のタイバー32…と、このタイバー32…にスライド自在に装填した可動盤33を備え、この可動盤33に、型締シリンダ11から前方に突出したラムロッド11psの先端を固定する。そして、可動盤33に可動型2mを取付け、固定盤31に固定型2cを取付ける。この固定型2cと可動型2mは金型2を構成する。これにより、型締シリンダ11は金型2に対する型開閉及び型締を行うことができる。なお、34は金型2を開いた際に、可動型2mに付着した成形品G(図8)の突き出しを行うエジェクタシリンダを示す。
他方、35は油圧回路であり、油圧駆動源となる可変吐出型油圧ポンプ36及びバルブ回路37を備える。油圧ポンプ36は、ポンプ部38とこのポンプ部38を回転駆動するサーボモータ39を備える。40はサーボモータ39の回転数を検出するロータリエンコーダを示す。また、ポンプ部38は、斜板型ピストンポンプにより構成するポンプ機体41を内蔵する。したがって、ポンプ部38は、斜板42を備え、斜板42の傾斜角(斜板角)を大きくすれば、ポンプ機体41におけるポンプピストンのストロークが大きくなり、吐出流量が増加するとともに、斜板角を小さくすれば、同ポンプピストンのストロークが小さくなり、吐出流量が減少する。よって、斜板角を所定の角度に設定することにより、吐出流量(最大容量)が所定の大きさに固定される固定吐出流量を設定することができる。斜板42には、コントロールシリンダ43及び戻しスプリング44を付設するとともに、コントロールシリンダ43は、切換バルブ(電磁バルブ)45を介してポンプ部38(ポンプ機体41)の吐出口に接続する。これにより、コントロールシリンダ43を制御することにより斜板42の角度(斜板角)を変更することができる。
さらに、ポンプ部38の吸入口は、オイルタンク46に接続し、かつポンプ部38の吐出口は、バルブ回路37の一次側に接続するとともに、バルブ回路37の二次側は、射出成形機Mにおける射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ11,エジェクタシリンダ34及び射出装置移動シリンダ26に接続する。したがって、バルブ回路37には、射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ11,エジェクタシリンダ34及び射出装置移動シリンダ26にそれぞれ接続する切換バルブ(電磁バルブ)を備えている。なお、各切換バルブは、それぞれ一又は二以上のバルブ部品をはじめ、必要な付属油圧部品等により構成され、少なくとも、射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ11,エジェクタシリンダ34及び射出装置移動シリンダ26に対する作動油の供給,停止,排出に係わる切換機能を有している。
これにより、サーボモータ39の回転数を可変制御すれば、可変吐出型油圧ポンプ36の吐出流量及び吐出圧力を可変でき、これに基づいて、上述した射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ11,エジェクタシリンダ34及び射出装置移動シリンダ26に対する駆動制御を行うことができるとともに、成形サイクルにおける各動作工程の制御を行うことができる。このように、斜板角の変更により固定吐出流量を設定可能な可変吐出型油圧ポンプ36を使用すれば、ポンプ容量を所定の大きさの固定吐出流量(最大容量)に設定できるとともに、固定吐出流量を基本として吐出流量及び吐出圧力を可変できるため、制御系による制御を容易かつ円滑に実施できる。
次に、以上の機械的構成を有する射出成形機Mに備える制御系Cの構成について、図3〜図5を参照して説明する。
制御系Cは主要部を構成する図4に示す成形機コントローラ3を備え、この成形機コントローラ3には、コントローラ本体51を内蔵する。コントローラ本体51は、CPU及び内部メモリ等のハードウェアを内蔵するコンピュータ機能を備えている。したがって、内部メモリには、各種演算処理及びシーケンス制御処理を含む各種制御処理を実行するため制御プログラム(ソフトウェア)51pを格納するとともに、データベースを含む各種データ類を記憶可能なデータメモリ51mが含まれる。
特に、制御プログラム51pには、本実施形態に係る射出成形方法を実行するための制御プログラムが含まれ、CPU及び内部メモリ等のハードウェアを駆動して同射出成形方法に係わる各種機能、即ち、図4に示す、高速射出条件設定機能Ff,特定成形条件設定機能Fc,成形制御機能Fm,パーティング開量表示機能Fd,エラー処理機能Fe,モード切換機能Fsを実現する。これらの各機能の具体的な内容は後述する。
一方、金型2の外側面には型位置検出器18を付設し、この型位置検出器18はコントローラ本体51に接続する。型位置検出器18は、可動型2mと固定型2cの相対位置、即ち、パーティング開量Lmの大きさを検出する機能を有し、例えば、図3及び図4に示すように、固定型2c(又は可動型2m)に取付けた反射板18pと、可動型2m(又は固定型2c)に取付けることにより、光又は電波を反射板18pに投射して測距する反射型測距センサ18sの組合わせにより構成できる。この際、型位置検出器18を、金型2の上面に設ける場合は、左右方向中央付近に、金型2の側面に設ける場合は、上下方向中央付近に配することが望ましい。このような型位置検出器18を用いれば、パーティング開量Lmの大きさを直接的に検出できるため、型位置検出器18以外の誤差要因を極力排した正確なパーティング開量Lm、更にはその変化に係わるデータを得ることができる利点がある。
また、成形機コントローラ3には、ディスプレイ3dを備える。このディスプレイ3dは、ディスプレイ本体3dm及びこのディスプレイ本体3dmに付設したタッチパネル3dtを備え、このディスプレイ本体3dm及びタッチパネル3dtは表示インタフェース53を介してコントローラ本体51に接続する。したがって、このタッチパネル3dtにより各種設定操作及び選択操作等を行うことができる。このディスプレイ3dは、各種表示、特に、本実施形態に係る射出成形方法に関連して、図5及び図6に示す射出・計量に係わる設定画面Vsを表示する。
この設定画面Vs内には、図5に示すように、パーティング開量Lmの時間的な変化をグラフィック表示する波形表示部Vsgを備え、この波形表示部Vsgには、少なくとも金型2への射出開始時から金型2の冷却終了(冷却時間終了)までの型位置検出器18により検出したパーティング開量Lmの変化データを表示することができる。なお、波形表示部Vsgは、横軸が、時間〔秒〕軸となり、縦軸が、パーティング開量Lm〔mm〕となる。この表示機能が、パーティング開量表示機能Fdとなる。このように、型位置検出器18により検出したパーティング開量Lmをディスプレイ3dにグラフィック表示するパーティング開量表示機能Fdを設ければ、金型2のパーティング開量Lmの変化に係わる状況を視覚により容易かつ効果的にモニタリングすることができるとともに、各ショット毎のパーティング開量Lm…を重ね表示することも可能になるため、その変動状態なども容易に把握できる利点がある。
さらに、成形機コントローラ3には、図4に示すサーボアンプ52が付属する。このサーボアンプ52の出力部には、上述したサーボモータ39を接続するとともに、サーボアンプ52のエンコーダパルス入力部にはロータリエンコーダ40を接続する。そして、図3に示すように、成形機コントローラ3の制御信号出力ポートには上述したバルブ回路37を接続する。
このサーボアンプ52は、圧力補償部56、速度リミッタ57、回転速度補償部58、トルク補償部59、電流検出部60及び速度変換部61を備え、圧力補償部56にはコントローラ本体52から、成形射出圧力Pi(リミット圧力Ps)又は成形型締力Pcが付与されるとともに、速度リミッタ57には速度限界値VLが付与される。これにより、圧力補償部56からは圧力補償された速度指令値が出力し、速度リミッタ57に付与される。この速度指令値はリミット圧力Psにより制限されるとともに、速度リミッタ57から出力する速度指令値は、速度限界値VLにより制限される。さらに、速度リミッタ57から出力する速度指令値は、回転速度補償部58に付与されるとともに、この回転速度補償部58から出力するトルク指令値はトルク補償部59に付与される。そして、トルク補償部59から出力するモータ駆動電流がサーボモータ39に供給され、サーボモータ39が駆動される。なお、ロータリエンコーダ40から得るエンコーダパルスは、速度変換部61により速度検出値に変換され、コントローラ本体51に付与されるとともに、回転速度補償部58に付与されることにより、回転速度に対するマイナループのフィードバック制御が行われる。
また、油圧回路35におけるバルブ回路37の一次側には、油圧を検出する圧力センサ47を付設するとともに、油温を検出する温度センサ48を付設する。そして、型位置検出器18,圧力センサ47及び温度センサ48は、それぞれ成形機コントローラ3のセンサポートに接続する。
次に、このような射出成形機Mを用いた本実施形態に係る射出成形方法について、図1〜図10を参照して具体的に説明する。
なお、本実施形態に係る射出成形方法は、基本的に特定の成形方式により成形動作を行うものである。特定の成形方式とは、本出願人が前述したWO2011/161899号公報により既に提案した方式となる。一方、この特定の成形方式では、前述したように、小型又は中型の成形品については良好な成形を行うことができるが、大型の成形品については不得意になる側面がある。本発明はこの大型の成形品についても良好な成形を可能にしたものである。
まず、本実施形態に係る射出成形方法における設定時の処理手順について、図5〜図7を参照しつつ図2に示すフローチャートに従って説明する。
なお、例示する実施形態は、成形品Gとして、図10に示す大型成形品100を成形する場合を示す。この大型成形品100の幅サイズは1〔m〕程度である。
最初に、高速射出条件Dfの設定を行う。高速射出条件Dfの設定は高速射出条件設定機能Ffにより行うことができる。この段階の設定は、暫定的な設定となる。設定に際しては、図6に示す射出・計量に係わる設定画面Vsにモード切換キー71をタッチして高速モードに切換える。なお、もう一度タッチすることにより、特定成形モードに戻すことができる。また、高速モードに切換えることにより、図6に示す高速射出設定画面Vswがウィンドウ表示される。
高速射出条件Dfには、少なくとも高速射出速度Vf及びこの高速射出速度Vfを継続させる高速射出区間Zfが含まれる。高速射出速度Vfは、射出開始からの射出速度であり、後述する特定成形条件Dcにより設定される射出速度(例えば、80〔mm/s〕)よりも高速となる射出速度を設定する(ステップS21)。
なお、設定に際しては、図6に示す速度設定部72における1段目の射出速度を設定する速度入力枠部V1をタッチすれば、図示を省略したテンキー画面が表示されるため、このテンキー画面を利用して高速射出速度Vfの数値を入力すればよい。図6は、射出速度150〔mm/s〕を入力した場合を示している。例示の高速射出速度Vfは、1段により設定する場合を示すが、数段により設定する場合を排除するものではない。
次いで、高速射出速度Vfを継続させる高速射出区間Zfを設定する。高速モードでは、この高速射出区間Zfを経て、特定成形条件Dcによる樹脂Rの射出充填に移行するため、高速射出区間Zfの終了点(切換点)を設定する(ステップS22)。終了点の設定には、射出開始tsからの時間Δts,射出開始tsからのスクリュ位置Xs,パーティング開量Lmの大きさに対する切換判定値Lmsの三つの物理量により設定が可能であり、例示の場合、ウィンドウ表示される高速射出設定画面Vswを用いて設定できる。
この場合、時間Δtsにより設定すれば、成形時に、設定した時間Δtsの経過により特定成形条件Dcに切換えられる。また、スクリュ位置Xsにより設定すれば、成形時に、設定したスクリュ位置Xsに達することにより特定成形条件Dcに切換えられる。いずれの場合も監視対象(物理量)が異なるものの基本的な設定手法は同じである。これらの設定手法を用いれば、特定成形条件Dcに切換える最適な切換点(切換時間又は切換位置)を、予め設定できるため、制御の容易化及び安定化を図ることができるとともに、成形品質の均質性向上にも寄与できる利点がある。
図6は、高速射出設定画面Vswの時間入力欄73から時間Δtsを設定した場合を示しており、例示の時間Δtsは、0.5〔秒〕である。この高速射出設定画面Vswを用いた設定は、速度設定部72における1段目の時間入力欄Sv1に反映される。また、図6に示す高速射出設定画面Vswは、位置入力欄74を用いてスクリュ位置Xsを設定した場合も示している。このように複数の物理量を用いた切換点を設定すれば、必要により選択して使用することができる。なお、図6中、75は射出中の型開量監視キーであり、監視ON又は監視OFFに切換えることができる。76は射出中の監視型位置の入力欄を示す。
さらに、切換点を切換判定値Lmsにより設定すれば、成形時に、検出されたパーティング開量Lmが監視され、パーティング開量Lmの大きさが、切換判定値Lmsに達することにより特定成形条件Dcに切換えられる。図5に、切換判定値Lmsを一例として示す。この設定手法を用いれば、実際の成形時におけるパーティング開量Lmの大きさに基づいて特定成形条件Dcに切換えることができるため、常に樹脂圧の安定した状態で切換えることが可能となり、各ショット毎の成形品質を高めることができるとともに、成形不良の低減を図れる利点がある。
次に、特定成形条件Dcの設定を行う。特定成形条件Dcの設定は特定成形条件設定機能Fcにより行うことができる。特定成形条件Dcには、射出充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に所定の隙間となるパーティング開量Lmが生じ、かつ良品成形可能な射出圧力となる成形射出圧力Piが含まれるとともに、良品成形可能な型締力となる成形型締力Pcが含まれる。
以下、特定成形条件Dcの設定手順について具体的に説明する。まず、射出装置Mi側おける射出圧力を初期設定する(ステップS23)。このときの射出圧力は、射出装置Miの能力(駆動力)に基づく射出圧力を設定できる。この場合の射出圧力は、絶対値として正確に求める必要がないため、射出シリンダ21に接続した油圧回路35における圧力センサ47により検出した油圧の大きさを用いてもよいし、演算により変換した射出圧力を用いてもよい。
また、型締装置Mc側における型締力を初期設定する(ステップS24)。このときの型締力は、型締装置Mcの能力(駆動力)に基づく型締力を設定できる。この場合の型締力も、絶対値として正確に求める必要がないため、型締シリンダ11に接続した油圧回路35における圧力センサ47により検出した油圧の大きさを用いてもよいし、演算により変換した型締力を用いてもよい。
なお、油圧回路35は、型締時に、バルブ回路37により型締装置Mc側に切換えられ、型締装置Mc側の油圧回路として機能するとともに、射出時に、バルブ回路37により射出装置Mi側に切換えられ、射出装置Mi側の油圧回路として機能する。射出圧力及び型締力を求める際に、油圧回路35における油圧を用いれば、後述する成形型締力Pc及び成形射出圧力Piに係わる設定を容易に行うことができる。
そして、初期設定した射出圧力に対して最適化処理を行うことにより生産時に用いる成形射出圧力Piを求めるとともに、初期設定した型締力に対して最適化処理を行うことにより生産時に用いる成形型締力Pcを求める(ステップS25,S26)。
型締力及び射出圧力を最適化する方法の一例を図7を参照して説明する。まず、初期設定した型締力及び射出圧力を用いて試し成形を行う。具体的には、不図示の成形開始キーをONすれば、型締動作が行われ、初期設定した条件により、金型2による試し成形が行われる。例示の場合、初期設定した型締力は40〔kN〕である。初期設定した型締力(40〔kN〕)及び射出圧力を用いた試し成形の結果を図7に示す。
また、図5に示す点線Ksの変化特性は、特定成形条件Dcにより成形する場合におけるパーティング開量Lmの大きさの変化を示す。この場合、パーティング開量Lmの大きさは、射出充填中においては徐々に大きくなるとともに、射出充填が終了すれば、樹脂の冷却が行われ、型締装置Mcによる自然圧縮作用により徐々に小さくなる。したがって、パーティング開量Lmの大きさが適切な範囲にあれば、ガス抜き及び樹脂Rの圧縮(自然圧縮)が良好に行われるとともに、冷却後には適切な範囲の隙間(残留隙間)が発生する。なお、図5に示す点線Ksには、マイナス領域が生じている部分があるが、金型2に樹脂Rが充填された際に、金型2の中央部位が外側部位に対してより大きく膨らみ、型位置検出器18が傾斜することにより起因して発生するものである。
一方、図7を参照すれば、型締力が40〔kN〕のときは、パーティング開量Lmが0であり、また、残留隙間も0である。この場合、パーティング開量Lmは、射出充填時に発生する最大の開量になるとともに、残留隙間は、射出充填後、所定の冷却期間を経過したときの残留した開量となる。型締力が40〔kN〕は、大きめの値となるため、バリは発生しないレベル0(最良)にあるとともに、ヒケはレベル4(不良)、ソリはレベル3(稍不良)、ガス抜きに関してはレベル3(稍不良)であることを示している。
そして、この後は、型締力の大きさ及び射出圧力の大きさを、図7に示すように、段階的に低下させ、それぞれの段階で試し成形を行うことにより、固定型2cと移動型2m間のパーティング開量と残留隙間を測定するとともに、成形品G(図8(c)参照)の良否状態を観察する(ステップS27,S28)。
なお、図7には、射出圧力のデータはないが、射出圧力の最適化は、射出充填時に移動型2mと固定型2c間にパーティング開量Lmが生じ、かつ良品成形可能となることを条件に、設定し得る最小値又はその近傍の値を成形射出圧力Piとすることができる(ステップS25)。具体的には、図7に示すように、型締力を低下させた際に、適宜、射出圧力も低下させ、樹脂Rが金型2に対して正常に充填しなくなる手前の大きさを選択することができる。
図7に示す結果によれば、範囲Zuにおける14,15,16〔kN〕の型締力のとき、パーティング開量Lmは、0.03〜0.20〔mm〕の範囲を満たしている。また、バリ,ヒケ及びソリのいずれの不良も発生しないレベル0(最良)であるとともに、ガス抜きもレベル0(最良)となり、良品成形品を得るという条件を満たしている。したがって、成形型締力Pcは、三つの型締力14,15,16〔kN〕から選択し、選択した型締力は、生産時に金型2で型締を行う際の成形型締力Pcとして設定することができる(ステップS26)。
さらに、図7の場合、パーティング開量Lmが、0.03〜0.20〔mm〕の許容範囲を満たすことは、バリの発生しない最良成形品を得ることができるが、バリは、成形品取出後に除去することができるとともに、少しのバリがあっても良品として使用できる場合も少なくないため、図7に、レベル1(良)やレベル2(普通)で示す低度のバリ発生は、即不良品となるわけではない。したがって、図7に示すデータを考慮すれば、成形品の種類等によっては、仮想線で示す範囲Zusにおける型締力12,13〔kN〕の選択も可能である。即ち、パーティング開量Lmが、0.03〜0.30〔mm〕の許容範囲を満たせば、良品成形品を得ることが可能である。
このように、成形射出圧力Pi及び成形型締力Pcは、可動型2mと固定型2c間の最大時におけるパーティング開量Lmが0.03〜0.30〔mm〕になるように設定することができる。このように設定すれば、成形不良の排除及び良好なガス抜きを確保できるとともに、パーティング開量Lmの設定目安にできるため、パーティング開量Lmに係わる設定の容易化を図れるとともに、最適化も容易に行うことができる。
また、図7に示すように、パーティング開量Lmが、0.03〜0.30〔mm〕を満たせば、残留隙間(Lm)が、0.01〜0.10〔mm〕の許容範囲を満たすとともに、パーティング開量Lmが、0.03〜0.20〔mm〕を満たせば、残留隙間(Lm)が、0.01〜0.04〔mm〕の許容範囲を満たすことを確認できる。したがって、パーティング開量Lmの条件に対して、残留隙間(Lm)の条件を加えることにより、より望ましい判定を行うことができる。
なお、図7は、成形型締力Pcと成形射出圧力Piを設定するための説明用データである。したがって、実際の設定に際しては、例えば、型締力を、40,30,20,10等のように、数回程度の変更実施により目的の成形型締力Pc及び成形射出圧力Piを求めることができる。この場合、型締力及び射出圧力の大きさは、オペレータが任意に設定してもよいし、射出成形機Mに備えるオートチューニング機能等を併用しつつ自動又は半自動により求めてもよい。オートチューニング機能を利用した場合には、バリが発生する直前の型締力を容易に求めることができる。
以上の手順により、目的の成形射出圧力Pi及び成形型締力Pcを得ることができる。なお、成形射出圧力Pi及び成形型締力Pcに際しては、必要に応じて前述した高速射出速度Vf及び高速射出区間Zfに対する微調整を行うことができる(ステップS28,S21…)。そして、以上の手順に基づく処理が終了すれば、仮設定した高速射出速度Vf及び高速射出区間Zf(高速射出速度Vfの終了点)を、高速射出条件Dfとして本設定するとともに、成形射出圧力Pi及び成形型締力Pcを、特定成形条件Dcとして本設定する(ステップS29,S30)。
そして、得られた成形射出圧力Piは、生産時の射出圧力に対するリミッタ圧力Psとして設定する(ステップS31)。一方、射出装置Miの射出速度に対する速度限界値VLを設定する(ステップS32)。この速度限界値VLは、必ずしも設定する必要はないが、設定することにより、万が一、射出速度Vdが過度に速くなった場合でも、金型2や射出スクリュ等に対して機械的な保護を図ることができる。したがって、速度限界値VLには、金型2や射出スクリュ等に対して機械的な保護を図ることができる大きさを設定する。
他方、成形機コントローラ3には、成形時に検出したパーティング開量Lmの大きさが、パーティング開量Lmに対して設定したエラー判定値Lmjに達したなら所定のエラー処理を行うエラー処理機能Feを設ける。このため、エラー判定を行うためのエラー判定値Lmjを設定する(ステップS33)。本実施形態に係る射出成形方法では、高速射出速度Vfを設定するため、過度の射出圧力が発生し、パーティング開量Lmが異常に大きくなることも想定される。このため、パーティング開量Lmに対するエラー判定値Lmjを設定し、成形時に、検出したパーティング開量Lmの大きさがエラー判定値Lmjに達したなら所定のエラー処理を行うようにした。エラー判定値Lmjとしては、許容範囲となるパーティング開量Lmの上限値(例示は、0.03〔mm〕)より稍大きい値を設定できる。図5に、エラー判定値Lmjの一例を示す。
また、パーティング開量Lmを検出する型位置検出器18のゼロリセット条件を設定する(ステップS34)。具体的には、生産時に、少なくとも型締装置Mcによる型締後における所定の射出準備が完了したことを条件に、予め設定したリセットタイミングに達したなら、型位置検出器18をゼロリセットするリセット制御を行う。このため、このリセット制御を行うタイミングを、ゼロリセットを行うゼロリセット条件として設定する。通常、ゼロリセットを行うリセット制御は、金型2の型締時、即ち、型締直後の閉鎖位置で行うため、射出開始までは少なからず射出待機時間が存在する。この射出待機時間は、設定した成形型締力Pcを維持した状態となるため、本来、パーティング開量Lmに影響することはない。しかし、この射出待機中には、少なからず外乱要因が存在し、正確なパーティング開量Lmを得る観点からは無視できない存在となり、この外乱要因はパーティング開量Lmの誤差要因となる。
そこで、少なくとも型締装置Mcによる型締後における所定の射出準備が完了したことを条件として、リセット制御を行うリセットタイミングを設定する。この場合、所定の射出準備が完了したこと、には、少なくとも、ノズルタッチ動作が終了したこと,金型温度が安定状態に達すること,の一方又は双方の条件が含まれる。リセットタイミングの設定は、いわば一成形サイクルに係わる成形条件の一つとして設定し、ショット毎にリセット制御を行う。この結果、各種外乱要因による誤差分を最も効果的に排除でき、各ショット毎のパーティング開量Lm…の大きさを常に正確かつ安定に収集することができる。
その他、必要事項があれば、その設定を行う。例示の射出成形機Mは、成形型締力Pcを、油圧回路25における温度センサ48により検出した油温の大きさにより補正する補正機能を備えている。この補正機能は、成形型締力Pcに対する温度ドリフト等による油温の影響を排除するための機能であり、成形型締力Pcを常に一定に維持できるため、動作制御の更なる高精度化及び安定化を図れるとともに、成形品の高度の品質及び均質性に寄与できる。したがって、他の必要事項の設定としては、補正機能により補正する際に使用する補正係数等を適用できる。
次に、本実施形態に係る射出成形方法の成形時における処理手順について、各図を参照しつつ図1に示すフローチャートに従って説明する。
成形に際して、モード切換キー71は高速モードが選択されていることを確認する(ステップS1)。これにより、成形時には 成形機コントローラ3における成形制御機能Fmにより、本実施形態に係る射出成形方法における一連の制御が行われる。即ち、成形型締力Pcにより型締が行われ、かつ成形射出圧力Piがリミット圧力Psに設定されるとともに、射出開始から高速射出条件Dfにより金型2に樹脂Rが射出充填され、高速射出区間Zfの終了により特定成形条件Dcによる樹脂Rの射出充填が行われる。
以下、成形時の具体的な処理手順について説明する。まず、オペレータが不図示のスタートキーをONにすれば、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39が制御される。この結果、射出装置Miの計量モータ25が駆動され、樹脂Rが可塑化処理されることにより射出準備が行われる(ステップS2)。なお、本実施形態に係る射出成形方法では、一般成形方式のように、樹脂Rを正確に計量する計量工程は不要である。即ち、射出工程では、キャビティ内に樹脂Rが満たされるまで射出動作を行うのみでよいため、計量工程における樹脂Rは多めに計量しておけば足りる。
また、型締装置Mcの型締シリンダ27が駆動制御され、型締力が成形型締力Pcとなるように、金型2に対する型締が行なわれる(ステップS3)。このときの金型2の状態を図8(a)に示す。型締の終了により、ノズルタッチ動作によるノズルタッチ及び金型温度に対する制御が行われる。ノズルタッチ動作では、射出装置移動シリンダ26が駆動制御され、射出装置Miが前進移動して金型2に対してノズルタッチする制御が行われるとともに、金型温度に対する制御処理は、型開きにより変動した金型温度が正規の設定温度になるように制御される。さらに、成形機コントローラ3では、設定されたリセットタイミングに達したか否かを監視し、リセットタイミングに達すれば、型位置検出器18に対してゼロリセット処理を行う。
そして、射出開始タイミングに達することにより射出動作を開始する(ステップS4)。今回は、高速モードが選択されているため、射出動作に際しては、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39が制御されることにより射出装置Miの射出シリンダ24が駆動制御され、高速射出速度Vfによる高速射出が行われる(ステップS5,S6)。例示の場合、高速射出速度Vfとして、150〔mm/s〕が設定されているため、150〔mm/s〕の高速により、スクリュ22が前進移動し、金型2に対する高速充填が行われる(ステップS7)。
また、成形制御機能Fmにより、射出開始時点からの時間若しくはスクリュ位置又はパーティング開量Lmが検出(計測)され、設定した時間Δtsを経過したか若しくは設定したスクリュ位置Xsに達したか又は切換判定値Lmsに達したかを監視する。即ち、設定した切換点に達したかを監視する(ステップS8)。例示の場合、時間が監視され、射出開始時点から高速射出区間Zfとなる0.5〔秒〕が経過したなら、高速射出を終了される(ステップS9)。これにより、射出開始時点から時間Δtsを経過した以降は、特定成形方式による射出、即ち、特定成形条件Dcによる射出工程が行われる(ステップS10)。
この場合、射出速度は、高速射出速度Vfから、特定成形条件Dcにより設定された射出速度、具体的には、定格速度を考慮した設定速度(例示の場合、80〔mm/s〕程度)まで低下する。したがって、加熱筒22内の可塑化溶融した樹脂Rは金型2のキャビティ内に、特定成形方式による充填、即ち、特定成形条件Dcに基づく充填が行われる(ステップS11)。そして、樹脂Rの充填に伴い、射出圧力が上昇し、リミット圧力Psに達すれば、リミット圧力Psに維持するための制御、即ち、オーバーシュートを防止する制御が行われ、射出圧力はリミット圧力Ps(成形射出圧力Pi)に維持される。
さらに、金型2のキャビティ内に樹脂Rが満たされることにより、金型2は樹脂Rにより加圧され、固定型2cと可動型2m間には、この加圧に基づく自然隙間となるパーティング開量Lmが発生する(ステップS12)。このパーティング開量Lmは、予め設定した成形型締力Pc及び成形射出圧力Piにより、0.03〜0.30〔mm〕の許容範囲、望ましくは、0.03〜0.20〔mm〕の許容範囲となり、良好なガス抜きが行われるとともに、不良の排除された良品成形が行われる。このときの金型2の状態を図8(b)に示す。
なお、特定成形モードが選択されている場合は、高速射出区間Zfが存在しないため、射出開始タイミングに達することにより特定成形条件Dcによる射出動作を開始することになる(ステップS4,S5,S9)。
他方、射出時間が終了したら射出充填が終了する(ステップS13)。また、冷却により金型2のキャビティ内における樹脂Rの固化が進行するとともに、この固化に伴って樹脂Rに対する圧縮(自然圧縮)が行われる(ステップS14)。そして、設定した冷却時間が経過すれば、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39が制御され、型締シリンダ27が駆動制御されることにより、可動型2mを後退させることにより型開きが行われる。さらに、エジェクタシリンダ34が駆動制御され、可動型2mに付着した成形品G(100)の突き出し、即ち、取出しが行われる(ステップS15)。これにより、一成形サイクルが終了する。
なお、このときの冷却時間は、射出開始タイミングからの経過時間として設定することができる。また、冷却時間の経過した時点では、樹脂Rの自然圧縮により、固定型2cと可動型2m間のパーティング開量Lmは、残留隙間(Lm)として僅かに開いた状態となる。この残留隙間は、通常、0.01〜0.10〔mm〕の許容範囲、望ましくは、0.01〜0.04〔mm〕の許容範囲となることが望ましい。これにより、金型2のキャビティ内における樹脂Rに対する自然圧縮が確実に行われるとともに、成形品Gにおける高度の品質及び均質性が確保される。
冷却時間が経過した時点における金型2の状態を図8(c)に示す。また、図10には実際に成形された大型成形品100(G)の外観を例示する。この大型成形品100は、本実施形態に係る射出成形方法を使用しない場合には、前述したように、同一の大型成形品100であっても、図11に示すように、末端一部分100sにショート不良の発生が見られるが、本実施形態に係る射出成形方法を使用することにより、ショート不良の発生はなく、良好な成形を行うことができる。
一方、射出開始時点からは、型位置検出器18により、パーティング開量Lmの大きさが検出され、検出されたパーティング開量Lmの大きさは、パーティング開量表示機能Fdによりディスプレイ3dの波形表示部Vsgにグラフィック表示される。本実施形態に係る射出成形方法によるパーティング開量Lmの変化は、図5に実線Kfで示す変化特性となる。これにより、オペレータは、型締装置Mc側の挙動である金型2のパーティング開量Lmの変化状況を視覚により容易かつ効果的にモニタリングすることができるとともに、各ショット毎のパーティング開量Lm…を重ね表示することも可能になるため、その変動状態なども容易に把握することができる(ステップS16)。
また、図5に点線Ksで示す変化特性は、高速射出区間Zfを設けない場合、即ち、射出開始時点から特定成形条件Dcにより成形する場合の変化特性である。図5から明らかなように、本実施形態に係る射出成形方法を用いることにより、射出充填時間の実質的な短縮化により成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる。
さらに、エラー処理機能Feにより、射出開始時点からのパーティング開量Lmをモニタリングし、パーティング開量Lmの大きさが、設定したエラー判定値Lmjに達したか否かを監視し、エラー判定値Lmjに達したなら、所定のエラー処理を行う(ステップS17,S18)。エラー処理としては、例えば、射出成形機Mの動作を直ちに停止する制御やアラームの出力制御などを行なうことができる。これにより、高速射出速度Vfを設定することにより、過度の射出圧力が発生し、金型2の内部で異常に高い樹脂圧が発生したことを速やかに検出できるため、動作停止等のエラー処理を速やかに行うことにより金型2の破損等を未然に回避することができる。
なお、実施形態では、モード切換キー71により、高速成形モードと特定成形モードを切換えることができるモード切換機能Fs、即ち、高速射出区間Zfが0区間となる特定成形モード又は高速射出区間Zfが当該0区間以外の区間となる高速成形モードを選択的に切換可能なモード切換機能Fsを設けた場合を例示したが、モード切換機能Fsを設けることなく、高速成形モードのみによる射出成形方法であってもよい。この場合、高速射出を行う高速射出区間Xfを0に設定すれば、実質的に特定成形モードによる成形を行うことができる。しかし、モード切換機能Fsを設ければ、高速射出条件Dfと特定成形条件Dcを予め設定し、高速成形モードと特定成形モードを容易に切換えて使用できる。加えて、モード切換機能Fsを設ければ、一台の射出成形機Mにより、小型成形品から大型成形品までの幅広いサイズの成形品に対して、特定成形条件Dcに基づく特定成形方式の特長を生かした高品質及び高均質の成形を行うことができるとともに、オールラウンドの成形が可能になるなど、ユーザーサイドに対して、汎用性及び発展性に優れた最適な射出成形方法を提供できる。
他方、以上の実施形態では、型締装置Mcとして、型締シリンダ11の駆動ラム11pにより可動型2mを変位させる直圧方式の油圧式型締装置Mcsを用いた場合を示したが、型締装置Mcには、図9に変更例として示すトグル方式の型締装置Mctを用いることも可能である。
トグル方式の型締装置Mctは、図9に示すように、基本形態として、固定型2cを支持する固定盤12と圧受盤13間に架設したタイバー14…に可動型2mを支持する可動盤15をスライド自在に装填し、かつ圧受盤13と可動盤15間にトグルリンク機構16を配設するとともに、駆動機構部17によりトグルリンク機構16を駆動して可動型2mと固定型2cの型開閉を行う型締装置であり、非ロックアップ状態で型締を行うことにより、本実施形態に係る射出成形方法を実現可能となる。
例示する型締装置Mctは、より具体的な構成として、離間して配した固定盤12と圧受盤13を備え、固定盤12は不図示の機台上に固定されるとともに、圧受盤13は当該機台上に進退移動可能に支持される。固定盤12と圧受盤13間には、複数(四本)のタイバー14…を架設し、各タイバー14…の前端は、固定盤12に固定するとともに、各タイバー14…の後端は、圧受盤13に対して挿通させる。一方、タイバー13…には、可動盤15をスライド自在に装填する。この可動盤15は可動型2mを支持するとともに、固定盤12は固定型2cを支持する。また、圧受盤13と可動盤15間にはトグルリンク機構16を配設する。トグルリンク機構16は、圧受盤13に軸支した一対の第一リンクと、可動盤15に軸支した一対の出力リンクと、第一リンクと出力リンクの支軸に結合した一対の第二リンクを有し、この第二リンクにクロスヘッドmhを軸支する。さらに、17は、圧受盤13とクロスヘッド91間に配した駆動機構部であり、この駆動機構部17は、圧受盤13に回動自在に支持されたボールねじ部と、このボールねじ部に螺合し、かつクロスヘッド91に一体に設けたボールナット部を有するボールねじ機構92を備えるとともに、ボールねじ部を回転駆動する回転駆動部93を備える。これにより、回転駆動部93の駆動モータ93mを作動させれば、ボールねじ部が回転することによりボールナット部が進退移動する。この結果、ボールナット部と一体のクロスヘッドmhが進退移動し、トグルリンク機構16が屈曲又は伸長し、可動盤15が型開方向(後退方向)又は型閉方向(前進方向)へ進退移動する。なお、94は、圧受盤13に付設した型厚調整装置を示す。型厚調整装置94は、四本のタイバー14…の後端側にねじ部を形成し、各ねじ部にそれぞれ調整ナットを螺合して構成したものであり、例示の場合、ギアードモータを用いた型厚調整モータ95を駆動することにより、各調整ナットを回転させ、圧受盤13の前後方向位置を調整することができる。
トグル方式の型締装置Mctを用いる場合には、非ロックアップ状態で型締を行う。ロックアップ状態の場合、トグルリンク機構16は、図9に示すように、完全に延び切った状態になり、樹脂圧による金型2の開きは基本的にタイバー14…の伸びに依存する。したがって、このロックアップ状態における可動型2mの型位置を0〔mm〕とするとともに、駆動モータ93mを駆動制御し、トグルリンク機構16を屈曲させることにより可動型2mの位置を型開方向へ僅かに後退させれば、非ロックアップ状態にすることができ、これにより、型2mに対する背圧(型締力)を駆動モータ93mにより制御することができる。
したがって、本来の使用態様では自然圧縮を実現できないトグル方式の型締装置Mctであっても、非ロックアップ状態で型締を行うことにより自然圧縮が可能となり、本発明に係る射出成形方法を実現できるとともに、同射出成形方法に基づく前述した各種作用効果を享受できる。このように、油圧式の型締装置Mc(Mcs)のみならず、電動式の型締装置Mc(Mct)であっても本実施形態に係る射出成形方法を同様に実施できるため、汎用性及び発展性(応用性)の高い射出成形方法として提供できる。
よって、このような本実施形態に係る射出成形方法によれば、基本的な手法として、少なくとも金型2の内部の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rに対する自然圧縮が可能となる型締装置Mcを使用し、予め、射出充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に所定の隙間となるパーティング開量Lmが生じ、かつ良品成形可能な射出圧力となる成形射出圧力Pi及び良品成形可能な型締力となる成形型締力Pcを求めることにより特定成形条件Dcとして設定するとともに、当該特定成形条件Dcにより設定する射出速度よりも高速となる射出開始からの高速射出速度Vf及びこの高速射出速度Vfを継続させる高速射出区間Zfを高速射出条件Dfとして設定し、成形時に、成形型締力Pcにより型締し、かつ成形射出圧力Piをリミット圧力Psに設定するとともに、射出開始から高速射出条件Dfにより金型2に樹脂Rを射出充填し、高速射出区間Zfの終了により特定成形条件Dcによる樹脂Rの射出充填を行うようにしたため、充填初期には、高速射出条件Dfにより、樹脂Rを、例えば金型2の末端付近まで射出充填し、その後、特定成形条件Dcにより、射出充填することができる。
したがって、樹脂Rの流動長が長い大型成形品であっても、末端部分に発生するショート不良を回避でき、小型又は中型の成形品と同様、特定成形条件Dcに基づく特定成形方式の特長を生かした高品質かつ高均質の成形を行うことができるとともに、射出充填時間の実質的な短縮化に基づく成形サイクルのハイサイクル化を図ることができる。
また、基本的には、特定成形条件Dc基づく成形を行うことができるため、特定成形条件Dc基づく基本的効果、即ち、一定の成形型締力Pcと一定の成形射出圧力Piとの相対的な力関係により所定の型隙間Lmを生じさせることが可能となり、樹脂Rの射出充填が終了した後も成形型締力Pcによる自然圧縮を生じさせることができるなど、成形品G(100)に対する高度の品質及び均質性を確保できる。したがって、温度や圧力等に敏感に影響を受けやすい特性を有する樹脂Rの成形に最適となる。
さらに、正確性の要求される射出条件をはじめ、正確な計量が要求される計量値等の計量条件を含む各種成形条件の設定は不要又は大幅に低減できる。したがって、成形条件のシンプル化及び設定容易化、更には品質管理の容易化を図ることができるとともに、生産時における動作制御も容易に行うことができる。
以上、変更例を含む好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、成形品として大型成形品を例示したが、成形品のサイズが特定(限定)されるものではない。したがって、例えば、樹脂Rの粘性が大きい場合には、小型の成形品であっても本発明に係る射出成形方法は有効であり、発明の範囲として、成形品のサイズは任意である。また、冷却時間の経過後における可動型2mと固定型2c間に所定の残留隙間を生じさせることが望ましいが、残留隙間を生じさせない場合を排除するものではない。一方、パーティング開量Lmとして、0.03〜0.30〔mm〕の許容範囲を、残留隙間として、0.01〜0.10〔mm〕の許容範囲をそれぞれ例示したが、これらの範囲に限定されるものではなく、粘性等の異なる樹脂Rの種類などに応じて適宜変更可能である。また、成形射出圧力Piは、良品成形可能な最小値又はその近傍の値に設定することが望ましいが、このような最小値又はその近傍の値以外となる場合を排除するものではない。
本発明に係る射出成形方法及び射出成形機は、型締装置により型締された金型に対して射出装置から樹脂を射出充填して成形を行う各種の射出成形機に利用できるとともに、その射出成形方法として利用できる。
2:金型,2c:固定型,2m:可動型,3:成形機コントローラ,3d:ディスプレイ,11:型締シリンダ,11p:駆動ラム,12:固定盤,13:圧受盤,14…:タイバー,15:可動盤,16:トグルリンク機構,17:駆動機構部,18:型位置検出器,G:成形品,M:射出成形機,Mc:型締装置,Mcs:油圧式型締装置,Mct:トグル方式の型締装置,Mi:射出装置,R:樹脂,Lm:パーティング開量,Lms:切換判定値,Lmj:エラー判定値,Pi:成形射出圧力,Pc:成形型締力,Dc:特定成形条件,Df:高速射出条件,Vf:高速射出速度,Zf:高速射出区間,Fc:特定成形条件設定機能,Ff:高速射出条件設定機能,Fm:成形制御機能,Fd:パーティング開量表示機能,Fe:エラー処理機能,Fs:モード切換機能

Claims (8)

  1. 型締装置により所定の型締力で型締された固定型と可動型からなる金型に対して、射出装置により所定の射出圧力で樹脂を射出充填して成形を行う射出成形方法であって、少なくとも前記金型の内部の樹脂の固化に伴って樹脂に対する自然圧縮が可能となる型締装置を使用し、予め、射出充填時に金型の可動型と固定型間に所定の隙間となるパーティング開量が生じ、かつ良品成形可能な射出圧力となる成形射出圧力及び良品成形可能な型締力となる成形型締力を求めることにより特定成形条件として設定するとともに、当該特定成形条件により設定する射出速度よりも高速となる射出開始からの高速射出速度及びこの高速射出速度を継続させる高速射出区間を高速射出条件として設定し、かつ当該高速射出区間の終了を前記パーティング開量の大きさに対する切換判定値により設定し、成形時に、前記成形型締力により型締し、かつ前記成形射出圧力をリミット圧力に設定するとともに、射出開始から前記高速射出条件により前記金型に樹脂を射出充填し、かつ前記パーティング開量を検出することにより、検出したパーティング開量の大きさが前記切換判定値に達したなら、前記特定成形条件に切換え、前記特定成形条件による樹脂の射出充填を行った後、所定の冷却時間が経過したなら前記金型から成形品の取出しを行うことを特徴とする射出成形方法。
  2. 前記成形射出圧力及び前記成形型締力は、前記可動型と前記固定型間の最大時における前記パーティング開量が0.03〜0.3〔mm〕になるように設定することを特徴とする請求項1記載の射出成形方法。
  3. 固定型と可動型からなる金型に対して所定の型締力により型締を行う型締装置と、前記金型に対して所定の射出圧力により樹脂を射出充填する射出装置とを備える射出成形機であって、前記金型に付設することにより、前記可動型と前記固定型の相対位置により前記パーティング開量を検出する型位置検出器を備えるとともに、少なくとも前記金型の内部の樹脂の固化に伴って樹脂に対する自然圧縮が可能となる型締装置と、射出充填時に金型の可動型と固定型間に所定の隙間となるパーティング開量が生じ、かつ良品成形可能な射出圧力となる成形射出圧力及び良品成形可能な型締力となる成形型締力を求めることにより特定成形条件として設定する特定成形条件設定機能,前記特定成形条件により設定する射出速度よりも高速となる射出開始からの高速射出速度及びこの高速射出速度を継続させる高速射出区間を高速射出条件として設定する高速射出条件設定機能,並びに前記型締装置を前記成形型締力により型締し、かつ前記成形射出圧力をリミット圧力に設定し、射出開始から前記高速射出条件により前記金型に樹脂を射出充填するとともに、前記高速射出区間の終了により前記特定成形条件による樹脂の射出充填を行う成形制御機能,を少なくとも有してなる成形機コントローラとを備えてなることを特徴とする射出成形機。
  4. 前記型締装置は、型締シリンダの駆動ラムにより前記可動型を変位させる直圧方式の油圧式型締装置であることを特徴とする請求項3記載の射出成形機。
  5. 前記型締装置は、前記固定型を支持する固定盤と圧受盤間に架設したタイバーに前記可動型を支持する可動盤をスライド自在に装填し、かつ前記圧受盤と前記可動盤間にトグルリンク機構を配設するとともに、駆動機構部により前記トグルリンク機構を駆動して前記可動型と前記固定型の型開閉を行うトグル方式の型締装置を使用し、非ロックアップ状態で型締を行うことを特徴とする請求項3記載の射出成形機。
  6. 前記成形機コントローラは、前記型位置検出器により検出した前記パーティング開量をディスプレイにグラフィック表示するパーティング開量表示機能を備えることを特徴とする請求項3記載の射出成形機。
  7. 前記成形機コントローラは、成形時に検出したパーティング開量の大きさが、前記パーティング開量に対して設定したエラー判定値に達したなら所定のエラー処理を行うエラー処理機能を備えることを特徴とする請求項3記載の射出成形機。
  8. 前記成形機コントローラは、高速射出区間が0区間となる特定成形モード又は前記高速射出区間が当該0区間以外の区間となる高速成形モードを選択的に切換可能なモード切換機能を備えることを特徴とする請求項3記載の射出成形機。
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