(ダイカストマシンの全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るダイカストマシン1の要部の構成を示す、一部に断面図を含む側面図である。
ダイカストマシン1は、溶解されて液状となった金属材料(溶湯)を金型101内(キャビティCa等の空間。以下同様。)へ射出し、溶湯を金型101内で凝固させることにより、ダイカスト品(成形品)を製造するものである。金属は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金である。なお、溶湯に代えて、固液共存金属を用いることも可能である。
金型101は、例えば、固定金型103及び移動金型105を含んでいる。本実施形態の説明では、便宜上、固定金型103又は移動金型105の断面を1種類のハッチングで示すが、これらの金型は、直彫り式のものであってもよいし、入れ子式のものであってもよい。また、固定金型103及び移動金型105には、中子などが組み合わされてもよい。
ダイカストマシン1は、例えば、成形のための機械的動作を行うマシン本体部3と、マシン本体部3の動作を制御する制御ユニット5とを有している。
マシン本体部3は、例えば、金型101の開閉及び型締めを行う型締装置7と、金型101内に溶湯を射出する射出装置9と、ダイカスト品を固定金型103又は移動金型105(図1では移動金型105)から押し出す押出装置11とを有している。マシン本体部3において、射出装置9以外の構成(例えば型締装置7及び押出装置11の構成)は、基本的には(例えば射出装置9の取付けに係る部分を除いて)、公知の種々の構成と同様とされてよい。
成形サイクルにおいて、型締装置7は、移動金型105を固定金型103へ向かって移動させ、型閉じを行う。さらに、型締装置7は、タイバー(符号省略)の伸長量に応じた型締力を金型101に付与して型締めを行う。型締めされた金型101内には成形品と同一形状のキャビティCaが構成される。射出装置9は、そのキャビティCaへ溶湯を射出・充填する。キャビティCaに充填された溶湯は、金型101に熱を奪われて冷却され、凝固する。これにより、成形品が形成される。その後、型締装置7は、移動金型105を固定金型103から離れる方向へ移動させて型開きを行う。この際又はその後、押出装置11は、移動金型105から成形品を押し出す。
制御ユニット5は、例えば、各種の演算を行って制御指令を出力する制御装置13(図2参照)と、画像を表示する表示装置15と、オペレータの入力操作を受け付ける入力装置17とを有している。また、別の観点では、制御ユニット5は、例えば、電源回路及び制御回路等を有する不図示の制御盤と、ユーザインターフェースとしての操作部19とを有している。
制御装置13(図2参照)は、例えば、不図示の制御盤及び操作部19に設けられている。制御装置13は、適宜に分割乃至は分散して構成されてよい。例えば、制御装置13は、型締装置7、射出装置9及び押出装置11毎の下位の制御装置と、この下位の制御装置間の同期を図るなどの制御を行う上位の制御装置とを含んで構成されてよい。
表示装置15及び入力装置17は、例えば、操作部19に設けられている。操作部19は、例えば、型締装置7の固定的部分に設けられている。表示装置15は、例えば、液晶表示ディスプレイ乃至は有機ELディスプレイを含んだタッチパネルによって構成されている。入力装置17は、例えば、機械式のスイッチ及び前記のタッチパネルによって構成されている。
なお、ダイカストマシン1のうち射出装置9に着目する場合において、制御ユニット5は、射出装置9の制御ユニットとして捉えられてよい。
(射出装置の構成)
射出装置9は、例えば、金型101内に通じるスリーブ21と、スリーブ21内を摺動可能なプランジャ23と、プランジャ23を駆動する射出駆動部25とを有している。なお、射出装置9の説明においては、金型101側(図1の紙面左側)を前方、その反対側を後方ということがある。
スリーブ21は、例えば、固定金型103に連結された筒状部材であり、上面には溶湯をスリーブ21内に受け入れるための供給口21aが開口している。プランジャ23は、スリーブ21内を前後方向に摺動可能なプランジャチップ23aと、先端がプランジャチップ23aに固定されたプランジャロッド23bとを有している。
型締装置7による金型101の型締めが完了すると、不図示の給湯装置によって1ショット分の溶湯が供給口21aからスリーブ21内へ注がれる。そして、プランジャ23が図示の位置からスリーブ21内を前方へ摺動することにより、スリーブ21内の溶湯が金型101内に押し出される(射出される)。
(射出駆動部の概略構成)
図2は、射出装置9(射出駆動部25)の具体的な構成を示す模式図である。図2は、基本的に側方から見た図となっているが、図示の都合上、一部(例えば液圧系)はこの限りではない。また、図2は適宜に断面図を含んでいる。図2の紙面中央の図は、射出開始前の状態を示しており、図2の紙面右下の図は、射出駆動部25の一部について増圧時の状態を示している。
射出装置9は、いわゆる全電動式の射出装置として構成されている。すなわち、射出装置9は、射出用電動機27及び増圧用電動機29を有しており、プランジャ23は、基本的に、射出の全工程に亘って射出用電動機27及び増圧用電動機29の駆動力によって駆動され、ポンプやアキュムレータ等の油圧機器の駆動力によっては駆動されない。
射出用電動機27は、主として、低速射出及び高速射出(狭義の射出)に利用されるものであり、増圧用電動機29は、主として増圧に利用されるものである。射出装置9は、射出用電動機27及び増圧用電動機29の駆動力をプランジャ23に伝達し、かつ使用する電動機を工程の進行に応じて切り換えるために、プランジャ23とこれら電動機との間に介在する統合伝達機構31を有している。
統合伝達機構31は、プランジャ23に連結され、射出用電動機27及び増圧用電動機29の駆動力のプランジャ23への伝達、及び使用する電動機の切換えに寄与するシリンダ機構33と、射出用電動機27の駆動力をシリンダ機構33へ伝達するための射出用伝達機構35と、増圧用電動機29の駆動力をシリンダ機構33へ伝達するための増圧用伝達機構37とを有している。
(電動機)
電動機の台数は、適宜に設定されてよい。本実施形態の説明では、2つの射出用電動機27と1つの増圧用電動機29とが設けられる態様を例に取る。
射出用電動機27及び増圧用電動機29は、例えば、回転式の電動機により構成されており、特に図示しないが、界磁及び電機子の一方を構成するステータと、界磁及び電機子の他方を構成し、ステータに対して回転するロータとを有している。なお、これらの電動機は、適宜な形式のものとされてよく、例えば、直流電動機であってもよいし、交流電動機であってもよいし、同期電動機であってもよいし、誘導電動機であってもよい。
射出用電動機27及び増圧用電動機29は、例えば、サーボモータとして構成されている。すなわち、射出用電動機27は、その回転を検出する回転センサ27sを有し、回転センサ27sの検出値に基づいて、不図示のサーボドライバにより回転数のフィードバック制御がなされる。同様に、増圧用電動機29は、その回転を検出する回転センサ29sを有し、回転センサ29sの検出値に基づいて、不図示のサーボドライバにより回転数のフィードバック制御がなされる。射出用電動機27及び増圧用電動機29の回転センサは、例えば、回転量に応じた数のパルスを出力するエンコーダである。
また、増圧用電動機29のサーボドライバは、例えば、増圧用電動機29に流れる電流を検出し、その検出値に基づいてトルクのフィードバック制御を行うことが可能である。射出用電動機27のサーボドライバも、そのようなトルクのフィードバック制御が可能であってもよい。
射出用電動機27及び増圧用電動機29(特に射出用電動機27)は、低慣性電動機により構成されていることが好ましい。すなわち、これら電動機は、定格トルクに対してロータのイナーシャが相対的に小さい電動機により構成されていることが好ましい。なお、低慣性電動機は、そのカタログ乃至は仕様書などにおいて、低慣性電動機である旨が記載されていることが多く、当該記載に基づいて低慣性電動機であるか否かを特定可能である。一般に、低慣性電動機は、ロータ径をロータの軸方向長さに対して相対的に小さくして構成されている。ただし、磁石材料、ロータ径、鉄心形状及び積厚等を最適化することにより低慣性が実現されたものも知られている。
射出用電動機27及び増圧用電動機29の配置は適宜に設定されてよい。例えば、射出用電動機27は、シリンダ機構33に対して並列に配置されている。より具体的には、例えば、射出用電動機27は、その出力軸27aを前方へ向けている。増圧用電動機29は、シリンダ機構33に対して交差(例えば直交)するように配置されている。より具体的には、例えば、増圧用電動機29は、その出力軸29aをシリンダ機構33側へ向けている。
また、例えば、射出用電動機27及び増圧用電動機29のシリンダ機構33の軸回りの絶対的な位置及び両電動機同士の相対位置は適宜に設定されてよい。例えば、2つの射出用電動機27は、平面視又は側面視においてシリンダ機構33に対して概ね対称に配置されている。より好ましくは、両者はシリンダ機構33を対称軸として180°回転対称となるように配置されている。増圧用電動機29は、シリンダ機構33の軸回りにおいて、2つの射出用電動機27の間に配置されてもよいし、一の射出用電動機27の位置と同じ位置に配置されてもよい。
(シリンダ機構)
シリンダ機構33は、概して言えば、シリンダ部材と、その内部を摺動する複数のピストンとを含んでいる。そして、電動機の駆動力を、シリンダ部材内の液体(例えば油)を介して、プランジャ23に連結されているピストン(41)に伝達する。ただし、シリンダ機構33は、一般的な射出シリンダとは異なり、ポンプやアキュムレータによってシリンダ部材内に作動液が供給されてピストンが駆動されるのではなく、一のピストンに伝達された駆動力をシリンダ部材内の液体によって他のピストンへ伝達するクローズドタイプの流体継手として機能する。具体的には、以下のとおりである。
(シリンダ機構のうち射出及び増圧に共通して利用される部分)
シリンダ機構33は、例えば、射出用シリンダ部材39と、射出用シリンダ部材39に摺動可能に収容されている前側ピストン41と、前側ピストン41に固定されており、射出用シリンダ部材39から前側ピストン41の移動方向の一方側(前方)へ延び出ている前側ロッド43と、を有している。
射出用シリンダ部材39のうち前側部分、並びに前側ピストン41及び前側ロッド43の構成は、一般的な射出シリンダのものと同様とされてよい。例えば、前側ピストン41は、概ね円柱状である。前側ロッド43は、概ね断面円形であり、概ね一定の断面形状で延びている。射出用シリンダ部材39の内部は、前側ピストン41によって、前側ロッド43が延び出る側のロッド側室39rと、その反対側のヘッド側室39hとに区画されている。これら2つのシリンダ室には、液体が満たされている。
そして、射出用シリンダ部材39は、プランジャ23に対して同軸的に配置されている。前側ロッド43は、カップリング49を介してプランジャ23の後端に同軸に連結されている。射出用シリンダ部材39は、固定的(移動不可能)に設けられている。例えば、射出用シリンダ部材39は、型締装置7の、固定金型103を保持している固定ダイプレート(符号省略)に固定されたフレーム51に固定されている。
従って、前側ピストン41が射出用シリンダ部材39に対して前後方向に移動することによって、プランジャ23は前後方向に移動する。あるいは、ヘッド側室39hの圧力を上昇させることによって、プランジャ23からキャビティCa内の溶湯に圧力を付与することができる。
(シリンダ機構のうち射出に利用される部分)
シリンダ機構33は、射出用シリンダ部材39内において前側ピストン41の背後に位置する後側ピストン44と、後側ピストン44に固定されており、射出用シリンダ部材39から前側ピストン41とは反対側(後方)へ延び出ている後側ロッド45と、を有している。
後側ピストン44は、前側ピストン41と同様に、射出用シリンダ部材39を摺動可能に収容されている。射出用シリンダ部材39の内部は、後側ピストン44によって、前側ピストン41側のヘッド側室39hと、ヘッド側室39hとは反対側(後方)の後側室39aとに区画されている。ヘッド側室39hは、前側ピストン41と後側ピストン44とに挟まれて基本的に密閉されている。
従って、射出用電動機27の駆動力によって後側ピストン44を前進させると、その駆動力がヘッド側室39hの液体を介して前側ピストン41に伝達され、前側ピストン41が前進する。すなわち、射出用電動機27の駆動力によってプランジャ23を前進させて射出を行うことができる。
この際、前側ピストン41と後側ピストン44との距離L(ヘッド側室39hの長さ)は、基本的には、一定に保たれる。通常の液圧シリンダにおいては、本実施形態とは異なり、ヘッド側室39hに作動液が供給されて前側ピストン41が駆動されるから、ヘッド側室39hの長さは変化し、当該長さは、最大で(前側ピストン41が前進限に到達したとき)概ね前側ピストン41のストローク(後退限から前進限までの移動量)と同等となる。本実施形態では、ヘッド側室39hの長さ(距離L)は、前側ピストン41のストローク未満とすることが可能であり、例えば、前側ピストン41のストロークの半分以下又は1/3以下である。
上記の距離Lを前側ピストン41のストローク未満とすることに関連して、後側ピストン44が射出用シリンダ部材39を摺動可能な範囲の前方側の一部は、前側ピストン41が射出用シリンダ部材39を摺動可能な範囲の後方側の一部と重複している。すなわち、後側ピストン44の前進限は、前側ピストン41の後退限よりも前方に位置している。
なお、ここでいう前進限及び後退限は、例えば、ストッパがピストンに当接して移動が規制されるときの位置のように、機械的な条件によって規定されるものをいう。また、前側ピストン41及び後側ピストン44の摺動可能範囲が互いに重複しているか否かを判定するとき、前進限及び後退限に代えて、実際の成形サイクルにおける停止位置(制御装置13による制御又はビスケット厚等の運用上の条件によって規定されるもの)に着目してもよい。
前側ピストン41の後退限は、適宜に規定されてよい。例えば、前側ピストン41に固定的な部材(例えば前側ロッド43)のうち、射出用シリンダ部材39の外部に位置する部分に設けられた不図示の被係合部が、射出用シリンダ部材39又は射出用シリンダ部材39に固定的な部材(例えばフレーム51)に設けられた係合部(例えば射出用シリンダ39部材の前端面)に対して前方から後方へ係合することによって、前側ピストン41の後退限が規定されてよい。
同様に、後側ピストン44の前進限は、適宜に規定されてよい。例えば、後側ピストン44に固定的な部材(例えば後側ロッド45)のうち、射出用シリンダ部材39の外部に位置する部分に設けられた不図示の被係合部が、射出用シリンダ部材39又は射出用シリンダ部材39に固定的な部材に設けられた係合部(例えば射出用シリンダ部材39の後端面)に対して後方から前方へ係合することによって、後側ピストン44の前進限が規定されてよい。
なお、前側ピストン41の前進限及び後側ピストン44の後退限は、例えば、通常の液圧シリンダにおけるピストンの前進限及び後退限と同様に規定されてよい。例えば、前側ピストン41の前進限は、前側ピストン41が射出用シリンダ部材39内に設けられたストッパ(例えば射出用シリンダ部材39の前方内面)に当接することによって規定されてよい。後側ピストン44の後退限は、後側ピストン44が射出用シリンダ部材39内に設けられたストッパ(例えば射出用シリンダ部材39の後方内面)に当接することによって規定されてよい。
距離Lは、例えば、後退限に位置する前側ピストン41の位置と、後退限に位置する後側ピストン44との距離である。ただし、これよりも距離Lが長くなるようにヘッド側室39hに液体を供給して運用してもよい(成形サイクルにおいて前側ピストン41が後退限に到達しないように運用してもよい。)。
後側ピストン44は、ヘッド側室39hの後方を密閉して射出用シリンダ部材39を摺動するものであるから、その断面形状及び径は、前側ピストン41の断面形状(例えば円形)及び径と同様である。それ以外の構成(例えば、軸方向の寸法、材質及びシール部材(Oリング等)の配置)は、前側ピストン41の構成と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
後側ロッド45は、後側ピストン44と同軸的に設けられており、射出用シリンダ部材39の後端面から後方へ延び出ている。従って、射出用電動機27の駆動力を後側ロッド45に伝達して後側ロッド45を軸方向へ駆動することによって、後側ピストン44を駆動することができ、ひいては、プランジャ23を前進させることができる。
後側ロッド45は、例えば、前側ロッド43と同様に、概ね断面円形であり、概ね一定の断面形状で延びている。後側ロッド45の断面積(径)は、射出用シリンダ部材39の断面積(径)よりも小さい限り、適宜に設定されてよく、例えば、前側ロッド43の断面積(径)よりも小さくてもよいし、同様でもよいし、大きくてもよい。図示の態様では、後側ロッド45の断面積は、前側ロッド43の断面積に対して同等であり、以下では、基本的に、この態様に基づいて説明する。
(シリンダ機構のうち増圧に利用される部分)
シリンダ機構33は、射出用シリンダ部材39に通じる増圧用シリンダ部材46と、増圧用シリンダ部材46に摺動可能に収容された加圧部材47とを有している。
増圧用シリンダ部材46の内部は、ピストン状の加圧部材47によって、射出用シリンダ部材39内に通じる接続側室46a(図2の紙面右下の図では容積は略0であるので符号省略)と、非接続側室46b(図2の紙面中央の図では容積は略0であるので符号省略)とに区画されている。接続側室46aには液体が満たされている。非接続側室46bは、例えば、大気開放されている。なお、非接続側室46bには、潤滑に寄与する油が少量蓄えられていてもよい。
接続側室46aは、図2の右下に示すように、少なくとも前側ピストン41が所定の距離以上前進した状態において、ヘッド側室39hに通じる。従って、この状態で、増圧用電動機29の駆動力によって加圧部材47を接続側室46a側へ前進させることによって、ヘッド側室39hの圧力を上昇させ、ひいては、プランジャ23が溶湯に付与する圧力を上昇させることができる。すなわち、増圧用電動機29の駆動力によって増圧を行うことができる。なお、加圧部材47が前進して接続側室46aの液体がヘッド側室39hに流れ込むことにより、前側ピストン41と後側ピストン44との距離(ヘッド側室39hの長さ)は、LからL+ΔLとなる。
接続側室46aは、例えば、後退限に位置する前側ピストン41よりも前方であって、後退限よりも前方かつ前進限よりも後方に位置する(前進限から所定の余裕量で後方に位置する)前側ピストン41よりも後方の位置にて射出用シリンダ部材39内に通じている。従って、接続側室46aは、前側ピストン41が後退限に位置しているときにおいてはロッド側室39rに通じ、前側ピストン41が後退限から所定の距離以上前進したときにヘッド側室39hに通じる。
このようにすることによって、例えば、常に(前側ピストン41の位置に関わらずに)接続側室46aがヘッド側室39hに接続される構成(この構成も本願発明に含まれる。)とは異なり、ヘッド側室39hの長さ(距離L)を短くし、かつヘッド側室39hを移動させることができる。ひいては、後側ピストン44を前側ピストン41の摺動範囲まで摺動させることが可能となる。別の観点では、距離Lを短くした構成において、加圧部材47によるヘッド側室39hの加圧が実現される。
なお、前進限及び後退限は、既に述べたように、機械的な条件から規定されるものである。ただし、前側ピストン41の前進前に接続側室46aとロッド側室39rとが通じ、かつ前側ピストン41がある程度前進した後に接続側室46aとヘッド側室39hとが通じる構成であるか否かの判定に際して、実際の成形サイクルにおける前側ピストン41等の停止位置に着目してもよい。
また、「前側ピストン41よりも後方の位置にて射出用シリンダ部材39内に通じる」という場合、接続側室46aと射出用シリンダ部材39内とを連通するために射出用シリンダ部材39の内面に開口する開口46cの少なくとも一部がヘッド側室39hに通じていればよい。例えば、開口46cのうち、前方(紙面左側)の一部が前側ピストン41の後側部分によって塞がれたり、及び/又は後方(紙面右側)の一部が後側ピストン44の前側部分によって塞がれたりしてもよい。同様に、「前側ピストン41よりも前方となる位置にて射出用シリンダ部材39内に通じる」という場合も、開口46cの全部がロッド側室39rに通じていることを要しない。
ただし、前側ピストン41と射出用シリンダ部材39との間の液体の漏れを低減する等の観点からは、開口46cの全部がヘッド側室39h(又はロッド側室39r)に通じることが好ましい。また、このことから、距離Lは、開口46cの紙面左右方向の径以上であることが好ましい。
加圧部材47によって接続側室46aを介してヘッド側室39hの液体を加圧することから、接続側室46aとヘッド側室39hとの連通は、前側ピストン41が前進限に到達する前(前進限から所定の余裕量で後方に位置するとき)に実現される必要がある。この余裕量は、後述の動作の説明から理解されるように、前側ピストン41の前進限とプランジャ23が停止したときの前側ピストン41の位置(想定される位置)との差、加圧部材47の前進を開始してからプランジャ23が停止するまでの距離(想定される距離)、及び/又は加圧部材47を後退限から前進限まで移動させることによる前側ピストン41の移動量(ΔL)等を考慮して、適宜に設定されてよい。
増圧用シリンダ部材46は、例えば、射出用シリンダ部材39に対して交差(例えば直交)するように配置され、また、射出用シリンダ部材39と直接的に連結されている。ただし、増圧用シリンダ部材46は、適宜な流路(別の観点では増圧用シリンダ部材46の断面積よりも断面積が小さい部分)を介して射出用シリンダ部材39に通じていてもよいし、射出用シリンダ部材39に対して並列に配置されていてもよい。
加圧部材47は、例えば、概ね円柱状であり、その断面積は、前側ピストン41の断面積に対して、大きくてもよいし、同等でよいし、小さくてもよい。増圧用電動機29の負担を軽減する観点からは、加圧部材47の断面積は、前側ピストン41の断面積よりも小さいことが好ましい。
加圧部材47の前進限及び後退限は適宜に規定されてよい。例えば、前進限及び後退限は、加圧部材47が増圧用シリンダ部材46内に設けられた不図示のストッパに当接することによって、又は後述する増圧用ねじ機構83の駆動限によって規定される。加圧部材47の前進限は、例えば、加圧部材47が射出用シリンダ部材39内に侵入しないように設定される。これにより、加圧部材47と前側ピストン41とが接触するおそれが低減される。ただし、そのような機械的な前進限を設定せず、制御によって加圧部材47が射出用シリンダ部材39へ侵入しないようにしたり、加圧部材47が前側ピストン41に接触しないように加圧部材47をヘッド側室39h内に侵入させたりしてもよい。
(シリンダ機構に係る液圧系)
統合伝達機構31は、シリンダ機構33に係る液体の流れを制御するための液体制御部53を有している。液体制御部53は、例えば、ロッド側室39rとヘッド側室39hとを連通する連通流路55と、ロッド側室39r及び/又は後側室39a(本実施形態では双方)に接続されたアキュムレータ57と、連通流路55に設けられた連通用バルブ59と、アキュムレータ57とシリンダ機構33との間に介在するACC用バルブ61とを有している。
連通流路55(及びその他の流路)は、例えば、鋼管、可撓性のホース又は金属ブロックにより構成されている。連通流路55は、一端が、前側ピストン41の前進限よりも前方にてロッド側室39rに通じ、他端が、後側ピストン44の後退限よりも後方にて後側室39aに通じている。
連通流路55が設けられていることにより、例えば、射出用電動機27の駆動力によって前側ピストン41及び後側ピストン44を前進させる際、ロッド側室39rの容積の縮小に伴ってロッド側室39rから排出される液体によって、容積が拡大する後側室39aへの液体の補給を行うことができる。また、例えば、射出用電動機27の駆動力によって後側ピストン44を後退させると、容積が縮小する後側室39aから排出される液体がロッド側室39rに供給される。その結果、前側ピストン41が後退し、ひいては、プランジャ23が後退する。すなわち、射出用電動機27の駆動力によってプランジャ23を後退させることができる。
前側ピストン41の移動に伴うロッド側室39rの容積の変化量は、前側ピストン41の断面積から前側ロッド43の断面積を差し引いた断面積に前側ピストン41の移動量を乗じた大きさである。後側ピストン44の移動に伴う後側室39aの容積の変化量は、後側ピストン44の断面積から後側ロッド45の断面積を差し引いた断面積に後側ピストン44の移動量を乗じた大きさである。従って、ロッド側室39rと後側室39aとの間で液体を供給し合うときの液体の過不足は、加圧部材47の動作の影響等を無視すると、後側ロッド45の断面積が前側ロッド43の断面積に近いほど、低減される。図示の例のように、後側ロッド45の断面積と前側ロッド43の断面積とが同等の場合においては、基本的には、液体の過不足は生じない。
アキュムレータ57は、重量式、ばね式、気体圧式(空気圧式含む)、シリンダ式、プラダ式などの適宜な形式のアキュムレータにより構成されてよい。図示の例では、アキュムレータ57は、シリンダ式のものとされており、符号は省略するが、シリンダ部材と、シリンダ部材に摺動可能に収容されたピストンとを有している。シリンダ部材の内部は、ピストンによって気体室と液体室とに区画されており、液体室がシリンダ機構33に接続されている。
アキュムレータ57は、通常の射出シリンダに接続されるアキュムレータとは異なり、液体の送出によって前側ピストン41を駆動することを目的としたものではなく、その圧力は比較的低くてよい。例えば、アキュムレータ57の気体室の圧力(例えばアキュムレータ57の仕様で設定されている最高圧力又は成形サイクル中に実際に生じる最高圧力)は、高圧ガス保安法において高圧と定義されている圧力(1MPa)よりも低くてよい。また、アキュムレータ57として、いわゆるミニボトルが用いられてもよい。
アキュムレータ57は、例えば、連通流路55に接続されており、ひいては、ロッド側室39r及び後側室39aに通じている。ただし、後述の動作から理解されるように、アキュムレータ57は、必ずしも後側室39aに通じている必要はなく、連通流路55とは別個にロッド側室39rに接続されていてもよい。
連通用バルブ59は、ロッド側室39rから排出される液体の流量を制御するためのものである。ロッド側室39rからの液体の流量を制御することによって、例えば、前側ピストン41等の速度を制御し、ひいては、射出の際における前進方向の慣性力を制御することができる。連通用バルブ59は、例えば、連通流路55において、連通流路55とアキュムレータ57との接続位置よりも後側室39a側に設けられている。
連通用バルブ59は、流量制御ができれば適宜なものとされてよいが、例えば、ばね力によって閉位置とされ、電磁力によって開かれる、流量制御機能付きのノンリーク切換弁によって構成されている。流量制御は、圧力補償及び/又は温度補償を行うものであってもよいし、行わないものであってもよい。連通用バルブ59は、流量制御に関してフィードバック制御がなされるサーボバルブであってもよいし、オープン制御がなされる比例弁であってもよい。
ノンリーク弁は、液体のリークが少ない又は無い弁であり、そのカタログ乃至は仕様書などにおいて、ノンリーク弁である旨が記載されていることが多く、当該記載に基づいてノンリーク弁であるか否かを特定可能である。ノンリーク弁の構造によっては、リークが少ない又は無いのは、全閉時のときのみでよい。流量制御機能付きのノンリーク弁としては、例えば、ポペット構造とスプール構造とを組み合わせたもの(別の観点では切換弁と流量制御弁とを組み合わせたバルブユニット)が知られている。
ACC用バルブ61は、アキュムレータ57における液体の流入出を許容及び禁止するためのものであり、例えば、連通流路55とアキュムレータ57との間に配置されている。ACC用バルブ61は、上記の機能を発揮できれば適宜な構成とされてよいが、例えば、ばね力によって閉位置とされ、電磁力によって開位置とされる2ポート2位置のノンリーク切換弁によって構成されている。ノンリーク弁については、上述のとおりである。2ポート2位置のノンリーク弁としては、例えば、ポペット構造などを採用することによってリークが全く無いことを謳ったものが知られている。
(射出用伝達機構)
射出用伝達機構35は、例えば、巻掛伝動機構(符号省略)と射出用ねじ機構69とを含んで構成されている。具体的には、例えば、射出用伝達機構35は、射出用電動機27の出力軸27aに固定されたプーリ65と、プーリ65に掛けられたベルト67と、ベルト67が掛けられたナット71と、ナット71に螺合されたねじ軸73と、ねじ軸73と後側ロッド45とを連結する連結部材74とを有している。なお、プーリ65、ベルト67及びナット71によって巻掛伝動機構の一種であるプーリ・ベルト機構が構成されている。ナット71及びねじ軸73によって射出用ねじ機構69が構成されている。
プーリ65及びベルト67は、射出用電動機27の回転をナット71に伝達する。これらの部材は、例えば、射出用電動機27をねじ軸73に対して並列に配置したり、射出用ねじ機構69に対する射出用電動機27の配置の自由度を向上させたりすることに寄与している。プーリ65の径とナット71の径とは、同等であってもよいし、一方が他方よりも大きくてもよい。すなわち、射出用伝達機構35の巻掛伝動機構は、減速又は増速に寄与しなくてもよいし、寄与してもよい。図示の例では、ナット71の径は、プーリ65の径と同等である。ベルト67は、例えば、歯付ベルトであってもよいし、歯が付いていないものであってもよい。射出用伝達機構35の巻掛伝動機構は、スプロケット・チェーン機構のように、プーリ・ベルト機構以外の他の形式のものであってもよい。
射出用ねじ機構69は、射出用電動機27の回転を並進運動に変換することに寄与する。射出用ねじ機構69は、ナット71とねじ軸73との間にボールが介在するボールねじ機構であってもよいし、ボールが介在しないすべりねじ機構であってもよい。伝動効率を向上させて高速化を図る等の観点からは前者が好ましい。射出用ねじ機構69は、ねじ溝が1本の1条ねじ式のものであってもよいし、ねじ溝が2本以上の多条ねじ式のものであってもよい。
ナット71は、軸回りの回転が許容されているとともに軸方向の移動が規制されている。一方、ねじ軸73は、軸回りの回転が規制されているとともに軸方向の移動が許容されている。従って、射出用電動機27の回転がプーリ65及びベルト67を介してナット71に伝達されると、ねじ軸73がその軸方向に移動する。ひいては、ねじ軸73に対して連結部材74によって連結されている後側ロッド45及び後側ピストン44が前後方向に移動する。
ナット71の軸回りの回転の許容及び軸方向の移動の規制は、例えば、ナット71が適宜な軸受けを介して支持されることによりなされている。ねじ軸73の軸回りの回転の規制は、例えば、ねじ軸73が、当該ねじ軸73に対して並列な後側ロッド45及び/又は他のねじ軸73に連結されていることによってなされている。
連結部材74は、後側ロッド45とねじ軸73とを連結できる限り、適宜な構成の部材とされてよい。図示の例では、連結部材74は、平面視又は側面視においてシリンダ機構33に対して直交する方向に概ね直線状に延びるフレーム状の部材であり、後側ロッド45及びねじ軸73の後端部に設けられた雄ねじ部(符号省略)が挿通され、当該雄ねじ部にナット(符号省略)が螺合されることによって後側ロッド45及びねじ軸73に固定されている。
プーリ65からねじ軸73に至る構成は、2台の射出用電動機27に対応して2組設けられ、共に後側ロッド45に連結されている。この2組の構成は、2台の射出用電動機27の配置と同様に、例えば、平面視又は側面視においてシリンダ機構33を対称軸として線対称に配置され、より好ましくは、シリンダ機構33を対称軸として180°回転対称に配置される。2つの射出用電動機27の制御においては、タンデム制御が行われてもよい。
(増圧用伝達機構)
増圧用伝達機構37は、例えば、巻掛伝動機構(符号省略)及び増圧用ねじ機構83を含んで構成されている。具体的には、増圧用伝達機構37は、増圧用電動機29の出力軸29aに固定されたプーリ79と、プーリ79に掛けられたベルト81と、ベルト81が掛けられたナット85と、ナット85に螺合されるとともに加圧部材47に固定されたねじ軸87とを有している。なお、プーリ79、ベルト81及びナット85によって巻掛伝動機構の一種であるプーリ・ベルト機構が構成されている。ナット85及びねじ軸87によって増圧用ねじ機構83が構成されている。
プーリ79及びベルト81は、増圧用電動機29の回転をナット85に伝達する。これらの部材は、例えば、増圧用電動機29をねじ軸87に対して並列に配置したり、増圧用ねじ機構83に対する増圧用電動機29の配置の自由度を向上させたりすることに寄与している。プーリ79の径とナット85の径とは、同等であってもよいし、一方が他方よりも大きくてもよい。すなわち、増圧用伝達機構37の巻掛伝動機構は、減速又は増速に寄与していなくてもよいし、寄与してもよい。図示の例では、ナット85の径は、プーリ79の径よりも大きくなっている。従って、増圧用電動機29の生じたトルクよりも大きなトルクでナット85は駆動される。ベルト81は、例えば、歯付ベルトであってもよいし、歯が付いていないものであってもよい。増圧用伝達機構37の巻掛伝動機構は、スプロケット・チェーン機構のように、プーリ・ベルト機構以外の他の形式のものであってもよい。
増圧用ねじ機構83は、増圧用電動機29の回転を並進運動に変換することに寄与する。増圧用ねじ機構83は、ナット85とねじ軸87との間にボールが介在するボールねじ機構であってもよいし、ボールが介在しないすべりねじ機構であってもよい。伝動効率の向上によって高精度に所望の昇圧曲線を得る等の観点からは前者が好ましく、ヘッド側室39hから圧力を受ける加圧部材47の後退を抑制する等の観点からは後者が好ましい。増圧用ねじ機構83は、ねじ溝が1本の1条ねじ式のものであってもよいし、ねじ溝が2本以上の多条ねじ式のものであってもよい。
ナット85は、軸回りの回転が許容されているとともに軸方向の移動が規制されている。一方、ねじ軸87は、軸回りの回転が規制されているとともに軸方向の移動が許容されている。従って、増圧用電動機29の回転がプーリ79及びベルト81を介してナット85に伝達されると、ねじ軸87がその軸方向に移動する。ひいては、ねじ軸87の軸方向を移動方向としてねじ軸87に固定されている加圧部材47が移動する。
ナット85の軸回りの回転の許容及び軸方向の移動の規制は、例えば、ナット85が適宜な軸受けによって支持されることによりなされている。ねじ軸87の回転の規制は、例えば、ねじ軸87が加圧部材47に対して偏心して固定されたり、ねじ軸87に設けられた不図示のスプライン溝が増圧用シリンダ部材46に固定的なガイドに案内されたり、及び/又はねじ軸87に並列で軸方向の移動のみが許容された不図示のガイド軸がねじ軸87に固定されたりすることによってなされる。
なお、ねじ軸87は、加圧部材47とは別個の部材からなり、互いに固定されていてもよいし、加圧部材47と一体的に形成されてねじ軸87に固定されていてもよい。
射出用ねじ機構69及び増圧用ねじ機構83を比較すると、例えば、増圧用ねじ機構83は射出用ねじ機構69に比較して、リードが小さく、また、径(例えば有効径又は雄ねじの谷径)が大きい。また、例えば、射出用ねじ機構69がボールねじ機構によって構成されているのに対して、増圧用ねじ機構83をすべりねじ機構によって構成してもよい。
なお、以上の説明から理解されるように、射出用電動機27の駆動力は、機械式の伝達機構によって後側ピストン44に伝達されており、流体圧機器(例えば油圧機器)を介さずに伝達されている。例えば、射出用電動機27は、ポンプを駆動する電動機のような、作動流体に圧力を付与したり、作動流体を送出したりして、後側ピストン44を駆動するものではない。同様に、増圧用電動機29の駆動力は、機械式の伝達機構によって加圧部材47に伝達されており、流体圧機器(例えば油圧機器)を介さずに伝達されている。例えば、増圧用電動機29は、ポンプを駆動する電動機のような、作動流体に圧力を付与したり、作動流体を送出したりして、加圧部材47を駆動するものではない。
(制御装置及びセンサ等)
制御装置13は、例えば、CPU89及びメモリ91を含むコンピュータにより構成されており、入力部93を介して入力される電気信号に基づいて、各部を制御するための制御信号を生成し、その生成した制御信号を、出力部95を介して各部へ出力する。
制御装置13に入力される電気信号は、例えば、プランジャ23の位置を検出する位置センサ97の検出信号、プランジャ23に付与されている力を検出する力センサ99の検出信号、及び入力装置17からのユーザの操作に応じた操作信号である。その他、射出用電動機27の回転センサ27sの検出信号、増圧用電動機29の回転センサ29sの検出信号、増圧用電動機29に流れる電流を検出する電流検出器の検出信号、連通用バルブ59の開度を示す検出信号等が、電動機又は制御弁を駆動するサーボドライバへの入力に加えて又は代えて、制御装置13に入力されてもよい。
制御装置13から出力される制御信号は、例えば、射出用電動機27、増圧用電動機29、連通用バルブ59、ACC用バルブ61及び表示装置15を制御するためにこれらの制御対象(厳密にはそのドライバ)に出力される制御信号である。
位置センサ97は、例えば、プランジャ23に対して固定的に設けられた不図示のスケール部とともに、磁気式又は光学式のリニアエンコーダを構成している。図示の例では、スケール部は、前側ロッド43に設けられており、位置センサ97は、フレーム51付近に位置している。位置センサ97及び/又は制御装置13は、スケール部と位置センサ97との相対的な移動量に応じた数で生成されるパルスに基づいて、プランジャ23の位置及び速度(射出速度)を特定可能である。
力センサ99は、例えば、プランジャ23と前側ロッド43との間に位置するロードセルを含んで構成されている。ロードセルは、例えば、歪ゲージ式のものである。制御装置13は、力センサ99からの検出信号に基づいて、プランジャ23に付与されている力、ひいては、溶湯に付与されている圧力を特定可能である。
(射出装置の動作)
図3は、射出装置9の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図3において、横軸は時間tを示している。線LVは射出速度(プランジャ23の速度)を示し、線LPは射出圧力(プランジャ23が溶湯に付与する圧力)を示している。また、その上方側の線は、射出用電動機27のサーボロック状態(サーボON状態)での回転数又はサーボフリー状態(サーボOFF状態)、増圧用電動機29のサーボロック状態(サーボON状態)での回転数又はサーボフリー状態(サーボOFF状態)、並びに連通用バルブ59及びACC用バルブ61の制御状態を示している。
射出速度(線LV)及び射出圧力(線LP)から理解されるように、射出装置9は、概観すると、低速射出(期間T1)、高速射出(期間T2)、及び、増圧・保圧(期間T3)を順に行う。すなわち、射出装置9は、射出の初期段階においては、溶湯の空気の巻き込みを防止するために比較的低速でプランジャ23を前進させ、次に、溶湯の凝固に遅れずに溶湯を充填するため等の観点から比較的高速でプランジャ23を前進させる。その後、射出装置9は、成形品のヒケをなくすために、プランジャ23の前進する方向の力によりキャビティ内の溶湯を増圧する。具体的には、以下のとおりである。
(低速射出開始前:〜t0)
低速射出の開始直前において、射出装置9は、図2に示す状態となっている。すなわち、前側ピストン41、後側ピストン44及び加圧部材47は、後退限等の初期位置に位置している。射出用電動機27及び増圧用電動機29は停止している。連通用バルブ59は、例えば、開かれている。ACC用バルブ61は、例えば、閉じられている。
(低速射出(T1):t0〜t1)
固定金型103及び移動金型105の型締めが終了し、溶湯がスリーブ21に供給されるなど、所定の低速射出開始条件が満たされると、制御装置13は、射出用電動機27を駆動する。その駆動力は、射出用伝達機構35を介して後側ロッド45に伝達され、さらには、ヘッド側室39hの液体を介して前側ピストン41に伝達される。これにより、プランジャ23が前進する。すなわち、射出用電動機27の駆動力によって低速射出が行われる。
この際、連通用バルブ59は開状態(例えば全開)とされ、ロッド側室39r及び後側室39aは互いに連通されている。また、ACC用バルブ61は閉状態とされ、アキュムレータ57における液体の流入出は禁止されている。そして、前側ピストン41の前進に伴ってロッド側室39rから排出される液体は、後側室39aに還流される。本実施形態では、前側ロッド43の断面積と後側ロッド45の断面積とは同等であるから、基本的に液体の過不足は生じない。
なお、図示の例とは異なり、ACC用バルブ61は、開かれていてもよい。この場合であっても、基本的には、前側ピストン41の前進に伴ってロッド側室39rから排出される液体は、後側室39aに還流される。そして、液体の過不足が生じた場合においては、当該過不足はアキュムレータ57によって解消される。このことから明らかなように、前側ロッド43の断面積と後側ロッド45の断面積とは異なっていても構わない。また、ACC用バルブ61が開かれず、液体の過不足に応じてロッド側室39r又は後側室39aに真空の空間が形成されても構わない。
プランジャ23の速度は、射出用電動機27の回転数の調整により制御される。具体的には、例えば、制御装置13は、位置センサ97により検出されるプランジャ23の速度に基づいて、射出用電動機27の回転数をフィードバック制御する。なお、図3では、このときの射出用電動機27の回転数MVLは一定とされ、ひいては、低速射出速度VLは一定とされている。ただし、多段変速が行われてもよい。
ここでの速度フィードバック制御は、速度自体の偏差に基づいて速度を制御するものであってもよいし、目標速度に基づいて所定の時間刻み(例えば1ms)で時々刻々の目標位置を予め求めておき、時々刻々の位置の偏差に基づいて速度を制御する(位置フィードバックによって実質的に速度フィードバックを行う)ものであってもよい。速度は、位置の微分であるから、後者も速度に基づくフィードバック制御であると捉えられてよい。後述する高速射出においても同様である。
低速射出速度VLは、溶湯によるガスの巻き込みが生じないように適宜に設定されてよいが、例えば、1m/s未満である。低速射出中の射出圧力は、射出速度が比較的低速であることに対応して比較的低いPLとなる。
(高速射出(T2):t1〜t3)
制御装置13は、プランジャ23が所定の高速切換位置に到達すると、射出用電動機27の回転数をMVLからMVHへ上昇させる。これにより、射出速度は比較的低速のVLから比較的高速のVHへ上昇し、高速射出が実現される。なお、射出速度の上昇に伴って、射出圧力も若干上昇してPHとなる。高速射出速度VHは、低速射出速度VLよりも高い範囲で適宜に設定されてよいが、例えば、1m/s以上であり。好ましくは3m/s以上である。
なお、制御装置13は、例えば、プランジャ23の移動範囲を複数に分けた区間毎に設定された目標速度を時々刻々のプランジャ23の目標位置に変換して位置フィードバック制御(実質的な速度フィードバック制御)を行っており(時間経過に基づいて変速しており)、プランジャ23が高速切換位置に到達したか否か検知しない。ただし、制御装置13は、位置センサ97からの信号に基づいてプランジャ23が所定の高速切換位置に到達したことを検知して目標速度を切り換えてもよい。
射出用電動機27の回転数の制御により高速射出が実現されることから、低速射出速度VLから高速射出速度VHに至るまでの昇速時間(T4:t1〜t2)は、任意に設定可能である。なお、射出用電動機27が低慣性電動機である場合においては、より正確に昇速時間が制御される。例えば、VL=0.20m/sからVH=5.0m/sへの昇速を10ms程度で行うこともできる。
また、制御装置13は、増圧が開始される前の適宜な時期において、増圧用電動機29の駆動を開始する。図3では、高速射出速度VHへの昇速完了時(t2)に増圧用電動機29の駆動が開始され、且つ、一定の回転数MVIまで回転数が上昇されている場合を例示している。高速射出中における加圧部材47の前進速度は、後側ピストン44の前進速度(VH)よりも低速であり、射出用電動機27の回転数の制御による高速射出速度VHの制御に影響を及ぼさない若しくは殆ど影響を及ぼさない。そして、このように予め増圧用電動機29を駆動しておくことにより、増圧への移行が円滑に行われる。
増圧用電動機29の駆動を開始する時期は、接続側室46aとロッド側室39rとの連通が前側ピストン41によって遮断される前及び後のいずれであってもよい。ただし、遮断前の場合は、駆動開始時期は早くなり過ぎないことが好ましい。また、増圧用電動機29の駆動を開始する時期は、接続側室46aとヘッド側室39hとが連通される前及び後のいずれであってもよい。
(射出用電動機による減速:t3〜t4)
制御装置13は、所定の減速開始条件が満たされると(t3)、射出用電動機27の回転数を下げる。これにより、プランジャ23は減速される。より具体的には、例えば、射出用電動機27の回転数を下げると、後側室39aの容積の拡大の速度が低くなり、ひいては、ロッド側室39rからの排出が許容される流量が少なくなる。その結果、前側ピストン41が減速される。昇速と同様、この減速は射出用電動機27の回転数の制御により実現されることから、その減速時間は、任意に設定可能である。射出用電動機27を低慣性電動機により構成することにより、そのような減速時間の設定が好適になされることも昇速と同様である。なお、減速が開始されても、キャビティCaには溶湯が概ね充填されていることから、溶湯の圧力はPH付近に保たれ又は上昇する。
ここでの射出用電動機27の減速制御は、低速射出及び高速射出における速度制御と同様に、オープン制御であってもよいし、フィードバック制御であってもよく、また、速度フィードバック制御は、速度自体の偏差に基づくものであってもよいし、時々刻々の位置偏差に基づくものであってもよい。
減速開始条件は、適宜に設定されてよく、例えば、プランジャ23が所定の減速開始位置に到達したときに減速が開始される。ただし、高速切換位置と同様に、制御装置13は、位置センサ97からの信号に基づいてプランジャ23が減速開始位置に到達したことを検知して目標速度を切り換えてもよいし、時々刻々の位置フィードバック制御によって実質的に速度フィードバック制御を行っており(時間経過に基づいて変速しており)、プランジャ23が減速開始位置に到達したか否か検知しなくてもよい。
なお、このような射出用電動機27の減速制御が行われずに、金型101に概ね充填された溶湯からプランジャ23が受ける力によって、プランジャ23及び射出用電動機27が減速されてもよい。
(サージ圧の抑制のためのバルブ制御:t3〜t4)
制御装置13は、プランジャ23の減速が開始されてからプランジャ23が停止するまでの期間のうちの適宜な期間において、連通用バルブ59によってロッド側室39rから排出される液体の流量を制御し(基本的には減じ)、ひいては、プランジャ23及び射出駆動部25の前方への慣性力を制御する(基本的には減じる)。これにより、例えば、大きなサージ圧が発生するおそれが低減される。なお、この動作は、プランジャ23の減速制御にも寄与する。
また、制御装置13は、上記の連通用バルブ59による流量制御の開始後、プランジャ23の停止前の適宜な時期に、ACC用バルブ61を開く。これにより、ロッド側室39rに生じる圧力変動がアキュムレータ57に逃げることができる。その結果、図4において点線で示すようなサージ圧の発生が抑制される。なお、ACC用バルブ61が開かれて、ロッド側室39rからアキュムレータ57への液体の流れが許容されることによって、連通用バルブ59によってなされていたロッド側室39rからの液体の排出の規制(流量制御)は解除されることになる。
(増圧:t3〜t4)
上述のように、適宜な時期に増圧用電動機29の回転が開始され、また、適宜な時期にACC用バルブ61が開かれる。従って、ヘッド側室39hの圧力が加圧部材47によって上昇し、その一方で、ロッド側室39rの圧力は低下する。その結果、前側ピストン41は比較的強い駆動力を前進方向へ受けることになり、プランジャ23によって溶湯の圧力を上昇させる増圧が実現される。なお、増圧用電動機29の回転数は、例えば、適宜な時期(例えば減速開始時点t3)に一定の回転数MVIに到達する。
その後、射出圧力は、終圧である圧力Pmaxに達する(t4)。圧力Pmaxに到達するまでの昇圧時間は、昇速時間や減速時間と同様に、射出用電動機27及び増圧用電動機29を適宜に制御することによって任意の長さに設定可能である。また、射出用電動機27及び増圧用電動機29を低慣性電動機により構成することにより、そのような昇圧時間の設定が好適になされることも同様である。例えば、PH=3MPaからPmax=5MPaへの昇圧を10ms程度で行うこともできる。
増圧において、制御装置13は、適宜に増圧用電動機29の速度制御及び/又はトルク制御を行ってよい。例えば、制御装置13は、減速開始時点等の適宜な時期に、増圧用電動機29の制御を速度制御からトルク制御に切り換えてよいし、速度制御とトルク制御とを組み合わせた制御を行ってもよい。
速度制御は、オープン制御であってもよいし、フィードバック制御であってもよく、フィードバック制御は、速度自体の偏差に基づくものであってもよいし、時々刻々の位置偏差に基づくものであってもよい。また、速度制御は、増圧用電動機29の回転センサ29sの検出値に基づくセミ・クローズドループによるものであってもよいし、このループを含む又は含まない、加圧部材47の速度(位置)を検出するセンサを設けることによってなされる(フル)クローズドループによるものであってもよい。
トルク制御は、オープン制御であってもよいし、フィードバック制御であってもよい。フィードバック制御は、不図示の電流検出器が検出する増圧用電動機29の電流に基づくセミ・クローズドループによるものであってもよいし、このループを含む又は含まない、力センサ99の検出値に基づくクローズドループによるものであってもよい。また、増圧用電動機29のトルクは、多段制御されてよい。
(保圧:t4〜t6)
プランジャ23の停止(t4)後、射出用電動機27は、例えば、サーボロック機能又はブレーキによって停止状態とされる。これにより、ヘッド側室39hの圧力によって後側ピストン44が後退するおそれが低減される。なお、シリンダ機構33又は射出用伝達機構35に適宜なブレーキを設けることなどによって後側ピストン44の後退を規制し、射出用電動機27をトルクフリーの状態としてもよい。
増圧用電動機29は、例えば、停止され、又はトルク制御が維持される。加圧部材47の後退が規制されることにより、又はこれに加えて増圧用電動機29のトルク制御が維持されることにより、鋳造圧力Pmaxは維持される。
保圧においては、溶湯の凝固に伴う収縮に応じて増圧用電動機29により適宜にプランジャ23を前進させ(速度V1)、キャビティCa内の圧力を鋳造圧力Pmaxに保つことができる。そして、一定の時間が経過すると、増圧用電動機29のトルクは徐々に下げられ、さらには、増圧用電動機29は停止され、保圧は完了する(t6)。
なお、保圧において、加圧部材47の後退の規制は、増圧用電動機29のサーボロック機能又はブレーキによってなされてもよいし、及び/又は増圧用ねじ機構83(すべりねじ機構)の抵抗力によってなされてもよい。
(成形後)
成形品が凝固すると、不図示の型締装置により型開きが行われ、不図示の押出装置により成形品が型から押し出される。なお、射出装置9は、成形品を固定金型103から離型させるために、プランジャ23によりビスケットの押出しを行ってもよい。このとき利用される電動機は、射出用電動機27及び増圧用電動機29のいずれであってもよいし、双方が利用されてもよい。
その後、前側ピストン41、後側ピストン44及び加圧部材47は、初期位置に戻される。具体的には、例えば、まず、制御装置13は、増圧用電動機29の逆回転により、加圧部材47を初期位置に戻す。この際、制御装置13は、ACC用バルブ61を開く。従って、前側ピストン41は、加圧部材47の後退に伴ってヘッド側室39hに生じた負圧を解消するように、ロッド側室39r(アキュムレータ57)の圧力によって後退する。これにより、前側ピストン41と後側ピストン44との距離L+ΔLは、増圧前の距離Lに戻る。なお、連通用バルブ59は、例えば、閉じられている。
次に、制御装置13は、ACC用バルブ61を閉じ、連通用バルブ59を開き、射出用電動機27を逆回転させる。射出用電動機27の逆回転により、後側ピストン44は後退して初期位置に戻る。また、後側室39aから排出される液体がロッド側室39rに供給されることによって、前側ピストン41も後退して初期位置に戻る。この際、本実施形態では、前側ロッド43の断面積と後側ロッド45の断面積とが同等であることから、液体の過不足は生じない。
なお、本実施形態とは異なり、後側ロッド45の断面積が前側ロッド43の断面積よりも小さい場合(後側ピストン44の後退時に液体が余る場合)においては、例えば、後側室39a及びロッド側室39rの圧力が所定値以上になったときにリリーフ弁によって液体の余剰分をアキュムレータ57に逃がすようにしてよい。また、後側ロッド45の断面積が前側ロッド43の断面積よりも大きい場合(後側ピストン44の後退時に液体が不足する場合)においては、例えば、ACC用バルブ61を開いてよい。この場合、前側ピストン41は、後側ピストン44の後退に伴ってヘッド側室39hに生じる負圧を解消するように、ロッド側室39r(アキュムレータ57)の圧力によって後退する。
以上のとおり、本実施形態では、射出装置9は、射出用電動機27と、増圧用電動機29と、射出用電動機27及び増圧用電動機29の駆動力をプランジャ23に伝達する統合伝達機構31と、を有している。統合伝達機構31は、プランジャ23の後方にてプランジャ23に固定的な前側ピストン41と、前側ピストン41を摺動可能に収容しており、前側ピストン41の後側に、液体が満たされるヘッド側室39hを有している射出用シリンダ部材39と、射出用電動機27により流体圧機器を介さずに駆動されてヘッド側室39hの液体を介して前側ピストン41に射出用電動機27の駆動力を伝達する後側ピストン44と、増圧用電動機29により流体圧機器を介さずに駆動されてヘッド側室39hの液体を加圧する加圧部材47と、を有している。
従って、例えば、増圧用電動機29を停止した状態で射出用電動機27によってプランジャ23を前進させて狭義の射出を行ったり、射出用電動機27を停止した状態で増圧用電動機29によってプランジャ23に駆動力を付与して増圧を行ったりすることができる。すなわち、射出の進行に伴ってプランジャ23を駆動する電動機を切り換えることができる。
このようなシリンダ機構33を用いた電動機の切り換えは、例えば、摩擦クラッチを用いるような場合に比較して、大きな力を伝達することに有利である。また、例えば、ロッド側室39r、ヘッド側室39h及び/又は後側室39aの液体が種々の衝撃緩和に寄与することによって、耐久性向上が期待される。これらのことから、本実施形態は、比較的大きな駆動力を必要とし、また、慣性力が比較的大きくなりやすい、大型成形機の全電動化に有利である。
さらに、射出用電動機27及び増圧用電動機29のいずれについても、プランジャ23との間にヘッド側室39hが介在していることから、プランジャ23から電動機へ伝わる衝撃がヘッド側室39hの液体によって緩和され、電動機が保護される。例えば、高速射出の終期において、キャビティCa内に溶湯が概ね充填されてサージ圧が発生したときに、溶湯からプランジャ23へ加えられた後方への衝撃がヘッド側室39hによって緩和される。
また、本実施形態では、統合伝達機構31は、後退限に位置する前側ピストン41よりも前方であって、後退限よりも前方かつ前進限よりも後方に位置する前側ピストン41よりも後方となる位置にて射出用シリンダ部材39内に通じる増圧用シリンダ部材46を有している。加圧部材47は、増圧用シリンダ部材46内の液体を加圧することによりヘッド側室39hの液体を加圧可能である
従って、例えば、増圧用シリンダ部材46を射出用シリンダ部材39の周囲のうち前側に配置することができる。その結果、例えば、射出用シリンダ部材39の周囲のうち後側に射出用伝達機構35等を配置することが容易化される。また、例えば、既に述べたように、後側ピストン44が前側ピストン41の摺動可能範囲のうちの後方の一部を摺動する構成(ヘッド側室39hが移動する構成)が可能となる。
また、本実施形態では、後側ピストン44は、射出用シリンダ部材39内に摺動可能に収容され、ヘッド側室39hを挟んで前側ピストン41の後方に位置しており、射出用シリンダ部材39内において、後側ピストン44の摺動可能範囲のうちの前方の一部は、前側ピストン41の摺動可能範囲のうちの後方の一部と重複している。
従って、例えば、ヘッド側室39hの長さ(距離L)を短くすることができる。例えば、本実施形態とは異なり、前側ピストン41の摺動範囲と後側ピストン44の摺動範囲とが重ならない態様(この態様も本願発明に含まれる。)に比較して、シリンダ機構33を小型化することができる。また、前側ピストン41及び後側ピストン44は、同一のシリンダ部材を摺動するから(断面積が同一であるから)、後述する変形例(図4(c))との比較から理解されるように、その移動距離が基本的に互いに同一である。従って、射出用電動機27の回転数とプランジャ23の移動速度との対応関係等を把握しやすく、設計乃至は制御が容易化される。
また、本実施形態では、統合伝達機構31は、前側ピストン41の前側に位置し、液体が満たされるロッド側室39rと、前側ピストン41からロッド側室39rを経由してロッド側室39rの外部へ延び出てプランジャ23に連結される前側ロッド43と、後側ピストン44のヘッド側室39hの液体を加圧する側とは反対側に位置し、液体が満たされる後側室39aと、後側ピストン44から後側室39aを経由して後側室39aの外部へ延び出ており、その延び出た部分に射出用電動機27の駆動力が伝達される後側ロッド45と、ロッド側室39rと後側室39aとを連通する連通流路55と、を有している。
従って、例えば、前側ピストン41の前進に伴って容積が縮小するロッド側室39rから排出される液体を後側ピストン44の前進に伴って容積が拡大する後側室39aに補給することができる。その結果、例えば、装置全体として液体を収容する容積を小さくすることができる。また、例えば、射出用電動機27によって後側ピストン44を後退させ、このときに後側室39aから排出される液体をロッド側室39rに供給することによって、プランジャ23を後退させることができる。すなわち、射出用電動機27によってプランジャ23の前進及び後退の双方が可能になる。また、ロッド側室39r及び後側室39aのいずれにおいても、容積の変化率は、ピストンの断面積からロッドの断面積を差し引いた断面積であるから、両シリンダ室同士で容積の変化率を同等に近づけることが容易であり、ひいては、液体の過不足を低減することが容易である。
また、本実施形態では、射出用電動機27及び増圧用電動機29は回転式であり、統合伝達機構31は、射出用電動機27の回転を並進運動に変換して後側ピストン44に伝達する射出用ねじ機構69と、増圧用電動機29の回転を並進運動に変換して加圧部材47に伝達する、射出用ねじ機構69に比較して大径かつ小リードの増圧用ねじ機構83を更に有している。
従って、射出用電動機27及び増圧用電動機29からの駆動力の伝達は、ねじ機構によってなされるから、例えば、比較的大きな駆動力の伝達が容易であり、大型のダイカストマシンに対応しやすい。また、射出用ねじ機構69のリードが相対的に大きいことから、例えば、射出用電動機27によってプランジャ23を駆動するときに速度を高くしやすい。一方で、増圧用ねじ機構83のリードが相対的に小さいことから、例えば、増圧用電動機29によって加圧部材47を駆動するときに推力を大きくしやすい。また、増圧用ねじ機構83の径が相対的に大きいことから、例えば、増圧用電動機29によって加圧部材47を駆動するときに増圧用ねじ機構83のねじ軸87に座屈が生じにくく、ひいては、比較的大きな推力を伝達しやすい。
また、本実施形態では、統合伝達機構31は、ロッド側室39rに通じるアキュムレータ57を有している。
従って、例えば、プランジャ23の停止時にロッド側室39rに生じる圧力変動をアキュムレータ57に逃がし、サージ圧を抑制することができる。また、このアキュムレータ57によって、シリンダ機構33における液体の過不足を解消することも可能である。
また、本実施形態では、統合伝達機構31は、ロッド側室39rから排出される液体の流量を制御可能な連通用バルブ59(流量制御弁)を有している。
従って、例えば、ロッド側室39rから排出される液体の流量制御によってプランジャ23の停止直前の慣性力を制御し、サージ圧を抑制することができる。
(変形例)
以下、図4(a)〜図4(c)を参照して射出駆動部の変形例について説明する。なお、以下の説明では、実施形態との相違部分を中心に述べる。特に言及がない点は、実施形態と同様である。実施形態の構成と同一又は類似する構成については、実施形態の構成に付した符号を付すことがあり、また、説明を省略することがある。実施形態の構成と類似(対応)する構成について、実施形態の符号とは異なる符号を付した場合においても、特に断りがない事項については、実施形態の構成と同様である。
(第1変形例)
図4(a)は、第1変形例に係る射出駆動部201を示している。射出駆動部201の構成は、連通用バルブ59に代えて、連通用バルブ203及びバイパスバルブ205が設けられている点のみが実施形態の射出駆動部25の構成と相違する。具体的には、以下のとおりである。
実施形態の連通用バルブ59が、連通流路55のうちアキュムレータ57との接続位置よりも後側室39a側に設けられていたのに対して、本変形例の連通用バルブ203は、連通流路55のうちアキュムレータ57との接続位置よりもロッド側室39r側に設けられている。連通用バルブ203の構成は、連通用バルブ59の構成と同様に、連通流路55の流量を制御できるものであればよく、連通用バルブ59の構成と同一であってもよいし、異なっていてもよい。図4(a)では、連通用バルブ203として、ノンリーク弁でないものが示されている。
バイパスバルブ205は、連通用バルブ203をバイパスする流路に設けられた逆止弁である。すなわち、連通用バルブ203及びバイパスバルブ205は、逆止弁付流量制御弁を構成している。バイパスバルブ205は、連通用バルブ203をバイパスする流路において、ロッド側室39rから後側室39aへの液体の流れを禁止するとともに、その反対方向の流れを許容する。従って、連通用バルブ203の開閉に関わらずに、ロッド側室39rへの流れは許容されている。なお、バイパスバルブ205が省略され、連通用バルブ203を開く制御によって、ロッド側室39rへの流れが許容されてもよい。
このような構成においても、実施形態と同様に、連通用バルブ203によってロッド側室39rから排出される液体の流量を制御する(基本的には減じる)ことによって、プランジャ23等の前進方向への慣性力を制御し(基本的には減じ)、サージ圧を抑制することができる。
ただし、プランジャ23の停止前に連通用バルブ203を全閉状態とすると(この態様も本願発明に含まれる。)、ロッド側室39rの圧力変動をアキュムレータ57に逃がすことができなくなることから、プランジャ23の停止直前において連通用バルブ203は開かれていることが好ましい。
具体的には、例えば、減速開始時点(t3)において最大速度で連通用バルブ203によって流量を減じ(全閉でもよい)、その後、徐々にプランジャ23の停止時点(t4)に向かって流量を増加させてよい。また、例えば、実施形態と同様に、減速開始時点(t3)から徐々に流量を減じるものの、プランジャ23の停止時点において全閉とならないようにしてもよい。
(第2変形例)
図4(b)は、第2変形例に係る射出駆動部211を示している。射出駆動部211の構成は、流量制御弁(連通用バルブ59等)によってロッド側室39rから排出される液体の流量を制御するのではなく、シリンダ機構213に設けられたクッション部215fによって流量を制御するように構成されている点のみが実施形態と相違する。なお、クッション部215fと、実施形態又は第1変形例に示した流量制御弁とは併設されても構わない。
本変形例のシリンダ機構213は、射出用シリンダ部材及び前側ピストンの形状を除いて、基本的に実施形態のシリンダ機構33と同様である。なお、射出用シリンダ部材215の符号に合わせて、ロッド側室215r、ヘッド側室215h及び後側室215aに実施形態とは異なる符号を付しているが、これらのシリンダ室は、基本的には、実施形態のシリンダ室と同様である。
射出用シリンダ部材215は、その内面に、前側ピストン217が摺動する摺動部215eと、ロッド側室215rと射出用シリンダ部材215の外部とを接続するためのポート215kと、摺動部215eとポート215kとの間に位置し、摺動部215eよりも内径が小さいクッション部215fとを有している。摺動部215eは、別の観点では、内径が軸方向に一定の部分である。
クッション部215fと前側ロッド43との隙間の流路断面積(前側ロッド43に直交する断面積)は、ポート215kの流路断面積(例えば射出用シリンダ部材215の内面から外面までの間の断面積のうち最小のもの)よりも大きい。クッション部215fは、摺動部215eにつながる部分等において、摺動部215e側からポート215k側へ徐々に縮径している部分を有していてもよい。徐々に縮径する部分は、曲面状でも階段状でもよい。
一方、前側ピストン217は、射出用シリンダ部材215内を摺動する本体部217aと、その先端に位置し、本体部217aよりも径が小さい先端部217bとを有している。先端部217bは、その先端等において、本体部217a側から前方へ徐々に縮径している部分を有していてもよい。徐々に縮径する部分は、曲面状でも階段状でもよい。
前側ピストン217が射出用シリンダ部材215内を前進すると、先端部217bがクッション部215fに挿入される。このとき、クッション部215fと先端部217bとの隙間の流路断面積(例えば摺動部215eからポート215kへの流路の断面積のうち最小のもの)は、ポート215kの流路断面積よりも小さい。従って、クッション部215fと先端部217bとによって、ロッド側室215rからポート215kに流れ込む液体の流量が制限されることになる。その結果、例えば、プランジャ23が停止する直前においてプランジャ23等の慣性力が減じられ、サージ圧が抑制される。
先端部217bのクッション部215fへの挿入開始時においては、両者の間の隙間(流路断面積)は徐々に小さくなっていく。これにより、弁を徐々に閉じていくような作用が生じる。この流量断面積の変化率は、先端部217b及び/又はクッション部215fに、徐々に縮径する部分を形成することによって調整可能である。
プランジャ23が停止したとき、先端部217bとクッション部215fとの隙間は、完全に塞がれないことが好ましい。圧力変動をアキュムレータ57に逃がす観点からである。ただし、前記の隙間は塞がれてもよい。なお、前側ピストン217は、射出用シリンダ部材215に対する前進限に到達する前に、溶湯が充填されて停止するが、前側ピストン217が射出用シリンダ部材215に対する前進限に到達した状態で、先端部217bとクッション部215fとの隙間は、完全に塞がれてもよいし、塞がれなくてもよい。
(第3変形例)
図4(c)は、第3変形例に係る射出駆動部221を示している。射出駆動部221のシリンダ機構223は、実施形態と同様に、前側ピストン41の後側に位置するヘッド側室225hの液体を、射出用電動機27(図4(c)では図示省略)によって流体圧機器を介さずに駆動される後側ピストン229、及び/又は増圧用電動機29(図4(c)では図示省略)によって流体圧機器を介さずに駆動される加圧部材233によって加圧する。ただし、以下のように、具体的な構成が異なる。
シリンダ機構223は、前側ピストン41を摺動可能に収容する前側シリンダ部材225と、後側ピストン229を摺動可能に収容する後側シリンダ部材227とを有している。前側シリンダ部材225の内部は、前側ピストン41によって、前側ロッド43側のロッド側室225rと、その反対側のヘッド側室225hとに区画されている。後側シリンダ部材227の内部は、後側ピストン229によって、ヘッド側室225hに通じる前側室227bと、その反対側の後側室227aとに区画されている。
このように、前側ピストン41の摺動可能範囲と、後側ピストン229の摺動可能範囲とは、重複しないようにされていてもよい。このような場合において、後側シリンダ部材227は、図示の例のように、前側シリンダ部材225に対して交差(例えば直交)するように設けられてもよいし、図示の例とは異なり、前側シリンダ部材225に対して同軸又は並列に設けられてもよい。また、図示の例では、後側シリンダ部材227は、直接的に前側シリンダ部材225に連結されているが、適宜な流路(別の観点では後側シリンダ部材227の断面積よりも断面積が小さい部分)を介して前側シリンダ部材225に通じていてもよい。
図示の例のように後側シリンダ部材227が前側シリンダ部材225に対して同軸的に設けられていない場合においては、特に図示しないが、後側ロッド231に代えて、後側ピストン229から前側室227bを経由して外部へ延び出るロッドを設け、当該ロッドに射出用電動機27の駆動力を付与することも可能である。
前側シリンダ部材225と後側シリンダ部材227とが設けられる場合(後側ピストン229の摺動範囲が前側ピストン41の摺動範囲に重複しない場合)においては、後側ピストン229の径(断面積)は、前側ピストン41の径(断面積)と同一でなくてもよい。例えば、図示の例のように、後側ピストン229の径を前側ピストン41の径よりも大きくしてもよい。なお、この場合、後側ピストン229のストロークは、プランジャ23(前側ピストン41)のストロークよりも短くなる。
この変形例においても、後側ロッド231は、後側室227aを経由して後側室227aの外部へ延び出ており、また、ロッド側室225rと後側室227aとは連通されている。ここで、後側ピストン229の径が前側ピストン41の径と異なる場合であっても、ロッド側室225rと後側室227aとの間で液体を補給し合うときの液体の過不足を無くすことは可能である。
具体的には、まず、後側ピストン229が前進するときの前側室227bの容積の変化量と、ヘッド側室225hの容積の変化量とは等しいから、π(D0/2)2×s0=π(D1/2)2×s1が成り立つ。ここで、D0は前側ピストン41の直径、s0は前側ピストン41の移動量、D1は後側ピストン229の直径、s1は後側ピストン229の移動量、πは円周率である。このとき、ロッド側室225r及び後側室227aにおいて液体の過不足が生じないためには、π(D0/2−d0/2)2×s0=π(D1/2−d1/2)2×s1が成り立たてばよい。ここで、d0は前側ロッド43の直径、d1は後側ロッド231の直径である。先の式を後の式に代入して整理すると、d1/d0=D1/D0が得られる。すなわち、この式が成り立つように、これら4つの径を設定すればよい。
また、この変形例においては、前側ピストン41の摺動範囲と、後側ピストン229の摺動範囲とは重なっておらず、かつ離間しているから、実施形態のように、加圧部材233が前側シリンダ部材225(又は後側シリンダ部材227)内へ露出する位置は、後退限に位置する前側ピストン41よりも前方の位置である必要はない。従って、図示の例のように、加圧部材233は、後退限に位置する前側ピストン41よりも後方にてヘッド側室225hの液体を加圧してよい。
また、加圧部材233が前側シリンダ部材225内に露出する位置が、前側ピストン41が通過する位置ではない場合においては、加圧部材233は、前側シリンダ部材225内から退避可能である必要はない。従って、加圧部材233は、その後退限においても、図示の例のように、前側シリンダ部材225内に侵入していてもよい。また、実施形態では、加圧部材47を収容する増圧用シリンダ部材46が設けられたが、図示の例のように、増圧用シリンダ部材46は省略されてもよい。
また、加圧部材233は、図示の例のようにピストンではなく、ロッド状の部材であってもよい。これは、増圧用シリンダ部材46が設けられ、増圧用シリンダ部材46内で加圧部材が駆動される場合においても同様である。加圧部材233は、ヘッド側室225h又はこれに連通している空間の容積を減じることができればよいことからである。特に図示しないが、加圧部材は、多段シリンダのように増圧用シリンダ部材の外周を摺動するシリンダ部材とすることも可能である。
この変形例で示すように、ロッド側室225rから排出される液体の流量を制御する構成(例えば連通用バルブ59)は省略されても構わない。
なお、以上の実施形態及び変形例において、ダイカストマシン1は成形機の一例であり、射出用電動機27は第1電動機の一例であり、増圧用電動機29は第2電動機の一例であり、プランジャ23は射出プランジャの一例であり、統合伝達機構31は伝達機構の一例であり、射出用シリンダ部材39及び215及び前側シリンダ部材225はそれぞれ前側ピストンを収容する第1シリンダ部材の一例であり、そのうち射出用シリンダ部材39及び215はそれぞれ前側ピストンに加えて後側ピストンも収容可能な第1シリンダ部材の一例であり、増圧用シリンダ部材46は第2シリンダ部材の一例であり、連通流路55は流路の一例であり、射出用ねじ機構69は第1ねじ機構の一例であり、増圧用ねじ機構83は第2ねじ機構の一例であり、連通用バルブ59及び203はそれぞれ流量制御弁の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機(成形機)は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、樹脂を成形する射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、成形機は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、横型締縦射出、縦型締横射出であってもよい。成形材料は、液状のものに限定されず、半凝固金属又は半溶融金属のように固液共存状態のものであってもよい。シリンダ機構に利用される液体は、油に限定されず、例えば水でもよい。
射出用電動機27と増圧用電動機29とのように役割分担の異なる電動機は、適宜な数で設けられてよく、2種に限定されない。例えば、低速射出用電動機、高速射出用電動機及び増圧用電動機が設けられてもよい。図2及び図4(c)を適宜に組み合わせることなどによって、ヘッド側室の液体を加圧する部材(実施形態では後側ピストン及び加圧部材)を3つ以上設けて、3種以上の電動機に対応してもよい。また、実施形態でも言及したように、役割分担が共通する電動機が複数設けられてもよい。例えば、射出用電動機27を2機設けたり、増圧用電動機29を2機設けたりしてもよい。
ピストンを駆動する第1電動機(実施形態では射出用電動機27)及び加圧部材を駆動する第2電動機(実施形態では増圧用電動機29)の役割分担は、適宜に設定されてよい。例えば、図4(c)のような構成において、第2電動機(加圧部材233)によって低速射出及び増圧を行い、第1電動機(後側ピストン229)によって高速射出を行ってもよい。また、例えば、増圧及び/又は保圧において、第2電動機に加えて第1電動機のトルク制御も行い、第1電動機及び第2電動機によって増圧及び/又は保圧を行ってもよい。
第1電動機及び第2電動機それぞれは、回転式のものに限定されず、リニアモータであってもよい。なお、この場合、リニアモータの駆動力を後側ピストン又は加圧部材に伝達するための伝達機構は設けられなくてもよい。また、第1電動機又は第2電動機が回転式のものである場合において、その回転を並進運動に変換する機構はねじ機構に限定されない。例えば、ラックアンドピニオン機構、カム機構又はリンク機構が用いられてもよい。ねじ機構は、電動機によってねじ軸が回転されて、後側ピストン又は加圧部材に固定されたナットが軸方向に移動してもよい。
第1又は第2電動機の回転を並進運動に変換せずに伝達する回転伝達機構(実施形態の巻掛伝動機構)は設けられなくてもよいし、設けられてもよい。また、回転伝達機構は、巻掛伝動機構以外の機構(例えば歯車機構)とされてもよい。
実施形態では、シリンダ機構における液体の過不足をアキュムレータによって解消した。しかし、アキュムレータに代えて、例えば、タンクによって液体の過不足を解消してもよい。なお、この場合、ヘッド側室又はロッド側室の液体の不足は、例えば、これらのシリンダ室の負圧によって液体が吸入されることによって補給される。また、例えば、液体の余剰は生じないようにし、液体が不足したときにはヘッド側室又はロッド側室等に真空の空間が形成されるようにしてもよい。
実施形態に示した以外の、サージ圧低減のための構成が実施形態の構成に組み合わされてもよい。例えば、プランジャと前側ロッドとを連結するカップリング内において、プランジャと前側ロッドとの間に介在する弾性部材及び/又は液体(例えば油)が配置されてもよい。カップリング内に液体が配置される場合、前側ロッド内には、サージ圧が生じたときにカップリング内の液体をヘッド側室へ逃がす流路が設けられていてもよい。