JP2015163411A - 射出装置及び成形装置 - Google Patents

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純 藤田
一馬 早瀬
Kazuma Hayase
一馬 早瀬
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Daisuke Nakamura
大輔 中村
俊昭 豊島
Toshiaki Toyoshima
俊昭 豊島
裕治 阿部
Yuji Abe
裕治 阿部
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Saburo Noda
三郎 野田
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Abstract

【課題】電動機によって駆動される射出シリンダ装置の作動液を好適に制御できる射出装置を提供する。
【解決手段】射出装置1は、スリーブ3内の材料をキャビティ105に押し出すプランジャ5と、プランジャ5に連結された射出シリンダ装置9と、アキュムレータ35と、アキュムレータ35と射出シリンダ装置9のシリンダ部材15とを接続する液圧回路37と、プランジャ5に対する相対的な前進が規制されるとともに、プランジャ5に対する相対的な後退が許容される基部55と、基部55をプランジャ5に平行な方向において移動させる駆動力を生じる駆動用電動機41とを有している。射出シリンダ装置9は、射出ピストン17から前側ピストンロッド21とは反対側に延びる後側ピストンロッド22を更に有する。後側ピストンロッド22は、後端面がシリンダ部材15内の作動液から隔離されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、成形装置(成形機)及びその射出装置に関する。成形装置は、例えば、ダイカストマシンや射出成形機である。
スリーブ内の成形材料をキャビティへ押し出すプランジャを液圧機器と他の駆動機器(例えば電動機)との組み合わせにより駆動する、いわゆるハイブリッド式の射出装置が知られている。
特許文献1の射出装置は、プランジャに連結された射出シリンダ装置と、射出シリンダ装置に並列に配置され、電動機により駆動されるボールねじ機構とを有している。ボールねじ機構は、ねじ軸に対してナットが軸方向に移動するように設けられている。また、射出装置は、射出シリンダ装置のピストンロッド(プランジャ)と、ボールねじ機構のナットとを着脱する着脱部を有している。
そして、特許文献1の射出装置は、低速射出においては、着脱部によりナットとプランジャとを連結した状態で、ボールねじ機構(電動機)によってプランジャを駆動し、その後、低速射出から高速射出への切り替え時になると着脱部による連結を解除し、高速射出においては、射出シリンダ装置によりプランジャを駆動している。
このように、特許文献1の技術では、低速射出においては、電動機によって精度良く速度制御を行い、高速射出においては、プランジャとボールねじ機構とを切り離すことによって、プランジャの速度がボールねじ機構の速度に制限される不都合を解消し、液圧機器によって高速の射出速度を実現している。
なお、本願の優先日後、且つ、本願の出願前に、特許文献2が開示された。特許文献2では、特許文献1と同様のハイブリッド式の射出装置において、射出シリンダ装置として両ロッド式の液圧シリンダを利用した技術(図7、8)を開示している。
また、特許文献3では、特許文献1のような着脱部を有するハイブリッド式の射出装置ではないが、増圧式の射出シリンダ装置として両ロッド式の液圧シリンダを利用した技術(図5)が開示されている。
特許第4790869号明細書 特開2014−057996号公報 特開2011−235295号公報
特許文献1の射出装置においては、射出シリンダ装置は、低速射出等において、作動液ではなく電動機によって駆動される。その結果、作動液の液圧や流量の制御に関して、全液圧式の射出装置においては生じなかった不都合が生じたり、逆に、全液圧式の射出装置よりも有利な改良が可能となったりする。
例えば、低速射出において、電動機によって射出シリンダ装置の射出ピストンを前進させている間、射出ピストンの前進に伴って射出ピストンの背後のヘッド側室の容積は拡大する。この際、特許文献1では、ヘッド側室の負圧を利用して、タンクからヘッド側室へ作動液を補給している。一方、全液圧式の射出装置においては、低速射出においては、ポンプ乃至はアキュムレータからヘッド側室に作動液を供給して、液圧により射出ピストンを前進させている。従って、低速射出において、特許文献1の射出装置のヘッド側室の圧力は、全液圧式の射出装置のヘッド側室の圧力よりも低くなる。
その結果、低速射出から高速射出へ移行するときに、アキュムレータからヘッド側室へ大量の作動液の供給が開始されると、特許文献1の射出装置においては、全液圧式の射出装置に比較して、急激にヘッド側室の圧力が上昇することになる。これにより、ロッド側室の作動液(圧油)が圧縮され、その圧縮作用によってプランジャが動いてしまい、一時的に、射出速度の制御が制御不能状態に陥ってしまう場合がある。それにより、成形品の品質が低下するおそれがある。
従って、電動機によって駆動される射出シリンダ装置の作動液を好適に制御できる射出装置及び成形装置が提供されることが望まれる。
本発明の射出装置は、スリーブ内の材料をキャビティに押し出すプランジャと、前記プランジャに連結された前側ピストンロッド、当該前側ピストンロッドの後端に固定された射出ピストン及び当該射出ピストンを摺動可能に収容するシリンダ部材を有する射出シリンダ装置と、アキュムレータと、前記アキュムレータと前記シリンダ部材とを接続する液圧回路と、前記プランジャに対する相対的な前進が規制されるとともに、前記プランジャに対する相対的な後退が許容される被規制部材と、前記被規制部材を前記プランジャに平行な方向において移動させる駆動力を生じる電動機と、を有し、前記射出シリンダ装置は、前記射出ピストンから前記前側ピストンロッドとは反対側に延びる後側ピストンロッドを更に有する。前記後側ピストンロッドは、後端面が前記シリンダ部材内の作動液から隔離されている。
好適には、前記液圧回路は、アキュムレータの液圧を前記射出ピストンの前側及び後側の双方に付与可能である。
好適には、前記電動機は、低速射出において前記被規制部材を前進させることによって前記プランジャを前進させ、前記液圧回路は、低速射出のうち少なくとも高速射出への切り換え直前において、前記アキュムレータの液圧を前記射出ピストンの前側及び後側の双方に付与し、高速射出において、前記アキュムレータの液圧を前記射出ピストンの前側及び後側のうち後側にのみ付与する。
好適には、前記射出シリンダ装置は、前記射出ピストンの背後に配置された増圧ピストンを更に有し、前記シリンダ部材は、前記射出ピストンが摺動する射出シリンダ部と、前記射出シリンダ部の後方に通じ、前記射出シリンダ部よりも大径の増圧シリンダ部と、を有し、前記増圧ピストンは、前記射出シリンダ部を摺動可能な小径部と、前記増圧シリンダ部を摺動可能な大径部と、前記大径部から後方に突出し、前記小径部よりも小径であり、前記シリンダ部材の外部へ露出する後端部と、を有し、前記増圧ピストンには、その前端面から前記後端部の前記シリンダ部材の外部へ露出する部分へ通じる収容空間が形成されており、前記後側ピストンロッドは、前記収容空間に挿通されることにより、その端面が前記シリンダ部材内の作動液から隔離されている。
好適には、前記後側ピストンロッドは、前記シリンダ部材から後方へ延び出ており、前記被規制部材は、前記後側ピストンロッドの前記シリンダ部材から延び出た部分に当接することにより、前記プランジャに対する相対的な前進が規制されるとともに、前記プランジャに対する相対的な後退が許容される。
好適には、前記前側ピストンロッドと前記後側ピストンロッドとは同径である。
本発明の成形装置は、上記の射出装置と、前記キャビティを構成する金型を型締する型締装置と、を有する。
本発明によれば、電動機によって駆動される射出シリンダ装置の作動液を好適に制御できる。
本発明の第1の実施形態に係るダイカストマシンの要部の構成を示す模式図。 図1のダイカストマシンの射出装置の要部の構成を示す模式図。 図2の射出装置の動作を説明する図。 図4(a)及び図4(b)は変形例を説明する模式図。 本発明の第2の実施形態に係るダイカストマシンの要部の構成を示す模式図。 本発明の第3の実施形態に係るダイカストマシンの要部の構成を示す模式図。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るダイカストマシンDC1の要部の構成を模式的に示す側面図(一部に断面図を含む)である。
なお、以下において、図1の紙面左側(プランジャ5によりキャビティ105に溶湯を押し出すときのプランジャ5の進む方向)を前方といい、図1の紙面右側を後方ということがある。
ダイカストマシンDC1は、例えば、固定金型101及び移動金型103を型締めする型締装置151と、型締装置151に型締めされた固定金型101及び移動金型103により構成されたキャビティ105に成形材料(材料)としての溶湯(溶融状態の金属材料)を射出・充填する射出装置1と、成形されたダイカスト品(成形品)を固定金型101又は移動金型103から押し出す不図示の押出装置と、これら各装置を制御する制御装置153とを有している。なお、制御装置153は、各装置の一部を構成していると捉えられてもよい。
型締装置151は、例えば、不図示のベースと、ベース上に固定され、固定金型101を保持する固定ダイプレート155と、ベース上において型開閉方向に移動可能であり、移動金型103を保持する移動ダイプレート157とを有している。
固定ダイプレート155には、射出フレーム159が固定されている。射出フレーム159は、C型やD型等の適宜な形式のものとされてよい。なお、射出フレーム159は、後述するように、射出装置1の部材の支持等に寄与するから、射出装置1の一部と捉えられてもよい。
(射出装置の構成)
図2は、射出装置1の要部の構成を模式的に示す上面図(一部に断面図を含む)である。
射出装置1は、キャビティ105に通じるスリーブ3(図1も参照)と、スリーブ3内の溶湯をキャビティ105へ押し出すプランジャ5と、プランジャ5を駆動する射出シリンダ装置9と、射出シリンダ装置9に作動液を供給する液圧装置11と、プランジャ5を駆動する駆動装置13とを有している。
スリーブ3及びプランジャ5の構成は、公知の構成と同様でよい。スリーブ3は、例えば、固定ダイプレート155に挿通されるように設けられている。なお、スリーブ3は、固定金型101にも挿通されていてよい。プランジャ5は、スリーブ3を摺動するプランジャチップ5aと、プランジャチップ5aに固定されたプランジャロッド5bとを有している。
なお、本願においては、原則として、「固定」は、互いに別個に形成された2以上の部材が固定される場合だけでなく、2以上の部材が一体的に形成されることにより固定されている場合を含み得るものとし、「連結」は、互いに別個に形成された2以上の部材が固定(又は係合)されている場合を指し、2以上の部材が一体的に形成されることにより固定されている場合を含まないものとする。
スリーブ3に形成された給湯口3a(図1も参照)から溶湯がスリーブ3内に供給された状態で、プランジャチップ5aがスリーブ3内をキャビティ105に向かって摺動する(前進する)ことにより、溶湯はキャビティ105内に射出、充填される。
なお、プランジャ5のストロークの後端は、例えば、プランジャチップ5aの前側部分がスリーブ3の後端に挿入された状態となる位置とされる。図1及び図2は、そのような状態を例示している。プランジャ5のストロークの前端は、適宜なビスケット厚が確保される位置とされる。
射出シリンダ装置9は、例えば、直結型増圧式シリンダにより構成されている。すなわち、射出シリンダ装置9は、シリンダ部材15と、シリンダ部材15の内部を摺動可能な射出ピストン17及び増圧ピストン19と、射出ピストン17から前方(プランジャ5側)へ延びる前側ピストンロッド21とを有している。
シリンダ部材15は、射出シリンダ部15aと、その後方に位置し、射出シリンダ部15aよりも大径の増圧シリンダ部15bとを有している。射出ピストン17は、射出シリンダ部15aを摺動可能であり、射出シリンダ部15aの内部を前側のロッド側室15rと、その反対側のヘッド側室15hとに区画している。増圧ピストン19は、射出シリンダ部15aを摺動可能な小径部19aと、増圧シリンダ部15bを摺動可能な大径部19bとを有している。大径部19bは、増圧シリンダ部15bの内部を前側の前側室15fと、後側の後側室15eとに区画している。前側ピストンロッド21は、先端部がシリンダ部材15(ロッド側室15r)から延び出ており、その先端面は作動液から隔離されている(先端面には作動液の圧力が作用しない。)。
ヘッド側室15hに作動液が供給され、ヘッド側室15hとロッド側室15rとで射出ピストン17に対する圧力に差が生じると、射出ピストン17は前進する。また、ヘッド側室15hからの作動液の流出が禁止されるとともに前側室15fがタンク圧とされた状態で、後側室15eに作動液が供給されると、増圧ピストン19の前後の受圧面積の差に応じてヘッド側室15hの作動液が増圧される。
また、射出シリンダ装置9は、いわゆる両ロッド式のシリンダとしても構成されており、射出ピストン17から後方(前側ピストンロッド21とは反対側)へ延びる後側ピストンロッド22も有している。
後側ピストンロッド22は、その後端面(前側ピストンロッド21とは反対側の面)がシリンダ部材15内の作動液から隔離されている(後端面には作動液が作用しない。)。例えば、後側ピストンロッド22は、増圧ピストン19に形成された収容空間19sに挿通されることにより、後端面が作動液から隔離されている。
収容空間19sは、例えば、増圧ピストン19の前端面から後端面へ貫通している。増圧ピストン19は、大径部19bから後方へ突出してシリンダ部材15の外部へ露出する後端部19cを有している。従って、収容空間19sの後方開口(増圧ピストン19の後端面)は、シリンダ部材15の外部に露出している。これにより、収容空間19sに対する後方からの作動液の浸入は抑制されている。なお、後端部19cは、増圧ピストン19の増圧作用が損なわれないように、小径部19aよりも小径とされている。また、増圧ピストン19の前端部19dと、後側ピストンロッド22との間がシールされていることにより、収容空間19sに対する前方からの作動液の浸入が抑制されている。
後側ピストンロッド22の直径d2は、例えば、前側ピストンロッド21の直径d1と同一である。換言すれば、射出ピストン17は、ロッド側室15rにおける受圧面積とヘッド側室15hにおける受圧面積が同一である。従って、ロッド側室15r及びヘッド側室15hの双方に互いに同一の液圧を付与しても、射出ピストン17は、前方及び後方のいずれにも移動しない。また、射出ピストン17を前方又は後方に移動させたときにおける、ロッド側室15r及びヘッド側室15hの一方へ供給される液量と、他方から排出される液量とは、作動液の圧縮等を無視すれば、互いに同一である。
射出シリンダ装置9は、射出ピストン17を後退させたときに、直接的に射出ピストン17乃至は後側ピストンロッド22を増圧ピストン19に係合させて増圧ピストン19を後退させることができるように構成されている。具体的には、例えば、射出シリンダ装置9は、射出ピストン17及び増圧ピストン19が後退限に位置するときに、増圧ピストン19の前端部19dが射出ピストン17の後端面に当接可能に構成されている。前端部19dは、例えば、小径部19aよりも小径に形成されている。
増圧ピストン19において、収容空間19sは、例えば、後側ピストンロッド22を収容するに十分な空間だけでなく、大径部19bの内部にも広がっている。また、小径部19aと大径部19bとの間には、小径部19aよりも径が小さい部分が形成されている(小径部19aは、大径部19bに至るまで後方に延びていない。)。
射出シリンダ装置9は、プランジャ5に対してその後方に同軸(直列)に配置されている。前側ピストンロッド21の先端は、プランジャ5の後端に連結されている。従って、前側ピストンロッド21の前後進に伴ってプランジャ5も前後進する。
なお、プランジャ5及び前側ピストンロッド21は、同軸に配置されているとともに互いに連結されているから、これら以外の他の部材がプランジャ5に平行であることと前側ピストンロッド21に平行であることとを特に区別せずに表現することがあり、同様に、他の部材がプランジャ5に連結されていることと前側ピストンロッド21に連結されていることとを特に区別せずに表現することがあるものとする。
プランジャ5と前側ピストンロッド21との連結は、カップリング23によってなされている。カップリング23は、例えば、プランジャ5の後端と前側ピストンロッド21の前端との間に介在するスペーサ25と、これらを覆うカバー27とを有している。カバー27は、駆動装置13との連結に供される被当接部27bを有している。被当接部27bは、例えば、カバー27の外周面に形成されたフランジにより構成されている。
液圧装置11は、例えば、作動液を貯留するタンク29と、タンク29の作動液を送出するポンプ31と、ポンプ31を駆動するポンプ用電動機33と、蓄圧した作動液を供給するアキュムレータ35と、これらの要素及び射出シリンダ装置9を互いに接続する液圧回路37とを有している。
タンク29は、例えば、開放タンクであり、大気圧下で作動液を保持している。タンク29は、例えば、液圧回路37等を介して射出シリンダ装置9との間で作動液の受給を行い、また、ポンプ31及び液圧回路37を介してアキュムレータ35に作動液を供給する。
ポンプ31は、歯車ポンプやベーンポンプ等のロータの回転により作動液を吐出するロータリポンプであってもよいし、アキシャル型のプランジャポンプやラジアル式のプランジャポンプ等のピストンの往復により作動液を吐出するプランジャポンプであってもよい。ポンプ31は、ロータやピストンの1周期の運動における吐出量が固定された定容量ポンプによって構成されていてもよいし、当該吐出量が可変とされた可変容量ポンプによって構成されていてもよい。また、ポンプ31は、1方向に作動液を吐出できれば十分であるが、双方向(2方向)ポンプと構造が同一であってもよい。
ポンプ用電動機33は、例えば、回転式の電動機である。ポンプ用電動機33は、直流モータでも交流モータでもよいし、誘導モータでも同期モータでもよい。ポンプ用電動機33は、オープンループにおいて設けられた定速電動機として機能するものであってもよいし、クローズドループにおいて設けられたサーボモータとして機能するものであってもよい。図2では、ポンプ用電動機33が、エンコーダ34及び不図示のサーボドライバと組み合わされてサーボモータとされている場合を例示している。
なお、後述する動作の説明において、ポンプ用電動機33が停止しているとき、ポンプ用電動機33は、トルクフリーの状態とされてもよいし、(サーボモータの場合は)一定位置に停止するように制御されてもよいし、ブレーキを含んで構成され、ブレーキが使用されてもよい。ポンプ用電動機33が停止される状況等に応じて適切な停止方法が選択されてよい。
アキュムレータ35は、重量式、ばね式、気体圧式(空気圧式含む)、シリンダ式、プラダ式などの適宜な形式のアキュムレータにより構成されてよい。例えば、アキュムレータ35は、気体圧式、シリンダ式又はプラダ式のアキュムレータであり、アキュムレータ35内に保持されている気体(例えば空気若しくは窒素)が圧縮されることにより蓄圧される。蓄圧された作動液は、液圧回路37を介して射出シリンダ装置9に供給される。
液圧回路37は、射出シリンダ装置9、タンク29、ポンプ31及びアキュムレータ35を互いに接続する複数の流路、及び、当該複数の流路における作動液の流れを制御する複数の弁を有している。複数の流路は、例えば、鋼管、可撓性のホース又は金属ブロックにより構成されている。複数の弁は、例えば、パイロット式でない又はパイロット式の逆止弁、切換弁、流量制御を行うサーボバルブである。
具体的には、例えば、液圧回路37は、ポンプ31とアキュムレータ35とを接続する第1流路79、アキュムレータ35とヘッド側室15hとを接続する第2流路80、ロッド側室15rとタンク29とを接続する第3流路81、及び、ロッド側室15rとヘッド側室15hとを接続する第4流路82を有している。
なお、第1流路79及び第2流路80とはアキュムレータ35側の一部が共用されている。第2流路80と第4流路82とはヘッド側室15h側の一部が共用されている。第3流路81と第4流路82とはロッド側室15r側の一部が共用されている。ただし、これらの流路は、一部を互いに共用しないように構成されていてもよい。
第1流路79により、例えば、ポンプ31によってアキュムレータ35を充填することが可能となる。第2流路80により、例えば、アキュムレータ35からヘッド側室15hへ供給して射出ピストン17を前進させることが可能となる。第3流路81により、例えば、射出ピストン17の前進に伴ってロッド側室15rから排出される作動液をタンク29へ排出することが可能となる。第4流路82により、例えば、射出ピストン17の前進に伴ってロッド側室15rから排出される作動液をヘッド側室15hに還流させることが可能となる。
アキュムレータ35は、第2流路80を介してヘッド側室15hに接続されているだけでなく、第2流路80及び第4流路82を介してロッド側室15rにも接続されている。従って、アキュムレータ35は、ロッド側室15r及びヘッド側室15hの双方に液圧を付与可能である。
また、例えば、液圧回路37は、第1流路79に設けられた第1逆止弁83、第2流路80に設けられた第2逆止弁84、第3流路81に設けられたサーボバルブ85、及び、第4流路82に設けられた第3逆止弁86を有している。
第1逆止弁83は、ポンプ31側からアキュムレータ35側への流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する。
第2逆止弁84は、パイロット圧式のものであり、パイロット圧が導入されていないときは、アキュムレータ35側からヘッド側室15h側への流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止し、開くパイロット圧が導入されているときは双方向の流れを許容し、閉じるパイロット圧が導入されているときは双方向の流れを禁止する。
サーボバルブ85は、入力された信号に応じて流量を無段階に変調可能なものである。サーボバルブ85は、いわゆるメータアウト回路を構成している。すなわち、サーボバルブ85は、ロッド側室15rから排出される作動液の流量を制御し、これにより、前側ピストンロッド21の前進速度は制御される。
第3逆止弁86は、パイロット圧式のものであり、パイロット圧が導入されていないときは、ロッド側室15r側からヘッド側室15h側への流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止し、開くパイロット圧が導入されているときは双方向の流れを許容し、閉じるパイロット圧が導入されているときは双方向の流れを禁止する。
また、例えば、液圧回路37は、第3流路81に接続された背圧除去シリンダ装置87を有している。背圧除去シリンダ装置87において、ピストンにより区画された2つのシリンダ室のうち、一方は、第3流路81のうちサーボバルブ85よりもタンク29側の部分に接続されており、他方は、不図示の空圧源に接続されている。従って、例えば、ロッド側室15rの液圧が急激に高くなった場合、その衝撃は、背圧除去シリンダ装置87によって吸収される。
この他、液圧回路37は、前側室15fとタンク29とを接続する流路、後側室15eとアキュムレータ35とを接続する流路89(一部のみ示す)、後側室15eとタンク29とを接続する流路、これら流路を開閉する弁等を有するが、その構成は公知のものと同様でよく、説明は省略する。また、ポンプ31により送出される作動液は、切換弁90等を介して他のアクチュエータ(例えば中子を駆動するシリンダ装置)にも供給される。
駆動装置13は、例えば、駆動用電動機41と、駆動用電動機41の駆動力によって前後方向に駆動されるとともに、プランジャ5(前側ピストンロッド21)に対して着脱可能な着脱部45とを有している。駆動用電動機41から着脱部45までの間には、例えば、順に、伝達機構71、ねじ機構43及びガイドシャフト72が介在している。駆動装置13は、これら駆動用電動機41、伝達機構71、ねじ機構43、ガイドシャフト72及び着脱部45の組み合わせを、例えば、左右対称に2組有している(図2では、紙面上方側のものについては図示省略)。
駆動用電動機41は、回転式の電動機であり、特に図示しないが、公知のように、電機子又は界磁の一方を構成するステータと、電機子又は界磁の他方を構成するロータとを有している。ステータは、適宜な方法により固定されて各種の平行移動及び回転移動が規制されており、ロータはステータに対して軸回りに回転する。駆動用電動機41の配置位置及び向きは適宜に設定されてよい。例えば、駆動用電動機41は、出力軸41aが前側ピストンロッド21に平行に且つ後方に向くように配置されている。
駆動用電動機41は、直流モータでも交流モータでもよいし、誘導モータでも同期モータでもよい。駆動用電動機41は、ブレーキ付きの電動機であることが好ましい。駆動用電動機41は、例えば、サーボモータとして構成されており、駆動用電動機41の回転を検出するエンコーダ47と、駆動用電動機41に電力を供給する不図示のサーボドライバと共にサーボ機構を構成している。
後述する動作の説明において、駆動用電動機41が停止しているとき、駆動用電動機41が停止される状況等に応じて適切な停止方法が選択されてよいことは、ポンプ用電動機33と同様である。
伝達機構71は、例えば、プーリ・ベルト機構により構成されており、駆動用電動機41の出力軸41aに固定された第1プーリ73と、ねじ機構43に固定された第2プーリ74と、第1プーリ73及び第2プーリ74に掛架されたベルト75とを有している。従って、駆動用電動機41が回転されると、その回転は伝達機構71を介してねじ機構43に伝達される。
ねじ機構43は、例えば、ボールねじ機構により構成されており、ねじ軸51と、ねじ軸51に不図示のボールを介して螺合するナット53とを有している。
ねじ軸51は、前側ピストンロッド21に平行に配置されている。また、ねじ軸51は、軸方向の移動が規制されているとともに軸回りの回転が許容されている。一方、ナット53は、軸方向の移動が許容されるとともに軸回りの回転が規制されている。従って、ねじ軸51が回転されると、ナット53は前側ピストンロッド21に平行な方向において移動する。
ねじ軸51は、第2プーリ74と同心又は同軸に固定されている。具体的には、例えば、ねじ軸51の後端にねじ軸51と同軸に伝達軸77が固定されており、この伝達軸77に第2プーリ74が同心に固定されることにより、ねじ軸51と第2プーリ74とは固定されている。なお、伝達軸77は、適宜な軸受によって軸方向の移動が規制されるとともに軸回りの回転が許容されており、ねじ軸51の軸方向の移動の規制にも寄与している。
ガイドシャフト72は、前側ピストンロッド21に平行な方向に延びており、一端がナット53に固定され、他端が着脱部45に固定されている。従って、ナット53が前後方向に移動すると、ガイドシャフト72及び着脱部45も前後方向に移動する。
ガイドシャフト72は、例えば、ねじ軸51を収容する中空状に形成されている。中空形状は、例えば、ナット53との固定部分を除いて、断面が円形であり、径が一定である。ガイドシャフト72は、例えば、ナット53がねじ軸51に対して射出サイクルの後退限に位置するときに(別の観点では射出サイクルに亘って)、ねじ軸51のうちナット53よりも前方の全体を覆うことが可能な長さを有している。そして、好ましくは、ガイドシャフト72の先端は塞がれている。
ガイドシャフト72とナット53との固定は適宜にされてよい。例えば、ガイドシャフト72の後端は拡径され、ナット53は、その拡径された部分に嵌合されるとともに抜け止めがなされている。これにより、ガイドシャフト72とナット53との前後方向の相対移動は規制される。また、上記の拡径された部分の内周面及びナット53の外周面が多角形とされたり、上記の拡径された部分及びナット53に半径方向にねじが挿通されたりすることにより、ガイドシャフト72とナット53との回転方向の相対移動は規制される。
ガイドシャフト72は、例えば、射出フレーム159に設けられたブシュ63に摺動可能に挿通されている。これにより、ガイドシャフト72の荷重等が射出フレーム159に支持され、プランジャ5等に不要な力が加えられることが抑制される。
着脱部45は、例えば、基部55と、基部55に揺動可能に支持されたフック57と、フック57を駆動するアクチュエータ59とを有している。
基部55は、ガイドシャフト72と固定されている。従って、基部55は、駆動用電動機41の駆動力によりナット53及びガイドシャフト72と共に前後方向に駆動される。また、基部55の前後方向の移動により、基部55に支持されているフック57及びアクチュエータ59も前後方向に移動する。
基部55は、例えば、前側ピストンロッド21が挿通される孔部が形成された板状部分を有しており、カップリング23の被当接部27bに対して後方から当接可能である。すなわち、基部55は、被当接部27bに対する当接により、前側ピストンロッド21に対する相対的な前進が規制されるとともに、その当接位置から後方における前側ピストンロッド21に対する相対的な後退が許容される。
従って、基部55が被当接部27bに対して当接した状態で基部55を前進させることにより、プランジャ5を前進させることができる。すなわち、駆動用電動機41の駆動力によりプランジャ5を前進させることができる。また、ヘッド側室15hへ作動液を供給して前側ピストンロッド21を比較的高速に移動させることなどにより、プランジャ5を基部55に対して相対的に前進させることが可能である。
なお、基部55は、被当接部27bに当接する部分として、被当接部27bとのはねかえりの係数が基部55の他の部分に比較して小さい材料からなる緩衝部を有していることが好ましい。
基部55は、例えば、ガイドシャフト72の前方端部と固定されている。ガイドシャフト72は、上述のように、射出サイクルの後退限に位置するときも、ねじ軸51の前方の部分を収容可能な長さを有している。従って、ねじ機構43、伝達機構71及び駆動用電動機41は、射出サイクルに亘って、基部55の位置から後方の範囲に配置されている。すなわち、スリーブ3に対して比較的後方に離れて配置されている。さらに、図2では、ガイドシャフト72(基部55)が射出サイクルの後退限に位置するとき、ねじ軸51の前端が基部55よりも後方に、さらには、射出フレーム159よりも後方に位置する場合を例示している。
基部55とガイドシャフト72との固定は、例えば、ガイドシャフト72が基部55に挿入され、両者が不図示のねじ等により固定されることによりなされる。なお、ガイドシャフト72と基部55との固定は、ガイドシャフト72の軸回りの回転の規制に寄与し、ひいてはナット53の回転の規制に寄与している。
フック57は、例えば、概ねL字状に形成されるとともに、一端が基部55によって回転可能に支持されている。そして、フック57は、被当接部27bに対してプランジャ5の後退方向に係合可能な位置(「ON」の位置)と、当該係合が解除される位置(「OFF」の位置)との間で移動可能である。なお、フック57は、ONの位置において、基部55とで被当接部27bを挟持可能である。
フック57がOFF(係合解除)されることにより、プランジャ5を基部55に対して相対的に前進させることが可能である。また、フック57がON(係合)されることにより、基部55の後退に伴ってプランジャ5を後退させることができる。すなわち、駆動用電動機41の駆動力によりプランジャ5を後退させることができる。
駆動装置13は、射出ピストン17のストロークの全体に亘ってフック57を被当接部27bに係合可能に構成及び配置されている。例えば、ねじ機構43のストロークは、射出シリンダ装置9のストロークと同等とされており、駆動装置13は、射出ピストン17が後退限に位置するときにねじ軸51も後退限に位置するように配置されている。
アクチュエータ59は、例えば、往復動(別の観点では伸縮)を行うアクチュエータにより構成されている。アクチュエータ59は、例えば、リニアモータ、空圧シリンダ若しくは液圧シリンダである。アクチュエータ59の往復動によって、フック57はON若しくはOFFされる。
制御装置153は、例えば、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM、外部記憶装置、入力回路、及び、出力回路を含んで構成されている。制御装置153は、入力された各種の入力信号に基づいて、各部を制御するための制御信号を出力する。
制御装置153に信号を入力するのは、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける不図示の入力装置、エンコーダ34、エンコーダ47、プランジャ5の位置を検出するための位置センサ65、液圧系の適宜な位置において作動液の圧力を検出する不図示の圧力センサである。
制御装置153が信号を出力するのは、例えば、ユーザに情報を表示する不図示の表示器、駆動用電動機41に電力を供給する不図示のドライバ、ポンプ用電動機33に電力を供給する不図示のドライバ、液圧回路37(サーボバルブ85含む)、アクチュエータ59(又はそのドライバ)である。
位置センサ65は、例えば、不図示のスケール部とともにリニアエンコーダを構成している。例えば、位置センサ65は、シリンダ部材15の前方(例えば射出フレーム159)に固定的に設けられ、スケール部は、前側ピストンロッド21に設けられ、その軸方向に延びている。そして、位置センサ65は、前側ピストンロッド21の移動に伴って移動するスケール部の位置を検出することによってプランジャ5の位置を間接的に検出する。なお、位置センサ65、又は、制御装置153は、検出した位置を微分することにより、速度を検出することが可能である。
圧力センサは、液圧系において適宜な位置に設けられる。例えば、特に図示しないが、ヘッド側室15hの圧力を検出する圧力センサ及びロッド側室15rの圧力を検出する圧力センサが設けられ、制御装置153は、これらの圧力センサの検出値に基づいて、プランジャ5が溶湯に加える圧力を特定可能である。また、例えば、特に図示しないが、アキュムレータ35の圧力を検出する圧力センサが設けられ、制御装置153は、その検出値に基づいて、アキュムレータ35の充填完了を判定可能である。
(射出装置の動作)
図3は、射出装置1の動作を説明する図である。図3において、横軸は時間を示している。また、実線Lvは射出速度の変化を示し、破線Lpは射出圧力の変化を示している。実線Lv及び破線Lpが描かれたグラフにおいて、縦軸は射出速度及び射出圧力の大きさを示している。また、当該グラフの下方においては、射出ピストン17、駆動用電動機41、着脱部45、サーボバルブ85、第3逆止弁86、アキュムレータ35及びポンプ用電動機33の動作を示している。
射出装置1は、概観すると、低速射出、高速射出、及び、増圧(昇圧)を順に行う。すなわち、射出装置1は、射出の初期段階においては、溶湯の空気の巻き込みを防止するために比較的低速(速度V)でプランジャ5を前進させ、次に、溶湯の凝固に遅れずに溶湯を充填するため等の観点から比較的高速(速度V)でプランジャ5を前進させる。その後、射出装置1は、成形品のヒケをなくすために、プランジャ5の前進する方向の力によりキャビティ内の溶湯を増圧する。具体的には、以下のとおりである。
(低速射出:t0〜t1)
低速射出の開始直前において、射出装置1は、図1及び図2に示す状態となっている。すなわち、射出シリンダ装置9の射出ピストン17及び駆動装置13のナット53は、後退限等の初期位置に位置している。この初期位置において、着脱部45の基部55はカップリング23の被当接部27bに当接しており、また、着脱部45のフック57は被当接部27bに係合可能である。ただし、必ずしも係合がなされている必要はなく、本実施形態では、係合は解除(OFF)されているものとする。また、駆動用電動機41及びポンプ用電動機33は停止している。液圧回路37の各種の弁は、例えば、基本的に作動液の流れを禁止するように制御されている。
固定金型101及び移動金型103の型締が終了し、溶湯がスリーブ3に供給されるなど、所定の低速射出開始条件が満たされると、制御装置153は、駆動用電動機41を駆動する。その駆動力は、伝達機構71、ねじ機構43、ガイドシャフト72及び基部55を介して被当接部27bに伝達される。これにより、プランジャ5及び前側ピストンロッド21が前進する。すなわち、駆動装置13の駆動力によって低速射出が行われる。
このとき、第2逆止弁84及び第3逆止弁86は、例えば、開くパイロット圧が導入されて開かれる。別の観点では、アキュムレータ35は作動液の放出が許容される。なお、第2逆止弁84は、閉じるパイロット圧力(及び開くパイロット圧力)の導入が停止されるだけでもよい。サーボバルブ85は、例えば、閉じられたままである。
従って、アキュムレータ35の液圧が、ロッド側室15r及びヘッド側室15hの双方に付与される。別の観点では、ロッド側室15r及びヘッド側室15hには同一の圧力が付与される。既に述べたように、前側ピストンロッド21及び後側ピストンロッド22の径は同一であることから、この液圧の付与によっては射出ピストン17は移動しない。しかし、ヘッド側室15h及びロッド側室15rの圧力は高くされることになる。
また、射出ピストン17の前進に伴ってロッド側室15rから排出される作動液は、第4流路82を介してヘッド側室15hに還流される。既に述べたように、前側ピストンロッド21及び後側ピストンロッド22の径は同一であることから、理論的には、この還流に際して作動液の過不足は生じない。なお、液漏れ等によって作動液の過不足が生じたとしても、アキュムレータ35からの作動液によって過不足は解消される。
プランジャ5の速度は、駆動用電動機41の回転数の調整により制御される。具体的には、制御装置153は、位置センサ65により検出されるプランジャ5の速度に基づいて、駆動用電動機41の回転数をフィードバック制御する。なお、プランジャ5の速度の多段制御が行われてもよい。
なお、図3では、着脱部45がOFF(係合解除)された状態で低速射出が行われている場合を例示しているが、着脱部45はONされていてもよい。この場合、例えば、減速を含む多段制御を行ったときに、慣性力によってプランジャ5が基部55から離間して前進してしまうことを防止できる。
(高速射出:t1〜t2)
制御装置153は、位置センサ65の検出値に基づくプランジャ5の位置が所定の高速切換位置に到達すると、例えば、閉じるパイロット圧力を第3逆止弁86に導入し(開くパイロット圧力(及び閉じるパイロット圧力)の導入を停止するだけでもよい。)、また、サーボバルブ85を開く。すなわち、制御装置153は、ヘッド側室15hに対するアキュムレータ35の液圧の付与を継続しつつ、ロッド側室15rに対するアキュムレータ35の液圧の付与を停止し、また、ロッド側室15rとタンク29とを接続する。さらに、制御装置153は、低速射出から引き続き着脱部45をOFF(係合解除)とし、若しくは、低速射出においてONであった着脱部45をOFFとする。
従って、射出ピストン17及びプランジャ5は、アキュムレータ35からの液圧によって比較的高速で前進する。このとき、着脱部45の係合が解除されているから、射出ピストン17及びプランジャ5は、比較的低速で移動する着脱部45、ガイドシャフト72及びナット53を置き去りにして前進する。従って、駆動装置13は、プランジャ5の前進を妨げる負荷とはならない。そして、スリーブ3の溶湯が高速でキャビティ105に射出される。
プランジャ5の速度は、サーボバルブ85の開口度の調整により制御される。なお、制御装置153は、位置センサ65により検出されるプランジャ5の速度に基づいて、サーボバルブ85の開口度をフィードバック制御してもよい。プランジャ5の速度の多段制御が行われてもよい。
(減速射出:t2〜t3)
溶湯がキャビティ105にある程度充填されると、プランジャ5は、その充填された溶湯から反力を受けて減速され、その一方で、射出圧力は、急激に上昇していく。なお、各部の動作は、高速射出時と同様である。ただし、充填時の衝撃を緩和するために、プランジャ5が所定の減速位置に到達するなど所定の減速開始条件が満たされたときにサーボバルブ85の開口度を小さくするなど、適宜な減速制御がなされてもよい。なお、サーボバルブ85の開口度を調整することにより、プランジャ5の速度を減速させる際には、第3逆止弁86に閉じるパイロット圧力を導入する。
(増圧:t3〜t4)
所定の増圧開始条件が満たされると、制御装置153は、増圧工程を開始するように液圧回路37を制御する。増圧開始条件は、例えば、ヘッド側室15hの圧力を検出する不図示の圧力センサ(及び必要に応じてロッド側室15rの圧力を検出する不図示の圧力センサ)の検出値に基づく射出圧力が所定の値に到達したこと、又は、位置センサ65により検出されるプランジャ5の検出位置が所定の位置に到達したことである。
液圧回路37は、増圧開始のために、アキュムレータ35から後側室15eへの作動液の放出の許容、前側室15fからタンク29への作動液の排出の許容、ヘッド側室15hからの作動液の排出の禁止、及び、ロッド側室15rからタンク29への作動液の排出の許容を行う。これにより、ヘッド側室15hの圧力が増圧ピストン19により加圧され、射出圧力は上昇し、射出圧力は終圧(圧力P)に到達する。また、射出速度は、キャビティ105に溶湯が完全に充填されることにより0となる。なお、ロッド側室15rからタンク29への作動液の排出を許容するサーボバルブ85は、例えば全開とされる。ただし、射出圧力の多段制御が行われてもよい。
(保圧:t4〜t6)
制御装置153は、射出圧力が終圧となっている状態を維持する。この間に、溶湯は冷却されて凝固する。溶湯が凝固すると、制御装置153は、アキュムレータ35から後側室15eへの液圧の供給を停止するように液圧回路37を制御する。すなわち、保圧は終了する。なお、サーボバルブ85は、例えば、閉じられ、第3逆止弁86は、例えば、閉じるパイロット圧の導入が停止され、開くパイロット圧が導入される。
制御装置153は、適宜に溶湯が凝固したか否かを判定してよい。例えば、制御装置153は、終圧が得られた時点等の所定の時点から所定の時間が経過したか否かにより、溶湯が凝固したか否か判定する。
(着脱部の到達:t5)
減速射出及び増圧によりプランジャ5の速度が低下し、さらには、保圧が開始されてプランジャ5が停止することにより、駆動装置13によって低速射出から引き続き駆動されていた着脱部45(基部55)は被当接部27bに追いつく。換言すれば、着脱部45は、被当接部27bに対して係合可能な状態となる。着脱部45が被当接部27bに到達する時点は、好ましくは保圧完了前である。
制御装置153は、位置センサ65及びエンコーダ47の検出値に基づいて着脱部45の被当接部27bへの到達を検出すると、駆動用電動機41を停止させる。なお、着脱部45の位置の検出は、位置センサ65と同様の位置センサ(リニアエンコーダ)が設けられることなどによって行われてもよい。
高速射出開始から着脱部45が被当接部27bに到達するまでの着脱部45の速度は、低速射出時の速度と同等であってもよいし、異なっていてもよい。また、基部55がプランジャ5に衝撃を与えないように、適宜に減速制御が行われてもよい。
(押出追従:t7〜t8)
保圧終了後、制御装置153は、不図示の型締装置に型開きを行わせるとともに、不図示の押出装置により固定金型101から成形品を押し出す。このとき、制御装置153は、プランジャ5によりビスケットを押し出すための駆動力を射出シリンダ装置9及び/又は駆動装置13が生じるようにこれらを制御する。
図3では、駆動装置13によりプランジャ5を駆動する場合を例示している。この場合において、射出ピストン17の前進に伴ってロッド側室15rから排出される作動液は、例えば、開くパイロット圧力が導入された(閉じるパイロット圧力(及び開くパイロット圧力)の導入が停止されているだけでもよい。)第3逆止弁86を介してヘッド側室15hに還流される。既に述べたように、このような還流に際しては、基本的に作動液の過不足は生じない。
また、図3では、上記の駆動装置13によるプランジャ5の駆動の際、開くパイロット圧力を第2逆止弁84に導入して(閉じるパイロット圧力(及び開くパイロット圧力)の導入を停止するだけでもよい。)、アキュムレータ35の液圧をロッド側室15r及びヘッド側室15hに付与する場合を例示している。従って、低速射出時と同様に、作動液の過不足が生じたとしても、アキュムレータ35からの作動液によって過不足は解消される。
(プランジャ後退:t9〜)
制御装置153は、着脱部45が被当接部27bに到達した以後(t5以後)からの適宜な時期、好適には、保圧終了後(t6後)、より好適には押出追従の開始時(t7)において、着脱部45をON(係合)状態とする。そして、制御装置153は、押出追従が完了すると、着脱部45を後退させる方向に駆動用電動機41を駆動する。これにより、プランジャ5及び射出ピストン17が後退する。また、射出ピストン17が増圧ピストン19に当接すると、射出ピストン17の後退に伴って増圧ピストン19も後退する。
なお、射出ピストン17及び増圧ピストン19の後退に伴う射出シリンダ装置9における作動液の排出及び補給は、適宜になされてよい。例えば、第3逆止弁86は開くパイロット圧力が導入されており、射出ピストン17が増圧ピストン19に到達するまでは、ヘッド側室15hから排出される作動液は、ロッド側室15rに補給される。また、射出ピストン17が増圧ピストン19に到達した後は、例えば、後側室15eから排出される作動液はタンク29に排出され、ロッド側室15r及び前側室15fにはタンク29から作動液が補給される。後側室15eから前側室15f及び/又はロッド側室15rに作動液が還流されてもよい。
上記のようにプランジャ5の後退が行われた結果、プランジャ5、射出ピストン17、増圧ピストン19及び着脱部45等は、図1及び図2に示す初期位置に復帰する。すなわち、次の成形サイクル(射出サイクル)の準備が整う。
(アキュムレータ充填:t9〜)
アキュムレータ35の充填は、例えば、アキュムレータ35の放出が行われる時期を除いて、適宜な時期に行われてよい。例えば、制御装置153は、押出追従が完了すると(t9)、ポンプ用電動機33の駆動を開始し、アキュムレータ35の充填を開始する。そして、アキュムレータ35の圧力を検出する不図示の圧力センサの検出値が所定の充填完了圧力に到達したときに、ポンプ用電動機33は停止(OFF)される。
以上のとおり、本実施形態では、射出装置1は、キャビティ105に通じるスリーブ3と、スリーブ3内の材料をキャビティ105に押し出すプランジャ5と、プランジャ5に連結された射出シリンダ装置9と、アキュムレータ35と、アキュムレータ35と射出シリンダ装置9のシリンダ部材15とを接続する液圧回路37と、プランジャ5に対する相対的な前進が規制されるとともに、プランジャ5に対する相対的な後退が許容される基部55(着脱部45、被規制部材)と、基部55をプランジャ5に平行な方向において移動させる駆動力を生じる駆動用電動機41と、を有している。また、射出シリンダ装置9は、射出ピストン17から前側ピストンロッド21とは反対側に延びる後側ピストンロッド22を更に有する。そして、後側ピストンロッド22は、後端面がシリンダ部材15内の作動液から隔離されている。
従って、駆動用電動機41によって駆動される射出シリンダ装置9の作動液を好適に制御できる。
例えば、射出ピストン17は、ロッド側室15rにおける受圧面積と、ヘッド側室15hにおける受圧面積が近く(好適には等しく)なるから、駆動用電動機41の駆動力によってプランジャ5を前進させて低速射出を行う際に、アキュムレータ35の液圧をロッド側室15r及びヘッド側室15hの双方に付与することができる。すなわち、アキュムレータ35の液圧をヘッド側室15hに付与しつつも、これによる駆動力を抑えて(好適には無くし)、駆動用電動機41の駆動力による低速射出を行うことができる。
従って、低速射出から高速射出に移行したときに、すなわち、ロッド側室15r及びヘッド側室15hのうちヘッド側室15hにのみアキュムレータ35の圧力が付与される状態に移行したときに、一時的に射出速度の制御が制御不能状態になってしまうことが抑制される。その結果、プランジャ5の意図しない速度変動が抑制され、成形品の品質が安定する。油圧系の駆動力は電動系の駆動力よりも大きく、ひいては、油圧系の駆動力の変動の影響が大きいから、上記の変動抑制の作用効果は非常に有効である。
また、上記の圧力変動の抑制は、特許文献1のハイブリッド式の射出装置のように低速射出において負圧によってヘッド側室15hに作動液を補給する場合に比較して向上するだけでなく、低速射出において低圧の液圧をヘッド側室15hに付与する全液圧式の射出装置に比較しても向上する。すなわち、射出装置1は、作動液の制御に関して、低速射出を電動化したことによる不都合を解消するに留まらず、全液圧式の射出装置では実現不可能な動作により全液圧式に比較して有利な効果を奏する。
また、本実施形態では、射出シリンダ装置9は、射出ピストン17の背後に配置された増圧ピストン19を更に有する。増圧ピストン19は、大径部19bから後方に突出し、小径部19aよりも小径であり、シリンダ部材15の外部へ露出する後端部19cを有する。増圧ピストン19には、その前端面から後端部19cのシリンダ部材15の外部へ露出する部分(本実施形態では後端面)へ通じる収容空間19sが形成されている。後側ピストンロッド22は、収容空間19sに挿通されることにより、その端面がシリンダ部材15内の作動液から隔離されている。
従って、後側ピストンロッド22は、後端面を作動液から隔離するために、後端部がシリンダ部材15から延び出ている必要は無く、後端面が増圧ピストン19の前端部19d(後側ピストンロッド22と増圧ピストン19との間でシールがなされている部分)よりも後方に位置すればよい。その結果、射出シリンダ装置9の短小化が図られる。
より具体的には、本実施形態では、後側ピストンロッド22は、押出追従完了のときに最も前方に位置する。本実施形態とは異なり、後側ピストンロッド22の後端面が増圧ピストン19によって作動液から隔離されていない場合、この押出追従完了のときに、後側ピストンロッド22の後端部は、シリンダ部材15の外部後方へ延び出ていなければならない。しかし、本実施形態では、後側ピストンロッド22が増圧ピストン19に対して相対的に最も前方に位置するとき(本実施形態では押出追従完了のとき)、後側ピストンロッド22は、後端部が増圧ピストン19に挿通されていればよい。また、押出追従完了のとき、増圧ピストン19は、増圧完了の位置にある。従って、後側ピストンロッド22(射出シリンダ装置9)は、概ね、シリンダ部材15の後端面から増圧完了時の増圧ピストン19の前端までの距離で短くされることが可能である。
(動作の変形例)
図3では、アキュムレータ35及びポンプ用電動機33の動作の変形例も示されている。すなわち、図3のアキュムレータ35及びポンプ用電動機33の動作を示す部分において、低速射出の区間において点線で示された部分は、変形例の動作を示している。なお、点線で示された部分以外については、第1の実施形態と同様である。
この変形例では、アキュムレータ35からヘッド側室15h及びロッド側室15rの双方への液圧付与は、低速射出の全体ではなく、低速射出のうち高速射出への切り換え直前の区間T1においてのみ行われる。この場合であっても、低速射出から高速射出への切り換えに際してヘッド側室15hの圧力が急激に上昇することが抑制される。
なお、低速射出のうち区間T1よりも前の区間における動作は、例えば、第2逆止弁84に閉じるパイロット圧力が導入されている(アキュムレータ35の放出が禁止されている)ことを除いては、第1の実施形態と同様でよい。具体的には、例えば、ロッド側室15rから排出される作動液は、ヘッド側室15hに還流される。なお、前側ピストンロッド21及び後側ピストンロッド22の径が互いに同一でないなど、作動液の過不足が生じる場合には、適宜にタンク29への作動液の排出又はタンク29(若しくはポンプ31)からの作動液の補給がなされてもよい。
また、区間T1は、ヘッド側室15hの圧力が、アキュムレータ35の圧力(低速射出の開始から、アキュムレータ35からヘッド側室15hへ作動液を供給した場合における高速切り換え直前のヘッド側室15hの圧力)と同等となるのに十分な長さとされることが好ましい。ただし、そのような長さを有さないとしても、ヘッド側室15hの急激な圧力の上昇は抑制される。
また、この変形例では、低速射出のうち区間T1よりも前の区間においては、ポンプ用電動機33が駆動されることにより、アキュムレータ35の充填がなされる。なお、図3では、区間T1の直前まで充填が行われているが、低速射出の開始後、且つ、区間T1よりも所定の時間長さだけ前に充填が完了してもよい。
このように、低速射出の開始後、且つ、区間T1の前に充填が行われることにより、射出サイクルが全体として短くなることが期待される。
なお、区間T1においてのみロッド側室15r及びヘッド側室15hにアキュムレータ35の圧力を付与する場合においても、第1の実施形態と同様に、低速射出の開始前に充填が完了してもよい。
(構成の変形例)
図4(a)及び図4(b)はそれぞれ、構成の変形例の要部を示す模式的な断面図である。これらの図において、紙面左側が前方(溶湯がキャビティへ向かって押し出される方向)である。これらの変形例及び後述する第2及び第3の実施形態の説明において、既に説明された構成と同一又は類似する構成については、既に説明された構成の符号と同様の符号を付すことがあり、また、説明を省略することがある。
図4(a)に示す変形例の射出装置201は、第1の実施形態と同様に、プランジャ5(図2)を駆動するために、射出シリンダ装置209及び電動式の駆動装置213を有している。
射出シリンダ装置209は、第1の実施形態の射出シリンダ装置9と同様に、プランジャ5に連結された前側ピストンロッド21と、前側ピストンロッド21に固定された射出ピストン17と、射出ピストン17を摺動可能に収容するシリンダ部材215と、射出ピストン17から前側ピストンロッド21とは反対側へ延び、その後端面がシリンダ部材215内の作動液から隔離されている(後端面に作動液が作用しない)後側ピストンロッド22とを有している。なお、図4(a)の例では、射出シリンダ装置209は、単胴式のシリンダ装置として構成されているが、第1の実施形態と同様に、増圧式のシリンダ装置として構成されていてもよい。
駆動装置213は、第1の実施形態の駆動装置13と同様に、回転式の駆動用電動機41と、駆動用電動機41の回転を並進運動に変換するねじ機構43と、ねじ機構43からの駆動力により前後進する被規制部材としての押出部材255とを有している。なお、図4(a)の例では、ねじ機構43は、ナット53の前後進が規制されるとともにねじ軸51の回転が規制されており、ナット53の回転によってねじ軸51が前後進する構成とされてる。ただし、第1の実施形態と同様に、ねじ軸51の回転によってナット53が前後進する構成とされてもよい(後に説明する図5及び図6参照)。
第1の実施形態では、被規制部材(基部55)は、プランジャ5及び前側ピストンロッド21を連結するカップリング23に後方から係合し、これにより、プランジャ5に対する相対的な前進が規制されるとともに、プランジャ5に対する相対的な後退が許容された。これに対して、図4(a)の変形例では、被規制部材としての押出部材255は、後側ピストンロッド22の後端面に対して当接するように構成されており、これにより、プランジャ5に対する相対的な前進が規制されるとともに、プランジャ5に対する相対的な後退が許容されている。
このような構成においても、第1の実施形態と同様の動作が実現できる。例えば、低速射出において、駆動用電動機41により射出ピストン17を前進させつつ、射出ピストン17の前側及び後側の双方にアキュムレータ35(図2)の液圧を付与し、高速射出において、射出ピストン17の後側にのみアキュムレータ35の液圧を付与する動作を実現できる。
また、後側ピストンロッド22は、その後端面が作動液から隔離されるように、シリンダ部材215から後方へ延び出ている。押出部材255(被規制部材)は、後側ピストンロッド22のシリンダ部材215から延び出た部分に当接することにより、プランジャ5に対する相対的な前進が規制されるとともに、プランジャ5に対する相対的な後退が許容される。
従って、後側ピストンロッド22は、射出ピストン17の前側及び後側の双方にアキュムレータ35の液圧を付与するための構成と、駆動装置213の駆動力をプランジャ5に伝達するための構成とを兼ねることになる。その結果、従来技術からの変更箇所が集約され、コスト削減が期待される。また、駆動装置213を後方に配置しやすくなり、ひいては、スリーブ3の給湯口3aに注がれる溶湯の飛沫から駆動装置213を保護しやすくなる。
なお、プランジャ5の後退は、ポンプ31から射出ピストン17の前側に作動液を供給することにより行われてもよいし、第1の実施形態のように、後側ピストンロッド22に対する押出部材255の相対的な後退を禁止するための構成(例えばフック)が設けられ(後に説明する図5及び図6参照)、駆動用電動機41の駆動力により行われてもよい。
図4(b)に示す変形例の射出装置301は、第1の実施形態及び図4(a)の変形例と同様に、プランジャ5(図2)を駆動するために、射出シリンダ装置309及び電動式の駆動装置313を有している。
図4(a)と図4(b)との比較から理解されるように、図4(b)の変形例は、被規制部材(押出部材355)の構成が図4(a)の変形例と相違する。具体的には、図4(b)の変形例では、押出部材355は、シリンダ部材315の内部に挿通され、射出ピストン17の後側の面に当接するロッド部355aを有するように構成されており、これにより、プランジャ5に対する相対的な前進が規制されるとともに、プランジャ5に対する相対的な後退が許容されている。
なお、後側ピストンロッド22の後端面は、例えば、後側ピストンロッド22がロッド部355aに挿通され、その間がシールされ、且つ、ロッド部355aとシリンダ部材315との間がシールされることにより、シリンダ部材315内の作動液から隔離されている。
このような構成においても、第1の実施形態と同様の動作が実現できる。例えば、低速射出において、駆動用電動機41により射出ピストン17を前進させつつ、射出ピストン17の前側及び後側の双方にアキュムレータ35(図2)の液圧を付与し、高速射出において、射出ピストン17の後側にのみアキュムレータ35の液圧を付与する動作を実現できる。
また、この構成では、高速射出が開始され、射出ピストン17がロッド部355aから離れた後、ロッド部355aにより射出ピストン17の背後の液圧を加圧可能であり、この機能を高速射出、増圧、保圧及び押出追従のいずれかにおいて利用することができる。
ただし、この構成では、ロッド部355aの前進が射出ピストン17の背後の液圧に影響を及ぼすことなどから、高速射出の開始後から保圧完了までの間にロッド部355aを射出ピストン17に追いつかせることは現実的に難しい。従って、押出追従やプランジャ5の後退は、通常の液圧式の射出装置と同様に、液圧により行われることが好ましい。
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態に係るダイカストマシンの射出装置401の要部の構成を示す模式図である。
射出装置401は、図4(a)の変形例と同様に、単胴式の射出シリンダ装置409と、射出シリンダ装置409の後側ピストンロッド422に駆動力を付与可能な電動式の駆動装置413とを有する構成とされている。
ただし、駆動装置413は、図4(a)に図示した構成とは異なり、ねじ軸51の回転によってナット53が前後進する構成であり、また、着脱部445を有する構成である。着脱部445は、第1の実施形態の着脱部45と同様に、基部455の後側ピストンロッド422に対する相対的な後退を禁止及び許容するためのフック57等を有している。
なお、駆動装置413は、ガイドシャフト72(図2)を有していないから、射出フレーム459は、ガイドシャフト72をガイドする必要はなく、通常の全油圧式のダイカストマシンが有するものと同様のものとされてよい。
射出装置401の液圧装置411(液圧回路437)は、増圧シリンダ部に係る作動液を制御するための構成が無いことを除いて、基本的に、第1の実施形態の液圧装置11(液圧回路37)と同様である。ただし、第1の実施形態では、第2逆止弁84及び第3逆止弁86は閉じるパイロット圧及び開くパイロット圧が導入されるものであったのに対して、第2の実施形態では、第2逆止弁484は閉じるパイロット圧力のみが導入されるものとされ、第3逆止弁486は開くパイロット圧力のみが導入されるものとされている。ただし、減速射出(t2〜t3)を行う時に、サーボバルブ85の開口度を調整して、プランジャ5の速度を減速させるという場合には、第3逆止弁486に閉じるパイロット圧力を導入する。
第2の実施形態の射出装置401の動作は、例えば、以下のように、増圧シリンダに係る動作を除いて、第1の実施形態の射出装置1の動作と概ね同様である。
射出装置401は、まず、第1の実施形態の射出装置1と同様の動作によって、低速射出及び高速射出を行う。その後、射出装置401は、溶湯がキャビティ105に充填されてプランジャ5の速度が低下しても、高速射出と同様に、アキュムレータ35からヘッド側室215hへの作動液の供給を維持する。そして、溶湯の圧力による力とヘッド側室215hの圧力による力とが釣り合うまで溶湯は増圧され、そのまま保圧に移行する。プランジャ5の後退は、増圧シリンダに係る作動液の受給が不要な点を除いて、第1の実施形態と概ね同様である。
以上の第2の実施形態によれば、例えば、第1の実施形態と同様に、低速射出において、駆動用電動機41により射出ピストン17を前進させつつ、射出ピストン17の前側及び後側の双方にアキュムレータ35の液圧を付与し、高速射出において、射出ピストン17の後側にのみアキュムレータ35の液圧を付与する動作を実現できる。これにより、低速射出から高速射出への移行時に一時的に射出速度が制御不能状態になってしまうことが抑制される。
さらに、第2の実施形態では、第1の実施形態や図4(a)に図示した構成に比較して、例えば、射出装置401全体の長大化を抑えつつも、後方にねじ軸51を配置することができる。その結果、例えば、ねじ軸51を覆うガイドシャフト72(図2)を設けることなく、スリーブ3の給湯口3aに注がれる溶湯の飛沫からねじ軸51を保護することができる。
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態に係るダイカストマシンの射出装置501の要部の構成を示す模式図である。
射出装置501は、第2の実施形態と同様に、後側ピストンロッド422に対して着脱部445が着脱する構成とされており、また、ねじ軸51の回転によってナット53が前後進する構成とされている。ただし、射出装置501の射出シリンダ装置509は、増圧式のものとされている。具体的には、以下のとおりである。
射出シリンダ装置509のシリンダ部材515は、第1の実施形態のシリンダ部材15と同様に、射出ピストン17が摺動する射出シリンダ部515aと、射出シリンダ部515aのヘッド側室515hに通じる増圧シリンダ部515bとを有している。
ただし、増圧シリンダ部515bは、射出シリンダ部515aに対して同軸上に設けられておらず、射出シリンダ部515aの後方位置を避けるように配置されている。そして、後側ピストンロッド422は、増圧シリンダ部515bを介さずに、射出シリンダ部515aの後方へ延び出ている。
より具体的には、例えば、増圧シリンダ部515bは、射出シリンダ部515aの後方の側方において、射出シリンダ部515aの軸方向に対して交差(例えば直交)する方向に軸方向を向けて設けられている。なお、図6では、図示の都合上、増圧シリンダ部515bの軸方向は水平方向(別の観点では基部455の延在方向)になるように配置されているが、増圧シリンダ部515bの軸方向は、水平方向に限定されず、鉛直方向等の適宜な方向とされてよい。
増圧シリンダ部515bは、ヘッド側室515hに通じる小径シリンダ部515baと、その後方に通じ、小径シリンダ部515baよりも径が大きい大径シリンダ部515bbとを有している。射出シリンダ部515aの内径と増圧シリンダ部515bの内径との大小関係は適宜に設定されてよいが、例えば、大径シリンダ部515bbの内径は、射出シリンダ部515aの内径よりも大きく、小径シリンダ部515baの内径は、射出シリンダ部515aの内径と同程度である。
増圧シリンダ部515b内には、増圧ピストン519が配置されており、増圧ピストン519は、小径シリンダ部515baを摺動可能な小径部519aと、大径シリンダ部515bbを摺動可能な大径部519bとを有している。大径部519bは、第1の実施形態と同様に、大径シリンダ部515bbの内部を前側室515fと後側室515eとに区画している。
第3の実施形態の射出装置501の動作は、プランジャ5の後退を除いて、第1の実施形態と概ね同様でよい。プランジャ5の後退は、例えば、以下のとおりである。
第1の実施形態では、駆動装置13によって射出ピストン17を後退させる際に、射出ピストン17を増圧ピストン19に当接させ、これにより増圧ピストン19を後退させた。これに対して、第3の実施形態では、例えば、駆動装置413によって射出ピストン17を後退させる際に、ヘッド側室515hの作動液を小径シリンダ部515ba内に供給することによって増圧ピストン519を後退させる。
具体的には、例えば、射出ピストン17の後退の初期においては、第3逆止弁86に開くパイロット圧を導入しない状態で、駆動装置413によって射出ピストン17を後退させ、ヘッド側室515hから増圧ピストン519の前方に作動液を供給し、増圧ピストン519を後退させる。なお、ロッド側室515r及び前側室515fにはタンク29から適宜に作動液が補給される。後側室515eから排出される作動液がロッド側室515r及び前側室515fに還流されてもよい。そして、増圧ピストン519が後退限に到達すると、例えば、第3逆止弁486に開くパイロット圧力を導入し、ヘッド側室515hの作動液をロッド側室515rに還流しつつ、駆動装置413によって射出ピストン17を後退限まで後退させる。なお、第3の実施形態におけるプランジャ5の後退の動作は、第1の実施形態の構成において行われてもよい。
以上の第3の実施形態によれば、例えば、第1の実施形態と同様に、低速射出において、駆動用電動機41により射出ピストン17を前進させつつ、射出ピストン17の前側及び後側の双方にアキュムレータ35の液圧を付与し、高速射出において、射出ピストン17の後側にのみアキュムレータ35の液圧を付与する動作を実現できる。これにより、低速射出から高速射出への移行時に一時的に射出速度が制御不能状態になってしまうことが抑制される。
さらに、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、射出装置501全体の長大化を抑制しつつ、後方にねじ軸51を配置して、ねじ軸51を溶湯の飛沫から保護できる。また、後側ピストンロッド422が増圧ピストン519に挿入されないことから、増圧ピストン519の構成を簡素にすることができる。
本発明は、以上の実施形態及び変形例に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、成形機は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、縦型締横射出、横型締縦射出であってもよい。成形機は、射出フレームを有さないものであってもよい。作動液は、油に限定されず、例えば水でもよい。
上述した実施形態及び変形例は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第1の実施形態のように射出シリンダ装置の前方においてプランジャと電動式の駆動装置とが係合する構成において、変形例又は第2若しくは第3の実施形態に用いられた単胴式又は増圧式のシリンダ装置が用いられたり、第1〜第3の実施形態において、変形例に用いられた、ナットが回転してねじ軸が前後進するねじ機構が用いられたりしてもよい。
電動式の駆動装置は、電動機と、電動機の駆動力によって駆動され、プランジャに対する相対的な前進が規制されるとともに、プランジャに対する相対的な後退が許容される被規制部材とを有していればよく、その構成は種々変形可能であり、また、回転を伝達する機構(例えばプーリ・ベルト機構)、及び、電動機の回転を並進運動に変換する機構(例えばねじ機構)等は必須の要件ではない。
例えば、電動機は、リニアモータとされてもよい。この場合、リニアモータの可動子を直接に被規制部材に固定すれば、伝達機構やねじ機構等は不要である。また、例えば、回転式の電動機の出力軸と、ねじ機構のねじ軸又はナットとはカップリングを介して連結されるなどしてもよい。この場合、回転を伝達する機構(例えばプーリ・ベルト機構)は不要である。
また、伝達機構は、プーリ・ベルト機構に限定されず、例えば、歯車機構であってもよい。回転を並進運動に変換する機構は、ねじ機構に限定されず、例えば、ラック・ピニオン機構であってもよい。
ねじ機構が設けられる場合において、ねじ軸を被覆するガイドシャフト72は必須ではなく、また、ねじ機構は、射出サイクルの全体に亘ってプランジャの後方に位置している必要は無い。例えば、第1の実施形態において、ガイドシャフト72を省略して、ナット53と基部55とを直接に固定してもよい。
駆動装置及び射出シリンダは、射出サイクルにおいて、適宜に単独で又は共に利用されてよい。
例えば、駆動装置は、プランジャの後退及び押出追従に利用されなくてもよい。具体的には、特許文献1において開示されているように、駆動装置は、低速射出から高速射出への切り換えのときに停止され、プランジャの後退及び押出追従は、シリンダ装置(液圧)のみによって行われてもよい。この場合、駆動装置は、低速射出のストロークで駆動可能であればよい。従って、例えば、駆動装置がねじ軸を有する場合、ねじ軸を短くすることができる。
また、例えば、上記とは逆に、駆動装置は、射出シリンダを補助するように、増圧及び/又は保圧に利用されてもよい。このような駆動装置及びシリンダ装置の協働は、一の工程の一部分のみにおいて行われてもよい。
上述のように、駆動装置は、必ずしもプランジャの後退に供されなくてもよい。従って、射出装置は、被規制部材(実施形態では基部55)のプランジャに対する相対的な前進を規制可能且つ被規制部材のプランジャに対する相対的な後退を許容可能であればよい。すなわち、射出装置において、被規制部材のプランジャに対する相対的な後退をも規制可能な構成は不要である。例えば、第1〜第3の実施形態において、フック57及びアクチュエータ59は省略可能である。
また、被規制部材のプランジャに対する相対的な後退をも規制可能な構成(着脱部)が設けられる場合において、着脱部は、少なくとも被規制部材のピストンロッドに対する相対的な後退を許容するように連結を解除できれば十分であるが、被規制部材のピストンロッドに対する相対的な前進及び後退の双方を許容するような連結解除を行うものであってもよい。例えば、着脱部は、ピストンロッドに対して前進方向及び後退方向の双方に対して係合する位置と当該係合位置から退避した位置との間で移動可能に被規制部材に支持された係合部材と、当該係合部材を前記の係合する位置と退避した位置との間で駆動するアクチュエータとを有するものであってもよい。
また、着脱部が設けられる場合において、被規制部材は、ピストンロッド又はピストンロッドに固定された部材に対して後方から当接する部材でなくてもよい。例えば、被規制部材は、ピストンロッド若しくはピストンロッドに固定された所定部材を側方から挟持したり、所定部材に側方から吸着したりして、摩擦力のみによってねじ軸のピストンロッドに対する前後方向の相対移動を規制するものであってもよい。その他、ねじ軸とピストンロッドとの相対移動は適宜に規制若しくは許容されてよい。例えば、特許文献1に開示されている種々の態様が適用されてよい。
液圧装置は、適宜に構成することができ、種々の流路の接続及び共用、並びに、種々の弁の配置は、適宜に変更可能である。例えば、第1の実施形態では、アキュムレータ35とヘッド側室15hとを接続する第2流路80と、ヘッド側室15hとロッド側室15rとを接続する第4流路82とを設けるとともに、これらのヘッド側室15h側の一部を共用し、アキュムレータ35の圧力をヘッド側室15h及びロッド側室15rの双方に付与可能としたが、アキュムレータ35とロッド側室15rとを接続する流路が別個に設けられてもよいし、第2流路80と第4流路82とを全く別個の流路としてもよい。また、例えば、実施形態では、メータアウト回路を構成するサーボバルブ85を設けたが、サーボバルブ85に代えて若しくは追加してメータイン回路を構成するサーボバルブが設けられてもよい。
後側ピストンロッドの径は、前側ピストンロッドの径と異なっていてもよい。これらの径が互いに同一でなくても、後側ピストンロッドが設けられていることによって、例えば、射出ピストンの前側及び後側の双方にアキュムレータの液圧を付与したときに生じる射出ピストンの駆動力が低減される。ひいては、射出ピストンの前側及び後側の双方にアキュムレータの液圧を付与した状態で、電動機によってプランジャを前進させて低速射出を行うことが容易化される。
アキュムレータの液圧を射出ピストンの前側及び後側の双方に付与することによる駆動力が、電動機によるプランジャの駆動に及ぼす影響を小さくする観点からは、これらの径の差は、小さくされることが好ましい。また、これらの径の差は、アキュムレータのガス容積や電動機の定格出力等に応じて適宜に決定されてもよい。
また、後側ピストンロッドの径と、前側ピストンロッドの径とを意図的に若干異ならせることにより得られる効果もある。例えば、後側ピストンロッドの径を前側ピストンロッドの径よりも若干大きくすることによって、低速射出開始前等においてプランジャの意図しない前進が抑制される。
なお、後側ピストンロッドの径と、前側ピストンロッドの径とは、その相違がこれらピストンロッドの加工精度の範囲内であれば、同一であるものとする。
本願の実施形態からは、以下の別発明を抽出可能である。
(別発明1)
スリーブ内の材料をキャビティに押し出すプランジャと、
前記プランジャに連結された前側ピストンロッド、当該前側ピストンロッドの後端に固定された射出ピストン、当該射出ピストンの背後に配置された増圧ピストン及び前記射出ピストン及び前記増圧ピストンを摺動可能に収容するシリンダ部材を有する射出シリンダ装置と、
を有し、
前記射出シリンダ装置は、前記射出ピストンから前記前側ピストンロッドとは反対側に延びる後側ピストンロッドを更に有し、
前記シリンダ部材は、
前記射出ピストンが摺動する射出シリンダ部と、
前記射出シリンダ部の後方に通じ、前記射出シリンダ部よりも大径の増圧シリンダ部と、を有し、
前記増圧ピストンは、
前記射出シリンダ部を摺動可能な小径部と、
前記増圧シリンダ部を摺動可能な大径部と、
前記大径部から後方に突出し、前記小径部よりも小径であり、前記シリンダ部材の外部へ露出する後端部と、を有し、
前記増圧ピストンには、その前端面から前記後端部の前記シリンダ部材の外部へ露出する部分へ通じる収容空間が形成されており、
前記後側ピストンロッドは、前記収容空間に挿通されることにより、その端面が前記シリンダ部材内の作動液から隔離されている
射出装置。
(別発明2)
別発明1に記載の射出装置を備えた成形装置。
上記の別発明に係る射出装置は、全液圧式の射出装置とされてもよいし、実施形態とは別のタイプのハイブリッド式の射出装置とされてもよい。実施形態とは別のタイプのハイブリッド式の射出装置としては、例えば、射出シリンダ装置をシリンダ部材ごと電動機により移動させるタイプのものが挙げられる。
1…射出装置、3…スリーブ、5…プランジャ、9…射出シリンダ、13…駆動装置、41…駆動用電動機(電動機)、15…シリンダ部材、17…射出ピストン、21…前側ピストンロッド、22…後側ピストンロッド、35…アキュムレータ、37…液圧回路、55…基部(被規制部材)、105…キャビティ。

Claims (7)

  1. スリーブ内の材料をキャビティに押し出すプランジャと、
    前記プランジャに連結された前側ピストンロッド、当該前側ピストンロッドの後端に固定された射出ピストン及び当該射出ピストンを摺動可能に収容するシリンダ部材を有する射出シリンダ装置と、
    アキュムレータと、
    前記アキュムレータと前記シリンダ部材とを接続する液圧回路と、
    前記プランジャに対する相対的な前進が規制されるとともに、前記プランジャに対する相対的な後退が許容される被規制部材と、
    前記被規制部材を前記プランジャに平行な方向において移動させる駆動力を生じる電動機と、
    を有し、
    前記射出シリンダ装置は、前記射出ピストンから前記前側ピストンロッドとは反対側に延びる後側ピストンロッドを更に有し、
    前記後側ピストンロッドは、後端面が前記シリンダ部材内の作動液から隔離されている
    射出装置。
  2. 前記液圧回路は、アキュムレータの液圧を前記射出ピストンの前側及び後側の双方に付与可能である
    請求項1に記載の射出装置。
  3. 前記電動機は、低速射出において前記被規制部材を前進させることによって前記プランジャを前進させ、
    前記液圧回路は、
    低速射出のうち少なくとも高速射出への切り換え直前において、前記アキュムレータの液圧を前記射出ピストンの前側及び後側の双方に付与し、
    高速射出において、前記アキュムレータの液圧を前記射出ピストンの前側及び後側のうち後側にのみ付与する
    請求項2に記載の射出装置。
  4. 前記射出シリンダ装置は、前記射出ピストンの背後に配置された増圧ピストンを更に有し、
    前記シリンダ部材は、
    前記射出ピストンが摺動する射出シリンダ部と、
    前記射出シリンダ部の後方に通じ、前記射出シリンダ部よりも大径の増圧シリンダ部と、を有し、
    前記増圧ピストンは、
    前記射出シリンダ部を摺動可能な小径部と、
    前記増圧シリンダ部を摺動可能な大径部と、
    前記大径部から後方に突出し、前記小径部よりも小径であり、前記シリンダ部材の外部へ露出する後端部と、を有し、
    前記増圧ピストンには、その前端面から前記後端部の前記シリンダ部材の外部へ露出する部分へ通じる収容空間が形成されており、
    前記後側ピストンロッドは、前記収容空間に挿通されることにより、その端面が前記シリンダ部材内の作動液から隔離されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出装置。
  5. 前記後側ピストンロッドは、前記シリンダ部材から後方へ延び出ており、
    前記被規制部材は、前記後側ピストンロッドの前記シリンダ部材から延び出た部分に当接することにより、前記プランジャに対する相対的な前進が規制されるとともに、前記プランジャに対する相対的な後退が許容される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出装置。
  6. 前記前側ピストンロッドと前記後側ピストンロッドとは同径である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の射出装置と、
    前記キャビティを構成する金型を型締する型締装置と、
    を有する成形装置。
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