<第1実施形態>
(ダイカストマシンの全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るダイカストマシン1の要部の構成を示す、一部に断面図を含む側面図である。
ダイカストマシン1は、溶解されて液状となった金属材料(溶湯)を金型101内(キャビティCa等の空間。以下同様。)へ射出し、溶湯を金型101内で凝固させることにより、ダイカスト品(成形品)を製造するものである。金属は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金である。なお、溶湯に代えて、固液共存金属を用いることも可能である。
金型101は、例えば、固定金型103及び移動金型105を含んでいる。本実施形態の説明では、便宜上、固定金型103又は移動金型105の断面を1種類のハッチングで示すが、これらの金型は、直彫り式のものであってもよいし、入れ子式のものであってもよい。また、固定金型103及び移動金型105には、中子などが組み合わされてもよい。
ダイカストマシン1は、例えば、成形のための機械的動作を行うマシン本体部3と、マシン本体部3の動作を制御する制御ユニット5とを有している。
マシン本体部3は、例えば、金型101の開閉及び型締めを行う型締装置7と、金型101内に溶湯を射出する射出装置9と、ダイカスト品を固定金型103又は移動金型105(図1では移動金型105)から押し出す押出装置11とを有している。マシン本体部3において、射出装置9以外の構成(例えば型締装置7及び押出装置11の構成)は、基本的には(例えば射出装置9の取付けに係る部分を除いて)、公知の種々の構成と同様とされてよい。
成形サイクルにおいて、型締装置7は、移動金型105を固定金型103へ向かって移動させ、型閉じを行う。さらに、型締装置7は、タイバー(符号省略)の伸長量に応じた型締力を金型101に付与して型締めを行う。型締めされた金型101内には成形品と同一形状のキャビティCaが構成される。射出装置9は、そのキャビティCaへ溶湯を射出・充填する。キャビティCaに充填された溶湯は、金型101に熱を奪われて冷却され、凝固する。これにより、成形品が形成される。その後、型締装置7は、移動金型105を固定金型103から離れる方向へ移動させて型開きを行う。この際又はその後、押出装置11は、移動金型105から成形品を押し出す。
制御ユニット5は、例えば、各種の演算を行って制御指令を出力する制御装置13(図2参照)と、画像を表示する表示装置15と、オペレータの入力操作を受け付ける入力装置17とを有している。また、別の観点では、制御ユニット5は、例えば、電源回路及び制御回路等を有する不図示の制御盤と、ユーザインターフェースとしての操作部19とを有している。
制御装置13(図2参照)は、例えば、不図示の制御盤及び操作部19に設けられている。制御装置13は、適宜に分割乃至は分散して構成されてよい。例えば、制御装置13は、型締装置7、射出装置9及び押出装置11毎の下位の制御装置と、この下位の制御装置間の同期を図るなどの制御を行う上位の制御装置とを含んで構成されてよい。
表示装置15及び入力装置17は、例えば、操作部19に設けられている。操作部19は、例えば、型締装置7の固定的部分に設けられている。表示装置15は、例えば、液晶表示ディスプレイ乃至は有機ELディスプレイを含んだタッチパネルによって構成されている。入力装置17は、例えば、機械式のスイッチ及び前記のタッチパネルによって構成されている。
なお、ダイカストマシン1のうち射出装置9に着目する場合において、制御ユニット5は、射出装置9の制御ユニットとして捉えられてよい。
(射出装置の構成)
射出装置9は、例えば、金型101内に通じるスリーブ21と、スリーブ21内を摺動可能なプランジャ23と、プランジャ23を駆動する射出駆動部25とを有している。なお、射出装置9の説明においては、金型101側(図1の紙面左側)を前方、その反対側を後方ということがある。
スリーブ21は、例えば、固定金型103に連結された筒状部材であり、上面には溶湯をスリーブ21内に受け入れるための供給口21aが開口している。プランジャ23は、スリーブ21内を前後方向に摺動可能なプランジャチップ23aと、先端がプランジャチップ23aに固定されたプランジャロッド23bとを有している。
型締装置7による金型101の型締めが完了すると、不図示の給湯装置によって1ショット分の溶湯が供給口21aからスリーブ21内へ注がれる。そして、プランジャ23が図示の位置からスリーブ21内を前方へ摺動することにより、スリーブ21内の溶湯が金型101内に押し出される(射出される)。
(射出駆動部の概略構成)
図2は、射出装置9(射出駆動部25)の具体的な構成を示す模式図である。図2は、基本的に側方から見た図となっているが、図示の都合上、一部(例えば液圧系)はこの限りではない。また、図2は適宜に断面図を含んでいる。
射出装置9は、いわゆる全電動式の射出装置として構成されている。すなわち、射出装置9は、射出用電動機27及び増圧用電動機29を有しており、プランジャ23は、基本的に、射出の全工程に亘って射出用電動機27及び増圧用電動機29の駆動力によって駆動され、ポンプやアキュムレータ等の油圧機器の駆動力によっては駆動されない。
射出用電動機27は、主として、低速射出及び高速射出(狭義の射出)に利用されるものであり、増圧用電動機29は、主として増圧に利用されるものである。射出装置9は、射出用電動機27及び増圧用電動機29の駆動力をプランジャ23に伝達し、かつ使用する電動機を工程の進行に応じて切り換えるために、プランジャ23とこれら電動機との間に介在する統合伝達機構31を有している。
統合伝達機構31は、プランジャ23に連結され、射出用電動機27及び増圧用電動機29の駆動力のプランジャ23への伝達、及び使用する電動機の切換えに寄与するシリンダ機構33と、射出用電動機27の駆動力をシリンダ機構33へ伝達するための射出用伝達機構35と、増圧用電動機29の駆動力をシリンダ機構33へ伝達するための増圧用伝達機構37とを有している。
(電動機)
電動機の台数は、適宜に設定されてよい。本実施形態の説明では、2つの射出用電動機27と1つの増圧用電動機29とが設けられる態様を例に取る。
射出用電動機27及び増圧用電動機29は、例えば、回転式の電動機により構成されており、特に図示しないが、界磁及び電機子の一方を構成するステータと、界磁及び電機子の他方を構成し、ステータに対して回転するロータとを有している。なお、これらの電動機は、適宜な形式のものとされてよく、例えば、直流電動機であってもよいし、交流電動機であってもよいし、同期電動機であってもよいし、誘導電動機であってもよい。
射出用電動機27及び増圧用電動機29は、例えば、サーボモータとして構成されている。すなわち、射出用電動機27は、その回転を検出する回転センサ27sを有し、回転センサ27sの検出値に基づいて、不図示のサーボドライバにより回転数のフィードバック制御がなされる。同様に、増圧用電動機29は、その回転を検出する回転センサ29sを有し、回転センサ29sの検出値に基づいて、不図示のサーボドライバにより回転数のフィードバック制御がなされる。射出用電動機27及び増圧用電動機29の回転センサは、例えば、回転量に応じた数のパルスを出力するエンコーダである。
また、増圧用電動機29のサーボドライバは、例えば、増圧用電動機29に流れる電流を検出し、その検出値に基づいてトルクのフィードバック制御を行うことが可能である。射出用電動機27のサーボドライバも、そのようなトルクのフィードバック制御が可能であってもよい。
射出用電動機27及び増圧用電動機29(特に射出用電動機27)は、低慣性電動機により構成されていることが好ましい。すなわち、これら電動機は、定格トルクに対してロータのイナーシャが相対的に小さい電動機により構成されていることが好ましい。なお、低慣性電動機は、そのカタログ乃至は仕様書などにおいて、低慣性電動機である旨が記載されていることが多く、当該記載に基づいて低慣性電動機であるか否かを特定可能である。一般に、低慣性電動機は、ロータ径をロータの軸方向長さに対して相対的に小さくして構成されている。ただし、磁石材料、ロータ径、鉄心形状及び積厚等を最適化することにより低慣性が実現されたものも知られている。
射出用電動機27及び増圧用電動機29の配置は適宜に設定されてよい。例えば、射出用電動機27及び増圧用電動機29は、シリンダ機構33に対して並列に配置されている。より具体的には、例えば、射出用電動機27は、その出力軸27aを前方へ向けている。増圧用電動機29は、その出力軸29aを後方に向けている。
また、例えば、射出用電動機27及び増圧用電動機29のシリンダ機構33の軸回りの絶対的な位置及び両電動機間の相対位置は適宜に設定されてよい。例えば、2つの射出用電動機27は、平面視又は側面視においてシリンダ機構33に対して概ね対称に配置されている。増圧用電動機29は、シリンダ機構33の軸回りにおいて2つの射出用電動機27の間に配置されてもよいし、一の射出用電動機27と同軸的に配置されてもよい。
(シリンダ機構の基本構成)
シリンダ機構33は、基本的な構成として、油圧シリンダ(射出シリンダ)を含む液圧装置に類似した構成を有している。具体的には、例えば、シリンダ機構33は、シリンダ部材39と、シリンダ部材39に摺動可能に収容されている継手用ピストン41と、継手用ピストン41に固定されており、シリンダ部材39から継手用ピストン41の移動方向の一方側(前方)へ延び出ている前側ロッド43と、継手用ピストン41の背後に位置する加圧部材47と、を有している。
シリンダ機構33は、プランジャ23に対して同軸的に配置されている。前側ロッド43は、カップリング49を介してプランジャ23の後端に同軸に連結されている。シリンダ部材39は、固定的(移動不可能)に設けられている。従って、射出用電動機27の駆動力を前側ロッド43に伝達することによって、プランジャ23を駆動することができる。また、増圧用電動機29の駆動力を加圧部材47に伝達することによって、継手用ピストン41の背後の液体(例えば油)を加圧して、プランジャ23を駆動することができる。
継手用ピストン41は、例えば、概ね円柱状である。前側ロッド43は、概ね断面円形であり、概ね一定の断面形状で延びている。シリンダ部材39の内部は、継手用ピストン41によって、前側ロッド43が延び出る側のロッド側室39rと、その反対側のヘッド側室39hとに区画されている。シリンダ部材39は、例えば、型締装置7の、固定金型103を保持している固定ダイプレート(符号省略)に固定されたフレーム51に固定されている。
ヘッド側室39hには、一般的な液圧シリンダと同様に、液体が満たされている。一方、ロッド側室39rには、一般的な液圧シリンダとは異なり、液体が満たされておらず、例えば、大気開放されている。従って、ロッド側室39rは、射出用電動機27の駆動力を前側ロッド43に伝達するための構成(射出用伝達機構35)の少なくとも一部を配置可能となっている。なお、ロッド側室39rには、継手用ピストン41とシリンダ部材39との潤滑に寄与する液体(油)が少量蓄えられていてもよい。
図3(a)及び図3(b)は、シリンダ機構33の後方部分の拡大図である。図3(a)は、継手用ピストン41が後退限に位置している状態を示しており、図3(b)は、継手用ピストン41が後退限から少し前進した状態を示している。
加圧部材47は、例えば、シリンダ部材39を摺動可能なピストンにより構成されている。加圧部材47は、シリンダ部材39の内部を、ヘッド側室39hと、その反対側(後方)の空間(符号省略。図では、加圧部材47が後退限に位置していることから容積0となっている)とに区画している。当該後方の空間は、例えば、液体が満たされておらず、大気開放されている。
より具体的には、加圧部材47は、シリンダ部材39内を摺動する本体部47aと、本体部47aから前方に突出している突出部47bとを有している。突出部47bは、本体部47a(シリンダ部材39の内面)よりも径が小さく、シリンダ部材39内を摺動しない。突出部47bは、継手用ピストン41の後端面に当接して、継手用ピストン41と本体部47aとの一定以上の近接を規制可能である。これにより、例えば、両者の間(ヘッド側室39h)の容積が確保され、また、後退限に位置する加圧部材47によって継手用ピストン41の後退限が規制される。
本体部47a及び突出部47bの形状は適宜なものとされてよい。本体部47aの形状は、例えば、不図示のOリング等の存在を無視すれば、概ね円柱状である。突出部47bは、例えば、本体部47aから順に、本体部47aよりも径が小さい円柱状の根元部47baと、その根元部47baの端面を下底とする(根元部47baの端面から縮径していく)円錐台状の中間部47bbと、中間部47bbの上底を端面とする円柱状の先端部47bcとを有している。なお、突出部47bは、円柱状部分又は円錐台状部分のみから構成されてもよい。
加圧部材47の後退限は、例えば、シリンダ部材39の後端面の内側(ストッパ)に当接することによって規定されてよい。継手用ピストン41の後退限は、例えば、上記のように突出部47bへの当接によって規定されてもよいし、シリンダ部材39内に設けられた不図示のストッパが継手用ピストン41に当接することによって規定されてもよい。継手用ピストン41の前進限は、例えば、シリンダ部材39内に設けられた不図示のストッパが継手用ピストンに当接することによって規定されてよい。
なお、図示の例では、継手用ピストン41の径と加圧部材47(本体部47a)の径とは同一となっているが、これらは互いに異なっていてもよい。すなわち、シリンダ部材39は、継手用ピストン41が摺動する部分と、加圧部材47が摺動する部分とで径が異なっていてもよい。増圧用電動機29の負担を軽減する観点からは、加圧部材47の径が継手用ピストン41の径よりも小さいことが好ましい。
(シリンダ機構の補助部)
シリンダ機構33は、図3(a)及び図3(b)に示されているように、一般的な液圧シリンダが有していない構成として、継手用ピストン41から後方に延びる補助用ロッド45と、補助用ロッド45に固定された補助用ピストン46と、補助用ピストン46を摺動可能に収容する補助用シリンダ室48とを有している。これらは、例えば、サージ圧の低減及び/又は液体の過不足の低減に寄与する。
補助用ロッド45は、例えば、一定の断面形状で延びるロッドであり、断面形状は例えば概ね円形である。補助用ロッド45の径は、シリンダ部材39(ヘッド側室39h)の内径よりも小さい限り、適宜に設定されてよく、例えば、前側ロッド43の径よりも大きくてもよいし、同等でもよいし、小さくてもよく(図示の例)、装置の小型化又はプランジャ23に付与される慣性力の低減等の観点からは、前側ロッド43の径よりも小さいことが好ましい。
補助用ピストン46は、例えば、概ね円柱状であり、補助用ピストン46の後端に固定されている。補助用ピストン46の径は、補助用ロッド45の径よりも大きい限り、適宜に設定されてよく、例えば、前側ロッド43の径よりも大きくてもよいし、同等でもよいし、小さくてもよく(図示の例)、装置の小型化又はプランジャ23に付与される慣性力の低減等の観点からは、前側ロッド43の径と同等以下であることが好ましい。
補助用シリンダ室48は、例えば、加圧部材47及び後述するねじ軸87の内部に設けられている。より具体的には、例えば、補助用シリンダ室48は、加圧部材47の突出部47b(さらに詳細には例えば根元部47ba)からねじ軸87の後端まで亘っている。補助用シリンダ室48は、例えば、概ね前端から後端まで一定の断面積である。
補助用シリンダ室48は、補助用ピストン46によって、前側の前側室48aと、後側の後側室48b(図3(a)では容積0となっている)とに区画されている。前側室48aは、液体によって満たされている。後側室48bは、例えば、大気開放されており、液体が満たされていない。
前側室48aは、加圧部材47及びねじ軸87に設けられた補助用流路50を介して外部に通じている。補助用流路50は、例えば、一端が補助用ピストン46の前進限よりも前方にて前側室48aに開口し、他端がねじ軸87の後端面にて外部へ開口している。
補助用ピストン46のストローク(継手用ピストン41のストロークと同等)は、例えば、加圧部材47及びねじ軸87の双方に亘っている。すなわち、補助用ピストン46は、前進限においては、その少なくとも一部が加圧部材47内に位置し、後退限においては、その少なくとも一部がねじ軸87内に位置する。図示の例では、補助用ピストン46は、前進限においては、その前端が突出部47b(より詳細には根元部47ba)に位置し、後退限においては、その後端がねじ軸87の後端に位置する。
なお、補助用ピストン46は、継手用ピストン41と固定されているから、例えば、補助用ピストン46の補助用シリンダ室48に対する前進限は、継手用ピストン41がシリンダ部材39内の不図示のストッパに当接することによって規定される。また、補助用ピストン46の補助用シリンダ室48に対する後退限は、継手用ピストン41が加圧部材47に当接することによって規定される。ただし、補助用ピストン46は、補助用シリンダ室48内に設けられた不図示のストッパに当接することによって、その前進限及び/又は後退限が規定されてもよい。
(シリンダ機構に係る液圧系)
図2に戻って、統合伝達機構31は、シリンダ機構33に係る液体の流れを制御するための液体制御部53を有している。液体制御部53は、例えば、ヘッド側室39hと前側室48aを連通する連通流路55と、ヘッド側室39h及び/又は前側室48a(本実施形態では双方)に接続されたアキュムレータ57と、連通流路55に設けられたヘッド側バルブ59及び補助用バルブ61とを有している。
連通流路55(及びその他の流路)は、例えば、鋼管、可撓性のホース又は金属ブロックにより構成されている。なお、連通流路55の少なくとも一部は、シリンダ部材39と加圧部材47(前側室48a)とが相対移動可能であることに対応して、可撓性のホース等によって構成された撓み管路となっている。
連通流路55は、一端が、継手用ピストン41の後退限よりも後方にてヘッド側室39hに通じ、他端が、補助用流路50の、ねじ軸87の後端面に開口する端部に通じている。連通流路55が設けられていることにより、互いに固定されている継手用ピストン41及び補助用ピストン46が前進する際、前側室48aの容積の縮小に伴って前側室48aから排出される液体によって、容積が拡大するヘッド側室39hへの液体の補給を行うことができる。同様に、継手用ピストン41及び補助用ピストン46が後退する際、ヘッド側室39hから排出される液体によって前側室48aへの液体の補給を行うことができる。
継手用ピストン41の移動に伴うヘッド側室39hの容積の変化量は、継手用ピストン41の断面積から補助用ロッド45の断面積を差し引いた断面積に継手用ピストン41の移動量を乗じた大きさである。補助用ピストン46の移動に伴う前側室48aの容積の変化量は、補助用ピストン46の断面積から補助用ロッド45の断面積を差し引いた断面積に補助用ピストン46の移動量を乗じた大きさである。従って、ヘッド側室39hと前側室48aとの間で液体を補給し合うときの液体の過不足は、加圧部材47の動作の影響等を無視すると、補助用ピストン46の断面積が継手用ピストン41の断面積に近いほど、低減される。この観点においては、補助用ピストン46の径は、比較的大きいことが好ましく、例えば、図示の例とは異なり、前側ロッド43の径よりも大きくされてもよい。
アキュムレータ57は、重量式、ばね式、気体圧式(空気圧式含む)、シリンダ式、プラダ式などの適宜な形式のアキュムレータにより構成されてよい。図示の例では、アキュムレータ57は、シリンダ式のものとされており、符号は省略するが、シリンダ部材と、シリンダ部材に摺動可能に収容されたピストンとを有している。シリンダ部材の内部は、ピストンによって気体室と液体室とに区画されており、液体室がシリンダ機構33に接続されている。
アキュムレータ57は、通常の射出シリンダに接続されるアキュムレータとは異なり、液体の送出によって継手用ピストン41を駆動することを目的としたものではなく、その圧力は比較的低くてよい。例えば、アキュムレータ57の気体室の圧力(例えばアキュムレータ57の仕様で設定されている最高圧力又は成形サイクル中に実際に生じる最高圧力)は、高圧ガス保安法において高圧と定義されている圧力(1MPa)よりも低くてよい。また、アキュムレータ57として、いわゆるミニボトルが用いられてもよい。
アキュムレータ57は、例えば、連通流路55に接続されており、ひいては、ヘッド側室39h及び前側室48aに通じている。ただし、後述の動作から理解されるように、アキュムレータ57は、必ずしも前側室48aに通じている必要はなく、連通流路55とは別個に前側室48aに接続されていてもよい。
ヘッド側バルブ59は、連通流路55に設けられており、ヘッド側室39hと前側室48aとの間の双方向の流れを許容可能であるとともに、少なくともヘッド側室39hから前側室48aへの流れ(別の観点ではヘッド側室39hからの液体の排出)を禁止可能である。ヘッド側バルブ59を閉じてヘッド側室39hからの液体の排出を禁止することによって、例えば、増圧用電動機29の駆動力を加圧部材47に伝達して加圧部材47を前進させたときに、ヘッド側室39hの圧力を上昇させ、継手用ピストン41に前進方向への力を付与することができる。すなわち、増圧用電動機29の駆動力をプランジャ23に伝達することができる。ヘッド側バルブ59は、例えば、連通流路55において、連通流路55とアキュムレータ57との接続位置よりもヘッド側室39h側に設けられている。
ヘッド側バルブ59は、上記の機能を発揮できれば適宜な構成とされてよいが、例えば、ばね力によって閉位置とされ、電磁力によって開位置とされる2ポート2位置のノンリーク切換弁によって構成されている。ノンリーク弁は、液体のリークが少ない又は無い弁であり、そのカタログ乃至は仕様書などにおいて、ノンリーク弁である旨が記載されていることが多く、当該記載に基づいてノンリーク弁であるか否かを特定可能である。ノンリーク弁としては、例えば、ポペット構造などを採用することによってリークが全く無いことを謳ったものが知られている。
補助用バルブ61は、前側室48aから排出される液体の流量を制御するためのものである。前側室48aからの液体の流量を制御することによって、例えば、補助用ピストン46等の速度を制御し、ひいては、射出の際における前進方向の慣性力を制御することができる。補助用バルブ61は、例えば、連通流路55において、連通流路55とアキュムレータ57との接続位置よりも前側室48a側に設けられている。
補助用バルブ61は、流量制御ができれば適宜なものとされてよいが、例えば、ばね力によって閉位置とされ、電磁力によって開かれる、流量制御機能付きのノンリーク切換弁によって構成されている。ノンリーク弁については、上述のとおりである。ただし、リークが少ない又は無いのは、全閉時のときのみでよい。流量制御機能付きのものとしては、例えば、ポペット構造とスプール構造とを組み合わせたもの(別の観点では切換弁と流量制御弁とを組み合わせたバルブユニット)が知られている。流量制御は、圧力補償及び/又は温度補償を行うものであってもよいし、行わないものであってもよい。補助用バルブ61は、流量制御に関してフィードバック制御がなされるサーボバルブであってもよいし、オープン制御がなされる比例弁であってもよい。
(射出用伝達機構)
射出用伝達機構35は、例えば、巻掛伝動機構(符号省略)と射出用ねじ機構69とを含んで構成されている。具体的には、例えば、射出用伝達機構35は、射出用電動機27の出力軸27aに固定されたプーリ65と、プーリ65に掛けられたベルト67と、ベルト67が掛けられたナット71と、ナット71に螺合されたねじ軸73とを有している。なお、プーリ65、ベルト67及びナット71によって巻掛伝動機構の一種であるプーリ・ベルト機構が構成されている。ナット71及びねじ軸73によって射出用ねじ機構69が構成されている。
プーリ65及びベルト67は、射出用電動機27の回転をナット71に伝達する。これらの部材は、例えば、射出用電動機27をねじ軸73に対して並列に配置したり、射出用ねじ機構69に対する射出用電動機27の配置の自由度を向上させたりすることに寄与している。プーリ65の径とナット71の径とは、同等であってもよいし、一方が他方よりも大きくてもよい。すなわち、射出用伝達機構35の巻掛伝動機構は、減速又は増速に寄与しなくてもよいし、寄与してもよい。図示の例では、ナット71の径は、プーリ65の径よりも小さくされている。従って、射出用電動機27の回転は増速されてナット71に伝達される。ベルト67は、例えば、歯付ベルトであってもよいし、歯が付いていないものであってもよい。射出用伝達機構35の巻掛伝動機構は、スプロケット・チェーン機構のように、プーリ・ベルト機構以外の他の形式のものであってもよい。
射出用ねじ機構69は、射出用電動機27の回転を並進運動に変換することに寄与する。射出用ねじ機構69は、ナット71とねじ軸73との間にボールが介在するボールねじ機構であってもよいし、ボールが介在しないすべりねじ機構であってもよい。伝動効率を向上させて高速化を図る等の観点からは前者が好ましい。射出用ねじ機構69は、ねじ溝が1本の1条ねじ式のものであってもよいし、ねじ溝が2本以上の多条ねじ式のものであってもよい。
ねじ軸73は、例えば、前側ロッド43に設けられている。すなわち、前側ロッド43の外周面の一部(図示の例)又は全部にねじ溝が形成され、前側ロッド43の一部(図示の例)又は全部はねじ軸73となっている。なお、ねじの外径は、前側ロッド43のねじ溝が形成されていない部分の径よりも大きくてもよいし、同等でもよいし(図示の例)、小さくてもよい。ねじ軸73が前側ロッド43に占める割合及び位置は適宜に設定されてよいが、例えば、ねじ軸73の後端は、継手用ピストン41の直前に位置し、ねじ軸73の前端は、継手用ピストン41が後退限に位置している状態でシリンダ部材39の中央よりも前方(好ましくは前端付近)に位置し、ねじ軸73は、前側ロッド43の長さの半分以上に亘っている。
ナット71は、例えば、シリンダ部材39(ロッド側室39r)に収容されている。ナット71の外周面の径は、例えば、シリンダ部材39の継手用ピストン41が摺動する内面の径よりも小さい。ただし、ナット71の配置位置において、シリンダ部材39の内面に凹部を形成したり(肉薄にしたり)、シリンダ部材39の内面及び外面の双方の径を大きくしたりすることにより、ナット71の径をシリンダ部材39の継手用ピストン41が摺動する内面の径以上としてもよい。ナット71のシリンダ部材39の軸方向における位置は適宜な位置とされてよいが、例えば、シリンダ部材39の中央よりも前方であり、好ましくは前端付近である。
なお、ナット71に掛けられるベルト67は、シリンダ部材39の側面に形成された開口(符号省略)を介してシリンダ部材39の内外に亘って延びている。ベルト67のナット71に巻きついている部分の外周面の径は、上記のナット71の外周面の径と同様に、シリンダ部材39の継手用ピストン41が摺動する内面の径よりも小さくされてもよいし、ナット71の配置位置において、シリンダ部材39の内面に凹部を形成したり(図示の例)、シリンダ部材39を拡径させたりすることによって、シリンダ部材39の継手用ピストン41が摺動する内面の径以上とされてもよい。
ナット71は、軸回りの回転が許容されているとともに軸方向の移動が規制されている。一方、ねじ軸73は、軸回りの回転が規制されているとともに軸方向の移動が許容されている。従って、射出用電動機27の回転がプーリ65及びベルト67を介してナット71に伝達されると、ねじ軸73がその軸方向に移動する。ひいては、前側ロッド43に連結されているプランジャ23が前後方向に移動する。
ナット71の軸回りの回転の許容及び軸方向の移動の規制は、例えば、ナット71が適宜な軸受けを介してシリンダ部材39に支持されることによりなされている。ねじ軸73の軸回りの回転の規制は、例えば、ねじ軸73が継手用ピストン41に対して偏心して設けられたり、ねじ軸73に設けられた不図示のスプライン溝がシリンダ部材39に固定的なガイドに案内されたりすることによってなされる。
ナット71には、2つのベルト67が掛けられており、2つの射出用電動機27の駆動力が伝達される。ただし、射出用電動機27毎にナット71が設けられもよい。2つの射出用電動機27の制御においては、タンデム制御が行われてもよい。また、射出用電動機27は、1つのみ設けられてもよい。
(増圧用伝達機構)
増圧用伝達機構37は、例えば、巻掛伝動機構(符号省略)及び増圧用ねじ機構83を含んで構成されている。具体的には、増圧用伝達機構37は、増圧用電動機29の出力軸29aに固定されたプーリ79と、プーリ79に掛けられたベルト81と、ベルト81が掛けられたナット85と、ナット85に螺合されるとともに加圧部材47に固定されたねじ軸87とを有している。なお、プーリ79、ベルト81及びナット85によって巻掛伝動機構の一種であるプーリ・ベルト機構が構成されている。ナット85及びねじ軸87によって増圧用ねじ機構83が構成されている。
プーリ79及びベルト81は、増圧用電動機29の回転をナット85に伝達する。これらの部材は、例えば、増圧用電動機29をねじ軸87に対して並列に配置したり、増圧用ねじ機構83に対する増圧用電動機29の配置の自由度を向上させたりすることに寄与している。プーリ79の径とナット85の径とは、同等であってもよいし、一方が他方よりも大きくてもよい。すなわち、増圧用伝達機構37の巻掛伝動機構は、減速又は増速に寄与していなくてもよいし、寄与してもよい。図示の例では、ナット85の径は、プーリ79の径よりも大きくなっている。従って、増圧用電動機29の生じたトルクよりも大きなトルクでナット85は駆動される。ベルト81は、例えば、歯付ベルトであってもよいし、歯が付いていないものであってもよい。増圧用伝達機構37の巻掛伝動機構は、スプロケット・チェーン機構のように、プーリ・ベルト機構以外の他の形式のものであってもよい。
増圧用ねじ機構83は、増圧用電動機29の回転を並進運動に変換することに寄与する。増圧用ねじ機構83は、ナット85とねじ軸87との間にボールが介在するボールねじ機構であってもよいし、ボールが介在しないすべりねじ機構であってもよい。伝動効率の向上によって高精度に所望の昇圧曲線を得る等の観点からは前者が好ましく、ヘッド側室39hから圧力を受ける加圧部材47の後退を抑制する等の観点からは後者が好ましい。増圧用ねじ機構83は、ねじ溝が1本の1条ねじ式のものであってもよいし、ねじ溝が2本以上の多条ねじ式のものであってもよい。
ナット85は、軸回りの回転が許容されているとともに軸方向の移動が規制されている。一方、ねじ軸87は、軸回りの回転が規制されているとともに軸方向の移動が許容されている。従って、増圧用電動機29の回転がプーリ79及びベルト81を介してナット85に伝達されると、ねじ軸87がその軸方向に移動する。ひいては、ねじ軸87に固定されている加圧部材47が前後方向に移動する。
ナット85の軸回りの回転の許容及び軸方向の移動の規制は、例えば、ナット85が適宜な軸受けによって支持されることによりなされている。ねじ軸87の回転の規制は、例えば、ねじ軸87が加圧部材47に対して偏心して固定されたり、ねじ軸87に設けられた不図示のスプライン溝がシリンダ部材39に固定的なガイドに案内されたり、及び/又はねじ軸87に並列で軸方向の移動のみが許容された不図示のガイド軸がねじ軸87に固定されたりすることによってなされる。
なお、ねじ軸87は、加圧部材47とは別個の部材からなり、互いに固定されていてもよいし、加圧部材47と一体的に形成されてねじ軸87に固定されていてもよい。
射出用ねじ機構69及び増圧用ねじ機構83を比較すると、例えば、増圧用ねじ機構83は射出用ねじ機構69に比較して、リードが小さく、また、径(例えば有効径又は雄ねじの谷径)が大きい。また、例えば、射出用ねじ機構69がボールねじ機構によって構成されているのに対して、増圧用ねじ機構83をすべりねじ機構によって構成してもよい。
なお、以上の説明から理解されるように、射出用電動機27の駆動力は、機械式の伝達機構によってプランジャ23に伝達されており、流体圧機器(例えば油圧機器)を介さずに伝達されている。例えば、射出用電動機27は、ポンプを駆動する電動機のような、作動流体に圧力を付与したり、作動流体を送出したりして、プランジャ23を駆動するものではない。同様に、増圧用電動機29の駆動力は、機械式の伝達機構によって加圧部材47に伝達されており、流体圧機器(例えば油圧機器)を介さずに伝達されている。例えば、増圧用電動機29は、ポンプを駆動する電動機のような、作動流体に圧力を付与したり、作動流体を送出したりして、加圧部材47を駆動するものではない。
(カバー)
射出装置9は、主として射出用ねじ機構69を保護するためのカバー75を有している。カバー75は、例えば、概ね筒状の部材であり、固定的に設けられている。例えば、カバー75は、フレーム51の前側ロッド43が挿通されている孔を覆うようにしてフレーム51に固定されている。カバー75(筒状部分)の内径は、例えば、カップリング49よりも大きくされている。カバー75の先端面には、プランジャロッド23bが挿通される孔が形成されている。この孔とプランジャロッド23bとの隙間は小さい、又は無いことが好ましい。カバー75は、プランジャ23の軸方向において、フレーム51の前面から、後退限に位置しているプランジャチップ23aの直後まで延びている。
従って、プランジャ23が図示の位置(後退限)から前進すると、プランジャ23は、カバー75から延び出る。また、カップリング49から後方部分(ねじ軸73を含む)は、前進限に至るまで、カバー75及びフレーム51によって前方から遮られた状態となる。その結果、例えば、溶湯の飛沫からねじ軸73が保護される。
(制御装置及びセンサ等)
制御装置13は、例えば、CPU89及びメモリ91を含むコンピュータにより構成されており、入力部93を介して入力される電気信号に基づいて、各部を制御するための制御信号を生成し、その生成した制御信号を、出力部95を介して各部へ出力する。
制御装置13に入力される電気信号は、例えば、プランジャ23の位置を検出する位置センサ97の検出信号、プランジャ23に付与されている力を検出する力センサ99の検出信号、及び入力装置17からのユーザの操作に応じた操作信号である。その他、射出用電動機27の回転センサ27sの検出信号、増圧用電動機29の回転センサ29sの検出信号、増圧用電動機29に流れる電流を検出する電流検出器の検出信号、補助用バルブ61の開度を示す検出信号等が、電動機又は制御弁を駆動するサーボドライバへの入力に加えて又は代えて、制御装置13に入力されてもよい。
制御装置13から出力される制御信号は、例えば、射出用電動機27、増圧用電動機29、ヘッド側バルブ59、補助用バルブ61及び表示装置15を制御するためにこれらの制御対象(厳密にはそのドライバ)に出力される制御信号である。
位置センサ97は、例えば、プランジャ23に対して固定的に設けられた不図示のスケール部とともに、磁気式又は光学式のリニアエンコーダを構成している。図示の例では、スケール部は、前側ロッド43に設けられており、位置センサ97は、フレーム51付近に位置している。位置センサ97及び/又は制御装置13は、スケール部と位置センサ97との相対的な移動量に応じた数で生成されるパルスに基づいて、プランジャ23の位置及び速度(射出速度)を特定可能である。
力センサ99は、例えば、プランジャ23と前側ロッド43との間に位置するロードセルを含んで構成されている。ロードセルは、例えば、歪ゲージ式のものである。制御装置13は、力センサ99からの検出信号に基づいて、プランジャ23に付与されている力、ひいては、溶湯に付与されている圧力を特定可能である。
(射出装置の動作)
図4は、射出装置9の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図4において、横軸は時間tを示している。線LVは射出速度(プランジャ23の速度)を示し、線LPは射出圧力(プランジャ23が溶湯に付与する圧力)を示している。また、その上方側の線は、射出用電動機27のサーボロック状態(サーボON状態)での回転数又はサーボフリー状態(サーボOFF状態)、増圧用電動機29のサーボロック状態(サーボON状態)での回転数又はサーボフリー状態(サーボOFF状態)、並びに補助用バルブ61及びヘッド側バルブ59の制御状態を示している。
射出速度(線LV)及び射出圧力(線LP)から理解されるように、射出装置9は、概観すると、低速射出(期間T1)、高速射出(期間T2)、及び、増圧・保圧(期間T3)を順に行う。すなわち、射出装置9は、射出の初期段階においては、溶湯の空気の巻き込みを防止するために比較的低速でプランジャ23を前進させ、次に、溶湯の凝固に遅れずに溶湯を充填するため等の観点から比較的高速でプランジャ23を前進させる。その後、射出装置9は、成形品のヒケをなくすために、プランジャ23の前進する方向の力によりキャビティ内の溶湯を増圧する。具体的には、以下のとおりである。
(低速射出開始前:〜t0)
低速射出の開始直前において、射出装置9は、図2に示す状態となっている。すなわち、継手用ピストン41(プランジャ23及び前側ロッド43)並びに加圧部材47は、後退限等の初期位置に位置している。射出用電動機27及び増圧用電動機29は停止している。ヘッド側バルブ59及び補助用バルブ61は、例えば、閉じられている。
(低速射出(T1):t0〜t1)
固定金型103及び移動金型105の型締めが終了し、溶湯がスリーブ21に供給されるなど、所定の低速射出開始条件が満たされると、制御装置13は、射出用電動機27を駆動する。その駆動力は、射出用伝達機構35を介して前側ロッド43に伝達され、プランジャ23が前進する。すなわち、射出用電動機27の駆動力によって低速射出が行われる。
この際、ヘッド側バルブ59及び補助用バルブ61は開状態(例えば全開)とされている。すなわち、ヘッド側室39h及び前側室48aは、互いに連通されるとともにアキュムレータ57に接続される。そして、継手用ピストン41の前進(補助用ピストン46の加圧部材47に対する前進)に伴って前側室48aから排出される液体は、ヘッド側室39hに還流される。本実施形態では、補助用ピストン46の断面積が継手用ピストン41の断面積よりも小さいから、液体の不足が生じる。この不足は、アキュムレータ57によって解消される。
なお、加圧部材47は、増圧用電動機29のサーボロック機能若しくはブレーキによって停止していることにより、及び/又はヘッド側室39hにおける受圧面積(液体の圧力が加圧部材47の移動方向に作用する面積)が前側室48aにおける受圧面積よりも大きいことにより、後退限に停止している。
プランジャ23の速度は、射出用電動機27の回転数の調整により制御される。具体的には、例えば、制御装置13は、位置センサ97により検出されるプランジャ23の速度に基づいて、射出用電動機27の回転数をフィードバック制御する。なお、図4では、このときの射出用電動機27の回転数MVLは一定とされ、ひいては、低速射出速度VLは一定とされている。ただし、多段変速が行われてもよい。
ここでの速度フィードバック制御は、速度自体の偏差に基づいて速度を制御するものであってもよいし、目標速度に基づいて所定の時間刻み(例えば1ms)で時々刻々の目標位置を予め求めておき、時々刻々の位置の偏差に基づいて速度を制御する(位置フィードバックによって実質的に速度フィードバックを行う)ものであってもよい。速度は、位置の微分であるから、後者も速度に基づくフィードバック制御であると捉えられてよい。後述する高速射出においても同様である。
低速射出速度VLは、溶湯によるガスの巻き込みが生じないように適宜に設定されてよいが、例えば、1m/s未満である。低速射出中の射出圧力は、射出速度が比較的低速であることに対応して比較的低いPLとなる。
(高速射出(T2):t1〜t3)
制御装置13は、プランジャ23が所定の高速切換位置に到達すると、射出用電動機27の回転数をMVLからMVHへ上昇させる。これにより、射出速度は比較的低速のVLから比較的高速のVHへ上昇し、高速射出が実現される。なお、射出速度の上昇に伴って、射出圧力も若干上昇してPHとなる。高速射出速度VHは、低速射出速度VLよりも高い範囲で適宜に設定されてよいが、例えば、1m/s以上であり。好ましくは3m/s以上である。
なお、制御装置13は、例えば、プランジャ23の移動範囲を複数に分けた区間毎に設定された目標速度を時々刻々のプランジャ23の目標位置に変換して位置フィードバック制御(実質的な速度フィードバック制御)を行っており(時間経過に基づいて変速しており)、プランジャ23が高速切換位置に到達したか否か検知しない。ただし、制御装置13は、位置センサ97からの信号に基づいてプランジャ23が所定の高速切換位置に到達したことを検知して目標速度を切り換えてもよい。
射出用電動機27の回転数の制御により高速射出が実現されることから、低速射出速度VLから高速射出速度VHに至るまでの昇速時間(T4:t1〜t2)は、任意に設定可能である。なお、射出用電動機27が低慣性電動機である場合においては、より正確に昇速時間が制御される。例えば、VL=0.20m/sからVH=5.0m/sへの昇速を10ms程度で行うこともできる。
また、制御装置13は、増圧が開始される前の適宜な時期において、増圧用電動機29の駆動を開始する。図4では、高速射出速度VHへの昇速完了時(t2)に増圧用電動機29の駆動が開始され、且つ、一定の回転数MVIまで回転数が上昇されている場合を例示している。高速射出中における加圧部材47の前進速度は、継手用ピストン41の前進速度(VH)よりも低速であり、射出用電動機27の回転数の制御による高速射出速度VHの制御に影響を及ぼさない若しくは殆ど影響を及ぼさない。そして、このように予め増圧用電動機29を駆動しておくことにより、増圧への移行が円滑に行われる。
(射出用電動機による減速:t3〜t4)
制御装置13は、所定の減速開始条件が満たされると(t3)、射出用電動機27の回転数を下げる。これにより、プランジャ23は減速される。昇速と同様、この減速は射出用電動機27の回転数の制御により実現されることから、その減速時間は、任意に設定可能である。射出用電動機27を低慣性電動機により構成することにより、そのような減速時間の設定が好適になされることも昇速と同様である。なお、減速が開始されても、キャビティCaには溶湯が概ね充填されていることから、溶湯の圧力はPH付近に保たれ又は上昇する。
ここでの射出用電動機27の減速制御は、低速射出及び高速射出における速度制御と同様に、オープン制御であってもよいし、フィードバック制御であってもよく、また、速度フィードバック制御は、速度自体の偏差に基づくものであってもよいし、時々刻々の位置偏差に基づくものであってもよい。
減速開始条件は、適宜に設定されてよく、例えば、プランジャ23が所定の減速開始位置に到達したときに減速が開始される。ただし、高速切換位置と同様に、制御装置13は、位置センサ97からの信号に基づいてプランジャ23が減速開始位置に到達したことを検知して目標速度を切り換えてもよいし、時々刻々の位置フィードバック制御によって実質的に速度フィードバック制御を行っており(時間経過に基づいて変速しており)、プランジャ23が減速開始位置に到達したか否か検知しなくてもよい。
なお、このような射出用電動機27の減速制御が行われずに、金型101に概ね充填された溶湯からプランジャ23が受ける力によって、プランジャ23及び射出用電動機27が減速されてもよい。
(流量制御弁による慣性力制御:t2〜t6)
制御装置13は、プランジャ23の停止直前時点を含む適宜な期間において、補助用バルブ61によって前側室48aから排出される液体の流量を制御し(基本的には減じ)、ひいては、プランジャ23及び射出駆動部25の前方への慣性力を制御する(基本的には減じる)。これにより、例えば、大きなサージ圧が発生するおそれが低減される。なお、この動作は、プランジャ23の減速制御にも寄与する。
具体的には、例えば、制御装置13は、プランジャの停止前において流量を減じていく。そして、プランジャ23の停止時点(t4)において流量を最小とし、以後は、その流量を維持する。ここで、流量が最小とされているとき、補助用バルブ61は全閉状態ではなく、前側室48aからアキュムレータ57への圧力変動の吸収等は許容されている。
流量制御の開始時点及び終了時点等は適宜に設定されてよい。図4では、高速射出開始後(別の観点では増圧用電動機29の駆動開始後)かつ減速開始前の比較的早期に流量制御が開始されている場合を例示している。従って、流量の減少は比較的緩やかに進んでいる。その結果、例えば、加圧部材47に衝撃が加えられて意図しない圧力変動が生じるおそれが低減される。
(プランジャの停止:t4)
上述の射出用電動機27の減速制御によって、及び/又はプランジャ23が溶湯から受ける力によってプランジャ23は停止する(t4)。このとき、補助用バルブ61は、完全には閉じられていないから、前側室48aの圧力変動は、アキュムレータ57によって吸収される。その結果、図4において点線で示すようなサージ圧の発生が抑制される。
(増圧:t3〜t4)
上述のように、増圧用電動機29は適宜な時期に回転が開始され、一定の回転数MVIに到達する。回転数MVIに到達する時期は適宜な時期とされてよいが、例えば、減速が開始される時点(t3)である。プランジャ23の減速の結果、継手用ピストン41の前進速度が加圧部材47の前進速度よりも遅くなると、継手用ピストン41と加圧部材47との間の容積は縮小される。一方、制御装置13は、減速開始後かつプランジャ停止前の適宜な時期(図示の例では減速開始時点)において、ヘッド側バルブ59を閉じる。
その結果、ヘッド側室39hの圧力は上昇する。これにより、増圧用電動機29の駆動力は、加圧部材47、ヘッド側室39hの液体及び継手用ピストン41を介して、プランジャ23に伝達される。すなわち、増圧用電動機29の駆動力による増圧が実現される。
そして、射出圧力は、終圧である圧力Pmaxに達する(t4)。圧力Pmaxに到達するまでの昇圧時間は、昇速時間や減速時間と同様に、射出用電動機27及び増圧用電動機29を適宜に制御することによって任意の長さに設定可能である。また、射出用電動機27及び増圧用電動機29を低慣性電動機により構成することにより、そのような昇圧時間の設定が好適になされることも同様である。例えば、PH=3MPaからPmax=50MPaへの昇圧を10ms程度で行うこともできる。
増圧において、制御装置13は、適宜に増圧用電動機29の速度制御及び/又はトルク制御を行ってよい。例えば、制御装置13は、減速開始時点等の適宜な時期に、増圧用電動機29の制御を速度制御からトルク制御に切り換えてよいし、速度制御とトルク制御とを組み合わせた制御を行ってもよい。
速度制御は、オープン制御であってもよいし、フィードバック制御であってもよく、フィードバック制御は、速度自体の偏差に基づくものであってもよいし、時々刻々の位置偏差に基づくものであってもよい。また、速度制御は、増圧用電動機29の回転センサ29sの検出値に基づくセミ・クローズドループによるものであってもよいし、このループを含む又は含まない、加圧部材47の速度(位置)を検出するセンサを設けることによってなされる(フル)クローズドループによるものであってもよい。
トルク制御は、オープン制御であってもよいし、フィードバック制御であってもよい。フィードバック制御は、不図示の電流検出器が検出する増圧用電動機29の電流に基づくセミ・クローズドループによるものであってもよいし、このループを含む又は含まない、力センサ99の検出値に基づくクローズドループによるものであってもよい。また、増圧用電動機29のトルクは、多段制御されてよい。
(保圧:t4〜t6)
プランジャ23の停止(t4)後、射出用電動機27は、例えば、トルクフリーの状態とされる。増圧用電動機29は、例えば、停止され、又はトルク制御が維持される。加圧部材47の後退が規制されるとともにヘッド側室39hの液体の排出がヘッド側バルブ59によって規制されていることにより、又はこれに加えて増圧用電動機29のトルク制御が維持されていることにより、鋳造圧力Pmaxは維持される。
保圧においては、溶湯の凝固に伴う収縮に応じて増圧用電動機29により適宜にプランジャ23を前進させ(速度V1)、キャビティCa内の圧力を鋳造圧力Pmaxに保つことができる。そして、一定の時間が経過すると、増圧用電動機29のトルクは徐々に下げられ、さらには、増圧用電動機29は停止され、保圧は完了する(t6)。
なお、保圧において、加圧部材47の後退の規制は、増圧用電動機29のサーボロック機能又はブレーキによってなされてもよいし、及び/又は増圧用ねじ機構83(すべりねじ機構)の抵抗力によってなされてもよい。
(成形後)
成形品が凝固すると、不図示の型締装置により型開きが行われ、不図示の押出装置により成形品が型から押し出される。なお、射出装置9は、成形品を固定金型103から離型させるために、プランジャ23によりビスケットの押出しを行ってもよい。このとき利用される電動機は、射出用電動機27及び増圧用電動機29のいずれであってもよいし、双方が利用されてもよい。
その後、継手用ピストン41は、射出用電動機27の逆回転により初期位置に戻され、加圧部材47は増圧用電動機29の逆回転により初期位置に戻される。この際、ヘッド側バルブ59及び補助用バルブ61は開かれる。従って、継手用ピストン41の後退によってヘッド側室39hから排出される液体は、連通流路55を介して前側室48aに還流される。液体の過不足は、アキュムレータ57によって解消される。
以上のとおり、本実施形態では、射出装置9は、射出用電動機27と、増圧用電動機29と、これら及びプランジャ23の間に介在する統合伝達機構31と、を有している。統合伝達機構31は、プランジャ23の後方に位置しており、射出用電動機27の駆動力が流体圧機器を介さずに伝達されてプランジャ23と共に移動する継手用ピストン41と、継手用ピストン41を摺動可能に収容しており、継手用ピストン41の後側に、液体が満たされるヘッド側室39hを有しているシリンダ部材39と、増圧用電動機29により流体圧機器を介さずに駆動されてヘッド側室39hの液体を加圧する加圧部材47と、継手用ピストン41の後方に位置しており、継手用ピストン41に固定的な補助用ピストン46と、補助用ピストン46を摺動可能に収容しており、補助用ピストン46の前側に、液体が満たされる前側室48aを有している補助用シリンダ室48と、を有している。
従って、例えば、射出用電動機27によってプランジャ23を駆動するときにおいては、継手用ピストン41と加圧部材47との離間が許容されることによって、増圧用電動機29をプランジャ23から実質的に切り離した状態でプランジャ23を駆動できる。その一方で、増圧用電動機29によって加圧部材47を前進させると、ヘッド側室39hの液体の圧力が上昇することによって増圧用電動機29の駆動力がプランジャ23へ伝達されるから、増圧用電動機29がプランジャ23に実質的に接続されることになる。すなわち、プランジャ23を駆動する電動機を切り換えることができる。
このようなシリンダ機構33を用いた電動機の切り換えは、例えば、摩擦クラッチを用いるような場合に比較して、大きな力を伝達することに有利である。また、例えば、ヘッド側室39h及び/又は前側室48aの液体が種々の衝撃緩和に寄与することによって、耐久性向上が期待される。これらのことから、本実施形態は、比較的大きな駆動力を必要とし、また、慣性力が比較的大きくなりやすい、大型成形機の全電動化に有利である。
また、補助用ピストン46及び補助用シリンダ室48が設けられることによって、プランジャの前進に伴って液体が排出される構成が得られる。すなわち、前側室48aは、液体の作用に関して、一般的な油圧シリンダのロッド側室(液体が満たされたロッド側室)が生じる作用と同様の作用を生じる。従って、この前側室48aを用いて種々の有利な効果を得ることができる。例えば、衝撃緩和、慣性力制御及び/又は減速制御を行うことができる。別の観点では、ロッド側室39rに液体を満たす必要性が減じられ、ロッド側室39rに射出用伝達機構35の一部を配置するなど、ロッド側室39rの有効利用が図られる。
また、本実施形態では、統合伝達機構31は、ヘッド側室39hと前側室48aとを連通する連通流路55を更に有している。
従って、例えば、継手用ピストン41の前進に伴って容積が拡大するヘッド側室39hに対して、補助用ピストン46の前進に伴って容積が縮小される前側室48aから液体を補給することができる。また、その逆に、ヘッド側室39hから排出される液体を前側室48aに収容することができる。すなわち、補助用ピストン46及び補助用シリンダ室48をヘッド側室39hにおける液体の過不足を解消することに有効利用することができる。別の観点では、ヘッド側室39h及び前側室48aの間で液体を補給し合うことから、装置全体として液体を収容する容積が小さくなり、装置の小型化が図られる。
また、本実施形態では、統合伝達機構31は、前側室48aに通じるアキュムレータ57を有している。
従って、例えば、プランジャ23の停止時に前側室48aに生じる圧力変動をアキュムレータ57に逃がし、サージ圧を抑制することができる。また、このアキュムレータ57によって、シリンダ機構33における液体の過不足を解消することができる。
また、本実施形態では、統合伝達機構31は、前側室48aから排出される液体の流量を制御可能な補助用バルブ61(流量制御弁)を有している。
従って、例えば、前側室48aから排出される液体の流量制御によってプランジャ23の停止直前の慣性力を制御し、サージ圧を抑制することができる。
また、本実施形態では、加圧部材47は、ヘッド側室39hを挟んで継手用ピストン41の後方に位置している。補助用シリンダ室48の少なくとも一部は、加圧部材47内に位置している。
従って、例えば、加圧部材47及び補助用ピストン46が同心状に配置されることになり、小型化が図られる。別の観点では、ヘッド側室39hの液体を加圧するための加圧部材47が補助用シリンダ室48の形成に利用されることになり、加圧部材47の有効利用が図られる。また、加圧部材47と前側室48aの液体とが相互に圧力を及ぼし合うことになり、衝撃の分散が期待される。
また、本実施形態では、増圧用電動機29は回転式である。統合伝達機構31(増圧用伝達機構37)は、加圧部材47に対して同軸的に固定されているねじ軸87と、ねじ軸87に螺合しており、増圧用電動機29の回転が伝達されるナット85と、を更に有している。補助用シリンダ室48は、加圧部材47内及びねじ軸87内に亘っている。補助用ピストン46の移動可能範囲は加圧部材47及びねじ軸に亘っている。
従って、例えば、加圧部材47及びねじ軸87が同軸上に配置され、かつ補助用ピストン46が加圧部材47及びねじ軸87に対して同心状に配置されることになり、小型化が図られる。別の観点では、増圧用電動機29の回転を並進運動に変換して加圧部材47に伝達するためのねじ軸87が、補助用シリンダ室48の形成に利用されることになり、ねじ軸87の有効利用が図られる。
また、本実施形態では、射出用電動機27及び増圧用電動機29は回転式であり、統合伝達機構31は、射出用電動機27の回転を並進運動に変換してプランジャ23(厳密には前側ロッド43)に伝達する射出用ねじ機構69と、増圧用電動機29の回転を並進運動に変換して加圧部材47に伝達する、射出用ねじ機構69に比較して大径かつ小リードの増圧用ねじ機構83を更に有している。
従って、射出用電動機27及び増圧用電動機29からの駆動力の伝達は、ねじ機構によってなされるから、例えば、比較的大きな駆動力の伝達が容易であり、大型のダイカストマシンに対応しやすい。また、射出用ねじ機構69のリードが相対的に大きいことから、例えば、射出用電動機27によってプランジャ23を駆動するときに速度を高くしやすい。一方で、増圧用ねじ機構83のリードが相対的に小さいことから、例えば、増圧用電動機29によって加圧部材47を駆動するときに推力を大きくしやすい。また、増圧用ねじ機構83の径が相対的に大きいことから、例えば、増圧用電動機29によって加圧部材47を駆動するときに増圧用ねじ機構83のねじ軸87に座屈が生じにくく、ひいては、比較的大きな推力を伝達しやすい。
<第2実施形態>
以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態との相違部分を中心に述べる。特に言及がない点は、第1実施形態と同様である。第1実施形態の構成と同一又は類似する構成については、第1実施形態の構成に付した符号を付すことがあり、また、説明を省略することがある。第1実施形態の構成と類似(対応)する構成について、第1実施形態の符号とは異なる符号を付した場合においても、特に断りがない事項については、第1実施形態の構成と同様である。
図5は、第2実施形態に係る射出装置209(射出駆動部225)の構成を示す、図2と同様の図である。ただし、図5では、A−A線に対応する断面図も紙面左上に示されている。
(射出駆動部の概略構成)
射出装置209は、第1実施形態の射出装置9と同様に、射出用電動機27、増圧用電動機29及びこれらの駆動力をプランジャ23に伝達する統合伝達機構231を有しており、統合伝達機構231は、シリンダ機構233、射出用伝達機構235及び増圧用伝達機構237を有している。
(シリンダ機構の基本構成)
シリンダ機構233は、第1実施形態のシリンダ機構33と同様に、シリンダ部材239と、継手用ピストン41と、前側ロッド243と、加圧部材247とを有している。シリンダ部材239の内部は、継手用ピストン41によって、ロッド側室239rとヘッド側室239hとに区画されている。
ただし、本実施形態では、加圧部材247は、継手用ピストン41の後方に乃至は同軸的に配置されておらず、継手用ピストン41の移動方向(射出装置209の前後方向)に対して交差(例えば直交)する方向を移動方向として配置されている。
また、別の観点では、加圧部材247は、継手用ピストン41が摺動するシリンダ部材239内を摺動するピストン状ではなく、シリンダ部材239に連結された増圧用シリンダ部材240内を摺動するピストン状とされている。そして、加圧部材247は、増圧用シリンダ部材240内の液体を介してヘッド側室239h内の液体を加圧可能である。
増圧用シリンダ部材240(加圧部材247)の径は、シリンダ部材239(継手用ピストン41)の径と同一であってもよいし、異なっていてもよい。増圧用電動機29の負担を軽減する観点からは、増圧用シリンダ部材240の径は、シリンダ部材239の径よりも小さいことが好ましい。
なお、加圧部材247は、増圧用シリンダ部材240内のみで摺動してもよいし、補助用ロッド45に干渉しない範囲で、シリンダ部材239内に侵入してもよい。図示の例では、増圧用シリンダ部材240は、直接的にシリンダ部材239に連結されているが、適宜な流路を介して連結されていてもよい。また、図示の例では、増圧用シリンダ部材240は、シリンダ部材239に対して直交するように配置されているが、シリンダ部材239に対して傾斜又は平行になるように配置されてもよい。
(シリンダ機構の補助部)
シリンダ機構233は、第1実施形態のシリンダ機構33と同様に、補助用ロッド45と、補助用ピストン246と、補助用シリンダ室248とを有している。補助用シリンダ室248は、補助用ピストン246の前側に、液体が満たされる前側室248aを有している。
ただし、補助用シリンダ室248は、加圧部材及びねじ軸の内部に形成されるのではなく、シリンダ部材239に連結された補助用シリンダ部材252の内部に形成されている。ヘッド側室239hと前側室248aとは、仕切部254(シリンダ部材239の後端部又は補助用シリンダ部材252の前端部と捉えられてもよい)によって仕切られている。補助用ロッド45は、仕切部254を貫通して継手用ピストン41から補助用ピストン246へ延びている。補助用ピストン246の径は、継手用ピストン41よりも小さくてもよいし、同等でもよいし(図示の例)、大きくてもよい。
(シリンダ機構に係る液圧系)
統合伝達機構231は、第1実施形態の統合伝達機構231と同様に、シリンダ機構233に係る液体の流れを制御するための液体制御部253を有しており、液体制御部253は、連通流路55、アキュムレータ57、ヘッド側バルブ259及び補助用バルブ261を有している。
ヘッド側バルブ259は、第1実施形態のヘッド側バルブ59と同様に、ヘッド側室239hと前側室248aとの間の双方向の流れを許容可能であるとともに、少なくともヘッド側室239hから前側室248aへの流れ(別の観点ではヘッド側室239hからの液体の排出)を禁止可能である。
ただし、図5では、ヘッド側バルブ259として、ノンリーク切換弁ではなく、パイロット式の逆止弁が示されている。この逆止弁は、パイロット圧が導入されていないときは、前側室248aからヘッド側室239hへの流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止し、パイロット圧が導入されているときは、双方の流れを許容する。
補助用バルブ261は、第1実施形態の補助用バルブ61と同様に、前側室248aから排出される液体の流量を制御する。ただし、図5では、補助用バルブ61として、流量制御機能付きのノンリーク切換弁ではなく、通常の流量制御弁が示されている。より具体的には、この流量制御弁は、例えば、圧力補償機能付きかつ温度補償機能付きのものであり、電磁力とパイロット圧力とが順次作動して開かれる。
また、図5では、液体制御部253は、バイパスバルブ263を有している。バイパスバルブ263は、補助用バルブ261をバイパスする流路に設けられた逆止弁である。すなわち、補助用バルブ261及びバイパスバルブ263は、逆止弁付流量制御弁を構成している。
バイパスバルブ263は、補助用バルブ261をバイパスする流路において、前側室248aからヘッド側室239hへの液体の流れを禁止するとともに、その反対方向の流れを許容する。従って、補助用バルブ261の開閉に関わらずに、アキュムレータ57から前側室248aへの流れ、及びヘッド側室239hから開状態のヘッド側バルブ259を介した前側室248aへの流れは許容されている。
ただし、バイパスバルブ263が省略され、第1実施形態と同様に、補助用バルブ261を開く制御によって、前側室248aへの流れが許容されてもよい。
(射出用伝達機構)
射出用伝達機構235は、第1実施形態の射出用伝達機構35と同様に、射出用電動機27の回転を並進運動に変換してプランジャ23(より厳密には前側ロッド243)に伝達する。ただし、第1実施形態においては、回転運動を並進運動に変換する機構として、ねじ機構が用いられたのに対して、本実施形態では、ラックアンドピニオン機構269が用いられている。なお、射出用電動機27及びラックアンドピニオン機構269の組み合わせの数は、1つでもよいし、2つ以上でもよく、本実施形態では、1つの場合を例に取る。
ラックアンドピニオン機構269は、ラック273と、ラック273に噛み合い可能なピニオン271とを有している。
ラック273は、前側ロッド243に設けられている。すなわち、ラック273は、前側ロッド243の外周面に前側ロッド243の軸方向に沿って複数の歯が配列されることによって構成されている。ラック273の前側ロッド243の軸回りの位置(上面、側面又は下面)は適宜に設定されてよい。ピニオン271は、前側ロッド243の軸方向に直交する方向(図1の紙面貫通方向)を回転軸が延びる方向として配置されている。射出用電動機27の回転がピニオン271に伝達されると、ラック273が前側ロッド243の軸方向に移動し、ひいては、プランジャ23が前後進を行う。
射出用電動機27からピニオン271への回転の伝達は、例えば、伝達機構を介さずに直接的になされる。すなわち、射出用電動機27は、その出力軸27aがピニオン271に対して同心状になるように配置され、出力軸27aとピニオン271とは固定されている。ただし、巻掛伝動機構又は歯車機構(例えば傘歯車を含むもの)等の伝達機構を介して間接的に射出用電動機27からピニオン271へ回転が伝達されてもよい。
(増圧用伝達機構)
増圧用伝達機構237は、第1実施形態の増圧用伝達機構37と同様に、巻掛伝動機構及び増圧用ねじ機構283を含んで構成されている。
ただし、増圧用ねじ機構283のねじ軸287は、上述のように、その内部に補助用シリンダ室248を有していない。また、加圧部材247が射出装置209の前後方向に対して交差(例えば直交)していることに対応して、増圧用電動機29、巻掛伝動機構及び増圧用ねじ機構283の各種の回転軸の方向は、第1実施形態における回転軸の方向に対して交差している。
(射出装置の動作)
図6は、射出装置209の動作を説明するためのタイミングチャートである。
この図は、ヘッド側バルブの動作が省略されていること、補助用バルブの動作を示す波形が図2とは異なることを除いて、図2と同様である。すなわち、射出装置209の動作は、これらのバルブの制御を除いては、第1実施形態の射出装置9の動作と同様でよい。なお、ヘッド側バルブ259は、図示の範囲(射出開始から保圧完了まで)においては、例えば、パイロット圧が導入されていない状態である。
(低速射出開始前:〜t0)
低速射出の開始直前において、第1実施形態とは異なり、補助用バルブ261は、例えば、全開とされている。ヘッド側バルブ259は、上述のように、例えば、パイロット圧が導入されていない。
従って、低圧ではあるが、アキュムレータ57の圧力がヘッド側室239h及び前側室248aに付与される。その結果、例えば、補助用ピストン246の断面積が継手用ピストン41の断面積よりも小さい態様においては、継手用ピストン41が意図せず前進するおそれがある。図示の例では、補助用ピストン246及び継手用ピストン41の断面積は同等であることから、そのような意図しない前進は生じない。
なお、図示の例において意図しない前進を確実に防止したり、図示の例とは異なり、補助用ピストン246の断面積が継手用ピストン41の断面積よりも小さい態様において、意図しない前進を防止したりするために、第1実施形態と同様に、補助用バルブ261を閉じたり、アキュムレータ57からヘッド側室239hへの液体の流れを禁止できるようにヘッド側バルブ259を構成したりしてよい。また、射出用電動機27のサーボロック機能又はブレーキを利用してもよい。また、意図しない前進を確実に防止する観点から、補助用ピストン246の断面積を継手用ピストン41の断面積よりも大きくしてもよい。
(低速射出、高速射出及び射出用電動機による減速:t0〜t4)
低速射出、高速射出及び射出用電動機による減速についての動作は、第1実施形態の動作と同様でよい。ヘッド側バルブ259は、ヘッド側室239hへの液体の流入を許容しており、また、補助用バルブ261は開状態(例えば全開)とされている。従って、継手用ピストン41の前進(補助用ピストン246の前進)に伴って前側室248aから排出される液体がヘッド側室239hに還流される点も、第1実施形態と同様である。
ただし、図5に示した例では、補助用ピストン246の径は、継手用ピストン41の径と同等であるから、加圧部材247の影響等を無視すれば、液体の過不足は生じない。既に述べたように、図示の例とは異なり、補助用ピストン246の径は、継手用ピストン41の径よりも大きくても、小さくてもよい。この場合に生じる液体の過不足は、第1実施形態と同様に、アキュムレータ57によって解消される
(流量制御弁による慣性力制御:t3〜t4)
制御装置13は、第1実施形態と同様に、プランジャ23の停止直前時点を含む適宜な期間において、補助用バルブ261によって前側室248aから排出される液体の流量を制御し(基本的には減じ)、ひいては、プランジャ23及び射出駆動部225の前方への慣性力を制御する(基本的には減じる)。ただし、図6では、その具体的な制御方法が図2とは異なる場合を例示している。
例えば、制御装置13は、一旦流量を減じた後、再度流量を増加させる制御を行う。最も減じられたときの流量は、適宜に設定されてよく、また、0であってもよい。減じた後に最も増加された流量は、適宜に設定されてよく、また、最大(全開に対応する流量)であってもよい。流量を減じたり、増加させたりするときの流量の変化の速度、開始時点及び終了時点等も適宜に設定されてよい。このような制御は、例えば、減速開始(t3)からプランジャ23の停止(t4)までの間の適宜な期間において行われる。
図6では、減速開始条件が満たされたとき(t3)において、最大速度で流量を減じ、その後、徐々に流量を増加させ、プランジャ23が概ね停止するとき(t4)に全開となるように補助用バルブ261が制御されている態様を例示している。
(プランジャの停止及び増圧:t3〜t4)
プランジャ23の停止及び増圧に係る動作は、第1実施形態の動作と基本的に同様でよい。ただし、プランジャ23の減速開始(t4)後、加圧部材247の速度が継手用ピストン41の速度を超えると、逆止弁からなるヘッド側バルブ259は自閉するから、第1実施形態のようにヘッド側バルブ59を閉じる制御は不要である。
(成形後)
溶湯の凝固後の動作は、基本的に第1実施形態の動作と同様である。ただし、ヘッド側バルブ259を開く制御は、パイロット圧の導入によってなされる。また、図5の例では、バイパスバルブ263が設けられていることから、補助用ピストン246の後退に伴う前側室248aへの液体の補給に際して、補助用バルブ261は閉じられていても構わない。また、図5の例では、継手用ピストン41の断面積と補助用ピストン246の断面積とが同等であることから、プランジャ23の後退時においては、プランジャ23の前進時と同様に、加圧部材247の影響等を無視すれば、液体の過不足は生じない。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、射出装置209は、射出用電動機27、増圧用電動機29及びこれら及び射出プランジャの間に介在する統合伝達機構231とを有している。また、統合伝達機構231は、継手用ピストン41の後方に位置しており、継手用ピストン41に固定的な補助用ピストン246と、補助用ピストン246を摺動可能に収容しており、補助用ピストン246の前側に、液体が満たされる前側室248aを有している補助用シリンダ室248と、を有している。
従って、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、摩擦クラッチを用いずに、プランジャ23を駆動する電動機の切り換えを好適に行うことができる。また、一般的な油圧シリンダのロッド側室が生じる作用と同様の作用を生じる前側室248aによって、種々の有利な効果を得ることができる。
なお、以上の第1及び第2実施形態において、ダイカストマシン1は成形機の一例であり、射出用電動機27は第1電動機の一例であり、増圧用電動機29は第2電動機の一例であり、統合伝達機構31及び231はそれぞれ伝達機構の一例であり、プランジャ23は射出プランジャの一例であり、連通流路55は流路の一例であり、補助用バルブ61及び261はそれぞれ流量制御弁の一例であり、射出用ねじ機構69は第1ねじ機構の一例であり、増圧用ねじ機構83は第2ねじ機構及びねじ機構の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
第1及び第2実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第1実施形態において、流体制御部(バルブ等)が第2実施形態のものとされたり、射出用伝達機構が第2実施形態のものとされたり、加圧部材及び補助部(補助用ピストン等)が第2実施形態のものとされたりしてもよい。
成形機(成形機)は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、樹脂を成形する射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、成形機は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、横型締縦射出、縦型締横射出であってもよい。成形材料は、液状のものに限定されず、半凝固金属又は半溶融金属のように固液共存状態のものであってもよい。シリンダ機構に利用される液体は、油に限定されず、例えば水でもよい。
射出用電動機27と増圧用電動機29とのように役割分担の異なる電動機は、適宜な数で設けられてよく、2種に限定されない。例えば、低速射出用電動機、高速射出用電動機及び増圧用電動機が設けられてもよい。また、実施形態でも言及したように、役割分担が共通する電動機が複数設けられてもよい。例えば、射出用電動機27を2機設けたり、増圧用電動機29を2機設けたりしてもよい。
ピストンを駆動する第1電動機(実施形態では射出用電動機27)及び加圧部材を駆動する第2電動機(実施形態では増圧用電動機29)の役割分担は、適宜に設定されてよい。例えば、第2電動機によって低速射出及び増圧を行い、第1電動機によって高速射出を行ってもよい。また、例えば、増圧及び/又は保圧において、第2電動機に加えて第1電動機のトルク制御も行い、第1電動機及び第2電動機によって増圧及び/又は保圧を行ってもよい。
第1電動機及び第2電動機それぞれは、回転式のものに限定されず、リニアモータであってもよい。なお、この場合、リニアモータの駆動力をプランジャ(前側ロッド及び継手用ピストン)又は加圧部材に伝達するための伝達機構は設けられなくてもよい。回転式の第1電動機は、前側ロッドに設けられたねじ軸に螺合されるナットをロータとして含み、前側ロッドに同心状に配置されるものであってもよく、このような第1電動機は、一部又は全部がシリンダ部材内に配置されてよい。また、リニアモータからなる第1電動機は、前側ロッドを可動子として含むものであってもよく、このような第1電動機は、一部又は全部がシリンダ部材内に配置されてよい。
第1電動機又は第2電動機が回転式のものである場合において、その回転を並進運動に変換する機構はねじ機構及びラックアンドピニオン機構に限定されない。例えば、カム機構又はリンク機構が用いられてもよい。また、ねじ機構は、プランジャにナットが固定され、ねじ軸が電動機によって回転されてもよい。
第1又は第2電動機の回転を並進運動に変換せずに伝達する回転伝達機構(例えば第1実施形態の巻掛伝動機構)は設けられなくてもよいし、設けられてもよい。また、回転伝達機構は、歯車機構等の巻掛伝動機構以外の機構とされてもよい。
本実施形態の射出装置は、補助用ピストン等を設けることによって、ロッド側室に液体を配置する必要性を減じ、ロッド側室の有効利用を可能とする。ただし、ロッド側室に液体が満たされてもよい。
また、上記に関連して、第1電動機の駆動力によってプランジャを駆動するための構成は、第1電動機の駆動力をロッド側室内で前側ロッドに伝達する構成に限定されないし、回転を並進運動に変換する機構等がロッド側室内に配置される構成にも限定されない。例えば、シリンダ部材の外部において、ねじ機構又はラックアンドピニオン機構が前側ロッドに並列に設けられ、当該機構が、プランジャ、前側ロッド又はこれらを連結するカップリングに連結されてもよい。
加圧部材が継手用ピストンの後方に位置する場合において、補助用シリンダ室は、加圧部材の内部のみに形成されてもよいし、ねじ軸の内部にのみ形成されてもよい。実施形態では、加圧部材47に突出部47bを形成することによって補助用シリンダ室48の体積を確保したが、そのような突出部47bは設けられなくてもよい。内部に補助用シリンダ室が形成される加圧部材は、ねじ軸が同軸的に固定されている必要はない。例えば、第1実施形態において、ねじ軸87となっている部分を、ねじ溝が切られていない加圧部材の一部とし、加圧部材に並列にねじ軸を設けてもよい。
加圧部材は、ピストン状のものに限定されない。例えば、第2実施形態において、加圧部材は、増圧用シリンダ部材240よりも径が小さいロッド状であってもよい。また、例えば、加圧部材は、増圧用シリンダ部材240が設けられずに、補助用ロッド45に干渉しないように、シリンダ部材239の側面からその内部へ進退するロッドであってもよい。
実施形態では、シリンダ機構における液体の過不足をアキュムレータによって解消した。しかし、アキュムレータに代えて、例えば、タンクによって液体の過不足を解消してもよい。なお、この場合、ヘッド側室又は前側室の液体の不足は、例えば、これらのシリンダ室の負圧によって液体が吸入されることによって補給される。また、例えば、液体の余剰は生じないようにし、液体が不足したときにはヘッド側室又は前側室等に真空の空間が形成されるようにしてもよい。
実施形態では、プランジャが停止する直前の時点を含む期間において、前側室から排出される作動液の流量を制御したが、そのような制御が行われなくてもよい。例えば、実施形態において、補助用バルブ61又は261が設けられず、アキュムレータ57が直接的に前側室に接続されてもよい。この場合であっても、例えば、前側室の圧力変動がアキュムレータ57に吸収される効果が奏される。
また、補助用ピストンの前進に伴って、補助用シリンダ室(前側室)の内面と、補助用ピストンとの隙間が狭くなり、これにより、前側室から排出される液体の流量を減じてもよい。例えば、第2実施形態において、補助用シリンダ室248の前端(アキュムレータ57に接続されるポートよりも後方)に、補助用ピストンが摺動する部分よりも縮径する部分(テーパ状でも階段状でもよい)を形成し、また、補助用ピストン246の前端に、前記の縮径する部分に挿入可能な部分を形成してもよい。
実施形態に示した以外の、サージ圧低減のための構成が実施形態の構成に組み合わされてもよい。例えば、プランジャと前側ロッドとを連結するカップリング内において、プランジャと前側ロッドとの間に介在する弾性部材及び/又は液体(例えば油)が配置されてもよい。カップリング内に液体が配置される場合、前側ロッド内には、サージ圧が生じたときにカップリング内の液体をヘッド側室へ逃がす流路が設けられていてもよい。