JP7298839B2 - ラクトン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ラクトン化合物の製造方法に関する。
従来、アリルアルコールのような二重結合と水酸基の両方を持つ化合物と一酸化炭素を直接反応させてγ-ブチロラクトン(GBL)などのラクトン化合物を得る方法については、均一反応触媒を用いて実施されている。
例えば、非特許文献1には、触媒としてRu(III)-EDTA錯体を用いて、アリルアルコールをヒドロホルミル化(オキソ反応)することにより、γ-ヒドロキシブチルアルデヒドとともにγ-ブチロラクトンが生成することが記載されている。また、非特許文献2には、コバルトカルボニル(Co(CO))およびTON,N,N’ ,N’-テトラメチルエチレンヂアミン(TMEDA)の存在下アリルアルコールをヒドロホルミル化(オキソ反応)することにより、γ-ブチロラクトンが生成することが記載されている。
また、アルデヒドの製造方法として、第5族~第10族の遷移金属から選ばれる一種以上の金属の酸化物からなる担体に第11族の遷移金属を担持させた不均一系触媒の存在下で、オレフィン系不飽和化合物をヒドロホルミル化反応させてアルデヒドを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009-241060号公報
Khan M.M.Taqui,Hydroformylation of allyl alcohol catalyzed by water-soluble Ru(III)-EDTA complex,Journal of Molecular Catalysis,45巻,215-224頁(1988年) New J.Chem.,1988,12,669-673
上記の通り、従来、アリルアルコールのような二重結合と水酸基の両方を持つ化合物と一酸化炭素を直接反応させてγ-ブチロラクトン(GBL)などのラクトン化合物を生成させる反応には、均一触媒が用いられていた。均一触媒は、反応後に得られた生成物と触媒との分離に手間がかかる。不均一触媒であれば、反応液と触媒とを濾過等の方法で簡単に分離できる。このため、不均一触媒の存在下で反応させることによりラクトン化合物が得られる製造方法が求められている。
しかし、従来、不均一触媒を用いてラクトン化合物を製造する方法は知られていなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、不均一触媒の存在下で反応させることによりラクトン化合物が得られる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した。
すなわち、通常、水素ガスと一酸化炭素ガスとの混合ガスと、不飽和アルコールとを反応させても、得られた化合物を脱水素反応させなければ環状ラクトンは得られない。これに対し、本発明者は、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む混合ガスと、特定の不飽和アルコールとを、不均一触媒の存在下で反応させることにより、得られた化合物を脱水素反応させることなく、ラクトン化合物が得られることを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1] 水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む混合ガスと、下記一般式(1)で表される不飽和アルコールとを、周期表第4周期の第4族~第14族の元素の酸化物からなる担体に、周期表第5周期または第6周期の8族~11族の金属または金属酸化物が担持された不均一触媒の存在下で反応させることを特徴とするラクトン化合物の製造方法。
Figure 0007298839000001
(式(1)中、R、R、Rはそれぞれ、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである。nは1~3の整数である。nが2または3の場合、複数のRは全て同一であってもよいし、一部あるいは全てが異なっていてもよい。Rが、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである場合、シス体であってもよいし、トランス体であってもよい。)
[2] 前記一般式(1)で表される不飽和アルコールが、アリルアルコールである[1]に記載のラクトン化合物の製造方法。
[3] 前記担体が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのいずれかの元素の酸化物からなり、
前記担体に担持される金属が、Au、Rh、Pd、Ir、Ruのいずれかの金属またはRh、Pd、Ir、Ruのいずれかの金属酸化物からなる[1]または[2]に記載のラクトン化合物の製造方法。
[4] 前記不均一触媒が、Coからなる担体に、AuまたはPdOが担持されたものである[1]~[3]のいずれかに記載のラクトン化合物の製造方法。
[5] 前記混合ガスが、前記水素ガスと前記一酸化炭素ガスとを、モル比で9:1~1:5の割合で含む[1]~[4]のいずれかに記載のラクトン化合物の製造方法。
[6] 反応容器に、溶媒と、前記不飽和アルコールと、前記不均一触媒とを入れ、前記反応容器内を前記混合ガス雰囲気とする工程と、
前記反応容器内で、前記混合ガスと前記不飽和アルコールとを反応させる反応工程とを有し、
前記溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチルから選ばれるいずれかであることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載のラクトン化合物の製造方法。
本発明のラクトン化合物の製造方法では、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む混合ガスと、特定の不飽和アルコールとを、不均一触媒の存在下で反応させる。このため、本発明のラクトン化合物の製造方法では、反応後に得られた目的物と触媒との分離が容易である。
以下、本発明のラクトン化合物の製造方法について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態のみに限定されるものではない。
本実施形態のラクトン化合物の製造方法では、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む混合ガスと、下記一般式(1)で表される不飽和アルコールとを、不均一触媒の存在下で反応させる。
Figure 0007298839000002
(式(1)中、R、R、Rはそれぞれ、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである。nは1~3の整数である。nが2または3の場合、複数のRは全て同一であってもよいし、一部あるいは全てが異なっていてもよい。Rが、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである場合、シス体であってもよいし、トランス体であってもよい。)
本実施形態のラクトン化合物の製造方法は、反応容器に、溶媒と、一般式(1)で表される不飽和アルコールと、不均一触媒とを入れ、反応容器内を混合ガス雰囲気とする工程と、反応容器内で、混合ガスと一般式(1)で表される不飽和アルコールとを反応させる反応工程とを有することが好ましい。
(不飽和アルコール)
本実施形態の製造方法において、一般式(1)で表される不飽和アルコールは、出発物質として用いられる。一般式(1)で表される不飽和アルコール中のR、R、Rはそれぞれ、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである。
が、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである場合、一般式(1)で表される不飽和アルコールは、シス体であってもよいし、トランス体であってもよいし、シス体とトランス体との混合物であってもよい。
一般式(1)で表される不飽和アルコール中において、R、R、Rとしての炭素原子数1~8のアルキル基は、立体障害が小さい方が反応に有利であるため、メチル基またはエチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
一般式(1)で表される不飽和アルコール中のnは1~3の整数である。分子内反応を行う上での反応速度を考慮すると、本実施形態の製造方法により合成されるラクトン化合物は、5員環または6員環のラクトン化合物であることが好ましい。このため、nは、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
nが2または3の場合、複数のRは全て同一であってよいし、一部あるいは全てが異なっていてもよい。
一般式(1)で表される不飽和アルコールとしては、具体的には、アリルアルコール、クロチルアルコール(2-ブテン-1-オール)、シンナミルアルコール(3-フェニル-1-プロパノール)、メタリルアルコール(2-メチル-1-プロパノール)、3-ブテン-2-オール、2-シクロヘキセン-1-オール、3-ブテン-1-オール、4-ペンテン-1-オール、5-ヘキセン-1-オールなどが挙げられ、本実施形態の製造方法により合成される目的物であるラクトン化合物の種類に応じて、適宜決定される。
一般式(1)で表される不飽和アルコールとしては、上記の中でも特に、R、R、Rが全て水素原子であってnが1であるアリルアルコールが好ましい。一般式(1)で表される不飽和アルコールが、アリルアルコールである場合、本実施形態の製造方法によって、有用性の高いラクトン化合物であるγ-ブチロラクトン(GBL)が得られる。
(ラクトン化合物)
本実施形態の製造方法により合成される目的物であるラクトン化合物は、式(2)または式(3)で示される。
Figure 0007298839000003
(式(2)中のR、R、R、nはそれぞれ式(1)中のR、R、R、nと同じである。nが2または3の場合、複数のRは全て同一であってよいし、一部あるいは全てが異なっていてもよい。)
Figure 0007298839000004
(式(3)中のR、R、R、nはそれぞれ式(1)中のR、R、R、nと同じである。nが2または3の場合、複数のRは全て同一であってよいし、一部あるいは全てが異なっていてもよい。)
(不均一触媒)
本実施形態の製造方法においては、不均一触媒として、周期表第4周期の第4族~第14族の元素の酸化物からなる担体に、周期表第5周期または第6周期の8族~11族の金属または金属酸化物が担持されたものを用いる。より好ましい担体としては、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znの酸化物が挙げられる。担体に担持されるより好ましい金属としては、Au、Rh、Pd、Ir、Ruが挙げられる。担体に担持されるより好ましい金属酸化物としては、Rh、Pd、Ir、Ruの酸化物が挙げられる。本実施形態の製造方法においては、不均一触媒として、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
不均一触媒の担体としては、オキソ反応に活性を持つ金属種の酸化物であることが、活性の点で好ましい。このことから、担体としては、Co、Fe、Niから選ばれるいずれかの元素の酸化物を用いることがさらに好ましい。また、担体に担持される金属としては、金(Au)を用いることがさらに好ましい。金属酸化物としては、酸化パラジウム(PdO)を用いることがさらに好ましい。なお、PdOなどの金属酸化物は、水素、一酸化炭素、有機化合物などの還元剤を用いて還元し、金属状態にしてから、不均一触媒の材料として用いてもよい。不均一触媒の担体としては、例えば、粉末状、粒子状など任意の形状のものを用いることができる。
不均一触媒としては、上記の中でも特に、触媒活性が高く、高い収率が得られるため、Coからなる担体に、AuまたはPdOが担持されたものを用いることが、特に好ましい。
不均一触媒として、Coからなる担体に、Auが担持されたものを用いる場合、触媒中のAuの割合は、高い収率が得られるため、担体としての金属酸化物と担持される金属または金属酸化物の全金属原子中の1~20原子%であることが好ましく、5~15原子%であることがより好ましい。
不均一触媒として、Coからなる担体に、PdOが担持されたものを用いる場合、触媒中のPdOの割合は、高い収率が得られるため、担体としての金属酸化物と担持される金属または金属酸化物の全金属原子中の1~20原子%であることが好ましく、5~15原子%であることがより好ましい。
本実施形態の製造方法における不均一触媒の使用量は、一般式(1)で表される不飽和アルコール100質量部に対して0.1~20質量部であることが安定して反応を進行させる上で好ましく、1~15質量部であることがより好ましく、5~10質量部であることがさらに好ましい。一般式(1)で表される不飽和アルコール100質量部に対する不均一触媒の使用量が5質量部以上であると、効果的に反応性を向上させることができる。また、不均一触媒の使用量が10質量部以下であると、経済的に好ましい。
本実施形態の製造方法において用いる不均一触媒は、混合ガスと一般式(1)で表される不飽和アルコールとを反応させて得た反応生成物から、例えば、濾過法、遠心分離法、デカンテーション法などにより、容易に分離できる。
本実施形態の製造方法において使用する不均一触媒の製造方法は、不均一触媒の種類に応じて適宜決定できる。例えば、本実施形態において使用する不均一触媒は、以下に示す方法により製造できる。
まず、担体に担持される金属または金属酸化物の原料となる金属元素を含む化合物を、純水に溶解し、第1水溶液とする。次に、担体の原料となる元素を含む化合物を、水に溶解し、第2水溶液とする。その後、第1水溶液と第2水溶液と炭酸ナトリウム水溶液とを混合して攪拌し、沈殿物を得る。
次に、沈殿物を乾燥させて焼成する。
沈殿物の乾燥は、例えば、大気雰囲気下50~100℃で1~12時間乾燥させる方法により行うことができる。
また、沈殿物の焼成は、例えば、大気雰囲気下200~500℃で0.5~5時間加熱する方法により、行うことができる。
以上の工程により、担体と、担体に担持された金属または金属酸化物とからなる触媒が得られる。
(混合ガス)
本実施形態の製造方法においては、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む混合ガスを用いる。混合ガスは、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含むものであればよく、水素ガスと一酸化炭素ガスの他に、窒素、アルゴン等の不活性ガスを含んでいてもよいが、空気、酸素等の酸化性ガスは含まない方が好ましい。
混合ガス中における水素ガスと一酸化炭素ガスとは、任意の割合とすることができる。混合ガス中における水素ガスと一酸化炭素ガスとの割合は、高い収率が得られるため、モル比で9:1~1:5の割合で用いることが好ましく、2:1~1:5の割合で用いることがより好ましい。
(溶媒)
本実施形態の製造方法において使用する溶媒としては、混合ガスと一般式(1)で表される不飽和アルコールとの反応に関与しない化学種を用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンノン、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸-n-ブチル、n-へプタン、アセトニトリル、トルエン、キシレン、N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。これらの溶媒の中でも特に、高い収率が得られるため、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチルから選ばれるいずれかを用いることが好ましい。なお、不飽和アルコール自体が液体であり、生成するラクトンを溶解するものである場合には、溶媒を使用せず反応することもできる。
(反応条件)
本実施形態の製造方法において、反応容器内で、混合ガスと一般式(1)で表される不飽和アルコールとを不均一触媒の存在下で反応させる際の反応条件は、混合ガスと一般式(1)で表される不飽和アルコールとの反応が進行する範囲内で、一般式(1)で表される不飽和アルコールの種類などに応じて適宜決定できる。反応条件は、例えば、以下に示す(a)~(c)の条件を1つ以上満たすことが好ましい。
(a)反応圧力
反応圧力としては、例えば、反応容器内の圧力を2~6MPaとすることが好ましく、4~6MPaとすることがより好ましい。反応圧力が2~6MPaであると、高い収率が得られる。
(b)反応温度
反応温度としては、60℃未満では反応速度が遅く、140℃超では副反応が起こりやすくなるので、反応容器内の温度を60~140℃とすることが好ましく、80~120℃とすることがより好ましい。反応温度が80~120℃であると、適切な反応速度が得られやすく、高い収率が得られる。
(c)反応時間
反応時間があまりに短いと、一般式(1)で表される不飽和アルコールの転化率が不十分となる場合がある。反応時間があまりに長いと、生成物が分解する可能性がある。このため、反応時間は、1~40時間とすることが好ましく、10~20時間とすることがより好ましい。反応時間が10~20時間であると、高い収率を確保でき、かつ良好な生産性が得られる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(触媒1)
塩化金酸(HAuCl・4HO、田中貴金属工業社製)411.85mg(1mmol)を純水(1mL)に溶解して第1水溶液を得た。
また、硝酸コバルト(II)(Co(NO・6HO)(東京化成社製)2.619g(9mmol)を純水(99mL)に溶解して第2水溶液を得た。
また、炭酸ナトリウム(NaCO、富士フイルム和光純薬社製)2.65g(25mmol)を純水(100mL)に溶解して炭酸ナトリウム水溶液を得た。
次に、第1水溶液と第2水溶液とを混合して混合溶液とした。この混合溶液のpHが8以上となるように、pH計(装置名:HM-30P、東亜ディーケーケー社製)にてpHを確認しながら炭酸ナトリウム水溶液を添加し、5時間攪拌した。その後、吸引ろ過により沈殿物を得た。
次いで、得られた沈殿物を遠心瓶に入れ、純水(200mL)を加えて激しく振った。続いて、遠心分離装置(装置名:H-36、コクサン社製)を用いて遠心分離することにより、沈殿物を回収した。これを3回繰り返すことにより、沈殿物を洗浄した。
その後、沈殿物を、乾燥機(装置名:NDO-500W、東京理化器械社製)に入れて大気雰囲気下70℃で一晩乾燥させ、焼成機(装置名:MMF-1、アズワン社製)を用いて大気雰囲気下300℃で4時間加熱して焼成した。
以上の工程により、Co担体にAuが担持された触媒1を得た。
次に、以下に示す方法により、触媒1における触媒中のAuの割合を求めた。
触媒1を所定量(5mg)測り取り、濃塩酸(富士フイルム和光純薬社製)と濃硝酸(富士フイルム和光純薬社製)を混合して調製した王水(3mL)に完全に溶かした後、純水で規定量(100mL)まで薄めた。その溶液のAu濃度をマイクロ波プラズマ原子発光分光分析(MP-AES)装置(装置名:4100 MP-AES、アジレント社製)により測定し、最初に測り取った触媒中に含まれるAuの量を算出した。
その結果、触媒1は、Coからなる担体に、10原子%のAuが担持されたものであった。
(触媒2)
硝酸パラジウム(Pd(NO)水溶液(Pd:200g/L)(田中貴金属工業社製)532μL(1mmol)を純水(1mL)で希釈して第1水溶液を得た。
また、硝酸コバルト(II)(Co(NO・6HO、東京化成社製)2.619g(9mmol)を純水(99mL)に溶解して第2水溶液を得た。
また、炭酸ナトリウム(NaCO、富士フイルム和光純薬社製)2.65g(25mmol)を純水(100mL)に溶解して炭酸ナトリウム水溶液を得た。
次に、第1水溶液と第2水溶液とを混合して混合溶液とした。この混合溶液のpHが8以上となるように、pH計(装置名:HM-30P、東亜ディーケーケー社製)にてpHを確認しながら炭酸ナトリウム水溶液を添加し、3時間攪拌した。その後、吸引ろ過により沈殿物を得た。
次いで、得られた沈殿物を遠心瓶に入れ、純水(200mL)を加えて激しく振った。続いて、遠心分離装置(装置名:H-36、コクサン社製)を用いて遠心分離することにより、沈殿物を回収した。これを3回繰り返すことにより、沈殿物を洗浄した。
その後、沈殿物を、乾燥機(装置名:NDO-500W、東京理化器械社製)に入れて大気雰囲気下70℃で一晩乾燥させ、焼成機(装置名:MMF-1、アズワン社製)を用いて大気雰囲気下300℃で4時間加熱して焼成した。
以上の工程により、Co担体にPdOが担持された触媒2を得た。
次に、以下に示す方法により、触媒2における触媒中のPdOの割合を求めた。
触媒2を所定量(5mg)測り取り、濃塩酸(富士フイルム和光純薬社製)と濃硝酸(富士フイルム和光純薬社製)を混合して調製した王水(3mL)に完全に溶かした後、純水で規定量(100mL)まで薄めた。その溶液のPd濃度をマイクロ波プラズマ原子発光分光分析(MP-AES)装置(装置名:4100 MP-AES、アジレント社製)により測定し、最初に測り取った触媒中に含まれるPdの量を算出した。
その結果、触媒2は、Coからなる担体に、10原子%のPdOが担持されたものであった。
(実施例1)
反応容器(オートクレーブ)に、表1に示す溶媒(3mL、37mmol)と、表1に示す不飽和アルコールとしてのアリルアルコール(富士フイルム和光純薬社製)(0.2mL、3mmol)と、表1に示す不均一触媒(20mg)(アリルアルコール100質量部に対して11.5質量部)とを入れた。次いで、反応容器内の空気を、水素ガスと一酸化炭素ガスとを表1に示す割合(H:CO)で含む混合ガスで置換し、反応容器内を混合ガス雰囲気とした。
その後、反応容器内で、表1に示す反応圧力(MPa)、反応温度(℃)、反応時間(時間)で、混合ガスとアリルアルコールとを反応させた。溶媒はいずれも富士フイルム和光純薬社製のものを使用した。
得られた反応液の組成をガスクロマトグラフィー(装置名:6850GC、アジレント社製)により分析し、以下に示す方法により、不飽和アルコールの転化率および目的物であるラクトン化合物の収率を算出した。
その結果を表1に示す。なお、反応液からの触媒の分離は、ガラスフィルターを使用した濾過により分離できた。
(実施例2~実施例15)
使用した触媒、溶媒、混合ガスの割合または反応温度を、表1に記載の通り変更したこと以外は、実施例1同様に反応させた。得られた反応液の組成を、実施例1同様にして分析し、実施例1同様にして不飽和アルコールの転化率およびラクトン化合物の収率を算出した。その結果を表1に示す。なお、反応液からの触媒の分離は、ガラスフィルターを使用した濾過により分離できた。
(比較例1)
触媒1を使用しないこと以外は、実施例1同様にして反応させた。得られた反応液の組成を、実施例1同様にして分析し、実施例1同様にして不飽和アルコールの転化率およびラクトン化合物の収率を算出した。その結果を表1に示す。
(ラクトン化合物の収率)
ラクトン化合物の収率は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて内標準法により決定した。まず、目的生成物であるラクトン化合物の標準物質に基づいて検量線を作成した。内標準物質にはトリデカン(富士フイルム和光純薬社製)を用いた。
(不飽和アルコールの転化率)
不飽和アルコールとしてのアリルアルコールの転化率は、検量線に基づき、以下に示す式を用いて算出した。
転化率(%)=[(仕込み時のアリルアルコール(モル)-反応液中のアリルアルコール(モル))/仕込み時のアリルアルコール(モル)]×100
Figure 0007298839000005
表1に示すように、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む混合ガスと、アリルアルコールとを、触媒1または触媒2の存在下で反応させることにより、ラクトン化合物であるγ-ブチロラクトンが得られた。
これに対し、不均一触媒を用いずに混合ガスと、アリルアルコールとを反応させた比較例1では、γ-ブチロラクトンが得られなかった。
なお、理由は定かではないが、反応溶媒にn-ヘプタンのようなアルカン(飽和脂肪族炭化水素)を含むと収率が低い結果となった。そのため、反応溶媒にはアルカン(飽和脂肪族炭化水素)を含まない方が好ましい。

Claims (6)

  1. 水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む混合ガスと、下記一般式(1)で表される不飽和アルコールとを、周期表第4周期の第4族~第14族の元素の酸化物からなる担体に、周期表第5周期または第6周期の8族~11族の金属または金属酸化物が担持された不均一触媒の存在下で反応させて、下記式(2)で示されるラクトン化合物を製造することを特徴とするラクトン化合物の製造方法。
    Figure 0007298839000006

    (式(1)中、R、R、Rはそれぞれ、水素原子、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである。nは1である。が、炭素原子数1~8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれるいずれかである場合、シス体であってもよいし、トランス体であってもよい。)
    Figure 0007298839000007


    (式(2)中のR、R、R、nはそれぞれ式(1)中のR、R、R、nと同じである。
  2. 前記一般式(1)で表される不飽和アルコールが、アリルアルコールである請求項1に記載のラクトン化合物の製造方法。
  3. 前記担体が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのいずれかの元素の酸化物からなり、
    前記担体に担持される金属が、Au、Rh、Pd、Ir、Ruのいずれかの金属またはRh、Pd、Ir、Ruのいずれかの金属酸化物からなる請求項1または請求項2に記載のラクトン化合物の製造方法。
  4. 前記不均一触媒が、Coからなる担体に、AuまたはPdOが担持されたものである請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のラクトン化合物の製造方法。
  5. 前記混合ガスが、前記水素ガスと前記一酸化炭素ガスとを、モル比で9:1~1:5の割合で含む請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のラクトン化合物の製造方法。
  6. 反応容器に、溶媒と、前記不飽和アルコールと、前記不均一触媒とを入れ、前記反応容器内を前記混合ガス雰囲気とする工程と、
    前記反応容器内で、前記混合ガスと前記不飽和アルコールとを反応させる反応工程とを有し、
    前記溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチルから選ばれるいずれかである請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のラクトン化合物の製造方法。
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