JP6157592B2 - ジケトナト−ロジウム(i)−カルボニル錯体を調製するためのプロセス - Google Patents

ジケトナト−ロジウム(i)−カルボニル錯体を調製するためのプロセス Download PDF

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Description

本発明は、ジケトナト−ロジウム(I)−カルボニル錯体、特に、アセチルアセトナトカルボニルトリフェニルホスフィンロジウム(I)すなわちRh(CO)(PPh)acac(以後、「Ropac」とも称する)等のジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を調製するためのプロセスに関する。
本発明のプロセスは、中間体の単離段階も精製段階も一切省略することができる、改善された1段階プロセス(「ワンポット合成」として知られる)の手順を特徴とする。本特許出願においては、もし複数のプロセスステップを含む可能性があったとしても、中間体の単離ステップを経ない単一の容器内で行われるプロセスであれば、これも同様に、上述のワンポット合成の趣旨の範囲内に包含される「1段階」と称する。
本発明は、この1段階プロセスを行うことにより、本発明によるジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を調製するプロセスの手続きを速やかに進行させることを可能にするものである。安価で環境に優しい溶媒を用いることにより、本プロセスを工業規模で経済的に行うことが可能になる。それに加えて、良好な収率も達成される。
こうして調製されたジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体は、均一触媒反応、例えばヒドロホルミル化反応用の触媒または触媒前駆体(precatalyst)として特に有用である。
ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を調製するための多段階プロセスとして知られているものは先行技術において多数存在する。これらは中間生成物を複雑な方法で単離しなければならないので、いずれも多段階で行われる。一般に、Rh(CO)(PPh)acacは、出発錯体であるジカルボニルRh(I)アセチルアセトナートすなわちRh(CO)(acac)をトリフェニルホスフィンと反応させることによって調製される。この場合、Rh(CO)(acac)は、塩化ロジウム水和物から、例えば、ジメチルホルムアミド中においてアセチルアセトンを加え、これを濾過して洗浄した後、反応を行うことによって調製される。
LeipoldtらおよびSheng−guoらは、ジメチルホルムアミド/アセチルアセトン中のRhCl水和物に水を添加してからRh(CO)(acac)を析出させ、この化合物を単離して石油エーテルで洗浄する調製について記載している((非特許文献1)および(非特許文献2)(中国語で発表)参照)。
Leipoldtらは、こうして得られたロジウム−カルボニル錯体に、別個の反応ステップにおいて、ベンゼン中でトリフェニルホスフィン(以後、PPhと略記する)を添加することによってRh(CO)(PPh)acacに変換している。温度および反応時間に関する詳細は開示されていない。反応を停止することにより一酸化炭素が生成した後にベンゼンを除去することについては全く述べられていない。このように、Rh(CO)(PPh)acacの調製は多段階合成となる。正確な収率に関する詳細は記載されていない。
Sheng−guoらもまた、Rh(CO)(acac)を取得した後、別個の反応ステップにおいてトルエン中でPPhを添加しており、この反応を1時間行うことによってRh(CO)(PPh)acacを得ているが、反応温度に関する正確な詳細は存在しない。ここに記載されている多段階プロセスを用いることにより91%の収率が達成される。
BonatiおよびWilkinsonは、Rh(CO)(acac)の合成において、最初に、石油留分(petroleum)中、テトラカルボニルジクロロ二ロジウムすなわち[Rh(CO)Cl]に炭酸バリウムおよびアセチルアセトンを添加して約1週間撹拌することによりRh(CO)(acac)を調製することを記載している。溶媒を除去した後に得られる(CO)Rh(acac)錯体に、これとは別のプロセス段階において、ベンゼン中でPPhを添加して反応させることによってRh(CO)(PPh)acacが生成する。したがって、BonatiおよびWilkinsonも同様に多段階プロセスを想定している((非特許文献3)参照)。
Varshavskyらも同様に、[Rh(CO)Cl]を出発物質とする調製プロセスについて記載している。ロジウム−カルボニル錯体に、別個のプロセス段階において、ヘキサン中でPPhを添加することによってRh(CO)(PPh)acacが調製される((非特許文献4)参照)。
TicおよびSzymanowskiは、Rh(CO)(PPh)acacを調製するための3段階プロセスについて記載している。最初にRhCl水和物を一酸化炭素と70〜75℃で0.5〜3.5時間反応させる。第2プロセスステップにおいては、炭酸バリウムおよびアセチルアセトンを45〜60℃の温度で加えて0.25〜1.5時間反応させる。その後、残留している炭酸バリウムおよび生成した塩化バリウムを濾去し、その後に溶媒を留去するため、このプロセスには多くの時間を要する。このようにして得られた中間体であるRh(CO)(acac)の結晶を乾燥させる。次のプロセスステップにおいて、ヘキサン中、PPhを50℃の温度で0.5時間かけて添加することによりRh(CO)(PPh)acacが調製される((非特許文献5)(ポーランド語で発表)参照)。
J.G.Leipoldt,S.S.Basson,L.D.C.Bok and T.I.A.Gerber,Inorganica Chim Acta.,1978,26,L35−L37 W.Sheng−guo,X.Xiao−dong,S.Guo−rong,Z.Ying−kui,Precious Metals,2005,26,43−51 F.Bonati,G.Wilkinson,J.Chem.Soc.,1964,3156−3160 Y.S.Varshavsky,T.G.Cherkasova,N.A.Buzina,V.A.Kormer,J.Organomet.Chem.,1974,77,107−115 W.J.Tic,J.Szymanowski,Przemysl Chemiczny 2002,81(6),386−390
したがって、本発明の目的は、ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体、特にRh(CO)(PPh)acac(「Ropac」)を工業規模で安価に1段階で調製することを可能にするプロセスを提供することにある。さらに本プロセスは、ロジウム−カルボニル錯体を高収率かつ高純度で調製することを可能にするはずである。
本発明の目的は添付の特許請求の範囲の主題により達成される。本発明による目的の達成には、ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体、特にRh(CO)(PPh)acacを調製するための1段階プロセスを提供することが含まれており、これは、使用する化学物質、プロセス条件および達成可能な高収率に加えて、環境に優しく、かつ経済的であることに起因して達成され得るものである。
上述したように、本発明における1段階調製プロセスは、中間体の単離を一切行うことなくジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を調製することを含む。したがって本発明は、費用および時間のかかる中間体の単離も中間体の精製も行うことなく、単一の反応器内で目的の生成物が出発物質からin situで調製される(以後、「ワンポット合成」と称する)プロセスであることを説明する。
本発明のプロセスは、目的の化合物が反応混合物から目的の形態で直接生成するプロセス条件を選択するため、ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を簡単に単離することができる。本発明によれば、これには、析出した分離可能な化合物を含む懸濁液を生成することが含まれる。したがって、時間および費用がかかる単離(例えば、分離、濃縮によるかまたは他のプロセスによる)は不要である。
本発明は、一般式(I):
Figure 0006157592
(式中、
R基は、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキル、C〜C12アリール、C〜C12ヘテロアリール基であり、
R’およびR’’は、それぞれ互いに独立に、C〜Cアルキル、C〜C10シクロアルキル、C〜C12アリール基であり、
R、R’およびR’’は、場合により置換されていてもよい)を有する、ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)化合物を調製するためのプロセスであって、
次に示す反応ステップ:
(a)前駆体であるRh(III)ハロゲン化物を溶媒に導入する反応ステップと、
(b)一酸化炭素(CO)ガスで処理する反応ステップと、
(c)R’−C(=O)−CH−C(=O)−R’’型のジケトンおよび塩基を添加し、中間体である(ジケトナト)Rh(CO)を形成する反応ステップと、
(d)PR型のトリオルガノホスフィンを添加する反応ステップと、
(e)反応混合物を加熱して、式(I)のジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を単離する反応ステップと
を含むプロセスを提供する。
本プロセスの好ましい実施形態においては、ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体Rh(CO)(PPh)(acac)が調製される。この場合、本発明のプロセスは、次に示す理想的な反応式および例示的な反応式で表すことができる。
式1):
RhCl + 2CO + CHCHOH −−−> 1/2[Rh(CO)Cl] + 2HCl + CHCHO

式2):
1/2[Rh(CO)Cl] + Hacac + NaHCO −−−> [Rh(CO)(acac)] + NaCl + HO + CO

式3):
[Rh(CO)(acac)] + PPh −−−> [Rh(CO)(PPh)(acac)] + CO
式1)は、上述したように理想的な反応式であり、例示の役割のみを果たすものである。Rh(III)がCOまたはエタノール(または両方の可能性もある)のどちらによって還元されるかは分かっていない。
しかしながら、本発明のプロセスに関する重要事項は、この反応が、可溶性Rh(III)ハロゲン化物種から、COの存在下かつ有機溶媒の存在下、好ましくはアルコールの存在下、特に好ましくはエタノールの存在下に進行することにある。
反応式2)においては、ジケト化合物、好ましくはR’−C(=O)−CH−C(=O)−R’’型の1,3−ジケト化合物が添加される。本発明における1,3−ジケト化合物とは、メチレン基により互いに分離された2個のケトン基を有する有機分子である。
R’およびR’’は、互いに独立に、C〜Cアルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C12アリール基(式中、R’およびR’’は、場合により置換されていてもよい)とすることができる。好ましくは、R’およびR’’基は、それぞれ互いに独立に、無置換の、C〜Cアルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C12アリール基である。R’−C(=O)−CH−C(=O)−R’’型の好適なジケト化合物は、例えば、アセチルアセトン(CH−CO−CH−CO−CH、R’=R’’=メチル)、2,4−ヘキサンジオン(R’=メチル、R’’=エチル、慣用名プロピオニルアセトン)、2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオン(R’=メチル、R’’=t−ブチル)、2,4−ヘプタンジオン(R’=メチル、R’’=プロピル、慣用名ブタノイルアセトン)、6−メチル−2,4−ヘプタンジオン(R’=メチル、R’’=イソプロピル、慣用名イソバレリルアセトン)および1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン(R’=R’’=フェニル)である。特に好ましい1,3−ジケト化合物はアセチルアセトンである。
1,3−ジケト化合物は、反応時に、陰イオン性のジケトナト化合物に変換され、1価の負電荷を有する二座配位子としてRh中心原子に結合する。反応式2参照)。
依然として存在している遊離したHClを捕捉すると共に、反応を確実に完了させるために、過剰の塩基(例えばNaHCO)が加えられる。塩基として炭酸塩または炭酸水素塩を使用することの利点は、反応生成物(CO)が気相から容易に除去され、したがって、平衡が生成物の方向にシフトすることにある。さらに、反応生成物であるNaClおよび(ジケトナト)(CO)Rhの選択された溶媒中への溶解性が低いこともこのことに寄与する。その結果として懸濁液が生成する。
式3)において、トリ有機リン化合物が反応混合物に添加される。ここで1個のCO配位子が置き換わる。PR型のトリオルガノホスフィン、特にトリアルキルホスフィンまたはトリアリールホスフィンを使用することができる。
PR型のトリオルガノホスフィンにおいて、R基は、一般に、場合により置換されていてもよい、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキル、C〜C12アリールまたはC〜C12ヘテロアリール基である。その例としては、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンまたはトリ(o−トリル)ホスフィンが挙げられる。ヘテロアリール基を有するトリオルガノホスフィンの例としては、トリ(2−フリル)ホスフィンまたはジフェニル(2−ピリジル)ホスフィンが挙げられる。
R基としては、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C12アリール基が好ましい。特に好ましい実施形態においては、トリオルガノホスフィンはトリフェニルホスフィン(PPh)である。
以下、本発明のプロセスの個々の反応ステップa)〜e)についてより詳細に説明する。
反応ステップa)
少なくとも一部が可溶なRh(III)ハロゲン化物前駆体の溶媒への導入
前駆体であるRhハロゲン化物としては、一般に、溶液または可溶性固体の形態にある塩化ロジウム(III)(例えば、RhClxHO)が、好ましくは調製済みの水性塩化ロジウム(III)溶液の形態で使用される。ロジウム含有率が<30重量%である、水を含む塩化ロジウム(III)溶液が市販されており、例えば、金属ロジウムを濃塩酸および塩素ガスの存在下に溶解することにより製造されたものが通常使用される。しかしながら、好適な塩化ロジウム(III)溶液として、貴金属再利用または工業用貴金属化学処理(noble metal chemistry)のプロセス流れを流用することもできる。さらに、塩化ロジウム(III)溶液は、慣用されている、より安価でより素早く処理できる固体RhCl水和物よりも有利である。それは、RhCl水和物を前もって蒸発に付し、単離して分析を行う(出発物質の量を求めるため)ことが不要になるためである。したがって、出発物質としての調製済みの塩化Rh(III)溶液の方が、入手が簡単で取扱いも容易である。
このRh(III)前駆体は、溶媒、好ましくは有機溶媒に導入される。Rh(III)前駆体が塩化ロジウム(III)水溶液として存在する場合は、溶媒と混合される。Rh(III)前駆体が固体物質、例えばRhCl水和物として存在する場合は、溶媒に溶解される。
溶媒は、好ましくは有機溶媒、特にメタノール、エタノールまたはイソプロパノール等の低級脂肪族アルコールである。これらのアルコールは、場合により水と混合することができる。好ましい実施形態においては、溶媒は、エタノールを含む。さらなる好ましい実施形態においては、ジケト化合物自体を溶媒として、場合により水と混合して使用することができる。
エタノール等のアルコールを使用すれば、プロセス全体を通して、すなわち[(CO)RhCl]の調製(式(1))においても、(ジケトナト)Rh(CO)の調製(式(2))においても、そしてその後の(ジケトナト)(PR)Rh(CO)の調製(式(3))においても、同じ溶媒を使用することが可能になる。したがって、溶媒の除去も溶媒の装入も不要である。その結果として、経済的および環境的に有利なプロセスが得られる。
本発明のプロセスに好ましい溶媒は、原則として、Rh(III)前駆体およびジカルボニル生成物[(CO)RhCl]が容易に溶解する一方で、中間体である(ジケトナト)(CO)Rh、特に目的の生成物である(ジケトナト)(PR)Rh(CO)の溶解性がそれよりも劣っており、それによって、各場合において、目的の生成物が反応混合物から析出し、複雑な濃縮ステップも溶媒の交換も一切行うことなく目的の生成物を濾過によって直接単離することができるものである。さらに、使用されるPR型のトリオルガノホスフィン、好ましくはトリフェニルホスフィン(PPh)も容易に溶解する溶媒を使用すべきである。
エタノール等のアルコールを使用することはまた、本プロセスの(ジケトナト)Rh(CO)の調製の第1サブステップに通常使用されているジメチルホルムアミド(DMF)等の毒性を有する溶媒を使用する場合よりも安価かつ環境に影響を及ぼさずに調製を行うことを可能にする。
反応ステップb)
一酸化炭素(CO)ガスによる処理
次いで、反応ステップa)で得られた溶液に一酸化炭素(CO)を混合することによってカルボニル化合物[Rh(CO)Cl]が生成する。それによって、塩化ジカルボニルロジウム(I)二量体の黄色透明な溶液が生成する。特定の実施形態においては、気体処理ステップは、ジケト化合物の存在下に実施することができる(すなわち、反応ステップc)をステップb)の前に行うことができる)。
COガスを用いた処理は25℃〜80℃の範囲の高い反応温度で実施される。反応温度は、好ましくは、50℃〜70℃の範囲から選択される。
好ましい形態においては、反応は、加圧雰囲気を用いなくても進行する。一方、反応を大気圧よりもわずかに低い圧力下で実施することも同様に可能である。
気体処理時間は、選択された温度および圧力条件に依存し、反応を完了させるためには、通常は2〜24時間、好ましくは2〜16時間の範囲である。COガス処理を行う間は、COを溶液中に確実に高度に分散させるべきである。高速で撹拌しながら導入することによって、COを溶液中に確実に微細に分散させることができる。別法として、撹拌翼(sparging stirrer)またはガス分配器(gas distributor)を用いることも可能である。
反応ステップc)
ジケト化合物(好ましくはアセチルアセトン)および塩基を添加することによる中間体(ジケトナト)Rh(CO)の生成
ステップb)により得られた反応混合物は、in situで得られた中間体[Rh(CO)Cl]を途中で単離することなく、40℃未満、好ましくは35℃未満の温度に冷却される。次いでジケト化合物および塩基が添加される。本発明においては、塩基は、水溶液のpHを上昇させるかまたはpHを7以上に固定することができる化合物であり、本発明によれば、pHは、好ましくはpH7〜10の範囲、より好ましくはpH7〜8の範囲にある。
本発明によれば、最初にジケト化合物、次いで塩基を添加することが好ましい。
塩基は、一般に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アルカリ金属ジケトネート、アルカリ土類金属ジケトネートならびにこれらの混合物およびこれらの組合せからなる群から選択される。好適な無機塩基の例は、NaHCO、NaCO、KCO、CaCOおよびBaCOである。好適な有機塩基の例は、Na(acac)およびCa(acac)等のアルカリ金属ジケトネートまたはアルカリ土類金属ジケトネートである。この場合、理想的には、目的生成物中にもジケトネート配位子として存在するジケト化合物が利用される。本発明による好ましい塩基はNaHCOである。
市販の塩化ロジウム(III)溶液を使用する場合は、塩基(例えば、NaHCO)を2〜12モル当量(Rhの使用量を基準とする)添加すると有利であり、塩化ロジウム溶液中に存在する酸性成分を十分に中和するために塩基を約5〜10モル当量(Rhの使用量を基準とする)使用することが好ましい。
ジケト化合物は、少なくとも2モル当量(Rhの使用量を基準とする)の量、好ましくは5〜12モル当量の量、特に好ましくは8〜12モル当量の量で添加すべきであることが分かった。反応混合物は、場合により、塩基を添加した後にさらに40℃未満の温度で撹拌することができる。一般に、中間体である(ジケトナト)Rh(CO)、特にRh(CO)(acac)はこの反応で析出するので、中間体である(ジケトナト)Rh(CO)が懸濁した形態で(すなわち懸濁液中に)存在する反応混合物が得られる。
反応ステップd)
トリオルガノホスフィンの反応混合物への添加
上述したプロセスにより生成した中間体である(ジケトナト)Rh(CO)は、さらに目的生成物である(ジケトナト)Rh(CO)(PR)に変換される。これは一般に黄色固体の形態で得られる。驚くべきことに、(ジケトナト)Rh(CO)(PR)の調製には、中間体である(ジケトナト)Rh(CO)の単離が不要であることが見出された。したがって、本発明によれば、(ジケトナト)Rh(CO)(PR)acacの調製は、反応ステップc)で得られた反応混合物にトリ有機リン化合物(好ましくはトリフェニルホスフィン、PPh)を直接添加することにより行われる。
この反応は、懸濁液からさらなる懸濁液が生成するように進行することが見出された。(ジケトナト)Rh(CO)は、選択された溶媒中における残留溶解度(residual solubility)が低い。少量の溶解している物質が、(一部)溶解しているホスフィンPRと反応する。その結果として、反応混合物から最終生成物が析出し、COがさらに遊離する。一般に、アルコールへの溶解性は、中間体である(ジケトナト)(CO)Rhよりも最終生成物である(ジケトナト)(PR)(CO)Rhの方が低い。
PR型のトリオルガノホスフィンは、Rhを基準として0.98〜1.08モル当量の割合で添加される。本発明によれば、純粋な目的化合物が確実に高収率で得られるように、ホスフィンを1.01〜1.03モル当量添加することが好ましい。さらに、この手段を用いると、塩素を含む副生成物がごく少量しか生成しないため、目的化合物がより高い純度で得られる。
本発明によれば、トリオルガノホスフィンは、好ましくは、純物質の形態で、PPhの場合は固体として添加される。溶解したホスフィンを添加することも可能である。この場合、トリオルガノホスフィンを有機溶媒に溶解させたものが使用される。この種の有機溶媒の例は、脂肪族または芳香族炭化水素、例えば、n−ヘキサン、石油エーテルまたはトルエンである。この添加は、一般に、15℃を超え、40℃までの温度で行われ、一般には反応混合物は撹拌される。
反応ステップe)
反応混合物の加熱、それに続く冷却およびRh(I)目的生成物の単離
トリオルガノホスフィンを添加した後、反応混合物が還流下に加熱され(「還流され」)る。使用される溶媒または溶媒混合物に応じて、温度は50〜120℃の範囲に設定される。混合物を加熱する最高温度は使用される溶媒または溶媒混合物に依存する。反応を完了させるための還流時間は、一般に1〜20時間、好ましくは2〜16時間とすべきである。この反応ステップは、どの場合においても必須ではないが、非常に純度の高い生成物を単離することが可能になる。
(任意選択的な)冷却を行った後、化合物を反応混合物から好ましくは濾過により分離することができる。一般に、水と混和性を有する有機溶媒および/または脱イオン水(DI水)を用いて洗浄を行う。最終生成物は、塩化物を含まなくなるようにDI水で洗浄することができる。さらなる不純物を除去するために、好ましくは脂肪族アルコール(好ましくはエタノール)が使用される。生成物は通常30〜60℃の範囲、好ましくは35〜50℃の範囲の温度で乾燥される。乾燥は、好ましくは減圧下で行われるが、空気中または不活性ガス(アルゴン、窒素等)中で行うこともできる。
上述した本発明の1段階調製プロセスの条件およびステップに従うことにより、(ジケトナト)(PR)(CO)Rhの形態の目的生成物、特にRh(CO)(PPh)acacを高い収率および純度で得ることができる。本発明のプロセスにおいては、収率は93%を超え、好ましくは95%を超える。この場合、収率は、存在するロジウムの含有率を基準とする、すなわち「OMB」収率(「金属基準(on metal basis)」)である。総じて、本発明のプロセスにより、Rh(CO)(PPh)acacを調製するためのプロセス時間が従来の多段階プロセスの半分以下に短縮される。このことにより、本プロセスが経済的に非常に重要なものになる。
本プロセスにおいては、最終生成物の収率が良好であり、かつ純度が高く、さらには、費用対効果が高く環境に優しい条件が選択されているため、本プロセスが必然的に工業規模に適したものになる。
本発明のワンポットプロセスにより調製されるロジウム−カルボニル錯体Rh(CO)(PPh)acac(「Ropac」)は、純度が極めて高く、その結果として高い触媒活性が得られるため、好ましくはヒドロホルミル化反応、例えばアルケンを変換するための触媒または触媒前駆体として特に適している。この反応において調製されるアルコールには様々な工業用途がある。
分析データ
本発明により調製される(ジケトナト)(PR)(CO)Rh型のRh化合物、特にRh(CO)(PPh)acac(「Ropac」)は、塩素含有率が低い(Wickboldt法により測定された、遊離塩素および結合塩素を含む総塩素含有率)。塩素分析装置(Analytik Jenaから)を用いて測定された、塩化物を含む不純物の比率は、一般には<0.1重量%(1000ppm)、好ましくは<0.03%(300ppm)である。このように塩素の値を低くすることで、本発明により調製された化合物に良好な触媒活性が確保される。
特に化合物Rh(CO)(PPhClの比率は、生成物であるRh(CO)(PPh)acac(「Ropac」)の31P−NMRスペクトルから求めることができる(例えば、約30ppmの分裂したシグナルを用いる)。一般に、31P−NMRスペクトルのRh(CO)(PPh)acacのピーク面積の比率を基準とするRh(CO)(PPhClのピーク面積の百分率は、5%未満、好ましくは1%未満、特に好ましくは0.3%未満(CDCl中で測定、31P−NMRスペクトルにおけるこれらの2種類の化合物のピーク面積を基準とする)である。化合物Rh(CO)(PPhClの触媒活性は非常に低く、したがって、Rh(CO)(PPh)acac生成物中にごく低量で存在すべきである。
次に示す実施例により本発明を例示する。
実施例1
エタノール(工業用)1.6kgを、撹拌機と、バッフルと、還流冷却器と、焼結ガラスフィルター(glass frit)を備えたガス導入管とを取り付けた10L容の二重壁反応器に装入し、撹拌する。この溶液を連続的に撹拌しながら、塩化ロジウム(III)溶液の形態にあるロジウム(1.94mol)200.0g(塩化Rh(III)溶液、Umicore 品番68.2565.2720;Rh含有率約20重量%)を加える。
塩化ロジウム溶液の貯蔵容器をエタノールで数回(計1.7kg)濯ぎ、これを反応器の溶液に加える。反応器を25℃にして一酸化炭素(CO;グレード2.0、Lindeから)を気体導入管を通じて気体流量約65L/hで反応混合物中に通気する。反応器の内部温度を速やかに約60℃にする。気体処理温度が60℃に到達したら、気体処理を約7時間継続する。反応器を内部温度が30℃になるように速やかに冷却した後、気体の供給を停止する。
撹拌を行いながら、アセチルアセトン(合成用)2.14kgを反応混合物に加える。炭酸水素ナトリウム(高純度)1.63kgを固体ロートを介して30分間かけて加える。これにより反応混合物から二酸化炭素が遊離して発泡する。炭酸水素ナトリウムを全て添加した後、混合物を30℃でさらに60分間撹拌する。得られた懸濁液にトリフェニルホスフィン(1.96mol、min.99.5%、Imhoff&Stahl)515gを20分間かけて加える。それにより一酸化炭素が遊離する。約30分間撹拌した後、内部温度を約74℃として反応混合物を約16時間還流下に加熱する。室温に冷却した後、懸濁液を適切な焼結ガラスフィルターで濾過する。濾過ケークをエタノールで数回(計0.8kg)洗浄した後、塩化物を含まなくなるようにDI水で数回洗浄する(Clの測定は、残留伝導度(residual conductivity)と、硝酸銀溶液を用いる沈殿試験とにより行う)。エタノール(0.8kg)および石油エーテル(50/70)(0.7kg)で数回洗浄した後、濾過ケークを40℃の真空乾燥オーブンで乾燥させる。
これにより、ロジウム含有率が20.76%である黄色固体約953.5gを得る(Rh含有率は、硫酸および硝酸で分解した後にICP−OESで測定)。これはロジウムを基準とした収率が99%であることに相当する。塩素の総含有率は<0.03%である(Wickboldtによる分解)。
生成物(PPh)(CO)Rh(acac)の同定は31P−NMR分光法(CDCl中)にて行う。これにより約50ppmの位置に二重線(シグナル49.5および51.1ppm)が認められる。31P−NMRスペクトルにおける副生成物であるRh(CO)(PPhClのピーク面積の百分率(Rh(CO)(PPh)acacのピーク面積の比率を基準とする)は<1%である。
このバッチについて、COガス処理を16時間繰り返すことにより、ロジウムを基準とする収率が99.7%となり、Cl含有率が<0.03%となる。
実施例2
塩化Rh(III)水和物101.9gの形態にあるロジウム40.0g(0.39mol)(Umicore 品番68.2562.1138、Rh含有率39.25%)、アセチルアセトン437ml(4.29mol)およびエタノール431ml(工業用)を、還流冷却器、精密ガラス撹拌器(precision glass stirrer)および気体導入管を備えた1L容の二重壁反応器に装入する。この混合物を、COガス流を20L/hで流しながら撹拌を行うと同時に60℃に加熱することによって処理する。この条件を13時間維持した後、混合物を約30℃に冷却する。COガスによる処理を停止する。次いでこの溶液にNaHCOを326.5gを少量ずつ約30分間かけて導入する。その結果としてCOが遊離する。この混合物を1時間撹拌する。次いでトリフェニルホスフィン105.0g(0.4mol)をトルエン400mlに溶解し、激しく撹拌しながら反応混合物に20分間かけて加える。その直後に(途中に撹拌を行う時間を設けずに)反応混合物を還流温度(約73℃)に加熱する。8時間還流した後、混合物を25℃に冷却し、結果として得られた固体を焼結ガラスフィルターで濾去し、塩化物を含まなくなるようにDI水を少量ずつ導入しながら(計15リットル)洗浄する。次いで固体の重量が一定になるまで40℃の減圧下で乾燥させる。こうすることにより(PPh)(CO)Rh(acac)182.0gの形態でロジウム38.04gを得る。Rh含有率は20.9%であり、ロジウムを基準とする収率は95.1%である。
Clの総含有率は<0.03%となる。31P−NMR分光(CDCl中)により(PPh)(CO)Rh(acac)生成物の同定および純度の確認を行う。

Claims (21)

  1. 式(I):
    Figure 0006157592
    (式中、
    Rは、C 〜C10シクロアルキル、C〜C12アリールまたはC〜C12ヘテロアリールであり、
    R’およびR’’は、それぞれ互いに独立に、C〜Cアルキル(式中、R、R’およびR’’は、場合により置換されていてもよい)である)のジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を調製するためのプロセスであって:
    (a)前駆体であるRh(III)ハロゲン化物を溶媒に導入する反応ステップと、
    (b)一酸化炭素(CO)ガスで処理する反応ステップと、
    (c)R’−C(=O)−CH−C(=O)−R’’型のジケト化合物および塩基を添加し、中間体である(ジケトナト)Rh(CO)を生成する反応ステップと、
    (d)PR型のトリオルガノホスフィンを添加する反応ステップと、
    (e)反応混合物を加熱し、式(I)のジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を単離する反応ステップと
    を含み、
    反応ステップa)における溶媒として、アルコールが、場合により水との混合物として使用され、
    中間体の単離を行うことなく1段階で行われる、プロセス。
  2. ジケト化合物として、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオンまたは6−メチル−2,4−ヘプタンジオンが使用される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 反応ステップa)における前駆体であるRh(III)ハロゲン化物として、水を含む塩化ロジウム(III)溶液または固体Rh(III)Cl水和物が使用される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. PR型のトリオルガノホスフィンとして、トリフェニルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンまたはトリ(o−トリル)ホスフィンが使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 反応ステップa)における溶媒として、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールならびにこれらの混合物からなる群からの低級脂肪族アルコールが使用される、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 反応ステップa)における溶媒として、エタノールが、場合により水との混合物として使用される、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. ステップc)において生成する前記中間体であるジケトナトRh(CO)が、前記反応混合物中に懸濁して存在する、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 反応ステップb)におけるCOガスによる前記処理が、25〜80℃の範囲の温度で行われる、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. COガスによる前記処理が、2〜24時間にわたって行われる、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 反応ステップc)における塩基として、NaHCO、NaCO、KCO、CaCOおよびBaCOからなる群から選択される無機塩基またはアルカリ金属ジケトネートもしくはアルカリ土類金属ジケトネートからなる群から選択される有機塩基が使用される、請求項1〜のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. ステップc)において、前記ジケト化合物が、Rh1モル当たり2〜12モル当量の量で添加される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 反応ステップd)において、前記トリオルガノホスフィンが、Rh1モル当たり0.98〜1.08モル当量の量で添加される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 反応ステップd)における前記トリオルガノホスフィンの前記添加が15〜40℃の温度で行われる、請求項1〜12いずれか一項に記載のプロセス。
  14. 反応ステップd)における前記加熱が、50〜120℃の範囲の温度で、1〜20時間にわたって行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 前記プロセスがワンポット合成である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を前記反応混合物から分離することをさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 前記ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体を、水と混和性を有する有機溶媒を用いて洗浄することをさらに含む、請求項16に記載のプロセス。
  18. 前記ジケトナトカルボニルトリオルガノホスフィンロジウム(I)錯体が、式(II):
    Figure 0006157592
    を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 均一触媒反応方法であって、
    −請求項1〜18のいずれか一項の記載のプロセスにより得られた式(I)の化合物を提供するステップと、
    −前記式(I)の化合物を、触媒または触媒前駆体として使用して、均一触媒反応を実施するステップと
    を含む方法。
  20. 前記均一触媒反応が、ヒドロホルミル化反応である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記式(I)の化合物が、式(II):
    Figure 0006157592
    の化合物である、請求項19または20に記載の方法。
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