[エンジンの全体構成]
以下、図面を参照して、本発明に係るエンジンの吸気装置について詳細に説明する。まず、図1に示すシステム図を参照して、本発明に係るエンジンの吸気装置が適用されるエンジンシステムSの全体構成を説明する。図1に示されるエンジンシステムSは、走行用の動力源として車両に搭載される、4サイクル多気筒のターボ付ガソリンエンジンである。エンジンの駆動方式はFF又はFRとすることができる。
エンジンシステムSは、エンジン本体1と、外気(吸気)をエンジン本体1へ導く吸気通路20と、エンジン本体1から排出される排気ガスが流通する排気通路30と、排気通路30を流れる排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路20に還流するEGR装置36と、吸気通路20に配置されるインタークーラー23と、ブローバイガスを吸気通路20に還流するブローバイ還流装置16とを備えている。本実施形態では、上掲の吸気通路20及びインタークーラー23が、本発明に係る吸気装置を構成する。
エンジン本体1は、気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、気筒2内に収容されたピストン5とを有している。エンジン本体1は、例えば4つの気筒を有する多気筒型のものであるが、図1では簡略化のため、1つの気筒2のみを図示している。ピストン5は、所定のストロークで往復摺動可能に気筒2内に収容されている。ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動に応じて中心軸回りに回転駆動される。
ピストン5の上方には燃焼室6が区画されている。燃焼室6は、シリンダヘッド4の下面、気筒2及びピストン5の冠面によって形成されている。シリンダヘッド4には、燃焼室6に燃料(主にガソリン)を噴射するインジェクタ13と、インジェクタ13から燃焼室6に噴射された燃料と燃焼室6に導入された空気とが混合された混合気に点火する点火プラグ14とが設けられている。前記混合気が燃焼室6で燃焼され、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。
シリンダヘッド4には、燃焼室6と連通する吸気ポート9及び排気ポート10が形成されている。シリンダヘッド4の下面には、吸気ポート9の下流端である吸気側開口と、排気ポート10の上流端である排気側開口とが形成されている。シリンダヘッド4には、前記吸気側開口を開閉する吸気弁11と、前記排気側開口を開閉する排気弁12とが組み付けられている。
吸気通路20は、吸気ポート9と連通し、インタークーラー23を通して各気筒2に吸気を供給する経路である。吸気通路20の上流端から取り込まれた空気は、吸気通路20及び吸気ポート9を通して燃焼室6に導入される。吸気通路20には、その上流側から順に、エアクリーナ21、ターボ過給機15、バルブユニット26及びインタークーラー23が配置されている。
エアクリーナ21は、吸気中の異物を除去して吸気を清浄化する。バルブユニット26はスロットルバルブ261を含む。スロットルバルブ261は、図略のアクセルの踏み込み動作と連動して吸気通路20を開閉し、吸気通路20における吸気の流量を調整する。ターボ過給機15は、吸気を圧縮しつつ吸気通路20の下流側へ当該吸気を送り出す。
インタークーラー23は、ターボ過給機15により圧縮された吸気を冷却する。インタークーラー23は、水冷式であって、吸気通路20に割り入れられるチャンバ51と、このチャンバ51の内部に収容されたインタークーラーコア52とを含む。吸気通路20は、チャンバ51内のインタークーラーコア52を通して吸気をエンジン本体1へ導く。吸気通路20は、チャンバ51よりも上流に位置する上流側吸気通路22と、チャンバ51よりも下流に位置する下流側吸気通路24とを備えている。下流側吸気通路24の下流端は、吸気マニホールドに備えられている独立吸気通路25に接続されている。独立吸気通路25の直上流には、複数の気筒2に吸気を均等に配分するための空間を提供するサージタンク251が配置されている。
排気通路30は、排気ポート10と連通し、燃焼室6で生成された既燃ガス(排気ガス)を車両の外部に排出する。排気通路30は、上流側排気通路31と下流側排気通路34とを含み、両通路31、34の間には、上流触媒コンバータ32及び下流触媒コンバータ33が設けられている。上流触媒コンバータ32には、排気ガス中に含まれる有害成分(HC、CO、NOx)を浄化するための三元触媒と、排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を捕集するためのGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)とが内蔵されている。下流触媒コンバータ33は、三元触媒やNOx触媒等の適宜の触媒を内蔵している。下流側排気通路34の下流端には、消音器35が取り付けられている。
ターボ過給機15は、吸気通路20側に配置されたコンプレッサ151と、排気通路30に配置されたタービン152とを含む。タービン152は、排気通路30を流れる排気ガスのエネルギーを受けて回転する。これに連動してコンプレッサ151が回転することにより、吸気通路20を流通する空気が圧縮(過給)される。
ブローバイ還流装置16は、ブローバイ取入口161、ブローバイ配管162及びブローバイ導入口163を含む。ブローバイ取入口161は、エンジン本体1の作動時に気筒2から周囲に流出する未燃焼の混合気であるブローバイガスを取り込む。ブローバイ配管162は、ブローバイ取入口161とブローバイ導入口163とを接続する配管である。ブローバイ導入口163は、下流側吸気通路24の適所に連通するように配置され、ブローバイガスを下流側吸気通路24に還流させるための開口である。
EGR装置36は、いわゆる高圧EGRを実現する装置であって、EGR通路361、EGRクーラ362及びEGR弁363を含む。EGR通路361は、排気通路30と吸気通路20とを接続する。詳しくは、ターボ過給機15の上流側に位置する上流側排気通路31と、インタークーラー23の下流側に位置する下流側吸気通路24とを接続している。EGRクーラ362は、排気通路30から吸気通路20に還流される排気ガス(EGRガス)を熱交換により冷却する。EGR弁363は、EGR通路361を流れる排気ガスの流量を調整する。なお、このEGR装置36が還流させるEGRガス、及び上述のブローバイガスは、凝縮水を発生させ易いガスである。
本実施形態では、吸気系統の一部とインタークーラー23とが一体化された吸気ユニット40(エンジンの吸気装置)とされ、当該吸気ユニット40がエンジン本体1に装着されている。吸気ユニット40に含まれる部分は、上流側吸気通路22におけるバルブユニット26より下流の通路、インタークーラー23、下流側吸気通路24、サージタンク251、吸気マニホールドとしての独立吸気通路25、EGR通路361の下流部分及びブローバイ導入口163である。
[エンジンの外観構造]
図2は、吸気ユニット40が装着されたエンジン本体1の外観を示す概略的な斜視図、図3は、吸気ユニット40の単体の正面図である。なお、図2、図3及び他の図において、前後、左右、上下の方向表示が付されている。これらの方向表示は説明の便宜上のものであって、必ずしも実際の方向とは合致せず、また本発明を限定的にするものではない。
吸気ユニット40は、エンジン本体1の前側面に組み付けられている。吸気ユニット40は、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気経路の一部を形成する吸気ハウジング41を含む。吸気ハウジング41のうち、図2及び図3には、上述した吸気通路20の下流側吸気通路24を区画する上下通路部431と、独立吸気通路25を区画する吸気マニホールド部432と、EGR通路361の下流部分を区画する膨出部433とが示されている。
インタークーラー23は、上下通路部431と吸気マニホールド部432とによって、その前面と上面とが包まれるように配置されている。上述したインタークーラー23のチャンバ51は、吸気ハウジング41の一部を構成している。インタークーラーコア52は、吸気ハウジング41に対して左方向への挿入並びに右方向への引き出しが可能である。吸気ユニット40への吸気導入口となるバルブユニット26は、インタークーラー23の右横に配置されている。吸気マニホールド部432の上部には、EGR装置36のEGRクーラ362及びEGR弁363が組み付けられている。
[吸気ユニットの内部構造]
続いて、吸気ユニット40の内部構造について説明する。図4は、図3のIV-IV線断面図、図5は、図3のV-V線断面図、図6は、図5のVI-VI線断面図、図7は、図5の要部拡大図であって図4のVII-VII線断面図である。吸気ハウジング41は、後方側の内側ハウジング42と、前方側の外側ハウジング43との結合体からなる。両ハウジング42、43は、溶着又はネジ止め等によって結合される、図7には、吸気ハウジング41の下端付近において互いに突き合わせ結合される、内側ハウジング42のフランジ部42Fと外側ハウジング43のフランジ部43Fとが示されている。
内側ハウジング42には、インタークーラー23のチャンバ51が形成されている。チャンバ51は、インタークーラーコア52を収容する略直方体の空間を区画している。チャンバ51は、大略的に上流側壁511、底壁512、上壁513、下流側壁514、右壁515及び左壁516によって構成され、これらの壁511~516は、インタークーラーコア52の上面、底面、後側面(上流側面52A)、前側面(下流側面52B)、右側面及び左側面と各々対向する。
チャンバ51内には直方体状のインタークーラーコア52が収容されると共に、上流室51A及び下流室51Bの空間が形成されている。インタークーラーコア52は、水冷のプレートタイプであり、冷却水が流通する蛇行状の冷却水流通路が内部に形成された複数枚のプレートと、これらプレート間に挟まれた冷却フィンとから構成される積層コア構造体である。インタークーラーコア52には、図略のウォーターポンプ及びラジエータを含む冷却水の循環系統が付設される。
上流側壁511は、チャンバ51の後面側の側壁であって、吸気通路20を流れる吸気流の上流側、つまりチャンバ51の入口側に位置する側壁である。下流側壁514は、チャンバ51の前面側(下流側)の側壁であって、チャンバ51の出口側に位置する側壁である。なお、上流側壁511は、チャンバ51の本体部分に対して後付けされる壁である。また、下流側壁514の一部は、後付けされる底蓋部材53によって構成されている。
底壁512及び上壁513は、それぞれチャンバ51の下面及び上面を区画する壁である。右壁515及び左壁516は、それぞれチャンバ51の右側面及び左側面を区画する壁である。右壁515(対向側壁)は、上流側壁511の右側端部と下流側壁514の右側端部とを接続する壁であり、後述の吸気導入部22Aと対向する側壁である。
図7に模式的に示すように、インタークーラーコア52の上端側及び下端側には、コア保持部が一定的に備えられている。すなわち、インタークーラーコア52の本体部分の上面には、当該本体部分の上面を保持する上側コア保持部521が取り付けられている。また、前記本体部分の下面には、当該下面を保持する下側コア保持部522が取り付けられている。既述の通り、インタークーラーコア52はチャンバ51に対して挿脱可能であり、上側コア保持部521及び下側コア保持部522には、前記挿脱を容易とするガイド部が形成されている。なお、上側コア保持部521及び下側コア保持部522は、インタークーラーコア52の本体部分とは異なり、通気性を具備しない部分である。
上側コア保持部521の上面及び下側コア保持部522の底面には、吸気流の漏れを防止するシール部材52Sが取り付けられている。シール部材52Sは、チャンバ51の底壁512とインタークーラーコア52の底面との間の隙間、及び、上壁513とインタークーラーコア52の上面との間の隙間を各々シールする。シール部材52Sはリップシールである。図5及び図7では、シール部材52Sのリップ部が伸長している状態が示されているが、実際には前記リップ部は圧潰されて前記隙間を塞ぐことになる。シール部材52Sの介在によって、吸気流がインタークーラーコア52を通過せずに下流に流れることが防止される。
上流室51Aは、インタークーラーコア52の上流側面52A(図7)に隣接する空間であって、上流側吸気通路22と連通している。上流側壁511は、インタークーラーコア52の上流側面52Aと所定間隔を置いて対向し、上流室51Aの空間を区画している。下流室51Bは、インタークーラーコア52の下流側面52Bに隣接する空間であって、下流側吸気通路24と連通している。下流側壁514は、インタークーラーコア52の下流側面52Bと所定間隔を置いて対向し、下流室51Bの空間を区画している。吸気は、上流側吸気通路22から上流室51Aに流入し、インタークーラーコア52を通過して下流室51Bに入り、しかる後、下流側吸気通路24へ送り出される。
上流側壁511は、偏流リブ60(偏流部)と流量調整部70とを備えている。偏流リブ60は、図7に示すように、吸気導入部22Aの導入口220と高さ方向に重複する領域において上下方向に延在し、上流室51Aの空間に突出している。流量調整部70は、図4に示すように、吸気導入部22Aに対して偏流リブ60よりも遠い位置(左側)においてインタークーラーコア52の上流側面52Aに向けて突設され、上流室51Aの空間を狭くする部材である。
下流側壁514は、図6及び図7に示すように、拡張空間80を区画する拡張区画部514Aを備えている。拡張空間80は、下流室51Bの空間を上側コア保持部521の下端部523よりも上方に拡張する空間である。拡張区画部514Aは、上壁513の前端側に位置する上壁延長部513Aと共に、拡張空間80を区画している。これら上流側壁511及び下流側壁514の構造については、後記でさらに詳述する。
図4を参照して、吸気ユニット40には吸気導入部22Aが一体的に備えられている。吸気導入部22Aは、上流側吸気通路22のうち、バルブユニット26よりも下流側に位置する部分である。吸気導入部22Aは、導入口220、第1部分221及び第2部分222を含み、上面視でクランク形状を有する通路を形成している。吸気導入部22Aは、上流室51Aと連通している。吸気導入部22Aは、吸気がインタークーラーコア52を通過する方向と直交(交差)する方向から、チャンバ51に吸気を導く。
導入口220は、バルブユニット26の右面開口であって、吸気ユニット40への吸気導入口である。導入口220の開口軸は、吸気のインタークーラーコア52の通過方向である前後方向と直交する左右方向を指向している。第1部分221は、導入口220から左方へ延びる通路であって、チャンバ51の右壁515(対向側壁)に向かう通路である。図7に模式的に示すように、導入口220及び第1部分221は、インタークーラーコア52の上方領域であって、前方寄りの位置に配置されている。第2部分222は、第1部分221の下流端から右壁515に沿って後方に延び、上流室51Aの右側端部に連通する通路である。第2部分222は、その下流端(後端)では、上流室51Aと同じ上下幅を有している。
一方、チャンバ51からの吸気の出口として、下流側壁514には、チャンバ51から吸気を下流側へ送り出す吸気送出開口54が設けられている。吸気送出開口54は、チャンバ51の下端領域に相当する位置(下流側壁514の下端付近)に配置されている。吸気送出開口54は、チャンバ51に導入されインタークーラーコア52を通過した吸気を、集約して下流側吸気通路24へ送出する開口である。ここで「集約」した送出とは、チャンバ51の出口側を全体的に開口し、ランダムに吸気を送出する態様ではないことを意味する。本実施形態では、チャンバ51からの吸気の出口開口を、下流側壁514の下端付近に形成された断面略半円形状の吸気送出開口54(図6)の範囲に限定し、その限られた開口範囲から吸気をまとまった流れとして送り出す。
チャンバ51の下面側には、下面開口55が備えられている。具体的には下面開口55は、下流室51Bに対応する位置において底壁512に開口している。図6に示すように、下面開口55は、チャンバ51におけるインタークーラーコア52の配置箇所の下流付近(前方付近)から吸気送出開口54の配置位置に至る領域と、上下方向に重複する位置に配置されている。なお、下面開口55は、チャンバ51の成形時に、スライド金型を挿脱する開口として利用される。
下面開口55は、底蓋部材53によって塞がれている。本実施形態では、この底蓋部材53が、吸気通路20(下流側吸気通路24)において発生する凝縮水の貯留部としての役目を果たす。すなわち、底蓋部材53は、前記凝縮水を貯留する貯留凹部531を備えている。貯留凹部531は、上面が開口したキャビティである。このキャビティは、下流室51Bの空間を下方に拡張している。上述の通り、下流側吸気通路24には凝縮水を発生させ易いEGRガス及びブローバイガスが導入される。貯留凹部531のキャビティは、所定量の凝縮水を貯留可能な容積に設定される。なお、貯留された凝縮水は、逐次、インタークーラーコア52を通る吸気流によって下流側吸気通路24に運び出される。
図8は、底蓋部材53の斜視図である。図8に示す矢印aは、チャンバ51から下流側吸気通路24へ向かう吸気流の流れ方向を示している。底蓋部材53は、上述の貯留凹部531のほか、第1リブ532、第2リブ533、連通溝534、一対の側面リブ535、536、上流壁537及び下流壁538を有している。
第1リブ532及び第2リブ533は、共に貯留凹部531のキャビティの底面から上方に突出するリブである。第1リブ532は、吸気流の方向に沿って前後に延びるリブである。第2リブ533は、吸気流の方向と直交(交差)する方向に延在している。連通溝534は、凝縮水の水位の一定化のため、複数の第1リブ532の並設によって前記キャビティ内に生じる小区画の相互間で、貯留された凝縮水の移動を可能とする溝である。一方の側面リブ535は底蓋部材53の左端側において、他方の側面リブ536は右端側において、貯留凹部531の周縁から上方へ各々立設されたリブである。
上流壁537は、貯留凹部531のキャビティの後面を区画している。下流壁538は、前記キャビティの前面を区画すると共に、貯留凹部531の周縁から上方へ延出する部分を備える壁である。下流壁538の上方延出部分には、吸気送出開口54の下縁部に対応した半円形状の切り欠き縁53Aが設けられている。貯留凹部531の周縁にはフランジ部539が設けられている。このフランジ部539が、底壁512における下面開口55の周縁部分に当接されると共に、溶着等によって固着されている。
図5に戻って、外側ハウジング43は、上下通路部431、吸気マニホールド部432及び膨出部433を含む。上下通路部431は、上下方向に直進的に延び、断面が半円形状の通路を区画している。上下通路部431の下端部434は、吸気送出開口54と対向する位置に配置されている。上下通路部431の上端は、後方へ湾曲する態様で、吸気マニホールド部432に連通している。
吸気マニホールド部432は、エンジン本体1が備える複数の気筒2に吸気を分配する経路を形成する部分であり、内部には図1に示した独立吸気通路25が複数備えられている。膨出部433は、上下通路部431の前方側壁部(外側壁部244)において、上下通路部431に沿って上下方向に膨出する部分である。図3を参照して、膨出部433は、上下通路部431の左右方向の中央付近に配置されている。膨出部433は、その下端部に左右に二叉に分岐する二叉下流端433Eを備える。二叉下流端433Eからは、断面半円形状の外側壁部244の外周に沿うように、左側流路部433L及び右側流路部433Rが各々左方向及び右方向に延びている。
図5に示すように、下流側吸気通路24は、吸気送出開口54に接続される上流端241と、この上流端241から上方へ延びる延出通路部242を備えている。上流端241は、内側ハウジング42の前方下端付近の部材によって区画される、吸気送出開口54の直下流部分である。延出通路部242は、上流端241からチャンバ51の下流側壁514に沿って上方に延び、サージタンク251に連なっている。延出通路部242における上流端241に連なる上流部分は、前方上方に向かうように90度程度湾曲した通路である。また、延出通路部242のサージタンク251に連なる下流部分は、後方斜め上方に湾曲した通路である。
上記の上下通路部431は、内側ハウジング42の一部と共に延出通路部242を区画している。延出通路部242は、チャンバ51側に位置する内側壁部243と、内側壁部243と対向する外側壁部244とで区画されている。膨出部433は、延出通路部242の前方側で上下に延びる、EGR通路361の下流部分(EGR弁363より下流部分)を区画している。上下通路部431の下端領域には、EGR通路361を下流側吸気通路24に合流させるためのEGR導入口45が、左右一対で開口している。これらのEGR導入口45へEGRガスを導く通路を形成しているのが、上記の左側流路部433L及び右側流路部433Rである。さらに、上下通路部431の下端領域であってEGR導入口45よりやや上方には、ブローバイガスを下流側吸気通路24に還流させるブローバイ導入口163が開口している。
[上流側壁の詳細]
続いて、インタークーラー23のチャンバ51における上流室51Aの空間を区画する上流側壁511について、上掲の図4及び図9に加え、図9及び図10を参照して詳述する。図9は、図4のIX-IX線断面図、図10は、図4のX-X線断面図である。既述の通り、吸気導入部22Aに近い右端付近に配置された偏流リブ60と、吸気導入部22Aに対して偏流リブ60よりも遠い位置に配置された流量調整部70と、を備える。
偏流リブ60は、平板状のリブ本体61と、このリブ本体61の下端である下端部62とを備えている。偏流リブ60は、クランク状の吸気導入部22Aを経て、チャンバ入口510(図4)から上流室51Aへ流入する吸気流を、インタークーラーコア52に指向させるために配置されている。偏流リブ60は、チャンバ入口510の近傍において上流側壁511の内壁面から突設されている。偏流リブ60の突設方向は前方であり、前記内壁面に対して垂直に立設されている。また、偏流リブ60は、直線状に上下方向に延びている。チャンバ入口510は、右壁515の後端側に設けられた開口であって、吸気導入部22Aから送られる吸気が、チャンバ51内に入る開口である。チャンバ入口510は、インタークーラーコア52の上下幅とほぼ等しい上下幅を有している(図7)。
偏流リブ60の左右方向の配置位置は、本実施形態ではチャンバ入口510から上流室51Aの左右幅の1/6程度の位置である。前記配置位置がチャンバ入口510に近すぎると、上流室51Aへの吸気流の流入自体を阻害する傾向があり、遠すぎると、吸気流をインタークーラーコア52に指向させる効果が薄れる傾向がある。このため、偏流リブ60の左右方向の配置位置は、チャンバ入口510から上流室51Aの左右幅の1/3~1/8程度の範囲から選択することが望ましい。
偏流リブ60の上下幅は、本実施形態では図10に示す通り、上流室51Aの上下幅の1/2程度である。すなわち、偏流リブ60は、上流室51Aの上端から下方に延び、下端部62が上流室51Aの概ね上下方向の中間点に位置するように、上流側壁511に立設されている。これは、チャンバ入口510から流入する吸気のうち、専ら上流室51Aの上方領域へ入り込む吸気を偏流リブ60に吹き当てて、インタークーラーコア52の上流側面52Aへ向かわせることを企図していることによる。なお、偏流リブ60の上下位置は、吸気導入部22Aの導入口220(図7)の高さ位置に対応した位置でもある。本実施形態では下端部62は、後述する流量調整部70の突壁71の上端部71Aに対応する高さ位置まで延在している。
偏流リブ60の下端部62の位置が過度に上流室51Aの下方まで延在していると、吸気流を上流室51Aの左奥まで進入させ難い傾向が出る。一方、下端部62の位置が上方過ぎると、吸気流のインタークーラーコア52へのガイド効果が薄れる傾向が出る。このため、偏流リブ60の下端部62の位置は、上流室51Aの上端から上流室51Aの上下幅の1/4~3/4程度の範囲に設定することが望ましい。また、リブ本体61の立設高さは、上流室51Aの前後幅の1/4~3/4程度の範囲に設定することが望ましい。
流量調整部70は、上流室51Aの空間を部分的に狭くし、当該部分の吸気流れの抵抗を増加させるために配置されている。本実施形態では流量調整部70は、上流側壁511の内壁面から前方へ突設された突壁71を含む。突壁71の配置位置は、上流室51Aの下方領域であって、下流室51Bの吸気送出開口54(図6)と前後方向に対向する領域である。また、偏流リブ60との関係では、リブ本体61よりも僅かに左方の位置に突壁71の右側縁が位置している。
突壁71は、前側からの平面視(図10)で左右に長い矩形形状を有している。突壁71の最も前方へ突出した部分は、インタークーラーコア52の上流側面52Aと略平行な略矩形の突出平面である。図7,図9に示されているように、突壁71の前端突出平面は、上述のリブ本体61の突出端よりもさらに前方に突出した位置にある。本実施形態では、突壁71が配置された部分において、上流室51Aの空間の前後幅は、他の部分に比べて1/2~1/3程度に狭くなっている。突壁71は、通気抵抗をどの程度増加させるかによって、その突出高さを選定することができ、リブ本体61よりも突出高さが小さくても良い。例えば、突壁71の突出高さは、上流室51Aの前後幅の1/4~3/4の範囲から設定することができる。
流量調整部70は、突壁71の上方に連設されたテーパ壁72をさらに備えている。テーパ壁72は、上方に向かうに連れて、上流室51Aの前後方向の空間を徐々に広くするように上方に向けて延びる壁である。すなわち、テーパ壁72の最下端は、突壁71の上端部71Aに連なり、テーパ壁72の最上端は上流側壁511の上端付近に連なっている。そして、前記最下端から前記最上端までの中間部は、上方に向かうほど徐々に突出高さが緩やかに小さくなるように傾斜した傾斜面である。
突壁71の右方、左方及び下方には、それぞれ右側壁73、左側壁74及び下側壁75が連設されている。右側壁73、左側壁74及び下側壁75は、テーパ壁72のように緩やかな傾斜面ではなく、比較的急峻に傾斜した傾斜面を形成している。なお、右側壁73及び左側壁74は、テーパ壁72の右方及び左方まで延びている。偏流リブ60とテーパ壁72の左側壁74との間には、吸気を上方へ向かわせる通路となる、所定幅の隙間部Gが設けられている。
以上説明したような偏流リブ60及び流量調整部70が上流側壁511に設けられることで、吸気を上流室51A全体に行き渡らせ、インタークーラーコア52の上流側面52Aの全面から満遍なく吸気を進入させることができる。すなわち、吸気導入部22Aから進入する吸気流の一部を偏流リブ60でインタークーラーコア52へ指向させる。また、残部の吸気流を、流量調整部70による通気抵抗の調整効果で、偏流リブ60よりも左方側の上流室51Aの空間全体に行き渡らせることができる。この点については、図12、図13に基づき、後記で詳述する。
[下流側壁の詳細]
次に、下流室51Bの空間を区画する下流側壁514について、主に図6及び図7を参照して説明する。既述の通り本実施形態では、下流室51Bの上方に、当該下流室51Bの空間を上方に拡張する拡張空間80が備えられている。下流側壁514は、この拡張空間80を区画する拡張区画部514Aを備えている。
拡張空間80の左右幅は、図6に示すように、下流室51Bの左右幅よりも狭幅であり、吸気送出開口54の左右幅よりもやや広幅である。また、拡張空間80の前後幅は、図7に示すように、下流室51Bの前後幅よりもやや狭幅である。拡張空間80が形成されている高さ位置は、インタークーラーコア52の上側コア保持部521が配置されている高さ位置と等しい位置である。
拡張空間80は、拡張区画部514A、上壁延長部513A及び天壁部513Bによって区画されている。拡張区画部514Aは、下流側壁514のうち、インタークーラーコア52と対向する領域の上方に位置する部分である。上壁延長部513Aは、上壁513の前端付近から下方へ垂下した壁である。天壁部513Bは、上壁513の前端からさらに前方へ延び出した壁であり、拡張区画部514Aに繋がっている。拡張空間80の形成によって、下流室51Bの空間が、上側コア保持部521の下端部523よりも上方に拡張している。
一般に、空気を通過させて熱交換を行うインタークーラーコア52とは異なり、上側コア保持部521は通気性を具備しない。下流室51Bは、インタークーラーコア52を通過した吸気のその後の流路を提供するものであるので、下流室51Bの空間を上側コア保持部521の配置位置まで拡張させる必要はない。しかし、本実施形態では、あえて拡張空間80を設けて、下流室51Bの空間を上側コア保持部521に対応する位置まで拡張している。これにより、下流室51Bの上端付近の通気抵抗を小さくし、吸気流がインタークーラーコア52の下流且つ上端付近を通過させ易くしている。
なお、底蓋部材53の貯留凹部531のキャビティによって、下流室51Bの空間が下方に拡張されていることは先述した通りである。これにより、下流室51Bの下端付近の通気抵抗も小さくし、吸気流がインタークーラーコア52の下端付近を通過させ易くしている。また、チャンバ51の成形時において、底蓋部材53によってやがて塞がれる下面開口55を、拡張空間80を区画する壁部の成形用のスライド金型の通し孔として活用することができる。
下流側壁514は、主壁面5141と、主壁面5141の左右両側に連設されているサイド壁面5142とを備えている。主壁面5141は、下流側壁514の左右方向の中央領域に位置しており、その上端には拡張区画部514Aが連設され、下端には吸気送出開口54を区画する上縁部541が備えられている。図7から明らかな通り、主壁面5141は、インタークーラーコア52の下流側面52Bに対する間隔が下方に向かうほど広くなるように、下流室51Bの空間を区画している。一方、サイド壁面5142は、下流側面52Bと略平行に下方に延びる壁面である。
このような主壁面5141とサイド壁面5142とによって、下流側壁514には上下方向に延びる、浅く広幅のガイド溝が形成されている。このガイド溝は、インタークーラーコア52の上方領域を通過した吸気が吸気送出開口54へ向かう際の通気抵抗を小さくすることに貢献している。このため、インタークーラーコア52の全域から吸気をスムースに下流側吸気通路24へ送り出すことができる。
[吸気の挙動]
図11は、図5の要部拡大図であって、インタークーラー23を通過する吸気流Fwを示す図である。吸気ユニット40に取り入れられた吸気は、上流側吸気通路22の吸気導入部22Aかららチャンバ51の上流室51Aに入る。上流室51Aは、インタークーラーコア52の上下幅及び左右幅の全長に亘って延びる空間である。さらに本実施形態では、吸気を上流室51A全体に分散させる偏流リブ60及び流量調整部70が備えられている。このため、吸気流Fwは、インタークーラーコア52の上下及び左右の全域を通過し、下流室51Bに至る。この通過の際、吸気流Fwは、インタークーラーコア52の上記冷却フィンと熱交換し、冷却されることになる。
下流室51Bから下流側吸気通路24へ向かう経路は、吸気送出開口54を通る経路に限定されている。そして、吸気送出開口54は、チャンバ51の下端領域に配置されている。このため、インタークーラーコア52から下流室51Bに進入した吸気流Fwは、吸気送出開口54へ向かうよう集約され、まとまった流れとなる。これにより、インタークーラーコア52を通過した吸気流が無秩序に下流側吸気通路24へ流入することが防止される。吸気送出開口54を通過した後、吸気流Fwは下流側吸気通路24に入る。すなわち、吸気流Fwは、吸気送出開口54に接続される上流端241から、上方へ湾曲して延びる延出通路部242に入る。なお、このような吸気流Fwは、気筒2での燃焼動作の実行によって当該気筒2が負圧化されることに伴って専ら形成される。
吸気送出開口54を出た後、吸気流Fwは二次流れの渦流を伴う流動主流を形成し、下流側吸気通路24(延出通路部242)を上方へ進む。左右一対のEGR導入口45からはEGRガスが、ブローバイ導入口163からはブローバイガスが、各々延出通路部242へ導入される。これらEGRガス及びブローバイガスは、吸気流Fwの流動主流に吹き当たり、吸気とミキシングされてエンジン本体1へ向かう。
図12は、図4と同じ断面図に、吸気導入部22Aからチャンバ51へ入り込む吸気流F1を示した図である。本実施形態では、図12の断面視において、吸気流がインタークーラーコア52を通過する方向は前後方向(後ろから前へ向かう方向)である。一方、吸気導入部22Aは、その前後方向と直交(交差)する左右方向(右から左へ向かう方向)に吸気を導入する。このような導入構造は、吸気流のインタークーラーコア52の通過方向と同方向から吸気を導入する場合に比べて、本来的に吸気流がインタークーラーコア52に向かい難い構造であると言える。
吸気流F1は、導入口220から吸気ユニット40に導入される。次いで吸気流F1は、吸気導入部22Aの第1部分221に導かれる。導入口220及び第1部分221は、図7に示した通り、インタークーラーコア52の上方領域に対応する高さ位置に配置されている。第1部分221に導かれた吸気流F1は、チャンバ51の右壁515(対向側壁)に突き当たり、流動の勢いが抑制された状態で第2部分222に沿って後方へ向かう。第2部分222の下流端(後端)は、上流室51Aと同じ上下幅を有しているので、吸気流F1も第2部分222の通路内において下方へ拡散可能である。そして、吸気流F1は、チャンバ入口510から上流室51Aに流入する。このようなクランク形状を有する吸気導入部22Aが採用されている場合、専ら気筒2での吸引動作によって生じる負圧に引っ張られて吸気流F1が形成される状態となる。つまり、クランク形状の吸気導入部22Aは、吸気ユニット40のコンパクト化には貢献するが、吸気流F1をインタークーラーコア52に積極的に流入し難くしている。
しかし、本実施形態の吸気ユニット40では、チャンバ51の上流側壁511に偏流リブ60が設けられているので、上流室51Aに流入した吸気流F1をインタークーラーコア52に指向させることができる。すなわち、偏流リブ60は上流側壁511の内壁面から前方向に突出するガイド面として機能する。少なくともインタークーラーコア52の上方領域において、吸気流F1を偏流リブ60にガイドさせて流動方向を前方向へ偏向させることができる。また、偏流リブ60の下方を通して、吸気流F1の一部を上流室51Aの奥部領域(左方領域)に向かわせることができる。
図13は、図10と同じ断面図に、吸気流れを示した図である。本実施形態では、上記の通り吸気導入部22Aがインタークーラーコアの上方領域に対向して配置され、吸気送出開口54がチャンバ51の下流側壁514の下端付近に配置されている。このため、吸気流が、インタークーラーコア52の上流側面52Aの上方領域から、下流側面52Bの下方領域へ向けて短絡的に流れる傾向が出る。しかし、本実施形態では、流量調整部70によって上流室51Aの空間の前後幅を狭くした部分を形成し、通気抵抗を調整することによって吸気流を分散可能な構造とされている。
上流室51Aに流入した吸気流F1は、上述の通り偏流リブ60によって前方にガイドされインタークーラーコア52へ向かうが、その一部は偏流リブ60によって下方にガイドされ、上流室51Aの下方に向かう吸気流F2となる。吸気流F2は、偏流リブ60の下端部62の下方領域を通って左方へ流れ、流量調整部70の突壁71が区画する空間へ入り込もうとする。なお、吸気導入部22Aの第2部分222の下方領域から上流室51Aへ進入し、偏流リブ60でガイドされない吸気流F11も、吸気流F2と同じルートを進む。
しかし、突壁71が配置されている領域は、上流室51Aの空間が狭くされることによって、吸気流の通気抵抗が増加する構造とされている。このため、より通気抵抗の低い領域へ向かおうとする吸気流が発生する。本実施形態では、通気抵抗の低い領域は、突壁71の上方のテーパ壁72の領域である。従って、突壁71の領域に向かった吸気流F2の一部は、そのまま左方に流れる吸気流F31となるが、残部は突壁71の領域からテーパ壁72の領域へ向けて上方向へ流れる吸気流F32となる。テーパ壁72は、上方に向かうに連れ徐々に前後方向の空間幅が広くなる形状を備えるので、吸気流F32はスムースに上方へ向かうことができる。つまり、偏流リブ60の配置によって見かけ上は左方への吸気流がブロックされるが、流量調整部70の配置によって結果的に偏流リブ60の裏側(左方側)にも吸気流を回り込ませる(分散させる)ことができる。
また、偏流リブ60とテーパ壁72との間には、所定幅の隙間部Gが設けられている。この隙間部Gの領域は、前後方向の空間幅が広い領域であるので通気抵抗は小さい。このため、隙間部Gは吸気流が流れ易い領域となり、吸気流F2の一部は、偏流リブ60の下端部62を迂回して上方へ向かう吸気流F33となる。その後、吸気流F33は、吸気流F32と合流し、上流室51Aの上方領域において左方へ向かう吸気流F34となる。なお、吸気流F34には、偏流リブ60を乗り越えた吸気流も含まれる。吸気流F2、F11の一部は、そのままインタークーラーコア52に進入する吸気流F35となる。他の吸気流F31,F32,F33,F34も、上流室51Aの各所へ分散後、いずれはインタークーラーコア52内に進入する。
本実施形態では、吸気送出開口54がチャンバ51の下端部に偏在して設置され、偏った吸気流が形成され易いレイアウトが採用されている。しかし、偏流リブ60の配置によって吸気流に指向性を持たせると共に、流量調整部70の配置によって吸気流を上流室51Aの全域に行き渡らせることができるので、インタークーラーコア52での吸気の分散性を高めることができる。従って、インタークーラーコア52の全容積を活用した吸気の冷却を行うことができ、インタークーラー23に十分な吸気冷却性能を発揮させることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
(1)上記実施形態では、本発明の偏流部の一例として偏流リブ60を例示した。偏流部は、吸気流の流れ方向を変える或いはガイドする機能を具備する限りにおいて、その実施態様に制限はない。例えば、上流側壁511の一部を隆起させる、或いは段差部を設けることによって形成された偏流部であっても良い。
(2)上記実施形態では、流量調整部70として、平坦な突出平面を有する突壁71を例示した。流量調整部70は、上流室51Aの空間を狭くすることによって、上流室51A内の通気抵抗の調整が行えるものであれば良く、平坦な突出平面を具備しない態様であっても良い。例えば、突壁71に対応する領域を囲うようにリブを配置する、或いは格子状にリブを配列してなる流量調整部70とすることができる。
(3)上記実施形態では、突壁71の上方にテーパ壁72を設ける例を示した。このテーパ壁72を省くようにしても良い。また、偏流リブ60の下端部62が突壁71の上端部71Aとほぼ同じ高さとされている例を示したが、下端部62をより下方へ延伸し、突壁71と高さ方向に重複する部分を具備させても良い。
(4)上記実施形態では、多気筒のターボ付ガソリンエンジンに本発明に係る吸気装置を適用した例を示した。本発明に係る吸気装置は、ディーゼルエンジンにも適用することができ、また、ターボ過給機15を備えていないエンジンにも適用することができる。