JP7287292B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気通路の途中にインタークーラーを備えたエンジンの吸気装置に関する。
エンジン本体に供給する吸気を冷却するインタークーラーと、排気ガスの一部を還流させるEGR装置と、エンジン本体から発生するブローバイガスを還流させるブローバイ還流装置とを備えたエンジンの吸気装置が知られている(例えば特許文献1)。前記EGRガスやブローバイガスには凝縮水が含まれている。前記凝縮水が過度にエンジン本体の気筒へ送られてしまうと、エンジン失火の原因となり得る。このため、特許文献1の吸気装置では、インタークーラーよりも下流側の吸気通路にバッフルプレートを設けている。
特開2015-124687号公報
特許文献1の吸気装置では、インタークーラーコアを収容するチャンバから吸気を下流側の吸気通路に送出するチャンバ出口が大きく開口している(特許文献1の図6)。このため、インタークーラーコアを通過した吸気は、ランダムに下流側吸気通路へ向かうことになり、規則的な吸気流が形成され難い傾向が出る。具体的には、チャンバの上方側を通過した吸気と下方側を通過した吸気とが干渉し、企図する吸気流が形成されない場合が生じ得る。上記のバッフルプレートは、前記下流側吸気通路の内壁面に突設されているが、不規則な吸気流が形成された場合にはバッフルプレートが凝縮水を適正にトラップできない不具合が生じる。
本発明の目的は、吸気通路内で生じる凝縮水を過度にエンジン本体へ向かわせないようにすることができるエンジンの吸気装置を提供することにある。
本発明の一局面に係るエンジンの吸気装置は、チャンバと、前記チャンバの内部に収容されたインタークーラーコアと、を含むインタークーラーと、前記チャンバよりも下流に位置する下流側吸気通路を含み、前記チャンバを通して吸気をエンジン本体へ導く吸気通路と、を備え、前記チャンバは、当該チャンバに導入され前記インタークーラーコアを通過した吸気を、前記下流側吸気通路へ送出する吸気送出開口を有する側壁と、前記下流側吸気通路において発生する凝縮水を貯留する貯留部と、を含み、前記吸気送出開口は、前記側壁の下方領域に配置され、前記貯留部は、前記吸気送出開口の下方であって、前記インタークーラーコアと上下方向に一部重複する位置関係で配置されている。
この吸気装置によれば、チャンバから吸気送出開口を通して下流側吸気通路へ向かう吸気流は、貯留部に貯留される凝縮水のうち、専らインタークーラーコアと上下方向に重複していない領域に存在している凝縮水だけと接触する。このため、吸気流の流動によって運び出される凝縮水の量を適正化することができる。すなわち、一般にインタークーラーコアはフィンの積層体構造を備えており、吸気流が当該インタークーラーコアを通過する際の通気抵抗は大きく、吸気流が周囲へ拡散し難くなる。このため、前記貯留部におけるインタークーラーコアと上下方向に重複する領域を、吸気流は通過し難くなる。従って、吸気流と貯留部に貯留された凝縮水との接触を制限し、当該吸気流が貯留部から運び出す凝縮水量を適量に抑制することが可能となる。
上記のエンジンの吸気装置において、前記下流側吸気通路を区画する壁部は、前記エンジン本体から排出される排気ガスの一部をEGRガスとして前記下流側吸気通路に還流させるEGR導入口を有する構造とすることができる。
若しくは、前記下流側吸気通路を区画する壁部は、前記エンジン本体から発生する未燃のガスをブローバイガスとして前記下流側吸気通路に還流させるブローバイ導入口を有する構造とすることができる。
これらの吸気装置によれば、EGRガスに含まれる凝縮水、若しくは、ブローバイガスに含まれる凝縮水を前記貯留部において回収すると共に、吸気流に乗せて適量の凝縮水をエンジン本体へ向かわせることができる。
上記のエンジンの吸気装置において、前記チャンバは、前記インタークーラーコアの下方に位置する底壁を有し、前記インタークーラーコアは、前記底壁と当該インタークーラーコアの底面との間の隙間をシールするシール部材を介して、前記底壁に支持されていることが望ましい。
この吸気装置によれば、インタークーラーコアの底面とチャンバの底壁との間に生じ得る隙間が、シール部材によってシールされる。従って、吸気流が前記隙間を通して、貯留部におけるインタークーラーコアと上下方向に重複する領域に至らないようにすることができる。
上記のエンジンの吸気装置において、前記貯留部は、上面が開口したキャビティに前記凝縮水を貯留するものであって、前記キャビティの底面には、上方へ突出するリブが備えられていることが望ましい。
この吸気装置によれば、リブがキャビティに貯留された凝縮水の揺れを抑制する。このため、エンジン本体が搭載された車両の走行振動が生じた場合でも、前記キャビティにおける水面乱れを規制し、吸気流による凝縮水の過度の運び出しを抑制することができる。
この場合、前記リブは、前記チャンバから前記下流側吸気通路へ向かう吸気流の方向と交差する方向に延在していることが望ましい。
この吸気装置によれば、吸気流の流れ方向にリブが対向する態様となる。このため、吸気流の流れ方向における凝縮水の振動が抑制され、より効率的に吸気流による凝縮水の過度の運び出しを抑制することができる。
上記のエンジンの吸気装置において、前記チャンバは、その下面側に、前記インタークーラーコアの配置箇所の一部から吸気送出開口の配置位置に至る領域と上下方向に重複する位置に下面開口を備え、前記貯留部は、前記下面開口を塞ぐ蓋体を兼ねていることが望ましい。
この吸気装置によれば、チャンバと吸気通路とを型成形によって製造する場合に、前記下面開口を設けることで、当該型成形の容易化を図ることができる。また、貯留部が前記下面開口の蓋体となるので、当該貯留部を別体として所望の形状に成形し易くなる。さらに、貯留部の交換を要する場合には、その交換作業を容易化することができる。
本発明によれば、吸気通路内で生じる凝縮水を過度にエンジン本体へ向かわせないようにすることができる。従って、凝縮水が過度にエンジン本体の気筒へ送られてしまことに起因する、エンジン失火を未然に防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る吸気装置が適用されるエンジンのエンジンシステム図である。 図2は、本発明の実施形態に係る吸気装置が適用されたエンジンの外観を示す概略的な斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る吸気装置の正面図である。 図4は、図3のIV-IV線断面図である。 図5は、図3のV-V線断面図である。 図6は、図5の要部拡大図である。 図7は、チャンバの底蓋部材の斜視図である。 図8は、図5のVIII-VIII線断面図である。 図9は、吸気ハウジングの外側ハウジングを取り外した状態の、吸気装置の正面図である。 図10は、図3のX-X線断面図である。 図11は、仕切り板の斜視図である。 図12は、図5の要部拡大図であって、インタークーラーを通過する吸気流を示す図である。 図13は、比較例1の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。 図14は、比較例2の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。 図15は、本実施形態の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。 図16は、比較例3の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。
[エンジンの全体構成]
以下、図面を参照して、本発明に係るエンジンの吸気装置について詳細に説明する。まず、図1に示すシステム図を参照して、本発明に係るエンジンの吸気装置が適用されるエンジンシステムSの全体構成を説明する。図1に示されるエンジンシステムSは、走行用の動力源として車両に搭載される、4サイクル多気筒のターボ付ガソリンエンジンである。エンジンの駆動方式はFF又はFRとすることができる。
エンジンシステムSは、エンジン本体1と、外気(吸気)をエンジン本体1へ導く吸気通路20と、エンジン本体1から排出される排気ガスが流通する排気通路30と、排気通路30を流れる排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路20に還流するEGR装置36と、吸気通路20に配置されるインタークーラー23と、ブローバイガスを吸気通路20に還流するブローバイ還流装置16とを備えている。本実施形態では、上掲の吸気通路20及びインタークーラー23が、本発明に係る吸気装置を構成する。
エンジン本体1は、気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、気筒2内に収容されたピストン5とを有している。エンジン本体1は、例えば4つの気筒を有する多気筒型のものであるが、図1では簡略化のため、1つの気筒2のみを図示している。ピストン5は、所定のストロークで往復摺動可能に気筒2内に収容されている。ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動に応じて中心軸回りに回転駆動される。
ピストン5の上方には燃焼室6が区画されている。燃焼室6は、シリンダヘッド4の下面、気筒2及びピストン5の冠面によって形成されている。シリンダヘッド4には、燃焼室6に燃料(主にガソリン)を噴射するインジェクタ13と、インジェクタ13から燃焼室6に噴射された燃料と燃焼室6に導入された空気とが混合された混合気に点火する点火プラグ14とが設けられている。前記混合気が燃焼室6で燃焼され、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。
シリンダヘッド4には、燃焼室6と連通する吸気ポート9及び排気ポート10が形成されている。シリンダヘッド4の下面には、吸気ポート9の下流端である吸気側開口と、排気ポート10の上流端である排気側開口とが形成されている。シリンダヘッド4には、前記吸気側開口を開閉する吸気弁11と、前記排気側開口を開閉する排気弁12とが組み付けられている。
吸気通路20は、吸気ポート9と連通し、インタークーラー23を通して各気筒2に吸気を供給する経路である。吸気通路20の上流端から取り込まれた空気は、吸気通路20及び吸気ポート9を通して燃焼室6に導入される。吸気通路20には、その上流側から順に、エアクリーナ21、ターボ過給機15、バルブユニット26及びインタークーラー23が配置されている。
エアクリーナ21は、吸気中の異物を除去して吸気を清浄化する。バルブユニット26はスロットルバルブ261を含む。スロットルバルブ261は、図略のアクセルの踏み込み動作と連動して吸気通路20を開閉し、吸気通路20における吸気の流量を調整する。ターボ過給機15は、吸気を圧縮しつつ吸気通路20の下流側へ当該吸気を送り出す。
インタークーラー23は、ターボ過給機15により圧縮された吸気を冷却する。インタークーラー23は、水冷式であって、吸気通路20に割り入れられるチャンバ51と、このチャンバ51の内部に収容されたインタークーラーコア52とを含む。吸気通路20は、チャンバ51よりも上流に位置する上流側吸気通路22と、チャンバ51よりも下流に位置する下流側吸気通路24とを備えている。下流側吸気通路24の下流端は、吸気マニホールドに備えられている独立吸気通路25に接続されている。独立吸気通路25の直上流には、複数の気筒2に吸気を均等に配分するための空間を提供するサージタンク251が配置されている。
排気通路30は、排気ポート10と連通し、燃焼室6で生成された既燃ガス(排気ガス)を車両の外部に排出する。排気通路30は、上流側排気通路31と下流側排気通路34とを含み、両通路31、34の間には、上流触媒コンバータ32及び下流触媒コンバータ33が設けられている。上流触媒コンバータ32には、排気ガス中に含まれる有害成分(HC、CO、NOx)を浄化するための三元触媒と、排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を捕集するためのGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)とが内蔵されている。下流触媒コンバータ33は、三元触媒やNOx触媒等の適宜の触媒を内蔵している。下流側排気通路34の下流端には、消音器35が取り付けられている。
ターボ過給機15は、吸気通路20側に配置されたコンプレッサ151と、排気通路30に配置されたタービン152とを含む。タービン152は、排気通路30を流れる排気ガスのエネルギーを受けて回転する。これに連動してコンプレッサ151が回転することにより、吸気通路20を流通する空気が圧縮(過給)される。
ブローバイ還流装置16は、ブローバイ取入口161、ブローバイ配管162及びブローバイ導入口163を含む。ブローバイ取入口161は、エンジン本体1の作動時に気筒2から周囲に流出する未燃焼の混合気(未燃のガス)であるブローバイガスを取り込む。ブローバイ配管162は、ブローバイ取入口161とブローバイ導入口163とを接続する配管である。ブローバイ導入口163は、下流側吸気通路24の適所に連通するように配置され、ブローバイガスを下流側吸気通路24に還流させるための開口である。
EGR装置36は、いわゆる高圧EGRを実現する装置であって、EGR通路361、EGRクーラ362及びEGR弁363を含む。EGR通路361は、排気通路30と吸気通路20とを接続する。詳しくは、ターボ過給機15の上流側に位置する上流側排気通路31と、インタークーラー23の下流側に位置する下流側吸気通路24とを接続している。EGRクーラ362は、排気通路30から吸気通路20に還流される排気ガス(EGRガス)を熱交換により冷却する。EGR弁363は、EGR通路361を流れる排気ガスの流量を調整する。なお、このEGR装置36が還流させるEGRガス、及び上述のブローバイガスは、凝縮水を発生させ易いガスである。
本実施形態では、吸気系統の一部とインタークーラー23とが一体化された吸気ユニット40(エンジンの吸気装置)とされ、当該吸気ユニット40がエンジン本体1に装着されている。吸気ユニット40に含まれる部分は、上流側吸気通路22におけるバルブユニット26より下流の通路、インタークーラー23、下流側吸気通路24、サージタンク251、吸気マニホールドとしての独立吸気通路25、EGR通路361の下流部分及びブローバイ導入口163である。
[エンジンの外観構造]
図2は、吸気ユニット40が装着されたエンジン本体1の外観を示す概略的な斜視図、図3は、吸気ユニット40の単体の正面図である。なお、図2、図3及び他の図において、前後、左右、上下の方向表示が付されている。これらの方向表示は説明の便宜上のものであって、必ずしも実際の方向とは合致せず、また本発明を限定的にするものではない。
吸気ユニット40は、エンジン本体1の前側面に組み付けられている。吸気ユニット40は、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気経路の一部を形成する吸気ハウジング41を含む。吸気ハウジング41のうち、図2及び図3には、上述した吸気通路20の下流側吸気通路24を区画する上下通路部431と、独立吸気通路25を区画する吸気マニホールド部432と、EGR通路361の下流部分を区画する膨出部433とが示されている。
インタークーラー23は、上下通路部431と吸気マニホールド部432とによって、その前面と上面とが包まれるように配置されている。上述したインタークーラー23のチャンバ51は、吸気ハウジング41の一部を構成している。インタークーラーコア52は、吸気ハウジング41に対して左方向への挿入並びに右方向への引き出しが可能である。吸気ユニット40への吸気導入口となるバルブユニット26は、インタークーラー23の右横に配置されている。吸気マニホールド部432の上部には、EGR装置36のEGRクーラ362及びEGR弁363が組み付けられている。
[吸気ユニットの内部構造]
続いて、吸気ユニット40の内部構造について説明する。図4は、図3のIV-IV線断面図、図5は、図3のV-V線断面図、図6は、図5の要部拡大図である。吸気ハウジング41は、後方側の内側ハウジング42と、前方側の外側ハウジング43との結合体からなる。両ハウジング42、43は、溶着又はネジ止め等によって結合される、図6には、吸気ハウジング41の下端付近において互いに突き合わせ結合される、内側ハウジング42のフランジ部42Fと外側ハウジング43のフランジ部43Fとが示されている。
内側ハウジング42には、インタークーラー23のチャンバ51が形成されている。チャンバ51は、インタークーラーコア52を収容する略直方体の空間を区画している。チャンバ51は、大略的に上流側壁511、底壁512、上壁513、下流側壁514、右壁515及び左壁516によって構成され、これらの壁511~516は、インタークーラーコア52の上面、底面、後側面、前側面、右側面及び左側面と各々対向する。
上流側壁511は、チャンバ51の後面側の側壁であって、吸気通路20を流れる吸気流の上流側、つまりチャンバ51の入口側に位置する側壁である。下流側壁514は、チャンバ51の前面側(下流側)の側壁であって、チャンバ51の出口側に位置する側壁である。底壁512及び上壁513は、それぞれチャンバ51の下面及び上面を区画する壁である。右壁515及び左壁516は、それぞれチャンバ51の右側面及び左側面を区画する壁である。なお、上流側壁511は、チャンバ51の本体部分に対して後付けされる壁である。また、下流側壁514の一部は、後付けされる底蓋部材53によって構成されている。
チャンバ51内には直方体状のインタークーラーコア52が収容されると共に、上流室51A及び下流室51Bの空間が形成されている。インタークーラーコア52は、水冷のプレートタイプであり、冷却水が流通する蛇行状の冷却水流通路が内部に形成された複数枚のプレートと、これらプレート間に挟まれた冷却フィンとから構成される積層コア構造体である。インタークーラーコア52には、図略のウォーターポンプ及びラジエータを含む冷却水の循環系統が付設される。
図示は省いているが、インタークーラーコア52の上端側及び下端側には、当該インタークーラーコア52の本体部分の上面及び底面を各々保持するコア保持部が一定的に備えられている。また、インタークーラーコア52の上面側及び底面側には、吸気流の漏れを防止するシール部材52Sが取り付けられている。シール部材52Sは、チャンバ51の底壁512とインタークーラーコア52の底面との間の隙間、及び、上壁513とインタークーラーコア52の上面との間の隙間を各々シールする。シール部材52Sはリップシールである。図5及び図6では、シール部材52Sのリップ部が伸長している状態が示されているが、実際には前記リップ部は圧潰されて前記隙間を塞ぐことになる。すなわち、前記底面側では、インタークーラーコア52は、シール部材52Sを介して底壁512に支持されることになる。シール部材52Sの介在によって、吸気流がインタークーラーコア52を通過せずに下流に流れることが防止される。
上流室51Aは、インタークーラーコア52の上流側面52Aに隣接する空間であって、上流側吸気通路22と連通している。上流側壁511は、上流側面52Aと所定間隔を置いて対向し、上流室51Aの空間を区画している。下流室51Bは、インタークーラーコア52の下流側面52Bに隣接する空間であって、下流側吸気通路24と連通している。下流側壁514は、下流側面52Bと所定間隔を置いて対向し、下流室51Bの空間を区画している。吸気は、上流側吸気通路22から上流室51Aに流入し、インタークーラーコア52を通過して下流室51Bに入り、しかる後、下流側吸気通路24へ送り出される。
図4を参照して、吸気ユニット40には、バルブユニット26よりも下流側の上流側吸気通路22が備えられている。バルブユニット26の右面開口が、吸気ユニット40への吸気導入口である。この吸気導入口から吸気は左方に向かう方向に取り入れられる。すなわち、上面視において、吸気がインタークーラーコア52を通過する方向と直交(交差)する方向から、吸気が吸気ユニット40に取り入れられる。その後、吸気は、後方及び左方に順次曲がるクランク状に形成された上流側吸気通路22の下流端部分を経て、上流室51Aに流入する。
下流側壁514(側壁)には、チャンバ51から吸気を下流側へ送り出す吸気送出開口54が設けられている。吸気送出開口54は、チャンバ51の下端領域に相当する位置(下流側壁514の下端部)に配置されている。吸気送出開口54は、チャンバ51に導入されインタークーラーコア52を通過した吸気を、集約して下流側吸気通路24へ送出する開口である。ここで「集約」した送出とは、特許文献1のようにチャンバ51の下流側(出口側)を全体的に開口し、ランダムに吸気を送出する態様ではないことを意味する。
具体的には、吸気送出開口54は、インタークーラーコア52の下流側面52Bの面積に対して絞られた開口面積で開口する。下流側面52Bの面積は、上述のコア保持部を除いたインタークーラーコア52の本体部分の前側面の面積であり、吸気が通過可能な領域の面積である。吸気送出開口54は、下流側面52Bの面積よりも小さい開口面積(絞られた開口面積)に設定されている。すなわち、吸気送出開口54は、インタークーラーコア52の出口よりも絞られた出口を形成する開口である。下流側面52Bの面積に対して、吸気送出開口54の開口面積は、1/2~1/10程度の範囲、好ましくは1/3~1/8程度の範囲に設定することができる。後記で詳述するが、本実施形態では、チャンバ51からの吸気の出口開口を、下流側壁514の下端付近に形成された断面略半円形状の吸気送出開口54(図8)の範囲に限定し、その限られた開口範囲から吸気をまとまった流れとして送出する。
チャンバ51の下面側には、下面開口55が備えられている。具体的には下面開口55は、下流室51Bの下方において底壁512に開口している。図6に示すように、下面開口55は、チャンバ51におけるインタークーラーコア52の配置箇所の下流付近(前方付近)から吸気送出開口54の配置位置に至る領域と上下方向に重複する位置に配置されている。なお、下面開口55は、チャンバ51の成形時に、スライド金型を挿脱する開口として利用される。
下面開口55は、底蓋部材53(貯留部)によって塞がれている。本実施形態では、この底蓋部材53が、吸気通路20(下流側吸気通路24)において発生する凝縮水を貯留部としての役目を果たす。つまり、底蓋部材53は、凝縮水の貯留部であると共に、下面開口55を塞ぐ蓋部材を兼ねている。底蓋部材53は、前記凝縮水を貯留する貯留凹部531を備えている。貯留凹部531は、上面が開口したキャビティである。上述の通り、下流側吸気通路24には凝縮水を発生させ易いEGRガス及びブローバイガスが導入される。貯留凹部531のキャビティは、所定量の凝縮水を貯留可能な容積に設定される。なお、貯留された凝縮水は、逐次、吸気流によって下流側吸気通路24に運び出される。
底蓋部材53は、吸気送出開口54の下方後側であって、インタークーラーコア52と上下方向に一部重複する重複領域OLを有する位置関係で配置されている。本実施形態では、貯留凹部531の前後幅の1/3程度が、重複領域OLとされている。重複領域OLは、貯留凹部531の前後幅の1/2~1/5程度の範囲から選定することができる。また、本実施形態では、貯留凹部531の底面は、前方側から後方側に向けて下降する傾斜面とされている。つまり、貯留凹部531のキャビティ深さが、後方の重複領域OLにおいて前方側より深くなるように設定されている。
図7は、底蓋部材53の斜視図である。図7に示すVI-VI線が、図6(及び図5)の断面ラインに相当する。また、図7に示す矢印aは、チャンバ51から下流側吸気通路24へ向かう吸気流の流れ方向を示している。底蓋部材53は、上述の貯留凹部531のほか、第1リブ532、第2リブ533、連通溝534、一対の側面リブ535、536、上流壁537及び下流壁538を有している。
第1リブ532及び第2リブ533は、共に貯留凹部531のキャビティの底面から上方に突出するリブである。第1リブ532は、吸気流の方向に沿って前後に延びるリブである。第2リブ533は、吸気流の方向と直交(交差)する方向に延在している。連通溝534は、凝縮水の水位の一定化のため、複数の第1リブ532の並設によって前記キャビティ内に生じる小区画の相互間で、貯留された凝縮水の移動を可能とする溝である。一方の側面リブ535は底蓋部材53の左端側において、他方の側面リブ536は右端側において、貯留凹部531の周縁から上方へ各々立設されたリブである。
上流壁537は、貯留凹部531のキャビティの後面を区画している。下流壁538は、前記キャビティの前面を区画すると共に、貯留凹部531の周縁から上方へ延出する部分を備える壁である。下流壁538の上方延出部分には、吸気送出開口54の下縁部に対応した半円形状の切り欠き縁53Aが設けられている。貯留凹部531の周縁にはフランジ部539が設けられている。このフランジ部539が、底壁512における下面開口55の周縁部分に当接されると共に、溶着等によって固着されている。
図5に戻って、外側ハウジング43は、上下通路部431、吸気マニホールド部432及び膨出部433を含む。上下通路部431は、上下方向に直進的に延び、断面が半円形状の通路を区画している。上下通路部431の下端部434は、吸気送出開口54と対向する位置に配置されている。上下通路部431の上端は、後方へ湾曲する態様で、吸気マニホールド部432に連通している。
吸気マニホールド部432は、エンジン本体1が備える複数の気筒2に吸気を分配する経路を形成する部分であり、内部には図1に示した独立吸気通路25が複数備えられている。膨出部433は、上下通路部431の前方側壁部(外側壁部244)において、上下通路部431に沿って上下方向に膨出する部分である。図3を参照して、膨出部433は、上下通路部431の左右方向の中央付近に配置されている。膨出部433は、その下端部に左右に二叉に分岐する二叉下流端433Eを備える、二叉下流端433Eからは、断面半円形状の外側壁部244の外周に沿うように、左側流路部433L及び右側流路部433Rが各々左方向及び右方向に延びている。
図5に示すように、下流側吸気通路24は、吸気送出開口54に接続される上流端241と、この上流端241から上方へ延びる延出通路部242を備えている。上流端241は、内側ハウジング42の前方下端付近の部材によって区画される、吸気送出開口54の直下流部分である。延出通路部242は、上流端241からチャンバ51の下流側壁514に沿って上方に延び、サージタンク251に連なっている。延出通路部242における上流端241に連なる上流部分は、前方上方に向かうように90度程度湾曲した通路である。また、延出通路部242のサージタンク251に連なる下流部分は、後方斜め上方に湾曲した通路である。
上記の上下通路部431は、内側ハウジング42の一部と共に延出通路部242を区画している。延出通路部242は、チャンバ51側に位置する内側壁部243と、内側壁部243と対向する外側壁部244とで区画されている。膨出部433は、延出通路部242の前方側で上下に延びる、EGR通路361の下流部分(EGR弁363より下流部分)を区画している。上下通路部431の下端領域には、EGR通路361を下流側吸気通路24に合流させるためのEGR導入口45が、左右一対で開口している。これらのEGR導入口45へEGRガスを導く通路を形成しているのが、上記の左側流路部433L及び右側流路部433Rである。さらに、上下通路部431の下端領域であってEGR導入口45よりやや上方には、ブローバイガスを下流側吸気通路24に還流させるブローバイ導入口163が開口している。
[吸気送出開口の詳細]
以下、要部の詳細構造について説明する。先ず、吸気送出開口54について説明する。図8は、図5のVIII-VIII線断面図であって、吸気送出開口54の形状を示す図である。吸気送出開口54は、断面視で半円形状を備える開口である。吸気送出開口54を区画する開口縁は、上縁部541及び半円状縁部542である。上縁部541は、左右方向へ直線状に延びる直線状縁部である。半円状縁部542は、上縁部541の下側に位置し、上縁部541の左右両端から各々下方内側へ湾曲しながら延びる縁部である。なお、半円状縁部542の下端部分は、左右方向へ直線状に延びる縁部とされている。
吸気送出開口54の上縁部541は、吸気がチャンバ51の内部から上流端241を通って延出通路部242へ流入するに際して、吸気流を内側壁部243から離間させると共に、吸気の流動主流を延出通路部242内に形成させる機能を発現する形状とされる。上記の直線状縁部からなる上縁部541は、前記機能を発現できる一実施形態である。
図8から明らかな通り、吸気送出開口54は、チャンバ51の下端領域に配置されている。上述の通り、吸気送出開口54は、インタークーラーコア52の出口よりも絞られた出口を形成する開口であり、吸気を集約して下流側吸気通路24へ送出する開口である。上記の「絞られた出口」を形成する限りにおいて、吸気送出開口54の配置位置に限定はない。しかし、本実施形態の通り、吸気送出開口54をチャンバ51の下端領域に配置すれば、チャンバ51に沿って上方へ延びる延出通路部242の距離を長くすることができる。
すなわち、コンパクト化のため、チャンバ51の上方に吸気マニホールド部432が配置される構造を備えた吸気ユニット40において、吸気送出開口54をチャンバ51の下端付近に配置するほど、長い距離の延出通路部242を設定することができる。このことは、延出通路部242に導入されるEGRガス及びブローバイガスと吸気とがミキシングされる時間を長く確保できることを意味する。従って、吸気にEGRガス及びブローバイガスを十分に均等分散させた上で、各々の気筒2へ吸気を導入することができる。
[下流側排気通路及びその付近の詳細]
次に、下流側吸気通路24及びその付近の詳細構造について、図9及び図10をさらに参照して説明する。図9は、吸気ハウジング41から外側ハウジング43を取り外した状態の、吸気ユニット40の正面図、図10は、図3のX-X線断面図である。
下流側吸気通路24の延出通路部242は、互いに対向する内側壁部243と外側壁部244とによって区画されている。内側壁部243は、内側ハウジング42が備えるチャンバ51の下流側壁514の前側面の一部である(図5、図8参照)。外側壁部244は、図10に示されているように、外側ハウジング43に備えられ、断面形状が左右に広幅のU字型を有する壁部である。内側ハウジング42と外側ハウジング43とがフランジ部42F、43F他で結合されることにより、内側壁部243と外側壁部244とは断面半円形状の延出通路部242を形成する。
延出通路部242の断面形状は、吸気送出開口54の開口形状と略同一に設定されている。延出通路部242における上流端241に連なる上流部分は、上方に向かうように湾曲した通路である。この上流部分を区画しているのが、上下通路部431の下端部434である。当該下端部434もまた、吸気送出開口54の開口形状と略同一に設定されている。つまり、吸気送出開口54から上流端241及び延出通路部242に至る通路は、断面視で吸気送出開口54と同様の半円形状を有している。
図4、図5、図9を参照して、外側壁部244の左右幅方向の中央領域は、仕切り板44によって構成されている。EGR通路361を区画する膨出部433は、左右方向の断面(図4)において前方へU字型に突出する形状を有する。仕切り板44は、膨出部433の立ち上がり基部の開口を塞ぎように、上下通路部431の内面に取り付けられている。この仕切り板44の介在によって、上下通路部431の内部が、後方側の下流側吸気通路24(延出通路部242)と、前方側のEGR通路361とに仕切られている。なお、EGR通路361の断面積は、延出通路部242の断面積よりも小さく設定されている。これは、EGR通路361の断面積を広くすると、EGRガスの流動が不規則になりがちであり、吸気に吹き当て難くなるからである。
図11は、仕切り板44の斜視図である。仕切り板44は、上下に延びる帯状片441と、帯状片441の下端に連設された一対の湾曲片442とを含む。帯状片441は、平坦なプレート部材であり、下流側吸気通路24が上端付近での後方湾曲形状に合わせて湾曲している。一対の湾曲片442は、帯状片441の下端から左右方向に延在している。湾曲片442は、延出通路部242の断面形状(図10)における外側壁部244の湾曲形状に沿った曲面を有している。湾曲片442の背面(前面)には、溝状の凹部からなる分岐通路壁443が備えられている。分岐通路壁443は、上述の二叉下流端433Eの左側流路部433L及び右側流路部433Rと共にEGRガスの流路を区画する。
一対の湾曲片442には、それぞれEGR導入口45が形成されている。つまり、EGR導入口45は、二叉下流端433Eから二叉に分岐している湾曲片442の各々に対応して配置されている。EGR導入口45は正方形の開口であり、分岐通路壁443に連なる位置に開口されている。図10に示すように、EGR導入口45によって、延出通路部242の空間と、左側流路部433L及び右側流路部433Rの流路空間とが連通している。EGR導入口45は、吸気の流動主流に向けてEGRガスを吹き出し可能な位置に配置されている。
EGR導入口45は、延出通路部242の下端領域に配置されている。本実施形態では、図5、図6に示すように、仕切り板44の湾曲片442と吸気送出開口54の上縁部541とが、上下方向に重複する高さ位置に配置されている。そして、上縁部541とEGR導入口45の下端縁部とが略同一高さとなる位置に、EGR導入口45が配置されている。また、前方に向いて開口する吸気送出開口54から上流端241を経て上方へ湾曲する延出通路部242の、前記上方への湾曲が完了して直ぐの領域に、EGR導入口45が配置されている。このような配置により、EGR導入口45よりも下流に位置する延出通路部242の距離を長くすることができる。従って、EGRガスと吸気とがミキシングされる時間を長くし、EGRガスを吸気に均等分散させ易くすることができる。
ブローバイ導入口163は、EGR導入口45よりもやや上方の位置に配置されている。ブローバイ導入口163は、EGR導入口45を備える湾曲片442に隣接する領域において、外側壁部244に開口している。
[吸気流について]
図12は、図5の要部拡大図であって、インタークーラー23を通過する吸気流Fwを示す図である。吸気ユニット40に取り入れられた吸気は、上流側吸気通路22からチャンバ51の上流室51Aに入る(図4も参照)。上流室51Aは、インタークーラーコア52の上下幅及び左右幅の全長に亘って延びる空間である。このため、吸気流Fwは、インタークーラーコア52の上下及び左右の全域を通過し、下流室51Bに至る。この通過の際、吸気流Fwは、インタークーラーコア52の上記冷却フィンと熱交換し、冷却されることになる。
下流室51Bから下流側吸気通路24へ向かう経路は、吸気送出開口54を通る経路に限定されている。そして、吸気送出開口54は、チャンバ51の下端領域に配置されている。このため、インタークーラーコア52から下流室51Bに進入した吸気流Fwは、吸気送出開口54へ向かうよう集約され、まとまった流れとなる。これにより、インタークーラーコア52を通過した吸気流が無秩序に下流側吸気通路24へ流入することが防止される。吸気送出開口54を通過した後、吸気流Fwは下流側吸気通路24に入る。すなわち、吸気流Fwは、吸気送出開口54に接続される上流端241から、上方へ湾曲して延びる延出通路部242に入る。なお、このような吸気流Fwは、気筒2での燃焼動作の実行により当該気筒2が負圧化されることに伴って専ら形成される。
[吸気流による凝縮水の運び出し]
既述の通り、下流側吸気通路24へ還流されるEGRガス及びブローバイガスは、凝縮水を発生させ易いガスである。チャンバ51は、やや前下がりにスラントしており、底蓋部材53の配置位置が最も低い位置にある。そして、底蓋部材53は、下方への窪みとなる貯留凹部531を備えている。従って、エンジン本体1が運転されると、やがて主に下流側吸気通路24で発生する凝縮水が、底蓋部材53の貯留凹部531に溜まるようになる。そして、底蓋部材53に貯留された凝縮水は、上述の吸気流Fwによって運び出され、エンジン本体1の気筒2に向かう。つまり、吸気流Fwが貯留された凝縮水と接することにより、湿気を含んだ吸気流Fwとして気筒2に供給される。ここで、凝縮水が気筒2へ過度に供給されてしまうと、エンジン失火の原因となり得る。
図13は、比較例1の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。比較例1は、吸気送出開口54の下方に、本実施形態の如き凝縮水の貯留のための凹部(貯留凹部531)を具備しない例である。この場合、下流側吸気通路24で発生した凝縮水Wは、吸気送出開口54の下方に滞留するようになる。そして、この滞留した凝縮水Wの水面と接するように、インタークーラーコア52を通過した吸気流Fw1が流れる。この状況では、吸気流Fw1は凝縮水Wと非常に接触し易い状態となり、水分mを運び出し易くなる。つまり、水分mを過剰に気筒2へ供給してしまい、エンジン失火を招来する危惧がある。
図14は、比較例2の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。比較例2は、本実施形態と同様に、吸気送出開口54の下方に凝縮水Wの貯留のための凹部53Bを有するが、当該凹部53Bがインタークーラーコア52と上下方向に重複しない位置関係で配置されている例である。つまり、インタークーラーコア52の下流側に、凝縮水Wの貯留用の凹部53Bは配置されている例である。
この場合でも、水分mを過剰に気筒2へ供給してしまう。すなわち、インタークーラーコア52を通過した吸気流Fw21、Fw22は、下流室51Bを通して吸気送出開口54から送出される。インタークーラーコア52内の通気空間はフィン間の狭い空間であり、吸気流Fw21、Fw22は周囲に拡散し難い状況にある。しかし、インタークーラーコア52を通過した後の下流室51Bは、空気流を規制する部材が存在しない空間であるので、吸気流Fw21、Fw22は拡散し易くなる。このため、吸気送出開口54の下方付近を通過する吸気流Fw22が、凹部53Bに貯留された凝縮水Wと接触しやすい状況が作られてしまいがちとなる。従って、吸気流Fw22が水分mを過剰に運び出してしまう傾向があり、やはりエンジン失火が危惧される。
図15は、本実施形態の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。本実施形態では、吸気送出開口54の下方に凝縮水Wの貯留のための貯留凹部531を有する底蓋部材53が配置され、且つ、当該貯留凹部531がインタークーラーコア52と上下方向に一部(上流側の一部)が重複する位置関係で配置されている。つまり、凝縮水Wが、インタークーラーコア52の下方にも滞留する構成である。
この場合、水分mを適度に気筒2へ供給することができる。インタークーラーコア52を通過した吸気流Fw31、Fw32のうち、吸気送出開口54の下方付近を通過する吸気流Fw32は、貯留凹部531に貯留された凝縮水Wと接触し得る。しかし、吸気流Fw32が接触するのは、貯留された凝縮水Wのうち、インタークーラーコア52と上下方向に重複していない領域に存在している一部の凝縮水Wだけである。従って、吸気流Fw32と凝縮水Wとの接触は制限されたものとし、吸気流Fw32よって運び出される凝縮水Wの量を適正化することができる。
例えば、貯留凹部531の平面積及び容積が、図14の比較例2の凹部53Bと同一である場合を想定する。この場合、本実施形態では、貯留凹部531がインタークーラーコア52と上下方向に一部重複する位置関係であることから、貯留凹部531が下流室51Bに露呈する平面積は、比較例2に比べて小さくなる。従って、吸気流Fw32による水分mの運び出し量を、比較例2よりも少なくすることができる。
とりわけ、先に図6に基づき説明した通り、貯留凹部531のキャビティ深さが、後方の重複領域OLにおいて前方側より深くなるように設定されている。従って、凝縮水Wは、貯留凹部531のインタークーラーコア52と上下方向に重複する領域へ優先的に溜まる。このことも、吸気流Fw32による水分mの運び出し規制に寄与している。
なお、図15に矢印Fw33で示すような、インタークーラーコア52と上下方向に重複する領域を流れる吸気流は発生し難い。これは、フィンの積層体構造を備えるインタークーラーコア52を吸気流が通過する際の通気抵抗は大きく、当該吸気流が周囲へ拡散し難いからである。従って、貯留凹部531におけるインタークーラーコア52と上下方向に重複する領域を通過する吸気流Fw33は発生し難い。従って、吸気流Fw31、Fw32と凝縮水Wとの接触を制限し、当該吸気流Fw31、Fw32が貯留凹部531から運び出す凝縮水量を適量に抑制することができる。
また、インタークーラーコア52の底面には、シール部材52Sが配置されている。このため、インタークーラーコア52の底面とチャンバ51の底壁512との間に生じ得る隙間が、シール部材52Sによってシールされる。従って、吸気流が前記隙間を通して、貯留凹部531におけるインタークーラーコア52と上下方向に重複する領域に至らないようにすることができる。
さらに、本実施形態では、底蓋部材53は、貯留凹部531に配置された第1リブ532及び第2リブ533を備える(図7)。これら第1リブ532及び第2リブ533は、貯留凹部531のキャビティに貯留された凝縮水Wの揺れを抑制する。このため、エンジン本体1が搭載された車両の走行振動が生じた場合でも、貯留凹部531における凝縮水Wの水面乱れを規制し、吸気流Fw32による凝縮水Wの過度の運び出しを抑制することができる。とりわけ、第2リブ533は、吸気流Fw32の流れ方向aと交差する方向に延在している。このため、前記流れ方向aに第2リブ533が対向する態様となる。従って、吸気流の流れ方向aにおける凝縮水Wの振動が抑制され、より効率的に吸気流Fw32による凝縮水Wの過度の運び出しを抑制することができる。
図16は、比較例3の吸気装置における吸気流れを示す模式図である。比較例3は、本実施形態と同様に、吸気送出開口54の下方に凝縮水Wの貯留のための凹部53Cを有するが、当該凹部53Cがインタークーラーコア52と上下方向に完全に重複する位置関係で配置されている例である。つまり、インタークーラーコア52の下流側に、凹部53Cの開口が存在しない例である。
この場合、インタークーラーコア52を通過した吸気流Fw4は、凹部53Cに貯留された凝縮水Wと接触できないことになる。このため、吸気流Fw4は凝縮水Wを運び出せない状況となり、凝縮水Wの滞留量は徐々に増加する。やがて、凹部53Cから溢れ出すと、比較例1と同様な状況となり、過剰に水分を気筒2へ供給してしまうことになる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
(1)上記実施形態では、貯留凹部531のキャビティ深さが、後方の重複領域OLにおいて前方側より深く設定されている底蓋部材53を例示した。これに代えて、キャビティ深さが一定である底蓋部材53、或いは、前方側の方が後方側よりも深く設定されたキャビティを有する底蓋部材53としても良い。
(2)上記実施形態では、本発明に係る凝縮水の貯留部として、チャンバ51の下面開口55を塞ぐ蓋部材としての底蓋部材53を例示した。貯留部は、蓋部材を兼ねる必要はなく、チャンバ51に一体的に形成された凹部によって構成しても良い。
(3)上記実施形態では、多気筒のターボ付ガソリンエンジンに本発明に係る吸気装置を適用した例を示した。本発明に係る吸気装置は、ディーゼルエンジンにも適用することができ、また、ターボ過給機15を備えていないエンジンにも適用することができる。
1 エンジン本体
163 ブローバイ導入口
20 吸気通路
23 インタークーラー
24 下流側吸気通路
45 EGR導入口
51 チャンバ
514 下流側壁(側壁)
52 インタークーラーコア
52S シール部材
53 底蓋部材(貯留部)
531 貯留凹部(キャビティ)
532 第1リブ(リブ)
533 第2リブ(リブ)
54 吸気送出開口
55 下面開口

Claims (7)

  1. チャンバと、前記チャンバの内部に収容されたインタークーラーコアと、を含むインタークーラーと、
    前記チャンバよりも下流に位置する下流側吸気通路を含み、前記チャンバを通して吸気をエンジン本体へ導く吸気通路と、を備え、
    前記チャンバは、
    当該チャンバに導入され前記インタークーラーコアを通過した吸気を、前記下流側吸気通路へ送出する吸気送出開口を有する側壁と、
    前記下流側吸気通路において発生する凝縮水を貯留する貯留部と、を含み、
    前記吸気送出開口は、前記側壁の下方領域に配置され、
    前記貯留部は、前記吸気送出開口の下方であって、前記インタークーラーコアと上下方向に一部重複する位置関係で配置されている、エンジンの吸気装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの吸気装置において、
    前記下流側吸気通路を区画する壁部は、前記エンジン本体から排出される排気ガスの一部をEGRガスとして前記下流側吸気通路に還流させるEGR導入口を有する、エンジンの吸気装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの吸気装置において、
    前記下流側吸気通路を区画する壁部は、前記エンジン本体から発生する未燃のガスをブローバイガスとして前記下流側吸気通路に還流させるブローバイ導入口を有する、エンジンの吸気装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置において、
    前記チャンバは、前記インタークーラーコアの下方に位置する底壁を有し、
    前記インタークーラーコアは、前記底壁と当該インタークーラーコアの底面との間の隙間をシールするシール部材を介して、前記底壁に支持されている、エンジンの吸気装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置において、
    前記貯留部は、上面が開口したキャビティに前記凝縮水を貯留するものであって、
    前記キャビティの底面には、上方へ突出するリブが備えられている、エンジンの吸気装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンの吸気装置において、
    前記リブは、前記チャンバから前記下流側吸気通路へ向かう吸気流の方向と交差する方向に延在している、エンジンの吸気装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置において、
    前記チャンバは、その下面側に、前記インタークーラーコアの配置箇所の一部から吸気送出開口の配置位置に至る領域と上下方向に重複する位置に下面開口を備え、
    前記貯留部は、前記下面開口を塞ぐ蓋体を兼ねている、エンジンの吸気装置。
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