JP6944567B2 - エンジン装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、エンジン装置に関するものである。
従来から、吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダヘッドは、その左右側面に吸気マニホールドと排気マニホールドとが連結される構造とされている(特許文献1参照)。また、ディーゼルエンジン等の排気ガス対策として、排気ガスの一部を吸気側に還流させるEGR装置(排気ガス再循環装置)を設けることにより、燃焼温度を低く抑えて排気ガス中のNOx量(窒素酸化物量)を低減させるという技術が知られている(特許文献2〜4参照)。
特許第3876139号公報 特許第3852255号公報 特開2002−235607号公報 特許第5387612号公報
ところで、ディーゼルエンジンの搭載スペースは搭載対象の作業車両(建設機械や農作業機等)によって様々だが、近年は、軽量化・コンパクト化の要請で、搭載スペースに制約がある(狭小である)ことが多い。このため、ディーゼルエンジンの構成部品をコンパクトにレイアウトする必要がある。また、搭載スペースの制約という問題もさることながら、EGR装置やターボ過給機などの部品をシリンダヘッドに連結して支持させるため、シリンダヘッドにおいては剛性の高い構造が要求される。
また、上記特許文献2や特許文献3に開示されたエンジンのシリンダヘッド構造は、EGRガス流路をシリンダヘッド内に構成するようになっている。しかしながら、EGRガス流路をシリンダヘッドに構成する場合には、特許文献2のように複雑な構造となり、通路のレイアウト自由度が低く、加工時間、加工コストが増加してしまうという問題がある。
更に、EGRクーラを配管接続した場合、ディーゼルエンジンの発熱によるEGRガス温度の上昇により、EGRガスの体積が増大することから、十分なEGRガス量を維持できず、排気ガス中のNOx量を低減するのが困難になる。一方、冷却ファンからの冷却風などにEGR配管が曝されるなどしてEGRガスが冷却されすぎた場合も、シリンダ内の燃焼に悪影響を与える。従って、EGRガスを適温で供給するために、ディーゼルエンジンにおける各部品の適切な配置構造や冷却構造を検討する必要もある。また、EGRガスと新気の混合分布に偏りが生じた場合、複数の気筒に供給される新気中のEGRガス量がばらつくことで、気筒毎の燃焼作用やNOx低減作用に影響を与えて、ディーゼルエンジンの運転効率が低下する恐れがある。
本願発明は、上記のような現状を検討して改善を施したエンジン装置を提供することを技術的課題としている。
本願発明は、吸気ポートに新気を導入させる吸気流路と排気ポートから排気ガスを導出させる排気流路とが形成されるシリンダヘッドを備えたエンジン装置であって、前記シリンダヘッドの左右一側壁及び前後一側壁に冷却水流路が設けられるものである。
上記エンジン装置において、前記排気流路と連通する排気マニホールドと、前記排気マニホールドからの排気ガスの一部であるEGRガスを冷却するEGRクーラとを備え、前記シリンダヘッドの前後一側面に前記EGRクーラが連結され、前記シリンダヘッドにおける前記EGRクーラとの連結部位に、前記EGRクーラと連通するEGRガス流路及び前記冷却水流路が設けられるものとしてもよい。
上記エンジン装置において、前記シリンダヘッドが、前記外周壁の左右一側壁及び前後両側壁に挿通される複数のボルトによって、シリンダブロック上方に締結固定されるものとしてもよい。
上記エンジン装置において、前記シリンダヘッドが、前後他側面側であって前記吸気マニホールド端部に隣接する位置に、前記外周壁に設けられた前記冷却水流路と連通する冷却水排水部を備えたものとしてもよい。
上記エンジン装置において、前記EGRクーラと連結する連結台座が前記シリンダヘッドの前後一側面に左右一対で設けられるとともに、左右一対の前記連結台座それぞれが、EGRガス流路及び冷却水流路を上下に並べて穿設した構成を有するものとしてもよい。
上記エンジン装置において、前記連結台座の一方が、EGRガス流路を冷却水流路の上方に配置した構成となり、前記連結台座の他方が、EGRガス流路を冷却水流路の下方に配置した構成となるものとしてもよい。
本願発明によると、シリンダヘッドと吸気マニホールドとを一体に構成することで、吸気マニホールドから吸気流路に対する気体シール性を向上させるとともに、シリンダヘッドの剛性を高めることができる。また、シリンダヘッドにEGR装置や過給機などの付属部品を連結させる場合に、その支持剛性を高めることができるだけでなく、シリンダヘッドにおける吸気側のシール部材の部品数を低減できる。
本願発明によると、EGRクーラをシリンダヘッドに直接的に連結することで、EGRクーラとシリンダヘッドとの間に冷却水用配管及びEGRガス用配管を設ける必要がない。そのため、EGRガスや冷却水による配管の伸縮などに影響されることなく、EGRクーラとの連結部分におけるシール性を確保できるだけでなく、熱や振動などによる外部からの変動要素に対する耐性(構造安定性)が向上する上に、コンパクトに構成できる。また、連結台座にEGRガス流路と冷却水流路とを構成するため、シリンダヘッド内に構成する各流路の形状が単純化されることから、複雑な中子を用いることなく、シリンダヘッドを容易に鋳造することができる。
本願発明によると、シリンダヘッドにおける外周壁に沿って冷却水流路が形成されるため、冷却水流路を備えた側壁が梁のように構成されることとなり、シリンダヘッドのソリに対する剛性が向上する。従って、シリンダヘッドを鋳造により製造する際、鋳造後の解枠時におけるソリが改善される。また、外周壁における冷却水流路を冷却水が流れることで、気筒内の燃焼熱などによる、ボルトの伸び(熱変形)を抑制し、シリンダヘッドをシ
リンダブロックに高剛性に連結でき、気筒内の密封性を損なうことがない。
本願発明によると、分離して突設させた連結台座にEGRガス流路及び冷却水流路を内設した構成とすることで、連結台座双方における熱変形の影響が緩和される。また、連結台座内において、EGRガス流路を流れるEGRガスが冷却水流路を流れる冷却水によって冷却され、連結台座における熱変形自体も抑制される。更に、連結台座それぞれにおいて、EGRガス流路と冷却水流路とが、それぞれの上下高さ位置を置換して配置されているため、連結台座における熱分布が上下逆方向となり、シリンダヘッドにおける高さ方向の熱変形の影響を低減できる。
エンジンの正面図である。 エンジンの背面図である。 エンジンの左側面図である。 エンジンの右側面図である。 エンジンの平面図である。 エンジンの底面図である。 エンジンを斜め前方から見た斜視図である。 エンジンを斜め後方から見た斜視図である。 シリンダヘッドを吸気マニホールド側から見た拡大斜視図である。 シリンダヘッドを排気マニホールド側から見た分解斜視図である。 シリンダヘッドを吸気マニホールド側から見た分解斜視図である。 シリンダヘッドの平面図である。 シリンダヘッドの正面図である。 シリンダヘッド及びEGR装置の断面斜視図である。 シリンダヘッド及び排気マニホールドの断面斜視図である。 シリンダヘッドにおけるEGRクーラとの連結部分の断面斜視図である。 シリンダヘッド及びシリンダブロックを示す概略平面図である。 図17のA−A線での概略断面図である。 図17のE−F−G線での概略断面斜視図である。 シリンダヘッドにおける冷却水路の構成を示す平面断面図である。 シリンダヘッドにおける排気流路及び吸気流路の構成を示す平面断面図である。 EGR装置の平面図である。 EGR装置の断面斜視図である。 シリンダヘッドにおけるEGRクーラとの連結部分の断面図である。 シリンダヘッドにおけるEGRクーラとの連結部分の分解図である。 EGRクーラの背面図である。 エンジン内における冷却水ポンプ側の冷却水流路の構成を示す背面図である。 冷却水ポンプ及び冷却水入口管の取付構造を示す分解斜視図である。 シリンダブロックのブロック内冷却水流路を部分断面で示す平面図である。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜図8を参照しながら、ディーゼルエンジン(エンジン装置)1の全体構造について説明する。なお、以下の説明では、クランク軸5と平行な両側部(クランク軸5を挟んで両側の側部)を左右、フライホイールハウジング7設置側を前側、冷却ファン9設置側を後側と称して、これらを便宜的に、ディーゼルエンジン1における四方及び上下の位置関係の基準としている。
図1〜図8に示す如く、ディーゼルエンジン1におけるクランク軸5と平行な一側部に吸気マニホールド3を、他側部に排気マニホールド4を配置している。実施形態では、シリンダヘッド2の右側面に吸気マニホールド3がシリンダヘッド2と一体に成形されており、シリンダヘッド2の左側面に排気マニホールド4が設置されている。シリンダヘッド2は、クランク軸5とピストン(図示省略)が内蔵されたシリンダブロック6上に搭載されている。
シリンダブロック6の前後両側面から、クランク軸5の前後先端側を突出させている。ディーゼルエンジン1におけるクランク軸5と交差する一側部(実施形態ではシリンダブロック6の前側面側)に、フライホイールハウジング7が固着されている。フライホイールハウジング7内にフライホイール8が配置されている。フライホイール8はクランク軸5の前端側に軸支されていて、クランク軸5と一体的に回転するように構成されている。作業機械(例えば油圧ショベルやフォークリフト等)の作動部に、フライホイール8を介してディーゼルエンジン1の動力を取り出すように構成されている。ディーゼルエンジン1におけるクランク軸5と交差する他側部(実施形態ではシリンダブロック6の後側面側)に、冷却ファン9が設けられている。クランク軸5の後端側からVベルト10を介して冷却ファン9に回転力を伝達するように構成されている。
シリンダブロック6の下面にはオイルパン11を配置する。オイルパン11内には潤滑油が貯留されている。オイルパン11内の潤滑油は、シリンダブロック6のフライホイールハウジング7との連結部分であってシリンダブロック6の右側面側に配置されたオイルポンプ(図示省略)にて吸引され、シリンダブロック6の右側面に配置されたオイルクーラ13並びにオイルフィルタ14を介して、ディーゼルエンジン1の各潤滑部に供給される。各潤滑部に供給された潤滑油は、その後オイルパン11に戻される。オイルポンプ(図示省略)はクランク軸5の回転にて駆動するように構成されている。
シリンダブロック6のフライホイールハウジング7との連結部分に、燃料を供給するための燃料供給ポンプ15が取り付けられ、燃料供給ポンプ15がEGR装置24下方に配置される。コモンレール16が、シリンダヘッド2の吸気マニホールド3下側でシリンダブロック6側面に固定されており、燃料供給ポンプ15上方に配置されている。ヘッドカバー18で覆われているシリンダヘッド2上面部に、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブを有する4気筒分の各インジェクタ17(図17参照)が設けられている。
各インジェクタ17が、燃料供給ポンプ15及び円筒状のコモンレール16を介して、作業車両に搭載される燃料タンク(図示省略)が接続されている。燃料タンクの燃料が燃料供給ポンプ15からコモンレール16に圧送され、高圧の燃料がコモンレール16に蓄えられる。各インジェクタ17の燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することによって、コモンレール16内の高圧の燃料が各インジェクタ17からディーゼルエンジン1の各気筒に噴射される。
シリンダヘッド2上面部に設ける吸気弁136及び排気弁137(図17参照)などを覆うヘッドカバー18上面に、ディーゼルエンジン1の燃焼室などからシリンダヘッド2上面側に漏れ出たブローバイガスを取入れるブローバイガス還元装置19が設けられている。ブローバイガス還元装置19のブローバイガス出口が、還元ホース68を介して、二段過給機30の吸気部に連通される。ブローバイガス還元装置19内にて潤滑油成分が除去されたブローバイガスは、二段過給機30を介して、吸気マニホールド3に還元される。
フライホイールハウジング7にエンジン始動用スタータ20が取り付けられ、エンジン始動用スタータ20が排気マニホールド4下方に配置される。エンジン始動用スタータ20は、シリンダブロック6とフライホイールハウジング7との連結部下方となる位置で、フライホイールハウジング7に取り付けられる。
シリンダブロック6の後面左寄りの部位には、冷却水潤滑用の冷却水ポンプ21が冷却ファン9の下方に配置されている。クランク軸5の回転にて、冷却ファン駆動用Vベルト10を介して、冷却ファン9と共に冷却水ポンプ21が駆動される。作業車両に搭載されるラジエータ(図示省略)内の冷却水が、冷却水ポンプ21の駆動にて、冷却水ポンプ21に供給される。そして、シリンダヘッド2及びシリンダブロック6に冷却水が供給され、ディーゼルエンジン1を冷却する。
冷却水ポンプ21は、排気マニホールド4下方に配置されており、ラジエータの冷却水出口と連通される冷却水入口管22が、シリンダブロック6の左側面であって冷却水ポンプ21と同一高さ位置に固設される。一方、ラジエータの冷却水入口と連通される冷却水出口管23が、シリンダヘッド2の後面上方に固設されている。シリンダヘッド2は、吸気マニホールド3後方に突設させた冷却水排水部35を有しており、当該冷却水排水部35上面に冷却水出口管23が設置される。
吸気マニホールド3の入口側は、後述するEGR装置24(排気ガス再循環装置)のコレクタ(EGR本体ケース)25を介してエアクリーナ(図示省略)に連結されている。エアクリーナに吸い込まれた新気(外部空気)は、当該エアクリーナにて除塵・浄化されたのち、コレクタ25を介して吸気マニホールド3に送られ、そして、ディーゼルエンジン1の各気筒に供給される。実施形態では、EGR装置24のコレクタ25が、シリンダヘッド2と一体成形されてシリンダヘッド2の右側面を構成している吸気マニホールド3の右側方に連結している。すなわち、シリンダヘッド2の右側面に設けられる吸気マニホールド3の入口開口部に、EGR装置24のコレクタ25の出口開口部が連結されている。なお、本実施形態では、後述するように、EGR装置24のコレクタ25は、インタークーラ(図示省略)及び二段過給機30を介して、エアクリーナに連結している。
EGR装置24は、ディーゼルエンジン1の再循環排気ガス(排気マニホールド4からのEGRガス)と新気(エアクリーナからの外部空気)とを混合させて吸気マニホールド3に供給する中継管路としてのコレクタ25と、エアクリーナにコレクタ25を連通させる吸気スロットル部材26と、排気マニホールド4にEGRクーラ27を介して接続する還流管路の一部となる再循環排気ガス管28と、再循環排気ガス管28にコレクタ25を連通させるEGRバルブ部材29とを有している。
EGR装置24は、シリンダヘッド2における吸気マニホールド3の右側方に配置されている。すなわち、EGR装置24は、シリンダヘッド2の右側面に固定され、シリンダヘッド2内の吸気マニホールド3と連通されている。EGR装置24は、コレクタ25がシリンダヘッド2右側面の吸気マニホールド3に連結するとともに、再循環排気ガス管28のEGRガス入口がシリンダヘッド2右側面の吸気マニホールド3前方部分と連結して固定される。また、コレクタ25の前後それぞれにEGRバルブ部材29及び吸気スロットル部材26が連結され、EGRバルブ部材29の後端に再循環排気ガス管28のEGRガス出口が連結される。
EGRクーラ27は、シリンダヘッド2の前側面に固定されており、シリンダヘッド2内を流れる冷却水とEGRガスがEGRクーラ27に流出入し、EGRクーラ27においてEGRガスが冷却される。シリンダヘッド2の前側面は、その左右位置にEGRクーラ27を連結するEGRクーラ連結台座33,34を突設し、連結台座33,34にEGRクーラ27が連結されている。すなわち、EGRクーラ27は、EGRクーラ27後端面とシリンダヘッド2の前側面とが離間するようにして、フライホイールハウジング7上方位置であってシリンダヘッド2前方位置に配置されている。
排気マニホールド4の側方(実施形態では左側方)に、二段過給機30が配置されている。二段過給機30は、高圧過給機51と低圧過給機52とを備える。高圧過給機51が、タービンホイール(図示省略)を内蔵した高圧タービン53とブロアホイール(図示省略)を内蔵した高圧コンプレッサ54とを有するとともに、低圧過給機52が、タービンホイール(図示省略)を内蔵した低圧タービン55とブロアホイール(図示省略)を内蔵した低圧コンプレッサ56とを有する。
排気マニホールド4に高圧タービン53の排気ガス入口57を連結させ、高圧タービン53の排気ガス出口58に高圧排気ガス管59を介して低圧タービン55の排気ガス入口60を連結させ、低圧タービン55の排気ガス出口61に排気ガス排出管(図示省略)の排気ガス取入れ側端部を連結させている。一方、低圧コンプレッサ56の新気取入れ口(新気入口)63に給気管62を介してエアクリーナ(図示省略)の新気供給側(新気出口側)を接続し、低圧コンプレッサ56の新気供給口(新気出口)64に低圧新気通路管65を介して高圧コンプレッサ54の新気取入れ口66を連結させ、高圧コンプレッサ54の新気供給口67に高圧新気通路管(図示省略)を介してインタークーラ(図示省略)の新気取り込み側を接続させる。
高圧過給機51が排気マニホールド4の排気ガス出口58に連結して、排気マニホールド4の左側方に固定される一方、低圧過給機52が高圧排気ガス管59及び低圧新気通路管65を介して高圧過給機51と連結して、排気マニホールド4の上方に固定される。すなわち、小径となる高圧過給機51と排気マニホールド4とが、大径となる低圧過給機52下方で左右に並設されることで、二段過給機30が排気マニホールド4の左側面及び上面を囲うように配置される。すなわち、排気マニホールド4と二段過給機30とが、背面視(正面視)で矩形状に配置されるようにして、シリンダヘッド2左側面にコンパクトに固定されている。
次いで、シリンダヘッド2の構成について、図9〜図21及び図27を参照して、以下に説明する。図9〜図21及び図27に示す如く、シリンダヘッド2は、複数の吸気ポート141に新気を導入させる複数の吸気流路36と複数の排気ポート142から排気ガスを導出させる複数の排気流路37とが形成されている。そして、複数の吸気流路36を集合する吸気マニホールド3が、シリンダヘッド2の右側部に一体に形成されている。シリンダヘッド2と吸気マニホールド3とを一体に構成することで、吸気マニホールド3から吸気流路36に対する気体シール性を向上させるとともに、シリンダヘッド2の剛性を高めることができる。
シリンダヘッド2は、吸気マニホールド3が構成される右側面と逆側となる左側面に排気マニホールド4が連結され、左右側面と隣接する前側面(フライホイールハウジング7側側面)にEGRクーラ27が連結される。そして、EGRクーラ27と連結する連結台座(EGRクーラ連結台座)33,34がシリンダヘッド2の前側面より突出して形成され、連結台座33,34内にEGRガス流路(EGRガス中継流路)31,32と冷却水流路(冷却水中継流路)38,39とが形成されている。
EGRクーラ27の連結する連結台座33,34にEGRガス中継流路31,32及び冷却水流路38,39を構成することで、EGRクーラ27とシリンダヘッド2との間に冷却水用配管及びEGRガス用配管を設ける必要がない。そのため、EGRガスや冷却水による配管の伸縮などに影響されることなく、EGRクーラ27との連結部分におけるシール性を確保できるだけでなく、熱や振動などによる外部からの変動要素に対する耐性(構造安定性)が向上する上に、コンパクトに構成できる。
シリンダヘッド2は、左側面前方部分から前側面に連通する上流側EGRガス中継流路31を備えており、排気マニホールド4前端側に設けられたEGRガス出口41が上流側EGRガス中継流路31と連通している。また、シリンダヘッド2は、右側面前方部分(吸気マニホールド3前方)から前側面に連通する下流側EGRガス中継流路32を備えており、再循環排気ガス管28のEGRガス入口が下流側EGRガス中継流路32と連通している。シリンダヘッド2は、その前側面の左右両縁側(シリンダヘッド2の前左隅部分及び前右隅部分)を前方に突設されたEGRクーラ連結台座33,34を備えている。そして、連結台座33内に上流側EGRガス中継流路31が設けられ、連結台座34内に下流側EGRガス中継流路32が設けられている。
EGR装置24が、シリンダヘッド2の右側面で突設されている吸気マニホールド3と連結している。吸気マニホールド3は、シリンダヘッド2右側面後方(冷却ファン9側)寄りに設けられており、シリンダヘッド2右側面下側部分を右側方に突設して構成されており、その前後中心位置に吸気入口40を有している。EGR装置24のコレクタ25における吸気出口83が、シリンダヘッド2右側面に突設された吸気マニホールド3の吸気入口40と連結し、シリンダヘッド2の右側方にEGR装置24が固定される。
シリンダヘッド2の右側面前方(フライホイールハウジング7側)に、EGRクーラ27と連結する連結台座34が前方に向かって突設されており、連結台座34右側面に下流側EGRガス中継流路32のEGRガス出口が開口している。そして、EGR装置24の再循環排気ガス管28の一端が連結台座34の右側面に連結することで、EGR装置24のコレクタ25が、再循環排気ガス管28及びEGRバルブ部材29を介して、シリンダヘッド2内の下流側EGRガス中継流路32と連通する。
シリンダヘッド2の右側面後方(冷却ファン9側)に、上面が開口して冷却水出口管(サーモスタットカバー)23と連通される冷却水排水部(サーモスタットケース)35が後方に向かって突設されており、その内部にサーモスタット(図示省略)が設置される。シリンダヘッド2の右側面後方でオフセットして冷却水排水部35が構成されるため、冷却ファン9が固定されるファンプーリ9aに巻回されるVベルト10を、冷却水排水部35の下側の空間に通すことができ、ディーゼルエンジン1の前後方向長さを短くできる。冷却水排水部35は、シリンダヘッド2右側面からも突出しており、シリンダヘッド2の右側面において、吸気マニホールド3と冷却水排水部35とが前後に並んで設けられている。
シリンダヘッド2の左側面前方(フライホイールハウジング7側)に、EGRクーラ27と連結する連結台座33が前方に向かって突設されており、連結台座33左側面に上流側EGRガス中継流路31のEGRガス入口が開口している。すなわち、シリンダヘッド2の左側面では、上流側EGRガス中継流路31のEGRガス入口と複数の排気流路37の排気出口とが、前後方向に並んで開口している。一方、排気マニホールド4は、シリンダヘッド2左側面との連結面となる右側面に、上流側EGRガス中継流路31と連通するEGRガス出口41と、複数の排気流路37と連通する排気入口42とが、前後方向に並んで開口している。そのため、シリンダヘッド2の同一面にEGR入口及び排気出口を並べて設けるため、シリンダヘッド2と排気マニホールド4との連結部分は、1枚のガスケット45を狭持させることにより、容易に気密性(ガスシール性)を確保できる。
排気マニホールド4には、EGRガス出口41及び排気入口42と連通している排気集合部43が、前後方向を長手方向とするように内設されており、排気マニホールド4の後方左側面に、排気集合部43と連通する排気出口44が開口されている。排気マニホールド4は、シリンダヘッド2の排気流路37からの排気ガスが排気入口42を通じて排気集合部43に流れ込むと、排気ガスの一部がEGRガスとなり、EGRガス出口41からシリンダヘッド2の上流側EGRガス中継流路31に流れ込み、排気ガスの残りが排気出口44より二段過給機30に流れ込む。
シリンダヘッド2の前側面には、左右一対となるEGRクーラ連結台座33,34が、排気マニホールド4側及び吸気マニホールド3側それぞれに設けられている。そして、EGRクーラ連結台座33に、排気マニホールド4及びEGRクーラ27それぞれのEGRガス流路を連通させる上流側EGRガス中継流路31を設けている。一方、EGRクーラ連結台座34に、EGR装置24及びEGRクーラ27それぞれのEGRガス流路を連通させる下流側EGRガス中継流路32を設けている。また、EGRクーラ連結台座33に、EGRクーラ27から冷却水が排出される下流側冷却水流路38を設けている。一方、EGRクーラ連結台座34に、EGR装置24及びEGRクーラ27へ冷却水を供給する上流側冷却水流路39を設けている。
EGRクーラ連結台座33,34を突設した構成とすることで、排気マニホールド4、EGRクーラ27、及びEGR装置24それぞれを連通させるEGRガス用の配管が不要となり、EGRガス流路における連結箇所が少なくなる。従って、EGRガスによるNOx低減を図るディーゼルエンジン1において、EGRガス漏れを低減できるだけでなく、配管の伸縮による応力変化などによる変形を抑制できる。また、EGRクーラ連結台座33,34にEGRガス中継流路31,32と冷却水流路38,39とを構成するため、シリンダヘッド2内に構成する各流路31,32,38,39の形状が単純化されることから、複雑な中子を用いることなく、シリンダヘッド2を容易に鋳造することができる。
吸気マニホールド3側のEGRクーラ連結台座33と、排気マニホールド4側のEGRクーラ連結台座34とが離間されているため、連結台座33,34それぞれにおける熱変形による相互の影響を抑制できる。従って、EGRクーラ連結台座33,34とEGRクーラ27との連結部分におけるガス漏れや破損を防止できるだけでなく、シリンダヘッド2の剛性バランスを保持できる。また、シリンダヘッド2前側面における容積を低減できることから、シリンダヘッド2の軽量化を図れる.更に、EGRクーラ27をシリンダヘッド2前側面より離間させて配置でき、EGRクーラ27の前後に空間を有する構成とできるため、EGRクーラ27の周辺に冷却空気を流すことができるため、EGRクーラ27における冷却効率を高めることができる。
EGRクーラ連結台座33には、下流側冷却水流路38と上流側EGRガス中継流路31とが上下に配置されており、EGRクーラ連結台座34には、下流側EGRガス中継流路32と上流側冷却水流路39とが上下に配置されている。そして、下流側冷却水流路38の冷却水入口と下流側EGRガス中継流路32のEGRガス入口とが同一高さに配置される一方、上流側冷却水流路39の冷却水出口と下流側EGRガス中継流路32のEGRガス出口とが同一高さに配置される。
分離して突設させたEGRクーラ連結台座33,34にEGRガス中継流路31,32及び冷却水流路38,39を内設した構成とすることで、EGRクーラ連結台座33,34双方における熱変形の影響が緩和される。また、EGRクーラ連結台座33,34内において、EGRガス中継流路31,32を流れるEGRガスが冷却水流路38,39を流れる冷却水による冷却され、EGRクーラ連結台座33,34における熱変形自体も抑制される。更に、EGRクーラ連結台座33,34それぞれにおいて、EGRガス中継流路31,32と冷却水流路38,39とが、それぞれの上下高さ位置を置換して配置されている。そのため、EGRクーラ連結台座33,34における熱分布が上下逆方向となり、シリンダヘッド2における高さ方向の熱変形の影響を低減できる。
シリンダヘッド2は、その上面周縁から上方向に向かって立設させた外周壁により、ヘッドカバー18下面周縁と連結する間座46を備えている。すなわち、間座46は、左右側壁46a,46b及び前後側壁46c,46dによる外周壁で構成されている。そして、各側壁46a〜46dの上端面(頂部)には、ヘッドカバー18と連結させるカバー締結用ボルト133が螺着されるボルト穴(ヘッドカバー連結用ボルト穴)135が穿設されている。また、右側壁46b及び前後側壁46c,46dの上端面(頂部)には、シリンダブロック6と連結させるヘッド締結用ボルト186が挿入されるボルト用貫通穴(シリンダヘッド連結用貫通穴)136が穿設されている。
間座46は、右側壁46aに複数の開口部47を備えており、当該開口部47には、シリンダヘッド2に設けられたインジェクタ17とコモンレール16とを連結する燃料管48が通されている。シリンダヘッド2上方に間座46を一体に設けた構成とすることで、シリンダヘッド2の剛性を高めることとなり、シリンダヘッド2の自体の歪みを低減できるだけでなく、シリンダヘッド2に連結させる各部品を高剛性に支持できる。
シリンダヘッド2の間座46上にヘッドカバー18がカバー締結用ボルト133で連結されることで、間座46及びヘッドカバー18で覆われた空間を弁腕室として構成し、当該弁腕室内にインジェクタ17及び後述の動弁機構187が収容される。シリンダヘッド2は、間座46で囲まれた領域に、インジェクタ17が固定されるインジェクタ据付座138と、動弁機構187が固定される動弁機構据付座139と、ヘッド締結用ボルト186が固定されるボルト締結座140とが底面から上方に突設されている。動弁機構据付座139及びボルト締結座140それぞれの上端面は、間座46の上端面と同一高さとされており、ヘッド締結用ボルト186が挿入されるボルト用貫通穴(シリンダヘッド連結用貫通穴)136が穿設されている。
シリンダヘッド2は、間座46における右側壁46b及び前後側壁46c,46d、動弁機構据付座139、及びボルト締結座140それぞれに設けられたボルト用貫通穴135に挿入されるヘッド締結用ボルト186により、シリンダブロック6上に締結される。吸気弁136及び排気弁137それぞれにより開閉される吸気ポート141及び排気ポート142が、シリンダヘッド2底面のインジェクタ据付座138下方位置に設けられている。そして、シリンダヘッド2内において、シリンダヘッド2右側部の吸気マニホールド3から分岐した複数の吸気流路36が、インジェクタ据付座138下方の吸気ポート141に向けて延設される。また、シリンダヘッド2左側面に固定された排気マニホールド4と連通する複数の排気流路37が、インジェクタ据付座138下方の排気ポート142に向けて延設される。
シリンダヘッド2の前側面にEGRクーラ27が連結されるとともに、シリンダヘッド2におけるEGRクーラ27との連結部位に、EGRクーラ27と連通するEGRガス中継流路(EGRガス流路)31,32及び冷却水中継流路(冷却水流路)37,38が設けられている。EGRクーラ27をシリンダヘッド2に直接的に連結することで、EGRクーラ27とシリンダヘッド2との間に冷却水用配管及びEGRガス用配管を設ける必要がない。そのため、EGRガスや冷却水による配管の伸縮などに影響されることなく、EGRクーラ27との連結部分におけるシール性を確保できるだけでなく、シリンダヘッド2において、熱や振動などによる外部からの変動要素に対する耐性(構造安定性)が向上する上に、コンパクトに構成できる。
シリンダヘッド2は、吸気マニホールド3との境界から排気マニホールド4との連結部分の領域(弁腕室を構成する領域)を囲む外周壁による間座46が立設されている。そして、間座46の右側壁46b及び前側壁46cに、L字形状の冷却水流路となる冷却水集合路143が設けられる。シリンダヘッド2における外周壁となる間座46に沿って冷却水集合路143が形成されるため、冷却水集合路143を備えた側壁46b,46cが梁のように構成されることとなり、シリンダヘッド2のソリに対する剛性が向上する。従って、シリンダヘッド2を鋳造により製造する際、鋳造後の解枠時におけるソリが改善される。
シリンダヘッド2が、間座46の右側壁46b及び前後両側壁46c,46dに挿通される複数のヘッド締結用ボルト186によって、シリンダブロック6上方に締結固定される。このとき、右側壁46b及び前側壁46cにおける冷却水集合路143を冷却水が流れることで、気筒内の燃焼熱などによる、ヘッド締結用ボルト186の伸び(熱変形)を抑制し、シリンダヘッド2をシリンダブロック6に高剛性に連結でき、気筒内の密封性を損なうことがない。シリンダヘッド2が、後側面側であって吸気マニホールド3端部に隣接する位置に、間座46に設けられた冷却水集合路143と連通する冷却水排水部35を備えている。
すなわち、冷却水集合路143の上流側は、前側壁46cに沿って左右方向に延設されており、その左端部(最上流点)が、シリンダヘッド2の前側面左側のEGRクーラ連結台座33に設けられた下流側冷却水中継流路38と連通している。又、冷却水集合路143の下流側は、右側壁46bに沿って前後方向に延設され、その後端部(最下流点)が冷却水排水部35と連通している。また、冷却水集合路143は、右側壁46bに設けられた下流側流路が排気マニホールド4側に向かって分岐され、吸気流路36及び排気流路37などを囲む冷却水ジャケット144と連通している。これにより、シリンダヘッド2内において、気筒毎に均一に冷却することができる。
冷却水ジャケット144は、動弁機構据付座139及びボルト締結座140下方において、ボルト用貫通穴135を囲むように設けられており、シリンダヘッド2を貫通してシリンダブロック6に螺着されるヘッド締結用ボルト186を冷却する。そのため、冷却水ジャケット144を冷却水が流れることで、気筒内の燃焼熱や排気流路37を通過する排気ガスの熱による、ヘッド締結用ボルト186の伸び(熱変形)を抑制し、シリンダヘッド2をシリンダブロック6に高剛性に連結でき、気筒内の密封性を損なうことがない。
上流側冷却水中継流路39が、シリンダブロック6右側面側に内設される冷却水レール185の前端部分と上下の冷却水流路を介して連通している。そして、冷却水レール185の後端部分に、冷却水ポンプ21より冷却水が供給される冷却水導入口328が構成されている。これにより、冷却水ポンプ21から供給される冷却水が、冷却水レール185及び上流側冷却水中継流路39を通じて、EGRクーラ27に供給される。
EGRクーラ27を通過した冷却水は、下流側冷却水中継流路38を通じて、シリンダヘッド2の冷却水集合路143に流入する。そして、冷却水集合路143を通過する冷却水が、シリンダヘッド2内において気筒毎に設けられた冷却水ジャケット144に分配されて、シリンダヘッド2の各部を冷却する。なお、シリンダヘッド2の冷却水ジャケット144は、シリンダブロック6の冷却水ジャケット184と連通しており、シリンダヘッド2の冷却水ジャケット144内の冷却水は、シリンダブロック6の冷却水ジャケット184に供給された後、冷却水レール185に排水される。
また、冷却水排水部35において下方に向かって貫通させた冷却水排水流路145が、シリンダブロック6後端面側に内設された冷却水還流路146と連通している。これにより、シリンダヘッド2の冷却水集合路143から冷却水排水部35に流入した冷却水の一部が、シリンダブロック6の冷却水還流路146を通じて、冷却水ポンプ21のポンプ吸入口334に還流する。
次いで、EGR装置24の構成について、図9〜図15、図22、及び図23を参照して、以下に説明する。図9〜図15、図22、及び図23に示す如く、EGR装置24は、新気とEGRガスを混合して吸気マニホールド3に供給するコレクタ(本体ケース)25を備えており、吸気マニホールド3と新気導入用の吸気スロットル部材26とがコレクタ25を介して連通接続されている。コレクタ25には、再循環排気ガス管28の出口側につながるEGRバルブ部材29が連通接続されている。
コレクタ25内において、新気流れ方向とEGRガス流れ方向とが直交又は鈍角を形成して交わり、EGRガスと新気との混合ガスを吸気マニホールド3に吸気させる方向が新気流れ方向及びEGRガス流れ方向それぞれと交差する方向となる。また、新気が供給される新気入口81と、EGRガスが供給されるEGRガス入口82とが、コレクタ25の前後両側面に振り分けて開口され、吸気マニホールド3と連結する吸気出口83が、コレクタ25の左側面に開口されている。EGRガス入口82と吸気出口83とが同一高さ位置に配置されるとともに、新気入口81とEGRガス入口82が異なる高さ位置に配置されている。
コレクタ25内において、吸気スロットル部材26から新気入口81に導入された新気が、前後方向から上下方向にL字状に屈曲して流れる一方、EGRバルブ部材29からEGRガス入口82に導入されたEGRガスが、斜め上方に向かって流れる。そのため、新気の流れる方向に向かうようにしてEGRガスが流れ込むこととなり、新気に対してEGRガスが混合しやすくなる。また、新気とEGRガスとの混合ガスが上下方向から左右方向にL字状に屈曲して流れ、吸気出口83から吸気マニホールド3に流入する。混合ガスの導出方向が、新気の導入方向及びEGRガスの導入方向だけでなく、コレクタ25内での新気及びEGRガスの流れる方向とも交差するため、EGRガスの新気への混合分布を均一化できる。
上述のように、コレクタ25内では、新気流れ方向に対するEGRガス流れ方向が90°以上となって、新気流れとEGRガス流れが交差することで、新気に対するEGRガスの混合分布を一様なものとして、吸気マニホールド3内でのEGRガスの偏流を抑制できる。結果、シリンダヘッド2における複数の吸気流路36それぞれに供給される吸気のEGRガス濃度を均一化して、ディーゼルエンジン1における各気筒の燃焼作用のバラツキを抑制できる。その結果、黒煙の発生が抑制され、ディーゼルエンジン1の燃焼状態を良好に保ちながら、NOx量を低減できる。すなわち、特定の気筒で失火を招来することなく、EGRガスの還流による排気ガスの清浄化(クリーン化)を達成できるのである。
コレクタ25は、新気入口81を有する上側ケース(第1ケース)84と、EGRガス入口82と吸気出口83とを有する下側ケース(第2ケース)85とが連結されて構成される。コレクタ25を、上側ケース84と下側ケース85とで上下分割可能な構成とすることで、EGRガス流れと新気流れとが90°以上で交差する混合流路をコレクタ25内に容易に構成できる。そのため、コレクタ25を剛性の高い鋳物で構成することができるだけでなく、アルミニウム系の鋳造物とすることで軽量化を図れる。
EGRガスが流れるEGRガス流路86の一部である下流側EGRガス流路(第1EGRガス流路)86aと、新気とEGRガスを混合する混合室87とが、上側ケース84に設けられている。下流側EGRガス流路86aとEGRガス入口82とを連通させる上流側EGRガス流路(第2EGRガス流路)86bと、新気とEGRガスが混合された混合ガスを混合室87から吸気マニホールド3に供給する混合ガス流路88とが、下側ケース85に設けられている。
下側ケース85にEGRガス入口82が設けられる一方、上側ケース84に新気入口81と混合室87とが設けられるため、混合室87において、新気入口81から流れ込む新気と下側ケース85から流れ込むEGRガスとが、互いに交差するようにして流れることなり、新気とEGRガスが効率よく混合する。更に、下側ケース85に吸気出口83が設けられることにより、上側ケース84に流入した新気が下側ケース85に向かって流れようとすることで、上側ケース84に向かって流れるEGRガスの新気への混合が均一化される。また、EGRガス流路86、混合室87、及び混合ガス流路88それぞれをコレクタ25内にコンパクトに構成でき、コレクタ25の小型化が図れる。
平面視において、下流側EGRガス流路86aが混合室87の中心軸に対して吸気出口83の設けられた側面(左側面)と反対側の側面側(右側)にオフセットして連結し、下流側EGRガス流路86aと上流側EGRガス流路86bとが連通されて、EGRガス流路86が螺旋状に構成されている。すなわち、下流側EGRガス流路86aと上流側EGRガス流路86bによるEGRガス流路86が、平面視で吸気出口83と逆側(右側)に膨らむように湾曲させた形状となっている。そして、上流側EGRガス流路86bの底が、EGRガス入口82から上側ケース84に向かう傾斜面(後方上側への傾斜面)で構成される。
混合室87においてEGRガス流路86との連通箇所が、吸気出口83と逆側となるため、混合室87内に流入するEGRガスは新気の流れに誘導されて吸気出口83まで到達することとなり、新気に対してEGRガスを均一に混合させることができる。また、EGRガス流路86から混合室87に流れ込むEGRガスは、混合室87から混合ガス流路88に向かう流れに逆らう方向に流れるため、混合室87内において、新気とEGRガスとが互いに衝突するようにして流れることとなり、EGRガスが新気にスムーズに混合する。
更に、螺旋状のEGRガス流路86に沿ってEGRガスが流れているため、EGRガスは、時計回りの渦を形成する旋回流となって、混合室87内に流入することとなる。このように乱れたEGRガスが、新気ガスの流れに逆らう方向に流れ込むから、EGRガスは、混合室87内への流入と同時に、内部を流れる新気にスムーズに混合される。従って、コレクタ25内において、新気とEGRガスとを吸気マニホールド3に送り込む前に撹拌しながら効率よく混合でき(混合ガス中においてEGRガスをスムーズに分散でき)、コレクタ25内でのガス混合状態のバラツキ(ムラ)をより確実に抑制できる。その結果、ディーゼルエンジン1の各気筒にムラの少ない混合ガスを分配して、各気筒間のEGRガス量のバラツキを抑制できるため、黒煙の発生を抑制して、ディーゼルエンジン1の燃焼状態を良好に保ちながら、NOx量を低減できる。また、EGRガス流路86を螺旋状とすることで、混合室87内に流入させるEGRガスに十分な旋回性を与えるため、コレクタ25の前後方向長さを短く形成できる。
上側ケース84の下面フランジ84aと下側ケース85の上面フランジ85aとをボルト締結して、3方向(前後方向及び左方向)の開口部(新気入口81、EGRガス入口82、及び吸気出口83)を有するコレクタ25が構成される。上側ケース84は、新気入口81を開口した後面フランジ84bに、吸気スロットル部材26の新気出口がボルト締結されている。吸気スロットル部材26は、その内部にある吸気バルブ(バタフライ弁)26aの開度を調節することにより、コレクタ25への新気の供給量を調節する。
下側ケース85は、EGRガス入口82を開口した前面フランジ85bに、矩形管状の中継フランジ89を介して、EGRバルブ部材29のEGRガス出口がボルト締結されている。EGRバルブ部材29は、その内部にあるEGRバルブ(図示省略)の開度を調節することにより、コレクタ25へのEGRガスの供給量を調節する。EGRガス入口82に挿入されるリードバルブ90が、下側ケース85の前面フランジ85b内側で固定されている。そして、前面フランジ85bにボルト締結される中継フランジ(間座)89が、リードバルブ90前方を覆うことで、コレクタ25は、EGRガス流路86のEGRガス入口82側にリードバルブ90を内設する。
中継フランジ89は、コレクタ25と連結する後面にEGRガス入口82と連通するEGRガス出口89aが開口されている。中継フランジ89の前面は、EGRバルブ部材29と連結するバルブ連結座89b、89cが突設しており、バルブ連結座89b,89cの開口部がEGRバルブ部材29のEGRガス出口と連通している。中継フランジ89では、上下のバルブ連結座89b,89cにおけるEGRガス入口にEGRガスを合流させて、EGRガス入口82からリードバルブ90を介してコレクタ25内のEGRガス流路86へ流入させる。
EGRバルブ部材29は、バルブ本体29eに設けたEGRガス流路29fにEGRバルブ(図示省略)を内設し、当該EGRバルブの開度を調節するアクチュエータ29dをバルブ本体29e上方に設け、上下方向を長手方向として、中継フランジ89を介してコレクタ25前方に連結される。EGRバルブ部材29は、下側バルブ本体29eの後面において、中継フランジ89のバルブ連結座89b,89cそれぞれと連結する出口側フランジ29a,29bを上下に設けている。一方、EGRバルブ部材29の前面には、再循環排気ガス管28のEGRガス出口と連通するEGRガス入口を備えた入口側フランジ29cを備える。
EGRバルブ部材29は、EGRクーラ27で冷却されたEGRガスが、EGRクーラ連結台座34の下流側EGRガス中継流路32及び再循環排気ガス管28を介して、入口側フランジ29cのEGRガス入口に流入すると、バルブ本体29eのEGRガス流路29fを通じてEGRガスが上下に振り分けられる。そして、EGRガス流路29fにより上下に流れたEGRガスは、EGRバルブにより流量調整されて、上下の出口側フランジ29a,29bにおけるEGRガス出口より、中継フランジ89内に流れ込む。
再循環排気ガス管28は、平面視でL字状に屈曲したガス管部28aと、ガス管部28aの外壁内周側から突設させた平板状のリブ28bとを有している。また、再循環排気ガス管28は、EGRバルブ部材29の入口側フランジ29cと連結する出口側フランジ28cをガス管部28a一端(後端)に設ける一方、EGRクーラ連結台座34の右側面と連結する入口側フランジ28dをガス管部28a他端(左端)に設けている。更に、再循環排気ガス管28は、ガス管部28aの屈曲部分の上面に、EGRガス温度センサを取り付けるセンサ取り付け座28eが設けられている。
EGR装置24は、コレクタ25の長さを短く構成できるため、EGRバルブ部材29と吸気スロットル部材26との距離を短くでき、結果、EGR装置24の前後長さを短く構成できる。また、EGRバルブ部材29は、アクチュエータ29dを上方に設けた構成とするため、EGRバルブ部材29、コレクタ25、及び吸気スロットル部材26それぞれの最上部を同一高さとできるため、EGR装置24の上下高さを低く構成できるだけでなく、EGR装置24の左右幅を狭く構成できる。従って、EGR装置24がコンパクトに構成されるため、吸気マニホールド3と一体形成されたシリンダヘッド2右側方向において、再循環排気ガス管28で調整するだけで容易に連結できるだけでなく、ディーゼルエンジン1の小型化に貢献する。
再循環排気ガス管28は、ガス管部28aの両端を繋ぐようにして平板状のリブ28bが連結された構成となるため、再循環排気ガス管28が高剛性に構成されるとともに、シリンダヘッド2に対してEGR装置24の前端側の支持強度をも高める。また、再循環排気ガス管28は、ガス管部28a内のEGRガス流路28fに沿って平板状のリブ28bを設けた構成となるため、リブ28bによりガス管部28aにおける放熱面積が広くなるため、EGRガス流路28fを流れるEGRガスの冷却効果を高めることとなる。その結果、EGR装置24で精製される混合ガスの冷却に寄与して、混合ガスによるNOx量低減効果を適正な状態に維持し易くなるという効果を奏する。
次いで、EGRクーラ27の構成について、図9〜図16及び図24〜図26を参照して、以下に説明する。図9〜図16及び図24〜図26に示す如く、EGRクーラ27は、冷却水流路とEGRガス流路とが交互に積層された熱交換部91と、熱交換部91の一側面における左右両端部分に設けられた左右一対のフランジ部92,93とを備える。そして、冷却水出口94及び冷却水入口95が左右のフランジ部92,93に振り分けて設けられる一方、EGRガス入口96及びEGRガス出口97が左右のフランジ部92,93に振り分けて設けられている。また、シリンダヘッド2の前側面に左右のフランジ部92,93が連結され、EGRクーラ27がシリンダヘッド2に固定される。
左右一対のフランジ部92,93それぞれに、冷却水用の開口部分とEGRガス用の開口部分を設けた構成とすることで、フランジ部92,93それぞれを共通の部材で構成できるだけでなく、フランジ部92,93にかかる材料コストを抑制できる。また、フランジ部92,93は、冷却水用及びEGRガス用それぞれの貫通穴94〜97をシリンダヘッド2との連結用の平板に穿設して構成されるため、EGRクーラ27における製造が容易である。また、フランジ部92,93と熱交換部91との連結部分を最低限に構成できるため、熱交換部91に対するシリンダヘッド2からの熱の伝達量を低減でき、熱交換部91におけるEGRガスの冷却効果を高める。
EGRクーラ27は、フランジ部92,93を熱交換部91後面より突設した構成とすることで、熱交換部91とシリンダヘッド2の間に空間が構成される。従って、EGRクーラ27は、熱交換部91の前後面の広い範囲が外気に曝された状態となり、熱交換部91からも放熱されるため、EGRクーラ27におけるEGRガスの冷却効果が高くなる。従って、熱交換部91後面前面が取り付けられる場合に比べて、熱交換部91における積層数を減らすことができ、EGRクーラ27の前後長さを短くできるため、ディーゼルエンジン1の小型化をも図れる。
左側フランジ部92に、冷却水出口94とEGRガス入口96が設けられる一方、右側フランジ部93に、冷却水入口95とEGRガス出口97が設けられる。そして、左側フランジ部92において、冷却水出口94とEGRガス入口96とが上下に設けられている一方、右側フランジ部93において、EGRガス出口97と冷却水入口95とが上下に設けられている。また、冷却水出口94とEGRガス出口97とが同一高さに配置される一方、冷却水入口95とEGRガス入口96とが同一高さに配置される。
このとき、シリンダヘッド2前側面より突出して形成されたEGRクーラ連結台座33,34それぞれに、EGRクーラ27の左右フランジ部92,93が連結される。そして、左側EGRクーラ連結台座33における上流側EGRガス中継流路31及び下流側冷却水中継流路38それぞれが、左側フランジ92のEGRガス入口96及び冷却水出口94と連通し、右側EGRクーラ連結台座34における下流側EGRガス中継流路32及び上流側冷却水中継流路39それぞれが、右側フランジ93のEGRガス出口97及び冷却水入口95と連通する。
EGRクーラ27のフランジ部92,93が連結される連結台座33,34にEGRガス中継流路31,32及び冷却水流路38,39を構成し、フランジ部92,93にEGRガス入口96及び出口97と冷却水出口94及び入口95と連通させている。そのため、EGRクーラ27とシリンダヘッド2との間に冷却水用配管及びEGRガス用配管を設ける必要がない。従って、EGRガスや冷却水による配管の伸縮などに影響されることなく、EGRクーラ27とシリンダヘッド2との連結部分におけるシール性を確保できる上、EGRクーラ27は、熱や振動などによる外部からの変動要素に対する耐性が向上し、シリンダヘッド2にコンパクトに設置できる。
フランジ部92に上下に冷却水出口94とEGRガス入口96を設ける一方で、フランジ部93に上下にEGRガス出口97と冷却水入口95を設ける構成としたため、同一形状となるフランジ部92及び93が、互いに上下反転させて熱交換部91に取り付けられることとなる。そのため、EGRクーラ27を構成する部品の種類が低減でき、EGRクーラ27の組み立て性が良くなるとともに、部品コストが低減される。
また、フランジ部92には、熱量の大きい冷却水又はEGRガスが通過する冷却水出口94とEGRガス入口96が設けられる一方、フランジ部93には、熱量の小さい冷却水又はEGRガスが通過する冷却水入口95とEGRガス出口97が設けられる。そのため、フランジ部92,93それぞれにおける熱変形による歪みが抑制されるだけでなく、フランジ部92,93が別体として構成されて、互いの熱変形による影響が少ないため、EGRクーラ27の破損や故障を防止できる。
EGRクーラ27は、背面視において、冷却水出口94と冷却水入口95とが対角に配置されるとともに、EGRガス入口96とEGRガス出口97とが対角に配置される。熱量の異なるEGRガス及び冷却水それぞれが、対角位置より供給又は排出されるため、EGRクーラ27とシリンダヘッド2との連結部分における熱変形を互いに緩和して、連結部分の撓みや緩みを抑制できる。従って、EGRクーラ27とシリンダヘッド2におけるEGRガスや冷却水の漏れを防止できるだけでなく、連結強度の低下をも防止できる。
板状のガスケット98が、左右のフランジ部92,93を架設するようにして、シリンダヘッド2とフランジ部92,93との間に挟持されている。フランジ部92,93における冷却水出口94及び冷却水入口95それぞれと連通するシリンダヘッド2における冷却水入口及び冷却水出口それぞれにリング状のシール部材であるOリング99が埋設され、Oリング99がフランジ部92,93で覆われている。
別体とされるフランジ部92,93が、シリンダヘッド2の連結台座33,34にガスケット98を介して連結されるため、シリンダヘッド2との連結部分における熱変形により、ガスケット98に張力が働く。そのため、EGRガス入口96及びEGRガス出口97それぞれの連結部分において、ガスケット98によるシール性(密封性)が向上することとなり、シリンダヘッド2とEGRクーラ27との間を行き来するEGRガスの漏れを防止できる。また、Oリング99が、シリンダヘッド2の連結台座33,34における冷却水入口及び冷却水出口とフランジ部92,93の後端面とで構成される空間に埋設されているため、冷却水が流れた際に、連結台座33,34及びフランジ部92,93の連通部分をOリング99に当接することとなり、冷却水出入口における連結部分のシール性(密封性)を確保できる。従って、液体及び気体の流出入を行うEGRクーラ27をシリンダヘッド2に連結したとしても、液体及び気体それぞれにおけるシール性を確保でき、EGRガス及び冷却水それぞれの漏れを防止できる。
フランジ部92,93の外周部であって外側位置に、ボルト締結用の貫通穴100が穿設されている。すなわち、左側フランジ部92は、上下及び左側に5つの貫通穴100を有しており、右側フランジ部93は、上下及び右側に5つの貫通穴100を有している。従って、左側フランジ部92は、冷却水出口94の上側、EGRガス入口96の下側、及び、冷却水出口94及びEGRガス入口96間の左側それぞれに貫通穴100が設けられることで、シリンダヘッド2の連結台座33とボルト締結した場合に、冷却水出口94及びEGRガス入口96におけるシール性が確保される。同様に、右側フランジ部93は、冷却水入口95の下側、EGRガス出口97の上側、及び、冷却水入口95及びEGRガス出口97間の右側それぞれに貫通穴100が設けられることで、シリンダヘッド2の連結台座34とボルト締結した場合に、冷却水入口95及びEGRガス出口97におけるシール性が確保される。
ガスケット98は、貫通穴101〜103を設けた2枚の板98a,98bを貼り合わせて構成されており、貫通穴(EGRガス用貫通穴)101をEGRガスが通過し、貫通穴(冷却水用貫通穴)102を冷却水が通過し、貫通穴(ボルト用貫通穴)103に締結用ボルトが挿入される。ガスケット98は、EGRガス用貫通穴101における内周縁が前後方向に反り返るように分岐させた形状を有しており、冷却水用貫通穴102の開口面積を冷却水出入口94,95の開口面積よりも広くなるように構成している。
ガスケット98は、前側板98aのEGRガス用貫通穴101における内周縁を前側に反り返らせる一方で、後側板98bのEGRガス用貫通穴101における内周縁を後側に反り返らせおり、前側板98aと後側板98bを溶接により貼り合わせることで、EGRガス用貫通穴101における内周縁がY字状の断面となる。EGRガス用貫通穴101における内周縁が前後に反り返った形状とすることで、EGRガス用貫通穴101の内周縁における前後面を連結台座33,34及びフランジ部92,93それぞれの端面に密着させることとなり、十分な気密性を確保できる。
ガスケット98は、冷却水用貫通穴102の開口を冷却水出入口94,95よりも広くなるように構成することで、Oリング99が冷却水用貫通穴102に挿入される。すなわち、フランジ部92,93の冷却水出入口と連結台座33,34内の冷却水中継流路38,39との連通部分が、ガスケット98の冷却水用貫通穴102に嵌合されたOリング99により密封される。
また、シリンダヘッド2の連結台座33,34は、冷却水出入口それぞれを段差付きで開口することで、連結台座33,34内の冷却水中継流路38,39の流路径よりも大きく開口させて、連結台座33,34の冷却水出入口に対して、冷却水中継流路38,39の外周側にOリング99が嵌合される。すなわち、Oリング99は、ガスケット98に挿入されるとともに、連結台座33,34における冷却水出入口の段差部分に嵌合されて、連結台座33,34及びフランジ部92,93により狭持される。従って、弾性材で構成されるOリング99の内側を冷却水が通過することにより、Oリング99が外側に広がるように変形し、連結台座33,34及びフランジ部92,93と密着することにより、冷却水のシール性を確保する。
リング状のOリング99は、内周部分が前後に膨らんだ形状を備えており、Oリングの内周部分を通過する冷却水により押圧されることで、内周部分の前後縁が前後に突出するように変形する。これにより、Oリング99の内周部分が連結台座33,34及びフランジ部92,93と密着するため、シリンダヘッド2とEGRクーラ27との連結部分における冷却水のシール性を向上できる。
また、リング状のOリング99は、内周部分が前後に膨らんだ形状とした上で、その内周面に凹部を備えた形状を有している。すなわち、Oリング99の内周面を前後にそり返されたY字状の断面で構成することで、Oリングの内周部分を通過する冷却水により押圧されて、内周部分の前後縁を前後に更に突出させることとなり、Oリング99の内周部分と連結台座33,34及びフランジ部92,93との密着性を高める、従って、シリンダヘッド2とEGRクーラ27との連結部分における冷却水のシール性を向上できる。
次に、図17〜図19を参照しながら、シリンダブロック6及び動弁機構の構成について説明する。シリンダブロック6には、クランク軸5を収容するクランクケース171と、ピストン172をそれぞれ収容する4気筒分のシリンダボア173が設けられている。各ピストン172は、それぞれコンロッド174を介してクランク軸5に連結され、シリンダボア173内で上下摺動自在に配置されている。
また、シリンダブロック6には、カム軸175を収容するカム室176と、プッシュロッド177の下端側を収容するブロック側プッシュロッド室178(プッシュロッド室)と、タペット179を摺動自在に保持するタペット保持部180が設けられている。タペット179は、カム軸175の吸気カム175a又は排気カム175bとプッシュロッド177の間に配置され、カム軸175の駆動力をプッシュロッド177に伝達する。
カム室176は、シリンダボア173の左側方でエンジン1の前後方向に延設されている。カム室176はクランクケース171と通じている。カム軸175は、気筒ごとに吸気カム及び排気カムの組を備えており、吸気カム及び排気カムの組同士の間の部位に、カム室176の軸受部に枢支されるカムジャーナル部を備えている。カム室176は、カム軸175の吸気カム及び排気カムの組ごとに(気筒ごとに)、複数の区画カム室181で区画されている。本実施形態では、カム室176は4つの区画カム室181に区画されている。
ブロック側プッシュロッド室178は、カム室176の上方に配置され、気筒ごとに区画されている。本実施形態では、エンジン1の前後方向に並ぶ4つのブロック側プッシュロッド室178が設けられている。また、シリンダブロック6のシリンダヘッド2との接合面に、ブロック側プッシュロッド室178ごとに連通穴182が形成されている。そして、各ブロック側プッシュロッド室178及び連通穴182にはプッシュロッド177の下端側が2本ずつ挿入されている。タペット保持部180は、カム室176とブロック側プッシュロッド室178の間に形成され、カム室176とブロック側プッシュロッド室178の間を仕切っている。また、シリンダブロック6には、カム室176とブロック側プッシュロッド室178を通じさせるバイパス通路183がタペット保持部180とシリンダボア173の間に形成されている。
また、シリンダブロック6内には、シリンダボア173の周囲に配置された冷却水ジャケット184と、前後方向に延設された冷却水レール185が形成されている。冷却水レール185は、冷却水ジャケット184よりも低い位置でシリンダボア173の右側方に配置されている。また、冷却水レール185は、4気筒分のシリンダボア173の配置の凹凸におおよそ沿って、平面視で蛇行している。また、冷却水レール185は、平面視で、シリンダヘッド2をシリンダブロック6に固定するためのヘッド締結用ボルト186の軸線とは異なる位置に設けられている。
シリンダヘッド2は、ヘッド締結用ボルト186によりシリンダブロック6にボルト締結されている。シリンダヘッド2の上面はヘッドカバー18で覆われている。ヘッドカバー18内部の空間は弁腕室を形成している。ヘッドカバー18内には、カム軸175に関連させた動弁機構187が配置されている。また、シリンダヘッド2内には、各気筒に対応して吸気弁136及び排気弁137が設けられている。本実施形態のエンジン1は、気筒毎に2つの吸気弁136及び2つの排気弁137を備えた4弁タイプのものになっている。
また、エンジン1はOHV式のものであり、動弁機構187は、カム軸175の吸気カム及び排気カムによりタペット179及びプッシュロッド177と、プッシュロッド177の上下動にてヘッドカバー18内にある前後横長の弁腕軸188回りに揺動する弁腕189を備えている。プッシュロッド177の上端側はシリンダヘッド2に設けられたヘッド側プッシュロッド室190を介してヘッドカバー18内に突出している。プッシュロッド177の上端側は弁腕189の一端側に連結されている。弁腕189の他端側は、バルブブリッジ191を介して2つの吸気弁136又は2つの排気弁137に当接している。カム軸175の回転によってプッシュロッド177が上下動して、各弁腕189が弁腕軸188回りに揺動することにより、各気筒の吸気弁136の組と排気弁137の組とが開閉作動するように構成されている。
クランクケース171は、カム室176、バイパス通路183及びブロック側プッシュロッド室178を介して、シリンダヘッド2のヘッド側プッシュロッド室190に通じている。クランクケース171内のブローバイガスは、カム室176、バイパス通路183及びブロック側プッシュロッド室178を介して、シリンダヘッド2側へ移動する。なお、ヘッド側プッシュロッド室190、ブロック側プッシュロッド室178、バイパス通路183及びカム室176は、ヘッドカバー18内の潤滑油をクランクケース171側へ戻すオイル落とし経路を兼ねている。
上述のように、本実施形態のエンジン1では、タペット保持部180はカム室176とブロック側プッシュロッド室178の間を仕切っている。また、カム室176とブロック側プッシュロッド室178を通じさせるバイパス通路183は、タペット保持部180とシリンダボア173の間に形成されている。これにより、カム室176、バイパス通路183及びブロック側プッシュロッド室178で構成される、タペット保持部180を迂回した折れ曲がったブローバイガス経路が形成されている。したがって、エンジン1は、当該折れ曲がったブローバイガス経路でブローバイガスを壁面に衝突させることで、壁面への潤滑油の付着やミスト状潤滑油同士の結合を促進させてブローバイガス中の潤滑油の捕集量を増加でき、クランクケース171側からカム室176、バイパス通路183及びブロック側プッシュロッド室178を介してシリンダヘッド2側へ流出する潤滑油量を低減できる。
次いで、冷却水ポンプ21及び冷却水入口管22の構成について、図27〜図30等を参照して、以下に説明する。図27〜図30等に示す如く、シリンダブロック6の左側面における後側面寄りの部位に、冷却水ポンプ21(図2等参照)が取り付けられる冷却水ポンプ取付部319と、冷却水入口管22(図3等参照)が取り付けられる入口管取付座320が突設されている。冷却水ポンプ取付部319及び入口管取付座320はシリンダブロック6に一体成形されている。また、入口管取付座320の後側面側の部位は冷却水ポンプ取付部319に連結されている。冷却水ポンプ取付部319及び入口管取付座320は、クランク軸5から離れる方向に突設されており、シリンダブロック6の剛性、強度及び冷却効率を向上できる。
シリンダブロック6の後側面312及び冷却水ポンプ取付部319に冷却水循環用の冷却水ポンプ21がボルト締結されている。冷却水ポンプ21は、大きく分けてベースプレート部331とカバープレート部332とポンプ用プーリ333により構成される。
ベースプレート部331とカバープレート部332は、ベースプレート部331の周縁部に設けられた5か所の貫通ボルト孔と、その貫通ボルト孔に対応するカバープレート部332の貫通孔にカバープレート部332側からカバー用ボルト347がそれぞれ挿入及び締結されて、周縁部が互いに密着固定されている。
また、冷却水ポンプ21は、ベースプレート部331及びカバープレート部332の周縁部の9か所に設けられた貫通孔にそれぞれ装着用ボルト348が挿入されて、プレート部331,332が共締め状態でシリンダブロック6にボルト締結されている。装着用ボルト348の締め付けにより、ベースプレート部331とカバープレート部332の周縁部が互いに密着固定されるとともに、シリンダブロック6の冷却水流路出口327の周囲部と冷却水ポンプ21のポンプ吸入口334の周囲部が互いに密着固定され、さらにシリンダブロック6の冷却水導入口328の周囲部と冷却水ポンプ21のポンプ吐出口335の周囲部が互いに密着固定される。冷却水ポンプ21の周縁部に沿ったボルト347,348の配列において、隣り合うカバー用ボルト347,347の間には1つ又は2つの装着用ボルト348が配置されている。
カバー用ボルト347によりベースプレート部331とカバープレート部332が連結されていることにより、冷却水ポンプ21を1部品として流通できるとともに、冷却水ポンプ21を装着用ボルト348によりシリンダブロック6に装着する際の取付け作業が容易になる。
ベースプレート部331は、例えば冷却水ポンプ取付部319の部位を含んでシリンダブロック6の後側面の左側寄りの部位に開口された冷却水流路出口327に接続されるポンプ吸入口334と、シリンダブロック6の後側面の左側寄りの部位に開口された冷却水導入口328に接続されるポンプ吐出口335を備えている。
ベースプレート部331とカバープレート部332は互いに周縁部が密着されてポンプ吸入口334とポンプ吐出口335を接続するポンプ内冷却水流路336を形成する。ベースプレート部331とカバープレート部332の密着部にはポンプ吸入口334、ポンプ吐出口335及びポンプ内冷却水流路336を囲う環状シール部材が配置される。カバープレート部332は、一端部に羽根車(インペラ)が固着されるポンプ軸337を回転自在に軸支する。ポンプ軸337の他端部にポンプ用プーリ333が固着される。
シリンダブロック6の左側面に冷却水流路入口329が開口されている。冷却水流路入口329は左側面に突設された入口管取付座320に開口されている。シリンダブロック6内部に、左側面に開口された冷却水流路入口329と後側面に開口された冷却水流路出口327を接続する略L字状のブロック内冷却水流路338(冷却水流路)が形成されている。
入口管取付座320には冷却水流路入口329を挟んで一対のボルト孔が形成されており、冷却水入口339を有する冷却水入口管22(冷却水入口部材)が入口管取付座320に着脱可能にボルト締結される。冷却水入口管22にはラジエータの冷却水出口につながる配管が接続される。ラジエータからの冷却水は、エンジン1に冷却水入口管22から取り込まれ、ブロック内冷却水流路338及び冷却水ポンプ21を介して冷却水導入口328からシリンダブロック6内へ導入される。
この実施形態のエンジン1では、冷却水入口339を有する冷却水入口管22が冷却水ポンプ21のポンプ吸入口334につながる冷却水流路入口329に着脱可能に取り付けられるので、冷却水入口管22の形状等を変更するだけで冷却水入口339の位置を変更することができる。これにより、冷却水ポンプ21の冷却水入口339の位置を簡便かつ大幅な設計変更や製造コスト増大を招くことなく変更できる。
また、ラジエータからの冷却水を冷却水ポンプ21に供給する冷却水流路出口327と、冷却水ポンプ21からの冷却水をシリンダブロック6内に導入する冷却水導入口328がシリンダブロック6の左右に振り分けて配置されている。さらに、冷却水流路出口327と冷却水導入口328を接続しているポンプ内冷却水流路336はシリンダブロック6の左側面寄りの部位から右側面寄りの部位にわたって配置されている。このような構成により、ポンプ内冷却水流路336内を通過する冷却水は、冷却水流路出口327から冷却水導入口328へ移動する間、冷却ファン9(図2参照)からの冷却風により冷却される。したがって、冷却水を冷却水導入口328からシリンダブロック6内に導入する前に冷却水ポンプ21内で冷却できるので、エンジン1の冷却効率を向上できる。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 エンジン
2 シリンダヘッド
3 吸気マニホールド
4 排気マニホールド
5 クランク軸
6 シリンダブロック
7 フライホイールハウジング
8 フライホイール
9 冷却ファン
24 EGR装置
25 コレクタ(EGR本体ケース)
26 吸気スロットル部材
27 EGRクーラ
28 再循環排気ガス管
29 EGRバルブ部材
31 上流側EGRガス中継流路
32 下流側EGRガス中継流路
33 EGRクーラ連結台座
34 EGRクーラ連結台座
35 冷却水排水部
36 吸気流路
37 排気流路
38 下流側冷却水中継流路
39 上流側冷却水中継流路
40 吸気入口
41 EGRガス出口
42 排気入口
43 排気集合部
44 排気出口
45 ガスケット
46 間座
47 開口部
48 燃料管
91 熱交換部
92 フランジ部
93 フランジ部
94 冷却水出口
95 冷却水入口
96 EGRガス入口
97 EGRガス出口
98 ガスケット

Claims (5)

  1. 吸気ポートに新気を導入させる吸気流路と排気ポートから排気ガスを導出させる排気流路とが形成されるシリンダヘッドを備えたエンジン装置であって、
    前記シリンダヘッドの左右一側壁及び前後一側壁に設けられた冷却水流路が連通しており、
    前記吸気流路を集合する吸気マニホールドが、前記シリンダヘッドの左右一側部の一方に形成されており、
    前記シリンダヘッドが、前後他側面側であって前記吸気マニホールド端部に隣接する位置に、前記冷却水流路と連通する冷却水排水部を備えていることを特徴とするエンジン装置。
  2. 前記排気流路と連通する排気マニホールドと、前記排気マニホールドからの排気ガスの一部であるEGRガスを冷却するEGRクーラとを備え、
    前記シリンダヘッドの前後一側面に前記EGRクーラが連結され、
    前記シリンダヘッドにおける前記EGRクーラとの連結部位に、前記EGRクーラと連通するEGRガス流路及び前記冷却水流路が設けられることを特徴とする請求項1に記載のエンジン装置。
  3. 前記シリンダヘッドが、前記左右一側壁及び前後両側壁に挿通される複数のボルトによって、シリンダブロック上方に締結固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン装置。
  4. 前記EGRクーラと連結する連結台座が前記シリンダヘッドの前後一側面に左右一対で設けられるとともに、左右一対の前記連結台座それぞれが、EGRガス流路及び冷却水流路を上下に並べて穿設した構成を有することを特徴とする請求項2に記載のエンジン装置。
  5. 前記連結台座の一方が、EGRガス流路を冷却水流路の上方に配置した構成となり、前記連結台座の他方が、EGRガス流路を冷却水流路の下方に配置した構成となる請求項に記載のエンジン装置。
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