JP7293630B2 - コーティング材組成物、および積層体 - Google Patents
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当該ポリカルボン酸及びまたはその誘導体がフラン骨格を有するポリカルボン酸及びまたはその誘導体を含有することを特徴とするコーティング材組成物を提供することで、上記課題を解決する。
当該ポリカルボン酸及びまたはその誘導体がフラン骨格を有するポリカルボン酸及びまたはその誘導体を含有することを特徴とするコーティング材組成物を提供するものである。
本発明で使用するポリエステルは、ポリカルボン酸及びまたはその誘導体とポリオールとを反応することによって得ることができる。この時、ポリカルボン酸及びまたはその誘導体とポリオールとの反応は重縮合反応である。
本発明においては、ポリカルボン酸及びまたはその誘導体が、フラン骨格を有するポリカルボン酸及びまたはその誘導体を含有することを特徴とする。
本発明に用いられる、フラン骨格を含むカルボン酸及び/又はその誘導体とはフラン骨格を有する。フラン骨格とは下記構造(1)に示す5員環構造である。なお、以下の構造式において<2>~<5>は置換位置を示す。
この時のポリカルボン酸成分全量中のフラン骨格を含むポリカルボン酸及び/又はその誘導体の含有率は下記の式1によって表される
・・・式1
本発明における、ポリカルボン酸成分について、フラン骨格を含むポリカルボン酸及び/又はその誘導体以外の成分については特に制限はなく用いることができる。特にガスバリアが良好、もしくは非石油成分由来のポリカルボン酸成分を用いると、本発明の利点を高めることができるため好ましい。ガスバリアが良好なポリカルボン酸成分としては、特にベンゼン環が分子間相互作用することで、ポリマー自由体積孔が減少することより芳香族ポリカルボン酸が好ましく、例としては、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物或いはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。また、これらの酸無水物も使用することができる。更に、非石油成分由来のポリカルボン酸としては、セバシン酸、コハク酸等が例示される。セバシン酸は、トウゴマの種子より抽出されるひまし油から得られるリシノール酸をアルカリ熱分解することにより生成される。コハク酸は植物資源からグリコールを製造し発酵することで得られる。コハク酸は酸素原子間の炭素原子数が少ない短鎖アルキルであるため、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、酸素透過しにくいと推定されるためである。ガス透過経路であるアルキル鎖が短いためガスバリアも良好であるため好ましい。
本発明で使用するポリエステル原料の一部である、ポリオールは、水酸基を2つ以上有する化合物であれば特に限定はない。例えば公知慣用であるエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセロール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらの、エチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。
本発明のポリエステルの合成は、ポリカルボン酸とポリオールとを公知慣用の方法で反応させればよい。具体的にはポリカルボン酸とポリオールとの重縮合反応である。一例を挙げると、前記酸成分を含む全酸成分と前記ポリオール成分とを一括して仕込んだ後、攪拌混合しながら昇温し、脱水重縮合反応させる手法が好ましい。その際の脱水重縮合はJIS-K0070に記載の酸価測定法や、同じくJIS-K0070に記載の水酸基価測定方法にて得られる水酸基価、や粘度測定により所望の酸価、水酸基価、分子量のポリエステルを得ることができる。
本発明のポリエステルの分子量には特に限定はないが、数平均分子量が450~5000であるとガスバリア機能と溶剤溶解性のバランスに優れる程度の架橋密度が得られるため特に好ましい。より好ましくは数平均分子量が500~3000である。分子量が450より大きい場合、塗工時のコーティング材層の凝集力が十分あることから、コーティング層の密着力を確保し易い。また、分子量が5000以下である場合、コーティング材の粘度が高くなりにくいことから塗工性に優れる。
本発明のポリエステルの末端は水酸基末端と、カルボン酸末端、及びこれらの双方を持つ末端となりうるがそのいずれでも用いることができる。本発明のポリエステルを単独でコーティング材として用いても差し支えない。その一方で、ポリエステル末端の構造を利用し硬化剤を併用しても良い。
硬化剤としては、ポリエステル末端の構造に応じて適宜選択することができ、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が挙げられる。特に、水酸基末端の場合はイソシアネート硬化や伸長を行うことにより架橋構造、高分子量化を行うことでより有効にコーティング材としての機能を持たせることができることから、イソシアネート化合物が好ましい。また、カルボン酸末端の場合にはエポキシ硬化を行うことでより有効に接着剤としての機能を持たせる事もできることから、エポキシ化合物が好ましい。
本発明では、コーティング層がガスバリア機能を持つため、特にプラスチックフィルムを用いた積層体に用いることができる。そのため、硬化反応温度が低いイソシアネート/水酸基反応を利用することが好ましいため、イソシアネート化合物、特にポリエステルポリオールが好ましく用いられる。
本発明のコーティング材組成物は、ポリエステルを溶解させる必要がある観点から有機溶媒を主成分とすることが好ましい。加えて、残留溶媒や即乾燥性の観点から沸点が100℃以下である方が好ましい。好ましく用いられる溶媒としては、エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ケトン系溶媒としては、アセトン、2-ブタノン、エーテル系としてはテトラヒドロフラン、脂肪族系溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、芳香族系溶媒としてはトルエン等を例示することができる。アルコール系溶媒や水を混合しても差し支えないが、ポリエステルの硬化剤としてのイソシアネート化合物を併用する場合はこれらを含有させることに注意を要する。
本発明のポリエステルは前述の通り、硬化剤を併用することができる。硬化剤としてはイソシアネート化合物やエポキシ化合物等が挙げられる。中でもイソシアネート化合物が特に好ましい。
本発明では、前述の通り硬化剤成分としてイソシアネート化合物を含有すると好ましい。中でもイソシアネート基を2つ以上含有するポリイソシアネート化合物を好ましく用いることができる。ポリイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート或いはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3-ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4-ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタキシリレンジアミンなどの低分子活性水素化合物およびそのアルキレンオキシド付加物、各種ポリエステル樹脂類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られるアダクト体が挙げられる。
本発明のポリエステルがポリカルボン酸の場合には、エポキシ化合物を硬化剤として、用いることができる。また、ポリエステルがポリエステルポリオールの場合は、エポキシ化合物をイソシアネート化合物と併用しても良い。また、エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p-オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。このときも、これらのエポキシ化合物の原料として非石油由来成分が含有されていると、非石油由来成分比率を高くできることから好ましい。こうした化合物の例としてコハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステルが挙げられる。
本発明のコーティング材組成物は、基材に塗工することにより樹脂層と基材層とを有する積層体とすることができる。特に、本発明のコーティング組成物はガスバリア性に優れることから、得られる積層体はガスバリア材料として良好に使用可能である。
基材としては特に限定はないが、包装材料用とする場合、基材としては樹脂フィルムや紙基材が好ましい。樹脂フィルムや、紙基材へ塗工することによりガスバリアを付与した包装用の積層体として好ましく使用できる。
本発明ではコーティング材組成物を基材への塗工(コーティング)を行うことで多層体を作製しても良い。塗工方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等が挙げられる。
本発明の積層体が遮断できるガスとしては、酸素の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等を例示することができる。
また、本発明の積層体は、多層フィルムの他、ガスバリア性容器の一部として用いることもできる。当該容器は、コーヒー類、ココア類、味噌、ヨーグルト、料理済み米飯、焼肉用のタレ類、ドレッシング類、チーズ容器、ピザ等のソース類、等の容器等として用いることができる。
更に、本発明の積層体は、ラミネートチューブの一部として用いることもできる。当該チューブは、練りカラシ、練りワサビ、コンデンスミルク、生クリーム、豆板醤、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、バター、歯磨き粉、毛染め、ハンドクリーム、洗剤、ヘアクリーム用のチューブとして用いることができる。この他に形状としてボトル、積層板などを例示することができる。
(第1工程)
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管等を備えたポリエステル反応容器に、2,5-フランジカルボン酸の100部、グリセリンの59部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を190℃に保持した。酸価が40mgKOH/g以下になったところで降温し、第1工程を終了した。
(第2工程)
第1工程と同様の反応容器で、内温150℃を保持した後、無水フタル酸の14部を添加し、そのまま内温150℃を維持した。酸価が70mgKOH/gになったところで反応を終了し、PE1として、数平均分子量2000、水酸基価240mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
(第1工程)
製造例1と同様な反応容器に、2,5-フランジカルボン酸の90部、無水オルトフタル酸の10部、グリセリンの18部、エチレングリコールの28部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を190℃に保持した。酸価が40mgKOH/g以下になったところで降温し、第1工程を終了した。
(第2工程)
第1工程と同様の反応容器で、内温150℃を保持した後、無水フタル酸の4部を添加し、そのまま内温150℃を維持した。酸価が50mgKOH/gになったところで反応を終了し、PE2として、数平均分子量1300、水酸基価110mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
(第1工程)
製造例1と同様な反応容器に、2,5-フランジカルボン酸の60部、無水オルトフタル酸の38部、グリセリンの35部、エチレングリコールの16部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を190℃に保持した。酸価が40mgKOH/g以下になったところで降温し、第1工程を終了した。
(第2工程)
第1工程で用いたポリエステル反応容器と同様の装置で、内温150℃を保持した後、無水フタル酸の8部を添加し、そのまま内温150℃を維持した。酸価が60mgKOH/gになったところで反応を終了し、PE3として、数平均分子量1500、水酸基価170mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た
(第1工程)
製造例1と同様な反応容器に、2,5-フランジカルボン酸の33部、無水オルトフタル酸の60部、グリセリンの55部、エチレングリコールの4部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を190℃に保持した。酸価が40mgKOH/g以下になったところで降温し、第1工程を終了した。
(第2工程)
第1工程で用いたポリエステル反応容器と同様の装置で、内温150℃を保持した後、無水フタル酸の2部を添加し、そのまま内温150℃を維持した。酸価が45mgKOH/gになったところで反応を終了し、PE4として、数平均分子量1200、水酸基価310mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
(第1工程)
製造例1と同様な反応容器に、2,5-フランジカルボン酸の33部、無水オルトフタル酸の67部、グリセリンの40部、エチレングリコールの18部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を190℃に保持した。酸価が40mgKOH/g以下になったところで降温し、第1工程を終了した。
(第2工程)
第1工程で用いたポリエステル反応容器と同様の装置で、内温150℃を保持した後、無水フタル酸の44部を添加し、そのまま内温150℃を維持した。酸価が120mgKOH/gになったところで反応を終了し、PE5として、数平均分子量1000、水酸基価100mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
(第1工程)
製造例1と同様な反応容器に、無水オルトフタル酸の100部、グリセリンの62部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を190℃に保持した。酸価が40mgKOH/g以下になったところで降温し、第1工程を終了した。
(第2工程)
第1工程で用いたポリエステル反応容器と同様の装置で、内温150℃を保持した後、無水フタル酸の15部を添加し、そのまま内温150℃を維持した。酸価が70mgKOH/gになったところで反応を終了し、PE6として、数平均分子量1700、水酸基価220mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
(第1工程)
製造例1と同様な反応容器に、アジピン酸の99部、グリセリンの62部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を190℃に保持した。酸価が40mgKOH/g以下になったところで降温し、第1工程を終了した。
(第2工程)
第1工程で用いたポリエステル反応容器と同様の装置で、内温150℃を保持した後、無水フタル酸の15部を添加し、そのまま内温150℃を維持した。酸価が69mgKOH/gになったところで反応を終了し、PE7として、数平均分子量1700、水酸基価218mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
以下、実施例・比較例について述べる。組成および評価結果を表2-1、および表2-2に示す。
また、表2-2中の参考例とは実施例、比較例用のコーティング材組成物を積層しなかったPET基材及び、透明蒸着基材単独の酸素透過率、水蒸気透過率を示したものである。
各合成工程で得たポリエステルを、表2-1、および表2-2の配合工程に沿って配合を行なった。具体的にはまず、ポリエステルと溶剤とを、常温にてスターラーで撹拌し溶剤に溶解した溶液を調製した。得られた溶液に引き続き表1中断の配合で硬化剤(ポリイソシアネート)を添加し、常温にてスターラーで撹拌し均一のコーティング液を調製した。
実施例1~5では、製造例1~5で合成したポリエステルと、同ポリエステルに溶剤と硬化剤を前記方法で配合したコーティング液を、コロナ処理された12μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(商品名:E-5100、東洋紡株式会社製)のコロナ処理面に、バーコーターを用いて、乾燥後のコーティング材層の厚さが5μmになるように塗工した。塗工後のPETフィルムを、塗工後直ぐに120℃の乾燥機中で1分加熱乾燥した。これを更に40℃で3日間エージングすることで、硬化剤の反応を促進させたコーティング材層が設置されたPETフィルム/コーティング材の積層体を得た。また、同様なコーティング液を透明蒸着PETフィルム(バリアロックス1011HG、東レフィルム加工株式会社製)の蒸着面側に塗工厚さが0.5μmになるように塗工した。塗工後の透明蒸着PETフィルムを、塗工後直ぐに120℃の乾燥機中で1分加熱乾燥した。これを更に40℃で3日間エージングすることで、硬化剤の反応を促進させたオーバーコート層が施された蒸着PETフィルム/コーティング材の積層体を得た。
比較例1、2では、製造例6,7で合成したポリエステルを用い、実施例1~5と同様な方法とPETフィルム、及び透明蒸着PETフィルムとコーテティング剤とからなる積層体を得た。
得られた積層体を、モコン社製酸素透過率測定装置OX-TRAN2/21MHを用いてJIS-K7126(等圧法)に準じ、23℃、相対湿度(RH)0%での酸素透過率を測定した。
各種実施例、比較例で得られたフィルム及び、参考例として未処理の蒸着フィルムを、Illinois社製水蒸気透過率測定装置7012を用いて、伝導度法「ISO-15106-3」に準じ、40℃90%RHの雰囲気下で測定した。
コーティング材組成物が積層された積層体を6cm×18cmの大きさに切出し、塗工面を内側にして三つ折りした後、40℃雰囲気下荷重2kg/cm2をかけ、24時間後に剥がす操作を行い、コート面とフィルム裏面が剥離するか否かで評価した。
◎:剥離音の発生、剥離帯電、フィルムの汚れいずれもなし
○:剥離音の発生がなく、剥離帯電がややあり、フィルムの汚れなし
△:剥離音の発生、剥離帯電、フィルムの汚れのいずれか二つ以上がややあり
×:剥離音の発生、剥離帯電、フィルムの汚れのいずれか一つ以上が激しくあり
・D-110N:三井化学(株)製「タケネートD-110N(NB)」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発成分:75%、NCO%:11.5%、溶媒:酢酸エチル)
・KW-75:DIC株式会社製「ディックドライKW75」(トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発成分75%、NCO%:11.5%、溶媒酢酸エチル)
本発明のコーティング材組成物は、非石油原料由来で得ることができるフラン骨格を含むポリカルボン酸を用いつつ、高いガスバリア特性と、耐ブロッキング特性を両立した材料である。
Claims (6)
- ポリカルボン酸及びまたはその誘導体とポリオールとを反応して得られるポリエステルと硬化剤を含有するガスバリア材料用コーティング材組成物であって、
当該ポリカルボン酸及びまたはその誘導体が2,5-フランジカルボン酸及びまたはその誘導体を含有することを特徴とするガスバリア材料用コーティング材組成物。 - 前記ポリカルボン酸及びまたはその誘導体全量に対する2,5-フランジカルボン酸及びまたはその誘導体の含有率が20~100モル%である、請求項1に記載のガスバリア材料用コーティング材組成物。
- 硬化剤がイソシアネート化合物である、請求項1又は2に記載のガスバリア材料用コーティング材組成物。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載のガスバリア材料用コーティング材組成物を含む積層体。
- さらに蒸着層を含有する、請求項4に記載の積層体。
- ガスバリア材料用コーティング材組成物と、樹脂フィルム又は紙基材を含む請求項4又は5に記載の積層体。
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