JP7286352B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトルに関する。
リアクトルは、ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車の駆動システム等をはじめ、種々の用途で使用されている。例えば、車載用の昇圧回路に用いられるリアクトルとして、環状コアの周囲を樹脂によるモールド成型等によって被覆し、その外周にコイルを巻回したものが知られている。
この種のリアクトルは、コアに巻回されたコイルと、コアを被覆しコアとコイルの絶縁を図る樹脂部材とを有するリアクトル本体と、ケースと、充填成形部とを有する。リアクトル本体はケースに収容され、リアクトル本体とケースの間に充填材が注入される。充填成形部は、この充填材が固化して成ったものである。つまり、リアクトル本体は、充填成形部に覆われている。リアクトル本体は、コイルに電流が流れることにより発熱する。このリアクトル本体に発生する熱は、充填成形部を介してケースへ伝達させることで、放熱させている。そのため、充填材には、熱伝導性の高い樹脂が用いられている。
また、コアを樹脂部材で被覆すると、充填成形部がコアと直接接触していないため、コアの熱をケースに効率良く伝達できず、コアと樹脂部材の間に熱が籠りやすい。そこで、コアが樹脂部材から露出するコア露出面を設けて、コア露出面を充填成形部と接触させることで、放熱性を向上させる手法がある。
特開2016-207701号公報
充填材を注入する際には、充填材に空気が混入する場合がある。この空気はボイドと称される。ボイドがリアクトルの内部に残ると熱抵抗となり、また、リアクトル本体に充填材を均一に充填できず、リアクトルの放熱性を妨げる要因となる。そのため、ボイドは、リアクトル外部に放出させることが望ましい。
しかし、コア露出面を設ける場合、コアの縁を囲うように樹脂部材が覆っている。この樹脂部材で囲われた中に入ったボイドは、樹脂部材が障壁となるため、そこから抜け出ることが困難で、ボイドがリアクトル内に溜まる。そのため、ボイドが溜まった箇所に充填材を密着させて充填できず、放熱性が悪化する。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、放熱性を向上させることができるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、コイルが巻回されるコア及び前記コアを被覆する樹脂部材を有するリアクトル本体と、前記リアクトル本体を収容するケースと、充填材が固化して成り、前記ケースと前記リアクトル本体との隙間に介在する充填成形部と、を備え、前記コアは、前記ケースの底と対向する底面と、前記底面から立ち上がる側面と、前記底面と前記側面を繋ぐ角が切り欠かれた切欠き部と、を有し、前記樹脂部材は、前記樹脂部材を凹ませた開口部を有し、前記開口部は、1つの開口によって前記底面の少なくとも一部及び前記側面の少なくとも一部を露出させ、前記樹脂部材は、露出する前記底面及び露出する前記側面より突出することなく前記切欠き部を埋める埋立部を有すること、を特徴とする。
本発明によれば、放熱性を向上させることができるリアクトルを得ることができる。
第1の実施形態のリアクトルの全体構成を示す斜視図である。 第1の実施形態のコアの全体構成を底面から見た斜視図である。 コアを被覆した樹脂部材を底面から見た斜視図である。 充填材の注入口を示すためのリアクトルの平面図である。 本実施形態に係るボイドの動きを示す模式図である。
第1の実施形態に係るリアクトルについて図面を参照しつつ説明する。図1は、第1の実施形態に係るリアクトル1の全体構成を示す斜視図である。なお、本明細書において、後述するコイル4の巻軸方向を「Y軸方向」とする。Y軸方向と直交し、2つのコイル4a、4bの横並び方向と平行な方向を「X軸方向」とする。X軸方向及びY軸方向と直交する方向を「Z軸方向」とし、このZ軸方向がリアクトルの高さ方向である。図1のZ軸方向の矢印が示す方向を「上」側、その逆方向を「下」側とする。「下」は「底」とも称する。これらの方向は、リアクトルの各構成の位置関係を示すための表現であり、リアクトルが設置対象に設置された際の位置関係及び方向を限定するものではない。
リアクトル1は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、電圧の昇降圧等に使用される。本実施形態のリアクトル1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等で使用される大容量のリアクトルである。リアクトル1は、これら自動車に搭載される昇圧回路の主要部品である。
図1に示すように、このリアクトル1は、リアクトル本体2、ケース6及び充填成形部7を有する。リアクトル本体2は、コア3とコイル4と樹脂部材5とを有する。コア3は、磁性体から成り、概略θ状の環状形状である。このコア3は、コア3とコイル4とを絶縁するエポキシ樹脂等の樹脂部材5によって被覆されている。コイル4は、合計4つあり、各コイル4a、4b、4c、4dはコア3に巻回されている。コイル4a及び4b、コイル4c及び4dは、それぞれ巻軸方向が平行となるように隙間を介して横並びに配置される。また、コイル4a及び4c、コイル4b及び4dは、それぞれの巻軸が共通軸となるように配置される。リアクトル本体2はケース6に収容され、充填成形部7はリアクトル本体2とケース6との隙間を埋めている。
このようなリアクトル1では、外部電源からコイル4に電流が供給されると、コイル4は磁束を発生させる。コイル4が発生させた磁束は、閉じた磁気回路を形成するコア3を通る。これにより、電気エネルギーが磁気エネルギーに変換される。電流供給によってコイル4に生じた熱は、充填成形部7を介しケース6に伝達されて外部へ放出される。
図2はコア3の底面斜視図である。コア3は、2つのブロックコア31と2つのT字型コア32により構成される。ブロックコア31は、対向して配置される。T字型コア32は、長手方向がブロックコア31と平行に設けられた中央突出部33と、コイル4が巻回され、中央突出部33の左右に配置される一対の脚部34を有する。T字型コア32は、対向に配置されたブロックコア31の間に、互いの中央突出部33が対向するように配置される。
また、脚部34は、底面35、側面36、及び底面35と側面36を繋ぐ角部37を有する。底面35とは、ケース6の底と対向する脚部34の端面である。側面36とは、底面35から立ち上がり、コイル4の巻軸方向と平行な端面である。即ち、側面36は、ケース6の側壁と対向する端面と、互いのT字型コア32の脚部34が対向する端面の2つ存在する。
コア3は、圧粉磁心を用いる。もっとも、コア3は圧粉磁心に限らず、フェライトコア、積層鋼板又は磁性粉末と樹脂とを含む複合磁性材料によって構成されたメタルコンポジットコア(MCコア)を用いてもよい。
図3は、コア3を被覆した樹脂部材5の底面から見た斜視図である。図3に示すように、コア3は、樹脂部材5により被覆されている。コア3は、モールド成型によって、樹脂部材5と一体に形成されたモールドコアである。つまり、樹脂部材5は、コア3に密着している。もっとも、コア3は全周が樹脂部材5に被覆されている必要はなく、コア3とコイル4の絶縁を図ることができれば、コア3を被覆せず、コア3が露出している箇所があってもよい。
樹脂部材5は、樹脂部材5を凹ませた開口部51を有する。開口部51の凹みは、コア3の底面35の少なくとも一部及び側面36の少なくとも一部にまで達している。即ち、開口部51は、底面35の少なくとも一部及び側面36の少なくとも一部を露出させる。また、開口部51は、1つの開口によって底面35及び側面36の少なくとも一部を露出させる。つまり、開口部51は、底面35を露出させる底面開口部511及び側面36を露出させる側面開口部512を有する。そして、開口部51は、1つの開口によって底面35及び側面36を露出させるので、底面開口部511と側面開口部512は、連通している。なお、開口部51によって露出する底面35を露出底面と呼び、露出する側面36を露出側面と呼ぶ場合がある。
本実施形態では、底面開口部511は、略直角三角形状に露出底面を露出させ、側面開口部512は、略矩形状に露出側面を露出させる。底面開口部511及び側面開口部512は、1つの脚部に対して2つずつ設けられている。底面開口部511は、斜辺が共通になるように、即ち、直角をなす角が対角となるように配置される。側面開口部512の1辺は、底面開口部511の直角をなす長辺の一部と共通の辺となり、この共通の辺が角部37上に設けられる。この共通の辺の部分には、露出底面及び露出側面上を樹脂部材5が被覆していない。したがって、底面開口部511と側面開口部512は、共通の辺の部分によって連通している。換言すれば、露出底面と露出側面が段差なく接続される。
この露出底面と露出側面が段差なく接続される箇所は、放出箇所Rとも称する。この放出箇所を備える開口部51にはコイル4が巻回される。放出箇所Rは、コイル4の内周面と隙間を設けて配置される。また、側面開口部512とコイル4の内周面も隙間を設けて配置される。これら隙間は外気に通じている。このように、放出箇所Rと外気は連通している。よって、充填材の注入時に充填材に混入した空気(以下、ボイドとも称する)を底面開口部511から放出箇所Rを介してリアクトル1の外部に放出させることができる。
露出底面及び露出側面は、平坦面であることが望ましい。露出底面及び露出側面を平坦にすることで、ボイドの流動の邪魔となる壁がなくなり、より多くのボイドを放出箇所に導くことができ、リアクトル1の外部に放出させることができる。
ここで、本実施形態では、角部37は、コア3を切り欠いた切欠き部である。そして、樹脂部材5は、この切欠き部を埋め立てる埋立部52を有する。埋立部52は、露出底面及び露出側面よりも突出していない。このように、開口部51内は、全てが露出底面及び露出側面である必要はなく、露出底面及び露出側面を突出していないのであれば、樹脂部材5が含まれていてもよい。なお、コア3を切り欠いた切欠き部は設けなくてもよい。また、切欠き部を設けた場合であっても、この切欠き部を樹脂部材で埋め立てなくてもよい。即ち、コア3が切欠き部を有する場合であっても、この切欠き部を樹脂部材で埋め立てる埋立部52を設けなくてもよい。
樹脂部材5は、第1の辺53、第2の辺54、ガイド部55及びガード部56を有する。第1の辺53及び第2の辺54は、略直角三角形状の底面開口部511の直角をなす短辺である。つまり、第1の辺53及び第2の辺54は、コイル4の巻軸方向と直交する露出底面の縁を画成する辺であり、樹脂部材5に被覆されている底面35と露出している底面35との境目である。第1の辺53と第2の辺54は、対向に配置される。
ガイド部55は、細棒形状である。ガイド部55は、底面開口部511の斜辺となる。即ち、ガイド部55は、第2の辺54の端部から第1の辺53の端部に向かって巻軸方向に対して斜めに延びている。換言すれば、ガイド部55は、第2の辺54の端部から放出箇所Rの端部に向かって延びている。なお、本実施形態では、ガイド部55は、第2の辺54の端部から放出箇所Rに向かって延びているが、これに限定されず、第2の辺54から第1の辺53に向かって延びていればよく、例えば、第2の辺54から第1の辺53に向かってコイル4の巻軸方向と平行に延びていてもよい。
ガード部56は、第2の辺54からコア3の角部37に沿って延び、第1の辺53には未達である。本実施形態では、ガード部56は、第2の辺54から露出底面の巻軸方向の長さの略半分まで延びている。換言すれば、第1の辺53からガード部56までの間が、露出底面と露出側面が段差なく接続している放出箇所となる。このように、露出底面と露出側面が段差なく接続している放出箇所は、角部37全てである必要はなく、一部のみで足りる。
充填成形部7は、リアクトル本体2とケース6の隙間に充填材が充填され、固化してなる部材である。充填材としては、リアクトル1の放熱性能の確保及び振動伝搬の軽減のため、比較的柔らかく熱伝導性の高い樹脂が適している。充填成形部7は、充填材が注入される注入口を有する。注入口は、コイル4aと4b間、コイル4cと4d間の隙間に設けられ、充填成形部7の上面からケース6の底までリアクトル1の構成する部材が介在することなく、充填成形部7のみによって埋め立てられている箇所である(図4の黒丸箇所)。
(作用)
次に、作用について図4及び図5を参照しつつ説明する。まず、リアクトル本体2を作製する。作製したリアクトル本体2をケース6に収容する。そして、ケース6に充填材を注入する。充填材は、コイル4間の隙間から注入する。
充填材を注入するとき、空気を巻き込み、充填材に空気が混入する場合がある。この空気はボイドXと称され、ボイドXがリアクトル1の内部に残留すると、当該部分に充填材を充填できず、充填材をリアクトル本体2やケース6と密着させて充填できないため、放熱効果が低下する。
ここで、従来から放熱性を向上させるため、コアの底面及び側面を露出させる手法が提案されてきた。この従来提案されてきた手法では、底面を露出させる底面開口部と側面を露出させる側面開口部は、それぞれ独立に設けられており、底面開口部と側面開口部には隔たりがあった。即ち、コアの底面開口部の周囲は、樹脂部材によって囲われており、側面開口部と連通していなかった。そのため、底面開口部の中に入ったボイドは、樹脂部材が障壁となり、底面開口部から出ていくことができず、リアクトルの内部に残留するおそれがあった。
これに対して、本実施形態では、樹脂部材5は、1つの開口によって底面35及び側面36を露出させる開口部51を有し、開口部51は、底面開口部511と側面開口部512が段差なく接続された放出箇所Rを有する。これにより、底面開口部511に入り込んだ充填材は、放出箇所Rに向かって流動する。そして、図5に示すように、底面開口部511に入り込んだボイドXも充填材の流れに沿って動き、この放出箇所Rから放出させることができる。また、充填材を真空中で充填した場合には、底面開口部511に流入した充填材は、圧力差によって放出箇所Rに向かい、同様に放出箇所RからボイドXを放出させることができる。
そして、放出箇所Rは、コイル4の内周面と隙間を設けて配置される。このように、放出箇所とコイル4の内周面とを隙間を設けて配置することで、放出箇所Rから放出されたボイドXは、当該隙間を介してリアクトル1の外部に放出できる。換言すれば、コイル4の内周面が障壁となって放出箇所Rにボイドが残留することを防止できる。よって、ボイドXがリアクトル1の内部に残留することを低減でき、充填材をリアクトル本体2とケース6の隙間に均一かつ密着させて充填できる。したがって、リアクトル1の熱を充填材を介して効率良くケース6に伝達させることができ、リアクトル1の放熱性が向上する。
また、リアクトル1は、コイル4に電流が流れることで発熱する。即ち、コイル4は発熱源となる。本実施形態では、コイル4は、脚部34に巻回され、開口部51は、脚部34の底面35及び側面36を露出させる。即ち、コイル4が巻回されている脚部34には開口部51がある。そして、開口部51は放出箇所Rを有するので、ボイドXを放出箇所Rからリアクトル1の外部に放出できる。そのため、リアクトル1の発熱源であるコイル4に充填材を密着させて充填することができる。よって、コイル4の熱を効率良くケース6に伝達でき、リアクトル1の放熱性を向上させることができる。
ガイド部55は、第2の辺54のケース6側の端部から放出箇所Rに向けて斜めに延びている。このように放出箇所Rに向けてガイド部55を設けることで、ガイド部55に接触したボイドXを放出箇所Rに導くことができる。また、露出底面を2分割することで放出箇所Rに向かうボイドXも2か所の放出箇所Rに分散でき、より効率良くボイドXを放出箇所Rに導くことができる。よって、より多くのボイドXを放出箇所Rから放出させることができるので、リアクトル1の放熱性をより向上させることができる。
樹脂部材5は、第2の辺54から角部37に沿って延び、第1の辺53には未達であるガード部56を有する。ガード部56は、ボイドXが充填材の注入口付近から放出されることを防止する機能を有する。充填材の注入口付近からボイドXが放出されると、その後も注入される充填材がリアクトル1の外部に放出されようとしているボイドXを巻き込む場合がある。
本実施形態では、上記のとおり、充填材は、中央突出部33側のコイル4間の隙間(図4の黒丸箇所)から注入される。そのため、ガード部56を設けることで、底面開口部511の内部に入ったボイドXは、ガード部56が壁となり、充填材の注入口付近から放出されることを防止する。よって、その後も注入される充填材がボイドXを巻き込むことを防止できるので、ボイドXを効率良くリアクトル1の外部に放出させることができ、リアクトル1の放熱性を向上させることができる。
樹脂部材5は、コア3をモールド成型して成り、コア3と一体に形成されている。即ち、樹脂部材5は、コア3と隙間なく密着した状態でコア3を被覆している。そのため、ボイドXがコア3と樹脂部材5の隙間に入り込むことはない。そのため、ボイドXがコア3と樹脂部材5との隙間に入り込んで、放熱性を悪化させることはない。また、コア3と樹脂部材5が密着しているので、熱の伝達性も良い。よって、リアクトル1の放熱性が向上する。
また、コア3は、圧粉磁心である。充填材を注入する際、充填材に空気が混入することを防止するため、真空中で行う場合がある。真空中に圧粉磁心を配置すると、プレス成形時に圧粉磁心に混入した空気が膨張し、圧粉磁心から空気(ボイド)が放出される。このボイドは、樹脂部材5に被覆されていないコア3の露出面から発生する。
本実施形態では、上記のとおり、開口部51は、ボイドXを放出できる放出箇所を有する。そのため、コア3の露出底面から発生したボイドXを放出箇所から放出できる。よって、コア3から発生するボイドXも底面開口部511内に残留させることを低減でき、リアクトル1の放熱性を向上させることができる。
(効果)
以上のとおり、本実施形態のリアクトル1は、コイル4が巻回されるコア3及びコア3を被覆する樹脂部材5を有するリアクトル本体2と、リアクトル本体2を収容するケース6と、充填材が固化して成り、ケース6とリアクトル本体2との隙間に介在する充填成形部7と、を備える。コア3は、ケース6の底と対向する底面35と、底面35から立ち上がる側面36と、を有する。開口部51は、1つの開口によって底面35の少なくとも一部及び側面36の少なくとも一部を露出させる。
つまり、開口部51には、底面開口部511と側面開口部512とが段差なく接続している放出箇所Rがある。これにより、底面開口部511内に入り込んだボイドXをこの放出箇所Rから放出させることができる。そのため、リアクトル1内部に残留するボイドXを低減することができる。よって、リアクトル本体2とケース6の隙間に均一に、かつ密着させて充填材を充填できるので、リアクトル1の放熱性が向上する。
同時に、底面開口部511と側面開口部512は連通しているので、その分コア3の露出面積を増大できる。そして、ボイドXは、放出箇所Rからリアクトル1の外部に放出させることができるので、充填材を露出したコア3と密着させて充填できる。このような観点からも、リアクトル1の放熱性が向上する。
開口部51によって露出する底面35及び側面36は平坦である。これにより、露出底面及び露出側面に凹凸がないため、コア3が放出箇所Rに向かうボイドXが障壁なく放出箇所に向かうことができ、より多くのボイドXを放出箇所Rから放出させることができる。よって、充填材を均一かつ密着させて充填できるので、リアクトル1の放熱性が向上する。
コア3は、底面35と側面36が繋がる角部37が切り欠かれた切欠き部を有し、樹脂部材5は、露出する底面35及び露出する側面36より突出することなく切欠き部を埋める埋立部52を有する。これにより、埋立部52がある分、樹脂部材5の強度を上げることができ、リアクトル1の耐久性が向上する。また、切欠き部を埋立部52で埋めることで、コア3の底面35及び側面36を平坦にし、一続きにすることができる。これにより、ボイドXを効率良く放出箇所Rから放出させることができるため、リアクトル1内に残留するボイドXを低減できる。
コイル4は、コア3の脚部34に巻回され、開口部51は、脚部34の底面35及び側面36を露出させる。リアクトル1の熱の発生源となるコイル4が巻回される箇所に開口部51を設けることで、ボイドXを放出箇所Rから放出することができ、コイル4の周辺に充填材を密着させて充填させることができる。よって、発熱源となるコイル4の熱を充填材を介して効率良くケースに伝達することができるので、リアクトル1の放熱性が向上する。
樹脂部材5は、コイル4の巻軸方向と直交する露出底面の縁を画成する第1の辺53と、コイル4の巻軸方向と直交する露出底面の縁を画成し、第1の辺53と対向に設けられる第2の辺54と、第1の辺53から第2の辺54に向けて延びるガイド部55を有する。これにより、樹脂部材5の強度を上げることができる。よって、リアクトル1の耐久性が向上する。また、ガイド部55によって露出底面を2分割することで放出箇所Rに向かうボイドXも2か所の放出箇所Rに分散でき、より効率良くボイドXを放出箇所Rに導くことができる。よって、リアクトル1に残留するボイドXを低減できる。
ガイド部55は、第1の辺53の端部から第2の辺54の端部に向けて斜めに延びている。これにより、底面開口部511に入り込んだボイドXを放出箇所Rに導くことができる。そのため、より多くのボイドXを放出箇所Rから放出させることができ、リアクトル1内部に残留するボイドXを低減できる。よって、充填材を均一かつ密着させて充填できるので、リアクトル1の放熱性が向上する。
コア3は、樹脂部材5にモールドされ、樹脂部材5と一体に形成されている。これにより、ボイドXをコア3と樹脂部材5の隙間に残留させることなく、リアクトル1の外部に放出させることができる。よって、リアクトル1の放熱性が向上する。
コア3は、圧粉磁心である。充填材の注入を真空中で行うと、圧粉磁心からボイドXが発生することがある。このように、圧粉磁心から発生したボイドXも、底面開口部511に残留させることをなく放出箇所Rから放出させることができる。よって、圧粉磁心から発生するボイドXもリアクトル1の外部に放出することができるので、リアクトル1の放熱性が向上する。
(他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本実施形態では、2つの底面開口部511を有し、露出底面を略直角三角形状に露出させたが、底面開口部511と底面開口部512とが連通していれば、底面開口部511の数及び形状はこれに限られない。例えば、1つの底面開口部511が露出底面を矩形状に露出させ、2つの側面開口部512と連通していてもよい。
本実施形態では、ガード部56は、第2の辺54の両端部からそれぞれ角部37に沿って延びていたが、どちらか一方のみに設けてもよい。これにより、ガード部56を設けていない側の放出箇所Rをより広げることができる。よって、より多くのボイドXをリアクトル1外部に放出させることができ、リアクトル1の放熱性を向上させることができる。
本実施形態では、図3に示すように、1つの脚部34にそれぞれ2つずつ合計8つの開口部51を設けたが、開口部51は、少なくとも1つ設けられていればよい。つまり、1つの脚部34に1つのみ開口部51を設けて、残りの3つの脚部34には、露出底面と露出側面が段差なく接続されていなくてもよい。換言すれば、全てのガード部56は、第2の辺54からコア3の角部37に沿って延び、第1の辺53には未達である必要はなく、1箇所だけ未達であれば、残りのガード部56は、第1の辺53に達していてもよい。
本実施形態では、コア3は、樹脂部材5と一体成型させたが、コア3と樹脂部材5は一体に成型しなくてもよい。即ち、コア3と樹脂部材5は別体として成型し、コア3に樹脂部材5を嵌め込んで構成させてもよい。
1 リアクトル
2 リアクトル本体
3 コア
31 ブロックコア
32 T字型コア
33 中央突出部
34 脚部
35 底面
36 側面
37 角部
4、4a、4b、4c、4d コイル
5 樹脂部材
51 開口部
511 底面開口部
512 側面開口部
52 埋立部
53 第1の辺
54 第2の辺
55 ガード部
56 ガイド部
6 ケース
7 充填成形部
X ボイド
R 放出箇所

Claims (7)

  1. コイルが巻回されるコア及び前記コアを被覆する樹脂部材を有するリアクトル本体と、
    前記リアクトル本体を収容するケースと、
    充填材が固化して成り、前記ケースと前記リアクトル本体との隙間に介在する充填成形部と、
    を備え、
    前記コアは、
    前記ケースの底と対向する底面と、
    前記底面から立ち上がる側面と、
    前記底面と前記側面を繋ぐ角が切り欠かれた切欠き部と、
    を有し、
    前記樹脂部材は、前記樹脂部材を凹ませた開口部を有し、
    前記開口部は、1つの開口によって前記底面の少なくとも一部及び前記側面の少なくとも一部を露出させ
    前記樹脂部材は、露出する前記底面及び露出する前記側面より突出することなく前記切欠き部を埋める埋立部を有すること、
    を特徴とするリアクトル。
  2. 前記開口部によって露出する前記底面及び前記側面は平坦であること、
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記コイルは、前記コアの脚部に巻回され、
    前記開口部は、前記脚部の前記底面及び前記側面を露出させること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記樹脂部材は、
    前記コイルの巻軸方向と直交する露出する前記底面の縁を画成する第1の辺と、
    前記コイルの巻軸方向と直交する露出する前記底面の縁を画成し、前記第1の辺と対向に設けられる第2の辺と、
    前記第1の辺から前記第2の辺に向けて延びるガイド部と、
    を有すること、
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のリアクトル。
  5. 前記ガイド部は、前記第1の辺の端部から前記第2の辺の端部に向けて斜めに延びていること、
    を特徴とする請求項に記載のリアクトル。
  6. 前記コアは、前記樹脂部材にモールドされ、前記樹脂部材と一体に形成されていること、
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のリアクトル。
  7. 前記コアは、圧粉磁心であること、
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のリアクトル。
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