JP7064718B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本開示は、リアクトルに関する。
特許文献1のリアクトルは、コイルと磁性コアとの組合体と、ケースと、封止樹脂部とを備える。ケースは、組合体を内部に収納する。このケースは、組合体が載置される底板部と、組合体の外周を囲む側壁部とを有する。底板部と側壁部とは、一体に成形されている。コイルは、一対の巻回部を有する。一対の巻回部の形状は、互いに矩形状である。一対の巻回部の幅及び高さは、互いに同一である。この一対の巻回部は、互いの軸が平行となるように底板部の同一平面上に横並びに配置(平置き)されている。磁性コアは、各巻回部の内部に配置される内側コア部と、各巻回部の外部に配置される外側コア部とを有する。封止樹脂部は、ケースの内部に充填され、組合体を封止する。
特開2016-207701号公報
リアクトルの設置対象によっては、リアクトルの設置スペースが小さくて、一対の巻回部を平置きできない場合がある。小さな設置スペースにリアクトルを設置するために、例えば、一対の巻回部を互いの軸が平行となるように設置面と直交方向に積層(縦積み)することが考えられる。
しかし、ケースの底板部に対して、同一幅の一対の巻回部を縦積みすれば、上段の巻回部の側面とその側面に対向するケースの側壁部との間の間隔が、下段の巻回部の側面とケースの側壁部との間の間隔に比較して大きくなる。ケースの側壁部の内壁面には、通常、ケースの底板部の内底面からその反対側に向かって互いに対向する距離が離れるように傾斜する傾斜面が形成されている。ケースは、代表的には、ダイキャストなどの金型鋳造や射出成形により製造される。内壁面の傾斜面は、ケースの製造時、金型からケースを離型させるために金型に設けられる抜き勾配が転写されることで形成される。縦積みする一対の巻回部を収納するケースの深さは、平置きする一対の巻回部を収納するケースの深さに比較して深い。ケースの深さが深いほど、上段の巻回部の側面とケースの内壁面との間の間隔は大きくなる。
上段の巻回部の側面とケースの内壁面との間の間隔が大きくなることで、ケースの内壁面を介して上段の巻回部を放熱し難くなる。即ち、下段の巻回部は冷却し易く、上段の巻回部は冷却し難い。その結果、上段の巻回部が下段の巻回部に比べて高温になると、リアクトルの損失が大きくなる。
そこで、設置面積が小さくて、低損失なリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示に係るリアクトルは、
コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
前記ケースは、
前記組合体が載置される内底面と、
前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
前記コイルは、
前記内底面側に配置される第一巻回部と、
前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい。
本開示に係るリアクトルは、設置面積が小さくて、低損失である。
実施形態1に係るリアクトルの概略を示す側面図である。 図1の(II)-(II)切断線で切断したリアクトルの概略を示す断面図である。 実施形態2に係るリアクトルの概略を示す断面図である。 実施形態3に係るリアクトルの概略を示す断面図である。
《本開示の実施形態の説明》
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一形態に係るリアクトルは、
コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
前記ケースは、
前記組合体が載置される内底面と、
前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
前記コイルは、
前記内底面側に配置される第一巻回部と、
前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい。
上記の構成によれば、第一巻回部と第二巻回部とを縦積みしているため、第一巻回部と第二巻回部とを平置きする場合に比較して、設置面積が小さい。一般的に、第一巻回部と第二巻回部の並列方向とコイルの軸方向との両方向に直交する方向に沿った組合体の長さが、第一巻回部と第二巻回部の並列方向に沿った組合体の長さよりも小さいからである。
また、上記の構成によれば、低損失である。第一巻回部と第二巻回部のそれぞれの高さを一定としたとき、第二巻回部の幅を第一巻回部の幅よりも大きくすることで、第一巻回部と第二巻回部とを同一幅とする場合に比較して、第二巻回部の側面とその側面に対向する傾斜面との間の間隔を小さくし易い。そのため、第二巻回部を放熱させ易い。よって、ケースのコイル対向面を介して第一巻回部と第二巻回部とを均等に冷却し易い。この第一巻回部と第二巻回部の均等な冷却により、コイルの最高温度を低減し易い。コイルの最高温度の低減により、リアクトルの損失を低減し易い。巻回部の幅の定義は後述する。
更に、上記の構成によれば、上述のように第二巻回部の幅を第一巻回部の幅よりも大きくするだけで第二巻回部を放熱させ易くできるため、低コスト化を図れる。封止樹脂部を熱伝導率の高い樹脂などで構成しなくてもよいからである。熱伝導率の高い樹脂は、第二巻回部の側面と傾斜面との間の間隔がある程度大きくても第二巻回部を放熱させ易いが、比較的コストが高い。
そして、上記の構成によれば、ケースの傾斜面の対向間隔を同一としたとき、ケース内におけるデッドスペースを少なくし易い。
(2)上記リアクトルの一形態として、
前記内底面は平面であり、
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
矩形枠状であり、
前記各傾斜面に対向し縦方向に伸びる一対のケース対向辺と、
前記一対のケース対向辺の一端側同士及び他端側同士を連結する一対の連結辺とを有し、
前記一対の連結辺が前記内底面に平行であることが挙げられる。
上記の構成によれば、第一巻回部の各側面と各傾斜面との間の幅方向に沿った間隔は、内底面側からその反対側に亘って漸次大きくなっている。同様に、第二巻回部の各側面と各傾斜面との間の幅方向に沿った間隔は、内底面側からその反対側に亘って漸次大きくなっている。第一巻回部の各側面と各傾斜面との間の幅方向に沿った間隔と、第二巻回部の各側面と各傾斜面との間の幅方向に沿った間隔とを、内底面側からその反対側に亘って互いに均一にすることができる。そのため、ケースの各コイル対向面を介して第二巻回部と第一巻回部とを均等に冷却し易い。
(3)上記リアクトルの一形態として、
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
矩形枠状であり、
前記一方の傾斜面に対向し、かつ平行な一方のケース対向辺と、
前記他方の傾斜面に対向し、かつ非平行な他方のケース対向辺とを有することが挙げられる。
上記の構成によれば、より一層低損失である。
第一巻回部の一方の側面と一方の傾斜面との間の間隔を、内底面側からその反対側に亘って均一にすることができる。同様に、第二巻回部の一方の側面と一方の傾斜面との間の間隔を、内底面側からその反対側に亘って均一にすることができる。そして、第一巻回部の一方の側面と一方の傾斜面との間の間隔と、第二巻回部の一方の側面と一方の傾斜面との間の間隔とを均一にすることができる。そのため、第二巻回部をその一方の側面から放熱させ易い。更に、必要に応じて、第一巻回部の一方の側面と第二巻回部の一方の側面とを一方の傾斜面に面接触させられる。そのため、第二巻回部をその一方の側面からより一層放熱させ易い。
また、第一巻回部の他方の側面と他方の傾斜面との間の幅方向に沿った間隔は、内底面側からその反対側に亘って漸次大きくなっている。同様に、第二巻回部の他方の側面と他方の傾斜面との間の幅方向に沿った間隔は、内底面側からその反対側に亘って漸次大きくなっている。そして、第一巻回部の各側面と各傾斜面との間の幅方向に沿った間隔と、第二巻回部の側面と傾斜面との間の幅方向に沿った間隔とを、内底面側からその反対側に亘って互いに均一にすることができる。そのため、第二巻回部をその他方の側面からも放熱させ易い。よって、ケースの各コイル対向面を介して第一巻回部と第二巻回部とを均等に冷却し易い。
(4)上記リアクトルの一形態として、
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
台形枠状であり、
前記各傾斜面に対向し、かつ平行な一対のケース対向辺を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、より一層低損失である。第一巻回部の一方の側面と一方の傾斜面との間の間隔と、第一巻回部の他方の側面と他方の傾斜面との間の間隔とを、内底面側からその反対側に亘って均一にすることができる。同様に、第二巻回部の一方の側面と一方の傾斜面との間の間隔と、第二巻回部の他方の側面と他方の傾斜面との間の間隔とを、内底面側からその反対側に亘って均一にすることができる。そして、第一巻回部の各側面と各傾斜面との間の間隔と、第二巻回部の各側面と各傾斜面との間の間隔とを均一にすることができる。よって、ケースの各コイル対向面を介して第一巻回部と第二巻回部とを均等に冷却し易い。
(5)上記リアクトルの一形態として、
前記磁性コアは、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内部に配置される第一内側コア部及び第二内側コア部を有し、
前記第一内側コア部及び前記第二内側コア部を前記各内側コア部内の磁束に直交する切断面で切断した断面形状は、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内周形状に沿った形状であり、
前記第二内側コア部の幅は、前記第一内側コア部の幅よりも大きいことが挙げられる。
第一内側コアの上記断面形状が第一巻回部の内周形状に沿った形状であることで、第一巻回部と第一内側コア部との間の間隔を第一内側コア部の周方向に亘って均一にし易い。同様に、第二巻回部と第二内側コア部との間の間隔を第二内側コア部の周方向に亘って均一にし易い。
第二内側コア部の幅が第一内側コア部の幅よりも大きいことで、第二巻回部の幅が第一巻回部の幅よりも大きいため、第二内側コア部と第一内側コア部とが同一幅の場合に比較して、第二巻回部と第二内側コア部との間の間隔を小さくし易い。また、第一巻回部と第一内側コア部との間の間隔の大きさと、第二巻回部と第二内側コア部との間の間隔の大きさとを、互いに同一にし易い。更に、傾斜面の対向間隔が同一であれば、第一巻回部と第二巻回部とが同一幅の場合に比較して、第二内側コア部の幅を大きくできる。そのため、インダクタンスを増加できる。
(6)上記リアクトルの一形態として、
前記内底面と前記各傾斜面とのなす角が、91°以上95°以下であることが挙げられる。
上記角度が91°以上であれば、ケースの離型性を高められる。ケースは、代表的には、ダイキャストなどの金型鋳造や射出成形により製造される。傾斜面は、ケースの製造時、金型からケースを離型させるために金型に設けられる抜き勾配が転写されることで形成される。上記角度が91°以上であれば、第一巻回部と第二巻回部の幅を同一として、第一巻回部と第二巻回部とを縦積みした場合、上段側の第二巻回部の側面と傾斜面との間の間隔は、下段側の第二巻回部の側面と傾斜面との間の間隔に比較して大きくなり易い。しかし、第二巻回部の幅を第一巻回部の幅よりも大きくすることで、上段側の第二巻回部の側面と傾斜面との間の間隔を小さくできる。そのため、縦積みしても、ケースを介して第二巻回部を放熱させ易い。上記角度が95°以下であれば、上記角度が過度に大き過ぎない。そのため、第一巻回部と第二巻回部の幅の差が大き過ぎない。よって、第二巻回部と第一巻回部の発熱特性に差が生じ難い。
《本開示の実施形態の詳細》
本開示の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《実施形態1》
〔リアクトル〕
図1、図2を参照して、実施形態1に係るリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3とを組み合わせた組合体10と、ケース5と、封止樹脂部8とを備える。ケース5は、組合体10を載置する底板部51と、組合体10の外周を囲む側壁部52とを備える。側壁部52におけるコイル2の側面と対向する一対のコイル対向面521は、底板部51側から底板部51の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面522を有する。封止樹脂部8は、ケース5の内部に充填されて組合体10の少なくとも一部を封止する。コイル2は、巻線を巻回してなる第一巻回部21及び第二巻回部22を有する。第一巻回部21は、底板部51側に配置される。第二巻回部22は、第一巻回部21の底板部51側とは反対側に配置される。第一巻回部21と第二巻回部22とは、互いの軸が平行となるように縦積みされている。リアクトル1Aの特徴の一つは、第二巻回部22の幅が第一巻回部21の幅よりも大きい点にある。以下、リアクトル1Aの主たる特徴部分、特徴部分に関連する部分の構成、及び主要な効果を順に説明する。その後、各構成を詳細に説明する。以下、ケース5の底板部51側を下といい、底板部51側とは反対側を上という。この上下方向(図1,図2の紙面上下方向)に沿った方向(ケース5の深さ方向)を高さ(縦)方向という。この高さ方向とコイル2の軸方向との両方向に直交する方向(図2の紙面左右方向)を幅方向という。
[主たる特徴部分及び関連する部分の構成]
(ケース)
ケース5は、内部に組合体10を収納する。ケース5は、組合体10の機械的保護及び外部環境からの保護(防食性の向上)を図ると共に、組合体10を放熱できる。ケース5は、底板部51と側壁部52とを備える有底筒状の容器である。図1では、説明の便宜上、紙面手前の側壁部の図示を省略している。底板部51と側壁部52とは、本例では一体に成形されている。なお、底板部51と側壁部52とは、個々に成形されていてもよい。その場合、底板部51と側壁部52とは、互いにねじ止めするなどして一体化することが挙げられる。側壁部52の上端側には、開口部55が形成されている。底板部51と側壁部52とで囲まれる内部空間は、組合体10の全体を収納可能な形状及び大きさを有する。
〈底板部〉
底板部51は、組合体10が載置される内底面511と、冷却ベースなどの設置対象(図示略)に設置する外底面とを有する。底板部51は、矩形平板状である。内底面511及び外底面は、本例では平面で構成されている。
〈側壁部〉
側壁部52は、組合体10の外周を囲む。側壁部52は、底板部51の周縁に立設される。側壁部52の形状は、本例では矩形枠状である。側壁部52の高さは、組合体10の高さよりも高い。側壁部52の内壁面520は、一対のコイル対向面521(図2)と一対のコア対向面523(図1)との4つの面を有する。一対のコイル対向面521は、互いに対向し、一対のコア対向面523は、互いに対向している。一対のコイル対向面521の対向方向と一対のコア対向面523の対向方向とは互いに直交する。
・コイル対向面
各コイル対向面521は、コイル2(第一巻回部21及び第二巻回部22)の側面に対向する。第一巻回部21及び第二巻回部22の側面とは、第一巻回部21及び第二巻回部22の外周面のうち第一巻回部21及び第二巻回部22の幅方向に位置する面をいう。各コイル対向面521は、ケース5の内底面511側から開口部55側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面522を有する。コイル対向面521(傾斜面522)における後述の端面部材41(保持部材4)との対向箇所には、ケース5の深さ方向に亘って端面部材41をはめ込む溝部(図示略)が形成されていてもよい。上記溝部が形成されていれば、コイル2と磁性コア3と保持部材4との組合体10をケース5に対して位置決めし易い。
・コア対向面
コア対向面523は、外側コア部33の外端面に対向する。外側コア部33の外端面とは、外側コア部33における第一内側コア部31及び第二内側コア部32側とは反対側の面をいう。各コア対向面523は、コイル対向面521と同様、ケース5の内底面511側から開口部55側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面524を有する。
ケース5は、代表的には、ダイキャストなどの金型鋳造や射出成形により製造される。傾斜面522,524は、ケース5の製造時、金型からケース5を離型させるために金型に設けられる抜き勾配が転写されることで形成される。
・傾斜角度
傾斜面522及び傾斜面524のそれぞれと内底面511とのなす角(角度α)は、91°以上95°以下が好ましい(図1,図2)。図1,図2では、説明の便宜上、傾斜面522及び傾斜面524の傾斜角度を誇張して示している。傾斜面522及び傾斜面524のそれぞれと内底面511とのなす角は、本例では全て同一としている。なお、傾斜面522と内底面511とのなす角と、傾斜面524と内底面511とのなす角とを異ならせてもよい。
上記角度αが91°以上であれば、ケース5の離型性を高められる。上記角度αが91°以上であれば、第一巻回部21と第二巻回部22の幅を同一として、第一巻回部21と第二巻回部22とを互いの軸が平行となるように内底面511に直交する方向(ケース5の深さ方向)に積層(縦積み)した場合、上段側の第二巻回部22の側面と傾斜面522との間の間隔は、下段側の第二巻回部22の側面と傾斜面522との間の間隔に比較して大きくなり易い。しかし、後述するように第二巻回部22の幅を第一巻回部21の幅よりも大きくすることで、上段側の第二巻回部22の側面と傾斜面522との間の間隔を小さくできる。そのため、上記縦積みしても、ケース5の側壁部52を介して第二巻回部22を放熱させ易い。上記角度αが95°以下であれば、角度が過度に大き過ぎない。そのため、第一巻回部21の幅と第二巻回部22の幅との差が大き過ぎない。よって、第二巻回部22と第一巻回部21の発熱特性に差が生じ難い。
〈材質〉
ケース5の材質は、非磁性金属や非金属材料が挙げられる。非磁性金属としては、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、オーステナイト系ステンレス鋼などが挙げられる。これらの非磁性金属は熱伝導率が比較的高い。そのため、ケース5を放熱経路に利用でき、組合体10に発生した熱を設置対象(例えば、冷却ベース)に効率良く放熱できる。よって、リアクトル1Aの放熱性を高められる。金属でケース5を形成する場合、ダイキャストを好適に利用できる。非金属材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などの樹脂が挙げられる。これらの非金属材料は一般に電気絶縁性に優れるものが多い。そのため、コイル2とケース5との間の絶縁性を高められる。これらの非金属材料は上述した金属材料よりも軽く、リアクトル1Aを軽量にできる。上記樹脂には、セラミックスフィラーを含有させてもよい。セラミックスフィラーは、例えば、アルミナ、シリカなどが挙げられる。これらのセラミックスフィラーを含有する樹脂は、放熱性及び電気絶縁性に優れる。樹脂でケース5を形成する場合、射出成形を好適に利用できる。底板部51と側壁部52とを個々に成形する場合には、底板部51と側壁部52とが互いに異なる材質で構成されていてもよい。
(コイル)
コイル2に備わる第一巻回部21及び第二巻回部22は、別々の巻線を螺旋状に巻回してなる中空の筒状体(角筒状体)である。なお、第一巻回部21及び第二巻回部22は、一本の巻線で形成することもできる。第一巻回部21及び第二巻回部22は、互いに電気的に接続されている。電気的な接続の仕方は後述する。
第一巻回部21及び第二巻回部22を構成する各巻線は、導体線の外周に絶縁被覆を備える被覆線を利用できる。導体線の材質は、銅、アルミニウム、マグネシウム、或いはその合金が挙げられる。導体線の種類は、平角線や丸線が挙げられる。絶縁被覆は、エナメル(代表的にはポリアミドイミド)などが挙げられる。本例の各巻線には、導体線が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を用いている。この被覆平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルで第一巻回部21及び第二巻回部22を構成している。第一巻回部21及び第二巻回部22の巻線の断面積は、本例では互いに同一である。第一巻回部21及び第二巻回部22の巻回方向は、互いに同一方向である。第一巻回部21及び第二巻回部22の巻数は、互いに同一数である。なお、第一巻回部21と第二巻回部22の巻線の断面積や巻数が互いに異なっていてもよい。
第一巻回部21及び第二巻回部22の配置は、互いの軸が平行となるようにケース5の深さ方向に積層(縦積み)した状態としている。この平行とは、同一直線状は含まない。第一巻回部21は、底板部51(内底面511)側に配置されている。第二巻回部22は、第一巻回部21の上方側(底板部51側とは反対側)に配置されている。
第一巻回部21及び第二巻回部22の端面形状は、互いに矩形枠状(正方形枠状を含む)としている(図2)。第一巻回部21及び第二巻回部22の角部は丸めている。なお、第一巻回部21及び第二巻回部22の端面形状は、台形枠状などでもよい。台形枠状としては、後述する等脚台形枠状(図4)や直角台形枠状(図示略)が挙げられる。
第一巻回部21の端面形状は、一対のケース対向辺211と一対の連結辺212とを有する(図2)。一対のケース対向辺211は、側壁部52の各コイル対向面521の傾斜面522に対向する。一対の連結辺212は、一対のケース対向辺211の一端側同士及び他端側同士を連結する。本例では、一対のケース対向辺211は、ケース5の深さ方向に平行である。各連結辺212は、底板部51の内底面511に平行であり、ケース5の幅方向に沿っている。同様に、第二巻回部22の端面形状は、一対のケース対向辺221と一対の連結辺222とを有する(図2)。一対のケース対向辺221は、側壁部52の各コイル対向面521の傾斜面522に対向する。一対の連結辺222は、一対のケース対向辺221の一端側同士及び他端側同士を連結する。本例では、一対のケース対向辺221は、ケース5の深さ方向に平行である。各連結辺222は、底板部51の内底面511に平行であり、ケース5の幅方向に沿っている。
第一巻回部21と第二巻回部22の高さは、本例では互いに同一である。即ち、第一巻回部21における一対のケース対向辺211の長さと、第二巻回部22における一対のケース対向辺221の長さとは、同じ長さである。なお、第一巻回部21及び第二巻回部22の高さは、互いに異ならせてもよい。
第二巻回部22の幅は、第一巻回部21の幅よりも大きい。即ち、第二巻回部22における一対の連結辺222の長さは、第一巻回部21における一対の連結辺212の長さよりも長い。図2では、説明の便宜上、第一巻回部21と第二巻回部22の幅の大小関係を誇張して示している。第二巻回部22の幅は、以下の条件(1)及び条件(2)の両方を満たす長さとすることが好ましい。
(1)第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った最小の間隔D2minが、第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った最小の間隔D1min以下である。
(2)第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った最大の間隔D2maxが、第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った最大の間隔D1max以下である。
第二巻回部22の幅が条件(1)及び条件(2)の両方を満たす長さであれば、ケース5の側壁部52を介して第二巻回部22を放熱させ易い。そのため、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易い。第一巻回部21と第二巻回部22の均等な冷却により、コイル2の最高温度を低減し易い。コイル2の最高温度の低減により、リアクトル1Aの損失を低減し易い。特に、第二巻回部22の幅が、上記最小の間隔D2minが上記最小の間隔D1minよりも小さく、かつ上記最大の間隔D2maxが上記最大の間隔D1maxよりも小さくなるような長さであることが好ましい。第二巻回部22を効果的に放熱させ易いからである。特に、第二巻回部22と第一巻回部21の導体断面積が互いに同一である場合、第二巻回部22は第一巻回部21に比較して高抵抗で発熱し易い。第二巻回部22の幅が第一巻回部21の幅よりも大きいため、第二巻回部22の導体の全長が第一巻回部21の導体の全長に比較して長いからである。そのため、上記最小の間隔D2min<上記最小の間隔D1min、かつ上記最大の間隔D2max<上記最大の間隔D1maxを満たせば、より発熱し易い第二巻回部22を効果的に放熱させ易い。よって、第二巻回部22と第一巻回部21とを均等に冷却し易い。
本例では、第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って漸次大きくなっている。同様に、第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って漸次大きくなっている。
即ち、上記最小の間隔D1minは、第一巻回部21の各側面における内底面511側と各傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。上記最大の間隔D1maxは、第一巻回部21の各側面における開口部55側と各傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。同様に、上記最小の間隔D2minは、第二巻回部22の各側面における内底面511側と各傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。上記最大の間隔D2maxは、第二巻回部22の各側面における開口部55側と各傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。上記最小の間隔D1minと上記最小の間隔D2minとは、実質的に同一である。上記最大の間隔D1maxと上記最大の間隔D2maxとは、実質的に同一である。そのため、ケース5の側壁部52を介して第二巻回部22と第一巻回部21とを均等に冷却し易い。
(磁性コア)
磁性コア3は、第一内側コア部31及び第二内側コア部32と、一対の外側コア部33とを備える(図1)。
第一内側コア部31及び第二内側コア部32はそれぞれ、第一巻回部21及び第二巻回部22の内部に配置される。第一内側コア部31及び第二内側コア部32は、磁性コア3のうち、第一巻回部21及び第二巻回部22の軸方向に沿った部分を意味する。本例では、磁性コア3のうち、第一巻回部21及び第二巻回部22の軸方向に沿った部分の両端部が第一巻回部21及び第二巻回部22の外側に突出しているが、その突出する部分も第一内側コア部31及び第二内側コア部32の一部である。一対の外側コア部33は、第一巻回部21及び第二巻回部22の外部に配置される。即ち、外側コア部33は、コイル2が配置されず、コイル2から突出(露出)される。
磁性コア3は、離間して配置される第一内側コア部31及び第二内側コア部32を挟むように一対の外側コア部33が配置され、第一内側コア部31及び第二内側コア部32の端面と外側コア部33の内端面とを接触させて環状に形成される。これら第一内側コア部31及び第二内側コア部32と一対の外側コア部33とにより、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
〈内側コア部〉
第一内側コア部31及び第二内側コア部32の形状は、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周形状に沿った形状とすることが好ましい。第一巻回部21の内周面と第一内側コア部31の外周面との間の間隔を、第一内側コア部31の周方向に亘って均一にし易いからである。また、第二巻回部22の内周面と第二内側コア部32の外周面との間の間隔を、第二内側コア部32の周方向に亘って均一にし易いからである。本例では、第一内側コア部31及び第二内側コア部32の形状は、直方体状である。第一内側コア部31及び第二内側コア部32の角部は、第一巻回部21及び第二巻回部22の角部の内周面に沿うように丸めている。
第一内側コア部31の高さと第二内側コア部32の高さとは、本例では同一の高さとしている。第二内側コア部32の幅は、第一内側コア部31の幅よりも大きいことが好ましい。第二内側コア部32の幅が第一内側コア部31の幅よりも大きければ、第二巻回部22の幅が第一巻回部21の幅よりも大きいため、第二内側コア部32と第一内側コア部31とが同一幅の場合に比較して、第二巻回部22の内周面と第二内側コア部32の外周面との間の間隔を小さくし易いからである。また、第一巻回部21の内周面と第一内側コア部31の外周面との間の間隔の大きさと、第二巻回部22の内周面と第二内側コア部32の外周面との間の間隔の大きさとを、互いに同一にし易い。更に、傾斜面522の対向間隔が同一であれば、第一巻回部21と第二巻回部22とが同一幅の場合に比較して、第二内側コア部32の幅を大きくできる。そのため、インダクタンスを増加できる。本例の第一内側コア部31の幅と第二内側コア部32の幅とは、第一巻回部21の内周面と第一内側コア部31の外周面との間の間隔の大きさと、第二巻回部22の内周面と第二内側コア部32の外周面との間の間隔の大きさとが、互いに同一となる大きさとしている。
本例の第一内側コア部31及び第二内側コア部32は、一つの柱状のコア片で構成されている。コア片は、ギャップを介さず、第一巻回部21及び第二巻回部22の軸方向の略全長の長さを有する。なお、第一内側コア部31及び第二内側コア部32は、複数の柱状のコア片とギャップとがコイル2の軸方向に沿って積層配置された積層体で構成してもよい。
〈外側コア部〉
外側コア部33の形状は、例えば、直方体状や四角錐台状などが挙げられる。直方体状とは、外側コア部33の外端面と側面と上面(下面)の形状がいずれも矩形の柱状体である。上面と下面の面積は同一である。四角錐台状とは、例えば、外側コア部33の外端面と上面(下面)の形状が矩形であり、側面の形状が直角台形の柱状体が挙げられる。或いは、外側コア部33の外端面の形状が等脚台形であり、側面と上面(下面)の形状が矩形の柱状体が挙げられる。或いは、外側コア部33の外端面の形状が等脚台形であり、側面が直角台形であり、上面(下面)が矩形状の柱状体が挙げられる。外側コア部33の外端面の形状が等脚台形状の柱状体は、第二内側コア部32の幅が第一内側コア部31の幅よりも広い場合に好適に利用できる。四角錐台状の外側コア部33は、上面の面積が下面の面積よりも大きい。
本例の外側コア部33の形状は、四角錐台状である。具体的には、外側コア部33を外端面と上面(下面)の形状が矩形であり、側面の形状が直角台形の柱状体が挙げられる(図1)。外側コア部33の外端面は、コア対向面523の傾斜面524に平行な面で構成することが好ましい。外側コア部33の外端面とコア対向面523の傾斜面524とを面接触させられるからである。この面接触によって、外側コア部33の熱をケース5の側壁部52に伝達させ易い。そのため、磁性コア3の放熱性を高め易い。その上、一対の外側コア部33を互いに近接する方向に押し付けることができる。そのため、ケース5に対する磁性コア3の位置ずれが生じ難い。
外側コア部33の上面は、本例では第二内側コア部32の上面と略面一である。外側コア部33の下面は、本例では第一内側コア部31の下面と略面一である。なお、外側コア部33の上面は、第二内側コア部32の上面よりも上方にあってもよい。外側コア部33の下面は、第一内側コア部31の下面よりも下方にあってもよい。
(封止樹脂部)
封止樹脂部8は、ケース5内に充填されて組合体10の少なくとも一部を覆う。封止樹脂部8は、組合体10の熱をケース5へ伝達、組合体10の機械的保護及び外部環境からの保護(防食性の向上)、組合体10とケース5との間の電気的絶縁性の向上、組合体10の一体化、組合体10とケース5との一体化によるリアクトル1Aの強度や剛性の向上といった種々の機能を奏する。
本例の封止樹脂部8は、組合体10の実質的に全体を埋設している。この封止樹脂部8は、コイル2とケース5との間に介在される部分を有する。具体的には、第一巻回部21の下面と底板部51の内底面511との間、第一巻回部21の側面と側壁部52のコイル対向面521との間、第二巻回部22の側面とコイル対向面521との間、に介在されている。その他、第一巻回部21の上面と第二巻回部22の下面との間にも介在されている。この封止樹脂部8を介して、第一巻回部21及び第二巻回部22の熱をケース5に伝達させ易い。
封止樹脂部8の材質は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、PPS樹脂などが挙げられる。これらの樹脂には、上述のセラミックスフィラーなどを含有させてもよい。
[リアクトルの主たる特徴部分における作用効果]
実施形態1に係るリアクトル1Aは、以下の効果を奏することができる。
(1)第一巻回部21と第二巻回部22とを縦積みしているため、第一巻回部21と第二巻回部22とを平置きする場合に比較して、設置面積が小さい。第一巻回部21と第二巻回部22の並列方向とコイル2の軸方向との両方向に直交する方向に沿った組合体10の長さが、第一巻回部21と第二巻回部22の並列方向に沿った組合体1の長さよりも小さいからである。
(2)低損失である。第一巻回部21と第二巻回部22のそれぞれの高さを一定としたとき、第二巻回部22の幅を第一巻回部21の幅よりも大きくすることで、第一巻回部21と第二巻回部22とを同一幅とする場合に比較して、第二巻回部22の側面とその側面に対向する傾斜面522との間の間隔を小さくし易い。そのため、第二巻回部22を放熱させ易い。特に、第二巻回部22の各側面において、上記最小の間隔D2minが上記最小の間隔D1minと実質的に同一であり、上記最大の間隔D2maxが上記最大の間隔D1maxと実質的に同一であるため、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易い。第一巻回部21と第二巻回部22の均等な冷却により、コイル2の最高温度を低減し易い。よって、コイル2の最高温度の低減により、リアクトル1Aの損失を低減し易い。
(3)ケース5の傾斜面522の対向間隔を同一としたとき、ケース5内におけるデッドスペースを少なくし易い。
[その他の特徴部分を含む各構成の説明]
(コイル)
コイル2の軸方向の一端側における端部の導体同士(図示略)は、直接接続されている。例えば、第一巻回部21の巻線の端部側を曲げて、第二巻回部22の巻線の端部側に引き伸ばして接続している。なお、この導体同士の接続は、第一巻回部21及び第二巻回部22とは独立する接続部材を介して行ってもよい。連結部材は、例えば、巻線と同一部材で構成する。導体同士の接続は、溶接や圧接で行える。
一方、コイル2の軸方向の他端側における各巻線の両端部(図示略)は、ケース5の開口部55から上方へ引き伸ばされている。各巻線の両端部は、絶縁被覆が剥がされて導体が露出している。露出した導体には、端子部材(図示略)が接続される。コイル2は、この端子部材を介してコイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示略)が接続される。
第一巻回部21及び第二巻回部22は、一体化樹脂(図示略)によって個別に一体化されていてもよい。一体化樹脂は、第一巻回部21及び第二巻回部22の外周面、内周面、及び端面を覆うと共に、隣り合うターン同士を接合する。一体化樹脂は、巻線の外周(絶縁被覆のさらに外周)に形成される熱融着樹脂の被覆層を有するものを利用し、巻線を巻回した後、加熱して被覆層を溶融することで形成できる。熱融着樹脂の種類は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。
(磁性コア)
〈材質〉
第一内側コア部31及び第二内側コア部32と外側コア部33とは、圧粉成形体や複合材料で構成される。圧粉成形体は、軟磁性粉末を圧縮成形してなる。圧粉成形体は、複合材料に比較して、コア片に占める軟磁性粉末の割合を高くできる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を高め易い。複合材料は、樹脂中に軟磁性粉末が分散されてなる。複合材料は、未固化の樹脂中に軟磁性粉末を分散した流動性の素材を金型に充填し、樹脂を硬化させることで得られる。複合材料は、樹脂中の軟磁性粉末の含有量を容易に調整できる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を調整し易い。その上、圧粉成形体に比較して、複雑な形状でも形成し易い。なお、第一内側コア部31及び第二内側コア部32と外側コア部33は、圧粉成形体の外周が複合材料で覆われたハイブリッドコアとすることもできる。本例では、第一内側コア部31及び第二内側コア部32を複合材料で構成し、一対の外側コア部33を圧粉成形体で構成している。
軟磁性粉末を構成する粒子は、軟磁性金属の粒子や、軟磁性金属の粒子の外周に絶縁被覆を備える被覆粒子、軟磁性非金属の粒子などが挙げられる。軟磁性金属は、純鉄や鉄基合金(Fe-Si合金、Fe-Ni合金など)などが挙げられる。絶縁被覆は、リン酸塩などが挙げられる。軟磁性非金属は、フェライトなどが挙げられる。複合材料の樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が利用できる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、PPS樹脂、ポリアミド(PA)樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9Tなど)、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの樹脂には、上述のセラミックスフィラーを含有させてもよい。ギャップは、第一内側コア部31及び第二内側コア部32と外側コア部33よりも比透磁率が小さい材料からなる。
第一内側コア部31及び第二内側コア部32の比透磁率は、5以上50以下が好ましく、更には10以上30以下が好ましく、特に20以上30以下が好ましい。外側コア部33の比透磁率は、第一内側コア部31及び第二内側コア部32の比透磁率の2倍以上を満たすことが好ましい。外側コア部33の比透磁率は、50以上500以下が好ましい。
(保持部材)
組合体10は、保持部材4を備えていてもよい(図1)。保持部材4は、コイル2と磁性コア3との間の絶縁を確保する。本例の保持部材4は、一対の端面部材41を有する。
〈端面部材〉
端面部材41は、コイル2の各端面と各外側コア部33との間の絶縁を確保する。各端面部材41の形状は、同一形状である。各端面部材41は、二つの貫通孔410が第一巻回部21及び第二巻回部22の積層方向に沿って設けられた枠状の板材である。各貫通孔410には、第一内側コア部31と第二内側コア部32とが嵌め込まれる。第二内側コア部32がはめ込まれる貫通孔410の幅が、第一内側コア部31がはめ込まれる貫通孔410の幅よりも大きい。各端面部材41におけるコイル2側の面には、第一巻回部21及び第二巻回部22の端面を収納する二つの凹部411が形成されている。コイル2側の各凹部411は、第一巻回部21及び第二巻回部22の端面全体を端面部材41に面接触させる。各凹部411は、貫通孔410の周囲を囲むように矩形の環状に形成されている。各端面部材41における外側コア部33側の面には、外側コア部33を嵌め込むための一つの凹部412が形成されている。
〈内側部材〉
保持部材4は、更に、内側部材(図示略)を有していもよい。内側部材は、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周面と第一内側コア部31及び第二内側コア部32の外周面との間の絶縁を確保する。
〈材質〉
保持部材4の材質は、各種の樹脂等の絶縁材料が挙げられる。樹脂としては、例えば、上述した複合材料の樹脂と同様の樹脂が挙げられる。その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、PBT樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。その他の熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。特に、保持部材4の材質は、封止樹脂部8と同じ材質とすることが好ましい。保持部材4と封止樹脂部8の線膨張係数を同じにすることができ、熱膨張・収縮に伴う各部材の損傷を抑制できるからである。
(モールド樹脂部)
組合体10は、モールド樹脂部(図示略)を備えていてもよい。モールド樹脂部は、各外側コア部33を覆い、第一巻回部21及び第二巻回部22の内部に及ぶ。モールド樹脂部は、各外側コア部33の外周面のうち、第一内側コア部31及び第二内側コア部32との連結面を除く領域を覆う。モールド樹脂部は、各外側コア部33と各端面部材41の凹部412との間と、第一内側コア部31及び第二内側コア部32の外周面と各端面部材41の貫通孔410との間と、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周面と第一内側コア部31及び第二内側コア部32の外周面との間とに介在されている。このモールド樹脂部により、各外側コア部33と各端面部材41と第一内側コア部31及び第二内側コア部32と第一巻回部21及び第二巻回部22とを一体化できる。モールド樹脂部の材質には、例えば、上述した複合材料の樹脂と同様の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が利用できる。これらの樹脂には、上述のセラミックスフィラーを含有させてもよい。セラミックスフィラーを含有すれば、モールド樹脂部の放熱性を向上させられる。
[使用態様]
リアクトル1Aは、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品に利用できる。リアクトル1Aは、例えば、種々のコンバータや電力変換装置の構成部品などに利用できる。コンバータの一例としては、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や、空調機のコンバータ等が挙げられる。
《実施形態2》
〔リアクトル〕
図3を参照して、実施形態2に係るリアクトル1Bを説明する。実施形態2に係るリアクトル1Bは、第一巻回部21及び第二巻回部22の一方の側面(図3紙面右側)と一方の傾斜面522とが平行となるように第一巻回部21及び第二巻回部22を傾けて配置している点が、実施形態1に係るリアクトル1Aと相違する。以下、相違点を中心に説明し、同様の構成については説明を省略する。この点は、後述する実施形態3でも同様である。図3は、図2に示す断面図と同様の位置でリアクトル1Bを切断した状態を示す断面図である。
(コイル)
第一巻回部21の一方のケース対向辺211は、一方の傾斜面522に平行である。第一巻回部21の他方のケース対向辺211は、他方の傾斜面522に非平行である。第一巻回部21の一対の連結辺212は、内底面511に対して非平行である。一対の連結辺212は、一方の傾斜面522に対して直交していて、他方の傾斜面522に対して非直交に交差している。同様に、第二巻回部22の一方のケース対向辺221は、一方の傾斜面522に平行である。第二巻回部22の他方のケース対向辺221は、他方の傾斜面522に非平行である。第二巻回部22の一対の連結辺222は、内底面511に対して非平行である。一対の連結辺222は、一方の傾斜面522に対して直交していて、他方の傾斜面522に対して非直交に交差している。第一巻回部21における一対のケース対向辺211の長さと第二巻回部22における一対のケース対向辺221の長さとは同じ長さである。第二巻回部22における一対の連結辺222の長さは、第一巻回部21における一対の連結辺212の長さよりも長い。
第一巻回部21の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔を、内底面511側から開口部55側に亘って均一にすることができる(図3の紙面右側)。同様に、第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔を、内底面511側から開口部55側に亘って均一にすることができる。そして、第一巻回部21の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔と、第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔とを互いに均一にすることができる。よって、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易い。
本例では、第一巻回部21の一方の側面と第二巻回部22の一方の側面とは、一方の傾斜面522に面接触している(図3の紙面右側)。そのため、第一巻回部21と第二巻回部22とをより一層冷却し易い。図3では、説明の便宜上、第一巻回部21及び第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522との間に間隔を設けているが、第一巻回部21及び第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522とは直接接触している。
第一巻回部21の他方の側面と第二巻回部22の他方の側面とは、他方の傾斜面522に接触していない(図3の紙面左側)。第一巻回部21の他方の側面と他方の傾斜面522との間と、第二巻回部22の他方の側面と他方の傾斜面522との間とには、所定の間隔が設けられている。第一巻回部21の他方の側面と他方の傾斜面522との間の間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って漸次大きくなっている。同様に、第二巻回部22の他方の側面と他方の傾斜面522との間の間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って漸次大きくなっている。
即ち、上記最小の間隔D1minは、第一巻回部21の他方の側面における内底面511側と他方の傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。上記最大の間隔D1maxは、第一巻回部21の他方の側面における開口部55側と他方の傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。同様に、上記最小の間隔D2minは、第二巻回部22の他方の側面における内底面511側と他方の傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。上記最大の間隔D2maxは、第二巻回部22の他方の側面における開口部55側と他方の傾斜面522との間の幅方向に沿った間隔である。上記最小の間隔D1minと上記最小の間隔D2minとは、実質的に同一である。同様に、上記最大の間隔D1maxと上記最大の間隔D2maxとは、実質的に同一である。そのため、第二巻回部22を放熱させ易い。よって、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易い。
(台座部)
リアクトル1Bは、台座部9を備えることが好ましい。台座部9は、底板部51の内底面511に配置される。この台座部9は、底板部51の内底面511に対して第一巻回部21及び第二巻回部22を傾けた状態で載置させる。台座部9は、第一巻回部21の一方のケース対向辺211及び第二巻回部22の一方のケース対向辺221を、一方の傾斜面522に対して平行にする。つまり、本例の台座部9の上面は、一方の傾斜面522に対して直交する方向に沿った面である。
本例の台座部9は、ケース5とは別部材で構成されている。台座部9は、第一巻回部21の下面の略全域を支持するシート状の部材で構成されている。台座部9の断面形状は、直角台形状である。台座部9の上面は、傾斜面で構成されている。台座部9の高さは、一方の傾斜面522側から他方の傾斜面522側に向かって漸次大きくなる。その他、台座部9は、第一巻回部21の下面における幅方向の一端側を第一巻回部21の軸方向に亘って支持する突条部材で構成されていてもよい。なお、台座部9は、ケース5の一部で構成することができる。台座部9をケース5の一部で構成する場合、例えば、内底面511を上記傾斜面で構成することが挙げられる。
台座部9の材質は、ケース5と同様の非磁性金属や非金属材料が挙げられる。これらの材質で台座部9を構成すれば、台座部9を介して第一巻回部21の熱をケース5の底板部51に伝達させ易い。そのため、第一巻回部21を冷却し易い。ケース5が非磁性金属で構成されている場合、台座部9は、非磁性金属のシートの上面に非金属材料を被覆したもので構成してもよい。そうすれば、第一巻回部21とケース5との絶縁を確保し易い。
〔作用効果〕
実施形態2に係るリアクトル1Bによれば、低損失である。第一巻回部21及び第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522とが面接触するように第一巻回部21及び第二巻回部22を傾けて配置していることで、第二巻回部22をその一方の側面からより一層冷却し易いからである。その上、第二巻回部22の他方の側面では、上記最小の間隔D2minが上記最小の間隔D1minと実質的に同一であり、上記最大の間隔D2maxが上記最大の間隔D1maxと実質的に同一であるため、第二巻回部22をその他方の側面からも放熱させ易いからである。よって、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易いため、コイル2の最高温度を低減し易い。
《実施形態3》
〔リアクトル〕
図4を参照して、実施形態3に係るリアクトル1Cを説明する。実施形態3に係るリアクトル1Cは、第一巻回部21及び第二巻回部22の形状が、実施形態1に係るリアクトル1Aと相違する。図4は、図2に示す断面図と同様の位置でリアクトル1Cを切断した状態を示す断面図である。
(コイル)
第一巻回部21及び第二巻回部22の端面形状は、互いに等脚台形枠状としている。第一巻回部21及び第二巻回部22の角部は丸めている。
第一巻回部21の端面形状は、一対のケース対向辺211と一対の連結辺212とを有する。一方のケース対向辺211は、一方の傾斜面522に平行であり、他方のケース対向辺211は、他方の傾斜面522に平行である。各連結辺212は、底板部51の内底面511に平行であり、ケース5の幅方向に沿っている。即ち、各ケース対向辺211と、下方側の連結辺212とのなす角(角度β)は、内底面511と傾斜面522とのなす角(角度α)と同じである。
同様に、第二巻回部22の端面形状は、一対のケース対向辺221と一対の連結辺222とを有する。一方のケース対向辺221は、一方の傾斜面522に平行であり、他方のケース対向辺221は、他方の傾斜面522に平行である。各連結辺222は、底板部51の内底面511に平行であり、ケース5の幅方向に沿っている。即ち、各ケース対向辺221と、下方側の連結辺222とのなす角(角度β)は、内底面511と傾斜面522とのなす角(角度α)と同じである。
第一巻回部21と第二巻回部22の高さは、本例では互いに同一である。第一巻回部21における一対のケース対向辺211の長さと第二巻回部22における一対のケース対向辺221の長さとは同じ長さである。
第二巻回部22の幅は、第一巻回部21の幅よりも大きい。台形枠状の場合、幅が大きいとは、第二巻回部22の内底面511側の幅が、第一巻回部21の開口部55側の幅よりも大きいことをいう。即ち、第二巻回部22における下側の連結辺222の長さは、第一巻回部21における上側の連結辺212の長さよりも長い。
第一巻回部21の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って均一である。第一巻回部21の他方の側面と他方の傾斜面522との間の間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って均一である。第一巻回部21の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔と、第一巻回部21の他方の側面と他方の傾斜面522との間の間隔とは、実質的に同一である。
同様に、第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って均一である。第二巻回部22の他方の側面と他方の傾斜面522との間の間隔は、内底面511側から開口部55側に亘って均一である。第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522との間の間隔と、第二巻回部22の他方の側面と他方の傾斜面522との間の間隔とは、実質的に同一である。
第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の間隔と、第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の間隔とは、実質的に同一である。
(磁性コア)
〈内側コア部〉
第一内側コア部31及び第二内側コア部32の形状はそれぞれ、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周形状に沿った等脚台形状の柱状体である。第一巻回部21と第一内側コア部31との間の間隔は、第一内側コア部31の周方向に亘って均一である。同様に、第二巻回部22と第二内側コア部32との間の間隔は、第二内側コア部32の周方向に亘って均一である。
第一内側コア部31の高さと第二内側コア部32の高さとは、互いに同一である。第二内側コア部32の幅は、第一内側コア部31の幅よりも大きい。第二内側コア部32の幅が大きいとは、第二内側コア部32の内底面511側の幅が第一内側コア部31の開口部55側の幅よりも大きいことをいう。本例の第一内側コア部31の幅と第二内側コア部32の幅とは、第一巻回部21と第一内側コア部31との間の間隔の大きさと、第二巻回部22と第二内側コア部32との間の間隔の大きさとが、実質的に同一となる大きさとしている。
〔作用効果〕
実施形態3に係るリアクトル1Cは、実施形態1に係るリアクトル1Aに比較して、より一層低損失である。第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の間隔及び第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の間隔がそれぞれ一様であり、かつ第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の間隔と、第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の間隔とが、実質的に同一であるため、第二巻回部22をより一層冷却し易いからである。よって、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易いため、コイル2の最高温度を低減し易い。また、実施形態3に係るリアクトル1Cは、ケース5の傾斜面522の対向間隔を同一としたとき、実施形態1に係るリアクトル1Aに比較して、ケース5内におけるデッドスペースを少なくし易い。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、第一巻回部と第二巻回部の端面形状を互いに異ならせてもよい。第一巻回部の端面形状を矩形枠状とし、第二巻回部の端面形状を台形枠状(等脚台形状)としてもよい。
1A,1B,1C リアクトル
10 組合体
2 コイル
21 第一巻回部
211 ケース対向辺
212 連結辺
22 第二巻回部
221 ケース対向辺
222 連結辺
3 磁性コア
31 第一内側コア部
32 第二内側コア部
33 外側コア部
4 保持部材
41 端面部材
410 貫通孔
411,412 凹部
5 ケース
51 底板部
511 内底面
52 側壁部
520 内壁面
521 コイル対向面
522 傾斜面
523 コア対向面
524 傾斜面
55 開口部
8 封止樹脂部
9 台座部

Claims (4)

  1. コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
    前記ケースは、
    前記組合体が載置される内底面と、
    前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
    前記内底面は平面であり、
    前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
    前記コイルは、
    前記内底面側に配置される第一巻回部と、
    前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
    前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
    前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
    矩形枠状であり、
    前記各傾斜面に対向し縦方向に伸びる一対のケース対向辺と、
    前記一対のケース対向辺の一端側同士及び他端側同士を連結する一対の連結辺とを有し、
    前記一対の連結辺が前記内底面に平行であり、
    前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい
    リアクトル。
  2. コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
    前記ケースは、
    前記組合体が載置される内底面と、
    前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
    前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
    前記コイルは、
    前記内底面側に配置される第一巻回部と、
    前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
    前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
    前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
    矩形枠状であり、
    前記一方の傾斜面に対向し、かつ平行な一方のケース対向辺と、
    前記他方の傾斜面に対向し、かつ非平行な他方のケース対向辺とを有し、
    前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい
    リアクトル。
  3. 前記磁性コアは、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内部に配置される第一内側コア部及び第二内側コア部を有し、
    前記第一内側コア部及び前記第二内側コア部を前記各内側コア部内の磁束に直交する切断面で切断した断面形状は、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内周形状に沿った形状であり、
    前記第二内側コア部の幅は、前記第一内側コア部の幅よりも大きい請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記内底面と前記各傾斜面とのなす角が、91°以上95°以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリアクトル。
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