JP7064718B2 - リアクトル - Google Patents
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Description
コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
前記ケースは、
前記組合体が載置される内底面と、
前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
前記コイルは、
前記内底面側に配置される第一巻回部と、
前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
前記ケースは、
前記組合体が載置される内底面と、
前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
前記コイルは、
前記内底面側に配置される第一巻回部と、
前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい。
前記内底面は平面であり、
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
矩形枠状であり、
前記各傾斜面に対向し縦方向に伸びる一対のケース対向辺と、
前記一対のケース対向辺の一端側同士及び他端側同士を連結する一対の連結辺とを有し、
前記一対の連結辺が前記内底面に平行であることが挙げられる。
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
矩形枠状であり、
前記一方の傾斜面に対向し、かつ平行な一方のケース対向辺と、
前記他方の傾斜面に対向し、かつ非平行な他方のケース対向辺とを有することが挙げられる。
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
台形枠状であり、
前記各傾斜面に対向し、かつ平行な一対のケース対向辺を有することが挙げられる。
前記磁性コアは、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内部に配置される第一内側コア部及び第二内側コア部を有し、
前記第一内側コア部及び前記第二内側コア部を前記各内側コア部内の磁束に直交する切断面で切断した断面形状は、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内周形状に沿った形状であり、
前記第二内側コア部の幅は、前記第一内側コア部の幅よりも大きいことが挙げられる。
前記内底面と前記各傾斜面とのなす角が、91°以上95°以下であることが挙げられる。
本開示の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
〔リアクトル〕
図1、図2を参照して、実施形態1に係るリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3とを組み合わせた組合体10と、ケース5と、封止樹脂部8とを備える。ケース5は、組合体10を載置する底板部51と、組合体10の外周を囲む側壁部52とを備える。側壁部52におけるコイル2の側面と対向する一対のコイル対向面521は、底板部51側から底板部51の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面522を有する。封止樹脂部8は、ケース5の内部に充填されて組合体10の少なくとも一部を封止する。コイル2は、巻線を巻回してなる第一巻回部21及び第二巻回部22を有する。第一巻回部21は、底板部51側に配置される。第二巻回部22は、第一巻回部21の底板部51側とは反対側に配置される。第一巻回部21と第二巻回部22とは、互いの軸が平行となるように縦積みされている。リアクトル1Aの特徴の一つは、第二巻回部22の幅が第一巻回部21の幅よりも大きい点にある。以下、リアクトル1Aの主たる特徴部分、特徴部分に関連する部分の構成、及び主要な効果を順に説明する。その後、各構成を詳細に説明する。以下、ケース5の底板部51側を下といい、底板部51側とは反対側を上という。この上下方向(図1,図2の紙面上下方向)に沿った方向(ケース5の深さ方向)を高さ(縦)方向という。この高さ方向とコイル2の軸方向との両方向に直交する方向(図2の紙面左右方向)を幅方向という。
(ケース)
ケース5は、内部に組合体10を収納する。ケース5は、組合体10の機械的保護及び外部環境からの保護(防食性の向上)を図ると共に、組合体10を放熱できる。ケース5は、底板部51と側壁部52とを備える有底筒状の容器である。図1では、説明の便宜上、紙面手前の側壁部の図示を省略している。底板部51と側壁部52とは、本例では一体に成形されている。なお、底板部51と側壁部52とは、個々に成形されていてもよい。その場合、底板部51と側壁部52とは、互いにねじ止めするなどして一体化することが挙げられる。側壁部52の上端側には、開口部55が形成されている。底板部51と側壁部52とで囲まれる内部空間は、組合体10の全体を収納可能な形状及び大きさを有する。
底板部51は、組合体10が載置される内底面511と、冷却ベースなどの設置対象(図示略)に設置する外底面とを有する。底板部51は、矩形平板状である。内底面511及び外底面は、本例では平面で構成されている。
側壁部52は、組合体10の外周を囲む。側壁部52は、底板部51の周縁に立設される。側壁部52の形状は、本例では矩形枠状である。側壁部52の高さは、組合体10の高さよりも高い。側壁部52の内壁面520は、一対のコイル対向面521(図2)と一対のコア対向面523(図1)との4つの面を有する。一対のコイル対向面521は、互いに対向し、一対のコア対向面523は、互いに対向している。一対のコイル対向面521の対向方向と一対のコア対向面523の対向方向とは互いに直交する。
各コイル対向面521は、コイル2(第一巻回部21及び第二巻回部22)の側面に対向する。第一巻回部21及び第二巻回部22の側面とは、第一巻回部21及び第二巻回部22の外周面のうち第一巻回部21及び第二巻回部22の幅方向に位置する面をいう。各コイル対向面521は、ケース5の内底面511側から開口部55側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面522を有する。コイル対向面521(傾斜面522)における後述の端面部材41(保持部材4)との対向箇所には、ケース5の深さ方向に亘って端面部材41をはめ込む溝部(図示略)が形成されていてもよい。上記溝部が形成されていれば、コイル2と磁性コア3と保持部材4との組合体10をケース5に対して位置決めし易い。
コア対向面523は、外側コア部33の外端面に対向する。外側コア部33の外端面とは、外側コア部33における第一内側コア部31及び第二内側コア部32側とは反対側の面をいう。各コア対向面523は、コイル対向面521と同様、ケース5の内底面511側から開口部55側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面524を有する。
傾斜面522及び傾斜面524のそれぞれと内底面511とのなす角(角度α)は、91°以上95°以下が好ましい(図1,図2)。図1,図2では、説明の便宜上、傾斜面522及び傾斜面524の傾斜角度を誇張して示している。傾斜面522及び傾斜面524のそれぞれと内底面511とのなす角は、本例では全て同一としている。なお、傾斜面522と内底面511とのなす角と、傾斜面524と内底面511とのなす角とを異ならせてもよい。
ケース5の材質は、非磁性金属や非金属材料が挙げられる。非磁性金属としては、アルミニウムやその合金、マグネシウムやその合金、銅やその合金、銀やその合金、オーステナイト系ステンレス鋼などが挙げられる。これらの非磁性金属は熱伝導率が比較的高い。そのため、ケース5を放熱経路に利用でき、組合体10に発生した熱を設置対象(例えば、冷却ベース)に効率良く放熱できる。よって、リアクトル1Aの放熱性を高められる。金属でケース5を形成する場合、ダイキャストを好適に利用できる。非金属材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などの樹脂が挙げられる。これらの非金属材料は一般に電気絶縁性に優れるものが多い。そのため、コイル2とケース5との間の絶縁性を高められる。これらの非金属材料は上述した金属材料よりも軽く、リアクトル1Aを軽量にできる。上記樹脂には、セラミックスフィラーを含有させてもよい。セラミックスフィラーは、例えば、アルミナ、シリカなどが挙げられる。これらのセラミックスフィラーを含有する樹脂は、放熱性及び電気絶縁性に優れる。樹脂でケース5を形成する場合、射出成形を好適に利用できる。底板部51と側壁部52とを個々に成形する場合には、底板部51と側壁部52とが互いに異なる材質で構成されていてもよい。
コイル2に備わる第一巻回部21及び第二巻回部22は、別々の巻線を螺旋状に巻回してなる中空の筒状体(角筒状体)である。なお、第一巻回部21及び第二巻回部22は、一本の巻線で形成することもできる。第一巻回部21及び第二巻回部22は、互いに電気的に接続されている。電気的な接続の仕方は後述する。
(2)第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った最大の間隔D2maxが、第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の幅方向に沿った最大の間隔D1max以下である。
磁性コア3は、第一内側コア部31及び第二内側コア部32と、一対の外側コア部33とを備える(図1)。
第一内側コア部31及び第二内側コア部32の形状は、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周形状に沿った形状とすることが好ましい。第一巻回部21の内周面と第一内側コア部31の外周面との間の間隔を、第一内側コア部31の周方向に亘って均一にし易いからである。また、第二巻回部22の内周面と第二内側コア部32の外周面との間の間隔を、第二内側コア部32の周方向に亘って均一にし易いからである。本例では、第一内側コア部31及び第二内側コア部32の形状は、直方体状である。第一内側コア部31及び第二内側コア部32の角部は、第一巻回部21及び第二巻回部22の角部の内周面に沿うように丸めている。
外側コア部33の形状は、例えば、直方体状や四角錐台状などが挙げられる。直方体状とは、外側コア部33の外端面と側面と上面(下面)の形状がいずれも矩形の柱状体である。上面と下面の面積は同一である。四角錐台状とは、例えば、外側コア部33の外端面と上面(下面)の形状が矩形であり、側面の形状が直角台形の柱状体が挙げられる。或いは、外側コア部33の外端面の形状が等脚台形であり、側面と上面(下面)の形状が矩形の柱状体が挙げられる。或いは、外側コア部33の外端面の形状が等脚台形であり、側面が直角台形であり、上面(下面)が矩形状の柱状体が挙げられる。外側コア部33の外端面の形状が等脚台形状の柱状体は、第二内側コア部32の幅が第一内側コア部31の幅よりも広い場合に好適に利用できる。四角錐台状の外側コア部33は、上面の面積が下面の面積よりも大きい。
封止樹脂部8は、ケース5内に充填されて組合体10の少なくとも一部を覆う。封止樹脂部8は、組合体10の熱をケース5へ伝達、組合体10の機械的保護及び外部環境からの保護(防食性の向上)、組合体10とケース5との間の電気的絶縁性の向上、組合体10の一体化、組合体10とケース5との一体化によるリアクトル1Aの強度や剛性の向上といった種々の機能を奏する。
実施形態1に係るリアクトル1Aは、以下の効果を奏することができる。
(コイル)
コイル2の軸方向の一端側における端部の導体同士(図示略)は、直接接続されている。例えば、第一巻回部21の巻線の端部側を曲げて、第二巻回部22の巻線の端部側に引き伸ばして接続している。なお、この導体同士の接続は、第一巻回部21及び第二巻回部22とは独立する接続部材を介して行ってもよい。連結部材は、例えば、巻線と同一部材で構成する。導体同士の接続は、溶接や圧接で行える。
〈材質〉
第一内側コア部31及び第二内側コア部32と外側コア部33とは、圧粉成形体や複合材料で構成される。圧粉成形体は、軟磁性粉末を圧縮成形してなる。圧粉成形体は、複合材料に比較して、コア片に占める軟磁性粉末の割合を高くできる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を高め易い。複合材料は、樹脂中に軟磁性粉末が分散されてなる。複合材料は、未固化の樹脂中に軟磁性粉末を分散した流動性の素材を金型に充填し、樹脂を硬化させることで得られる。複合材料は、樹脂中の軟磁性粉末の含有量を容易に調整できる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を調整し易い。その上、圧粉成形体に比較して、複雑な形状でも形成し易い。なお、第一内側コア部31及び第二内側コア部32と外側コア部33は、圧粉成形体の外周が複合材料で覆われたハイブリッドコアとすることもできる。本例では、第一内側コア部31及び第二内側コア部32を複合材料で構成し、一対の外側コア部33を圧粉成形体で構成している。
組合体10は、保持部材4を備えていてもよい(図1)。保持部材4は、コイル2と磁性コア3との間の絶縁を確保する。本例の保持部材4は、一対の端面部材41を有する。
端面部材41は、コイル2の各端面と各外側コア部33との間の絶縁を確保する。各端面部材41の形状は、同一形状である。各端面部材41は、二つの貫通孔410が第一巻回部21及び第二巻回部22の積層方向に沿って設けられた枠状の板材である。各貫通孔410には、第一内側コア部31と第二内側コア部32とが嵌め込まれる。第二内側コア部32がはめ込まれる貫通孔410の幅が、第一内側コア部31がはめ込まれる貫通孔410の幅よりも大きい。各端面部材41におけるコイル2側の面には、第一巻回部21及び第二巻回部22の端面を収納する二つの凹部411が形成されている。コイル2側の各凹部411は、第一巻回部21及び第二巻回部22の端面全体を端面部材41に面接触させる。各凹部411は、貫通孔410の周囲を囲むように矩形の環状に形成されている。各端面部材41における外側コア部33側の面には、外側コア部33を嵌め込むための一つの凹部412が形成されている。
保持部材4は、更に、内側部材(図示略)を有していもよい。内側部材は、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周面と第一内側コア部31及び第二内側コア部32の外周面との間の絶縁を確保する。
保持部材4の材質は、各種の樹脂等の絶縁材料が挙げられる。樹脂としては、例えば、上述した複合材料の樹脂と同様の樹脂が挙げられる。その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、PBT樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。その他の熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。特に、保持部材4の材質は、封止樹脂部8と同じ材質とすることが好ましい。保持部材4と封止樹脂部8の線膨張係数を同じにすることができ、熱膨張・収縮に伴う各部材の損傷を抑制できるからである。
組合体10は、モールド樹脂部(図示略)を備えていてもよい。モールド樹脂部は、各外側コア部33を覆い、第一巻回部21及び第二巻回部22の内部に及ぶ。モールド樹脂部は、各外側コア部33の外周面のうち、第一内側コア部31及び第二内側コア部32との連結面を除く領域を覆う。モールド樹脂部は、各外側コア部33と各端面部材41の凹部412との間と、第一内側コア部31及び第二内側コア部32の外周面と各端面部材41の貫通孔410との間と、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周面と第一内側コア部31及び第二内側コア部32の外周面との間とに介在されている。このモールド樹脂部により、各外側コア部33と各端面部材41と第一内側コア部31及び第二内側コア部32と第一巻回部21及び第二巻回部22とを一体化できる。モールド樹脂部の材質には、例えば、上述した複合材料の樹脂と同様の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が利用できる。これらの樹脂には、上述のセラミックスフィラーを含有させてもよい。セラミックスフィラーを含有すれば、モールド樹脂部の放熱性を向上させられる。
リアクトル1Aは、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品に利用できる。リアクトル1Aは、例えば、種々のコンバータや電力変換装置の構成部品などに利用できる。コンバータの一例としては、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等の車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC-DCコンバータ)や、空調機のコンバータ等が挙げられる。
〔リアクトル〕
図3を参照して、実施形態2に係るリアクトル1Bを説明する。実施形態2に係るリアクトル1Bは、第一巻回部21及び第二巻回部22の一方の側面(図3紙面右側)と一方の傾斜面522とが平行となるように第一巻回部21及び第二巻回部22を傾けて配置している点が、実施形態1に係るリアクトル1Aと相違する。以下、相違点を中心に説明し、同様の構成については説明を省略する。この点は、後述する実施形態3でも同様である。図3は、図2に示す断面図と同様の位置でリアクトル1Bを切断した状態を示す断面図である。
第一巻回部21の一方のケース対向辺211は、一方の傾斜面522に平行である。第一巻回部21の他方のケース対向辺211は、他方の傾斜面522に非平行である。第一巻回部21の一対の連結辺212は、内底面511に対して非平行である。一対の連結辺212は、一方の傾斜面522に対して直交していて、他方の傾斜面522に対して非直交に交差している。同様に、第二巻回部22の一方のケース対向辺221は、一方の傾斜面522に平行である。第二巻回部22の他方のケース対向辺221は、他方の傾斜面522に非平行である。第二巻回部22の一対の連結辺222は、内底面511に対して非平行である。一対の連結辺222は、一方の傾斜面522に対して直交していて、他方の傾斜面522に対して非直交に交差している。第一巻回部21における一対のケース対向辺211の長さと第二巻回部22における一対のケース対向辺221の長さとは同じ長さである。第二巻回部22における一対の連結辺222の長さは、第一巻回部21における一対の連結辺212の長さよりも長い。
リアクトル1Bは、台座部9を備えることが好ましい。台座部9は、底板部51の内底面511に配置される。この台座部9は、底板部51の内底面511に対して第一巻回部21及び第二巻回部22を傾けた状態で載置させる。台座部9は、第一巻回部21の一方のケース対向辺211及び第二巻回部22の一方のケース対向辺221を、一方の傾斜面522に対して平行にする。つまり、本例の台座部9の上面は、一方の傾斜面522に対して直交する方向に沿った面である。
実施形態2に係るリアクトル1Bによれば、低損失である。第一巻回部21及び第二巻回部22の一方の側面と一方の傾斜面522とが面接触するように第一巻回部21及び第二巻回部22を傾けて配置していることで、第二巻回部22をその一方の側面からより一層冷却し易いからである。その上、第二巻回部22の他方の側面では、上記最小の間隔D2minが上記最小の間隔D1minと実質的に同一であり、上記最大の間隔D2maxが上記最大の間隔D1maxと実質的に同一であるため、第二巻回部22をその他方の側面からも放熱させ易いからである。よって、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易いため、コイル2の最高温度を低減し易い。
〔リアクトル〕
図4を参照して、実施形態3に係るリアクトル1Cを説明する。実施形態3に係るリアクトル1Cは、第一巻回部21及び第二巻回部22の形状が、実施形態1に係るリアクトル1Aと相違する。図4は、図2に示す断面図と同様の位置でリアクトル1Cを切断した状態を示す断面図である。
第一巻回部21及び第二巻回部22の端面形状は、互いに等脚台形枠状としている。第一巻回部21及び第二巻回部22の角部は丸めている。
〈内側コア部〉
第一内側コア部31及び第二内側コア部32の形状はそれぞれ、第一巻回部21及び第二巻回部22の内周形状に沿った等脚台形状の柱状体である。第一巻回部21と第一内側コア部31との間の間隔は、第一内側コア部31の周方向に亘って均一である。同様に、第二巻回部22と第二内側コア部32との間の間隔は、第二内側コア部32の周方向に亘って均一である。
実施形態3に係るリアクトル1Cは、実施形態1に係るリアクトル1Aに比較して、より一層低損失である。第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の間隔及び第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の間隔がそれぞれ一様であり、かつ第一巻回部21の各側面と各傾斜面522との間の間隔と、第二巻回部22の各側面と各傾斜面522との間の間隔とが、実質的に同一であるため、第二巻回部22をより一層冷却し易いからである。よって、ケース5の側壁部52を介して第一巻回部21と第二巻回部22とを均等に冷却し易いため、コイル2の最高温度を低減し易い。また、実施形態3に係るリアクトル1Cは、ケース5の傾斜面522の対向間隔を同一としたとき、実施形態1に係るリアクトル1Aに比較して、ケース5内におけるデッドスペースを少なくし易い。
10 組合体
2 コイル
21 第一巻回部
211 ケース対向辺
212 連結辺
22 第二巻回部
221 ケース対向辺
222 連結辺
3 磁性コア
31 第一内側コア部
32 第二内側コア部
33 外側コア部
4 保持部材
41 端面部材
410 貫通孔
411,412 凹部
5 ケース
51 底板部
511 内底面
52 側壁部
520 内壁面
521 コイル対向面
522 傾斜面
523 コア対向面
524 傾斜面
55 開口部
8 封止樹脂部
9 台座部
Claims (4)
- コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
前記ケースは、
前記組合体が載置される内底面と、
前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
前記内底面は平面であり、
前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
前記コイルは、
前記内底面側に配置される第一巻回部と、
前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
矩形枠状であり、
前記各傾斜面に対向し縦方向に伸びる一対のケース対向辺と、
前記一対のケース対向辺の一端側同士及び他端側同士を連結する一対の連結辺とを有し、
前記一対の連結辺が前記内底面に平行であり、
前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい、
リアクトル。 - コイルと磁性コアとの組合体と、前記組合体を内部に収納するケースと、前記ケースの内部に充填されて前記組合体の少なくとも一部を封止する封止樹脂部とを備えるリアクトルであって、
前記ケースは、
前記組合体が載置される内底面と、
前記コイルの側面に対向する一対のコイル対向面とを有し、
前記一対のコイル対向面は、前記内底面側から前記内底面の反対側に向かって互いの距離が離れるように傾斜する傾斜面を有し、
前記コイルは、
前記内底面側に配置される第一巻回部と、
前記第一巻回部の前記内底面側とは反対側に配置される第二巻回部とを備え、
前記第一巻回部と前記第二巻回部とは、互いの軸が平行となるように縦積みされ、
前記第一巻回部及び前記第二巻回部の各端面形状は、
矩形枠状であり、
前記一方の傾斜面に対向し、かつ平行な一方のケース対向辺と、
前記他方の傾斜面に対向し、かつ非平行な他方のケース対向辺とを有し、
前記第二巻回部の幅が、前記第一巻回部の幅よりも大きい、
リアクトル。 - 前記磁性コアは、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内部に配置される第一内側コア部及び第二内側コア部を有し、
前記第一内側コア部及び前記第二内側コア部を前記各内側コア部内の磁束に直交する切断面で切断した断面形状は、前記第一巻回部及び前記第二巻回部の内周形状に沿った形状であり、
前記第二内側コア部の幅は、前記第一内側コア部の幅よりも大きい、請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。 - 前記内底面と前記各傾斜面とのなす角が、91°以上95°以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
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