JP7284467B1 - 免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤、癌アポトーシス誘導剤及び免疫賦活性マクロファージ誘導方法 - Google Patents

免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤、癌アポトーシス誘導剤及び免疫賦活性マクロファージ誘導方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体及び菌体処理物が有する新規な性質を明らかにし、これに基づいて新たな用途を提供する。【解決手段】アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を有効成分として含有する免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤。【選択図】図1

Description

本発明は、乳酸菌であるアピラクトバチルス コウソイ10H株の菌体又は菌体処理物を含有する免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤並びにアピラクトバチルス コウソイ10H株の菌体又は菌体処理物を用いる免疫賦活性マクロファージ誘導方法に関する。
従来から、乳酸菌やその発酵生産物が様々な生理機能を有することが知られている。例えば、野菜黒糖発酵液から単離されたフラクトフィリックな乳酸菌であるアピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株は、優れたIgA産生促進作用(ひいては免疫賦活作用)を有することが知られている(特許文献1参照。なお、近年ラクトバチルス属の再分類が行われ、旧ラクトバチルス属に属する多くの乳酸菌の名称が変更された。特許文献1における「ラクトバチルス・コーソイ」は本明細書における「アピラクトバチルス コウソイ」と同じものを指している。)。
特開2020-92704号公報
特許文献1に記載のアピラクトバチルス コウソイ10H株は、他の乳酸菌に対して比較的小さなゲノムを有するとともに、グルコースの資化能が低く、フラクトースを好適な炭素源として資化するという特徴を有する。この菌株は、腸管粘膜においてIgAの産生を促進し、優れた免疫賦活作用を有することが開示されているものの、その他の作用については明らかではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、アピラクトバチルス コウソイ10H株が有する新規な性質を明らかにし、これに基づいて新たな用途を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、アピラクトバチルス コウソイ10H株の新たな有用性について鋭意検討した結果、アピラクトバチルス コウソイ10H株の菌体及び菌体処理物が免疫賦活性マクロファージ誘導作用、癌微小環境改善作用及び癌アポトーシス誘導作用を有することを見出して本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の実施形態を含む。
(1)アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を有効成分として含有する免疫賦活性マクロファージ誘導剤。
(2)飲食品、医薬品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物の形態である上記(1)に記載の免疫賦活性マクロファージ誘導剤。
(3)アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を有効成分として含有する癌微小環境改善剤。
(4)飲食品、医薬品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物の形態である上記(3)に記載の癌微小環境改善剤。
(5)アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を有効成分として含有する癌アポトーシス誘導剤。
(6)飲食品、医薬品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物の形態である上記(5)に記載の癌アポトーシス誘導剤。
(7)ヒトまたは非ヒト動物における免疫賦活性マクロファージ誘導用、癌微小環境改善用又は癌アポトーシス誘導用の医薬品、飲食品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物を製造するための、アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物の使用。
本発明によれば、アピラクトバチルス コウソイ10H株が有する新規な用途として、この菌体又は菌体処理物を含む免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤を提供することができる。
10H株死菌体による免疫賦活性マクロファージの誘導作用を示す棒グラフである。 10H株死菌体による免疫抑制性マクロファージの抑制作用を示す棒グラフである。 水溶性抽出物による免疫賦活性マクロファージの誘導作用を示す棒グラフである。 水溶性抽出物による免疫抑制性マクロファージの抑制作用を示す棒グラフである。 油溶性抽出物による免疫賦活性マクロファージの誘導作用を示す棒グラフである。 油溶性抽出物による免疫抑制性マクロファージの抑制作用を示す棒グラフである。 10H株死菌体による癌アポトーシスの誘導作用を示す棒グラフである。
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
(I)アピラクトバチルス コウソイ10H株
本発明の一実施形態における有効成分は、野菜黒糖発酵液から単離された特定の乳酸菌株及びその変異株の菌体又は菌体処理物である。好ましくは、商品名「ジオリナ(登録商標)酵素」に配合する野菜黒糖発酵液から得られるアピラクトバチルス属に属する菌の菌体又は菌体処理物であり、より好ましくは、アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株又はその変異株の菌体又は菌体処理物である。「変異株」とは、特定の菌株に対し、当業者に周知の方法により当業者がその主要な性質に変化を及ぼさない範囲で変異させたもの、あるいは、それと同等であると当業者が確認できるものを包含する意味である。
なお、アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株(寄託当時は「ラクトバチルス・コーソイ(Lactobacillus kosoi)10H株」)は、平成30年(2018年)11月7日(原寄託日)付で独立行政法人製品評価技術基盤機構、特許微生物寄託センター(〒292-0818日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8、122号室)に寄託されている。受託番号は、NITE BP-02811である(以下、本菌株を単に「10H株」と称することもある。)。また、当該10H株の分類学的性質は、本発明者らにより公表された論文(Chiou T-Y et al.,Antonie van Leeuwenhoek(2018)、111:1149-1156)及び特許文献1に記載されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
(アピラクトバチルス コウソイ10H株の特徴)
本菌株は、最近発見されたフラクトフィリック乳酸菌(FLAB:Fructophilic lactic acid bacteria)として、従来の乳酸菌から進化した細菌であると考えられる(Filannino et al.“Fructose-rich niches traced the evolution of lactic acid bacteria toward fructophilic species”Critical Reviews in Microbiology、Vol.45、No.1、2019、pp.65-81)。FLABは、花や果物、発酵食品、またフラクトースを主食とする昆虫の消化管など、フラクトースが豊富な環境に生息している。FLABは、グルコースではなくフラクトースを炭素源として好むヘテロ発酵性の乳酸菌であるが、酸素などの電子受容体基質を追加することで、グルコース存在下での生育が促進されるといわれている。10H株は、他のFLAB及び乳酸菌に比べて比較的小さなゲノムサイズと低いGC含量を有する(Filannino et al.のFigure3参照)。
本明細書における「菌体」には、生菌体と死菌体との両方を含む。菌体は凍結物や乾燥物であってもよい。また、本明細書における「菌体処理物」とは、菌体を破壊する処理や菌体から成分を抽出する処理を実施して得られる、菌体由来の成分を含有するもののことをいう。菌体処理物には、菌体を物理的手段により処理して得られる細胞質や細胞壁画分のように菌体の一部又は全部を含有するものだけでなく、菌体からの抽出物(後述する実施例2参照。)のように菌体自体は含有していないものも含まれる。
(II)免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤
本明細書において「免疫賦活性マクロファージ誘導剤」とは、免疫抑制性マクロファージ(M2型マクロファージ)を免疫賦活性マクロファージ(M1型マクロファージ)に誘導するもののことをいう。マクロファージは白血球の一種であり、動物の感染防御機構において重要な役割を担う細胞である。通常、マクロファージは癌細胞を攻撃する、アポトーシスを誘導するなどの抗腫瘍作用を有する免疫賦活性マクロファージとして機能する。一方で、癌細胞が発生し増加すると、マクロファージは癌局所に誘引され、癌細胞から分泌される免疫抑制性マクロファージ誘導因子(IL-6、IL-10等)により免疫抑制性マクロファージに分化する。免疫抑制性マクロファージは、血管内皮増殖因子(VEGF)の発現による血管新生の促進等により、さらに癌細胞が増殖しやすい環境を形成する。このため、癌細胞の増殖抑制には、免疫賦活性マクロファージの誘導及び免疫抑制性マクロファージの抑制(低減)が重要であると考えられる。
本発明の免疫賦活性マクロファージ誘導剤は、有効成分としてアピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を含有する。当該菌体及び当該菌体処理物は、後述する実施例3に示すように、免疫賦活性マクロファージの誘導作用及び免疫抑制性マクロファージの抑制作用を有する。
本明細書において「癌微小環境改善剤」とは、癌細胞周囲の環境である癌微小環境を、癌細胞の増殖を抑制できる方向に改善するもののことをいう。本発明の癌微小環境改善剤は、有効成分としてアピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を含有する。当該菌体及び当該菌体処理物は、後述する実施例3に記載するように、免疫賦活性マクロファージの誘導及び免疫抑制性マクロファージの抑制を通じて癌微小環境改善作用を発揮すると考えられる。
本明細書において「癌アポトーシス誘導剤」とは、癌細胞のアポトーシスを誘導するもののことをいう。本発明の癌アポトーシス誘導剤は、有効成分としてアピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を含有する。当該菌体及び当該菌体処理物は、後述する実施例4に示すように、免疫賦活性マクロファージの誘導作用及び免疫抑制性マクロファージの抑制作用を通じて癌アポトーシス誘導作用を発揮すると考えられる。
(III)飲食品、医薬品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物
(有効成分組成物)
本実施形態の免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤は、飲食品、医薬品又は飼料に配合する有効成分組成物の形態で用いることができる。有効成分組成物として用いる場合には、有効成分である10H株の菌体又は菌体処理物をそのまま用いることもできるし、10H株の培養・発酵液(培養上清含む)やそれらの粗精製品あるいは精製品も用いることができる。また、有効成分が菌体処理物である場合には、菌体の処理に用いた物質(例えば、抽出溶媒)を含有しているものも有効成分組成物として用いることができる。
また、菌体は生菌体のみならず、加熱滅菌操作等によって滅菌されたもの(死菌体)であってもよい。10H株は高糖濃度(高浸透圧)という過酷な生育条件において生育することから、強固な細胞表層構造を有すると考えられる。10H株を加熱処理により死菌体とする場合の条件は、好ましくは65~85℃で1分以上、例えば、10分、30分又は60分程度とすることができ、より好ましくは70~75℃で、1分以上、例えば、5分、10分又は30分程度とすることができる。後述する実施例において説明するように、加熱処理された菌体であっても、免疫賦活性マクロファージ誘導作用、癌微小環境改善作用及び癌アポトーシス誘導作用が期待できる。また、生菌の場合、製品製造以降の配送時や陳列時に形態変化を起こす可能性があるため、それ以上形態変化を起こさない加熱滅菌した死菌体は好適に使用できる。
また、本実施形態の有効成分組成物中には、必要に応じて更に、10H株の維持、増殖等に適した栄養成分の適量を含有させることができる。該栄養成分の具体例としては、微生物の培養のための培養培地に利用される、例えばフラクトース、グルコース、ソルボース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、ラクチュロース、スクロース等の炭素源、例えば酵母エキス、ペプトン等の窒素源、ビタミン類、ミネラル類、微量金属元素、その他の栄養成分等の各成分を挙げることができる。ビタミン類としては、例えばビタミンB、ビタミンD、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等を例示できる。微量金属元素としては、例えば亜鉛、セレン等を例示できる。その他の栄養成分としては、例えば乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラクチュロース、ラクチトール、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等の各種オリゴ糖を例示できる。これらのオリゴ糖の配合量は、特に限定されるものではないが、通常本実施形態の組成物中に1~30重量%程度となる量範囲から選ばれるのが好ましい。
本実施形態の有効成分組成物中への10H株の配合量は、一般には、組成物100g中に、菌数が10~1013個前後(生菌数である必要はない。)となる量から適宜選択することができる。生菌数の測定は、10%フラクトースを含むMRS液体培地を用いた限界希釈培養法により求めることが出来る。この生菌数と濁度とは相関するため、予め生菌数と濁度との相関を求めておくと、生菌数の測定に代えて濁度を測定することによって上記生菌数を計数できる。本実施形態の有効成分組成物は、適当な可食性担体(食品素材)、製薬上許容される担体等の適宜の配合を経て、後述するような飲食品、医薬品等の形態に調製されることが好ましい。
(医薬品)
本実施形態の免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤を医薬品の形態とする場合は、有効成分である10H株の菌体又は菌体処理物と共に製剤学的に許容される適当な製剤担体を用いて医薬組成物の形態に調製されて実用される。当該製剤担体としては、通常この分野で使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を例示できる。
医薬品の投与単位形態としては、各種の形態が選択できるが、好適には経口投与用製剤が挙げられる。経口投与製剤の代表的なものとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等が挙げられる。
錠剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコールなどの滑沢剤等を使用できる。錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠とすることもできるし、二重錠又は多層錠とすることもできる。
丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤;ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
更に、医薬品中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させることもできる。
本実施形態の医薬品の投与方法には特に制限がなく、製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。また、その投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常、上記有効成分組成物が1日当り体重1kg当り約0.5~100mg程度とするのがよいと考えられる。医薬品は、1日に1~4回に分けてヒトに投与することができる。
(飲食品)
本明細書における「飲食品」とは、専ら飲食のために経口的に用いられる形態のもの全てを含み(例えば、飲料も含む)、錠剤等の形態のものであっても、専ら飲食のために用いられる限りにおいては、本明細書における飲食品に含まれる。例えば、健康食品、健康補助食品、病者用食品、栄養補助食品、あるいは、厚生労働省の定める保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)も、本明細書における飲食品に含まれる。健康食品とは、通常の食品よりも積極的な意味で、保健、健康維持・増進等を目的とした食品のことをいう。
本実施形態の免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤を飲食品とする場合は、例えば発酵乳、乳酸菌飲料、発酵野菜飲料、発酵果実飲料、発酵豆乳飲料等を挙げることができる。「発酵乳」とは、乳又は乳製品を乳酸菌又は酵母で発酵させた糊状又は液状にしたものをいう。従って該発酵乳には飲料形態と共にヨーグルト形態が包含される。また「乳酸菌飲料」とは、乳又は乳製品を乳酸菌又は酵母で発酵させた糊状又は液状にしたものを主原料としてこれを水に薄めた飲料をいう。
他の飲食品形態の例としては、漬物、味噌、発酵茶、パン等の発酵食品、離乳食、粉ミルク、ベビーフード等の乳児用食品、発泡製剤、ガム、グミ、プディング等の菓子類、麺類、カプセル、顆粒、粉末、錠剤等の栄養補助食品等、前記発酵乳及び乳酸菌飲料以外の乳製品等を挙げることができる。
本実施形態による飲食品における有効成分組成物の含有量は特に限定されるものではなく、適宜決定できる。免疫賦活性マクロファージ誘導、癌微小環境改善及び癌アポトーシス誘導の効果を奏する観点から、それぞれの飲食品の全質量に対して、例えば、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。一方、飲食品中における有効成分組成物の含有量の上限は特に制限されず、通常は、飲食品の形態に合わせて適宜調整することができる。
(飼料)
本実施形態の免疫賦活性マクロファージ誘導剤、癌微小環境改善剤及び癌アポトーシス誘導剤を飼料の形態とする場合には、例えば、経口投与用製剤形態(水溶液、乳化液、顆粒、粉末、カプセル、錠剤等)とすることができる。
[実施例]
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。以下の実施例において、各種成分の添加量等を示す数値の単位%は、特記がない場合には質量%を意味する。
[実施例1]アピラクトバチルス コウソイ10H株の培養及び死菌体調製
アピラクトバチルス コウソイ10H株の株式会社アルソア慧央グループ保存菌株を、10%(w/v)D(-)-フラクトース(富士フイルム和光純薬株式会社)添加MRS培地(Gibco)を用いて、500mLメジュームビン(AGCテクノグラス株式会社)の密栓状態にて、30℃、48時間静置培養した。培養終了後、培養液を遠心分離機(久保田商事株式会社、6800型)にて8000rpm、20分間処理することでMRS培地を除去し、菌体ペーストを得た。得られた菌体ペーストに対し、DPBS(Thermo Fisher Scientific Inc.)への懸濁及び遠心分離(8000rpm、20分)を3度繰り返すことで洗浄菌体ペーストを得た。洗浄菌体ペーストの一部を70℃、30分のオートクレーブ処理により死菌体とし、凍結乾燥機(東京理化器械株式会社、FDU-2200)にて凍結乾燥した。後述する実施例3及び実施例4においては、死菌体懸濁液として、10H株の死菌体を40mg/mLの濃度でDPBSに懸濁したものを用いた。
[実施例2]アピラクトバチルス コウソイ10H株の抽出物(菌体処理物)の調製
実施例1で得られた10H株の洗浄菌体ペーストのうち19mgを、100μLの0.1M酢酸ナトリウムバッファー(富士フイルム和光純薬株式会社、pH=4.7)に懸濁してイージービーズ(エーエムアール株式会社、76813M)に移し、ボルテックスミキサー(エムエス機器株式会社)で2分30秒処理した。その後、100μLのn-ブタノール(富士フイルム和光純薬株式会社)を添加し、30分間ボルテックスミキサーにて破砕した。さらに100μLの0.1M酢酸ナトリウムバッファー(pH=4.7)、及び100μLのn-ブタノールを加え、30分間ボルテックスミキサーにて処理した。次に13,000rpm、5分間の遠心分離処理で二層分離した。上層(n-ブタノール相)と下層(水相)とをそれぞれ別のチューブに回収し、凍結乾燥した。以下、上層(n-ブタノール相)の抽出物については「油溶性抽出物」と記載し、下層(水相)の抽出物については「水溶性抽出物」と記載する。以下に記載する実験(実施例3参照。)においては、10mg/mLの濃度になるように、油溶性抽出物はメタノール(富士フイルム和光純薬株式会社)に、水溶性抽出物はDPBSに、それぞれ溶解させたものを用いた。
[実施例3]免疫賦活性マクロファージ(M1型マクロファージ)誘導作用の評価
「免疫賦活性マクロファージ誘導剤」の説明で記載したように、癌細胞の増殖抑制には、免疫賦活性マクロファージ(M1型マクロファージ)の誘導及び免疫抑制性マクロファージ(M2型マクロファージ)の抑制が重要であると考えられる。そこで、実施例3においては、10H株死菌体、水溶性抽出物及び油溶性抽出物が免疫抑制性マクロファージから免疫賦活性マクロファージを誘導することができるかどうかについて評価した。
(免疫抑制性マクロファージ(M2型マクロファージ)の調製)
ヒト単球性白血病細胞株THP-1(JCRB細胞バンク)を、RPMI1640培地(日水製薬株式会社)を用いて、2×10cells/wellとなるように24穴プレート(Nunc)に播種した。次に、RPMI1640培地で希釈したホルボール12-ミリスタート13-アセタート(Sigma)を終濃度100ng/mLになるように添加し、37℃、5%CO条件下でCOインキュベーター(ワケンビーテック、WKN-MC35)を用いて72時間培養することでマクロファージを誘導した。さらに、得られたマクロファージをRPMI1640培地で3回洗浄し、終濃度12.5ng/mLのHuman IL-6 recombinant protein(proteintech)添加RPMI1640培地で72時間培養することで、免疫抑制性マクロファージ(M2型マクロファージ)へ分化させた。
(免疫抑制性マクロファージから免疫賦活性マクロファージへの誘導)
24穴プレートに接着させた免疫抑制性マクロファージに対し、10H株死菌体、水溶性抽出物又は油溶性抽出物を終濃度が2μg/mL又は20μg/mLになるように添加後、24時間培養した。培養後の細胞をDPBSで1回洗浄した後、0.3mLの0.5μM EDTA(ナカライテスク株式会社)を添加して10分間保持することにより、細胞をプレートから剥離させた。さらに、0.3mLのRPMI1640培地を添加して、ピペッティングにより細胞を1.5mLマイクロチューブ(ビオラモ)に回収し、もう一度ウェルを0.3mLのDPBSで洗浄し、洗浄液を同じチューブに回収した。次に、遠心分離機(株式会社トミー精工、MX-301)を用いた5000rpm、5分、4℃の遠心分離処理にて上清を除去し、細胞ペレットを得た。
(抗体溶液の調製)
まず、DPBSにFc Blocker(バイオレジェンド株式会社)を100倍希釈、7-AAD(ベックマン・コールター株式会社)及びFITC標識-抗CD11b抗体(バイオレジェンド株式会社)を各々50倍希釈になるように添加した溶液を調製した。上記溶液に対し、PE標識-抗CD163抗体(バイオレジェンド株式会社)及びAPC標識-抗CD209抗体(バイオレジェンド株式会社)、又は、PE標識-抗CD80抗体(バイオレジェンド株式会社)及びAPC標識-抗HLA-DR抗体(バイオレジェンド株式会社)の組み合わせにて、各々50倍希釈になるよう各蛍光標識抗体を加え、抗体溶液を調製した。
(CD80、HLA-DR、CD163及びCD209の発現率の測定)
上記細胞ペレットに調製した抗体溶液を添加し、ボルテックスミキサー処理により均一化した。蛍光標識抗体を添加した細胞ペレットを4℃で15分間染色した後、Cyto FLEX(ベックマン・コールター株式会社、B53015)を用いて解析した。フローサイトメーター解析では、7-AAD陰性細胞にゲートをかけ、ゲート内の細胞におけるCD11b陽性細胞中のCD80、HLA-DR、CD163及びCD209の発現率を数値化した。なお、CD80及びHLA-DRの発現率の増減は免疫賦活性マクロファージに関するマーカー(以下、M1マーカーという。)として用いることができ、CD163及びCD209は免疫抑制性マクロファージに関するマーカー(以下、M2マーカー)として用いることができる。
(TNF-α産生量の測定)
分化させた免疫抑制性マクロファージに対し、2μg/mL又は20μg/mLの10H株死菌体、水溶性抽出物又は油溶性抽出物を添加後、24時間培養した培養上清を回収した。培養上清中のTNF-α産生量を測定するためにDuoset ELISA(R&D Systems Inc.)キットを用いた。測定はすべてキットが推奨するプロトコールに従って実施した。なお、TNF-αは炎症性サイトカインの一種であり、免疫賦活性マクロファージから産生される一方で免疫抑制性マクロファージからはほぼ産生されないため、その産生量をM1マーカーとして用いることができる。
(実験結果)
以上の実験の結果を図1~図6に示す。
図1は、10H株死菌体による免疫賦活性マクロファージの誘導作用を示す棒グラフである。図1(a)はCD80(M1マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図1(b)はHLA-DR(M1マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図1(c)はTNF-α(M1マーカー)の産生量を示すグラフである。
図2は、10H株死菌体による免疫抑制性マクロファージの抑制作用を示す棒グラフである。図2(a)はCD163(M2マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図2(b)はCD209(M2マーカー)の発現率を示す棒グラフである。
図3は、水溶性抽出物による免疫賦活性マクロファージの誘導作用を示す棒グラフである。図3(a)はCD80(M1マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図3(b)はHLA-DR(M1マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図3(c)はTNF-α(M1マーカー)の産生量を示すグラフである。
図4は、水溶性抽出物による免疫抑制性マクロファージの抑制作用を示す棒グラフである。図4(a)はCD163(M2マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図4(b)はCD209(M2マーカー)の発現率を示す棒グラフである。
図5は、油溶性抽出物による免疫賦活性マクロファージの誘導作用を示す棒グラフである。図5(a)はCD80(M1マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図5(b)はHLA-DR(M1マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図5(c)はTNF-α(M1マーカー)の産生量を示すグラフである。
図6は、油溶性抽出物による免疫抑制性マクロファージの抑制作用を示す棒グラフである。図6(a)はCD163(M2マーカー)の発現率を示す棒グラフであり、図6(b)はCD209(M2マーカー)の発現率を示す棒グラフである。
なお、図1~6の棒グラフ上に示す「*」印は、対照(10H株死菌体、水溶性抽出物又は油溶性抽出物の添加量が0μg/mLであるとき)と比較して有意な差があること(Dunnett’s test P<0.01)を示す。後述する図7においても同様である。
図1,3,5に示すように、10H株死菌体、水溶性抽出物及び油溶性抽出物の全てについて、これらを添加しなかった場合(0μg/mL)と比較して、M1マーカーであるCD80及びHLA-DRの発現率並びにTNF-αの産生量が増加することが確認できた。また、図2,4,6に示すように、10H株死菌体、水溶性抽出物及び油溶性抽出物の全てについて、これらを添加しなかった場合(0μg/mL)と比較して、M2マーカーであるCD163及びCD209の発現率が減少することが確認できた。これらの結果から、アピラクトバチルス コウソイ10H株の菌体及び菌体処理物が、免疫抑制性マクロファージから免疫賦活性マクロファージを誘導することがわかる。従って、アピラクトバチルス コウソイ10H株の菌体及び菌体処理物は、免疫抑制性マクロファージが多量に存在する環境において免疫抑制性マクロファージを抑制(低減)するとともに免疫賦活性マクロファージを誘導(増加)することが可能であると考えられ、免疫賦活性マクロファージ誘導剤及び癌微小環境改善剤の有効成分として期待できる。
[実施例4]癌アポトーシス誘導作用の評価
実施例4においては、免疫抑制性マクロファージを10H株死菌体の存在下で培養してConditioned Mediumを調製し、当該Conditioned Mediumの存在下で癌細胞株を培養することで癌細胞株のアポトーシスが誘導されるかどうかについて調べた。
(Conditioned Mediumの調製)
まず、実施例3と同様の方法により、免疫抑制型マクロファージを誘導した。得られた免疫抑制型マクロファージに対して10H株死菌体(2μg/mL)を添加し、24時間培養した。培養上清を菌体除去のために8000rpm、5分、4℃の条件で遠心分離し、上清をConditioned Mediumとして回収した(サンプル名:M2 A.kosoi-CM)。また、上記と同様に処理した10H株死菌体無添加の免疫抑制型マクロファージ培養液を無添加コントロールとした(サンプル名:M2 None-CM)。
(癌細胞株へのConditioned Medium添加及び培養)
癌細胞株は、大腸癌細胞株HT-29(株式会社ケー・エー・シー)、肺癌細胞株A549(JCRB細胞バンク)及び、乳癌細胞株MCF-7(JCRB細胞バンク)を使用した。培養培地は、HT-29細胞についてはRPMI1640培地、A549細胞についてはMEM培地(日水製薬株式会社)、MCF-7細胞についてはDMEM培地(日水製薬株式会社)を、それぞれ用いた。各癌細胞株は1.2×10cells/wellになるように播種し、24時間培養することでプレートの底に接着させた。その後、各癌細胞株の培養培地の50%をConditioned Mediumで置き換えた培地に交換し、48時間(HT-29細胞及びA549細胞)又は72時間(MCF-7細胞)培養した。培養後各細胞をDPBSで1回洗浄し、DPBSで2倍に希釈したTrypLE express(Theremo Fisher Scientific Inc.)を0.3mL加え、5分間保持することでプレートから細胞を剥離した。その後、0.3mLの10%牛胎児血清(v/v)の入った各培地を添加し、酵素反応を止め、1.5mLマイクロチューブ(ビオラモ)に細胞を回収した。さらに、0.3mLのDPBSでプレートを1回洗浄し、細胞を回収した。回収した細胞を遠心分離処理し、細胞ペレットを得た。遠心分離処理は遠心分離機(株式会社トミー精工、MX-301)により、5000rpm、5分、4℃の条件で実施した。
(細胞の染色及びアポトーシス割合の算出)
DPBSで5倍に希釈した7-AAD溶液と、25倍希釈したFITC標識Annexin V溶液とをそれぞれ調製した。DPBSで洗浄した細胞に13μLの7-AAD抗体溶液を添加し、4℃、暗所で15分間染色した後、1mLのDPBSを添加し、上記と同様の遠心分離条件で細胞ペレットを得た。当該細胞ペレットに対して、20μLのFITC標識Annexin V溶液を添加後、室温、暗所にて15分間染色した。さらに、200μLのAnnexin V Binding Buffer(バイオレジェンド)を加え、Cyto FLEXにてアポトーシス細胞割合を解析した。アポトーシス割合は、取り込んだ全細胞に対する7-AAD陽性、かつAnnexin V陽性細胞の割合をアポトーシス割合として算出した。
(実験結果)
以上の実験の結果を図7に示す。
図7は、10H株死菌体による癌アポトーシスの誘導作用を示す棒グラフである。図7(a)はHT-29細胞についての癌アポトーシスの誘導作用を示す棒グラフであり、図7(b)はA549細胞についての癌アポトーシスの誘導作用を示す棒グラフであり、図7(c)はMCF-7細胞についての癌アポトーシスの誘導作用を示す棒グラフである。
図7に示すように、実験に用いた3種類の癌細胞株の全てについて、免疫抑制型マクロファージに対して10H株死菌体を添加して培養することにより得られたConditioned Medium(M2 A.kosoi-CM)を添加して培養することで、無添加コントロール(M2 None-CM)と比較してアポトーシス割合が有意に増加することが確認できた。この結果から、アピラクトバチルス コウソイ10H株の菌体は、免疫抑制性マクロファージが多量に存在する環境において免疫抑制性マクロファージを抑制するとともに免疫賦活性マクロファージを誘導することで、癌細胞のアポトーシスを誘導することが可能であると考えられ、癌アポトーシス誘導剤の有効成分として期待できる。また、実施例3の結果と併せて考えると、アピラクトバチルス コウソイ10H株の菌体処理物(抽出物)も、免疫賦活性マクロファージの誘導及び免疫抑制性マクロファージの抑制により、菌体と同様に癌細胞のアポトーシスを誘導することが可能であると考えられる。従って、菌体処理物(抽出物)も癌アポトーシス誘導剤の有効成分として期待できる。
(処方例1 錠剤)
常法に従って、以下の成分を混合し、錠剤を製造した。なお、有効成分組成物は、実施例1で得たアピラクトバチルス コウソイ10H株の凍結乾燥菌体を用いた。
組成
有効成分組成物(実施例1) 150mg
セルロース 80mg
デンプン 20mg
ショ糖脂肪酸エステル 2mg
上記成分を混合、打錠し、錠剤を得た。
(処方例2 カプセル剤)
常法に従って、以下の成分を混合し、軟カプセルを得た。なお、有効成分組成物は、実施例1で得たアピラクトバチルス コウソイ10H株の凍結乾燥菌体を用いた。
組成
有効成分組成物(実施例1) 100mg
ミツロウ 10mg
ぶどう種子オイル 110mg
上記成分を混合し、ゼラチンおよびグリセリンを混合したカプセル基剤中に充填し、軟カプセルを得た。

Claims (7)

  1. アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を有効成分として含有し、免疫抑制性マクロファージを免疫賦活性マクロファージに誘導する免疫賦活性マクロファージ誘導剤。
  2. 飲食品、医薬品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物の形態である請求項1に記載の免疫賦活性マクロファージ誘導剤。
  3. アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を有効成分として含有し、免疫抑制性マクロファージを免疫賦活性マクロファージに誘導することで癌微小環境を癌細胞の増殖を抑制できる方向に改善する癌微小環境改善剤。
  4. 飲食品、医薬品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物の形態である請求項3に記載の癌微小環境改善剤。
  5. アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を有効成分として含有し、免疫抑制性マクロファージを免疫賦活性マクロファージに誘導することで癌細胞のアポトーシスを誘導する癌アポトーシス誘導剤。
  6. 飲食品、医薬品、飼料又はこれらに配合する有効成分組成物の形態である請求項5に記載の癌アポトーシス誘導剤。
  7. アピラクトバチルス コウソイ(Apilactobacillus kosoi)10H株の菌体又は菌体処理物を免疫抑制性マクロファージに作用させることで、前記免疫抑制性マクロファージを免疫賦活性マクロファージに誘導する免疫賦活性マクロファージ誘導方法(ただし、ヒトの生体内での方法を除く)
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