JP7283346B2 - ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ラスの製造方法に関する。
特許文献1に開示されるように、ガラスの製造方法では、ガラス原料を溶融炉で溶融して得られた溶融ガラスを均質化するために、溶融ガラスを撹拌する撹拌装置が用いられている。撹拌装置は、容器と容器内の溶融ガラスを撹拌するスターラーとを備えている。
特開2008-156223号公報
上記従来の撹拌装置では、容器内の溶融ガラスをスターラーで撹拌する際に、容器内において溶融ガラスの流速が相対的に遅い箇所が比較的多く存在していた。そのため、流速が遅い箇所において溶融ガラスが異質ガラスとなり易く、当該異質ガラスに起因して溶融ガラスの均質性の低下、及び、得られるガラス製品の品質低下を招くおそれがあった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、撹拌装置の容器内において溶融ガラスの流速が相対的に遅い箇所を削減することで、溶融ガラスの均質化を促進することを可能にしたガラスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する撹拌装置は、容器と、前記容器内の溶融ガラスを撹拌するスターラーとを備える撹拌装置であって、前記容器は、前記容器内に前記溶融ガラスを流入する流入口と、前記容器内の前記溶融ガラスを流出する流出口と、を備え、前記容器の内面は、内底面と、内側面と、前記内底面と前記内側面との間で前記内底面と前記内側面とに連なるとともに前記容器の外方に向かって凸となる曲面と、を有する。
この構成によれば、撹拌装置の容器の内面のうち、内底面と内側面との間は、内底面と内側面とに連なるとともに容器の外方に向かって凸となる曲面により形成されているため、容器の内底面の外周近傍の溶融ガラスの流動を促進することができる。
上記撹拌装置において、前記容器は、前記内側面に囲まれる円柱状の中空部を有し、前記容器の内径をDとし、前記曲面の曲率半径をRとしたとき、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
0.01×D≦R・・・(1)
上記撹拌装置において、前記曲面の曲率半径は、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
R≦0.45×D・・・(2)
上記撹拌装置において、前記曲面の曲率半径Rは、2mm以上、60mm以下の範囲内であることが好ましい。
上記撹拌装置において、前記容器の前記内底面と前記スターラーとの間隔の最小値、前記容器の前記内側面と前記スターラーとの間隔の最小値、及び前記容器の曲面と前記スターラーとの間隔の最小値は、いずれも1.5mm以上であることが好ましい。
上記撹拌装置において、前記容器の曲面と前記スターラーとの間隔は、30mm以下であることが好ましい。
上記撹拌装置において、前記流出口は、前記曲面に開口することが好ましい。
この構成によれば、容器の流出口の近傍における溶融ガラスの流動を促進することができるため、より均質化した溶融ガラスを流出口から流出させることができる。
上記撹拌装置において、前記スターラーは、回転軸と、前記回転軸に設けられる複数の棒状羽根から構成される棒状羽根群と、を備え、前記複数の棒状羽根は、前記回転軸の軸方向に直交する同一平面内に配置されるように前記回転軸から互いに異なる方向に突出することが好ましい。
この構成によれば、溶融ガラス中において棒状羽根群が配置される層状の領域の流速を速めることができる。
上記撹拌装置において、前記スターラーは、前記曲面に囲まれる位置に配置される前記棒状羽根群を備えることが好ましい。
この構成によれば、容器の内底面の外周近傍の溶融ガラスの流動をさらに促進することができる。
上記撹拌装置において、前記スターラーは、前記回転軸の軸方向において離間して配置される複数の前記棒状羽根群を備えてもよい。
この構成によれば、撹拌装置の容器内において溶融ガラスの流速が相対的に遅い箇所をさらに削減することが可能となる。
上記撹拌装置において、前記スターラーは、前記回転軸に設けられるスクリュー羽根をさらに備え、前記棒状羽根群は、前記スクリュー羽根よりも前記容器の内底面側に配置されてもよい。
ガラスの製造方法は、撹拌装置を用いて溶融ガラスを撹拌する撹拌工程を備えるガラスの製造方法であって、前記撹拌装置は、容器と、前記容器内の溶融ガラスを撹拌するスターラーとを備え、前記容器は、前記容器内に前記溶融ガラスを流入する流入口と、前記容器内の前記溶融ガラスを流出する流出口と、を備え、前記容器の内面は、内底面と、内側面と、前記内底面と前記内側面との間で前記内底面と前記内側面とに連なるとともに前記容器の外方に向かって凸となる曲面と、を有する。
上記ガラスの製造方法において、前記撹拌工程の前工程として、溶融ガラスを清澄する清澄工程を備えてもよい。
上記ガラスの製造方法において、前記撹拌装置の前記容器は、前記容器内に前記溶融ガラスを流入する流入口と、前記容器内の前記溶融ガラスを流出する流出口と、を有し、前記流出口は、前記曲面に開口し、前記スターラーは、回転軸と、前記回転軸に設けられる複数の棒状羽根から構成される棒状羽根群とを備え、前記複数の棒状羽根は、前記回転軸の軸方向に直交する同一平面内に配置されるように前記回転軸から互いに異なる方向に突出し、前記スターラーは、前記曲面に囲まれる位置に配置される前記棒状羽根群を備え、前記撹拌工程では、前記流出口を通過する前記棒状羽根の数が、1分間当たり120個以上となるように前記スターラーを回転させることが好ましい。
この方法によれば、容器の流出口の近傍における溶融ガラスの流動を促進することができるため、より均質化した溶融ガラスを流出口から流出させることができる。また、上記のようにスターラーを回転させることで、撹拌装置の容器の流出口から流出する溶融ガラスの脈動を抑えることができる。
本発明によれば、撹拌装置の容器内において溶融ガラスの流速が相対的に遅い箇所を削減することで、溶融ガラスの均質化を促進することが可能となる。
実施形態における撹拌装置を示す断面図である。 図1の2-2線に沿った断面図である。 容器の曲面における曲率半径と、停滞領域の体積比率との関係を示すグラフである。
以下、撹拌装置及びガラスの製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
図1及び図2に示すように、撹拌装置11は、容器12と、容器12内の溶融ガラスMGを撹拌するスターラー13とを備えている。撹拌装置11における容器12の内面12aは、内底面S1と内側面S2とを有している。容器12の内面12aは、内底面S1と内側面S2との間で内底面S1と内側面S2とに連なるとともに容器12の外方に向かって凸となる曲面S3をさらに有している。なお、内底面S1は、平坦面であることが好ましい。
撹拌装置11の容器12は、容器12の内側面S2に囲まれる円柱状の中空部12bを有している。
撹拌装置11の容器12の内径をDとし、容器12の曲面S3の曲率半径をRとしたとき、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。なお、内径Dは、容器12の内側の直径である。
0.01×D≦R・・・(1)
容器12の曲面S3の曲率半径Rを容器12の内径に応じて大きくすることで、容器12の曲面S3に沿った溶融ガラスMGの流動をより促進することができる。
容器12の曲面S3の曲率半径Rは、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
R≦0.45×D・・・(2)
ここで、曲率半径Rが大きすぎると容器12の底部において曲面S3とスターラー13とが干渉し易くなったり、最底部において停滞層が生じ易くなったりするおそれがある。上記式(2)のように、容器12の曲面S3の曲率半径Rを適切に制限することで、スターラー13を配置するスペースを十分に確保することができる。
撹拌装置11の容器12の内径Dは、100mm以上であることが好ましい。撹拌装置11の容器12の内径Dは、350mm以下であることが好ましい。
なお、容器12の内径Dは、内側面S2に囲まれる円柱状の中空部12bの内径を示す。本実施形態の中空部12bの内径Dは一定であるが、内径が一定でない場合、容器12の内径Dは、曲面S3に隣接する内側面S2により形成される中空部12bの内径を示す。
容器12の曲面S3の曲率半径Rは、2mm以上であることがより好ましい。容器12の曲面S3の曲率半径Rは、60mm以下であることがより好ましい。
容器12の内底面S1とスターラー13との間隔の最小値W1、容器12の内側面S2とスターラー13との間隔の最小値W2、及び容器12の曲面S3とスターラー13との間隔の最小値W3は、いずれも1.5mm以上であることが好ましい。これらの間隔は、スターラー13が回転したときのスターラー13の軌跡の最外周と、容器12の内面12aとの間隔のうち最も狭い部分の間隔をいう。これらの間隔をより広くすることで、例えば、スターラー13と容器12の内面12aとの相対位置が一時的に過剰に位置ずれした場合であっても、スターラー13と容器12の内面12aとの接触が回避され易くなる。
容器12の曲面S3とスターラー13との間隔の最小値W3は、30mm以下であることが好ましく、より好ましくは20mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下であり、最も好ましくは5mm以下であり、例えば、4mm以下であってもよい。容器12の曲面S3とスターラー13との間隔の最小値W3をより狭くすることで、容器12の曲面S3に沿った溶融ガラスMGの流動をさらに促進することができる。
撹拌装置11の容器12は、容器12内に溶融ガラスMGを流入する流入口12cと、容器12内の溶融ガラスMGを流出する流出口12dとを有している。この撹拌装置11は、溶融ガラスMGの流入と流出とを連続的に行うことが可能である。容器12の流入口12cは、容器12の流出口12dよりも上方に設けられている。容器12の流出口12dは、容器12の内側面S2に開口している。容器12の流出口12dは、容器12の内面12aにおける曲面S3に開口している。
次に、撹拌装置11のスターラー13の詳細について説明する。
スターラー13は、回転軸14と、この回転軸14に設けられる複数の棒状羽根BLから構成される棒状羽根群15とを備えている。棒状羽根群15を構成する複数の棒状羽根BLは、回転軸14の軸方向に直交する同一平面内に配置されるように回転軸14から互いに異なる方向に突出している。
本実施形態のスターラー13は、複数の棒状羽根群15を備えている。複数の棒状羽根群15は、第1棒状羽根群15aと、第1棒状羽根群15aよりも回転軸14の基端側に設けられる第2棒状羽根群15bとを含む。すなわち、第1棒状羽根群15aは、第2棒状羽根群15bよりも容器12の内底面S1側(下方)に位置する。
第1棒状羽根群15aは、容器12の内面12aに囲まれる位置に配置されている。第1棒状羽根群15aは、回転軸14の軸方向と直交する直交方向視で、第1棒状羽根群15aの各棒状羽根BLの少なくとも一部が容器12の流出口12dと重なる位置となるように配置されている。第1棒状羽根群15aは、回転軸14の軸方向と直交する直交方向視で、第1棒状羽根群15aの各棒状羽根BLの全体が、容器12の流出口12dと重なる位置に配置されていることが好ましい。第1棒状羽根群15aを構成する各棒状羽根BLの先端部は、回転軸14の軸方向と直交する平面視において、容器12の流出口12dと向かい合う位置を周期的に通過する。第2棒状羽根群15bは、容器12の内側面S2に囲まれる位置に配置されている。第2棒状羽根群15bは、回転軸14の軸方向と直交する直交方向視で、容器12の流入口12cよりも容器12の内底面S1側に配置されている。
図2に示すように、第1棒状羽根群15aは、回転軸14の軸方向と直交する平面視において、十字状に配置された4本の棒状羽根BLにより構成されている。第2棒状羽根群15bは、上記平面視において、互いに反対側となる方向に突出する2本の棒状羽根BLにより構成されている。第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの数、及び第2棒状羽根群15bの棒状羽根BLの数は特に限定されない。例えば、第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの数と第2棒状羽根群15bの棒状羽根BLの数は、同じであってもよい。また、例えば、第2棒状羽根群15bの棒状羽根BLの数は、第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの数よりも多くてもよい。例えば、容器12の内底面S1近傍において溶融ガラスMGの流動を促進するという観点から、第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの数は、第2棒状羽根の数よりも多いことが好ましい。
本実施形態のスターラー13は、回転軸14に設けられるスクリュー羽根16をさらに備えている。スクリュー羽根16の形状は、例えば、スパイラル(螺旋)状である。スクリュー羽根16は、棒状羽根群15よりも回転軸14の基端側に配置されている。すなわち、棒状羽根群15は、スクリュー羽根16よりも容器12の内底面S1側に配置されている。
スクリュー羽根16は、回転軸14の軸方向に直交する直交方向視で、スクリュー羽根16の少なくとも一部が容器12の流入口12cと重なる位置となるように配置されている。なお、容器12内の溶融ガラスMGの液面は、容器12の流入口12cよりも上方であり、かつスクリュー羽根16よりも上方に位置している。
上述した撹拌装置11の容器12の少なくとも内面12a、及びスターラー13の少なくとも外面は、耐食性を高めるという観点から、例えば、白金又は白金合金から形成されることが好ましい。
撹拌装置11のスターラー13の回転軸14の基端部は、モーター等の駆動源17に接続されることで回転駆動される。撹拌装置11は、ガラス物品の製造装置の一部を構成する。ガラス物品の製造装置は、例えば、撹拌装置11の上流側に配置される清澄装置と、撹拌装置11の下流側に配置される成形装置とを備えている。撹拌装置11から流出したガラスは、成形装置を用いて、例えば、板状に成形される。成形装置で用いる成形方法としては、例えば、オーバーフローダウンドロー法、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、フロート法、ロールアウト法等が挙げられる。成形装置は、溶融ガラスMGからガラスインゴットを成形し、そのガラスインゴットを切断する装置であってもよい。
次に、ガラスの製造方法について説明する。
ガラスの製造方法は、撹拌装置11を用いて溶融ガラスMGを撹拌する撹拌工程を備えている。本実施形態のガラスの製造方法は、撹拌工程の前工程として、溶融ガラスMGを清澄する清澄工程を備えている。ガラスの製造方法で得られたガラスは、成形装置で成形されることでガラス物品が得られる。本実施形態の撹拌工程において、撹拌装置11の容器12内のガラスの粘度は、例えば、1.5Pa・s以上、3.0Pa・s以下の範囲内である。
ここで、上記撹拌装置11のように容器12の流出口12dが容器12の曲面S3に開口し、第1棒状羽根群15aが容器12の曲面S3に囲まれる位置に配置される場合、第1棒状羽根群15aの各棒状羽根BLの回転に伴って容器12の流出口12dから流出する溶融ガラスMGが脈動する。このような溶融ガラスMGの脈動を抑えることで、例えば、成形装置におけるガラスの成形を安定化させることができる。撹拌装置11の容器12の流出口12dから流出する溶融ガラスMGの脈動を抑えるという観点から、撹拌工程では、1分間当たりに容器12の流出口12dを通過する棒状羽根BLの数が、120本以上となるようにスターラー13を回転させることが好ましく、200本以上となるようにスターラー13を回転させることがより好ましい。例えば、スターラー13の振動を抑えるという観点から、撹拌工程では、1分間当たりに容器12の流出口12dを通過する棒状羽根BLの数が、1000本以下となるようにスターラー13を回転させることが好ましい。
1分間当たりに容器12の流出口12dを通過する棒状羽根BLの数は、第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの本数とスターラー13の1分間当たりの回転数とによって設定することができる。例えば、本実施形態の第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの本数が少ないほど、1分間当たりのスターラー13の回転数を増加させる必要がある。例えば、1分間当たりのスターラー13の回転数を減らすことでスターラー13の振動を抑えるという観点から、第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの本数は、2本以上であることが好ましく、より好ましくは3本以上であり、さらに好ましくは4本以上である。
得られたガラス(溶融ガラスMG)は、撹拌装置11から成形装置に送られた後、成形装置で成形されることでガラス物品が得られる。
次に、解析モデルを用いた溶融ガラスの流動状態を解析した結果について説明する。
流動状態の解析モデルは、図1及び図2に示す撹拌装置11に基づいて作成した。解析モデルについての説明では、撹拌装置11の部材の符号を省略する。
撹拌装置の容器の曲面における曲率半径Rを変更した3種類の解析モデルを作成し、容器の曲面の曲率半径Rと、容器内の溶融ガラスの流速との関係を解析した。解析条件の一例は、以下のとおりである。
溶融ガラスの粘度:3.0[Pa・s]
溶融ガラスの流量:15[kg/hr]
スターラーの回転数:50[rpm]
溶融ガラスの温度:850[℃]
解析モデルの撹拌装置における容器の内径Dは、140mmである。容器の内底面とスターラーとの間隔の最小値、容器の内側面とスターラーとの間隔の最小値、及び容器の曲面とスターラーとの間隔の最小値は、いずれも1.5mm以上である。
3種類の解析モデルの曲面の曲率半径Rは、それぞれ10mm,30mm,50mmとした。3種類の解析モデルから溶融ガラスの流速が0.00050[m/s]以下となる領域を溶融ガラスが容器内で停滞している停滞領域として予め設定し、その停滞領域の体積を算出した。
図3は、容器の曲面における曲率半径Rと停滞領域の体積比率との関係を示すグラフである。このグラフでは、曲率半径Rが10mmの解析モデルにおける停滞領域の体積を100[%]とし、曲率半径Rが30mm,50mmの各解析モデルにおける停滞領域の体積比率を示している。この解析結果から、容器の曲面における曲率半径Rを大きくするほど、溶融ガラスの停滞領域の体積が減少することが分かる。すなわち、この解析結果から、容器の曲面における曲率半径Rを大きくするほど、撹拌装置の容器内の溶融ガラスは、容器の曲面に沿うように流動し易くなることが分かる。
なお、上述した式(1)は、停滞領域を減少する効果をより確実に得られる好ましい条件について規定したものである。具体的には、図3のグラフに示されるように、およそ1.4≦Rのとき、停滞領域を減少する効果が十分に認められるとして、0.01×140≦Rに基づき上記式(1)を導出している。
また、上述した式(2)は、生産の安定性が十分に得られる好ましい条件について規定したものである。図3のグラフに示されるように、曲率半径Rが大きいほど、停滞領域の体積比率が低下し好ましいが、曲率半径Rが極端に大きくなると、容器の曲面とスターラーとの間隔の最小値が小さくなり、干渉が懸念される。容器の内径Dが140mmである場合、曲面の曲率半径Rの上限を65程度とすることで、容器の曲面とスターラーとの干渉をより確実に防ぐことができる。これら内径D及び曲率半径Rの値から好ましい比率係数を求めると、R/D=65/140≒0.45となり、当該係数より上記式(2)を導出している。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)撹拌装置11は、容器12と、容器12内の溶融ガラスMGを撹拌するスターラー13とを備えている。撹拌装置11の容器12は、容器12内に溶融ガラスMGを流入する流入口12cと、容器12内の溶融ガラスMGを流出する流出口12dとを有している。撹拌装置11における容器12の内面12aは、内底面S1と内側面S2とを有している。撹拌装置11における容器12の内面12aは、内底面S1と内側面S2との間で内底面S1と内側面S2とに連なるとともに容器12の外方に向かって凸となる曲面S3をさらに有している。
この構成によれば、撹拌装置11の容器12の内面12aのうち、内底面S1と内側面S2との間は、内底面S1と内側面S2とに連なるとともに容器12の外方に向かって凸となる曲面S3により形成されているため、容器12の内底面S1の外周近傍の溶融ガラスMGの流動を促進することができる。これにより、撹拌装置11の容器12内において溶融ガラスMGの流速が相対的に遅い箇所を削減することで、溶融ガラスMGの均質化を促進することが可能となる。
(2)容器12の流出口12dは、容器12の曲面S3に開口している。この場合、容器12の流出口12dの近傍における溶融ガラスMGの流動を促進することができるため、より均質化した溶融ガラスMGを流出口12dから流出させることができる。
(3)スターラー13は、棒状羽根群15を備えている。棒状羽根群15を構成する複数の棒状羽根BLは、回転軸14の軸方向に直交する同一平面内に配置されるように回転軸14から互いに異なる方向に突出している。この場合、溶融ガラスMG中において棒状羽根群15が配置される層状の領域の流速を容易に速めることができる。
(4)スターラー13は、曲面S3に囲まれる位置に配置される第1棒状羽根群15aを備えている。この場合、容器12の内底面S1の外周近傍の溶融ガラスMGの流動をさらに促進することができる。これにより、撹拌装置11の容器12内において溶融ガラスMGの流速が相対的に遅い箇所をさらに削減することで、溶融ガラスMGの均質化をさらに促進することが可能となる。
(5)スターラー13は、回転軸14の軸方向において離間して配置される複数の棒状羽根群15を備えている。この場合、撹拌装置11の容器12内において溶融ガラスMGの流速が相対的に遅い箇所をさらに削減することで、溶融ガラスMGの均質化をさらに促進することが可能となる。
(6)スターラー13は、回転軸14に設けられるスクリュー羽根16をさらに備えている。棒状羽根群15は、スクリュー羽根16よりも容器12の内底面S1側に配置されている。この場合、撹拌装置11の容器12内において溶融ガラスMGの流速が相対的に遅い箇所をさらに削減することで、溶融ガラスMGの均質化をさらに促進することが可能となる。
(7)撹拌装置11において、容器12の流出口12dは、容器12の曲面S3に開口している。スターラー13の第1棒状羽根群15aは、容器12の曲面S3に囲まれる位置に配置されている。ガラスの製造方法の撹拌工程では、容器12の流出口12dを通過する第1棒状羽根群15aの棒状羽根BLの数が、1分間当たり120本以上となるようにスターラー13を回転させることが好ましい。
この場合、容器12の流出口12dの近傍における溶融ガラスMGの流動を促進することができるため、より均質化した溶融ガラスMGを流出口12dから流出させることができる。また、上記のようにスターラー13を回転させることで、撹拌装置11の容器12の流出口12dから流出する溶融ガラスMGの脈動を抑えることができる。従って、より高品位のガラス物品を安定して生産することが可能となる。
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ガラスの製造方法において、清澄工程は、ガラス原料を溶融する溶融炉の下流側に配置した清澄装置で行ってもよいし、溶融炉内で行ってもよい。
・撹拌装置11のスターラー13を、回転軸14の基端側に設けられる棒状羽根群15と、回転軸14の先端側にスクリュー羽根16を設けられるスターラー13とを備えたスターラーに変更することもできる。
・撹拌装置11のスターラー13の第1棒状羽根群15a及び第2棒状羽根群15bの少なくとも一方の羽根群を省略してもよい。例えば、第1棒状羽根群15aを省略した場合は、容器12の曲面S3に囲まれる位置に羽根が配置されない。また、撹拌装置11のスターラー13のスクリュー羽根16を省略してもよい。すなわち、撹拌装置11のスターラー13の羽根構造は、第1棒状羽根群15a、第2棒状羽根群15b、及びスクリュー羽根16の三段の羽根構造に限定されない。撹拌装置11のスターラー13の羽根構造は、一段の羽根構造であってもよいし、二段以上の多段羽根構造であってもよい。
・撹拌装置11のスターラー13の羽根は、棒状羽根BL又はスクリュー羽根16に限定されず、他の種類の羽根であってもよい。スターラー13の羽根の種類は、一種のみであってもよいし、二種以上であってもよい。
・撹拌装置11は、容器12の内底面S1に沿って並設される複数のスターラー13を備えていてもよい。
・撹拌装置11における容器12の中空部12bの形状は、円柱状に限定されず、楕円柱状であってもよいし、四角柱状、五角柱状等の多角柱状であってもよい。
・撹拌装置11の容器12の曲面S3は、容器12の内底面S1の外周全体わたるように溶融ガラスMGの流動を促進するという観点から、内底面S1の外周全体と内側面S2の外周全体とに連なる曲面S3であることが好ましいが、内底面S1の外周の一部と内側面S2の外周の一部とに連なる曲面であってもよい。
・撹拌装置11の容器12の流入口12cは、容器12の流出口12dよりも上方に設けられているが、これに限定されない。例えば、容器12の流入口12cと流出口12dとを同じ高さ位置に設けてもよいし、流入口12cを流出口12dよりも下方に設けてもよい。この場合、撹拌装置11の上流側又は下流側の溶融ガラスMGの液面高さを調整することで、撹拌装置11の容器12内に溶融ガラスMGを連続的に流通させることができる。
・上記撹拌装置11は、容器12内への溶融ガラスMGの供給と、容器12からの溶融ガラスMGの排出を連続で行うことが可能な連続式の撹拌装置11であるが、これに限定されない。すなわち、バッチ式の撹拌装置に変更することもできる。
11…撹拌装置、12…容器、12a…内面、12b…中空部、12c…流入口、12d…流出口、13…スターラー、14…回転軸、15…棒状羽根群、15a…第1棒状羽根群、15b…第2棒状羽根群、16…スクリュー羽根、BL…棒状羽根、D…内径、MG…溶融ガラス、R…曲率半径、S1…内底面、S2…内側面、S3…曲面、W1,W2,W3…最小値。

Claims (2)

  1. 撹拌装置を用いて溶融ガラスを撹拌する撹拌工程を備えるガラスの製造方法であって、
    前記撹拌装置は、容器と、前記容器内の溶融ガラスを撹拌するスターラーとを備え、
    前記容器は、前記容器内に前記溶融ガラスを流入する流入口と、前記容器内の前記溶融ガラスを流出する流出口と、を備え、
    前記容器の内面は、内底面と、内側面と、前記内底面と前記内側面との間で前記内底面と前記内側面とに連なるとともに前記容器の外方に向かって凸となる曲面と、を有し、
    前記撹拌装置の前記容器における前記流出口は、前記曲面に開口し、
    前記スターラーは、回転軸と、前記回転軸に設けられる複数の棒状羽根から構成される棒状羽根群とを備え、
    前記複数の棒状羽根は、前記回転軸の軸方向に直交する同一平面内に配置されるように前記回転軸から互いに異なる方向に突出し、
    前記スターラーは、前記曲面に囲まれる位置に配置される前記棒状羽根群を備え、
    前記撹拌工程では、前記流出口を通過する前記棒状羽根の数が、1分間当たり120個以上となるように前記スターラーを回転させる、ガラスの製造方法。
  2. 前記撹拌工程の前工程として、溶融ガラスを清澄する清澄工程を備える、請求項に記載のガラスの製造方法。
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