JP7108230B2 - 撹拌スターラー及びガラス板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撹拌槽内で溶融ガラスを撹拌するための撹拌スターラーと、当該撹拌スターラーを用いたガラス板の製造方法に関する。
周知のように、ガラス板の製造工程においては、ガラス板の元となる溶融ガラスを円筒状に形成された撹拌槽内で撹拌して均質化させる撹拌工程が実行される。撹拌工程の実行には、軸と、当該軸の回転に伴って軸周りを旋回する撹拌翼とを備えた撹拌スターラーが使用される。この撹拌スターラーにより、溶融ガラスは撹拌槽内を軸長方向に流れながら撹拌されていく。
ここで、特許文献1及び2には、それぞれ撹拌スターラーの具体的な構成の一例が開示されている。特許文献1には、軸と、当該軸に沿って互いに間隔を空けて配置された複数の撹拌翼とを備え、各撹拌翼が櫂形状に形成された撹拌スターラーが開示されている。また、特許文献2には、軸と、当該軸の周りで螺旋状に形成された撹拌翼とを備え、撹拌翼に当該翼を貫通する貫通開口部が形成された撹拌スターラーが開示されている。
特開2011-178656号公報 特開2008-120630号公報
ところで、撹拌スターラーは多様な製造条件の下で使用されている。そして、一部の条件で使用される撹拌スターラーに対しては、流入口を通過して撹拌槽に流入する溶融ガラスのうち、流入口の流路断面の中央付近を通過する溶融ガラスの撹拌性能を向上させたいという要請がある。
このような事情に鑑みなされた本発明は、撹拌スターラーを改良することで、流入口の流路断面の中央付近を通過して撹拌槽に流入する溶融ガラスの撹拌性能を向上させることを技術的な課題とする。
本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、上記の課題を解決するには、撹拌槽内にて下記のような溶融ガラスの流れを形成するのが有効であると知見するに至った。すなわち、撹拌スターラーに備わった撹拌翼の近傍において、撹拌槽内での本来的な流れの方向(例えば、撹拌スターラーに備わった軸の一端側から他端側に向かう方向)に対し、反対向きの溶融ガラスの流れを形成するか、もしくは、撹拌翼の近傍において、溶融ガラスを滞留させることが効果的であることを見出した。この反対向きの流れの形成や、滞留を生じさせることで、流入口の流路断面の中央付近を通過して撹拌槽に流入した溶融ガラスが、撹拌翼により撹拌される機会(溶融ガラスがせん断力を受ける機会)が増加し、溶融ガラスの撹拌が促進されているものと想定される。
上記の知見に基づいてなされた本発明は、軸と、軸長方向に沿って軸に取り付けられた複数の撹拌翼とを備え、軸の回転に伴って複数の撹拌翼を軸周りで旋回させて撹拌槽内の溶融ガラスを撹拌するための撹拌スターラーであって、撹拌翼が、翼を貫通する貫通開口部と、軸径方向に沿って延びると共に相対的に軸の一端側に配置された一端側フレームと、軸径方向に沿って延びると共に相対的に軸の他端側に配置された他端側フレームと、両フレームを連結する連結部とを有し、軸の回転時に、一端側フレームが、他端側フレームに対して軸周りでの位相が遅れるように配置され、軸の回転時に、軸長方向で隣接する二つの撹拌翼のうち、相対的に軸の一端側に取り付けられた一端側撹拌翼における一端側フレームが、相対的に軸の他端側に取り付けられた他端側撹拌翼における一端側フレームに対して軸周りでの位相が遅れるように配置されていることを特徴とする。
本撹拌スターラーを、本来的に軸の一端側から他端側に向かう溶融ガラスの流れ(以下、本来流れと表記)が形成される撹拌槽で使用すれば、下記のような効果が得られる。つまり、本撹拌スターラーでは、軸の回転時に、複数の撹拌翼の各々が有する一端側フレームが、他端側フレームに対して軸周りでの位相が遅れるように配置されている。これにより、撹拌翼が軸周りを旋回するのに伴い、撹拌翼の近傍において、本来流れに反して軸の他端側から一端側に向かう溶融ガラスの流れ(以下、反対流れと表記)を形成できる。或いは、撹拌翼の近傍において、溶融ガラスを滞留させることが可能となる。さらに、本撹拌スターラーでは、軸の回転時に、軸長方向で隣接する二つの撹拌翼のうち、一端側撹拌翼における一端側フレームが、他端側撹拌翼における一端側フレームに対して軸周りでの位相が遅れるように配置されている。この配置や、撹拌翼が有する連結部に起因して溶融ガラスに作用する抵抗により、撹拌翼の近傍において、反対流れや滞留を一層生じさせやすくなる。加えて、撹拌翼が貫通開口部を有することで、溶融ガラスが旋回中の撹拌翼の貫通開口部を通過することが可能となり、撹拌槽内で溶融ガラスと撹拌翼とが同じ方向に旋回してしまうような事態の発生を回避できる。その上、貫通開口部の通過に伴って溶融ガラスにせん断力を作用させることも可能となる。その結果、流入口の流路断面の中央付近を通過して撹拌槽に流入する溶融ガラスの撹拌性能を向上させることが可能となる。
上記の構成では、一端側撹拌翼における他端側フレームと、他端側撹拌翼における一端側フレームとが平行に延びていることが好ましい。
このようにすれば、平行に延びた両フレームにより、撹拌翼の近傍において、反対流れや滞留を生じさせるための抵抗を溶融ガラスに作用させやすくなる。その結果、流入口の流路断面の中央付近を通過して撹拌槽に流入する溶融ガラスの撹拌性能を更に向上させることが可能となる。
上記の構成では、連結部が、一端側フレームと他端側フレームとの先端部同士を連結していることが好ましい。
このようにすれば、撹拌槽の内周壁付近において、撹拌翼から溶融ガラスにせん断力を好適に作用させることができる。これにより、溶融ガラスの撹拌性能を一層向上させることが可能となる。
上記の構成では、軸の回転時に、一端側撹拌翼における一端側フレームと、他端側撹拌翼における一端側フレームとの軸周りでの位相差が、10°~50°の範囲内であることが好ましい。
このようにすれば、撹拌翼の近傍において、反対流れや滞留をより生じさせやすくなる。これにより、流入口の流路断面の中央付近を通過して撹拌槽に流入する溶融ガラスの撹拌性能を一層向上させることが可能となる。
上記の構成では、複数の撹拌翼が、連結されずに相互に独立していることが好ましい。
このようにすれば、撹拌翼同士を連結する部材等が存在しない分だけ、撹拌スターラーの軽量化を図ることができる。従って、軸を回転させるために要するトルクを小さくすることが可能となる。
上記の構成では、貫通開口部が、撹拌翼の旋回方向に沿って翼を貫通していることが好ましい。
このようにすれば、溶融ガラスが貫通開口部を通過しやすくなることから、旋回中の撹拌翼が溶融ガラスから受ける抵抗を抑制することが可能となる。これにより、撹拌翼に必要な強度を低くでき、その分だけ撹拌翼の軽量化を図ることが可能となる。従って、軸を回転させるために要するトルクを一層小さくできる。
上記の構成では、撹拌翼が、軸を基準として対称に構成されていることが好ましい。
このようにすれば、撹拌スターラーの重心を軸上に位置させることができる。これにより、回転中の軸に偏心が生じる等の不具合が発生し、撹拌翼と撹拌槽の内周壁とが衝突してしまうような虞を的確に排除することが可能となる。
また、上記の各撹拌スターラーを用いてガラス板を製造するガラス板の製造方法によれば、液晶ディスプレイ基板等に使用することが可能な高品質なガラス板を容易に得ることができる。
本発明によれば、流入口の流路断面の中央付近を通過して撹拌槽に流入する溶融ガラスの撹拌性能を向上させることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る撹拌スターラーが組み込まれたガラス板の製造装置の概略を示す図である。 ガラス板の製造装置における撹拌槽を示す縦断側面図である。 本発明の第一実施形態に係る撹拌スターラーを示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る撹拌スターラーを示す斜視図である。 比較例に係る撹拌スターラーを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る撹拌スターラー及びガラス板の製造方法について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、本来的に上方から下方に向かって溶融ガラスが流れる撹拌槽で使用される撹拌スターラーを例示して説明する。そして、以下の実施形態では、軸の一端側が上側に相当し、他端側が下側に相当する。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る撹拌スターラーは、ガラス板の製造装置に組み込まれている。はじめに、ガラス板の製造装置、及び、当該製造装置を用いたガラス板の製造方法の概略について説明する。
図1に示すように、ガラス板の製造装置1は、上流端に配置された溶融窯2、及び、その下流側に連なった清澄室3から、下流端に配置された成形装置4に溶融ガラスを供給する供給経路5を備えている。
供給経路5は、清澄室3から流出した溶融ガラスを撹拌する撹拌槽6と、その下流側に連なって主として溶融ガラスの粘度の調整を行うポット7とを備え、更にポット7の下流側には、小径管8、及び、成形装置4と連結された大径管9を備えている。清澄室3と撹拌槽6、及び、撹拌槽6とポット7は、それぞれ溶融ガラスを流通させる流通管10、及び、流通管11により接続されている。なお、本実施形態では単一の撹拌槽6が配置されているが、複数の撹拌槽6が配置される場合もある。
成形装置4は、溶融ガラスからガラス板(ガラスリボン)を連続的に成形する装置であり、例えば、オーバーフローダウンドロー法を実行する成形装置、スロットダウンドロー法を実行する成形装置等である。なかでも表面性状がよく、無研磨でガラスを使用可能なオーバーフローダウンドロー法を実行する成形装置であることが好ましい。なお、成形装置4は、ガラス板以外のガラス製品を成形する装置であってもよく、一例として、ダンナー法により溶融ガラスからガラス管、或いは、ガラス棒を連続的に成形する装置であってもよい。この場合には、ガラス板の製造装置1において、ポット7よりも下流側の構成が図1に示した構成と相違することになるが、この場合の構成は既に公知となっているので説明は省略する。
上記の製造装置1を用いてガラス板を製造するに際しては、最初にガラス原料を溶融窯2に投入して溶融ガラスとする。次いで溶融ガラスを清澄室3で清澄し、続いて撹拌槽6内で後述の撹拌スターラー12により溶融ガラスを撹拌する。その後、溶融ガラスをポット7、小径管8、大径管9を通じて成形装置4に供給し、溶融ガラスからガラス板を連続的に成形する。このようにしてガラス板を製造する。
次に、供給経路5に備わった撹拌槽6、及び、撹拌槽6内の溶融ガラスを撹拌するための撹拌スターラー12の詳細について説明する。
図2に示すように、撹拌槽6は、円筒中心線が上下方向に延びた円筒状に形成されると共に、その内周壁6aの表面は、白金又は白金合金で構成されている。この撹拌槽6内に撹拌スターラー12が配置されている。撹拌槽6の上部には、同図に白抜き矢印で示すように、溶融ガラスを撹拌槽6内に流入させる流入口6bが形成されている。一方、撹拌槽6の下部には、同図に白抜き矢印で示すように、撹拌スターラー12で撹拌された溶融ガラスを撹拌槽6外に流出させる流出口6cが形成されている。なお、流入口6bおよび流出口6cの流路断面は任意の形状であってよいが、本実施形態では円形である。
図2及び図3に示すように、第一実施形態に係る撹拌スターラー12は、軸13と、軸長方向(上下方向)に沿って軸13に取り付けられた複数の撹拌翼14とを備える。軸13及び各撹拌翼14の表面は、白金又は白金合金で構成されている。この撹拌スターラー12は、軸13の回転に伴って複数の撹拌翼14を軸13周りで旋回させて撹拌槽6内の溶融ガラスを撹拌する構成となっている。なお、本実施形態では、軸13に対して四つの撹拌翼14が取り付けられているが、撹拌翼14の数は適宜増減させてよい。
軸13は、上下方向に延びた丸棒として形成されると共に、その上端部が図示省略の駆動源(例えば、モーター)と接続されている。この駆動源の稼働に伴って、軸13が図2及び図3に矢印Rで示す方向に回転する。なお、軸13の下端部は、上端部とは異なり自由端となっている。
複数の撹拌翼14は、軸長方向に沿って等間隔で取り付けられている。これら複数の撹拌翼14は、連結されずに相互に独立している。また、複数の撹拌翼14の各々は、軸13を基準として対称に構成されている。これにより、撹拌スターラー12の重心が軸13上に位置している。なお、撹拌槽6の内周壁6aと各撹拌翼14との間には、隙間が形成される。
各撹拌翼14は、軸13の軸径方向に沿って延びると共に相対的に軸13の上側に配置された上側フレーム14aと、軸径方向に沿って延びると共に相対的に軸13の下側に配置された下側フレーム14bと、両フレーム14a,14bを連結する第一連結部14cおよび第二連結部14dと、当該撹拌翼14を貫通する貫通開口部14eとを有する。両フレーム14a,14b、及び、両連結部14c,14dは、その長手方向に直交する断面の形状が円形に形成されている。なお、これらの部材14a~14dの断面の形状は円形に限定されるものではなく、楕円形や矩形、多角形等であってもよい。また、これらの部材14a~14dの相互間で断面の形状が異なっていてもよい。
上側フレーム14aおよび下側フレーム14bのそれぞれは、軸13を間に挟んで一方側と他方側との各々に一本ずつが配置されている。さらに、両フレーム14a,14bは、その長手方向に沿った長さが同一となっている。各撹拌翼14において、軸13の回転時に、上側フレーム14aは、下側フレーム14bに対して軸13周りでの位相がθ1だけ遅れるように配置されている。ここで、θ1の値は、10°~50°、特に22.5°超~37.5°未満の範囲内とすることが好ましく、本実施形態では30°である。
また、軸13の回転時に、軸長方向(上下方向)で隣接する二つの撹拌翼14の関係は下記の通りとなっている。相対的に軸13の上側に取り付けられた上側撹拌翼141(ここでは、一番上に取り付けられた撹拌翼14を例に挙げる)における上側フレーム14aは、相対的に軸13の下側に取り付けられた下側撹拌翼142(ここでは、上から二番目に取り付けられた撹拌翼14を例に挙げる)における上側フレーム14aに対して軸13周りでの位相がθ2だけ遅れるように配置されている。ここで、θ2の値は、10°~50°、特に22.5°超~37.5°未満の範囲内とされ、本実施形態では30°である。さらに、上側撹拌翼141における下側フレーム14bと、下側撹拌翼142における上側フレーム14aとは平行に延びている。
第一連結部14cは、上側フレーム14aと下側フレーム14bとの先端部(軸13から最も離反した部位)同士を連結している。一方、第二連結部14dは、軸13と第一連結部14cとの相互間で上側フレーム14aと下側フレーム14bとを連結している。この第二連結部14dは、軸13寄りに配置されてもよいし、第一連結部14c寄りに配置されてもよい。なお、両連結部14c,14dは、上記の上側フレーム14aと下側フレーム14bとの位相(θ1)の関係から、その長手方向が水平面に対して傾斜した方向となっている。ここで、両連結部14c,14dは、どちらか一方のみを設けてもよい。
貫通開口部14eは、撹拌翼14の旋回方向に沿って撹拌翼14を貫通している。本実施形態において、貫通開口部14eは、第二連結部14dを間に挟んで軸13側と第一連結部14c側とにそれぞれ形成されている。軸13側の貫通開口部14eは、軸13、上側フレーム14a、下側フレーム14b、及び、第二連結部14dにより囲われることで形成される。一方、第一連結部14c側の貫通開口部14eは、第一連結部14c、上側フレーム14a、下側フレーム14b、及び、第二連結部14dにより囲われることで形成される。ここで、貫通開口部14eの形状は、本実施形態の形状に限られるものではなく、任意の形状としてよい。
上記の位相(θ1,θ2)の関係、及び、両連結部14c,14dに起因して溶融ガラスに作用する抵抗により、複数の撹拌翼14が軸13周りを旋回するのに伴い、各撹拌翼14の近傍で下方から上方に向かう溶融ガラスの上昇流れ(本来的な流れとは反対向きの流れ)が形成される。或いは、各撹拌翼14の近傍で溶融ガラスが滞留する。また、溶融ガラスが貫通開口部14eを通過することで、溶融ガラスにせん断力が作用する。
次に、上記の第一実施形態に係る撹拌スターラー12による主たる作用・効果について説明する。
この撹拌スターラー12によれば、上述のとおり、複数の撹拌翼14が軸13周りを旋回するのに伴い、各撹拌翼14の近傍で下方から上方に向かう溶融ガラスの上昇流れが形成される。或いは、各撹拌翼14の近傍で溶融ガラスが滞留する。また、貫通開口部14eの通過に伴って溶融ガラスにせん断力が作用する。これにより、流入口6bの流路断面の中央付近(図2に示す位置IIの付近)を通過して撹拌槽6に流入する溶融ガラスの撹拌性能を向上させることが可能となる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態に係る撹拌スターラー12について、図4を参照しながら説明する。なお、第二実施形態の説明において、上記の第一実施形態で既に説明済みの要素と実質的に同一の要素については、図4に同一の符号を付すことで重複する説明を省略し、第一実施形態との相違点についてのみ説明する。
図4に示すように、第二実施形態に係る撹拌スターラー12が、第一実施形態と相違している点は、第二連結部14dが取り除かれている点である。これにより、第一実施形態との比較において、撹拌翼14の一つあたりにおける貫通開口部14eの面積が大きくなると共に、第二連結部14dが取り除かれた分だけ、撹拌翼14が軽量化されている。この第二実施形態に係る撹拌スターラー12によっても、第一実施形態と同一の主たる作用・効果を得ることが可能である。
ここで、本発明に係る撹拌スターラーは、上記の実施形態で説明した構成に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態に係る撹拌スターラー12は、上方から下方に向かって溶融ガラスが流れる撹拌槽6で使用される形態となっている。しかしながら、下方から上方に向かって溶融ガラスが流れる撹拌槽6での使用にも適用が可能である。この場合、例えば、上記の実施形態に係る撹拌スターラー12の回転方向(図2~図4に示すR方向)を逆向きにすればよい。
また、上記の実施形態に係る撹拌スターラー12では、各撹拌翼14において、軸13間に挟んで一方側と他方側との各々に一本ずつ上側フレーム14aおよび下側フレーム14bが配置されている。しかしながら、この限りではなく、一方側のみに上側フレーム14aおよび下側フレーム14bが配置されてもよい。これに対し、各撹拌翼14が上側フレーム14aおよび下側フレーム14bをそれぞれ三本以上有してもよい。この場合には、上側フレーム14aおよび下側フレーム14bが軸13周りで均等に配置されることが好ましい。例えば、各撹拌翼14が三本ずつ上側フレーム14aおよび下側フレーム14bを有する場合には、軸13周りで120°おきに上側フレーム14aおよび下側フレーム14bが配置されることが好ましい。
本発明による効果を検証するため、実施例としての上記の第一実施形態に係る撹拌スターラー12と、比較例としての図5に示す撹拌スターラー12とを用いて、共通の模擬実験の下で溶融ガラスを想定した粘性流体の撹拌を行い、実施例と比較例との間で撹拌性能を比較した。なお、模擬実験における各数値は、実規模の撹拌装置を用いた場合に換算した数値で表記する。
以下、実施例と比較例とで共通の模擬実験を説明する。図2に示した撹拌槽6を第一撹拌槽として、第一撹拌槽で撹拌した粘性流体を当該槽から流出させた後、第一撹拌槽と同一の構成を有する第二撹拌槽に流入させ、第二撹拌槽でも粘性流体の撹拌を行った。このようにして第一撹拌槽と第二撹拌槽との双方で粘性流体の撹拌を行った。粘性流体の粘度は溶融ガラスの100Pa・s相当とし、撹拌槽への流入量(質量流量)は1000kg/hrとした。
粘性流体が撹拌されたか否かは、下記のようにして判定した。すなわち、第一撹拌槽の流入口6bにおいて、図2に示す位置I(流路断面の頂部)、位置II(流路断面の中央部)、位置III(流路断面の底部)の各々から有色液体を流入させ、第二撹拌槽の流出口6cに到達する前に有色液体が消色するか否かを確認する。有色液体が消色した場合は粘性流体を撹拌できたものとみなし、消色しなかった場合は撹拌できなかったものとみなした。そして、撹拌スターラー12に備わった軸13の回転数について、5rpm以下の回転数で消色させることが可能な場合を「○」と判定し、5rpmを超え10rpm以下の回転数で消色させることが可能な場合を「△」と判定し、10rpmを超える回転数で消色させることが可能な場合を「×」と判定した。この判定を位置I~IIIの各々について行った。第一撹拌槽と第二撹拌槽との間で撹拌スターラー12の軸13は同一の回転数で回転させた。
実施例と比較例との間で異なる条件は、撹拌スターラー12の構成のみである。ここで、図5を参照しながら比較例に係る撹拌スターラー12について説明する。なお、比較例の説明において、実施例(第一実施形態)で既に説明済みの要素と実質的に同一の要素については、図5に同一の符号を付すことで重複する説明を省略し、実施例との相違点についてのみ説明する。
図5に示すように、比較例に係る撹拌スターラー12が、実施例(第一実施形態)と相違している点は、各撹拌翼14において、軸13の回転時に、上側フレーム14aと下側フレーム14bとの間に軸13周りでの位相差がない点である。一方、軸13の回転時に、軸13の上側に取り付けられた撹拌翼14ほど、下側に取り付けられた撹拌翼14に対して、軸13周りでの位相が遅れるように配置されている。詳述すると、軸長方向で隣接する二つの撹拌翼14の間で、相対的に上側の撹拌翼14は、相対的に下側の撹拌翼14に対して、軸13周りでの位相がθ(ここでは、45°)だけ遅れるようになっている。
検証の結果、実施例においては、位置Iが「○」、位置IIが「○」、位置IIIが「△」であった。一方、比較例においては、位置Iが「○」、位置IIが「△」、位置IIIが「○」であった。この検証の結果から、実施例においては、位置II(流入口6bの流路断面の中央部)を通過して撹拌槽6に流入する粘性流体の撹拌性能が良好であることが分かる。
本発明の実施例として、上記の第一実施形態に係る撹拌スターラー12を用いて、上記のθ2の値を22.5°、30°、37.5°、45°、60°、90°、120°と変更しつつ、共通の模擬実験の下で粘性流体の撹拌を行い、θ2の値の違いによる撹拌性能の良否を比較した。
以下に模擬実験を説明する。上記の実施例1とは異なり、図2に示す撹拌槽6単体のみで粘性流体の撹拌を行った。粘性流体としては、上記の実施例1と同一の粘性流体を使用し、その流入量も実施例1と同一とした。また、撹拌翼14と撹拌槽6の内周壁6aとの隙間についても、実施例1と同一の幅とした。
粘性流体が撹拌されたか否かは、下記のようにして判定した。すなわち、撹拌槽6の流入口6bにおいて、図2に示す位置IIから有色液体(実施例1と同一のもの)を流入させ、流出口6cに到達する前に有色液体の色が消色するか否かを確認する。色が消色した場合は粘性流体を撹拌できたものとみなし、消色しなかった場合は撹拌できなかったものとみなした。そして、撹拌スターラー12に備わった軸13の回転数について、20rpm以下の回転数で色を消色させることが可能な場合を「○」と判定し、20rpmを超え30rpm以下の回転数で消色させることが可能な場合を「△」と判定し、30rpmを超える回転数で消色させることが可能な場合を「×」と判定した。
検証の結果、θ2の値が30°では「○」であった。一方、θ2の値が30°以外では「△」であった。この検証の結果から、θ2の値は30°前後とすることが好ましいことが分かる。
6 撹拌槽
12 撹拌スターラー
13 軸
14 撹拌翼
141 上側撹拌翼
142 下側撹拌翼
14a 上側フレーム
14b 下側フレーム
14c 第一連結部
14d 第二連結部
14e 貫通開口部
θ1 位相差
θ2 位相差

Claims (6)

  1. 軸と、軸長方向に沿って前記軸に取り付けられた複数の撹拌翼とを備え、
    前記軸の回転に伴って前記複数の撹拌翼を前記軸周りで旋回させて撹拌槽内の溶融ガラスを撹拌するための撹拌スターラーであって、
    前記撹拌翼が、翼を貫通する貫通開口部と、軸径方向に沿って延びると共に相対的に前記軸の一端側に配置された一端側フレームと、軸径方向に沿って延びると共に相対的に前記軸の他端側に配置された他端側フレームと、両フレームの先端部同士を連結する第一連結部と、前記両フレームを前記軸と前記第一連結部との相互間で連結する第二連結部と、を有し、
    前記軸の回転時に、前記一端側フレームが、前記他端側フレームに対して前記軸周りでの位相が22.5°超~37.5°未満の範囲内で遅れるように配置され、
    前記軸の回転時に、軸長方向で隣接する二つの前記撹拌翼のうち、相対的に前記軸の一端側に取り付けられた一端側撹拌翼における前記一端側フレームが、相対的に前記軸の他端側に取り付けられた他端側撹拌翼における前記一端側フレームに対して前記軸周りでの位相が22.5°超~37.5°未満の範囲内で遅れるように配置されていることを特徴とする撹拌スターラー。
  2. 前記一端側撹拌翼における前記他端側フレームと、前記他端側撹拌翼における前記一端側フレームとが平行に延びていることを特徴とする請求項1に記載の撹拌スターラー。
  3. 前記複数の撹拌翼が、連結されずに相互に独立していることを特徴とする請求項1又は2に記載の撹拌スターラー。
  4. 前記貫通開口部が、前記撹拌翼の旋回方向に沿って翼を貫通していることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の撹拌スターラー。
  5. 前記撹拌翼が、前記軸を基準として対称に構成されていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の撹拌スターラー。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の撹拌スターラーを用いてガラス板を製造することを特徴とするガラス板の製造方法。
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