JP5062186B2 - 撹拌装置及び撹拌方法 - Google Patents

撹拌装置及び撹拌方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5062186B2
JP5062186B2 JP2009007498A JP2009007498A JP5062186B2 JP 5062186 B2 JP5062186 B2 JP 5062186B2 JP 2009007498 A JP2009007498 A JP 2009007498A JP 2009007498 A JP2009007498 A JP 2009007498A JP 5062186 B2 JP5062186 B2 JP 5062186B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stirring
blade
stirring blade
tank
flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009007498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010162488A (ja
Inventor
晴久 半田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp filed Critical DIC Corp
Priority to JP2009007498A priority Critical patent/JP5062186B2/ja
Priority to US12/735,280 priority patent/US8485716B2/en
Priority to PCT/JP2009/068452 priority patent/WO2010082391A1/ja
Priority to IN2118KON2010 priority patent/IN2010KN02118A/en
Publication of JP2010162488A publication Critical patent/JP2010162488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5062186B2 publication Critical patent/JP5062186B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、混合、溶解、晶析、反応、蒸留、脱泡、脱溶剤、乳化、粒子化等を目的とした撹拌処理用の撹拌装置に関する。
従来、撹拌装置の撹拌翼としては例えば、低〜中粘度の流体を処理する目的では、タービン翼やパドル翼、プロペラ翼等の小型翼を多段で使用する例が多く、中〜高粘度の流体を処理する目的では、アンカー翼や螺旋状リボン翼等が用いられることが多かった。しかし、小型翼では、撹拌槽内に流れの境界線と呼ばれるものが発生しやすく、槽内全域に亘る上下循環流ができにくいばかりか、高粘度の流体を処理する際に混合不良を発生させやすいことが知られていた。また、アンカー翼やリボン翼では逆に、低粘度の流体を処理する際に、共回りによる混合不良を発生させることが知られていた。したがって例えば、撹拌槽内で処理物の粘度が大きく変化するような化学反応を行う場合には、上記撹拌翼のいずれを用いても、反応過程において混合不良・反応不良を起こすリスクが発生していた。
これに対し、図17から図19に示すように、撹拌軸13の回転方向に対して上向き角度に傾斜させて設けた上部翼14と垂直方向に(軸方向に沿って)設けた下部翼15とを備える撹拌装置11が提供されている(特許文献1参照)。
この撹拌装置の上部翼は、四半楕円形状に形成された第1の上部撹拌翼16と第2の上部撹拌翼16’とを、平行かつ第1の上部撹拌翼16下部と第2の上部撹拌翼16’上部とが重なるように配置して半楕円形の傾斜段差翼14を構成し、かかる半楕円形の傾斜段差翼(第1の上部撹拌翼16及び第2の上部撹拌翼16’)14を撹拌軸13の回転方向に対して上向きに傾斜させ、かつ両側から挟むように固定することで構成されている。
一方、下部翼15は、外周端が槽壁近傍まで延設された平板状で、その先端部(外周端部)が撹拌軸13の回転方向に対して後退側(撹拌軸の回転方向と反対側)に屈曲している。
このような構成の撹拌翼では、撹拌軸13が回転することによって、該撹拌軸13上に設けた傾斜段差翼14も共に回転する。その際、傾斜段差翼14の上部付近(液面付近)に位置する槽内上部の流体が傾斜段差翼14に沿って下方(底方向)に移動させられることにより、槽内上部の液が槽内下部(下部翼15側)へ移動され、移動された液が下部翼15により槽の径方向に吐出され、槽壁に衝突することで上昇して槽内で上下循環流動を形成し、高粘度から低粘度までの広い粘度域の流体(液)において、上下方向での撹拌混合が行われる。
また、図20から図22に示すように、撹拌軸23に配設される上部翼24と該上部翼の下端近傍から槽底面近傍まで垂下し、かつ撹拌軸から径方向に延設される平板状の下部撹拌翼25とを備える撹拌装置であって、前記上部翼24は、複数の上部撹拌翼が前記撹拌軸23の周方向に沿って所定間隔に、かつ前記撹拌軸の回転方向に対して所定の上向き角度で傾斜して設けられることで構成される一組の上部撹拌翼26を複数段備え、前記各段の対応する上部撹拌翼26は、上段の上部撹拌翼と下段の上部撹拌翼とが、軸長方向において、前記上段の上部撹拌翼の下辺側から前記下段の上部撹拌翼の下辺側が見えるように重なる位置にそれぞれ配設されると共に、最上段の上部撹拌翼の上辺から最下段の上部撹拌翼の下辺までの、撹拌軸を中心とする回転方向に対する角度が180°より小さくなるように配設されることを特徴とする撹拌装置21が提供されている(特許文献2参照)。
このような構成の撹拌翼では、前記撹拌軸23を回転させると、前記上部翼24によって槽上部の液が前記下部翼25側(槽下部)へ移動される。その際に必要な前記撹拌軸23の回転角度は、180°より小さい角度で良いことになる。すなわち、小さい回転角で槽上部の流体(液)を下部(底部)にまで一気に到達させることができる。
特開平09−75699号公報 特開2007−90265公報
ところで、近年、化学工業製品に対する水性化や無溶剤化、低VOC化などへの要求が高まっており、製造過程における中間体や製品の高粘度化が進んでいる。これに加え、高機能化や複合化への要求も高まってきていることから、高粘度流体への粉体、固形分の分散混合、粘度の大きく異なる流体同士の撹拌混合や、撹拌槽内での液面変動および、高液深撹拌に柔軟に対応できる撹拌装置が求められている。
しかし、前記傾斜段差翼14を備えた従来の撹拌装置11では、液体同士の均一混合には有効であったが、前記傾斜段差翼14の翼面積が大きいため、粉体等を液中に分散混合させる際に、傾斜段差翼14上面に粉体等が付着し、混合が進まなくなるといった問題を有していた。粉体以外にも、撹拌槽内から被撹拌物(製品・中間体)を抜き出す際に、翼への付着分が多くなり、歩留まりが低下する、洗浄性が悪いといった問題があった。また、翼面積が大きいことは、高粘度流体を撹拌する際の所要動力の増大を招き、撹拌動力(電動機)にかける初期投資や運転コストの増大につながっていた。上部翼が半楕円形状の傾斜段差翼14であるため、撹拌槽の内部を上から覗き込んだとき、槽底面、特に底排弁付近の状態を確認することが困難であり、内容物の排出確認や、メンテナンス面にも問題があった。さらに、傾斜段差翼14の第1の上部撹拌翼16下部と第2の上部撹拌翼16’上部との重なり部分において、発生する吐出流(撹拌軸から撹拌槽壁面方向に向かってほぼ水平方向に吐出する流れ)が強いため、撹拌槽全域に亘る上下方向の循環流が分断されることがあり、均一混合に至るまでの時間を長時間化させる、液面位置によっては混合効率が大幅に低下するといった問題も有していた。
また、最上段の上部撹拌翼の上辺から最下段の上部撹拌翼の下辺までの、撹拌軸を中心とする回転方向に対する角度が180°より小さくなるように配設されることを特徴とする従来の撹拌装置21においても、従来の撹拌装置11と同様に、上部翼の翼面積が大きいことに起因する粉体付着、所要動力の増大、メンテナンス性の悪化など、複数の問題を有していた。また、従来の撹拌装置21では、図22に示すように上部撹拌翼26、26’、26’’が平面図上で密集した形に配置されているため、撹拌翼を回転させたときに上部翼付近にあった流体が、翼の動きと共に固体的な運動をしてしまう問題があった。特に、高粘度流体に低粘度流体を分散・混合させる場合などでその傾向は顕著であり、上記撹拌装置21では、高機能製品や複合化製品の作り込みという要求に対し、十分に応えることができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、低粘度から高粘度までの広い粘度域の流体を、槽内の全域に亘って速やかに、かつ均一に撹拌混合することができ、さらに、粉体等の翼への付着による混合不良を低減させ、高粘度流体の撹拌時においても所要動力の増大を抑え、撹拌槽内での流体の粘度変化や液面位置の変動、異粘性流体の混合、高液深撹拌などに柔軟に対応できる撹拌装置及び撹拌方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る撹拌装置は、撹拌槽と、撹拌軸と、該撹拌軸に固定された上部翼と下部翼とを備えた撹拌装置において、前記上部翼は、複数段に配置された上部撹拌翼で構成され、前記各上部撹拌翼は、平面視したときに、上部撹拌翼の翼両端部と撹拌軸中心点を結ぶ直線で囲まれた領域内であって回転方向前方側及び回転方向後方側に切り欠き部を有し、かつ、回転方向に対して上向き角度で傾斜して設けられ、かつ、上段に位置する上部撹拌翼が下段に隣接する上部撹拌翼とオーバーラップ部分を有するように回転方向に対し先行して配置され、かつ、側面視したときに、上段に位置する上部撹拌翼の下端を含む水平断面が、その下段に隣接する上部撹拌翼の上端を含む水平断面よりも下側に位置するように配置され、前記上部撹拌翼のうち最下段の上部撹拌翼は、前記下部翼と上下に隣接するように配置され、かつ、平面視したときに、最下段の上部撹拌翼の下方端部と前記撹拌軸中心点とを結ぶ平面図上の直線が、前記下部翼の翼径方向の中心線と所定の角度を持つように配置され、かつ、側面視したときに、最下段の上部撹拌翼下方端部を含む水平断面が、前記下部翼の上方端部を含む水平断面よりも下側に位置するように配置され、前記下部翼下方端部は、撹拌槽内底面に近接するように配置されている。
本発明に係る撹拌装置は、撹拌翼の回転により発生する渦流と、該渦流とは逆方向に回転する小渦流を複数発生させ、かつ、従来の撹拌装置には見られない形状の撹拌槽全域に亘る上下循環流を形成し、それらの相乗効果により、低粘度から高粘度までの幅広い粘度域の流体や、粘度の大きく異なる複数の流体を、速やかにかつ効率よく(低消費動力で)均一に混合することができ、加えて、粉体等の付着による混合不良のリスクを回避し、被撹拌物の翼への付着を低減させることにより歩留まりや洗浄性、メンテナンス性を改善させることができるようになる。
本実施形態に係る撹拌装置の正面図である。 同実施形態に係る撹拌装置の側面図である。 同実施形態に係る撹拌装置の平面図である。 同実施形態に係る上部撹拌翼の基本構造平面概念図である。 その他の実施形態に係る上部撹拌翼平面概念図である。 その他の実施形態に係る上部撹拌翼平面概念図である。 その他の実施形態に係る上部撹拌翼平面概念図である。 その他の実施形態に係る上部撹拌翼平面概念図である。 その他の実施形態に係る上部撹拌翼平面概念図である。 その他の実施形態に係る上部撹拌翼平面概念図である。 本実施形態に係る撹拌装置において、上下に隣接する上部撹拌翼間の位相差角度を説明するための平面概念図である。 本実施形態に係る撹拌装置における上部撹拌翼の、撹拌軸の回転方向に対する上向き角度を説明するための上部撹拌翼の側面図である。 本実施形態に係る撹拌装置における最下段の上部撹拌翼下端部と、下部翼上辺部との水平方向の間隔、位相差角度を説明するための平面図である。 本実施形態に係る撹拌装置の、上部翼の作用により発生する小渦流を説明するための斜視概念図である。 本実施形態に係る撹拌装置において、上部撹拌翼周辺の回り込み流れと、回り込み流れの速度差により発生する小渦流を説明するための平面概念図である。 本実施形態に係る撹拌装置における、下部翼上辺部付近に大きな湾曲流れを持つ上下循環流を説明するための正面概念図である。 従来の上部翼と下部翼とを備える撹拌装置の正面図である。 従来の上部翼と下部翼とを備える撹拌装置の側面図である。 従来の上部翼と下部翼とを備える撹拌装置の平面図である。 従来の上部翼と下部翼とを備える撹拌装置の正面図である。 従来の上部翼と下部翼とを備える撹拌装置の側面図である。 従来の上部翼と下部翼とを備える撹拌装置の平面図である。
本発明に係る撹拌装置は、撹拌槽と、撹拌軸と、該撹拌軸に固定された上部翼と下部翼とを備えた撹拌装置において、前記上部翼は、複数段に配置された上部撹拌翼で構成され、前記各上部撹拌翼は、平面視したときに、上部撹拌翼の翼両端部と撹拌軸中心点を結ぶ直線で囲まれた領域内であって回転方向前方側及び回転方向後方側に切り欠き部を有し、かつ、回転方向に対して上向き角度で傾斜して設けられ、かつ、上段に位置する上部撹拌翼が下段に隣接する上部撹拌翼とオーバーラップ部分を有するように回転方向に対し先行して配置され、かつ、側面視したときに、上段に位置する上部撹拌翼の下端を含む水平断面が、その下段に隣接する上部撹拌翼の上端を含む水平断面よりも下側に位置するように配置され、前記上部撹拌翼のうち最下段の上部撹拌翼は、前記下部翼と上下に隣接するように配置され、かつ、平面視したときに、最下段の上部撹拌翼の下方端部と前記撹拌軸中心点とを結ぶ平面図上の直線が、前記下部翼の翼径方向の中心線と所定の角度を持つように配置され、かつ、側面視したときに、最下段の上部撹拌翼下方端部を含む水平断面が、前記下部翼の上方端部を含む水平断面よりも下側に位置するように配置され、前記下部翼下方端部は、撹拌槽内底面に近接するように配置された形状とする。
上記構成とすることで、前記撹拌軸を回転させると、前記上部撹拌翼に設けた切り欠き部により、撹拌翼の回転方向とは逆方向に回転する小さな渦流(下降流)が、翼の回転方向に対し上部撹拌翼の後方に形成され、この小渦流が、撹拌翼が回転することにより形成される撹拌軸を中心に持つ翼の回転と同方向の大きな渦流(下降流)に乗り、自転しながら公転するような流れを形成する。
前記小渦流は、前記上部撹拌翼を撹拌槽内の上下方向に複数段配置した場合には、その各段の撹拌翼においてそれぞれ発生することになる。
前記小渦流は前記大渦流と異なり鉛直方向を向いておらず、小渦流の先端(下端)は、翼の回転に対し若干の遅れを持つ、すなわち、翼の回転方向に対しやや後方に傾斜した形状となっている。このため、上部撹拌翼を撹拌槽内に多段配置する場合には、上下に隣接する上段の上部撹拌翼を、その下側に隣接する上部撹拌翼よりも、翼の回転方向に対し前方に、所定の位相差角を持たせて配置し、かつ、上段に位置する上部撹拌翼の下端を含む水平断面が、その下側に隣接する上部撹拌翼の上端を含む水平断面よりも下側に位置するように配置することで、前記小渦流が上下方向に連結する形となる。これにより、撹拌槽の上部液面付近から、前記下部翼近傍に至る強力な下降流が形成されることになる。
この下降流は、上部翼から下部翼に受け渡されることになるがその際、下部翼上辺部と最下段の上部撹拌翼下端部とが、水平方向に十分な間隔を有するように配置されているため、下部翼上端部と最下段上部撹拌翼の下端部とにより形成される空間部分で一旦水平方向に引き伸ばされ、その後、下部翼に巻き付くように槽底面近傍まで引き込まれ、混合が促進されるとともに吐出流へと変換される。
下部翼が発生させる吐出流は、槽壁面に衝突することで上昇流に変換され、その後は前記上部翼の発生する吐出流に分断されることなく、撹拌槽上部液面近傍まで到達すると、液面付近で撹拌軸に向かう流れに変換され、最上段に位置する前記上部撹拌翼の作用により下降流へと変換される。
このように、上部翼により、自転しながら公転する小渦流に起因する強力な下降流を形成し、これを最下段の上部撹拌翼下端部と下部翼上端部とでつくる空間部にて、局所的に水平方向に湾曲させ、かつ強力で連続した上下循環流と成さしめることで、従来技術にない効率の良い撹拌混合が可能となる。
また、前記上部撹拌翼は、の平面図上における撹拌軸中心点を原点gとし、翼の中心線(対称構造の翼であれば対称軸を、非対称なものは設計上中心線として定めた線)をx軸としたx−y座標を仮定し、前記上部撹拌翼平面図上の外周部iを円弧(翼スパン円弧)と考え、翼外周i上の上端部f点および下端部f'点と原点gとがなす角をθとした場合、30°≦θ≦150°であることが好ましく、60°≦θ≦120°であることがより好ましい。
上記構成とすることで、上部撹拌翼が作用する領域を、水平方向にも鉛直方向にも幅広く確保することができるようになり、強力な下降流を発生させられるようになる。
また、前記上部撹拌翼は、平面図上の翼外周iと角θとで規定される扇形の面積jに対する切り欠き部(または開口部)の総面積kの割合hが、0.08≦h≦0.5であることが好ましく、0.1≦h≦0.3であることがより好ましい。
さらに、前記上部撹拌翼は、平面図のx−y座標上で、切り欠き部上(下)端部b(b')とy軸との平行距離s(s')が、撹拌槽内径Dに対しs(s')≧0.1Dとなり、かつ、y軸と平行な外周iとの接線と、切り欠き部上の上(下)端部b(b')との距離a(a')が、撹拌槽内径Dに対しa(a')≧0.05Dであることが好ましい。
上記構成とすることで、前記撹拌軸の周辺に適度な空間が形成されるため、下降流の流路が翼自身に遮られる割合が少なくなり、上部翼の作用により発生した下降流が効率よく下部翼に向かい流動できるようになる。また、撹拌軸から離れた部位に上部翼の有効面を多く配置することで、強力な下降流(撹拌翼の回転方向と同方向の渦流)を発生させ、かつ、撹拌翼の回転方向とは逆方向に回転する小渦流(下降流)を発生させることができるようになる。撹拌軸の周辺に適度な空間を形成することで、前記上部翼が発生させる吐出流は相対的に弱くなり、上下循環流を分断するような流れを発生しなくなる。さらに、上部翼自身の面積が小さくなることから、粉体等を液中に混合する際に、翼上面に粉体等が付着し混合が進まなくなるといったリスクを低減できるようになる。また、翼への被撹拌物の付着が少なくなることから歩留まりや洗浄性が改善され、かつ、槽上部から槽底部の様子を確認しやすくなり、メンテナンス性が向上する、撹拌所要動力を低く抑えられるなどの効果が得られることになる。
また、前記上部翼は、互いに上下に隣接する上部撹拌翼のうち、下段に位置する上部撹拌翼平面図上のx軸と、上段に隣接する上部撹拌翼平面図上のx軸との位相差角ψが、下段上部撹拌翼x軸から隣接する上段上部撹拌翼x軸に対し、撹拌軸の回転方向に10°≦ψ≦50°であることが好ましく、15°≦ψ≦45°であることがより好ましい。
上記構成とすることで、上部撹拌翼の作用による発生する撹拌翼の回転方向とは逆方向に回転する前記小渦流(下降流)を、上部撹拌翼を上下多段配置した際に、最上段の上部撹拌翼から最下段の上部撹拌翼まで連続化させられるようになる。
また、前記上部撹拌翼の撹拌軸回転方向に対する所定の上向き角度ξは、30°≦ξ≦60°(より好ましくは35.56°≦ξ≦54.44°)であることが好ましい。
上記構成とすることで、上部撹拌翼の作用により効率よく前記小渦流(下降流)を発生させられるようになる。
また、前記上部翼は、互いに上下に隣接する上部撹拌翼間において、上段に位置する上部撹拌翼下端f'を含む水平断面Phbが、下段に隣接する上部撹拌翼の上端fを含む水平断面Phtよりも下側に位置し、このPhb−Pht面間距離Ohhが、撹拌槽内径に対し、0.005D≦Ohh≦0.3Dであることが好ましく、0.01D≦Ohh≦0.15Dであることがより好ましい。
上記構成とすることで、上段に位置する上部撹拌翼の作用範囲が、その下段に隣接する上部撹拌翼の作用範囲にオーバーラップすることになるため、上段の上部撹拌翼により発生した下降流が途切れることなく、隣接する下段の上部撹拌翼に受け渡されるようになる。これにより、最上段の上部撹拌翼の上端付近(液面付近)から、最下段の上部撹拌翼の下端付近まで、連続した強力な下降流を形成できることになる。
また、前記上部翼の中で最下段に位置する上部撹拌翼下端f'を含む水平断面Phbは、最下段の上部撹拌翼の下側に隣接する前記下部翼の上端を含む水平断面Pbtよりも下側に位置し、このPhb−Pbt面間距離Ohbは、撹拌槽内径Dに対し、0.005D≦Ohb≦0.3Dであることが好ましく、0.01D≦Ohb≦0.15Dであることがより好ましい。
さらに、前記下部翼は、平面図上に、前記撹拌軸の中心点を原点に持ち、撹拌軸から撹拌槽内壁面方向に延びる下部翼の中心線をx軸としたx−y座標を置き、該x−y座標上に、前記下部翼と上下に隣接する前記最下段の上部撹拌翼を配置した際、撹拌軸中心点から、該最下段上部撹拌翼の切り欠き下端部b'に向けて引いた直線qとx軸とのなす角δが、x軸からy軸に向かい翼の回転とは反対方向に60°≦δ≦110°の範囲であることが好ましく、70°≦δ≦100°の範囲になるように配置することがより好ましい。
上記構成とすることで、上部翼により形成された下降流は、最下段の上部撹拌翼から下部翼に受け渡されることになるが、最下段の上部撹拌翼下端部が、下部翼上端部との間に空間を形成することになるため、下降流が下部翼に直接受け渡されるのではなく、上記空間部で一旦水平方向に引き伸ばされるような作用を受け、その後、下部翼に巻き付くような形で受け渡しが行われることになる。これにより、従来の撹拌装置11や21とは異なる形状の、撹拌槽全域に亘る上下循環流が形成され、幅広い粘度領域に亘る高効率撹拌および、異粘性流体に対し効率の良い撹拌混合を行うことができるようになる。
また、前記下部翼は、幅広後退パドル翼であり、下部翼の翼径(翼スパン)dbが撹拌槽内径Dに対し、0.4D≦db≦0.8Dであることが好ましく、前記上部翼の翼径(翼スパン)dhは、撹拌槽内径Dに対し、0.35D≦dh≦0.75Dであることが好ましく、0.4D≦dh≦0.7Dであることがより好ましい。
上記構成とすることで、下部翼、上部翼共に、撹拌槽内で流体に作用する領域を十分確保できるようになり、下部翼であれば槽壁に衝突し上昇流へと変換される強力な吐出流を、上部翼であれば槽上部液面付近から下部翼上端部付近に向かう強力な下降流を形成できるようになる。さらに、上記構成とすることで、撹拌槽壁面から翼外周部までの間に適度な空間を設けることができるため、下部翼により形成された上昇流の流路が十分に確保され、かつ、上部翼により発生する吐出流が下部翼により発生した上昇流を分断するリスクを低減できるようになる。
以下、本発明について、図を参照しながら更に詳細に説明する。図1から図3に示したように、撹拌装置1は、円筒形撹拌槽2の中心部に、撹拌軸3が回転可能に支持されている。撹拌軸3は、下端が槽底付近まで垂下されている。また、上端は、槽頂上部駆動装置(図示せず)にカップリング(図示せず)を介して接続されている。該撹拌軸3には、上部翼4と下部翼5が設けられている。
上部翼4は、一対の上部撹拌翼6,6が、撹拌軸3の中心線に沿って、一定間隔で複数段設けられることで構成されている。本実施形態においては、上段、中段、下段の三段に構成されている。上部翼4は本実施形態のように三段に限定されることなく、一段であっても二段であっても、また三段以上であっても良い。
上部撹拌翼6は、平板状の撹拌翼で、略T字形状に形成されている。図4に示したように、平面図における上部撹拌翼6の外周辺iは、撹拌軸中心点gを中心に持つ円弧となるように形成されている。この上部撹拌翼6,6は、撹拌軸3を両側から挟むように、かつ、撹拌軸3の回転方向(矢印α)に対して所定の上向き角度で傾斜させ、撹拌軸3に固定されている。図では撹拌軸3に、ボスを介する形で撹拌翼が取り付けられているが、ボスを介さず直接、撹拌翼を撹拌軸に設置しても良い。
本実施形態における上部撹拌翼6は平面図上で略T字形状をしているが、これに限定される必要はなく、図5から図10に示したように、外周辺iの上端f、下端f’と撹拌軸中心点gとの間に形成される扇形に対し、撹拌軸3に近い部分に、所定の割合の切り欠き部または開口部を持たせたような形状であればよい。
中段の上部撹拌翼6’は、上下に隣接する上段の上部撹拌翼6よりも、回転方向に対して後退側(矢印αの反対方向)に設けられている。また、下段の上部撹拌翼6’’も同様に、上下に隣接する中段の上部撹拌翼6’よりも、回転方向に対して後退側に設けられている。中段上部撹拌翼6’,6’、下段上部撹拌翼6’’,6’’も、上段上部撹拌翼6,6と同様に、撹拌軸3を両側から挟むように、かつ、撹拌軸3の回転方向に対して所定の上向き角度で傾斜させ、撹拌軸3に固定されている。
図1から図3に示した本実施形態における上部撹拌翼6,6’,6’’の、平面図上の撹拌軸中心点から外周辺iまでの距離は、下段よりも中段、中段よりも上段の方が小さくなっているが、これに限定される必要はなく、例えば全て同じ大きさであっても良い。
また、本実施形態における上部撹拌翼6,6’,6’’はそれぞれ相似形となっているが、これに限定される必要はなく、形状が異なっていても良い。さらに、平面図上で対称軸を持つ構造でなくても良い。
本実施形態において、上段の上部撹拌翼6と中段の上部撹拌翼6’、中段の上部撹拌翼6’と下段の上部撹拌翼6’’とが、撹拌軸の回転方向に対してなす平面図上の取り付け角度ψ(図11参照)は、対応する各段においてそれぞれ同じになっており、また、撹拌軸3の回転方向に対してなす上向き角度ξ(図12参照)も、上、中、下段においてそれぞれ同じになっているが、これに限定される必要はなく、それぞれが異なる角度であっても良い。
下部撹拌翼5,5は、撹拌軸3に沿って設けられた平板状の撹拌翼で、その下辺部は、撹拌槽底面に沿うような形状で、槽底面に近接するように配置されており、また槽壁側は、撹拌軸3の回転方向に対して後退側に屈曲している。
下部撹拌翼5は、上下に隣接する下段上部撹拌翼6’’の切り欠き下端部b’に対し、撹拌軸3の回転方向に先行するように配置されている。
図1に示すように、各段の上部撹拌翼同士および、下段の上部撹拌翼下端部と下部翼上端部とは、上下方向にオーバーラップを有するように配置されているが、それぞれのオーバーラップ量は同一である必要はなく、それぞれが異なる値であっても良い。一方で、図2に示すように、上下に隣接する翼同士が接触しないように設置する必要がある。特に、下段の上部撹拌翼6’’下端部(切り欠き下端部)b’と下段撹拌翼上辺部とは、図2に示すように十分な間隔を有するように設置されている。
本実施形態に係る撹拌装置は、以上の構成からなり、次に、本実施形態に係る撹拌装置の撹拌特性について、図14から図16に基づき説明する。
撹拌軸3を矢印α方向(図では上から見て時計回り)に回転させると、上部翼4および下部翼5も同方向に回転する。このとき、上段の上部撹拌翼6,6は、撹拌槽上部液面付近の流体を、槽底方向に引き込むような流れを発生させる。上段の上部撹拌翼6は、流体を下方に押し下げる方向に撹拌軸3に対し傾斜しているため、上述のように撹拌槽内で下降流を発生させるが、上段の上部撹拌翼6自身は撹拌軸3を回転軸にもつ回転体であるため、遠心力が作用し、同時に撹拌軸3から槽壁に向かうほぼ水平方向の吐出流も発生させている。
前記上段の上部撹拌翼6は、アルファベットのT字を90°回転させた形をしているため、撹拌軸3に対し傾斜角ξだけねじれた位置に縦長の板状翼が設置された状態になっている。仮に、傾斜角ξが0°であれば、上記縦長翼部分は撹拌軸3に平行な位置関係となる。上記縦長翼部分は、その外周辺が、平面図上で円弧になるように設計されているため、回転軸3との接続部分から上に行くほど、また、下に行くほど細くなっている。このため、上記上部撹拌翼6が発生させる吐出流の強さは均一ではなく、回転軸3との接続部分から上下方向に離れるほど弱くなっている。
このような吐出流強度の分布は、中段の上部撹拌翼6’や下段の上部撹拌翼6’’においても同様の傾向となっている。
ところで、先に述べたように、上段の上部撹拌翼6と中段の上部撹拌翼6’、中段の上部撹拌翼6’と下段の上部撹拌翼6’’とは、図1に示すように上下方向に重なり部を持っている。この上下の重なり部は、図2に示すように翼同士が接触するものではないが、上段上部撹拌翼6下端部の吐出流の弱い部分を中段上部撹拌翼6’の上端部が、同じく弱い吐出流で補うような形になっている。中段上部撹拌翼6’下端部と下段上部撹拌翼6’’上端部においても同様の関係になっている。また一方で、本実施形態における上部翼の翼径は、6<6’<6’’となっており、それぞれが発生する吐出流の強さもこの関係が成り立っている。これにより、上部翼4が発生させる吐出流は適度な分布を持ちつつも、撹拌槽の上方ほど弱くなるような配置になっている。
また、上段の上部撹拌翼6が回転する際には、撹拌軸3の回転方向、すなわち、翼の進行方向に対し前面に正圧が、背面に負圧が発生しており、この正圧部から負圧部に向かう回り込み流れも発生している。
上段の上部撹拌翼6の縦長翼部分に着目すると、翼外周辺部および撹拌軸側の縦辺部において水平方向の上記回り込み流れが発生しており、上記翼外周辺部と縦辺部の線速度の差(翼外周辺部のほうが回転中心から離れている分、線速度は大きくなる)から、縦長翼部の回転方向に対する背面には、撹拌軸の回転方向とは逆方向(本実施形態の場合には反時計回り)に回転する小渦流Aが発生することになる。
上記現象を詳細に説明すると、図15に示すように、上部撹拌翼外周辺部に発生する回り込み流れEは、撹拌軸側の縦辺部にて発生する回り込み流れFよりも強い流れとなり、上部撹拌翼の回転方向後方にてEとFが合流しようとする際、その速度差から渦流が発生することになるのである。
本実施形態では、縦長翼部の撹拌軸側の縦辺部が、撹拌軸3から適度な距離を保ち、かつ、上下方向に十分な長さを有しているため、撹拌軸側の縦辺部に生じる回り込み流れの作用により、発生した小渦流Aは、撹拌槽壁面方向に移動し消失してしまうことなく、上段の上部撹拌翼6の回転に追随して自転しながら、撹拌軸3を中心とした公転軌道上を回転し続けることになる。
撹拌軸3が小渦流Aの公転軸となるため、公転軸は鉛直方向を向いているが、自転軸は、公転軸に対し傾きを有することになる。自転軸の公転軸に対する傾きは、撹拌槽の上下方向に対して一定ではなく、上部翼が発生させる吐出流と下降流および回り込み流れの強度バランスにより適度な分布を持っていると言える。とはいえ基本的には自転軸は、撹拌軸3の回転方向に対して自転軸下側が後退したねじれの位置にあると言える。
一方、中段の上部撹拌翼6’および下段の上部撹拌翼6’’の回転に伴っても同様に、上記の作用機構に基づく小渦流B、Cが、回転方向に対する翼の背面にそれぞれ発生している。
本実施形態における小渦流A,B,Cの配列は、上部撹拌翼6,6’,6’’の配列とほぼ同等である。すなわち、下に位置する小渦流ほど、撹拌軸3の回転方向から後退した位置にあることになる。また、小渦流の自転軸は先に述べたとおり、その下側が、撹拌軸3の回転方向に対し後退した方向を向いている。つまり、小渦流Aの下端部は小渦流Bの上部に、小渦流Bの下端部は小渦流Cの上部に向かっており、その結果、小渦流に起因する下降流がAからCまで連続化することになる。
本実施形態では、上部撹拌翼6,6’,6’’は、それぞれ2葉の撹拌翼が、撹拌軸3を両側から挟み込むような形に設置されているため、上記小渦流に起因し発生する上段の上部撹拌翼6から下段の上部撹拌翼6’’に至る連続化した下降流は2組発生することになる。また、該撹拌槽内では、上部翼4の回転に伴い、上段の上部撹拌翼6から下段の上部撹拌翼6’’に至る、撹拌軸3を中心軸とする下降流(回転方向と同方向の渦流)も発生している。すなわち本実施形態では、上記3組の下降流が撹拌槽内に形成されることになり、これにより従来の撹拌装置11や21にはない強力な下降流が得られることになる。
また、回転方向と自転軸の異なる複数の下降流が形成されることから、単一の下降流では成し得ない混合性能が得られることになる。すなわち、流体が、撹拌槽上部液面付近から下部翼近傍まで移動する際にも水平方向の混合作用が働き、流体が撹拌翼の動きに追随して動く、いわゆる共回りによる混合不良の発生リスクを格段に小さくすることができるのである。
なお、図17から図19に示す従来の撹拌装置11および、図20から図22に示す従来の撹拌装置21においても、対応する上段の上部撹拌翼の最上端部においては、本実施例の小渦流Aに近い形の小渦流が発生することもある。
しかしながら、従来の撹拌装置11においては、上段の上部撹拌翼の撹拌軸とねじれの位置関係にある撹拌軸側の縦辺部が、撹拌軸の近傍に配置されているため、該縦辺部における回り込み流れの作用が非常に弱く、上段上部撹拌翼の最上端部において小渦流が発生したとしても、その小渦流は撹拌槽壁面方向に吐出されるような軌道をとることになる。したがって、小渦流に起因する撹拌槽の上方から下方に亘る連続した下降流が形成されることはない。
一方、図20から図22に示す従来の撹拌装置21には、撹拌軸とねじれの位置関係にある縦辺部は存在しない。本実施例における上部撹拌翼の、撹拌軸とねじれの位置関係にある縦辺部に相当する部分を扇形の上辺および下辺と考えると、この部分においても回り込み流れは発生しており、上部撹拌翼外周辺において発生する回り込み流れとの速度差により発生する小渦流は、従来の撹拌装置21においては、対応する上部撹拌翼の上端部および下端部においてのみ発生する可能性があると言える。
しかしながら、仮に上部撹拌翼上端部において回り込み流れに起因する小渦流が発生したとしても、扇形上辺により発生する回り込み流れは、上端部から下方に向かい小さくなっていくため、また、上辺部で生じた回り込み流れと外周辺部で生じた回り込み流れとの水平方向間隔が、上端部から下方に向かって開いていくことになるため、該上端部において発生した小渦流を下方に向かい維持することができないことになる。したがって、従来の撹拌装置21においても、小渦流に起因する撹拌槽の上方から下方に亘る連続した下降流が形成されることはない。
さて、図14から図16に戻り、本実施形態に関する撹拌特性の説明を続けることにする。
上部翼4の作用により発生した複数の下降流は、本実施例では、下部撹拌翼5の上端部付近にて、その軌道が大きく湾曲することになる。これは、下段の上部撹拌翼6’’の下端部が、下部撹拌翼上辺部から、水平方向に十分な間隔を有していることに起因する挙動である。
図17から図22に示す従来の撹拌装置11や21のように、最下段の上部撹拌翼の下端部が、下部撹拌翼の上辺部近傍にある場合、上部翼により形成される下降流(撹拌軸の回転方向と同方向の渦流)が、下部翼へスムーズに受け渡されるため、きれいな上下循環流が形成されることになる。しかしながら、上下循環流がきれいに整いすぎているため、水平方向の物質移動がなされにくくなり、かえって混合効率を低下させることになっている。
これに対し本実施形態では、下段の上部撹拌翼6’’下端部が、下部撹拌翼の上辺部からは水平方向に離れた位置にあるため、一見すると、下降流の下部翼への受け渡しがスムーズに行われにくい状態にあるといえる。とはいえ、これはあくまで撹拌軸3の回転と同方向の渦流に起因する下降流との関係における考察である。
本実施形態においては、前記のように、上部翼4の作用により、2種類の下降流が計3組発生しているため、この限りではない。特に本実施形態においては、撹拌軸とは逆回転の小渦流に起因する下降流が混合効率の向上に大きく寄与しているため、下降流の下部撹拌翼への受け渡しは、これら複数の下降流のバランスをとる必要がある。
本実施形態において下段の上部撹拌翼6’’下端部を、下部撹拌翼5の上辺部から水平方向に離れた位置に配置しているのはこのためであり、結果、小渦流に起因する下降流は、下部翼上部近傍にて一旦大きく水平方向に湾曲する軌道Hをとった後、下部撹拌翼5の回転方向に対する背面に形成される負圧部に受け渡されることになる。したがって、本実施例では、下部翼上辺部にて大きく水平方向に湾曲した特殊な形状の上下循環流G−H−J−K−Lが形成されることになる。
この水平湾曲部Hを持つ上下循環流は、従来の撹拌装置11および21に見られるような、略楕円軌道M、Nを持つきれいな上下循環流ではないが、上下方向の循環流に水平方向の混合作用が適度に組み合わされたものとなっているため、略楕円軌道の上下循環流と比べ、極めて高い混合特性を有するものとなるのである。
また、本実施形態において下部撹拌翼5,5が発生させる撹拌槽底部における吐出流Jは、撹拌槽の壁面に衝突すると向きを変え、撹拌槽壁面近傍を流路とする上昇流Kになる。
本実施形態において発生する下部撹拌翼上辺部における下降流の湾曲Hは、上記吐出流Jに起因する上昇流を阻害、分断することはない。また、上部翼4の各段の上部撹拌翼は、吐出流が強くなりすぎないように、翼面積を小さく抑えた構造になっている。このため、上記槽壁付近の上昇流Kは、上部撹拌翼の吐出流に分断されることなく撹拌槽上部液面付近まで到達することができる。
該上昇流は液面付近で、撹拌軸3に向かう流れLとなり、上段の上部撹拌翼6の作用により、再び下降流Gへと向きを変える。
このようにして、本実施形態においては、撹拌槽上部液面付近から上部翼4の近傍を流路に持つ下降流G、下段の上部撹拌翼6’’下端と下部撹拌翼5の上辺部との空間部において形成される湾曲流れHを経て下部撹拌翼5に受け渡され、下部撹拌翼5の吐出流Jとなり、槽壁面に衝突して上昇流Jへと変化し、槽壁面近傍を流路に持つ上昇流Kとして撹拌槽上部液面付近に至り、液面付近で撹拌軸3方向への流れLへと変化することで、撹拌槽全域に亘る上下の循環流を形成することになる。これにより、撹拌槽の全域において、非常に良好な撹拌特性を得ることができるようになる。
以上により、本実施形態に係る撹拌装置においては、撹拌翼の回転により発生する渦流と、該渦流とは逆方向に回転する小渦流を複数発生させ、かつ、下部翼上辺部付近に大きな湾曲部を持つ撹拌槽全域に亘る上下循環流を形成し、それらの相乗効果により、低粘度から高粘度までの幅広い粘度域の流体や、粘度の大きく異なる複数の流体を、速やかにかつ効率よく(低消費動力で)均一に混合することができるようになる。
(実施例1)
<水あめ水溶液を用いたヨウ素還元法による消色実験>
ヨウ素で着色した5Pa・sの水あめ水溶液を、同じく水あめを用いて同粘度に調製したチオ硫酸ナトリウム溶液により脱色する実験において、完全にヨウ素の色が消失するまでの時間(完全混合時間)を測定した。内径φ130mmのフラスコに2Lの上記着色水あめ水溶液を仕込み、図1から図3に示した本実施形態に係る撹拌装置を設置し、撹拌動力が1.5kW/m になるように回転数を調整した。この際、回転数は150rpmであった。撹拌中の水あめ水溶液中に、着色に使用したヨウ素の1.1当量に相当する上記チオ硫酸ナトリウム水あめ溶液を投入し、ヨウ素の色が完全に消失するまでの時間を測定した。このとき、完全混合時間は、4.5分であった。
(比較例1)
図17から図19に示した従来技術の撹拌装置11を用い、実施例1と同じ条件下で、水あめ水溶液を用いた消色実験を実施した。撹拌動力が1.5kW/m となるように回転数を140rpmにして実験を行った結果、完全混合時間は22分であった。
(実施例2)
<高粘度樹脂の溶剤希釈実験(異粘性流体の液液混合実験)>
実施例1にて使用した装置を用い、25℃における粘度が110Pa・sの高粘度樹脂を、同じく25℃における粘度が0.8mPa・sの溶剤で希釈する異粘性流体の混合実験を実施した。樹脂:溶剤の割合を83:17とし、前記φ130mmのフラスコを使用し、総液量が2Lとなるようにした。溶剤希釈前の初期の撹拌動力が3kW/m となるように回転数を調整し、ここに所定量の溶剤を投入後、この溶剤と樹脂が完全に混合するまでの時間を測定した。撹拌回転数は48rpmであり、樹脂と溶剤とが完全混合に至るまで一定の回転数とした。混合状態の判定は、溶液の液面に形成されるボルテックスの形状を観察することで行った。すなわち、混合が進んでおらず液面付近に溶剤が残っていれば、液面はほぼ水平になっており、逆に完全混合に達した後には、撹拌軸付近の液面が大きく窪む状態になるため、液面形状の観察により混合状態の判定ができた。なお、上記割合にて樹脂と溶剤とを完全混合した後の溶液粘度は30Pa・sであった。液面から溶剤がなくなり、十分にボルテックスが形成され、完全混合に達したと判断されるのに要した時間は、図1から図3に示した本実施形態に係る撹拌装置では370秒であった。また、完全混合到達後の撹拌動力は、0.75kW/m であった。
(比較例2)
図17から図19に示した従来技術の撹拌装置11を用い、実施例2と同じ条件下で高粘度樹脂の溶剤希釈実験を行った。初期撹拌動力が3kW/m となるように、回転数は46rpmとした。実験の結果、従来の撹拌装置11では完全混合までに1070秒を要した。また、完全混合後の撹拌動力は0.96kW/m であった。
本実施形態に係る撹拌装置を用いることで、様々な工業製品の撹拌槽内での作り込みが可能となる。例えば、低粘度から高粘度までの様々な流動特性を持つ樹脂製品やその水分散体製品、顔料やインキ、医薬品や化粧品、食品など、撹拌槽内で流動させることができる工業製品であれば、いずれの製品においても高効率な撹拌混合が可能となり、生産効率の向上や、品質の安定化、高付加価値化などを可能とすることができる。特に、中粘度から高粘度で、従来技術では混合不良を生じやすかった工業製品に対しては、極めて高い撹拌特性を発揮し、一方で撹拌動力を低く抑えられることによる駆動装置(モーター)に係るイニシャルおよびランニングコストを低減させることが可能となる。さらに、翼面積を比較的小さく抑えたことから、洗浄性、メンテナンス性が従来技術に比べ大幅に改善され、製品歩留まりの向上や装置洗浄等に係るロスコストの削減を図ることが可能となる。
1 撹拌装置
2 撹拌槽
3 撹拌軸
4 上部翼
5 下部翼
6 上段上部撹拌翼
6’ 中段上部撹拌翼
6’’ 下段上部撹拌翼
α 撹拌軸の回転方向
δ 平面図上の下部翼中心線と直線qとの撹拌軸の回転とは逆方向になす角
θ 上部撹拌翼平面概念図上にて、翼外周部上端、下端と撹拌軸中心点とのなす角
ξ 上部撹拌翼の撹拌軸の回転方向に対する上向き傾斜角
ψ 上下に隣接する上部撹拌翼中心線同士の位相差角
a 上部撹拌翼縦板部の幅
b、b’ 上部撹拌翼の切り欠き部上、下端部
d 翼径(翼スパン)
dh 上部翼の翼径
db 下部翼の翼径
f、f’ 平面図上の上部撹拌翼外周部上、下端
g 撹拌軸中心点
h 平面概念図上における切り欠き部割合(h=k÷j)
j 平面概念図上に仮想される扇形部の面積(j=π×r×r×θ÷360°)
k 平面概念図上の切り欠き部総面積(k=k1+k2+…)
q 平面図において最下段の上部撹拌翼の下端部に向けて撹拌軸中心点から引いた直線
r 上部撹拌翼における翼スパン半径(r=0.5dh)
A 上段の上部撹拌翼後方に形成される小渦流
B 中段の上部撹拌翼後方に形成される小渦流
C 下段の上部撹拌翼後方に形成される小渦流
D 撹拌槽内径
E 上部撹拌翼外周部の作用により発生する回り込み流れ
F 上部撹拌翼の撹拌軸側の縦辺部の作用により発生する回り込み流れ
G 上部翼により形成される小渦流の連結に起因する下降流
H 湾曲流れ
J 下部翼の吐出流と、これが槽底面および壁面に衝突し形成される上昇流
K 槽壁付近の上昇流
L 液面付近の槽壁から撹拌軸方向に向かう流れ
M、N 略楕円形状の上下循環流

Claims (3)

  1. 撹拌槽と、撹拌軸と、該撹拌軸に固定された上部翼と下部翼とを備えた撹拌装置において、
    前記上部翼は、複数段に配置された上部撹拌翼で構成され、
    前記各上部撹拌翼は、平面視したときに、上部撹拌翼の翼両端部と撹拌軸中心点を結ぶ直線で囲まれた領域内であって回転方向前方側及び回転方向後方側に切り欠き部を有し、かつ、回転方向に対して上向き角度で傾斜して設けられ、かつ、上段に位置する上部撹拌翼が下段に隣接する上部撹拌翼とオーバーラップ部分を有するように回転方向に対し先行して配置され、かつ、側面視したときに、上段に位置する上部撹拌翼の下端を含む水平断面が、その下段に隣接する上部撹拌翼の上端を含む水平断面よりも下側に位置するように配置され、
    前記上部撹拌翼のうち最下段の上部撹拌翼は、前記下部翼と上下に隣接するように配置され、かつ、平面視したときに、最下段の上部撹拌翼の下方端部と前記撹拌軸中心点とを結ぶ平面図上の直線が、前記下部翼の翼径方向の中心線と所定の角度を持つように配置され、かつ、側面視したときに、最下段の上部撹拌翼の下方端部を含む水平断面が、前記下部翼の上方端部を含む水平断面よりも下側に位置するように配置され、
    前記下部翼下方端部は、撹拌槽内底面に近接するように配置されていること
    を特徴とする撹拌装置。
  2. 前記下部翼が幅広後退パドル翼であり、
    前記下部翼の翼径dbが撹拌槽内径Dに対し、0.4D≦db≦0.8Dであり、
    前記最下段の上部撹拌翼の翼径dhが撹拌槽内径Dに対し、0.35D≦dh≦0.75Dである請求項1に記載の撹拌装置。
  3. 撹拌槽と、撹拌軸と、該撹拌軸に固定された上部翼と下部翼とを備えた撹拌装置で被撹拌物を撹拌する撹拌方法において、
    前記上部翼は、複数段に配置された上部撹拌翼で構成し、
    前記各上部撹拌翼は、平面視したときに、上部撹拌翼の翼両端部と撹拌軸中心点を結ぶ直線で囲まれた領域内であって回転方向前方側及び回転方向後方側に切り欠き部を有し、かつ、回転方向に対して上向き角度で傾斜して設け、かつ、上段に位置する上部撹拌翼が下段に隣接する上部撹拌翼とオーバーラップ部分を有するように回転方向に対し先行して配置し、かつ、側面視したときに、上段に位置する上部撹拌翼の下端を含む水平断面が、その下段に隣接する上部撹拌翼の上端を含む水平断面よりも下側に位置するように配置し、
    前記上部撹拌翼のうち最下段の上部撹拌翼は、前記下部翼と上下に隣接するように配置し、かつ、平面視したときに、最下段の上部撹拌翼の下方端部と前記撹拌軸中心点とを結ぶ平面図上の直線が、前記下部翼の翼径方向の中心線と所定の角度を持つように配置し、かつ、側面視したときに、最下段の上部撹拌翼の下方端部を含む水平断面が、前記下部翼の上方端部を含む水平断面よりも下側に位置するように配置し、
    前記下部翼下方端部は、撹拌槽内底面に近接するように配置して撹拌すること
    を特徴とする撹拌方法。
JP2009007498A 2009-01-16 2009-01-16 撹拌装置及び撹拌方法 Active JP5062186B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009007498A JP5062186B2 (ja) 2009-01-16 2009-01-16 撹拌装置及び撹拌方法
US12/735,280 US8485716B2 (en) 2009-01-16 2009-10-28 Agitation apparatus and agitation method
PCT/JP2009/068452 WO2010082391A1 (ja) 2009-01-16 2009-10-28 撹拌装置及び撹拌方法
IN2118KON2010 IN2010KN02118A (ja) 2009-01-16 2010-06-09

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009007498A JP5062186B2 (ja) 2009-01-16 2009-01-16 撹拌装置及び撹拌方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010162488A JP2010162488A (ja) 2010-07-29
JP5062186B2 true JP5062186B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=42579123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009007498A Active JP5062186B2 (ja) 2009-01-16 2009-01-16 撹拌装置及び撹拌方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5062186B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8485716B2 (en) * 2009-01-16 2013-07-16 Dic Corporation Agitation apparatus and agitation method
JP6069659B2 (ja) * 2012-06-25 2017-02-01 綜研テクニックス株式会社 撹拌装置
KR101410469B1 (ko) 2013-12-13 2014-06-27 코오롱워터앤에너지 주식회사 교반 장치 및 이를 이용한 원위치 복합오염토양의 하이브리드 정화방법
KR101511686B1 (ko) * 2014-10-20 2015-04-13 주식회사아지텍 고점도 반죽물 교반기의 교반날개
KR102262949B1 (ko) * 2014-12-23 2021-06-09 에스케이이노베이션 주식회사 무수당 알코올의 생산과 증류를 동시에 수행하는 연속 반응기 및 이를 이용한 무수당 알코올의 제조방법
CN107715747A (zh) * 2017-11-17 2018-02-23 巴东隆生生物科技有限公司 一种生物质肥料混料装置
JP7393238B2 (ja) 2020-02-13 2023-12-06 太平洋セメント株式会社 無機酸化物粒子の製造方法
CN115646282B (zh) * 2022-12-12 2023-03-10 天津艾尔森生物科技有限公司 一种香精搅拌装置及搅拌方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2507839B2 (ja) * 1990-08-07 1996-06-19 神鋼パンテツク株式会社 攪拌装置
CN101395227B (zh) * 2006-06-02 2010-12-08 Dic株式会社 偶氮化合物的制备方法
JP4893142B2 (ja) * 2006-08-02 2012-03-07 Dic株式会社 撹拌装置及び高粘度合成樹脂の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010162488A (ja) 2010-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010082391A1 (ja) 撹拌装置及び撹拌方法
JP5062186B2 (ja) 撹拌装置及び撹拌方法
JP5062201B2 (ja) 撹拌装置及び撹拌方法
JP2507839B2 (ja) 攪拌装置
US5472278A (en) Stirring apparatus having blades creating a circulating flow
CN105536612A (zh) 一种用于高粘度搅拌罐的搅拌桨和搅拌器
CN106964272A (zh) 一种有机颜料搅拌装置
WO2007037263A1 (ja) 攪拌装置
JP2003200030A (ja) 撹拌装置
JP3224498B2 (ja) 撹拌装置
JPH1024230A (ja) 撹拌装置
JP2016087590A (ja) 攪拌装置
CN109803932B (zh) 搅拌器以及玻璃板的制造方法
JP6869414B1 (ja) 攪拌装置
CN111530330B (zh) 一种高粘度纳米粉体浆料混合装置
CN210584602U (zh) 一种适用于高粘流体混合的导流式搅拌装置
JP2019218252A (ja) 撹拌スターラー及びガラス板の製造方法
CN205550119U (zh) 一种用于高粘度搅拌罐的搅拌桨和搅拌器
JP5134468B2 (ja) 撹拌装置
CN110479153A (zh) 一种可连续性工作的搅拌装置
JP2002282667A (ja) 攪拌装置
JP5755474B2 (ja) 攪拌装置
JP6756983B2 (ja) 撹拌スターラー及びガラス板の製造方法
CN204073996U (zh) 一种宽螺带锯齿搅拌器
JPH04215829A (ja) 攪拌装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120723

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5062186

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250