JP6458691B2 - 溶融ガラス攪拌装置、板ガラス製造装置、溶融ガラス攪拌方法、および板ガラス製造方法 - Google Patents
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Description
攪拌装置は、一般的に回転中心となる中心軸とその周囲に取り付けられた攪拌翼を有する攪拌部から構成される。
また、光学用レンズ、光通信用ファイバ、光学フィルタ、太陽電池用基板、蛍光管といった高い透明性が要求される用途のガラスにおいても高い均質性が要求される。
これらのようなきわめて高い均質性が要求される場合、従来の攪拌装置では溶融ガラスの充分な均質性を得ることが難しくなってきた。
前記溶融ガラス攪拌装置は、回転可能な中心軸と、該中心軸に設けられた攪拌部と、で構成され、
前記攪拌部は、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの上昇流を発生させる第1の攪拌翼と、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの下降流を発生させる第2の攪拌翼と、前記中心軸と同軸をなす、円環形状をしたリング翼と、を含み、
前記撹拌部には、前記中心軸の軸方向に前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼が、それぞれ1つ以上設けられており、かつ、前記中心軸の軸方向における同位置には、前記中心軸の周方向に2つ以上の前記第1の撹拌翼または前記第2の撹拌翼が設けられており、
前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の最大径をD1(mm)とし、前記攪拌部が設置されている部位における前記溶融ガラス搬送管の直径をD2(mm)とし、前記リング翼の外直径をDr(mm)として、下記式(1)および下記式(2)を満たし、
前記上流側の枝管の上端に対し、上方の距離を正とし、下方の距離を負として、
前記リング翼の下端と、前記上流側の枝管の上端と、の距離が、−25mm〜+75mmであり、
前記リング翼の上端と、前記上流側の枝管の上端と、の距離が、0mm超、+100mm以下であり、
前記リング翼は、前記中心軸の軸方向における位置が、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼のうち、いずれか1つと一致しており、前記中心軸の軸方向における位置がリング翼と一致する前記第1の撹拌翼、または、前記第2の撹拌翼を、位置基準として、
前記位置基準が前記第1の撹拌翼の場合、該位置基準の直上には前記第2の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より下方には前記第2の撹拌翼が存在せず、
前記位置基準が前記第2の撹拌翼の場合、該位置基準の直下に前記第1の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より下方には前記第2の撹拌翼が存在せず、
前記中心軸の軸方向において、前記位置基準より上方には、互いに前記位置基準の直近にある前記第1の撹拌翼と、前記第2の撹拌翼と、の中間位置を、撹拌翼の切り替え位置として、該切り替え位置と、前記上流側の枝管の上端と、の距離が、0mm超、+250mm以下であることを特徴とする溶融ガラス撹拌装置[1]、を提供する。
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.98×D2 (1)
Dr ≦ D1 (2)
前記溶融ガラス攪拌装置は、回転可能な中心軸と、該中心軸に設けられた攪拌部と、で構成され、
前記攪拌部は、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの上昇流を発生させる第1の攪拌翼と、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの下降流を発生させる第2の攪拌翼と、前記中心軸と同軸をなす、円環形状をしたリング翼と、を含み、
前記撹拌部には、前記中心軸の軸方向に前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼が、それぞれ1つ以上設けられており、かつ、前記中心軸の軸方向における同位置には、前記中心軸の周方向に2つ以上の前記第1の撹拌翼または前記第2の撹拌翼が設けられており、
前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の最大径をD1(mm)とし、前記攪拌部が設置されている部位における前記溶融ガラス搬送管の直径をD2(mm)とし、前記リング翼の外直径をDr(mm)として、下記式(4)および下記式(5)を満たし、
前記上流側の枝管の下端に対し、上方の距離を正とし、下方の距離を負として、
前記リング翼の上端と、前記上流側の枝管の下端と、の距離が、−75mm〜+25mmであり、
前記リング翼の下端と、前記上流側の枝管の下端と、の距離が、−100mm以上、0mm未満であり、
前記リング翼は、前記中心軸の軸方向における位置が、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼のうち、いずれか1つと一致しており、該前記中心軸の軸方向における位置がリング翼と一致する前記第1の撹拌翼、または、前記第2の撹拌翼を、位置基準として、
前記位置基準が前記第1の撹拌翼の場合、該位置基準の直上には前記第2の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より上方には前記第1の撹拌翼が存在せず、
前記位置基準が前記第2の撹拌翼の場合、該位置基準の直下に前記第1の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より上方には前記第1の撹拌翼が存在せず、
前記中心軸の軸方向において、前記位置基準より下方には、互いに前記位置基準の直近にある前記第1の撹拌翼と、前記第2の撹拌翼と、の中間位置を、撹拌翼の切り替え位置として、該切り替え位置と、前記上流側の枝管の下端と、の距離が、−250mm以上、0mm未満以上であることを特徴とする溶融ガラス撹拌装置[2]、を提供する。
0.7×D2 D1 ≦ 0.98×D2 (4)
Dr ≦ D1 (5)
前記溶融ガラス搬送管に、本発明の溶融ガラス攪拌装置[1]または[2]が少なくとも1つ設けられた板ガラス製造装置を提供する。
また、本発明の溶融ガラス攪拌装置は、攪拌後の溶融ガラスの均質性に優れていることから、光学用レンズ、光通信用ファイバ、光学フィルタ、太陽電池用基板、蛍光管といった高い透明性もしくは高い光学的均質性が要求される用途のガラス製造装置の溶融ガラス攪拌装置としても好適である。また、高い色調均質性が要求される装飾用色ガラス用のガラス製造装置の溶融ガラス撹拌装置としても好適である。
図1に示す溶融ガラス攪拌装置10aは、回転可能な中心軸11を有し、該中心軸11の下端部に攪拌部12が設けられている。
攪拌部12は、第1の撹拌翼13、第2の撹拌翼14、および、リング翼15で構成されている。
図1に示す溶融ガラス攪拌装置10aでは、中心軸11の軸方向における同位置には、中心軸11の周方向に間隔を空けて、第1の撹拌翼13、および、第2の撹拌翼14がそれぞれ4つずつ設けられている。
中心軸11の軸方向における位置が互いに異なる第1の撹拌翼13、第2の撹拌翼14は、中心軸11の周方向における向きが異なっていてもよい。図2は、本発明の溶融ガラス攪拌装置の別の一構成例を示した側面図である。図2に示す溶融ガラス攪拌装置10bでは、中心軸11の軸方向における位置が互いに異なる第1の撹拌翼13、第2の撹拌翼14は、中心軸11の周方向における向きが異なっている。
なお、撹拌部12における第1の撹拌翼13、および、第2の撹拌翼14の数はこれに限定されず、中心軸11の軸方向における第1の撹拌翼13、および、第2の撹拌翼14の数は、それぞれ2組以下であってよく、4組以上であってもよい。また、中心軸11の周方向における第1の撹拌翼13、および、第2の撹拌翼14の数は3以下であってもよく、5以上であってもよい。但し、中心軸11の軸方向における第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の数が増加すると、撹拌部12を回転させるのに必要なトルクが増加するため、中心軸11の軸方向における第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の合計数は、8組以下であることが好ましい。中心軸11の周方向における第1の撹拌翼13または第2の撹拌翼14の数についても、同様の理由から8以下が好ましい。
一方、中心軸11の軸方向における各撹拌翼(第1の撹拌翼13、第2の撹拌翼14)間の距離が大きい場合も、溶融ガラスの撹拌作用が低下する。このため、中心軸11の軸方向における各撹拌翼(第1の撹拌翼13、第2の撹拌翼14)間の距離は、200mm以下であることが好ましく、150mm以下であることがより好ましく、120mm以下であることがさらに好ましい。
第1の撹拌翼13をなす板状体の短軸と、中心軸11と、がなす角度αは、0°超、90°未満であり、30°〜60°であることが好ましい。第2の撹拌翼14がなす板状体の短軸と、中心軸11と、がなす角度βは、0°超、90°未満であり、30°〜60°であることが好ましい。
撹拌部12を構成する全ての第1の撹拌翼13は、第1の撹拌翼13をなす板状体の短軸と、中心軸11と、がなす角度αがほぼ同一であることが好ましい。具体的には、撹拌部12を構成する第1の撹拌翼13における、第1の撹拌翼13をなす板状体の短軸と、中心軸11と、がなす角度αの最大値と最小値との差が20°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましい。
撹拌部12を構成する全ての第2の撹拌翼14は、第2の撹拌翼14をなす板状体の短軸と、中心軸11と、がなす角度βがほぼ同一であることが好ましい。具体的には、撹拌部12を構成する第2の撹拌翼14における、第2の撹拌翼14をなす板状体の短軸と、中心軸11と、がなす角度βの最大値と最小値との差が20°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましい。
溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管におけるリング翼15の位置が、後述する条件を満たす場合、撹拌部12を所定の方向に回転させた際に、リング翼15、溶融ガラス搬送管の壁面との間に下流に向かう流れをせき止める効果が生じる。そのため、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管壁面近傍の溶融ガラスが、リング翼15の内側に誘導されることにより、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管壁面近傍での溶融ガラスのすり抜けが抑制される。
なお、円環形状をしたリング翼15の外面および内面のうち、少なくとも一方には、撹拌作用を高めるために、周方向に伸びる凹状の溝が形成されていてもよい。
本発明では、中心軸の軸方向における位置が、リング翼と一致する第1の撹拌翼または第2の撹拌翼を位置基準とする。図1に示す溶融ガラス攪拌装置10aの場合、リング翼15の中心軸11の軸方向における位置が一致している第1の撹拌翼13を位置基準とする。
図3において、下端部に撹拌部12が設けられた中心軸11を矢印方向に回転させた際に、第1の攪拌翼13が溶融ガラスの上昇流を発生させ、第2の撹拌翼14が溶融ガラスの下降流を発生させる。
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.98×D2 (1)
Dr ≦ D1 (2)
ここで、撹拌部12を構成する第1の撹拌翼13の最大径と、第2の撹拌翼14の最大径と、が異なる場合、いずれか最大径が大きい方をD1とする。また、撹拌部12を構成する、個々の第1の撹拌翼13の最大径が異なる場合(もしくは、個々の第2の撹拌翼14の最大径が異なる場合)、いずれか最大径が大きいものをD1とする。
一方、D1が0.7×D2より小さい場合、溶融ガラス攪拌装置10aが配置された溶融ガラス搬送管、すなわち、主管100の壁面との間で生じる流れのせき止めが少なく、主管100の壁面近傍を通過する溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。
上記D1および上記D2は、下記式(1a)を満たすことがより好ましく、下記式(1b)を満たすことがさらに好ましい。
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.96×D2 (1a)
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.94×D2 (1b)
なお、第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の最大径をD1(mm)としたが、第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14のいずれの径もが、式(1)、式(1a)、または式(1b)を満たすことがより好ましい。
図1、3に示す溶融ガラス攪拌装置10aにおいて、溶融ガラス攪拌装置10aの撹拌部12を構成する第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14のうち、上記で定義した位置基準となる第1の撹拌翼13以外の最大径を、リング翼15の外直径Drより大きくしてもよい。この場合、溶融ガラス攪拌装置10aの撹拌部12を構成する第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の最大径D1は、リング翼15の外直径Drよりも大きくなる。
一方、リング翼15の外直径Drを、溶融ガラス攪拌装置10aの撹拌部12を構成する第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の最大径D1よりも大きくするのは不可である。その理由は、溶融ガラスの撹拌時において、溶融ガラス攪拌装置10aが配置された溶融ガラス搬送管の壁面に与える作用は、第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14よりも、リング翼15のほうが大きく、局所的に大きな力がかかることになるため、白金材料製の溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面を損傷するおそれがあるからである。
リング翼15の外直径Drは、溶融ガラス攪拌装置10aの攪拌部12が設置されている部位における溶融ガラス搬送管(主管100)の直径(内径)D2(mm)と、の関係で下記式を満たすことが好ましい。
0.7×D2 ≦ Dr
そのため、リング翼15の厚みをtr(mm)とするとき、該trと、前記リング翼15の外直径Drと、が下記式(7)を満たすことが好ましい。
0.001×Dr ≦ tr ≦ 0.5×Dr (7)
リング翼15の厚みtrが0.5×Drより大きくなると、撹拌部12を所定の方向に回転させた際に、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導する作用が低下するうえ、撹拌部12が設置された部位における溶融ガラスの流速が大きくなり、溶融ガラスの撹拌作用が低下する。リング翼15の厚みtrが0.001×Drより小さいと、撹拌部12で溶融ガラスを撹拌する際に、リング翼15が破損するおそれがある。
なお、リング翼15の厚みtrとは、円環形状の径方向における厚み、すなわち、リング翼15の(外直径−内直径)/2である。
リング翼15の厚みtrと、リング翼15の外直径Drと、が下記式(7b)を満たすことがより好ましい。
0.01×Dr ≦ tr ≦ 0.1×Dr (7b)
リング翼15の下端と、上流側の枝管110の上端との距離が−25mmより小さい値である場合、すなわち、リング翼15の下端が、上流側の枝管110の上端より25mm以上下方にある場合、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。また、リング翼15の下端と、上流側の枝管110の上端との距離が+75mmより大きい場合、すなわち、リング翼15の下端が、上流側の枝管110の上端より75mm以上上方にある場合、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。
本発明の溶融ガラス攪拌装置10aは、リング翼15の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離が、0mm〜+50mmであることが好ましい。
リング翼15の上端と、上流側の枝管110の上端との距離が0mm以下の場合、すなわち、リング翼15の上端が、上流側の枝管110の上端と同一の高さであるか、または、上流側の枝管110の上端より下方にある場合、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。また、リング翼15の上端と、上流側の枝管110の上端との距離が+100mmより大きい場合、すなわち、リング翼15の上端が、上流側の枝管110の上端より100mm以上上方にある場合、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。
本発明の溶融ガラス攪拌装置10aにおいて、リング翼15の上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離が、0mm超、+50mm以下であることが好ましい。
図4に示す溶融ガラス攪拌装置10cの場合、リング翼15の中心軸11の軸方向における位置が一致している第2の撹拌翼14を位置基準とする。
なお、図4に示す溶融ガラス撹拌装置10cの場合も、中心軸11の軸方向における同位置には、中心軸11の周方向に間隔を空けて、第1の撹拌翼13、および、第2の撹拌翼14がそれぞれ4つずつ設けられている。
図4に示す溶融ガラス撹拌装置10cのように、位置基準が第2の撹拌翼14の場合、該位置基準の直下に第1の撹拌翼13が位置しており、かつ、位置基準より下方には第2の撹拌翼14が存在しない。位置基準の直下に第2の撹拌翼14が位置している場合や、位置基準より下方に第2の撹拌翼14が存在している場合は、溶融ガラス攪拌装置10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。なお、位置基準の直下に第1の撹拌翼13が位置しており、かつ、位置基準より下方に第2の撹拌翼14が存在しなければよく、位置基準より上側に第2の撹拌翼14が位置してもよい。
位置基準が第1の撹拌翼13であって、位置基準の直上に第1の撹拌翼13が位置している場合は、リング翼15の上方で溶融ガラスの下降流が形成されないため、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導する作用が促進されない。そのため、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けが抑制できない。位置基準が第2の撹拌翼14であって、位置基準の直下に第2の撹拌翼14が位置している場合は、リング翼15の下方で溶融ガラスの上昇流が形成されないため、溶融ガラス攪拌装置10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導する作用が促進されない。そのため、溶融ガラス攪拌装置10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けが抑制できない。位置基準が第1の撹拌翼13、第2の撹拌翼14のいずれかであっても、位置基準より下方に第2の撹拌翼14が存在している場合は、リング翼15の下方での溶融ガラスの上昇流の形成が不充分になる。そのため、溶融ガラス攪拌装置10aまたは10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端との距離が0mm以下の場合、すなわち、撹拌翼の切り替え位置が、上流側の枝管110の上端と同一の高さであるか、または、上流側の枝管110の上端より下方にある場合、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。また、撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端との+250mmより大きい場合、すなわち、撹拌翼の切り替え位置が、上流側の枝管110の上端より250mm以上上方にある場合、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。
本発明の溶融ガラス攪拌装置において、撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離が、+50mm〜+200mmであることが好ましく、+50mm〜+150mmであることがより好ましい。
本発明の溶融ガラス攪拌装置において、上記で定義した撹拌翼の第1群16よりも上方に位置する第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14を撹拌翼の第2群17とする。図1〜3に示す溶融ガラス撹拌装置10aおよび10bの場合、撹拌翼の第1群16よりも上方に位置する1組の第2の撹拌翼14が撹拌翼の第2群17である。図4に示す溶融ガラス撹拌装置10cの場合、撹拌翼の第1群16よりも上方に位置する1組の第1の撹拌翼13および2組の第2の撹拌翼14が撹拌翼の第2群17である。
本発明の溶融ガラス攪拌装置では、撹拌翼の第1群16に含まれる第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力をF1とし、撹拌翼の第1群16に含まれる第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力をF2とするとき、該F1およびF2が、第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の回転速度が5〜100rpmの条件で下記式(3)を満たすことが好ましい。
1.05 ≦ F1/F2 ≦ 1.5 (3)
F1およびF2が上記式(3)を満たしていれば、第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力F1が、第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2より若干強くなるため、リング翼15が設けられた位置において、適度な強さの溶融ガラスの上昇流が形成される。これにより、溶融ガラス攪拌装置10a、10b、または10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導する作用が促進される。その結果、溶融ガラス攪拌装置10a、10b、または10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けがさらに抑制される。
F1/F2<1.05の場合、第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力F1と、第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2と、に有意な差が無いか、または、第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2のほうが強くなる。そのため、リング翼15が設けられた位置で溶融ガラスの上昇流が形成されず、溶融ガラス攪拌装置10a、10b、または10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導する作用が低下するおそれがある。そのため、溶融ガラス攪拌装置10a、10b、または10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が低下するおそれがある。
一方、F1/F2>1.5の場合、第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力F1が、第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2より強すぎるため、リング翼15が設けられた位置で形成される溶融ガラスの上昇流が強くなり過ぎ、溶融ガラス攪拌装置10a、10b、または10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼15の内側に誘導する作用が促進されない。そのため、溶融ガラス攪拌装置10a、10b、または10cが設置された溶融ガラス搬送管(主管100)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が低下するおそれがある。また、溶融ガラスの上昇流と下降流とが合流することによる撹拌作用が低下するために第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14による撹拌作用が低下するおそれがある。
なお、F1は、溶融ガラスが上昇方向に流れていく場において第1の撹拌翼13の前後での圧力損失とみなすことができる。第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力F1が大きいほど、第1の撹拌翼13の前後での圧力損失が減少する。F2は、第2の撹拌翼14の前後での圧力損失とみなすことができる。第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2が大きいほど、第2の撹拌翼14の前後での圧力損失が増加する。
F1およびF2が、第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の回転速度が5〜100rpmの条件で下記式(3b)を満たすことがより好ましい。
1.2 ≦ F1/F2 ≦ 1.5 (3b)
F1/F2はたとえば以下のようにしてモデル試験装置を用いて求めることができる。図5はF1/F2を求める際に使用するモデル試験装置の一構成例を示した図である。図5は、基本的に図3と同じ構成である。但し、溶融ガラス攪拌装置10aの撹拌部12は、撹拌翼の第1群16のみで構成されている。また、上流側の枝管110、および、下流側の枝管120には、枝管110、120内での溶融ガラスGの圧力(静圧)を液面の高さにより観察するための分岐管130、140がそれぞれ設けられている。溶融ガラスGを模擬した流体が図5に示すモデル試験装置を矢印方向に流れる場合に、主管100内に設置した溶融ガラス攪拌装置10aの撹拌部12(第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14)が停止している時の主管100前後のA地点(分岐管130)とB地点(分岐管140)の液面差(LA-B)0を基準とし、撹拌部12(第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14)を回転した際のA地点(分岐管130)とB地点(分岐管140)の液面差(LA-B)から、F1/F2は下記式(3c)により求められる。
F1/F2 = 1−(LA-B −(LA-B)0)/(LA-B)0 (3c)
F3/F4は、F1/F2と同様の手順で求めることができる。但し、F3/F4を求める際に使用するモデル試験装置は、溶融ガラス攪拌装置10aの撹拌部12が撹拌翼の第2群17のみで構成されたものとする。溶融ガラスGを模擬した流体がモデル試験装置を図5の矢印方向に流れる場合に、主管100内に設置した溶融ガラス攪拌装置10aの撹拌部12(第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14)が停止している時の主管100前後のA地点(分岐管130)とB地点(分岐管140)の液面差(LA-B)0を基準とし、撹拌部12(第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14)を回転した際のA地点(分岐管130)とB地点(分岐管140)の液面差(LA-B)から、F3/F4は下記式(3d)により求められる。
F3/F4 = 1−(LA-B −(LA-B)0)/(LA-B)0 (3d)
式(3d)より、撹拌部12の停止時の液面差(LA-B)0と、回転時の液面差(LA-B)が等しくなるとき、F3=F4であることが実験的に求められる。
溶融ガラス攪拌装置(2)は、溶融ガラス攪拌装置(2)の撹拌部を構成する第1の撹拌翼および第2の撹拌翼の最大径をD1(mm)とし、溶融ガラス攪拌装置(2)の攪拌部が設置されている部位における溶融ガラス搬送管(2)(主管)の直径(内径)をD2(mm)とし、溶融ガラス攪拌装置(2)の撹拌部を構成するリング翼の外直径をDr(mm)とするとき、下記式(4)および下記式(5)を満たす。
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.98×D2 (4)
Dr ≦ D1 (5)
ここで、撹拌部を構成する第1の撹拌翼の最大径と、第2の撹拌翼の最大径と、が異なる場合、いずれか最大径が大きい方をD1とする。また、撹拌部を構成する、個々の第1の撹拌翼の最大径が異なる場合(もしくは、個々の第2の撹拌翼の最大径が異なる場合)、いずれか最大径が大きいものをD1とする。
D1が0.98×D2より大きい場合、溶融ガラスの撹拌時において、溶融ガラス攪拌装置(2)が配置された溶融ガラス搬送管(2)、すなわち、主管の壁面に接触し、白金材料製の溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面を損傷するおそれがある。
一方、D1が0.7×D2より小さい場合、溶融ガラス攪拌装置(2)が配置された溶融ガラス搬送管(2)、すなわち、主管の壁面との間で生じる流れのせき止めが少なく、主管の壁面近傍を通過する溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。
上記D1および上記D2は、下記式(4a)を満たすことがより好ましく、下記式(4b)を満たすことがさらに好ましい。
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.96×D2 (4a)
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.94×D2 (4b)
なお、第1の撹拌翼および第2の撹拌翼の最大径をD1(mm)としたが、第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14のいずれの径もが、式(4)、式(4a)、または式(4b)を満たすことがより好ましい。
本発明の溶融ガラス撹拌装置(2)では、リング翼の上端と、上流側の枝管の下端と、の距離が、−75mm〜+25mmである。
リング翼の上端と、上流側の枝管の下端との距離が+25mmより大きい場合、すなわち、リング翼の上端が、上流側の枝管の下端より25mm以上上方にある場合、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。また、リング翼の上端と、上流側の枝管の下端との距離が−75mmより小さい値である場合、すなわち、リング翼の上端が、上流側の枝管110の下端より75mm以上下方にある場合、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。
本発明の溶融ガラス攪拌装置(2)では、リング翼の上端と、上流側の枝管の下端と、の距離が、−50mm以上、0mm以下であることが好ましい。
リング翼の下端と、上流側の枝管の下端との距離が0mm以上の場合、すなわち、リング翼の下端が、上流側の枝管の下端と同一の高さであるか、または、上流側の枝管の下端より上方にある場合、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制できない。また、リング翼の下端と、上流側の枝管の下端との距離が−100mmより小さい値である場合、すなわち、リング翼の下端が、上流側の枝管の下端より100mm以上下方にある場合、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。
本発明の溶融ガラス攪拌装置(2)では、リング翼の下端と、上流側の枝管の下端と、の距離が、−50mm以上、0mm未満であることが好ましい。
位置基準が第2の撹拌翼の場合、該位置基準の直下に第1の撹拌翼が位置しており、かつ、位置基準より上方には第1の撹拌翼が存在しない。位置基準の直下に第2の撹拌翼が位置している場合や、位置基準より上方に第1の撹拌翼が存在している場合は、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。なお、位置基準の直下に第1の撹拌翼が位置しており、かつ、位置基準より上方に第1の撹拌翼が存在しなければよく、位置基準より下側に第1の撹拌翼が位置してもよい。
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管の下端との距離が0mm以上の場合、すなわち、撹拌翼の切り替え位置が、上流側の枝管の下端と同一の高さであるか、または、上流側の枝管の下端より上方にある場合、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。また、撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管の下端との距離が−250mmより小さい値である場合、すなわち、撹拌翼の切り替え位置が、上流側の枝管の下端より250mm以上下方にある場合、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導することができず、溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が大幅に減少する。
本発明の溶融ガラス攪拌装置において、撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管の下端と、の距離が、−200mm〜−50mmであることが好ましく、−150mm〜−50mmであることがより好ましい。
本発明の溶融ガラス攪拌装置(2)では、撹拌翼の第1群に含まれる第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力をF1とし、撹拌翼の第1群に含まれる第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力をF2とするとき、該F1およびF2が、第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の回転速度が5〜100rpmの条件で下記式(6)を満たすことが好ましい。
1.05 ≦ F2/F1 ≦ 1.5 (6)
F1およびF2が上記式(6)を満たしていれば、第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力F2が、第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力F1より若干強くなるため、リング翼が設けられた位置において、適度な強さの溶融ガラスの上昇流が形成される。これにより、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導する作用が促進される。その結果、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けがさらに抑制される。
F2/F1<1.05の場合、第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力F2と、第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力F1と、に有意な差が無いか、または、第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力F1のほうが強くなるため、リング翼が設けられた位置で溶融ガラスの下降流が形成されず、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導する作用が低下するおそれがある。そのため、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が低下するおそれがある。
一方、F2/F1>1.5の場合、第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力F2が、第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力F1より強すぎるため、リング翼が設けられた位置で形成される溶融ガラスの下降流が強くなり過ぎ、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスを、リング翼の内側に誘導する作用が低下するおそれがある。そのため、溶融ガラス攪拌装置(2)が設置された溶融ガラス搬送管(2)(主管)の壁面近傍の溶融ガラスのすり抜けを抑制する効果が低下するおそれがある。また、溶融ガラスの上昇流と下降流とが合流することによる撹拌作用が低下するために第1の撹拌翼および第2の撹拌翼による撹拌作用も低下するおそれがある。
F1およびF2が、第1の撹拌翼および第2の撹拌翼の回転速度が5〜100rpmの条件で下記式(6b)を満たすことがより好ましい。
1.2 ≦ F2/F1 ≦ 1.5 (6b)
本発明の適用対象は特に限定されないが、粘度100〜7000dPa・s、より好ましくは粘度200〜6000dPa・sの溶融ガラスを搬送量1〜50m3/(時間・S)(Sは搬送管の断面積)、より好ましくは搬送量2〜50m3/(時間・S)で搬送する溶融ガラス搬送管に対して適用することが好ましい。
また、本発明の溶融ガラスの攪拌方法は、攪拌後の溶融ガラスが均質性に優れることから、FPD用のガラス基板、光学用レンズ、光通信用ファイバ、光学フィルタ、太陽電池用基板、蛍光管のように、均質性についての要求がきわめて厳しい用途のガラスを製造する過程で実施される溶融ガラスの攪拌に適用することが好ましい。
本発明の板ガラス製造装置は、様々な用途の板ガラスの製造に適用可能であるが、FPD用のガラス基板のように、均質性についての要求がきわめて厳しい用途の板ガラス(特に板厚0.05〜0.7mm、好ましくは0.1mm以上、0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下)の製造に適用することが特に好ましい。
本発明の板ガラス製造装置を用いて板ガラスを製造することにより、未融解原料の混在がなく、透明性が高く、平坦度が高い板ガラスが得られる。
また、溶融ガラス搬送管内を搬送される流体に関する条件は以下の通りであり、該流体中にトレーサーを流し、流体の混合状態を、可視化により確認した。
粘度:400dPa・s
搬送量:30m3/(時間・S)
図3に示す本発明の溶融ガラス撹拌装置10aを溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。溶融ガラス撹拌装置の各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の最大径D1:80mm
リング翼15の外直径Dr:80mm
リング翼15の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+10mm
リング翼15の上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+30mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+45mm
撹拌翼の第1群16に含まれる第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力F1と、撹拌翼の第1群16に含まれる第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2と、の比F1/F2(第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の回転速度は21rpm):1.2
なお、上記した溶融ガラス搬送管の寸法、および、溶融ガラス撹拌装置の各部の寸法は、実際の溶融ガラス搬送管および該搬送管内に配置される溶融ガラス撹拌装置(以下、本明細書において、「実機」という)の寸法ではなく、これらの縮小モデルの寸法である。
図3に示すように、撹拌部12が設けられた中心軸11を時計廻りに回転させた。第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の回転速度は、縮小モデルと実機との流体力学上の相似条件で見た場合に、実機の回転速度で21rpmとなる回転速度とした。
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置10aが設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制されていた。
図4に示す本発明の溶融ガラス撹拌装置10cを溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。溶融ガラス撹拌装置10bの各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の最大径D1:80mm
リング翼15の外直径Dr:80mm
リング翼15の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+10mm
リング翼15の上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+30mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+80mm
撹拌翼の第1群16に含まれる第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力F1と、撹拌翼の第1群16に含まれる第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2と、の比F1/F2(第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の回転速度は21rpm):1.1
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置10cが設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制されていた。
図6に示す従来の溶融ガラス撹拌装置20を溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。溶融ガラス撹拌装置20は、中心軸21のうち、撹拌翼24およびリング翼25が設けられた撹拌部22の部分が、拡径した拡径部23となっている。該拡径部23の周囲に、中心軸21の軸方向において、上下方向に間隔を空けて7組の撹拌翼24が設けられており、中心軸21の軸方向における同位置には、中心軸の周方向に、間隔を空けて6つの撹拌翼24が設けられている。撹拌翼24が板状体からなり、その長軸は中心軸21と直交しており、その短軸は中心軸21と平行である。
溶融ガラス撹拌装置20の各部の寸法は以下の通り。
撹拌部22の最大径D1:80mm
リング翼25の外直径Dr:80mm
リング翼25の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:0mm
リング翼25の上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+20mm
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置20が設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制できなかった。
図7に示す溶融ガラス撹拌装置30を溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。溶融ガラス撹拌装置30は、リング翼が設けられていない以外は、図4に示す溶融ガラス撹拌装置10cと同様の構成である。
溶融ガラス撹拌装置30の各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼33および第2の撹拌翼34の最大径D1:80mm
一番下にある第2の撹拌翼34の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+10mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+80mm
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置30が設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制できなかった。
図8に示す溶融ガラス撹拌装置40を溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。
溶融ガラス撹拌装置40の各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼43および第2の撹拌翼44の最大径D1:80mm
リング翼45の外直径Dr:80mm
リング翼45の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+10mm
リング翼45の上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+30mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+45mm
撹拌翼の第1群46に含まれる第1の撹拌翼43による溶融ガラス流の上昇力F1と、撹拌翼の第1群46に含まれる第2の撹拌翼44による溶融ガラス流の下降力F2と、の比F1/F2(第1の撹拌翼43および第2の撹拌翼44の回転速度は21rpm):1.0
撹拌翼の第2群47に含まれる第1の撹拌翼43による溶融ガラス流の上昇力F3と、撹拌翼の第2群47に含まれる第2の撹拌翼44による溶融ガラス流の下降力F4と、の関係:F3=F4
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置40が設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制されたが、その効果は実施例1の約1/3であった。
図9に示す溶融ガラス撹拌装置50を溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。
溶融ガラス撹拌装置50の各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼53および第2の撹拌翼54の最大径D1:80mm
リング翼55の外直径Dr:80mm
リング翼55の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+45mm
リング翼55の上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+65mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+80mm
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置50が設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制できなかった。
図10に示す溶融ガラス撹拌装置10dを溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。溶融ガラス撹拌装置10dは、リング翼15bの厚みが溶融ガラス撹拌装置10aのリング翼15の厚みの1/4であること以外は、溶融ガラス撹拌装置10aと同様である。
溶融ガラス撹拌装置10dの各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の最大径D1:80mm
リング翼15bの外直径Dr:80mm
リング翼15bの下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+10mm
リング翼15bの上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+30mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+45mm
撹拌翼の第1群16に含まれる第1の撹拌翼13による溶融ガラス流の上昇力F1と、撹拌翼の第1群16に含まれる第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2と、の比F1/F2(第1の撹拌翼13および第2の撹拌翼14の回転速度は21rpm):1.2
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置10dが設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制されていた。
図11に示す溶融ガラス撹拌装置10eを溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。溶融ガラス撹拌装置10eは、リング翼15より下方の第1の撹拌翼13bの短軸の長さ(撹拌翼13bの板状体の短辺の長さ)を、他の第1の撹拌翼13の短軸の長さの1.4倍とした以外は、溶融ガラス撹拌装置10aと同様である。
溶融ガラス撹拌装置10eの各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼13,13b、および第2の撹拌翼14の最大径D1:80mm
リング翼15の外直径Dr:80mm
リング翼15の下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+10mm
リング翼15の上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+30mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+45mm
撹拌翼の第1群16に含まれる第1の撹拌翼13,13bによる溶融ガラス流の上昇力F1と、撹拌翼の第1群16に含まれる第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2と、の比F1/F2(第1の撹拌翼13,13bおよび第2の撹拌翼14の回転速度は21rpm):1.5
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置10eが設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制されていた。
図12に示す溶融ガラス撹拌装置10fを溶融ガラス搬送管の主管100内に設置して、攪拌した際の流体の挙動を評価した。溶融ガラス撹拌装置10fは、リング翼15bの厚みが溶融ガラス撹拌装置10aのリング翼15の厚みの1/4であること、およびリング翼15より下方の第1の撹拌翼13bの短軸の長さ(撹拌翼13bの板状体の短辺の長さ)を、他の第1の撹拌翼13の短軸の長さの1.4倍としたこと以外は、溶融ガラス撹拌装置10aと同様である。
溶融ガラス撹拌装置10fの各部の寸法は以下の通り。
第1の撹拌翼13,13b、および第2の撹拌翼14の最大径D1:80mm
リング翼15bの外直径Dr:80mm
リング翼15bの下端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+10mm
リング翼15bの上端と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+30mm
撹拌翼の切り替え位置と、上流側の枝管110の上端と、の距離:+45mm
撹拌翼の第1群16に含まれる第1の撹拌翼13,13bによる溶融ガラス流の上昇力F1と、撹拌翼の第1群16に含まれる第2の撹拌翼14による溶融ガラス流の下降力F2と、の比F1/F2(第1の撹拌翼13,13bおよび第2の撹拌翼14の回転速度は21rpm):1.5
溶融ガラスを模擬した流体では、溶融ガラス攪拌装置10fが設置された主管100の壁面近傍の流体のすり抜けが抑制されていた。
11,21,31,41,51:中心軸
12,22,32,42,52:撹拌部
13,13b,33,43,53:第1の撹拌翼
14,34,44,54:第2の撹拌翼
15,15b,25,45,55:リング翼
16,46:撹拌翼の第1群
17,47:撹拌翼の第2群
23:拡径部
100:溶融ガラス搬送管(主管)
110,120:溶融ガラス搬送管(枝管)
130,140:分岐管
Claims (13)
- 主管が垂直方向に配向しており、該主管の上流側と下流側にそれぞれ、枝管として、水平管が接続され、上流側の枝管が主管の下方に接続され、下流側の枝管が主管の上方に接続される構造の溶融ガラス搬送管の主管内で溶融ガラスを撹拌する溶融ガラス撹拌装置であって、
前記溶融ガラス攪拌装置は、回転可能な中心軸と、該中心軸に設けられた攪拌部と、で構成され、
前記攪拌部は、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの上昇流を発生させる第1の攪拌翼と、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの下降流を発生させる第2の攪拌翼と、前記中心軸と同軸をなす、円環形状をしたリング翼と、を含み、
前記撹拌部には、前記中心軸の軸方向に前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼が、それぞれ1つ以上設けられており、かつ、前記中心軸の軸方向における同位置には、前記中心軸の周方向に2つ以上の前記第1の撹拌翼または前記第2の撹拌翼が設けられており、
前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の最大径をD1(mm)とし、前記攪拌部が設置されている部位における前記溶融ガラス搬送管の直径をD2(mm)とし、前記リング翼の外直径をDr(mm)として、下記式(1)および下記式(2)を満たし、
前記上流側の枝管の上端に対し、上方の距離を正とし、下方の距離を負として、
前記リング翼の下端と、前記上流側の枝管の上端と、の距離が、−25mm〜+75mmであり、
前記リング翼の上端と、前記上流側の枝管の上端と、の距離が、0mm超、+100mm以下であり、
前記リング翼は、前記中心軸の軸方向における位置が、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼のうち、いずれか1つと一致しており、前記中心軸の軸方向における位置がリング翼と一致する前記第1の撹拌翼、または、前記第2の撹拌翼を、位置基準として、
前記位置基準が前記第1の撹拌翼の場合、該位置基準の直上には前記第2の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より下方には前記第2の撹拌翼が存在せず、
前記位置基準が前記第2の撹拌翼の場合、該位置基準の直下に前記第1の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より下方には前記第2の撹拌翼が存在せず、
前記中心軸の軸方向において、前記位置基準より上方には、互いに前記位置基準の直近にある前記第1の撹拌翼と、前記第2の撹拌翼と、の中間位置を、撹拌翼の切り替え位置として、該切り替え位置と、前記上流側の枝管の上端と、の距離が、0mm超、+250mm以下であることを特徴とする溶融ガラス撹拌装置。
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.98×D2 (1)
Dr ≦ D1 (2) - 前記切り替え位置と、前記上流側の枝管の上端と、の距離が、0mm超、+150mm以下である、請求項1に記載の溶融ガラス撹拌装置。
- 前記位置基準となる撹拌翼を中心として、上下方向にそれぞれ2組以内の第1の撹拌翼および第2の撹拌翼を、撹拌翼の第1群とし、前記第1群に含まれる第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力をF1とし、前記第1群に含まれる第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力をF2として、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の回転速度が5〜100rpmの条件で下記式(3)を満たす、請求項1または2に記載の溶融ガラス撹拌装置。
1.05 ≦ F1/F2 ≦ 1.5 (3) - 前記撹拌翼の第1群よりも上方に位置する第1の撹拌翼および第2の撹拌翼を、撹拌翼の第2群として、前記第2群に含まれる第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力をF3とし、前記第2群に含まれる第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力をF4として、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の回転速度が5〜100rpmの際、F3=F4となる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶融ガラス撹拌装置。
- 主管が垂直方向に配向しており、該主管の上流側と下流側にそれぞれ、枝管として、水平管が接続され、上流側の枝管が主管の上方に接続され、下流側の枝管が主管の下方に接続される構造の溶融ガラス搬送管の主管内で溶融ガラスを撹拌する溶融ガラス撹拌装置であって、
前記溶融ガラス攪拌装置は、回転可能な中心軸と、該中心軸に設けられた攪拌部と、で構成され、
前記攪拌部は、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの上昇流を発生させる第1の攪拌翼と、長軸が前記中心軸と直交する板状体からなり、前記主管内の溶融ガラスの下降流を発生させる第2の攪拌翼と、前記中心軸と同軸をなす、円環形状をしたリング翼と、を含み、
前記撹拌部には、前記中心軸の軸方向に前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼が、それぞれ1つ以上設けられており、かつ、前記中心軸の軸方向における同位置には、前記中心軸の周方向に2つ以上の前記第1の撹拌翼または前記第2の撹拌翼が設けられており、
前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の最大径をD1(mm)とし、前記攪拌部が設置されている部位における前記溶融ガラス搬送管の直径をD2(mm)とし、前記リング翼の外直径をDr(mm)として、下記式(4)および下記式(5)を満たし、
前記上流側の枝管の下端に対し、上方の距離を正とし、下方の距離を負として、
前記リング翼の上端と、前記上流側の枝管の下端と、の距離が、−75mm〜+25mmであり、
前記リング翼の下端と、前記上流側の枝管の下端と、の距離が、−100mm以上、0mm未満であり、
前記リング翼は、前記中心軸の軸方向における位置が、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼のうち、いずれか1つと一致しており、前記中心軸の軸方向における位置がリング翼と一致する前記第1の撹拌翼、または、前記第2の撹拌翼を、位置基準として、
前記位置基準が前記第1の撹拌翼の場合、該位置基準の直上には前記第2の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より上方には前記第1の撹拌翼が存在せず、
前記位置基準が前記第2の撹拌翼の場合、該位置基準の直下に前記第1の撹拌翼が位置しており、かつ、前記位置基準より上方には前記第1の撹拌翼が存在せず、
前記中心軸の軸方向において、前記位置基準より下方には、互いに前記位置基準の直近にある前記第1の撹拌翼と、前記第2の撹拌翼と、の中間位置を、撹拌翼の切り替え位置として、該切り替え位置と、前記上流側の枝管の下端と、の距離が、−250mm以上、0mm未満であることを特徴とする溶融ガラス撹拌装置。
0.7×D2 ≦ D1 ≦ 0.98×D2 (4)
Dr ≦ D1 (5) - 前記切り替え位置と、前記上流側の枝管の下端と、の距離が、−150mm以上、0mm未満である、請求項5に記載の溶融ガラス撹拌装置。
- 前記位置基準となる撹拌翼を中心として、上下方向にそれぞれ2組以内の第1の撹拌翼および第2の撹拌翼を、撹拌翼の第1群とし、前記第1群に含まれる第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力をF1とし、前記第1群に含まれる第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力をF2として、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の回転速度が5〜100rpmの条件で下記式(6)を満たす、請求項5または6に記載の溶融ガラス撹拌装置。
1.05 ≦ F2/F1 ≦ 1.5 (6) - 前記撹拌翼の第1群よりも下方に位置する第1の撹拌翼および第2の撹拌翼を、撹拌翼の第2群として、前記第2群に含まれる第1の撹拌翼による溶融ガラス流の上昇力をF3とし、前記第2群に含まれる第2の撹拌翼による溶融ガラス流の下降力をF4として、前記第1の撹拌翼および前記第2の撹拌翼の回転速度が5〜100rpmの際、F3=F4となる、請求項5〜7のいずれか一項に記載の溶融ガラス撹拌装置。
- 前記リング翼の厚みをtr(mm)として、該trと、前記リング翼の外直径Drと、が下記式(7)を満たす、請求項1〜8のいずれか一項に記載の溶融ガラス撹拌装置。
0.001×Dr ≦ tr ≦ 0.5×Dr (7) - 板ガラス成形装置、ガラス溶解装置、および、前記ガラス溶解装置と前記板ガラス成形装置との間に設けられた溶融ガラス搬送管を有する板ガラス製造装置であって、
前記溶融ガラス搬送管に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の溶融ガラス攪拌装置が少なくとも1つ設けられた板ガラス製造装置。 - 前記ガラス溶解装置と、前記板ガラス成形装置と、の間に設けられた清澄装置をさらに有し、前記溶融ガラス搬送管が、前記ガラス溶解装置と前記清澄装置との間に設けられた第1の溶融ガラス搬送管と、前記清澄装置と前記板ガラス成形装置との間に設けられた第2の溶融ガラス搬送管と、を有し、少なくとも、前記第1の溶融ガラス搬送管に、前記溶融ガラス攪拌装置が設けられている、請求項10に記載の板ガラス製造装置。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の溶融ガラス攪拌装置を用いた溶融ガラス攪拌方法。
- 請求項10または11に記載の板ガラス製造装置を用いた板ガラス製造方法。
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