JP2016050148A - ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】脈理が発生する位置をずらすことにより、歩留まりを向上させることができるガラス板の製造方法等を提供する。
【解決手段】異質ガラスを含む溶融ガラスを、一端から他端に向かって下りながら移送管に流すことにより、溶融ガラスを成形装置に供給する供給工程と、供給された溶融ガラスを成形装置から流下させて、幅方向の端部と端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形工程と、を備え、供給工程では、成形装置に溶融ガラスを供給する移送管の他端において、異質ガラスが、幅方向中央領域より外側になるよう溶融ガラスの流れを制御し、成形工程では、幅方向中央領域より外側に異質ガラスを流下させる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)のガラス基板に用いられるガラス板では、ガラス表面に高い平坦度が要求される。近年では、ガラス表面の平坦度に対する要求品質がますます高まってきている。
このようなFPDガラス基用のガラス板は、オーバーフローダウンドロー法によって製造されることが多い。オーバーフローダウンドロー法では、溶融ガラスを成形装置に供給することで帯状のガラスリボンが連続的に成形される。その際、ガラスリボンが下方へ引き下げられ、その引き下げ速度によって厚みの調整が行われる。その後、ガラスリボンが所定長さで切断されて、ガラス板が製造される。
ところで、例えばTFT液晶ディスプレイ用のガラス板には高い熱的安定性が求められるため、このガラス板の製造にはそれを実現するように調製されたガラス原料が用いられる。このようなガラス原料は通常は難溶性であるために、溶融ガラス中に脈理(周りの部分と成分が異なった部分)が発生しやすくなる。そして、溶融ガラス中に脈理が存在すると、成形装置で成形されるガラスリボンを引き下げる際に周りの部分と脈理との粘性の違いによってそれらの引き伸ばされ方が異なるために、ガラス表面の平坦度が悪化することになる。
このような脈理の問題に対し、例えば特許文献1には、平均粒径が30〜60μmのシリカ原料を使用することで、脈理の発生を抑える技術が開示されている。
特開2004−67408号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術を用いても脈理を完全にゼロにすることはできず、製造したガラス板がガラス表面の平坦度に対する要求品質を満たさずに製品として使用できないことがある。そこで、ガラス板を製造する際の歩留まりを改善することが望まれる。
そこで本発明は、このような事情に鑑み、脈理が発生する位置をずらすことにより、歩留まりを向上させることができるガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス板の製造方法であって、
異質ガラスを含む溶融ガラスを、一端から他端に向かって下りながら移送管に流すことにより、前記溶融ガラスを成形装置に供給する供給工程と、
前記供給された溶融ガラスを前記成形装置から流下させて、幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形工程と、を備え、
前記供給工程では、前記成形装置に前記溶融ガラスを供給する前記移送管の他端において、前記異質ガラスが、前記幅方向中央領域より外側になるよう前記溶融ガラスの流れを制御し、
前記成形工程では、前記幅方向中央領域より外側に前記異質ガラスを流下させる、
ことを特徴とする。
前記供給工程では、前記移送管の頭頂部に位置する前記異質ガラスが前記幅方向中央領域より外側になるよう前記溶融ガラスを円周方向に回転させる、ことが好ましい。
前記供給工程では、前記移送管の他端において、前記移送管の管中心を中心とした前記移送管の頭頂部からのなす角度が10°以上となる位置に、前記異質ガラスが流れるよう前記溶融ガラスの流れを制御する、ことが好ましい。
前記異質ガラスは、SiO成分を含む、ことが好ましい。
本発明の他の態様は、ガラス板の製造装置であって、
異質ガラスを含む溶融ガラスを、一端から他端に向かって下りながら流すことにより、前記溶融ガラスを移送する移送管と、
前記移送された溶融ガラスを流下させて、幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形装置と、を備え、
前記移送管では、前記成形装置に前記溶融ガラスを供給する前記移送管の他端において、前記異質ガラスが、前記幅方向中央領域より外側になるよう前記溶融ガラスの流れを制御し、
前記成形装置は、前記幅方向中央領域より外側に前記異質ガラスを流下させる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、脈理が発生する位置をずらすことにより、歩留まりを向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るガラス板の製造装置を概略的に示す斜視図である。 図1に示したガラス板の製造装置の正面図である。 図1に示したガラス板の製造装置の側面図である。 図1のIV−IV線に対応する、成形装置の断面図である。 (a)は図1のVA−VA線に対応する、移送管の一端の断面図、(b)は図1のVB−VB線に対応する、移送管の他端の断面図である。 第2移送管の他端における溶融ガラスが、成形装置においてオーバーフローする位置を説明するための図である。 図1に示したガラス板の製造装置の概略上面図である。 撹拌体を設けた第2移送管4の管断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。な
お、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係るガラス板の製造装置は、溶融ガラスを生成するための熔解槽1と、溶融ガラスを清澄するための清澄槽3と、溶融ガラスから帯状のガラスリボンを成形する成形装置5とを備えている。なお、図1〜図3中には、水平面上の直交する2方向をX方向およびY方向、鉛直方向をZ方向で示している。
本実施形態では、溶解槽1と清澄槽3がX方向に並んでおり、成形装置5が溶解槽1から−Y方向に向かって斜め下に配置されている。そして、熔解槽1と清澄槽3とがX方向に延びる直線状の第1移送管2で接続され、清澄槽3と成形装置5とが平面視でY方向からX方向に曲がる第2移送管4で接続されている。
熔解槽1では、当該溶解槽1に投入されたガラス原料が溶解されて溶融ガラスが生成される。熔解槽1に投入されるガラス原料は、例えばTFT用のガラス板を製造する場合は、モル%で表示して、SiO:50〜70%、B:5〜15%、Al:5〜15%、MgO:0〜3%、CaO:3〜10%、SrO:1〜3%、BaO:0〜5%、NaO:0〜1%、KO:0〜1%、As:0〜1%を含むように調製される。また、ガラス原料は、上記の成分以外に、Sb、Fe、SnO、ZrO、Clなどを好ましくは2モル%以下の範囲で含んでいてもよい。
溶解槽1で生成された溶融ガラスは、第1移送管2を通じて清澄槽3に送り込まれる。清澄槽3では、溶融ガラスが一定時間、所定温度(上記の組成のガラスの場合は例えば1500℃以上)に保たれて、清澄(溶融ガラス中からの気泡の除去など)が行われる。溶解槽1において溶融ガラスを清澄する工程が、清澄工程である。
第2移送管4は、清澄槽3で清澄された溶融ガラスを成形に適した温度(上記の組成のガラスの場合は例えば1200℃程度)となるように温度調整(冷却)しながら成形装置5に導くものである。清澄された溶融ガラスを、第2移送管4を通じて、一端から他端に向かって下りながら、例えば、側方に曲げて回線させながら、成形装置5に供給する工程が、供給工程である。溶融ガラスには、ガラス板の成形時に脈理の原因となる異質ガラスが含まれるため、この異質ガラスも第2移送管4を通じて成形装置5に流れる。なお、第2移送管4の詳細については、後述にて説明する。
成形装置5は、下向きに尖る五角形楔状(幅狭のホームベース状)の断面形状でX方向に延びており、その上面には、−X方向に向かって段々と深さが浅くなる溝51が形成されている。そして、溝51内には、第2移送管4から−X方向に向かって溶融ガラスが供給されるようになっている。溝51内に供給される溶融ガラスは、成形装置5の入口側5a(+X方向側)から、成形装置5の中央位置5cを通り、奥側5b(−X方向側)に向かって徐々に流れる。溝51内に溶融ガラスが供給されると、図4に示すように、溶融ガラス6が溝51から+Y方向側と−Y方向側の両側にオーバーフローする。オーバーフローした溶融ガラス6は、壁面52に沿って流下することで、壁面52の下端部同士が交わる稜線の下方で融合する。これにより、帯状のガラスリボン60が連続的に成形される。なお、図示は省略するが、成形装置5には、壁面52に沿って流下する溶融ガラス6の幅を規制するガイドが設けられている。また、成形装置5で成形されるガラスリボン60は、図略の引き下げ装置によって下方に引き下げられる。その後、成形されたガラスリボン60は所定のサイズに切断され、また、ガラスリボン60の幅方向の両端部付近が切断される。供給された溶融ガラス6を成形装置5から流下させてガラスリボン60を成形する工程が、成形工程である。ガラスリボン60は、幅方向の端部と端部に挟まれた幅方向中央領域とを有し、厚さが一定となっている幅方向中央領域が製品となる。
次に、第2移送管4について詳細に説明する。第2移送管4は、円形断面を有しており、一端4aが清澄槽3の−Y方向側の側面に接続され、他端4bが成形装置5の+X方向側の端面に接続されている。そして、第2移送管4は、一端4aから他端4bに向かって下りながら成形装置方向に、例えば、90°曲がっている。
より詳しくは、第2移送管4は、清澄槽3の側面から−Y方向に向かって真っ直ぐに下る上流側直線部41と、成形装置5の+X方向側の端面へ−X方向に向かって真っ直ぐに下る下流側直線部43とを有するとともに、これら41,43をつなぐ四半円弧状の屈曲部42とを有している。
なお、図1〜図3では、簡略化のために第2移送管4を1本の管で描いているが、実際の第2移送管4は、軸方向に所定長さで複数ブロックに分割されている。各ブロックは、白金または白金合金で構成された肉厚が例えば0.5〜1.5mm程度の短管であり、その両端には電極が接続されたフランジが設けられている。そして、各ブロックは、短管に通電によるジュール熱を発生させることで溶融ガラスを適当な温度に保つ。また、各ブロックは、外側を耐火煉瓦で取り囲まれている。
第2移送管4の勾配は、全長に亘って一定であってもよく、上流側直線部41、下流側直線部43、屈曲部42での勾配を変えることもできる。
本実施形態では、屈曲部42は、平面視で真円と重なる円弧状をなしている。すなわち、屈曲部42は、前記の傾斜面上では、楕円と重なるようになっている。この屈曲部42の中心線を水平面上に投影したときの半径は、例えば2.5mである。ただし、屈曲部42は、前記の傾斜面上で真円と重なるような円弧状となっていてもよい。あるいは、屈曲部42は、略円弧状に曲がるものであればよく、例えば直線状の前記のブロックが角度を付けながらつなげられることにより、中心線が複数本の直線で構成されるようになっていてもよい。
第2移送管4は、全長に亘って一定径であってもよいが、例えば、上流側直線部41の全体または一部分を下流に向かって拡径するテーパー状にするとともに、下流側直線部43の全体または一部分を下流に向かって縮径するテーパー状にしてもよい。
次に、以上説明したガラス板の成形装置の作用を説明する。
溶解槽1から清澄槽3でメルティングセグリゲーションにより発生したSiO成分を多く含む異質ガラスが発生すると、脈理の原因となる。この脈理は、所定の幅においてガラス板の厚み(高さ)が変動した歪みの一種であり、ガラス板の搬送方向に筋状に連続的に発生する。このSiOを多く含む異質ガラスは周りの溶融ガラスより僅かに比重が軽いため、成形装置5に導く第2移送管4内の上部に多く流れ込む。また、溶解槽1から清澄槽3ではBなどが揮発することで、表面(上部)層の溶融ガラスはSiO濃度が高くなり、これがそのまま第2移送管4内に流れ込むと脈理になってしまう。このため、清澄槽3から第2移送管4内に流れ込んだ直後の溶融ガラス6では、図5(a)に示すように、上側の90°の第1角度領域Aには脈理が相対的に多く存在し、下側の90°の第3角度領域Cには脈理があまり存在しない。その間の第2角度領域Bおよび第4角度領域Dでは、第1角度領域Aにおける析出量と第3角度領域Cにおける析出量の中間程度の量の脈理が存在する。
そして、本実施形態の第2移送管4は、下りながら右側に折れ曲がっているので、第2移送管4を流れる溶融ガラス6は、その粘性および自重によって第2移送管4から受ける抵抗力と、屈曲部42における内側と外側との経路長の違いとにより、第2移送管4から受ける抵抗力の小さな上側の溶融ガラスが外側に押し流されるようにして屈曲部42を通過するようになる。すなわち、溶融ガラス6は、左に捩られるようにして第2移送管4を流れ、これにより第2移送管4の他端4bでは、図5(b)に示すように、溶融ガラス6が時計回りに回転し、脈理の量が多い第1角度領域Aが−Y方向に偏り、脈理の量が少ない第3角度領域Cが+Y方向に偏る。換言すれば、溶融ガラス6は、第2移送管4を流れることにより、進行方向から見て(図1中のVA,VB矢指方向視で)時計回りに回転させられながら成形装置5に供給される。また、第2移送管4を流れる溶融ガラス6が屈曲部42を通過する際には、慣性力により発生する円周方向の回転力の影響を受けるため、第2移送管4の他端4bにおける溶融ガラス6は、第2移送管4の一端4aにおける溶融ガラス6に対して、外周側に回転した分布を有することとなる。
成形装置5に供給された溶融ガラスは、図2に示すように、成形装置5の入口側5a(+X方向側)から奥側5b(−X方向側)に向かって徐々に流れる。このとき、第2移送管4の他端4bから成形装置5に供給される溶融ガラスは、第2移送管4の他端4b内での位置により、成形装置5においてオーバーフローする位置が決まる。図6は、第2移送管4の他端4bにおける溶融ガラスが、成形装置5においてオーバーフローする位置を説明するための図である。図6では、説明を簡略化するために、図5(b)に示す第1角度領域A及び第2角度領域Bのみを示している。図6に示す位置A付近にある溶融ガラスは、成形装置5では入口側である図2に示す位置5a付近からオーバーフローし、位置B付近にある溶融ガラスは、成形装置5では奥側である図2に示す位置5b付近からオーバーフローし、位置C付近にある溶融ガラスは、成形装置5では中央付近である図2に示す位置5c付近からオーバーフローする。ここで、図6に示す位置Aは、第2移送管4の管中心Oを中心とした第2移送管4の頭頂部Tから角度θaをなす位置にあり、位置Bは、第2移送管4の頭頂部Tから角度θbをなす位置にあり、位置Cは、第2移送管4の頭頂部Tから角度θcをなす位置にあり、0<θb<θc<θa<90°である。角度θaは、例えば、10°〜89°であり、角度θbは、例えば、3°〜9°である。成形装置5に供給される溶融ガラスは適度な粘性を有し、成形装置5の溝51内では攪拌されることがないため、第2移送管4の他端4bに位置する溶融ガラスが、成形装置5においてオーバーフローする位置は変化することなく、継続する。このため、図5(b)に示す第1角度領域Aに多く存在する脈理の原因となる異質な溶融ガラス(異質ガラス)がオーバーフローする位置は一定である。脈理が発生する位置が成形装置5における位置5a、5b付近である場合には、ガラスリボン60の幅方向の両端部付近に位置し、この両端部付近は切断され、ガラスリボン60の製品領域とならないため、問題となることはない。しかし、脈理が発生する位置が成形装置5における中央付近5cである場合、ガラスリボン60の両端部で挟まれた中央領域(製品領域)であるため問題となる。このため、第2移送管4の他端4bに位置する脈理の原因となる異質な溶融ガラスが、図6における位置Aから位置C、位置Cから位置Bに存在しないように、溶融ガラスの流れを制御することにより、ガラスリボン60の製品領域に脈理が発生することを防ぐことができる。つまり、第2移送管4の他端4bに位置する異質な溶融ガラスが、第2移送管4の頭頂部からの角度がθa以上の位置に存在するよう溶融ガラスの流れを制御する。第2移送管4の他端4bにおいて、角度がθa未満に位置する溶融ガラスは、成形装置5から流下してガラス板が成形される。
第2移送管4の他端4bにおいて、異質な溶融ガラスが位置Aから位置C、位置Cから位置Bに存在しないようにする方法を以下で説明する。
図7は、図1に示したガラス板の製造装置の概略上面図である。図7では、上流側直線部41と下流側直線部43とを省略した第2移送管4としている。本実施形態では、清澄槽3と成形装置5とを接続する第2移送管4の一端4aと他端4bとのなす角度θが、90°になるようにする。角度θを90°より大きくすることにより、図5(a)、(b)に示す第1角度領域Aが、時計回りに回転しながら移動するため、図6に示す位置A〜C、位置C〜Bから外れる。第1角度領域Aには脈理が相対的に多く存在するため、この第1角度領域Aが図6に示す位置A〜C、位置C〜Bから外れ、例えば位置Dに存在するように溶融ガラスの流れを制御することにより、脈理の発生を防ぐことができる。
また、第2移送管4の屈曲部42の中心線を水平面上に投影したときの半径が、例えば2.5m以上になるようにする。第2移送管4の屈曲部42の半径を2.5mより大きくすることにより、溶融ガラスが第2移送管4(屈曲部42)に滞在する時間が長くなる。これにより、図5(a)、(b)に示す第1角度領域Aが、時計回りに回転しながら移動する時間が長くなるため、図6に示す位置A〜C、位置C〜Bから外れる。第1角度領域Aが図6に示す位置A〜C、位置C〜Bから外れ、例えば位置Dに存在するように溶融ガラスの流れを制御することにより、脈理の発生を防ぐことができる。
また、一端4aから他端4bまでの第2移送管4の勾配が、10°以下になるようにする。また、第2移送管4の一端4aと他端4bとのなす角度θを80°以上になるようにする。第2移送管4の勾配を10°より小さくすることにより、溶融ガラスが第2移送管4を流れる時間を延ばす。溶融ガラスが第2移送管4に滞在する時間を長くすることにより、図5(a)、(b)に示す第1角度領域Aが、時計回りに回転しながら移動する時間が長くなるため、図6に示す位置A〜C、位置C〜Bから外れる。第1角度領域Aが図6に示す位置A〜C、位置C〜Bから外れ、例えば位置Dに存在するように溶融ガラスの流れを制御することにより、脈理の発生を防ぐことができる。
また、第2移送管4内に溶融ガラスを攪拌する撹拌体を設ける。撹拌体は、第2移送管4内で静止(固定)させておき、溶融ガラスの流れを妨げたり、分割させたりすることによってその流れの方向を変化させ、溶融ガラスに撹拌力を与える静的撹拌体(いわゆるスタティックミキサあるいはスタティックスターラ)である。静的撹拌体は、駆動源を必要とせず、また管路内に配置しておけば、溶融ガラスの流れに応じて静的撹拌体が回転し、溶融ガラスに撹拌力を与える。図8は、撹拌体を設けた第2移送管4の断面図である。撹拌体Mは、板状の部材を右ネジ方向へ180°捻った複数の右捻り片M1と、板状部材を左ネジ方向へ180°捻った複数の左捻り片M2とからなり、これらの右捻り片M1と左捻り片M2とを第2移送管4内に交互に固定して設けた構成とされている。ここで右捻り片M1と左捻り片M2との突き合せ部分では、それぞれの端部が例えば90°の位相差をもって接するように位置決めされている。第2移送管4内を溶融ガラスが流れると、熔融ガラスは、撹拌体Mの右捻り片M1、左捻り片M2によって交互に逆方向へ旋回せしめられる。そしてまた右捻り片M1と左捻り片M2との突き合せ部分では両者の位相が90°異なっているため、熔融ガラスの流れが分割され、かつその突き合せ部分が複数個所に存在するところから、流れの分割が多重に行なわれることになる。そしてこれらの作用が相俟って第2移送管4の横断方向へも熔融ガラスが撹拌されることになる。これにより、第2移送管の頭頂部に位置する異質ガラスが、ガラス板の中央領域より外側になるよう溶融ガラスを円周方向に回転させることができる。
なお、第2移送管4内において異質な溶融ガラスを攪拌し、異質な溶融ガラスが、成形されるガラスリボン60の製品領域外に流れるようにできればよいため、撹拌体の形状、設置位置、設置数等は、任意である。撹拌体を設けることにより、第2移送管4の一端4aと他端4bとのなす角度θ、及び、一端4aから他端4bまでの第2移送管4の勾配が、任意であっても、図5(a)、(b)に示す第1角度領域Aを、図6に示す位置A〜C、位置C〜Bから外すことができるため、脈理の発生を防ぐことができる。
また、第2移送管4から成形装置5に入る溶融ガラスの流量を抑制する。成形装置5に入る溶融ガラスの流量を抑制する方法は任意であり、例えば、清澄槽3から第2移送管4に流す溶融ガラスの流量を抑制する、成形装置5においてガラスリボン60を下方に引き下げる速度を抑制する、第2移送管4の屈曲部42の直径をφ210mmより小さくする等があげられる。
以上、説明したように、第2移送管4の他端4bにある異質な溶融ガラスを第2移送管4の頭頂部からの角度がθa以上の位置に存在するよう溶融ガラスの流れを制御することにより、脈理が発生する位置を成形装置5で成形するガラスリボン60の製品領域から外すことができる。また、脈理が発生する位置がガラスリボン60の製品領域外となるため、製品として使用できるガラス板の割合を増やして、歩留まりを向上させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら制限されるものではない。
第2移送管4を流れる異質な溶融ガラスが回転することを確認するために行ったシミュレーションについて説明する。
シミュレーションで作成した第2移送管4のモデルでは、前記実施形態で例示した寸法を採用し、上流側直線部41および下流側直線部43の長さをそれぞれ約2mとした。また、第2移送管4を流れる溶融ガラスの流量を28.9cm3/s、その温度を一定の1490℃(粘度67.6Pa・s)とした。また、清澄槽3と成形装置5とを接続する第2移送管4の一端4aと他端4bとのなす角度θが90°になるよう設定した。また、製造するガラス板は、横(X方向の幅)1300mm、縦(Y方向の長さ)1100、厚さ0.7mmとした。
このシミュレーションによる解析結果では、第2移送管4を流れることで異質な溶融ガラスが、第2移送管4の頭頂部から10°以上時計回りに回転した。第2移送管4の他端4bにおいて、第2移送管4の頭頂部から10°以上時計回りに回転した位置にある溶融ガラスよりガラスリボン(ガラス板)を製造すると、ガラス板の横幅1300mmの範囲内においては、脈理は発生しなかった。
この結果から、第2移送管4の他端4bにおいて、脈理の発生原因である異質な溶融ガラスが第2移送管4の頭頂部から10°以上時計回りに回転した位置に存在するよう溶融ガラスの流れを制御することにより、脈理の発生位置をずらし、脈理の発生を防ぐことができた。
1 溶解槽
2 第1移送管
3 清澄槽
4 第2移送管
4a 一端
4b 他端
42 屈曲部
5 成形装置

Claims (5)

  1. 異質ガラスを含む溶融ガラスを、一端から他端に向かって下りながら移送管に流すことにより、前記溶融ガラスを成形装置に供給する供給工程と、
    前記供給された溶融ガラスを前記成形装置から流下させて、幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形工程と、を備え、
    前記供給工程では、前記成形装置に前記溶融ガラスを供給する前記移送管の他端において、前記異質ガラスが、前記幅方向中央領域より外側になるよう前記溶融ガラスの流れを制御し、
    前記成形工程では、前記幅方向中央領域より外側に前記異質ガラスを流下させる、
    ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記供給工程では、前記移送管の頭頂部に位置する前記異質ガラスが前記幅方向中央領域より外側になるよう前記溶融ガラスを円周方向に回転させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記供給工程では、前記移送管の他端において、前記移送管の管中心を中心とした前記移送管の頭頂部からのなす角度が10°以上となる位置に、前記異質ガラスが流れるよう前記溶融ガラスの流れを制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記異質ガラスは、SiO成分を含む、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 異質ガラスを含む溶融ガラスを、一端から他端に向かって下りながら流すことにより、前記溶融ガラスを移送する移送管と、
    前記移送された溶融ガラスを流下させて、幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形装置と、を備え、
    前記移送管では、前記成形装置に前記溶融ガラスを供給する前記移送管の他端において、前記異質ガラスが、前記幅方向中央領域より外側になるよう前記溶融ガラスの流れを制御し、
    前記成形装置は、前記幅方向中央領域より外側に前記異質ガラスを流下させる、
    ことを特徴とするガラス板の製造装置。
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