JP7280673B2 - 発泡複合シート - Google Patents
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Description
近年、携帯電話、パーソナルコンピューター等のIT機器、デジカメ、小型ビデオカメラ等の各種電子機器においては、製品の小型化、薄型化に伴い、これら電子機器内部で使用される架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体シートも薄層化することが望まれている。薄層化した架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体シートは、一般に衝撃吸収性、柔軟性が低いため、電子機器内部で使用した場合に、緩衝材としての機能を十分に果たすことが難しい。これを改善するため、衝撃吸収性、柔軟性を高める観点から、エラストマー樹脂を含有させた発泡体に関する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、本発明は、次の[1]~[8]を提供するものである。
[1]エラストマー樹脂を含有する発泡シートと、前記発泡シートの少なくとも一方の面に積層された樹脂層とを備える発泡複合シートであって、MD方向の引張弾性率が15MPa以上であり、TD方向の引張弾性率が25MPa以上である、発泡複合シート。
[2]MD方向の150%モジュラスが3.0MPa以上であり、TD方向の150%モジュラスが2.5MPa以上である、上記[1]に記載の発泡複合シート。
[3]MD方向の伸び率が200%以上であり、TD方向の伸び率が100%以上である、上記[1]又は[2]に記載の発泡複合シート。
[4]エラストマー樹脂が、オレフィン系エラストマー樹脂、塩ビ系エラストマー樹脂、及びスチレン系エラストマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の発泡複合シート。
[5]前記樹脂層が、オレフィン系樹脂、塩ビ系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びアイオノマー系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の発泡複合シート。
[6]前記発泡シートの厚みが0.05~1.5mmであり、前記樹脂層の厚みが0.01~0.1mmである、上記[1]~[5]のいずれかに記載の発泡複合シート。
[7]前記発泡シートの発泡倍率が1.1~10cm3/gである、上記[1]~[6]のいずれかに記載の発泡複合シート。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載の発泡複合シートと、該発泡複合シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備える、粘着テープ。
[発泡複合シート]
本発明の発泡複合シートは、エラストマー樹脂を含有する発泡シートと、該発泡シートの少なくとも一方の面に積層された樹脂層とを備えている。一般に、エラストマー樹脂を含有する発泡シートは、引張応力による破断が生じやすく、生産加工性が悪くなりやすい。本発明の発泡複合シートは、発泡シートの少なくとも一方の面に樹脂層を設けており、これにより伸びによる破断を抑制している。また、発泡シートにエラストマー樹脂を含有させているので、衝撃吸収性にも優れている。
本発明の発泡複合シートのMD方向の引張弾性率は15MPa以上であり、TD方向の引張弾性率が25MPa以上である。引張弾性率は、弾性限界内における外力に対する変形抵抗度の指標となる。発泡複合シートのMD方向の引張弾性率が15MPa未満、又はTD方向の引張弾性率が25MPa未満であると、引張応力に起因する発泡複合シートの破断が生じやすくなり、生産加工性が低下する。
MD方向の引張弾性率は、好ましくは50MPa以上であり、より好ましくは100MPa以上である。また、TD方向の引張弾性率は、好ましくは30MPa以上であり、より好ましくは50MPa以上である。引張弾性率が上記のとおりであると、引張応力に起因する発泡複合シートの破断が生じにくくなり、生産加工性が向上しやすくなる。
本発明の発泡複合シートのMD及びTD方向の引張弾性率は、柔軟性、使用対象である部材に対する形状追従性などを考慮すると、それぞれ、700MPa以下であることが好ましく、500MPa以下であることがより好ましい。
なお、本発明において「MD」は、Machine Directionを意味し、発泡シートの押出方向等と一致する方向を意味する。また、「TD」は、Transverse Directionを意味し、MDに直交しかつ発泡シートに平行な方向を意味する。
本発明の発泡複合シートのMD方向の150%モジュラスは、好ましくは3.0MPa以上であり、TD方向の150%モジュラスは、好ましくは2.5MPa以上である。モジュラスは、発泡複合シートの伸び難さの指標となり、MD方向及びTD方向の150%モジュラスをこのように調整することにより、生産加工プロセス中に引張応力が生じた際の伸びを抑制することができる。
発泡複合シートの伸びをより抑制する観点から、MD方向の150%モジュラスは、3.5MPa以上であることが好ましく、3.8MPa以上であることがより好ましい。同様の観点から、TD方向の150%モジュラスは、2.7MPa以上であることが好ましく、2.9MPa以上であることがより好ましい。発泡複合シートのMD方向及びTD方向の150%モジュラスは、柔軟性、使用しやすさなどの観点から、10MPa以下とすることが好ましい。
150%モジュラス及び引張弾性率を上記のとおり調整した発泡複合シートは、伸び難く、破れ難いため、厚みの変動、シート破れが高度に抑制され、優れた生産加工性を確保することができる。
なお、150%モジュラスは、発泡複合シートの150%伸張時の応力から求めることができ、実施例に記載の方法で測定することができる。300%モジュラス、600%モジュラス、900%モジュラスも同様である。
本発明の発泡複合シートのMD方向の伸び率は好ましくは200%以上であり、TD方向の伸び率は好ましくは100%以上である。伸び率は、発泡複合シートをどの程度伸ばすことができるかを示す物性値である。発泡複合シートの伸び率が上記のとおりであると、例えば、成形性が向上したり、あるいは電子機器内部の部材間に配置する場合などにおいて、形状追従性が向上したりするため好ましい。
発泡複合シートのMD方向の伸び率は400%以上であることがより好ましく、600%以上であることが更に好ましく、そして通常は1100%以下である。また、発泡複合シートにTD方向の伸び率は400%以上であることがより好ましく、600%以上であることが更に好ましく、そして通常は1100%以下である。
伸び率は、発泡シートの組成、発泡シートに積層される樹脂層の有無などにより調整することができる。特に、エラストマー樹脂を含有する発泡シートは、伸び率を大きくすることが可能となる。
伸び率は、引張始めてから破断するまでにどれだけ伸びたかを示すものであり、実施例に記載の方法で測定することができる。
発泡シートは、エラストマー樹脂を含有する。エラストマー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系エラストマー樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、塩ビ系エラストマー樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリアミド系エラストマー樹脂などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エラストマー樹脂としては、衝撃吸収性を向上させる観点から、オレフィン系エラストマー樹脂、塩ビ系エラストマー樹脂、及びスチレン系エラストマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、中でもオレフィン系エラストマー樹脂、スチレン系エラストマー樹脂であることがより好ましい。
上記したスチレン系エラストマー樹脂の中でも、発泡複合シートの衝撃吸収性をより向上させる観点から、SEBS、SEBCが好ましく、SEBSがより好ましい。
SEBSの市販品としては、例えばJSR社製のDYNARON8600P、DYNARON8300P、DYNARON8903P、DYNARON9901Pなどが挙げられる。
SEBCの市販品としては、例えばJSR社製のDYNARON4600Pなどが挙げられる。
また、発泡シート中のエラストマー樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、そして100質量%以下である。
発泡シートの発泡倍率は、発泡シートの密度の逆数で表される。
なお、樹脂層の総厚みとは、樹脂層が発泡シートの片面のみに設けられている場合は該樹脂層の厚みを、両面に設けられている場合は、両面に設けられているそれぞれの樹脂層の厚みの和を意味する。
熱分解型発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤が使用可能である。有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミドがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡性樹脂組成物における熱分解型発泡剤の配合量は、エラストマー樹脂100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、2~15質量部がより好ましく、3~10質量部が更に好ましい。
発泡性樹脂組成物は、必要に応じて、上記以外にも、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材等の発泡体に一般的に使用する添加剤を含有していてもよい。
本発明の発泡複合シートは、発泡シートの少なくとも一方の面に樹脂層が積層されている。発泡シートに樹脂層を積層することにより、150%モジュラスなどの各モジュラス値、及び引張弾性率を高めることができ、発泡複合シートの伸びによる破断を抑制することができる。樹脂層は、発泡シートの一方の面に積層されていても、両方の面に積層されていてもよいが、150%モジュラスなどの各モジュラス値、及び引張弾性率をより高める観点から、両方の面に積層されていることが好ましい。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられるが、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンを主成分とするエチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレンを主成分とするエチレン-エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。これらの中でも、発泡複合シートの生産加工性をより向上させる観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。高密度ポリエチレンの密度は0.94g/cm3以上であることが好ましく、0.942~0.970g/cm3であることがより好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ブチレン-プロピレン共重合体などを挙げられる。
発泡シートの両面に樹脂層を設ける場合は、それぞれの樹脂層の種類及び厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
本発明の発泡複合シートの製造方法は、特に限定されない。例えば、発泡シートと樹脂層を別々に準備して、これらを貼り合わして製造してもよいが、以下の工程I~IIIを含む方法により製造することが好ましい。
(I)発泡性樹脂組成物からなる層と、該層の少なくとも一方の面に形成された樹脂層とを備えた多層積層体シートを得る工程
(II)工程(I)で得た多層積層体シートを架橋する工程
(III)架橋した多層積層体シートの発泡性樹脂組成物からなる層を発泡させることにより、発泡複合シートを得る工程
(工程(I))
工程(I)において多層積層体シートを得る方法としては、特に限定されないが、共押出成形により行うことが好ましい。
次いで、第1及び第2の押出機から供給された樹脂材料を合流させて、Tダイ等によりシート状に押出すことにより、2層構造の多層積層体シートを得ることができる。この具体例の場合は、発泡性樹脂組成物からなる層と、該層の一方の面に形成された樹脂層とを備えた多層積層体シートを得ることができる。
次いで、第1~第3の押出機から供給された樹脂材料を、第2の押出機の組成物が中層になるように合流させて、Tダイ等によりシート状に押出すことにより、3層構造の多層積層体シートを得ることができる。
共押出成形においては、フィードブロック法、マルチマニホールド法のいずれでもよいが、フィードブロック法が好ましい。
工程(II)では、工程(I)で得られた多層積層体シートを架橋する。架橋方法としては、予め有機過酸化物を配合しておき、工程(I)で得られた多層積層体シートを加熱して架橋する方法もあるが、本発明では、多層積層体シートに電離性放射線を照射して架橋させることが好ましい。なお、電離性放射線としては、電子線、β線等が挙げられるが、電子線であることが好ましい。
電離性放射線の照射量は、30~50kGyが好ましく、35~40kGyがより好ましい。
工程(III)では、工程(II)で架橋した多層積層体シートを発泡処理して、発泡性樹脂組成物からなる層を発泡させる。発泡性樹脂組成物からなる層は、発泡剤が発泡するように処理すればよいが、発泡剤が熱分解型発泡剤である場合には、多層積層体シートを加熱することで発泡する。加熱温度は、熱分解型発泡剤が分解する温度以上であればよいが、例えば、150~320℃程度である。
多層積層体シートを加熱する方法は、特に制限はなく、例えば、多層積層体シートを熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴により加熱する方法、オイルバスにより加熱する方法等が挙げられ、これらは併用してもよい。工程(III)により、本発明の発泡複合シートを得ることができる。
本発明の発泡複合シートの用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器内部で使用することが好ましく、例えば、2つの部材の間に配置して、衝撃吸収材、シール材などとして使用することができる。また、発泡複合シートを額縁状にして、携帯電子機器内部に使用することもできる。
携帯電子機器としては、携帯電話、カメラ、ゲーム機器、電子手帳、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。また、本発明の発泡複合シートを後述する粘着テープにして、電子機器内部において使用してもよい。
本発明の発泡複合シートは、発泡複合シートを基材とする粘着テープに使用してもよい。粘着テープは、例えば、発泡複合シートと、発泡複合シートの少なくとも一方の面に設けた粘着材とを備えるものである。粘着テープは、粘着材を介して他の部材に接着することが可能になる。粘着テープは、発泡複合シートの両面に粘着材を設けたものでもよいし、片面に粘着材を設けたものでもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。また、粘着材の上には、さらに離型紙等の剥離シートが貼り合わされてもよい。
粘着材の厚さは、5~200μmであることが好ましく、より好ましくは7~150μmであり、更に好ましくは10~100μmである。
各物性の測定方法及び評価方法は、次の通りである。
発泡シートの発泡倍率は、発泡シートの見掛け密度を測定し、その逆数求めることで算出した。発泡シートの見掛け密度は、JISK7222(2005)に準拠して測定した。
発泡シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の質量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm3中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の質量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出した。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
各実施例及び比較例の発泡複合シートを1mm幅にカットしたものを試料として用い、測定温度23℃で、引張速度500mm/分で、JIS 6767に準拠して引張試験を行い、引張弾性率、各モジュラス、伸び率を測定した。
引張試験は、引張試験機((株)エー・アンド・デー社製「RTG-1250」)を用いた。
衝撃吸収性は、以下のような落球試験により、衝撃吸収率を求めることで評価した。各実施例、比較例の発泡複合シートを5cm角に切り出し、ロードセル(リオン株式会社製、PV-90I)が付いた厚み10mmのアクリル板の上に置き、10cmの高さから10.6gの鉄球を落下させ、発泡複合シートの最大荷重とブランク(発泡複合シートなし)の最大荷重から衝撃吸収率を算出することができる。具体的には、次の式により求めることができる。
衝撃吸収率(%)=100×(l0-l1)/lo
上記式において、l0はブランクの最大荷重、l1は発泡複合シートの最大荷重を表す。
発泡複合シートのMD方向の引張弾性率が15MPa以上であり、TD方向の引張弾性率が25MPa以上であり、かつ落球試験の結果が24%以上である場合を「G(Good)」、これ以外の場合を「B(Bad)」と評価した。
第1の押出機に高密度ポリエチレン(HDPE)(日本ポリエチレン株式会社製、商品名HJ360、密度0.951g/cm3)100質量部を投入して、溶融混練した。第2の押出機にエラストマー樹脂としてスチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)(JSR社製、商品名Dynaron 9901P)100質量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド5.5質量部、気泡核調整剤として発泡助剤1.2質量部、酸化防止剤0.1質量部を投入して溶融混練して発泡性樹脂組成物とした。なお、発泡助剤としては、株式会社ADEKA製、商品名「SB-1018RG」を用いた。第3の押出機に高密度ポリエチレン(HDPE)(日本ポリエチレン株式会社製、商品名HJ360、密度0.951g/cm3)100質量部を投入して溶融混練した。
次いで、第1~第3の押出機から供給された樹脂材料を合流させて、シート状に押出すことにより発泡性樹脂組成物からなる層(中層)と、該中層の両面(上層及び下層)に積層された樹脂層とを備えた多層積層体シートを得た。
次に、上記多層積層体シートを、その両面に加速電圧400kVの電子線を50kGy照射して架橋した後、熱風及び赤外線ヒーターにより270℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して、多層積層体シートを発泡させて、中層を発泡シート、上層及び下層を樹脂層とする発泡複合シートを得た。表1に結果を示す。
実施例1において電子線を50kGy照射するところを、40kGyに変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡複合シートを得た。
第2の押出機にエラストマー樹脂としてスチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)(JSR社製、商品名Dynaron 9901P)100質量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド5.5質量部、気泡核調整剤として発泡助剤1.2質量部、酸化防止剤0.1質量部を投入し溶融混練して発泡性樹脂組成物とした。なお、発泡助剤としては、株式会社ADEKA製、商品名「SB-1018RG」を用いた。
次いで、押出機から発泡性樹脂組成物を押出することで、発泡性樹脂組成物からなるシートを得た。
次に、上記シートを、その両面に加速電圧500kVの電子線を50kGy照射して架橋した後、熱風及び赤外線ヒーターにより270℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して、上記シートを発泡させて、発泡シートを得た。表1に結果を示す。
比較例1において電子線を50kGy照射するところを、40kGyに変更した以外は、比較例1と同様にして、発泡シートを得た。
第1の押出機に高密度ポリエチレン(HDPE)(日本ポリエチレン株式会社製、商品名HJ360、密度0.951g/cm3)100質量部を投入して、溶融混練した。第2の押出機に高密度ポリエチレンとして(日本ポリエチレン株式会社社製、商品名HJ360、密度0.951g/cm3)100質量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド3.8質量部、気泡核調整剤として発泡助剤2.0質量部、酸化防止剤0.6質量部を投入して溶融混練して発泡性樹脂組成物とした。なお、発泡助剤としては、株式会社ADEKA製、商品名「SB-1018RG」を用いた。第3の押出機に高密度ポリエチレン(HDPE)(日本ポリエチレン株式会社製、商品名HJ360、密度0.951g/cm3)100質量部を投入して溶融混練した。
次いで、第1~第3の押出機から供給された樹脂材料を合流させて、シート状に押出すことにより発泡性樹脂組成物からなる層(中層)と、該中層の両面(上層及び下層)に積層された樹脂層とを備えた多層積層体シートを得た。
次に、上記多層積層体シートを、その両面に加速電圧500kVの電子線を30kGy照射して架橋した後、熱風及び赤外線ヒーターにより270℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して、多層積層体シートを発泡させて、中層を発泡シート、上層及び下層を樹脂層とする発泡複合シートを得た。表1に結果を示す。
Claims (6)
- エラストマー樹脂を含有する発泡シートと、前記発泡シートの少なくとも一方の面に積層された樹脂層とを備える発泡複合シートであって、
MD方向の引張弾性率が15MPa以上であり、TD方向の引張弾性率が25MPa以上であり、
前記発泡シートの厚みが0.05~1.5mmであり、
前記樹脂層の厚みが0.01~0.1mmであり、
前記発泡シートの発泡倍率が1.1~10cm3/gであり、
前記発泡シートの架橋度は35~47%である、発泡複合シート。
- MD方向の150%モジュラスが3.0MPa以上であり、TD方向の150%モジュラスが2.5MPa以上である、請求項1に記載の発泡複合シート。
- MD方向の伸び率が200%以上であり、TD方向の伸び率が100%以上である、請求項1又は2に記載の発泡複合シート。
- エラストマー樹脂が、オレフィン系エラストマー樹脂、塩ビ系エラストマー樹脂、及びスチレン系エラストマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれかに記載の発泡複合シート。
- 前記樹脂層が、オレフィン系樹脂、塩ビ系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びアイオノマー系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれかに記載の発泡複合シート。
- 請求項1~5のいずれかに記載の発泡複合シートと、該発泡複合シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備える、粘着テープ。
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