JP2020139091A - ポリオレフィン系樹脂発泡体シート及びそれを用いた粘着テープ - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、高い耐熱性及び優れた柔軟性を有するポリオレフィン系樹脂発泡体シート、及びそれを用いた粘着テープを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。
[1]温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後の厚さ方向(ZD)の寸法変化率が5%以下であり、25%圧縮強度が100kPa以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
[2]温度70℃の条件下、50%圧縮させた状態で22時間保持した後、圧縮を終了して温度23±2℃の条件下で放置した後の圧縮永久歪みが35%以下である上記[1]に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
[3]温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後のMDの寸法変化率が5%以下である上記[1]又は[2]に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
[4]温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後のTDの寸法変化率が5%以下である上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
[5]プロピレン系樹脂及び熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物を発泡させてなる上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
[6]前記熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマーである上記[5]に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体樹脂シート。
[7]厚さが0.05〜1.5mmである上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シートと、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの少なくとも一方の面に設けた粘着剤層とを備える粘着テープ。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体シート(以下、単に「発泡体シート」と呼ぶ場合がある)は、温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後の厚さ方向(ZD)の寸法変化率が5%以下であり、25%圧縮強度が100kPa以下である。これにより、高い耐熱性及び優れた柔軟性を有するポリオレフィン系樹脂発泡体シートを提供することができる。以下、本発明の発泡体シートを詳細に説明する。
本発明の発泡体シートの温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後の厚さ方向(ZD)の寸法変化率(RZD)は5%以下である。発泡体シートの上記寸法変化率(RZD)が5%よりも大きいと、タッチパネル式の液晶パネルを備えた表示装置に発泡体シートを用いたとき、高温環境下でタッチパネルの感度が大きく変わってしまう場合がある。高温環境下によるタッチパネルの感度の変化を抑制するという観点から、発泡体シートの上記寸法変化率(RZD)は、好ましくは4.5%以下であり、より好ましくは4.2%以下であり、さらに好ましくは4.0%以下である。なお、上述の観点から、寸法変化率(RZD)の範囲の下限値は0%である。
寸法変化率(RZD)は、温度85℃、湿度85%RHの条件下に放置する前の発泡体シートの厚さをD1とし、温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後の発泡体シートの厚さをD2とした場合、以下の式(1)より算出した絶対値の値である。また、ZDの寸法変化率は、JIS K 7133に準拠して測定することができる。
RZD(%)=|(D2−D1)/D1×100| (1)
本発明の発泡体シートの温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後のMDの寸法変化率(RMD)は、好ましくは5%以下である。発泡体シートの上記寸法変化率(RMD)が5%以下であると、電子機器内部等において、加熱された後でも、位置ずれ等が生じず、長期間にわたって、良好な性能を発揮できる。上述の観点から、発泡体シートの上記寸法変化率(RMD)は、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、とくに好ましくは2%以下である。なお、上述の観点から、寸法変化率(RMD)の範囲の下限値は0%である。また、本発明において「MD」は、Machine Directionを意味し、シートの押出方向等と一致する方向である。また、後述の「TD」は、Transverse Directionを意味し、MDに直交しかつシートの表面に平行な方向である。
寸法変化率(RMD)は、温度85℃、湿度85%RHの条件下に放置する前の発泡体シートのMDの長さをM1とし、温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後の発泡体シートのMDの長さをM2とした場合、以下の式(2)より算出した絶対値の値である。また、MDの寸法変化率は、JIS K 7133に準拠して測定することができる。
RMD(%)=|(M2−M1)/M1×100| (2)
本発明の発泡体シートの温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後のTDの寸法変化率(RTD)は、好ましくは5%以下である。発泡体シートの上記寸法変化率(RTD)が5%以下であると、電子機器内部等において、加熱された後でも、位置ずれ等が生じず、長期間にわたって、良好な性能を発揮できる。上述の観点から、発泡体シートの上記寸法変化率(RTD)は、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。なお、上述の観点から、寸法変化率(RTD)の範囲の下限値は0%である。
寸法変化率(RTD)は、温度85℃、湿度85%RHの条件下に放置する前の発泡体シートのTDの長さをT1とし、温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後の発泡体シートのTDの長さをT2とした場合、以下の式(3)より算出した絶対値の値である。また、TDの寸法変化率は、JIS K 7133に準拠して測定することができる。
RTD(%)=|(T2−T1)/T1×100| (3)
本発明の発泡体シートの25%圧縮強度は100kPa以下である。発泡体シートの25%圧縮強度が100kPaよりも大きいと、発泡体シートの柔軟性、衝撃吸収性等が、日常生活においてタッチパネルに繰り返して加えられる衝撃を吸収するのに不十分となる場合がある。このような観点から、発泡体シートの25%圧縮強度は、好ましくは90kPa以下であり、より好ましくは80kPa以下であり、さらに好ましくは70kPa以下である。また、発泡体シートの機械的強度の観点から、本発明の発泡体シートの25%圧縮強度は、好ましくは20kPa以上である。なお、発泡体シートの25%圧縮強度はJIS K 7181に準拠して測定することができる。
温度70℃の条件下、50%圧縮させた状態で22時間保持した後、圧縮を終了して温度23±2℃の条件下で放置した後の本発明の発泡体シートの圧縮永久歪みは、35%以下である。発泡体シートの圧縮永久歪みが35%以下であると、高温環境に起因する発泡体シートの柔軟性の低下を抑制して、高温環境に起因するタッチパネルの感度の変化をさらに抑制できる。上述の観点から、発泡体シートの圧縮永久歪みは、より好ましくは34%以下、さらに好ましくは32%以下、とくに好ましくは30%以下である。なお、上記圧縮永久歪みは、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の発泡体シートの厚さは、好ましくは0.05〜1.5mmである。発泡体シートの厚さが0.05mm以上であると、発泡体シートが熱収縮しにくくなる。また、携帯型電子機器などに適用した場合に十分なシール性を保つことができる。発泡体シートの厚さが1.5mm以下であると、発泡体シートが厚すぎないので、携帯型電子機器への使用もしくは車載用電子機器への使用に適する。上述の観点から、発泡体シートの厚さは、より好ましくは0.06mm以上、さらに好ましく0.07mm以上、よりさらに好ましくは0.08mm以上であり、そして、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.7mm以下、よりさらに好ましくは0.5mm以下である。なお、発泡体シートの厚さは、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の発泡体シートの架橋度は20〜65質量%であることが好ましい。発泡シートの架橋度が20質量%以上であると、発泡体シートの圧縮永久歪みを低減しつつ、タッチパネルの感度を確保するための適度な弾力を確保することができる。また、発泡シートの架橋度が65質量%以下であると、発泡体シートの圧縮強度を低下させ、発泡体シートの柔軟性を改善することができる。また、加熱寸法変化率もより小さくなる。上述の観点から、発泡体シートの架橋度は、25〜60質量%であることがより好ましく、30〜55質量%であることがさらに好ましい。なお、発泡体シートの架橋度は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の発泡体シートの見掛け密度は0.1〜0.7g/cm3であることが好ましい。発泡シートの見掛け密度が0.1g/cm3以上であると、発泡体シートの加熱寸法変化率を小さくできるとともに、発泡体シートの圧縮永久歪みを低減することができる。また、発泡シートの見掛け密度が0.7g/cm3以下であると、発泡体シートの圧縮強度を低下させ、発泡体シートの柔軟性を改善することができる。上述の観点から、発泡体シートの見掛け密度は、0.12〜0.6g/cm3であることがより好ましく、0.2〜0.5g/cm3であることがさらに好ましい。なお、発泡体シートの見掛け密度は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の発泡体シートは、プロピレン系樹脂及び熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物(以下、「樹脂組成物(A)」という場合がある)を発泡させてなるものであることが好ましい。さらに、本発明の発泡体シートは、樹脂組成物(A)を架橋させ、かつ発泡させてなるものであることがより好ましい。これにより、高い耐熱性及び優れた柔軟性を有する発泡体シートを得ることができる。
樹脂組成物(A)がポリプロピレン系樹脂を含むことにより、発泡体シートの耐熱性がより改善される。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンホモポリマー、及びプロピレンと他のオレフィンとの共重合体が好ましい。発泡シートの耐熱性をより改善するという観点からプロピレンホモポリマーがより好ましく、発泡シートの柔軟性をより改善するという観点からプロピレンと他のオレフィンとの共重合体がより好ましい。
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよいが、プロピレンのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)であることがより好ましい。
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体において、プロピレンと共重合される他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンが挙げられ、これらの中ではエチレンがさらに好ましい。すなわち、プロピレンのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)としてはエチレン−プロピレンランダム共重合体がさらに好ましい。
なお、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、通常、プロピレンが90〜99.5重量%、プロピレン以外のα−オレフィンが0.5〜10質量%であるが、プロピレンが95〜99重量%、プロピレン以外のα−オレフィンが1〜5質量%であることが好ましい。
上記のポリプロピレン系樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、MFRは、JIS K7210に基づき、温度230℃、荷重2.16kgfの条件で測定された値である。
樹脂組成物(A)が熱可塑性エラストマーを含むことにより、発泡体シートの柔軟性がさらに改善され、圧縮強度を低くできる。これにより、日常生活においてタッチパネルに繰り返して加えられる衝撃を吸収するのに、さらに十分な衝撃吸収性が発泡体シートに付与される。
本発明の目的を阻害しない範囲であれば、樹脂組成物(A)は、ポリプロピレン系樹脂及び熱可塑性エラストマー以外の樹脂成分を含んでもよい。かかる樹脂成分としては、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキルアクリレ−ト共重合体、又はこれらに無水マレイン酸を共重合した変性共重合体等が挙げられる。
樹脂組成物(A)は、上記樹脂以外に添加剤として、通常、発泡剤を含有する。また、樹脂組成物(A)は架橋助剤及び酸化防止剤の一方又は両方を含有することが好ましい。
樹脂組成物(A)を発泡させる方法としては、化学的発泡法、物理的発泡法がある。化学的発泡法は、樹脂組成物(A)に添加した化合物の熱分解により生じたガスにより気泡を形成させる方法であり、物理的発泡法は、低沸点液体(発泡剤)を樹脂組成物(A)に含浸させた後、発泡剤を揮発させてセルを形成させる方法である。発泡法は特に限定されないが、均一な独立気泡発泡体シートを得る観点から、化学的発泡法が好ましい。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤が使用され、例えば分解温度が160〜270℃程度の有機系又は無機系の化学発泡剤を用いることができる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物、ニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドがとくに好ましい。
発泡剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱分解型発泡剤の添加量は、発泡体シートの気泡が破裂せずに適切に発泡させる観点から、樹脂成分100質量部に対して1〜25質量部が好ましく、1.5〜15質量部がより好ましく2〜10質量部がさらに好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中では、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の3官能(メタ)アクリレート系化合物;トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物;1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の2官能(メタ)アクリレート系化合物、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物;フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、エチルビニルベンゼン、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。
架橋助剤は、単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。
架橋助剤を樹脂組成物(A)に添加することによって、少ない電離性放射線量で樹脂組成物(A)を架橋することが可能になる。そのため、電離性放射線の照射に伴う各樹脂分子の切断、劣化を防止することができる。
架橋助剤の含有量は、樹脂組成物(A)を発泡する際に、架橋度の調整、制御の容易さの観点から、樹脂成分100質量部に対して0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
発泡体シートは、例えば、樹脂組成物(A)を溶融混練して所望形状に成形した後、電離性放射線を照射して樹脂組成物(A)を加熱発泡することにより製造することができる。
具体的には、以下の工程1〜3を有する製造方法がより好ましい。
工程1:樹脂組成物(A)を構成する各成分を溶融混練した後、シート状の樹脂組成物(A)を得る工程
工程2:工程1で得られた樹脂組成物(A)に電離性放射線を照射して、架橋する工程
工程3:工程2で架橋した樹脂組成物(A)を、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させて、好ましくはMD方向又はCD方向の何れか一方又は双方に延伸することにより、発泡体シートを得る工程
ここで使用される混練装置としては、例えば、射出成形機、押出機(単軸押出機、二軸押出機等)、バンバリーミキサー、ロール等の汎用混練装置等が挙げられるが、射出成形機や押出機が好ましく、射出成形機を用いれば、生産性よく製造することができる。
射出成形機又は押出機の内部の樹脂温度は、好ましくは120〜220℃、より好ましくは140〜200℃、さらに好ましくは150〜195℃である。
電離性放射線としては、例えば、電子線、α線、β線、γ線、X線等が挙げられる。これらの中では、生産性及び照射を均一に行う観点から、電子線が好ましい。
電離性放射線の照射は、シート状に成形した樹脂組成物(A)の片面のみに照射してもよいし、両面に照射してもよい。
電離性放射線の加速電圧は、照射する発泡性樹脂組成物の厚さにもよるが、例えば、厚さが0.05〜3mmの場合、400〜1200kVであることが好ましく、500〜1100kVであることがより好ましく、600〜1000kVであることがより好ましい。
電離性放射線の照射線量は、照射する発泡性樹脂組成物の厚さ等を考慮し、表面荒れやひび割れ等生じることなく、所望の架橋度を得ることができる量であれがよいが、通常、0.1〜10Mradが好ましい。
ここで、樹脂組成物(A)を加熱発泡させる温度は、発泡剤として使用される熱分解型発泡剤の分解温度によるが、通常140〜300℃、好ましくは150〜280℃である。
本発明の発泡体シートは、独立気泡構造であることが好ましいが、連続気泡を含む独立気泡構造であってもよい。
本発明の粘着テープは、上記した発泡体シートを基材として用いた粘着テープであり、具体的には、発泡体シートと、発泡体シートの少なくとも一方の面に設けた粘着剤層とを備える。
粘着テープは、例えば、発泡体シートに粘着剤を塗工することにより作製することができる。また。発泡体シートに両面テープを貼り付けることによって、粘着テープを作製してもよい。
粘着テープを構成する粘着剤層の厚さは、5〜200μmが好ましく、7〜150μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。
本発明の粘着テープは、好ましくは発泡体シートの両面に粘着剤層が設けられている。すなわち、本発明の粘着テープは、好ましくは両面テープである。
発泡体シートに粘着剤を塗布して、粘着剤層を発泡体シート上に積層する方法としては、例えば、発泡体シートの少なくとも一方の面にコーター等の塗工機を用いて粘着剤を塗布する方法、発泡体シートの少なくとも一方の面にスプレーを用いて粘着剤を噴霧、塗布する方法、発泡体シートの一方の面に刷毛を用いて粘着剤を塗布する方法等が挙げられる。
なお、各物性の測定方法、及び発泡体シートの評価方法は以下のとおりである。
85℃の試験温度、85%RHの試験湿度及び24時間の加熱時間の条件で、JIS K 7133に準拠して、ZD、MD及びTDの3点平均の加熱寸法変化率を測定した。なお、ZDの加熱寸法変化率の測定では、発泡体シートの厚さの測定にダイヤルゲージ(標準型ダイヤルゲージ、株式会社ミツトヨ製)を使用し、一つの発泡体シートについて、3点の厚さを測定し、その平均値をその発泡体シートの厚さとした。
JIS K 7181に準拠して25%圧縮強度を測定した。
(3)発泡体シートの圧縮永久歪み
標準温度(23±2℃)において試験片の中央の厚さを測定した(t0)。
試験片を圧縮板(平滑なステンレス鋼板)の上に置き、試験片を50%に圧縮させたときの高さ(t1)を有するスペーサを試験片の両側に置いた。そして、別の圧縮板を試験片の上に載せた。このとき、試験片及びスペーサは2枚の圧縮板に挟まれた状態になった。
2枚の圧縮板に挟まれた状態の試験片を圧縮装置(圧縮永久ひずみ試験器、エムアンドケー株式会社製)に設置した。そして、圧縮装置を用いて、スペーサが上下の圧縮板と接触するまで、試験片を圧縮した。これにより、試験片は50%に圧縮した。なお、スペーサは、圧縮しないので、試験片が50%を超えて圧縮されるのを防ぐ。
70℃に温度を調節した恒温槽に試験片を圧縮している圧縮装置を入れた。このときの時間を試験開始時間とした。試験を開始してから22時間後に恒温槽から圧縮装置を取り出し、圧縮装置から試験片を取り出した。23±2℃の標準温度及び1atmの標準気圧下の標準状態の試験室に取り出した試験片を24時間静置した後、試験片の中央の厚さを測定した(t2)。そして、下記の式(4)より圧縮永久歪み(Cs)を算出した。
Cs=(t2−t0)/(t1−t0)×100 (4)
(4)発泡体シートの厚さ
発泡体シートの厚さはダイヤルゲージを用いて計測した。
(5)架橋度
発泡体シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の質量A(mg)を精秤した。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm3中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の質量B(mg)を精秤した。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出した。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
(6)見掛け密度
発泡体シートの見掛け密度は、JIS K 7222(2005)に準拠して測定した。
表1及び表2にそれぞれ示す各樹脂成分及び添加剤を、表1及び表2に示したそれぞれの部数で単軸押出機にそれぞれ投入して、樹脂温度180℃にて溶融混練して押し出し、所定厚さのシート状の樹脂組成物を得た。このシート状の樹脂組成物の両面に、電子線を照射することにより樹脂組成物を架橋した。その後、架橋した樹脂組成物を、熱風オーブンにより270℃で5分間加熱し、その加熱により発泡させ、さらに延伸して、所定厚さの発泡体シートとした。発泡体シートの物性及び評価結果を表1及び表2に示す。
ランダムPP:エチレン−プロピレンランダム共重合体、日本ポリプロ株式会社製、製品名:ノバテックPP EG7F、密度:0.90g/cm3、MFR:1.3g/10分(230℃)、エチレン含有量:3質量%
ホモPP:ホモポリプロピレン、日本ポリプロ株式会社製、製品名:ノバテックPP FB3B、密度:0.90g/cm3、MFR:7.5g/10分(230℃)
SEBS:スチレン系エラストマー、JSR株式会社製、製品名:DYNARON 9901P、密度:0.97g/cm3、MFR:3.3g/10分(230℃)
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン、東ソー株式会社製、製品名:ZF231、MFR:2g/10分(190℃)
LDPE:低密度ポリエチレン、宇部丸善ポリエチレン株式会社製、製品名:F522N、密度:0.922g/cm3、MFR:5.0g/10分
熱分解型発泡剤:アゾジカルボンアミド、永和化成工業株式会社製、製品名:ビニホールAC−K3−TA
酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASFジャパン株式会社製、商品名:イルガノックス1010
架橋助剤:1.9−ノナンジオールジメタクリレート、共栄社化学株式会社製、商品名:ライトエステル1.9−ND
Claims (8)
- 温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後の厚さ方向(ZD)の寸法変化率が5%以下であり、
25%圧縮強度が100kPa以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体シート。 - 温度70℃の条件下、50%圧縮させた状態で22時間保持した後、圧縮を終了して温度23±2℃の条件下で放置した後の圧縮永久歪みが35%以下である請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
- 温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後のMDの寸法変化率が5%以下である請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
- 温度85℃、湿度85%RHの条件下で24時間放置した後のTDの寸法変化率が5%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
- プロピレン系樹脂及び熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物を発泡させてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
- 前記熱可塑性エラストマーがスチレン系エラストマーである請求項5に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体樹脂シート。
- 厚さが0.05〜1.5mmである請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シートと、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの少なくとも一方の面に設けた粘着剤層とを備える粘着テープ。
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JP2019036979A JP2020139091A (ja) | 2019-02-28 | 2019-02-28 | ポリオレフィン系樹脂発泡体シート及びそれを用いた粘着テープ |
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