JP7276353B2 - ラテックスの製造方法及び該ラテックスを用いた成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムのラテックスの製造方法に関し、さらに該製造方法で得られたラテックスを用いた膜成形体、ディップ成形体および接着剤層形成基材の製造方法に関する。
従来、天然ゴムや合成ゴムのラテックスを含有するラテックス組成物をディップ成形して、哺乳瓶用乳首、風船、手袋、サック、カテーテルのバルーン等の人体と接触して使用されるディップ成形体が製造されている。特にイソプレン重合体等の合成ゴムは、人体にアレルギー症状を引き起こす蛋白質を含有しないことから、生体粘膜や臓器等と直接接触するようなディップ成形体用のラテックスの原料として有用とされている。
天然ゴムや合成ゴムのラテックスの製造方法としては、有機溶媒中にゴムを溶解または分散させたゴム溶液と、石鹸水等の乳化剤水溶液とを所定の比率で乳化機に供給して混合することにより乳化させ(乳化工程)、この後、得られた乳化液中の有機溶媒を除去する(脱溶媒工程)といった製造方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
特許第5031821号公報
ラテックスを製造するにあたっては、乳化工程において固形分であるゴムが微細化し、かつ微細化したゴムが均質な状態に分散した良好な乳化状態を得ることが肝要であり、良好な乳化がなされることにより、凝集物の少ない高品質のラテックスを得ることができる。しかし、従来のように乳化工程においてゴム溶液と乳化剤水溶液とを同時に混合して乳化する方法では、乳化が不十分で比較的粗大な粒度のゴムが残存し、さらにその粗大なゴムに起因して脱溶媒工程後のラテックスに存在する凝集物の量が多くなる場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ゴム溶液と乳化剤水溶液との混合溶液を良好な状態に乳化することができ、その結果、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができるラテックスの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、乳化工程においてはじめからゴム溶液と乳化剤水溶液とを所定の割合で同時に混合するのではなく、はじめに、100%の乳化剤水溶液、または少量のゴム溶液を含む乳化剤水溶液(ゴム溶液の容積比率が乳化剤水溶液のそれに対し最大で1:4程度の割合)を循環ラインに供給して循環させ、次いで循環している乳化剤水溶液、または少量のゴム溶液を含む乳化剤水溶液にゴム溶液を供給しながら乳化することにより、上記目的を達成することができることを見出した。
本発明に係るラテックスの製造方法は上記知見に基づいてなされたものであり、ゴムと有機溶媒とを混合したゴム溶液と、乳化剤水溶液と、を、前記ゴム溶液:前記乳化剤水溶液の容積比率が0:100~1:4の割合で循環ラインに供給して循環させる第1の循環工程と、前記第1の循環工程を継続した状態で、前記循環ライン中に、ゴムと有機溶媒とを混合したゴム溶液を供給しながら、前記循環ラインの途中に設けた乳化機により前記乳化剤水溶液と前記ゴム溶液とを混合して乳化液を得る第2の循環工程と、前記乳化液から前記有機溶媒を除去する脱溶媒工程と、を備えることを特徴とする。
本発明では、第2の循環工程において、乳化剤水溶液中のゴム濃度がしだいに高くなりながら乳化が進み、最終的に所定のゴム濃度の乳化液が生成される。このため、微細化したゴムが均質な状態に分散した良好な乳化状態の乳化液を得ることができ、その結果、その乳化液から凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができる。
本発明は、より良好な乳化の状態を得る観点から、前記第2の循環工程における前記乳化剤水溶液の循環流量と、前記第2の循環工程において前記循環ラインに供給する前記ゴム溶液の供給量との比率を、3:1~15:1とすることを好ましいものとする。この範囲では、5:1~15:1がより好ましく、10:1~15:1であればさらに好ましい。
また、本発明は、前記第2の循環工程で得た前記乳化液を、前記循環ラインを通じてさらに少なくとも1回循環させた後に前記脱溶媒工程を行うことを特徴とする。
これにより本発明では、第2の循環工程で得た乳化液をさらに1回以上循環させることによって、よりいっそう十分に乳化した乳化液を得ることができる。
また、本発明は、前記循環ラインの途中に該循環ラインを循環する循環溶液を貯留する容器を設け、該容器内で、回転する撹拌手段により、前記第1の循環工程および前記第2の循環工程のうちの少なくともいずれか一方の循環工程において貯留する溶液を撹拌するようにし、前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを特徴とする。なお、本発明でいう全ての「略直交」とは、なす角度が通常で85°以上、好ましくは89°以上、かつ、通常で95°以下、好ましくは91°以下と定義する。
本発明に係る上記撹拌翼により容器内の溶液を撹拌すると、その溶液を容器内で上下方向に循環させる循環流を生じさせることができる。このため、比重が比較的軽く液面近傍に浮遊して停滞しやすいゴムを上下に循環させることができるので、ゴムを均質な状態に分散させることができる。したがって第1の循環工程や第2の循環工程において、循環する溶液を本発明に係る撹拌翼により撹拌することによって、よりいっそう十分に乳化した乳化液を得ることができる。
また、本発明は、前記脱溶媒工程においては、前記乳化液を容器内に貯留し、該容器内に回転可能に設けた撹拌手段で撹拌しながら前記乳化液から前記有機溶媒を除去するようにし、前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを好ましい形態としている。
この形態では、脱溶媒工程においても本発明に係る平板状の撹拌翼によって乳化液を撹拌することにより、脱溶媒中の乳化液中のゴムは上下に循環して撹拌されて十分に混合される。このため、脱溶媒後に得られるラテックスは凝集物の少ない高品質なものとなる。
また、本発明に係るラテックスの製造方法において用いられる前記撹拌翼は、本発明の混合の効果を有効に得られる観点から、前記撹拌面の面積が、前記容器内に貯留される前記撹拌物の断面積の10~60%であることを特徴とするものであり、当該範囲では、好ましくは15~50%、より好ましくは20~40%、さらに好ましくは25~35%とされる。
また、本発明に係る前記撹拌翼は、格子状の構造を有する格子部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、回転する格子部により、上下に循環する溶液中のゴムが剪断・細分化され、さら格子部の回転方向後方に発生する微細渦にゴムが巻き込まれて混合される。このため、ゴムの微細化および混合が促進し、良好な乳化状態を得やすくなるとともに凝集物を少なくすることができる。
次に、本発明の膜成形体の製造方法は、上記本発明に係るラテックスの製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いて膜成形体を成形することを特徴とする。
また、本発明のディップ成形体の製造方法は、上記本発明に係るラテックスの製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いてディップ成形体を成形することを特徴とする。
また、本発明の接着剤層形成基材の製造方法は、上記本発明に係るラテックスの製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を接着剤層として基材の表面に形成することを特徴とする。
本発明によれば、ゴム溶液と乳化剤水溶液との混合溶液を良好な状態に乳化することができ、その結果、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができるラテックスの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るラテックスの製造方法を好適に実施し得るラテックス製造装置の概略図である。 (a)は図1に示した貯留タンクを構成するタンク本体の側断面図、(b)は同貯留タンクが備える撹拌翼および回転軸の平面図である。 本発明の一実施形態に係るラテックス製造装置に対する対比例のラテックス製造装置の概略図である。 本発明の他の実施形態に係る撹拌翼を備えた貯留タンクの側断面図である。 図4に示した他の実施形態の変更例に係る撹拌翼を備えた貯留タンクの側断面図である。 実施例4および比較例3で用いた貯留タンクを示す側断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るラテックスの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るラテックスの製造方法を好適に実施し得るラテックス製造装置を概略的に示している。まず、この製造装置について説明する。
図1に示すラテックス製造装置は、ラテックスの原料溶液や該原料溶液が乳化された乳化液等が貯留される貯留タンク1と、貯留タンク1内の溶液を排出して貯留タンク1内に戻すように循環させる循環管2と、を備えている。貯留タンク1は本発明の容器を構成し、循環管2は本発明の循環ラインを構成するものである。
貯留タンク1内に貯留される溶液は、貯留タンク1の底部から循環管2に排出され、循環管2を通じて貯留タンク1の頂部から貯留タンク1内に戻されるようになっている。循環管2においては、貯留タンク1の底部側が上流側、貯留タンク1の頂部側が下流側とされる。貯留タンク1は、後述する撹拌手段40を有している。
循環管2の途中には、上流側から下流側に向けて第1のポンプ11および乳化機3が配置されている。循環管2を循環する溶液は、第1のポンプ11によって循環管2内を圧送されるようになっている。
貯留タンク1内には、第1の供給管21を通じて、乳化剤タンク14から乳化剤水溶液、または乳化剤水溶液を多く含む乳化剤水溶液とゴム溶液との混合溶液が供給されるようになっている。また、循環管2における第1のポンプ11と乳化機3との間には、第2の供給管22を通じて、ゴム溶液タンク15からゴム溶液が供給されるようになっている。第2の供給管22には、ゴム溶液を循環管2に圧送する第2のポンプ12が配置されている。
また、貯留タンク1には、蒸留管23が接続されている。蒸留管23には、貯留タンク1内を減圧して乳化液から有機溶媒を蒸留して除去するための減圧ポンプ13と、貯留タンク1内の乳化液から除去されて蒸留管23に排出された有機溶媒を濃縮する濃縮器16と、が配置されている。蒸留管23における貯留タンク1と濃縮タンク16との間には、蒸留管23の管路を開閉するバルブ17が設置されている。
各タンク1、14、15は、それぞれ内部に貯留する溶液を加熱する図示せぬ加熱手段を備えている。また、図示はしないが、循環管2および各供給管21、22の必要箇所には、管路を開閉するバルブが設置されている。
乳化機3は、強い剪断力を溶液に付与して連続的に混合することができるような装置であればよく、特に限定はされないが、例えば、複数のスリットを有するステータに対して複数のスリットを有するロータが相対的に回転する構成のロータ・ステータ対を複数有するロータ・ステータ式の乳化機が好適に用いられる。このようなロータ・ステータ式の乳化機としては、例えば、商品名「TKパイプラインホモミキサー」(プライミクス社製)、商品名「スラッシャ」(日本コークス工業社製)、商品名「トリゴナル」(日本コークス工業社製)、商品名「キャビトロン」(ユーロテック社製)、商品名「マイルダー」(太平洋機工社製)、商品名「ファインフローミル」(太平洋機工社製)等の市販品を用いることができる。また、乳化機3としては、ポンプ機能を備えたものが溶液を圧送して循環させることができるので好ましい。
上記貯留タンク1においては、図2(a)に示す撹拌手段40によって内部に貯留する溶液を撹拌することができるようになっている。
図2(a)に示すように、貯留タンク1は、有底円筒状のタンク本体31と、タンク本体31の上部開口を塞ぐ図示せぬ蓋体と、を有している。
図2(a)に示すように、本実施形態に係る撹拌手段40は、タンク本体31内に設けられた平板状の撹拌翼50と、撹拌翼50の回転軸41と、を有する。回転軸41はタンク本体31の軸心と同軸に配設されており、図示せぬ軸受を介して回転可能に支持されている。回転軸41は、その上端部にカップリングを介して連結された駆動源(いずれも図示略)によって回転駆動されるようになっている。その駆動源は、貯留タンク1の上方に配設される。
なお、回転軸41を回転駆動する駆動源は、貯留タンク1の下方に配設されて回転軸41の下端部に連結されるものであってもよい。
撹拌翼50は、矩形形状を有しており、その幅方向中間の部分に回転軸41が通るようにして、回転軸41に固定されている。すなわち撹拌翼50は、回転軸41を対称線として左右対称の形状を有し、回転軸41の左右一方側の翼部51aおよび他方側の翼部51bを有する。撹拌翼50は回転軸41とともに回転し、撹拌翼50は、図2(b)に示すように矢印で示す回転方向と略直交して貯留タンク1内に貯留する乳化液等の溶液(撹拌物)に対向する撹拌面52を有する。
撹拌翼50は、その下部にパドル部53を有し、パドル部53の上側に、格子状の構造を有する格子部54が一体に形成されている。パドル部53および格子部54が、上記撹拌面52を有する。撹拌翼50の全体高さに対するパドル部53および格子部54が占める高さ寸法の割合は、本実施形態では格子部54の方が6~7割程度であってパドル部53よりも大きいが、これには限定されない。図2(a)において符号Lは乳化液等の溶液の液面を示しており、撹拌翼50は、溶液中に全体が埋没した状態で使用される。
パドル部53は、その下端縁がタンク本体31内の底面に概ね沿った形状を有し、その下端縁とタンク本体31内の底面との間隔はできるだけ狭く設定され、例えばその間隔は、1~200mm程度、好ましくは5~100mm程度、最も好ましくは10~50mm程度に設定される。
格子部54は、複数の板棒状の横メンバー54aと、これら横メンバー54aに直交する複数の板棒状の縦メンバー54bと、を有する。本実施形態の格子部54は、2つの横メンバー54aと4つの縦メンバー54bとを有するが、各メンバー54a、54bの数および幅に関しては、撹拌の効果等を鑑みて任意に設定される。
撹拌翼50は回転軸41とともに回転することにより、貯留タンク1内に貯留する乳化液等の溶液を撹拌するが、上記撹拌面52は、撹拌翼50の回転中において撹拌対象の溶液に対向し、かつ接触する面である。したがって実際の撹拌面52は、図2(b)に示したように、一方側の翼部51aの一方の面(表面)と、他方側の翼部51bの他方の面(裏面)とにより構成される。これら撹拌面52を合わせた面積は、撹拌翼50自体の面積に相当する。
ここで、本実施形態に係る撹拌翼50は、その面積(図2(b)で示した左右の各撹拌面52を合わせた面積に相当する)の、貯留タンク1内に貯留している乳化液等の溶液の断面積に対する比率(以下、接液面積率という場合がある)が10~60%となるように構成されている。これは、混合の効果を有効に得られる割合であり、当該範囲内では、15~50%が好ましく、20~40%であればより好ましく、25~35%であればさらに好ましい。
また、図2(a)に示すように、タンク本体31の内壁面には、貯留タンク1の軸方向に沿って延びる複数のバッフル板90が上下のステー91を介して配設されている。これらバッフル板90は、その幅方向がタンク本体31の径方向と概ね平行になるように放射状に設置されている。バッフル板90の面積および数に関しては、撹拌の効果等を鑑みて任意に設定される。
また、各バッフル板90は、撹拌翼50の回転を阻害しないように撹拌翼50との間隔が確保されるのはもちろんであるが、その間隔は、撹拌の効果等を鑑みて、1~200mm程度、好ましくは5~100mm程度、最も好ましくは10~50mm程度に設定される。
本実施形態の撹拌手段40によれば、撹拌翼50が一方向に回転すると、次のように貯留タンク1内に貯留された乳化液等の溶液を撹拌することができるようになっている。すなわち、貯留タンク1内の溶液は、下方のパドル部53で径方向外側に押し出されてタンク本体31内壁面に衝突し、次いでバッフル板90の作用で上昇してからタンク本体31上部の内壁面から中心の回転軸41方向に流動し、次いで回転軸41および格子部54を通って下方に流動してパドル部53に戻るといった上下方向の循環流が生じる。
このように循環しながら撹拌されるゴムを含む溶液においては、格子部54の各横メンバー54aおよび各縦メンバー54bによって下降中のゴムが剪断・細分化され、さらにこれらメンバー54a、54bの回転方向後方に発生する微細渦にゴムが巻き込まれて混合されるようになっている。
また、パドル部53は、その下端部が貯留タンク1内の底部に近接しているため、溶液を底部に残存させず循環流に乗せて撹拌することができるようになっている。また、バッフル板90は、パドル部53により径方向外方に押し出された溶液が撹拌翼50の回転に伴って回転することを抑制するとともに上昇流を発生させるように作用する。また、格子部54の横メンバー54aおよび縦メンバー54bは、上記のように下降する溶液を細分化して混合するように作用する。
次に、本実施形態に係るラテックスの製造方法を説明する。
本実施形態に係るラテックスの製造方法は、ゴムと有機溶媒とを混合したゴム溶液と、乳化剤水溶液と、を、ゴム溶液:乳化剤水溶液の容積比率が0:100~1:4の割合で上記循環管2に供給して循環させる第1の循環工程と、第1の循環工程を継続した状態で、循環管2中に、ゴムと有機溶媒とを混合したゴム溶液を供給しながら、循環管2の途中に設けた上記乳化機3により乳化剤水溶液とゴム溶液とを混合して乳化液を得る第2の循環工程と、乳化液から有機溶媒を除去する脱溶媒工程と、を備える。
また、本実施形態に係るラテックスの製造方法は、上記第1の循環工程における乳化剤水溶液の循環流量と、上記第2の循環工程において循環管2に供給するゴム溶液の供給量との比率を、3:1~15:1とすることを好ましい形態とする。
さらに、本実施形態に係るラテックスの製造方法は、上記第2の循環工程で得た乳化液を、循環管2を通じてさらに少なくとも1回循環させた後に上記脱溶媒工程を行うことを好ましい形態とする。
ここで、原料である上記のゴム、有機溶媒および乳化剤の具体例を述べる。
(ゴム)
本実施形態で使用可能なゴムとしては、天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられる。合成ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、イソプレンゴム(IR)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソブチエン・イソプレンゴム(IIR)等が挙げられる。これらの中では、ラテックスをディップ成形体とした場合における引張強度や伸び等の機械的特性に優れる点で、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)およびスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)が好ましく、より好ましくはイソプレンゴム(IR)およびスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)であり、イソプレンゴム(IR)であればさらに好ましい。
(有機溶媒)
ゴムを溶解・分散させてゴム溶液とするための有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、あるいはシクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒、あるいはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、あるいは塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒等の中から、適宜に選択することができる。
ゴム溶液におけるゴムの含有割合は、特に限定されないが、3~30重量%が好ましく、5~20重量%であればより好ましく、7~15重量%であればさらに好ましい。
(乳化剤)
乳化剤としては、特に限定されないが、アニオン性乳化剤を好ましく用いることができる。アニオン性乳化剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、リノレン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウム等の脂肪酸塩、あるいはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸カリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、あるいはジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩、あるいはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩、あるいはポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、あるいはラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等のモノアルキルリン酸塩等が挙げられる。
これらアニオン性乳化剤の中でも、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩がより好ましく、脂肪酸塩がさらに好ましく、得られるゴムのラテックス中における凝集物の発生をより適切に防止することができるという点より、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウムが特に好ましい。
乳化剤の水溶液中における乳化剤の含有割合は、特に限定されないが、乳化を良好に行う観点から、0.1~5重量%が好ましく、0.3~3重量%であればより好ましく、0.5~2重量%であればさらに好ましい。
以下、上記のゴム、有機溶媒および乳化剤を原料とし、図1に示すラテックス製造装置を用いて行う本実施形態に係るラテックスの製造方法例を、より具体的に説明する。
[ゴム溶液および乳化剤水溶液の調製]
ゴム溶液タンク15内にゴムと有機溶媒とを所定の割合で供給して撹拌しながら例えば60℃程度に加熱することでゴムを溶解し、ゴム溶液を調製する。また、乳化剤タンク14内に乳化剤と水とを所定の割合で供給して混合した後、例えば60℃程度に加熱して乳化剤水溶液を調製する。
乳化剤タンク14内で調製する乳化剤水溶液およびゴム溶液タンク15内で調製するゴム溶液は、乳化を良好に行う観点から、各タンク14、15をそれぞれ必要に応じて上記のように加熱することで所定温度に維持することが望ましい。ゴム溶液および乳化剤水溶液の温度は、特に限定されないが、それぞれ、20~100℃が好ましく、40~90℃であればより好ましく、60~80℃であればさらに好ましい。
[第1の循環工程]
乳化剤タンク14内で調製した乳化剤水溶液を第1の供給管21から貯留タンク1内に供給して貯留タンク1内に乳化剤水溶液を貯留し、その乳化剤水溶液を撹拌翼50で撹拌しながら、例えば60℃程度に加熱する。
次いで、貯留タンク1内の乳化剤水溶液を第1の循環管2に排出するとともに、第1のポンプ11および乳化機3を作動させて、乳化剤水溶液を第1のポンプ11および乳化機3に連続的に供給し、乳化剤水溶液を、循環管2を通じて貯留タンク1から第1のポンプ11、乳化機3を経て貯留タンク1に戻るという循環経路を繰り返し循環させる。乳化剤水溶液は、貯留タンク1内で貯留している間は撹拌翼50で撹拌される。循環管2を通る乳化剤水溶液の循環流量は、例えば1500kg/HR(時間)程度とされる。
[第2の循環工程]
次に、上記第1の循環工程を継続した状態で、ゴム溶液タンク15内で調製したゴム溶液を第2の供給管22に排出するとともに第2のポンプ12を作動させ、第2の供給管22からゴム溶液を乳化機3の吸い込み側すなわち上流側の循環管2に連続的に供給する。ゴム溶液タンク15から第2のポンプ12で循環管2に供給するゴム溶液の供給量は、例えば150kg/HR(時間)程度とされる。
ゴム溶液タンク15から第2のポンプ12で循環管2に供給するゴム溶液の供給量は、適宜設定されるが、循環管2を循環する乳化剤水溶液の循環流量とゴム溶液タンク15からのゴム溶液の供給量との比率が3:1~15:1の範囲になるようにすると好ましい。この範囲では、5:1~15:1がより好ましく、10:1~15:1であればさらに好ましい。
上記のように循環管2に供給されたゴム溶液は循環管2を流れる乳化剤水溶液と混合し、ゴム溶液と乳化剤水溶液との混合溶液は、乳化機3を通過することにより乳化されて乳化液に生成される。その乳化液は、乳化機3によって貯留タンク1に送液され、貯留される。これにより貯留タンク1内の乳化剤水溶液は、ゴム濃度の低いゴムの乳化液といえる状態となり、貯留タンク1内に乳化液が連続的に供給されるにつれ、貯留タンク1内の乳化剤水溶液はゴム濃度がしだいに高くなっていく。したがって貯留タンク1から排出されて循環管2を循環する乳化剤水溶液もゴム濃度が高くなっていき、乳化液に生成されていく。なお、この間も貯留タンク1内の乳化剤水溶液は引き続き撹拌翼50で撹拌され、貯留タンク1内では、供給される乳化液が乳化剤水溶液に混合される。
第2の循環工程においては、上記のように、貯留タンク1から排出されて循環する途中の乳化剤水溶液にゴム溶液を連続的に供給しながら、乳化機3によって乳化剤水溶液とゴム溶液とを混合して乳化し、乳化機3の下流側に流れる乳化液を貯留タンク1に戻すという動作を連続的に行う。そして、ゴム溶液タンク15から必要量の全量のゴム溶液を循環管2に供給したら第2のポンプ12の作動を停止してゴム溶液の供給を停止し、次いで、第1のポンプ11および乳化機3の作動を停止して乳化液の循環を停止する。
以上で、ゴム溶液の必要量の全量が乳化剤水溶液に混合した乳化液が貯留タンク1内に貯留された状態となる。なお、本実施形態では、上記のように乳化液の全量が製造された段階で循環を停止してもよいが、さらに、製造された乳化液の全量を循環管2を通じて少なくともさらに1回循環させた後に、貯留タンク1内に最終的に貯留するようにしてもよい。
[脱溶媒工程]
脱溶媒工程は、貯留タンク1内に貯留されている乳化液から有機溶媒を除去する工程である。脱溶媒の方法としては、乳化液中における有機溶媒の含有量を500重量ppm以下とすることが可能な方法が好ましく、例えば、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留、遠心分離等の方法を採用することができる。これらの中では、有機溶媒を適切かつ効率的に除去できるという観点から、減圧蒸留が好ましい。
本実施形態では、減圧ポンプ13および濃縮器16を用い、貯留タンク1内の乳化液を減圧蒸留して脱溶媒する。すなわち、本実施形態の脱溶媒工程では、貯留タンク1内の乳化液を例えば85℃程度に加温した状態から、バルブ17を開いて減圧ポンプ13を作動させ、貯留タンク1内を例えば700mmHg未満に減圧する。これにより貯留タンク1内の乳化液からは有機溶媒が蒸留し、その有機溶媒は、貯留タンク1内から蒸留管23に排出され、濃縮器16により濃縮されて回収される。
本実施形態において、脱溶媒工程では貯留タンク1内で乳化液を撹拌翼50により撹拌しながら行うことが、脱溶媒後に得られるラテックス中に存在する凝集物が少なくなりやすいため好ましい。
減圧蒸留による脱溶媒工程では、貯留タンク1内の圧力は700mmHg未満に減圧されることが望ましい。脱溶媒工程で貯留タンク1内の圧力が高い場合には脱溶媒工程に長時間を要し、また、圧力が低い場合には乳化液が過度に発泡するおそれがある。そこでこれらの問題の発生を抑制する観点から、脱溶媒工程での貯留タンク1内の圧力は、好ましくは1~600mmHgであり、10~500mmHgであればより好ましく、100~400mmHgであればさらに好ましい。
また、本実施形態での脱溶媒工程における貯留タンク1内の乳化液の温度は、乳化液に含まれる有機溶媒の沸点以上の温度に加熱することが好ましいが、具体的にはその有機溶媒の沸点よりも5℃以上高い温度に制御することがより好ましく、10℃以上高い温度に制御することがさらに好ましい。なお、脱溶媒工程における貯留タンク1内の乳化液の温度の上限は、特に限定されないが、100℃未満とすることが好ましい。
本実施形態では、上記の第1の循環工程から脱溶媒工程までにおいて貯留タンク1内で撹拌翼50を回転させ、一貫して撹拌翼50により溶液(乳化剤水溶液あるいは乳化液)を撹拌するものとしているが、撹拌翼50による溶液の撹拌は、第1および第2の循環工程、脱溶媒工程の全ての工程で行う他に、これら工程のうちの少なくとも1つの工程で行うようにしてよい。
[遠心分離工程]
本実施形態では、脱溶媒工程を行った後に、有機溶媒が除去された乳化液を、遠心分離機に移して遠心分離することにより、固形分濃度が高められた軽液をゴムのラテックスとして得る。
遠心分離工程では、得られるラテックスの機械的安定性を向上させるために、有機溶媒が除去された乳化液に予めpH調製剤を添加して、そのpHを7以上、好ましくは9以上としておく。
pH調製剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、あるいは炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩、あるいはアンモニア、あるいはトリメチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン化合物等が挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアが好ましい。
また、上記のようにして本実施形態で得られるゴムのラテックスには、ラテックスの分野で配合される消泡剤、防腐剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
また、ゴムの原料として天然ゴムを用いた場合において、得られたラテックスを人体に接触するディップ成形体として用いる場合には、人体にアレルギー症状を引き起こす蛋白質を、ラテックスの段階で分解除去する必要がある。
以上が本実施形態に係るラテックスの製造方法である。本実施形態に係る製造方法で製造されるラテックスからは、ラテックス組成物を経てゴム手袋等のディップ成形体を得ることができる。ディップ成形体は、本発明に係る膜成形体の一態様である。さらに、本実施形態に係る製造方法で製造されるラテックスを用いて、接着剤層形成基材を得ることができる。接着剤層形成基材は、基材の表面にラテックス組成物を接着剤層として形成した複合材料をいう。
以下、ラテックス組成物、ディップ成形体および接着剤層形成基材の製造方法の具体例を挙げる。
(ラテックス組成物の製造)
ラテックス組成物は、ラテックスに架橋剤を添加することで得ることができる。
架橋剤としては、例えば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等の硫黄、あるいは塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、カプロラクタムジスルフィド、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物、2-(4'-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の硫黄含有化合物が挙げられる。これらの中では、硫黄が好ましく使用される。架橋剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部であり、より好ましくは0.2~3重量部である。架橋剤の含有量を当該範囲とすることにより、得られるディップ成形体の引張強度をより高めることができる。
また、ラテックス組成物は、さらに架橋促進剤を含有することが好ましい。架橋促進剤としては、ディップ成形において通常用いられるものが使用することができ、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸等のジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩、あるいは2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2-メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2-(2,4-ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2-(N,N-ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2-(4'-モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4-モルホニリル-2-ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3-ビス(2-ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリア等が挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、2ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。架橋促進剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋促進剤の含有量は、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.05~5重量部であり、より好ましくは0.1~2重量部である。架橋促進剤の含有量を当該範囲とすることにより、得られるディップ成形体の引張強度をより高めることができる。
また、ラテックス組成物には、さらに酸化亜鉛を含有させることが好ましい。酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.1~5重量部、より好ましくは0.2~2重量部である。酸化亜鉛の含有量を上記範囲とすることにより、乳化安定性を良好なものとしながら、得られるディップ成形体の引張強度をより高めることができる。
ラテックス組成物には、さらに、老化防止剤、分散剤、カーボンブラック、シリカ、タルク等の補強剤、炭酸カルシウムやクレー等の充填剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の配合剤等を、必要に応じて配合することができる。
例えば老化防止剤としては、2,6-ジ-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ-p-クレゾール、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノール、2,2'-メチレン-ビス(6-α-メチル-ベンジル-p-クレゾール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、p-クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物等の硫黄原子を含有しないフェノール系老化防止剤、あるいは2,2'-チオビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス-(6-t-ブチル-o-クレゾール)、2,6-ジ-t-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール等のチオビスフェノール系老化防止剤、あるいはトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール・ジホスファイト等の亜燐酸エステル系老化防止剤、あるいはチオジプロピオン酸ジラウリル等の硫黄エステル系老化防止剤、あるいはフェニル-α-ナフチルアミン、フェニル-β-ナフチルアミン、p-(p-トルエンスルホニルアミド)-ジフェニルアミン、4,4'―(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物等のアミン系老化防止剤、あるいは6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤、あるいは2,5-ジ-(t-アミル)ハイドロキノン等のハイドロキノン系老化防止剤等が挙げられる。これらの老化防止剤は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
老化防止剤の含有量は、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.05~10重量部であり、より好ましくは0.1~5重量部である。
ラテックス組成物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、ボールミル、ニーダー、ディスパー等の分散機を用いて、ゴムのラテックスに、架橋剤、および必要に応じて配合される各種配合剤を混合する方法や、上記の分散機を用いて、ゴムのラテックス以外の配合成分の水性分散液を調製した後、該水性分散液をゴムのラテックスに混合する方法等が挙げられる。
ラテックス組成物は、pHが7以上であることが好ましく、pHが7~13の範囲であればより好ましく、pHが8~12の範囲であればさらに好ましい。また、ラテックス組成物の固形分濃度は、15~65重量%の範囲にあることが好ましい。
ラテックス組成物は、得られるディップ成形体の機械的特性をより高めるという観点から、ディップ成形に供する前に熟成(前架橋)させることが好ましい。前架橋する時間は、特に限定されず、前架橋の温度にも依存するが、好ましくは1~14日間であり、より好ましくは1~7日間である。なお、前架橋の温度は、好ましくは20~40℃である。
そして、前架橋した後、ディップ成形に供されるまで、好ましくは10~30℃の温度で貯蔵することが好ましい。これは、これより高温のままの状態で貯蔵すると、得られるディップ成形体の引張強度が低下する場合があるからである。
(ディップ成形体の製造)
ディップ成形体は、上記のラテックス組成物をディップ成形することによって得ることができる。ディップ成形は、ラテックス組成物に浸漬した型の表面にラテックス組成物を沈着させ、次に型をラテックス組成物から引き上げ、その後、型の表面に沈着したラテックス組成物を乾燥させるといった成形方法である。なお、ラテックス組成物に浸漬される前の型は予熱しておいてもよい。また、型をラテックス組成物に浸漬する前、または、型をラテックス組成物から引き上げた後、必要に応じて凝固剤を使用することができる。
凝固剤の使用方法の具体例としては、型を凝固剤溶液に浸漬してから、その型をラテックス組成物に浸漬する方法(アノード凝着浸漬法)や、先に型をラテックス組成物に浸漬してから型を凝固剤溶液に浸漬する方法(ティーグ凝着浸漬法)等があるが、厚みムラの少ないディップ成形体が得られる点で、アノード凝着浸漬法が好ましい。
凝固剤の具体例としては、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のハロゲン化金属、あるいは硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛等の硝酸塩、あるいは酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛等の酢酸塩、あるいは硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩等の水溶性多価金属塩である。中でも、カルシウム塩が好ましく、硝酸カルシウムがより好ましい。これらの水溶性多価金属塩は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
凝固剤は、好ましくは水溶液の状態で使用する。この水溶液は、さらにメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や、ノニオン性界面活性剤を含有していてもよい。凝固剤の濃度は、水溶性多価金属塩の種類によっても異なるが、好ましくは5~50重量%、より好ましくは10~30重量%である。
型をラテックス組成物から引き上げた後は、通常、加熱することにより型上において膜状に形成された沈着物を乾燥させる。乾燥条件は適宜選択すればよい。
次いで、加熱することにより型上に膜状に形成された沈着物を架橋させる。架橋時の加熱条件は、特に限定されないが、加熱温度としては60~150℃が好ましく、100~130℃がより好ましい。また、加熱時間としては、10~120分が好ましい。
加熱の方法は、特に限定されないが、オーブンの中で温風をあてて加熱する方法や、赤外線を照射して加熱する方法等が挙げられる。
また、ラテックス組成物を沈着させた型を加熱する前、あるいは加熱した後に、水溶性不純物(例えば、余剰の界面活性剤や凝固剤)を除去するために、型を水または温水で洗浄することが好ましい。温水を用いる場合、その温水の温度は、好ましくは40~80℃であり、より好ましくは50~70℃である。
架橋後のディップ成形体は、型から脱着される。脱着方法としては、手で型から剥がす方法や、水圧または圧縮空気圧力により型から剥がす方法等が採用される。架橋途中のディップ成形体が脱着に対する十分な強度を有していれば、架橋途中で脱着し、引き続き、その後の架橋を継続してもよい。
ディップ成形体としては、例えばゴム手袋が特に好適に製造される。ディップ成形体がゴム手袋である場合、ディップ成形体どうしの接触面における密着を防止するとともに手に対する着脱の際の滑りをよくするために、タルク、炭酸カルシウム等の無機微粒子または澱粉粒子等の有機微粒子を手袋表面に散布したり、微粒子を含有するエラストマー層を手袋表面に形成したり、あるいは手袋の表面層を塩素化したりするとよい。
また、ディップ成形体としては、上記ゴム手袋の他にも、哺乳瓶用乳首、スポイト、チューブ、水枕、バルーンサック、カテーテル、コンドーム等の医療用品や、風船、人形、ボール等の玩具、あるいは加圧成形用バッグ、ガス貯蔵用バッグ等の工業用品、あるいは指サック等の各種ゴム成形体に適用することができる。
また、ディップ成形体の厚さは用途や製品に応じたものとなり、例えば0.03~0.50mm程度の厚さで成形される。
(接着剤層形成基材の製造)
本実施形態に係る接着剤層形成基材は、上記ラテックス組成物を用いて形成される接着剤層を基材の表面に形成して得られる。
本実施形態でいう基材は、特に限定されないが、例えば、繊維基材を用いることができる。繊維基材を構成する繊維の種類は、特に限定されず、例えば、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、アラミド(芳香族ポリアミド)等のポリアミド繊維、ガラス繊維、綿、レーヨン等が挙げられる。これらは、その用途に応じて適宜選定することができる。
繊維基材の形状は、特に限定されないが、例えば、ステープル、フィラメント、コード状、ロープ状、織布(帆布等)等を挙げることができ、その用途に応じて適宜選定することができる。例えば、接着剤層形成基材は、接着剤層を介して、ゴムと接着することにより、基材-ゴム複合体として用いることができる。基材-ゴム複合体としては、特に限定されないが、例えば、繊維基材としてコード状のものを用いた芯線入りのゴム製歯付きベルトや、帆布等の基布状の繊維基材を用いたゴム製歯付きベルト等が挙げられる。
基材-ゴム複合体を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬処理等によりラテックス組成物を基材に付着させて接着剤層形成基材を得、次いで、接着剤層形成基材をゴム上に載置し、これを加熱および加圧する方法が挙げられる。
上記方法での加圧は、プレス成形機、金属ロール、あるいは射出成形機等を用いて行うことができる。また、加圧の圧力は、好ましくは0.5~20MPa、より好ましくは2~10MPaである。また、加熱の温度は、好ましくは130~300℃、より好ましくは150~250℃である。また、上記方法での加熱および加圧の処理時間は、好ましくは1~180分、より好ましくは5~120分である。加熱および加圧する方法によっては、ゴムの成形、および接着剤層形成基材とゴムとの接着を、同時に行なうことができる。なお、加圧に用いるプレス成形機の型の内面やロールの表面には、目的とする基材-ゴム複合体のゴムに所望の表面形状を付与するための型を形成させておくことが好ましい。
また、基材-ゴム複合体の一態様として、基材-ゴム-基材複合体を挙げることができる。基材-ゴム-基材複合体は、例えば、基材(2種以上の基材の複合体であってもよい)と基材-ゴム複合体とを組み合わせて形成することができる。具体的には、基材としての芯線、ゴムおよび基材としての基布を重ね(このとき、芯線および基布には、ラテックス組成物を適宜付着させて接着剤層形成基材としておく)、加熱しながら加圧することにより、基材-ゴム-基材複合体を得ることができる。
本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、機械的強度、耐摩耗性および耐水性に優れたものであり、そのため、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルト等のベルトとして好適に用いることができる。また、本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、耐油性に優れ、油中ベルトとして好適に用いることができる。さらに、本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、ホース、チューブ、ダイアフラム等にも好適に使用できる。ホースとしては、単管ゴムホース、多層ゴムホース、編上式補強ホース、布巻式補強ホース等が挙げられる。ダイアフラムとしては、平形ダイアフラム、転動形ダイアフラム等が挙げられる。
さらに、本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、上記の用途以外にも、シール、ゴムロール等の工業用製品として用いることができる。シールとしては、回転用、揺動用、往復動等の運動部位シールと固定部位シールが挙げられる。運動部位シールとしては、オイルシール、ピストンシール、メカニカルシール、ブーツ、ダストカバー、ダイアフラム、アキュムレータ等が挙げられる。固定部位シールとしては、Oリング、各種ガスケット等が挙げられる。ゴムロールとしては、印刷機器、コピー機器等のOA機器の部品であるロール、あるいは紡糸用延伸ロール、紡績用ドラフトロール等の繊維加工用ロール、あるいはブライドルロール、スナバロール、ステアリングロール等の製鉄用ロール等が挙げられる。
(作用)
次に、本実施形態に係るラテックスの製造方法の作用を説明する。
本実施形態に係るラテックスの製造方法では、はじめからゴム溶液と乳化剤水溶液とを所定の割合で同時に混合して乳化液を得るのではなく、はじめは乳化剤水溶液のみを循環させ、循環する乳化剤水溶液にゴム溶液を連続的に供給しながら乳化液を得ている。
図3は、図1に示した本実施形態に係るラテックス製造装置に対する対比例であって、はじめからゴム溶液と乳化剤水溶液とを所定の割合で同時に混合する「ライン混合型」の製造装置の一例を示している。理解を容易とするため、図3においては図1と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
図3に示す対比例の製造装置では、乳化剤タンク14から乳化剤水溶液が、また、ゴム溶液タンク15からゴム溶液が、それぞれポンプ18、19によって乳化機3に連続的に供給され、乳化機3によって乳化された乳化液が配管24から貯留タンク1内に供給されるようになっている。また、この対比例の製造装置は、貯留タンク1から乳化機3の上流側にわたる循環用配管25が設けられており、貯留タンク1から循環用配管25、乳化機3、配管24を経て貯留タンク1に戻る循環の経路を有している。
この対比例の製造装置では、はじめからゴム溶液と乳化剤水溶液とを所定の割合で同時に混合して乳化するため、ゴムの分散が不十分で乳化が十分に進んでいない状態の乳化液となり、結果として凝集物の多いラテックスが製造されることが懸念される。
これに対し本実施形態に係るラテックスの製造方法では、循環する乳化剤水溶液中にゴム溶液を供給しながら乳化することにより、乳化液は、ゴム濃度がしだいに高くなりながら乳化が進んで所定のゴム濃度の乳化液に生成されていく。このため、微細化したゴムが均質な状態に分散した良好な乳化状態を得ることができる。したがって本実施形態によれば、ゴム溶液と乳化剤水溶液との混合溶液を良好な状態に乳化することができ、その結果、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができる。
また、本実施形態に係るラテックス製造方法は、前述したように、第2の循環工程を経て貯留タンク1に貯留した乳化液を、さらに1回以上循環させることを含む。このように乳化液の循環を繰り返すことによって、よりいっそう十分に乳化した乳化液を得ることができるとともに、凝集物が少ないラテックスを得ることができる。
また、本実施形態に係るラテックスの製造方法では、貯留タンク1内の乳化剤水溶液や乳化液を撹拌翼50で撹拌すると、その溶液を貯留タンク1内で上下方向に循環させる循環流を生じさせることができる。このため、比重が比較的軽く液面近傍に浮遊して停滞しやすいゴムを上下に循環させることができるので、ゴムを均質な状態に分散させることができる。したがって第1の循環工程や第2の循環工程において、循環する溶液を本発明に係る撹拌翼により撹拌することによって、よりいっそう十分に乳化した乳化液を得ることができるとともに、凝集物が少ないラテックスを得ることができる。
また、本実施形態に係る撹拌翼50は、格子状の構造を有する格子部54により、上下に循環する溶液中のゴムが剪断・細分化され、さら格子部54の回転方向後方に発生する微細渦にゴムが巻き込まれて混合される。このため、ゴムの微細化および混合が促進し、良好な乳化状態を得やすくなるとともに凝集物を少なくすることができる。
また、本実施形態の撹拌翼50は、パドル部53の下端部が貯留タンク1内の底部に近接しているため、溶液を底部に残存させず循環流に乗せて撹拌することができる。このため、上下の循環流が的確に発生してゴムが分散され、良好な乳化液を得ることができる。
また、バッフル板90は、パドル部53により径方向外方に押し出された溶液が撹拌翼50の回転に伴って回転することを抑制するとともに上昇流を発生させるように作用する。これによっても上下の循環流が的確に発生してゴムが分散され、良好な乳化液を得ることができるものとなっている。
また、本実施形態に係るラテックスの製造方法は、脱溶媒工程においても撹拌翼50によって乳化液を撹拌することにより、脱溶媒中の乳化液中のゴムは上下に循環して撹拌されてゴムが十分に混合されるため、脱溶媒後に得られるラテックスは、凝集物の少ない高品質なものとなる。
なお、上記の実施形態では、第1の循環工程で循環管2を循環させる乳化剤水溶液は、乳化剤水溶液が100%の溶液、すなわちゴム溶液:乳化剤水溶液の容積比率が0:100の溶液である。しかし、本発明は、循環管2を循環させる乳化剤水溶液は、少量のゴム溶液を含んだものであってもよく、その割合としては、ゴム溶液:乳化剤水溶液の容積比率が最大で1:4の範囲内であればよいものとしている。このように少量のゴム溶液を含んだ乳化剤水溶液を循環させ、その循環中の乳化剤水溶液にゴム溶液を供給しながら乳化させても、上記の実施形態と同様に、微細化したゴムが均質な状態に分散した良好な乳化液を得ることができる。
また、上記の実施形態では、第1および第2の循環工程から脱溶媒工程まで1つの貯留タンク1を利用しているが、第2の循環工程を終えて貯留タンク1に貯留する乳化液を別の貯留タンクに移して脱溶媒工程を行ってもよい。このように別の貯留タンクを用いて脱溶媒工程を行う場合、その別の貯留タンク内に撹拌翼50と同様の撹拌翼を設けて乳化液を撹拌しながら脱溶媒を行ってもよい。
(撹拌翼の他の実施形態)
次に、図4および図5を参照して、上記撹拌手段40を構成する撹拌翼50の他の実施形態を説明する。他の実施形態の各図においては上記実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4は、他の実施形態の撹拌翼60を備えた貯留タンク(容器)1Bを示している。撹拌翼60は、全体的には平板状で矩形形状を有しており、かつ回転軸41を対称線として左右対称の形状を有している。撹拌翼60は、下部の矩形状のパドル部63と、パドル部63から上方に延びる左右の矩形状の翼部64a、64bと、を有している。回転軸41はパドル部63の幅方向中心を貫通するようにしてパドル部63に固定されており、撹拌翼60は回転軸41とともに回転する。
左右の翼部64a、64bは、内側(回転軸41側)の縁部65をそれぞれ有し、これら縁部65は回転軸41と平行に形成されている。また、左右の翼部64a、64bは外側の縁部66をそれぞれ有し、これら縁部66は、凹凸が繰り返す鋸歯状に形成されている。内側の縁部65と回転軸41との間、および外側の縁部66とバッフル板90との間は、それぞれ所定の間隔が空くように構成されている。
撹拌翼60の全体高さに対するパドル部63および各翼部64a、64bが占める高さ寸法の割合は、各翼部64a、64bの方が6~7割程度であってパドル部63よりも大きいが、これには限定されない。
撹拌翼60は、前述の実施形態の撹拌翼50と同様に、回転方向と略直交して貯留タンク1B内に貯留する乳化液等の溶液に対向する撹拌面62を有する。その撹拌面62の面積は撹拌翼60の面積に相当し、撹拌翼60は、撹拌面62の接液面積率、すなわち貯留タンク1B内に貯留される溶液の断面積に対する撹拌面62の面積の比率が、10~60%となるように構成されている。
図5は、撹拌翼70を備えた貯留タンク(容器)1Cを示している。撹拌翼70は、図4に示した撹拌翼60と同一の形状を有しているが、その大きさを変更した変更例である。したがって撹拌翼60と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す変更例の撹拌翼70は、図4に示した撹拌翼60よりも面積すなわち撹拌面72の面積が例えば10~30%程度大きいものである。例えば、撹拌翼60の撹拌面62の接液面積率が15%程度であった場合、撹拌翼70が有する撹拌面72の接液面積率は45%程度である。
他の実施形態に係る上記平板状の撹拌翼60、70によれば、撹拌翼50の場合と同様に、撹拌する溶液に上下方向に循環する循環流を生じさせることができ、比重が比較的軽く溶液の液面近傍に浮遊して停滞しやすいゴムを上下に循環させて均質な状態に分散させることができる。したがって凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができる。
次に、本発明の実施例および比較例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限られるものではない。
[実施例1]
(ゴム溶液の製造)
図1に示すゴム溶液タンク15内において、合成ポリイソプレン(商品名「NIPOL
IR2200L」、日本ゼオン(株)製)を、ノルマルヘキサン(沸点:69℃)と混合して撹拌しながら60℃に昇温して溶解し、合成ポリイソプレン濃度が15重量%の、合成ポリイソプレンのノルマルヘキサン溶液からなるゴム溶液(a)を調製した。
(乳化剤水溶液の製造)
図1に示す乳化剤タンク14内において、ロジン酸カリウム(脂肪酸系乳化剤)を60℃で混合することにより、ロジン酸カリウム濃度が1.2重量%の乳化剤水溶液(b)を調製した。
(第1の循環工程)
次いで、上記のように調製した乳化剤水溶液(b)を乳化剤タンク14から第1の供給管21を経て貯留タンク1内に供給し、撹拌翼50で撹拌しながら60℃に加温した状態に貯留タンク1内で貯留した。なお、撹拌翼50としては、接液面積率が30%のものを用いた。
次いで、第1のポンプ11および乳化機3を作動させ、乳化剤水溶液(b)を貯留タンク1内から循環管2に排出して第1のポンプ11および乳化機3に連続的に供給し、乳化剤水溶液(b)を循環管2を通じて循環させた。なお、乳化機3には、商品名「マイルダーMDN310」(太平洋機工株式会社製)を用い、循環管2を流れる乳化剤水溶液(b)の循環流量は1500kg/HRとした。
(第2の循環工程)
引き続き撹拌翼50で貯留タンク1内の乳化剤水溶液(b)を撹拌しながら、第2のポンプ12を作動させ、上記のように調製したゴム溶液(a)をゴム溶液タンク15から第2の供給管22を経て循環管2に連続的に供給した。これにより、循環管2を循環していた乳化剤水溶液(b)と、乳化機3の上流側の循環管2に合流したゴム溶液(a)とを乳化機3によって混合して乳化し、得られた乳化液(c)を貯留タンク1に送液した。ゴム溶液タンク15から第2のポンプ12で循環管2に供給するゴム溶液の供給量は、150kg/HRとした。したがって、乳化剤水溶液(b)とゴム溶液(a)との流量比は10:1であり、乳化機3から循環管2に吐出される乳化液(c)の流量は1650kg/HRであった。
ゴム溶液タンク15から必要量の全量のゴム溶液(a)を循環管2に供給したら、第2のポンプ12の作動を停止してゴム溶液(a)の供給を停止し、次いで、第1のポンプ11および乳化機3の作動を停止して乳化液(c)の循環を停止した。
(脱溶媒工程)
次いで、バルブ17を開けて貯留タンク1から減圧ポンプ13までの系を密閉して減圧ポンプ13を作動させ、貯留タンク1内の乳化液(c)を撹拌翼50で撹拌しながら85℃になるまで加熱するとともに、貯留タンク1内を減圧した。これにより、乳化液(c)中のノルマルヘキサンを蒸留、除去して濃縮器16に回収し、貯留タンク1内に合成ポリイソプレン重合体の水分散液(d)を得た。なお、貯留タンク1内の乳化液(c)が85℃に達した時点での貯留タンク1内の圧力は0.08MPa(ゲージ圧)であった。
脱溶媒工程においては、濃縮器16により回収されたノルマルヘキサンの量を1時間ごとに測定し、乳化液(c)中のノルマルヘキサン含有量が乳化液(c)中の合成ゴムに対して100重量ppm以下になったと判断できた時点で、脱溶媒工程を終了とした。
(遠心分離工程)
次いで、貯留タンク1から抜き出して得られた水分散液(d)を、遠心分離機を用いて遠心分離し、軽液を固形分濃度60重量%の合成ポリイソプレンラテックス(e)として得た。
なお、水分散液(d)を貯留タンク1から抜き出した後、貯留タンク1の内壁や撹拌翼50に付着していた凝集物の割合は水分散液(d)に対し0.64部であった。また、得られた合成ポリイソプレンラテックス(e)の平均粒径は0.92μm、合成ポリイソプレンラテックス(e)に含まれる直径3μm以上の粗大粒子の割合は18500ppmであった。
(ディップ成形用のラテックス組成物の製造)
以上のようにして得た合成ポリイソプレンラテックス(e)を攪拌しながら、5重量%ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液を添加した(添加量は、合成ポリイソプレン100部に対して、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム0.4部とした)。
一方、スチレン-マレイン酸モノ-sec-ブチルエステル-マレイン酸モノメチルエステル重合体(商品名:Scripset550、Hercules社製)を、水酸化ナトリウムを用い、重合体中のカルボキシル基を100%中和して、分散剤(f)としてのナトリウム塩水溶液(濃度10重量%)を調製した。
次いで、分散剤(f)を、合成ポリイソプレンラテックス(e)100部に対して、固形分換算で0.6部になるようにして添加して混合し、この混合物を撹拌しながら、混合物中の合成ポリイソプレン100部に対して、固形分換算で、酸化亜鉛1.5部、硫黄1.5部、老化防止剤(商品名:Wingstay L、グッドイヤー社製)2部、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.35部、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩0.3部となるように、これら配合剤の水分散液を添加した。この後、さらに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを10.5に調製した後、固形分濃度が40%となるように蒸留水を添加し、ディップ成形用のラテックス組成物(g)を得た。その後、得られたラテックス組成物(g)を、25℃で48時間熟成した。
(ディップ成形体の製造)
表面がすり加工されたガラス型(直径約5cm、すり部長さ約15cm)を洗浄し、70℃のオーブン内で予備加熱した後、そのガラス型を、16重量%の硝酸カルシウムおよび0.05重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)からなる凝固剤水溶液に5秒間浸漬し、取り出した。
次いで、凝固剤で被覆された上記ガラス型を70℃のオーブン内で乾燥した。その後、凝固剤で被覆されたガラス型をオーブンから取り出し、25℃の上記ラテックス組成物(g)に10秒間浸漬してから取り出し、室温で60分間乾燥した。これにより、ガラス型の表面に合成ポリイソプレンラテックス(e)がフィルム状に形成された。
次いで、フィルム状の合成ポリイソプレンラテックス(e)が表面に形成されたガラス型をオーブン内に置き、25分間で50℃から60℃まで昇温して予備乾燥し、70℃のオーブン内に10分間置いてさらに乾燥した。そして、そのガラス型を60℃の温水中に2分間浸漬した後、室温で10分間風乾した。
次いで、フィルム状の合成ポリイソプレンラテックス(e)で被覆されたガラス型をオーブン内に置き、100℃で60分間加硫を行った。加硫されたフィルムで被覆されたガラス型を室温まで冷却し、表面にタルクを散布した後、当該フィルムをガラス型から剥離し、合成ポリイソプレンラテックスからなるディップ成形体を得た。
[実施例2]
第2の循環工程において、ゴム溶液(a)の循環管2への供給を停止した後、脱溶媒工程を行う前に、貯留タンク1内に貯留している乳化液(c)を循環管2を通じてもう1回循環させる「追加乳化」を行った以外は、実施例1と同様にしてラテックスおよびディップ成形体を得た。
[実施例3]
第2の循環工程において、乳化剤水溶液(b)とゴム溶液(a)との流量比を3:1とした以外は、実施例2と同様にしてラテックスおよびディップ成形体を得た。
[実施例4]
貯留タンク1に代えて、図6に示す2段パドル型の撹拌翼110(接液面積率:5%)を備えた貯留タンク100を用いた以外は、実施例2と同様にしてラテックスおよびディップ成形体を得た。
図6に示す貯留タンク100は、タンク本体101および図示せぬ蓋体を備え、また、前述のバッフル板90と同様の複数のバッフル板109を備えている。タンク本体101内には2つの撹拌翼110が配設され、それら撹拌翼110は回転軸104に上下方向に所定の間隔をあけて固定されている。
撹拌翼110は、回転軸104から左右方向に延びる板状であって、回転方向に対し概ね45°で傾斜し、かつ左右でその傾斜方向が互い違いとされた形状を有している。上記接液面積率:5%は、上下2つの撹拌翼110の接液面積率を合わせたものである。
[比較例1]
図3に示したライン混合型の製造装置を用い、乳化剤水溶液とゴム溶液とを1:1の割合で乳化機3に連続的に供給して乳化し、乳化液を得た以外は、実施例1と同様にしてラテックスおよびディップ成形体を得た。
[比較例2]
図3に示したライン混合型の製造装置を用い、乳化機3から貯留タンク1内に送液されて貯留された乳化液を、貯留タンク1から循環用予備配管25、乳化機3、配管24を通じて循環する追加乳化を行った以外は、比較例1と同様にしてラテックスおよびディップ成形体を得た。
[比較例3]
貯留タンク1に代えて、図6に示した2段パドル型の撹拌翼110(接液面積率:5%)を備えた貯留タンク100を用いた以外は、比較例1と同様にしてラテックスおよびディップ成形体を得た。
上記実施例1~4および比較例1~3の製造方法について表1にまとめるとともに、評価を表1に併記した。なお、表1の「乳化剤」は乳化剤水溶液を意味している。
表1において「凝集物」は、脱溶媒工程後に水分散液を貯留タンクから抜き出した後における貯留タンクの内壁や撹拌翼に付着していた凝集物の、水分散液中の固形分に対する割合である。また、「平均粒径」は、得られた合成ポリイソプレンラテックスの体積平均粒径であり、レーザ回折式粒度分布測定装置(商品名「SALD2200」、島津製作所製)を用いて求めた。また、「粗大粒子量」は、得られた合成ポリイソプレンラテックスに含まれる直径3μm以上の粗大粒子の重量割合であり、コールター式粒径測定機(商品名「Multisizer4e」、ベックマン・コールター社製)を用いて求めた。また、引張強度は、得られたディップ成形体の引張強度であって、以下のように測定した。
ASTM D624-00に基づいて、ディップ成形体を、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室で24時間以上放置した後、ダンベル(商品名「Die C」、ダンベル社製)で打ち抜き、測定用の試験片を作製した。そして、当該試験片をテンシロン万能試験機(商品名「RTG-1210」、A&D社製)で引張速度500mm/minで引っ張り、破断直前の引張強度(単位:MPa)を測定した。
Figure 0007276353000001
(評価)
表1に示すように、循環中の乳化剤水溶液にゴム溶液を供給しながら乳化液中のゴム濃度をしだいに上げていく実施例1~4は、はじめから乳化剤水溶液とゴム溶液とを所定量混合した混合溶液を乳化する比較例1~3よりも粗大粒子量および凝集物が少なかった。したがって本発明によれば乳化が良好に行われ、得られるラテックスは凝集物の量が少ない高品質なものになることが確かめられた。また、実施例2のように、乳化剤水溶液の循環量に対するゴム溶液の供給割合が少なく、追加乳化を行い、かつ貯留タンク内で乳化剤水溶液や乳化液を平板状の撹拌翼で撹拌することにより、乳化がきわめて良好に行われることが判った。
また、ディップ成形体の引張強度に関しても、実施例1~4は比較例1~3よりも優れており、本発明で製造されるラテックスから製造されるディップ成形体が強度に優れたものになることが確かめられた。
本発明は、ゴム溶液と乳化剤水溶液との混合溶液を良好な状態に乳化することができるため、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができるラテックスの製造方法として有用である。
1、1B、1C 貯留タンク(容器)
2 循環管(循環ライン)
3 乳化機
40 撹拌手段
50、60、70 撹拌翼
52、62、72 撹拌面
54 格子部

Claims (10)

  1. ゴムと有機溶媒とを混合したゴム溶液と、乳化剤水溶液と、を、前記ゴム溶液:前記乳化剤水溶液の容積比率が0:100~1:4の割合で循環ラインに供給して循環させる第1の循環工程と、
    前記第1の循環工程を継続した状態で、前記循環ライン中に、ゴムと有機溶媒とを混合したゴム溶液を供給しながら、前記循環ラインの途中に設けた乳化機により前記乳化剤水溶液と前記ゴム溶液とを混合して乳化液を得る第2の循環工程と、
    前記乳化液から前記有機溶媒を除去する脱溶媒工程と、を備えることを特徴とするラテックスの製造方法。
  2. 前記第2の循環工程における前記乳化剤水溶液の循環流量と、前記第2の循環工程において前記循環ラインに供給する前記ゴム溶液の供給量との比率を、3:1~15:1とすることを特徴とする請求項1記載のラテックスの製造方法。
  3. 前記第2の循環工程で得た前記乳化液を、前記循環ラインを通じてさらに少なくとも1回循環させた後に前記脱溶媒工程を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のラテックスの製造方法。
  4. 前記循環ラインの途中に該循環ラインを循環する循環溶液を貯留する容器を設け、該容器内で、回転する撹拌手段により、前記第1の循環工程および前記第2の循環工程のうちの少なくともいずれか一方の循環工程において貯留する溶液を撹拌するようにし、
    前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のラテックスの製造方法。
  5. 前記脱溶媒工程においては、前記乳化液を容器内に貯留し、該容器内に回転可能に設けた撹拌手段で撹拌しながら前記乳化液から前記有機溶媒を除去するようにし、
    前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のラテックスの製造方法。
  6. 前記撹拌翼の前記撹拌面の面積が、前記容器内に貯留される溶液の断面積の10~60%であることを特徴とする請求項4または5に記載のラテックスの製造方法。
  7. 前記撹拌翼は、格子状の構造を有する格子部を備えることを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のラテックスの製造方法。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いて膜成形体を成形することを特徴とする膜成形体の製造方法。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載の製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いてディップ成形体を成形することを特徴とするディップ成形体の製造方法。
  10. 請求項1~7のいずれかに記載の製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を接着剤層として基材の表面に形成することを特徴とする接着剤層形成基材の製造方法。
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