JP2019065064A - 重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的安定性に優れた重合体ラテックスを高い生産効率にて製造可能な重合体ラテックスの製造方法を提供すること。【解決手段】重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる重合体溶液と、界面活性剤が水に溶解または分散してなる界面活性剤水溶液とを混合することにより、前記重合体を乳化分散させる工程を備える重合体ラテックスの製造方法であって、前記重合体の乳化分散を、円筒壁旋回型ミキサーを用いて行う重合体ラテックスの製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、重合体ラテックスの製造方法に関し、さらに詳しくは、機械的安定性に優れた重合体ラテックスを高い生産効率にて製造可能な重合体ラテックスの製造方法に関する。
従来、天然ゴムや合成ゴムのラテックスを含有するラテックス組成物をディップ成形して得られるディップ成形体などの膜成形体は、乳首、風船、手袋、バルーン、サック等として好適に用いられている。
たとえば、特許文献1には、ゴムを適切な炭化水素溶媒中に溶解させることでセメントを得て、得られたセメントを、セッケン水溶液と一緒に乳化させて、水中油型乳化物を形成する人工ラテックスの製造方法において、固定子および回転子を含む少なくとも1つの均質化装置を使用して、セッケン水溶液とセメントとを混合する技術が開示されている。しかしながら、この特許文献1の製造方法により得られる人工ラテックスは、機械的安定性が十分でなく、そのため、ラテックスとしての貯蔵安定性が低く、後工程においてゴム粒子の凝集が起こりやすく、凝集物の除去などの追加の工程が必要となるという課題や、凝集物の発生により生産効率が低下してしまうという課題があった。
特表2009−533501号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、機械的安定性に優れた重合体ラテックスを高い生産効率にて製造可能な重合体ラテックスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる重合体溶液と、界面活性剤が水に溶解または分散してなる界面活性剤水溶液とを混合し、重合体を乳化分散させる際に、重合体の乳化分散を、円筒壁旋回型ミキサーを用いて行うことにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる重合体溶液と、界面活性剤が水に溶解または分散してなる界面活性剤水溶液とを混合することにより、前記重合体を乳化分散させる工程を備える重合体ラテックスの製造方法であって、前記重合体の乳化分散を、円筒壁旋回型ミキサーを用いて行う重合体ラテックスの製造方法が提供される。
本発明の製造方法において、前記円筒壁旋回型ミキサーのローターの周速を35〜60m/sとすることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記重合体溶液と、前記界面活性剤水溶液とを予め混合して混合液とした状態にて、前記円筒壁旋回型ミキサーに供給することで、前記重合体の乳化分散を行うことが好ましい。
本発明の製造方法において、前記重合体が、合成ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体および天然ゴムの少なくとも一種であることが好ましい。
本発明によれば、機械的安定性に優れた重合体ラテックスを高い生産効率にて製造可能な重合体ラテックスの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の製造方法で用いられる円筒壁旋回型ミキサーの一例を示す断面図である。
本発明の重合体ラテックスの製造方法は、重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる重合体溶液と、界面活性剤が水に溶解または分散してなる界面活性剤水溶液とを混合することにより、前記重合体を乳化分散させる工程を備え、前記重合体の乳化分散を、円筒壁旋回型ミキサーを用いて行うものである。
なお、本明細書においては、重合体溶液は、重合体分散液を含む概念として、また、界面活性剤水溶液は、界面活性剤水分散液を含む概念として、それぞれ用いる。
<重合体溶液>
本発明で用いる重合体溶液は、重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる溶液または分散液である。重合体溶液に含有される重合体としては、特に限定されず、種々の重合体を制限なく用いることができるが、たとえば、天然ゴム;合成ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、合成ポリクロロプレン等の共役ジエン単量体の単独重合体もしくは共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体、ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体;アクリレート系(共)重合体等が挙げられる。これらのなかでも、本発明の製造方法を適用した場合における効果がより高いという観点より、天然ゴム、合成ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が好ましく、合成ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体がより好ましい。
合成ポリイソプレンとしては、イソプレンの単独重合体であってもよいし、イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを共重合したものであってもよい。合成ポリイソプレン中のイソプレン単位の含有量は、本発明の製造方法により得られる重合体ラテックスを、ディップ成形体などの膜成形体とした場合に、柔軟で、引張強度に優れるディップ成形体などの膜成形体が得られやすいことから、全単量体単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%(イソプレンの単独重合体)である。
イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のイソプレン以外の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;スチレン、アルキルスチレン等のビニル芳香族単量体;(メタ)アクリル酸メチル(「アクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸メチル」の意味であり、以下、(メタ)アクリル酸エチルなども同様。)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;などが挙げられる。これらのイソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体は、1種単独でも、複数種を併用してもよい。
合成ポリイソプレンは、従来公知の方法、たとえばトリアルキルアルミニウム−四塩化チタンからなるチーグラー系重合触媒やn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム重合触媒を用いて、不活性重合溶媒中で、イソプレンと、必要に応じて用いられる共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを溶液重合して得ることができる。溶液重合により得られた合成ポリイソプレンの重合体溶液は、本発明の重合体ラテックス(合成ポリイソプレンラテックス)の製造にそのまま用いてもよいが、該重合体溶液から、一度、固形の合成ポリイソプレンを取り出した後、有機溶媒に溶解して、本発明の重合体ラテックスの製造に用いることもできる。
この際、合成した後に重合体溶液中に残った重合触媒の残渣などの不純物を取り除いてもよい。また、重合中または重合後の溶液に、後述する老化防止剤を添加してもよい。さらに、市販の固形の合成ポリイソプレンを用いることもできる。
合成ポリイソプレン中のイソプレン単位としては、イソプレンの結合状態により、シス結合単位、トランス結合単位、1,2−ビニル結合単位、3,4−ビニル結合単位の4種類が存在する。たとえば、本発明の製造方法により得られる重合体ラテックスを、ディップ成形体などの膜成形体用途に用いる場合には、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度向上の観点から、合成ポリイソプレンに含まれるイソプレン単位中のシス結合単位の含有割合は、全イソプレン単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。
合成ポリイソプレンの重量平均分子量は、ゲル・パーミーエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算で、好ましくは10,000〜5,000,000、より好ましくは500,000〜5,000,000、さらに好ましくは800,000〜3,000,000である。合成ポリイソプレンの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、ディップ成形体などの膜成形体とした場合における、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度をより高めることができる。
また、合成ポリイソプレンのポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは50〜100、より好ましくは60〜95、さらに好ましくは70〜90、最も好ましくは75〜85である。
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体は、スチレンとイソプレンのブロック共重合体(SIS)(「S」はスチレンブロック、「I」はイソプレンブロックをそれぞれ表す。)である。
SISは、従来公知の方法、たとえばn−ブチルリチウムなどの活性有機金属を開始剤として、不活性重合溶媒中で、イソプレンとスチレンとをブロック共重合して得ることができる。そして、得られたSISの重合体溶液は、本発明の重合体ラテックス(SISポリイソプレンラテックス)の製造にそのまま用いてもよいが、該重合体溶液から、一度、固形のSISを取り出した後、その固形のSISを有機溶媒に溶解して、本発明の重合体ラテックスの製造に用いることもできる。
この際、合成した後に重合体溶液中に残った重合触媒の残渣などの不純物を取り除いてもよい。また、重合中または重合後の溶液に、後述する老化防止剤を添加してもよい。さらに、市販の固形のSISを用いることもできる。
SIS中のスチレンブロックにおけるスチレン単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、さらに好ましくは100重量%である。
また、SIS中のイソプレンブロックにおけるイソプレン単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、さらに好ましくは100重量%である。
なお、SIS中のスチレン単位とイソプレン単位の含有割合は、「スチレン単位:イソプレン単位」の重量比で、通常1:99〜90:10、好ましくは3:97〜70:30、より好ましくは5:95〜50:50、さらに好ましくは10:90〜30:70の範囲である。
SISの重量平均分子量は、ゲル・パーミーエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算で、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは50,000〜5,00,000、さらに好ましくは100,000〜3,00,000である。SISの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、ディップ成形体などの膜成形体とした場合における、引張強度をより高めることができる。
重合体(たとえば、天然ゴム、合成ポリイソプレン、SIS)を溶解または分散させるための有機溶媒としては、特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒;等を挙げることができる。これらのうち、脂環族炭化水素溶媒が好ましく、シクロヘキサンが特に好ましい。
なお、有機溶媒の使用量は、重合体100重量部に対して、好ましくは2,000重量部以下、より好ましくは20〜1,500重量部、さらに好ましくは500〜1000、特に好ましくは100〜400である。
<重合体ラテックスの製造方法>
本発明の製造方法においては、上述した重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる重合体溶液と、界面活性剤が水に溶解または分散してなる界面活性剤水溶液とを混合することにより、重合体を乳化分散させ、これにより、重合体ラテックスを得るものであり、この際において、重合体の乳化分散を行うための乳化分散装置として、円筒壁旋回型ミキサーを用いて行うものである。
界面活性剤水溶液に含有させる界面活性剤としては、特に限定されないが、アニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、たとえば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、リノレン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸カリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等のモノアルキルリン酸塩;等が挙げられる。
これらアニオン性界面活性剤の中でも、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩が特に好ましい。
また、重合体ラテックスを製造する際における、凝集物の発生が抑制されることから、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、脂肪酸塩とを併用して用いることが好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸塩と、脂肪酸塩とを併用して用いることが特に好ましい。ここで、脂肪酸塩としては、ロジン酸ナトリウムおよびロジン酸カリウムが好ましく、また、アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸カリウムが好ましい。また、これらの界面活性剤は、1種単独でも2種以上を併用してもよい。
さらに、本発明の製造方法においては、アニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を併用してもよく、このようなアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性の界面活性剤が挙げられる。
また、本発明の製造方法により得られる重合体ラテックスをディップ成形体などの膜成形体用に用いる場合に、ディップ成形などの膜成形する際に使用する凝固剤による凝固を阻害しない範囲であれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性界面活性剤も併用してもよい。
界面活性剤水溶液に含有させる界面活性剤の使用量は、重合体溶液中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜40重量部、さらに好ましくは5〜30重量部である。なお、2種類以上の界面活性剤を用いる場合においては、これらの合計の使用量を上記範囲とすることが好ましい。界面活性剤の使用量が少なすぎると、乳化時に凝集物が多量に発生するおそれがあり、逆に多すぎると、発泡しやすくなり、得られるディップ成形体などの膜成形体にピンホールが発生する可能性がある。
本発明の製造方法において、使用する水の量は、重合体溶液(有機溶媒溶液)100重量部に対して、好ましくは10〜1,000重量部、より好ましくは30〜500重量部、最も好ましくは50〜100である。使用する水の種類としては、硬水、軟水、イオン交換水、蒸留水、ゼオライトウォーターなどが挙げられ、軟水、イオン交換水および蒸留水が好ましい。
本発明の製造方法においては、上述した重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる重合体溶液と、界面活性剤が水に溶解または分散してなる界面活性剤水溶液とを混合し、重合体を乳化分散させる際に、重合体の乳化分散を行うための乳化分散装置として、円筒壁旋回型ミキサーを用いるものである。図1は、本発明の製造方法で用いられる円筒壁旋回型ミキサーの一例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る円筒壁旋回型ミキサー10は、ケーシング30内に、回転可能なロータ20が収容されてなる。ロータ20は、不図示のモータと接続されており、モータの駆動力により回転可能となっている。ロータ20は、図1に示すように、円錐台形状を有しており、ロータ20を回転させることで、重合体溶液および界面活性剤水溶液を、供給口40より吸い込み、ケーシング30内において、重合体溶液と界面活性剤水溶液とが混合し、重合体溶液と界面活性剤水溶液との混合液が、ロータ20の回転による遠心力によって、ロータ20に設けられたテーパー面に沿って、微小隙間50まで移送され、微小隙間50において、せん断力が付与されることにより、重合体が乳化分散される。そして、乳化分散により得られた重合体ラテックスは、排出口60から排出される。
本発明の一実施形態に係る円筒壁旋回型ミキサー10においては、ロータ20と、ケーシング30とによって形成される微小隙間50においてせん断力を付与することで、重合体の乳化分散を行うものであるが、この微小隙間50は、ロータ20の外周面と、ケーシング30の内周面とが近接して対向することにより形成されており、ロータ20が回転することで、ここを流れる流体(重合体溶液と界面活性剤水溶液との混合液)に、せん断力を付与するものである。なお、微小隙間50の隙間の大きさ(クリアランス)tは、十分なせん断力を付与できるような大きさであればよく、特に限定されないが、好ましくは0.5〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1mm、さらに好ましくは0.8〜1mmである。
この円筒壁旋回型ミキサー10においては、供給口40より供給される重合体溶液と界面活性剤水溶液との混合液は、ロータ20の周方向に向かって連続的に移送され、これにより、微小隙間50に連続的供給されるものであり、そのため、微小隙間50においては、層流が支配的となる。また、微小隙間50においては、混合液の流れ方向に対し、平行にせん断力が付与されることとなる。そのため、図1に示す円筒壁旋回型ミキサー10によれば、重合体溶液と界面活性剤水溶液との混合液に対し、略均一にせん断力を付与することができ、これにより、乳化分散により得られる重合体ラテックスを、体積平均粒子径が比較的小さく、かつ、粒度分布(体積基準による粒径分布の標準偏差)が比較的狭いものとすることができ、そして、その結果として、得られる重合体ラテックスを、機械的安定性に優れたものとすることができるものである。
さらに、本発明の製造方法によれば、重合体ラテックスを、体積平均粒子径が比較的小さく、かつ、粒度分布が比較的狭いものとすることができることにより、後の工程において、重合体ラテックスの固形分濃度を上げるために遠心分離操作を行った際に、遠心分離後の収率を高いものとすることができるため、高い生産効率にて、重合体ラテックスを製造することができるものである。加えて、本発明の製造方法によれば、重合体ラテックスを、体積平均粒子径が比較的小さく、かつ、粒度分布が比較的狭いものとすることができることにより、後の工程において、カルボキシル基を有する単量体などを用いて、重合体ラテックス中に含まれる重合体に対して変性反応を行った際に、その変性反応率を高めることもできる。
また、円筒壁旋回型ミキサー10においては、円筒壁旋回型ミキサー10内を流れる流体(重合体溶液と界面活性剤水溶液との混合液)の流れ方向が、略均一であり、層流が支配的であるため、ロータ20の周速(微小隙間50を構成する外周面の回転速度)を、好ましくは35〜60m/s、より好ましくは40〜60m/sと比較的速くすることができるものであり、重合体の乳化分散を行う際における、単位時間当たりの処理量を高めることができ、これにより、重合体ラテックスの生産効率をより高めることが可能となる。また、ロータ20の周速を上記範囲とすることにより、得られる重合体ラテックスを機械的安定性により優れたものとすることができる。
なお、円筒壁旋回型ミキサー10としては、ロータ20の供給口40側の面に、所定の窪み70を有するものであってもよい。特に、混合により微小気泡が発生した際には、発生した微小気泡は向心力によって、ロータ20の中心方向に集まるものであるため、このような窪み70を設けることにより、集まった気泡を窪み70によって捕捉することができ、結果として、得られる重合体ラテックス中への微小気泡の混入を効果的に防止することができる。なお、窪み70に捕捉された微小気泡は、複数の微小気泡同士が合一して比較的大きな気泡径を有するものとなった際に、比較的大きな気泡径を保った状態にて、窪み70から自然に除去されることとなる。
また、円筒壁旋回型ミキサー10に、重合体溶液と界面活性剤水溶液とを供給する際には、これらを直接供給してもよいし、あるいは、これらを予め混合して、混合液の状態で供給してもよい。重合体溶液と界面活性剤水溶液とを予め混合し、混合液とする場合には、たとえば、マルチラインミキサー、スタティックミキサー、スパイラルピンミキサーなどの各種混合装置を用いることができる。重合体溶液と界面活性剤水溶液とを予め混合し、混合液として、円筒壁旋回型ミキサー10に供給することで、本発明の作用効果をより高めることができる。
そして、本発明の製造方法においては、円筒壁旋回型ミキサー10による、乳化分散によって得られた重合体ラテックスから、有機溶媒を除去することが望ましく、乳化液から有機溶媒を除去する方法としては、乳化液中における、有機溶媒(好ましくは脂肪族炭化水素溶媒)の含有量を500重量ppm以下とすることのできる方法が好ましく、たとえば、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留等の方法を採用することができる。
また、本発明の製造方法においては、有機溶媒を除去した後、重合体ラテックスの固形分濃度を上げるために、遠心分離操作を行うことが望ましく、遠心分離は、たとえば、連続遠心分離機を用いて行うことができる。遠心分離における条件としては、遠心力を、好ましくは100〜10,000G、遠心分離前の重合体ラテックスの固形分濃度を、好ましくは2〜15重量%、遠心分離機に送り込む流速を、好ましくは500〜1700Kg/hr、遠心分離機の背圧(ゲージ圧)を、好ましくは0.03〜1.6MPaの条件にて実施することが好ましく、遠心分離後の軽液として、重合体ラテックスを得ることができる。特に、本発明の製造方法によれば、得られる重合体ラテックスを、体積平均粒子径が比較的小さく、かつ、粒度分布が比較的狭いものとすることができるため、遠心分離操作における収率、すなわち、遠心分離後の軽液に残存することとなる重合体粒子の割合を、好ましくは83重量%以上、より好ましくは85重量%以上と高くすることができるため、これにより、高い生産効率での製造を可能とすることができるものである。なお、重合体ラテックスの固形分濃度は、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜70重量%である。
重合体ラテックスの体積平均粒子径(D50)は、好ましくは0.5〜1.0μm、より好ましくは0.6〜1.0μm、さらに好ましくは0.7〜0.9μmである。また、重合体ラテックスの体積基準による粒径分布の標準偏差は、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.25μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下であり、その下限は、通常、0.1μm以上である。体積平均粒子径(D50)および体積基準による粒径分布の標準偏差を上記範囲とすることにより、得られる重合体ラテックスを、機械的安定性に優れたものとすることができ、これより、ラテックスとしての貯蔵安定性に優れ、かつ、後工程において重合体粒子の凝集を適切に抑制することができる。
また、本発明の製造方法においては、このようにして得られた重合体ラテックスについて、水相中で、重合体ラテックス中に含まれる重合体にカルボキシル基を有する単量体をグラフト重合することで、重合体ラテックスに含まれる重合体にカルボキシル基を導入させる変性反応を行ってもよい。
水相中で、重合体ラテックス中に含まれる重合体にカルボキシル基を有する単量体をグラフト重合する方法としては、特に限定されず、従来公知のグラフト重合方法が採用できる。
カルボキシル基を有する単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の多価カルボン酸無水物;などを挙げることができるが、アクリル酸およびメタクリル酸が特に好ましい。なお、これらの単量体は1種単独でも、2種以上を併用して用いてもよい。
また、上記カルボキシル基は、アルカリ金属やアンモニア等との塩になっているものも含まれる。
カルボキシル基を有する単量体の使用量は、重合体ラテックス中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜100重量部、より好ましくは0.01重量部〜40重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜20重量部である。
カルボキシル基を有する単量体を重合体ラテックスに添加する方法としては、特に限定されず、一括添加、分割添加、連続添加等の公知の添加方法を採用することができる。
グラフト重合の重合触媒(グラフト重合触媒)としては、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができるが、有機過酸化物が好ましく、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドが特に好ましい。
上記グラフト重合触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。グラフト重合触媒の使用量は、その種類によって異なるが、重合体ラテックス中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。また、グラフト重合触媒を添加する方法としては、特に限定されず、一括添加、分割添加、連続添加等の公知の添加方法を採用することができる。
また、本発明の製造方法においては、得られた重合体ラテックスには、ラテックスの分野で通常配合される、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を配合してもよい。
pH調整剤としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;アンモニア;トリメチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン化合物;等が挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアが好ましい。
<ラテックス組成物>
また、本発明の製造方法により得られる重合体ラテックスに、架橋剤を配合することで、ラテックス組成物としてもよい。
架橋剤としては、たとえば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の硫黄含有化合物が挙げられる。これらのなかでも、硫黄が好ましく使用できる。架橋剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、重合体ラテックスに含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。架橋剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度をより高めることができる。
また、本発明のラテックス組成物には、さらに架橋促進剤を配合することが好ましい。
架橋促進剤としては、ディップ成形などの膜成形において通常用いられるものが使用でき、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ−2−エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニリル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、2ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。架橋促進剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋促進剤の含有量は、重合体ラテックスに含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜2重量部である。架橋促進剤の含有量を上記範囲とすることにより、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度をより高めることができる。
また、本発明のラテックス組成物は、さらに酸化亜鉛を配合することが好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、重合体ラテックスに含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜2重量部である。酸化亜鉛の含有量を上記範囲とすることにより、乳化安定性を良好なものとしながら、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度をより高めることができる。
本発明のラテックス組成物には、さらに、老化防止剤;分散剤;カーボンブラック、シリカ、タルク等の補強剤;炭酸カルシウム、クレー等の充填剤;紫外線吸収剤;可塑剤;等の配合剤を必要に応じて配合することができる。
老化防止剤としては、2,6−ジ−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノール、2,2’−メチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、などの硫黄原子を含有しないフェノール系老化防止剤;2,2’−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどのチオビスフェノール系老化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール・ジホスファイトなどの亜燐酸エステル系老化防止剤;チオジプロピオン酸ジラウリルなどの硫黄エステル系老化防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4’―(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物などのアミン系老化防止剤;6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系老化防止剤;2,5−ジ−(t−アミル)ハイドロキノンなどのハイドロキノン系老化防止剤;などが挙げられる。これらの老化防止剤は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
老化防止剤の含有量は、重合体ラテックスに含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
本発明のラテックス組成物の調製方法は、特に限定されないが、たとえば、ボールミル、ニーダー、ディスパー等の分散機を用いて、重合体ラテックスに、架橋剤、および必要に応じて配合される各種配合剤を混合する方法や、上記の分散機を用いて、重合体ラテックス以外の配合成分の水性分散液を調製した後、該水性分散液を重合体ラテックスに混合する方法などが挙げられる。
本発明のラテックス組成物のpHは7以上であることが好ましく、pHが7〜13の範囲であることがより好ましく、pHが8〜12の範囲であることがさらに好ましい。また、ラテックス組成物の固形分濃度は、15〜65重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明のラテックス組成物は、得られるディップ成形体などの膜成形体の機械的特性をより高めるという観点より、ディップ成形などの膜成形に供する前に、熟成(前架橋)させることが好ましい。前架橋する時間は、特に限定されず、前架橋の温度にも依存するが、好ましくは1〜14日間であり、より好ましくは1〜7日間である。なお、前架橋の温度は、好ましくは20〜40℃である。
そして、前架橋した後、ディップ成形などの膜成形に供されるまで、好ましくは10〜30℃の温度で貯蔵することが好ましい。高温のまま貯蔵すると、得られるディップ成形体などの膜成形体の引張強度が低下する場合がある。
<膜成形体>
本発明の膜成形体は、本発明のラテックス組成物からなる膜状の成形体である。本発明の膜成形体の膜厚は、好ましくは0.03〜0.50mm、より好ましくは0.05〜0.40mm、特に好ましくは0.08〜0.30mmである。
本発明の膜成形体としては、特に限定されないが、本発明のラテックス組成物をディップ成形して得られるディップ成形体であることが好適である。ディップ成形は、ラテックス組成物に型を浸漬し、型の表面に当該組成物を沈着させ、次に型を当該組成物から引き上げ、その後、型の表面に沈着した当該組成物を乾燥させる方法である。なお、ラテックス組成物に浸漬される前の型は予熱しておいてもよい。また、型をラテックス組成物に浸漬する前、または、型をラテックス組成物から引き上げた後、必要に応じて凝固剤を使用できる。
凝固剤の使用方法の具体例としては、ラテックス組成物に浸漬する前の型を凝固剤の溶液に浸漬して型に凝固剤を付着させる方法(アノード凝着浸漬法)、ラテックス組成物を沈着させた型を凝固剤溶液に浸漬する方法(ティーグ凝着浸漬法)などがあるが、厚みムラの少ないディップ成形体が得られる点で、アノード凝着浸漬法が好ましい。
凝固剤の具体例としては、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどのハロゲン化金属;硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛などの硝酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛など酢酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;などの水溶性多価金属塩である。なかでも、カルシウム塩が好ましく、硝酸カルシウムがより好ましい。これらの水溶性多価金属塩は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
凝固剤は、通常、水、アルコール、またはそれらの混合物の溶液として使用することができ、好ましくは水溶液の状態で使用する。この水溶液は、さらにメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒やノニオン性界面活性剤を含有していてもよい。凝固剤の濃度は、水溶性多価金属塩の種類によっても異なるが、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
型をラテックス組成物から引き上げた後、通常、加熱して型上に形成された沈着物を乾燥させる。乾燥条件は適宜選択すればよい。
次いで、得られたディップ成形層に対し、加熱処理を施し架橋する。加熱処理を施す前に、水、好ましくは30〜70℃の温水に、1〜60分程度浸漬し、水溶性不純物(たとえば、余剰の乳化剤や凝固剤等)を除去してもよい。水溶性不純物の除去操作は、ディップ成形層を加熱処理した後に行なってもよいが、より効率的に水溶性不純物を除去できる点から、加熱処理前に行なうことが好ましい。
ディップ成形層の架橋は、通常、80〜150℃の温度で、好ましくは10〜130分の加熱処理を施すことにより行われる。加熱の方法としては、赤外線や加熱空気による外部加熱または高周波による内部加熱による方法が採用できる。なかでも、加熱空気による外部加熱が好ましい。
そして、ディップ成形層をディップ成形用型から脱着することによって、ディップ成形体が、膜状の膜成形体として得られる。脱着方法としては、手で成形用型から剥したり、水圧や圧縮空気の圧力により剥したりする方法を採用することができる。なお、脱着後、さらに60〜120℃の温度で、10〜120分の加熱処理を行なってもよい。
なお、本発明の膜成形体は、上述した本発明のラテックス組成物を、ディップ成形する方法以外にも、上述した本発明のラテックス組成物を、膜状に成形できる方法(たとえば、塗布法等)であれば、いずれの方法で得られるものであってもよい。
本発明の膜成形体は、たとえば、手袋として好適に用いることができる。膜成形体が手袋である場合、膜成形体同士の接触面における密着を防止し、着脱の際の滑りをよくするために、タルク、炭酸カルシウムなどの無機微粒子または澱粉粒子などの有機微粒子を手袋表面に散布したり、微粒子を含有するエラストマー層を手袋表面に形成したり、手袋の表面層を塩素化したりしてもよい。
また、本発明の膜成形体は、上記手袋の他にも、哺乳瓶用乳首、スポイト、チューブ、水枕、バルーンサック、カテーテル、コンドームなどの医療用品;風船、人形、ボールなどの玩具;加圧成形用バック、ガス貯蔵用バックなどの工業用品;指サックなどにも用いることができる。
<接着剤組成物>
本発明においては、上述した本発明のラテックス組成物を、接着剤組成物として用いることができる。
接着剤組成物中におけるラテックス組成物の含有量(固形分量)は、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
接着剤組成物は、本発明のラテックス組成物に加えて、接着剤樹脂を含有してなることが好ましい。接着剤樹脂としては、特に限定されないが、たとえば、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及びイソシアネート樹脂を好適に使用することができ、これらのなかでも、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂は、公知のもの(例えば、特開昭55−142635号公報に開示のもの)が使用できる。レゾルシンとホルムアルデヒドとの反応比率は、「レゾルシン:ホルムアルデヒド」のモル比で、通常、1:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:3である。
また、接着剤組成物の接着力をさらに高めるために、接着剤組成物には、従来から使用されている2,6−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェノール又は類似の化合物、イソシアネート、ブロックイソシアネート、エチレン尿素、ポリエポキシド、変性ポリ塩化ビニル樹脂等を含有させることができる。
さらに、接着剤組成物には、加硫助剤を含有させることができる。加硫助剤を含有させることにより、接着剤組成物を用いて得られる後述する複合体の機械的強度を向上させることができる。加硫助剤としては、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム;ラウリルメタクリレートやメチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;DAF(ジアリルフマレート)、DAP(ジアリルフタレート)、TAC(トリアリルシアヌレート)、TAIC(トリアリルイソシアヌレート)等のアリル化合物;ビスマレイミド、フェニルマレイミド、N,N−m−フェニレンジマレイミド等のマレイミド化合物;等を挙げることができる。
<接着剤層形成基材>
本発明の接着剤層形成基材は、本発明のラテックス組成物または接着剤組成物を用いて形成される接着剤層を、基材表面に形成して得られる。
基材としては、特に限定されないが、たとえば繊維基材を用いることができる。繊維基材を構成する繊維の種類は、特に限定されず、たとえば、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、アラミド(芳香族ポリアミド)等のポリアミド繊維、ガラス繊維、綿、レーヨン等が挙げられる。これらは、その用途に応じて、適宜選定することができる。繊維基材の形状は特に限定されず、たとえば、ステープル、フィラメント、コード状、ロープ状、織布(帆布等)等を挙げることができ、その用途に応じて適宜選定することができる。
本発明の接着剤層形成基材は、たとえば、接着剤層を介して、ゴムと接着することにより、基材−ゴム複合体として用いることができる。基材−ゴム複合体としては、特に限定されないが、たとえば、繊維基材としてコード状のものを用いた芯線入りのゴム製歯付きベルト、帆布等の基布状の繊維基材を用いたゴム製歯付きベルト等が挙げられる。
基材−ゴム複合体を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、浸漬処理等により本発明のラテックス組成物または接着剤組成物を基材に付着させて接着剤層形成基材を得て、接着剤層形成基材をゴム上に載置し、これを加熱および加圧する方法が挙げられる。加圧は、圧縮(プレス)成形機、金属ロール、射出成形機等を用いて行なうことができる。加圧の圧力は、好ましくは0.5〜20MPa、より好ましくは2〜10MPaである。加熱の温度は、好ましくは130〜300℃、より好ましくは150〜250℃である。加熱および加圧の処理時間は、好ましくは1〜180分、より好ましくは5〜120分である。加熱および加圧する方法により、ゴムの成形、および接着剤層形成基材とゴムとの接着を、同時に行なうことができるようになる。なお、加圧に用いる圧縮機の型の内面やロールの表面には、目的とする基材−ゴム複合体のゴムに所望の表面形状を付与するための型を形成させておくことが好ましい。
また、基材−ゴム複合体の一態様として、基材−ゴム−基材複合体を挙げることができる。基材−ゴム−基材複合体は、たとえば、基材(2種以上の基材の複合体であってもよい。)と基材−ゴム複合体とを組み合わせて形成することができる。具体的には、基材としての芯線、ゴムおよび基材としての基布を重ね(このとき、芯線および基布には、本発明のラテックス組成物または接着剤組成物を適宜付着させて接着剤層形成基材としておく)、加熱しながら加圧することにより、基材−ゴム−基材複合体を得ることができる。
本発明の接着剤層形成基材を用いて得られる基材−ゴム複合体は、機械的強度、耐摩耗性および耐水性に優れたものであり、そのため、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルト等のベルトとして好適に用いることができる。さらに、本発明の接着剤層形成基材を用いて得られる基材−ゴム複合体は、ホース、チューブ、ダイアフラム等にも好適に使用できる。ホースとしては、単管ゴムホース、多層ゴムホース、編上式補強ホース、布巻式補強ホース等が挙げられる。ダイアフラムとしては、平形ダイアフラム、転動形ダイアフラム等が挙げられる。
本発明の接着剤層形成基材を用いて得られる基材−ゴム複合体は、上記の用途以外にも、シール、ゴムロール等の工業用製品として用いることができる。シールとしては、回転用、揺動用、往復動等の運動部位シールと固定部位シールが挙げられる。運動部位シールとしては、オイルシール、ピストンシール、メカニカルシール、ブーツ、ダストカバー、ダイアフラム、アキュムレータ等が挙げられる。固定部位シールとしては、Oリング、各種ガスケット等が挙げられる。ゴムロールとしては、印刷機器、コピー機器等のOA機器の部品であるロール;紡糸用延伸ロール、紡績用ドラフトロール等の繊維加工用ロール;ブライドルロール、スナバロール、ステアリングロール等の製鉄用ロール;等が挙げられる。
以下、実施例により本発明が詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、以下の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。なお、各種の物性は以下のように測定した。
<固形分濃度>
アルミ皿(重量:X1)に試料2gを精秤し(重量:X2)、これを105℃の熱風乾燥器内で2時間乾燥させた。次いで、デシケーター内で冷却した後、アルミ皿ごと重量を測定し(重量:X3)、下記の計算式にしたがって、固形分濃度を算出した。
固形分濃度(重量%)=(X3−X1)×100/X2
<体積平均粒子径(D50)、体積基準による粒径分布の標準偏差>
光散乱回折粒子測定装置(島津製作所製、商品名「SALD−2200」)を用いて、重合体ラテックス中含まれる重合体粒子の体積平均粒子径(D50)、および、体積基準による粒径分布の標準偏差を求めた。
<遠心分離操作における収率>
遠心分離操作に供した水分散液の全容量および固形分濃度と、遠心分離操作により得られた重合体ラテックスの全容量および固形分濃度とを測定することで、遠心分離前の水分散液中に含まれる重合体粒子の重量、および遠心分離後の重合体ラテックスに含まれる重合体粒子の重量を算出し、下記式にしたがって、遠心分離操作における収率を測定した。
遠心分離操作における収率(重量%)=100−{(遠心分離操作前の重合体粒子の重量−遠心分離操作後の重合体粒子の重量)/遠心分離操作前の重合体粒子の重量}×100
<重合体ラテックスの機械的安定性>
ASTMD1417−10の「Determination of Mechanical Stability」に記載の方法に準拠して以下の方法により、重合体ラテックスの機械的安定性を評価した。
すなわち、「MS−5114」(上島製作所製)または「LL5110NA MK3」(Source 2 trade Ltd製)を使用して機械的安定性を測定した。なお、測定に際しては、撹拌ディスクとして、ASTM D1076−10に規定されている直径が20.83(mm)±0.03、厚みが1.57(mm)±0.05(mm)のものを使用した。また、ガラスビーカーはASTM D1417−10に規定されているガラス製ビーカーで内径が57.8(mm)±1(mm)であるものを使用した。具体的な測定方法としては、重合体ラテックス50gを精秤し、回転数14,000rpmの条件で30分間撹拌した。そして、撹拌後の重合体ラテックスを、80メッシュ金網にて濾過し、その後メッシュを石鹸水で洗浄し、蒸留水で石鹸を洗い流した後、105℃で2時間乾燥した。乾燥後、金網上の残渣物を秤量して、重合体ラテックス50gに対する比率(単位:重量%)を計算し、その値により機械的安定性を評価した。値が小さいほど、機械的安定性に優れ、ラテックスとしての貯蔵安定性に優れるものと判断できる。
<実施例1>
(合成ポリイソプレンの重合体溶液、界面活性剤水溶液の調製)
重量平均分子量が1,300,000の合成ポリイソプレン(商品名「NIPOL IR2200L」、日本ゼオン社製、チーグラー系重合触媒を用いて得られたイソプレンの単独重合体、シス結合単位量98重量%)をシクロヘキサンと混合し、攪拌しながら温度を60℃に昇温して溶解し、合成ポリイソプレンの重合体溶液(a)を調製した。
一方、ロジン酸ナトリウム10部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部を水と混合し、重量比で、ロジン酸ナトリウム/ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム=2/1の混合物を含有してなる、温度60℃で濃度1.5重量%の界面活性剤水溶液(b)を調製した。
(乳化工程)
次いで、上記合成ポリイソプレンのシクロヘキサン溶液(a)と、上記界面活性剤水溶液(b)とを、重量比が1:1となる割合で、マルチラインミキサー(商品名「マルチラインミキサーMS26−MMR−5.5L」、佐竹化学機械工業社製)に投入して混合し、続いて、円筒壁旋回型ミキサーを用いて、混合および乳化することで、乳化液(c−1)を得た。なお、円筒壁旋回型ミキサーとしては、図1に示すもの(微小隙間50の隙間の大きさ(クリアランス)t=1.0mm、窪み70を有しているもの)を使用し、ロータ20の周速は60m/sとした。
(溶媒除去工程、濃縮工程)
続いて、乳化液(c−1)を、−0.01〜−0.09MPa(ゲージ圧)の減圧下で80℃に加温し、シクロヘキサンを留去し、合成イソプレン重合体の水分散液(d−1)を得た。次いで、得られた水分散液(d−1)を、連続遠心分離機を用いて、遠心加速度8,000〜9,000Gで遠心分離し、軽液として、固形分濃度59.8重量%の重合体ラテックス(e−1)を得た。得られた重合体ラテックス(e−1)について、上述した方法にしたがい、体積平均粒子径(D50)、体積基準による粒径分布の標準偏差、および機械的安定性の測定を行った。また、得られた水分散液(d−1)および重合体ラテックス(e−1)を用いて、上述した方法にしたがい、遠心分離操作における収率も求めた。結果を表1に示す。
<実施例2>
合成ポリイソプレンのシクロヘキサン溶液(a)と、上記界面活性剤水溶液(b)とを、マルチラインミキサーに投入せずに、直接、円筒壁旋回型ミキサーに供給することで、混合および乳化した以外は、実施例1と同様にして、乳化液(c−2)を得た。そして、得られた乳化液(c−2)を用いて、実施例1と同様に、溶媒除去および遠心分離による濃縮を行うことで、水分散液(d−2)、および、固形分濃度60.2重量%の重合体ラテックス(e−2)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
円筒壁旋回型ミキサーを用いた混合および乳化を行う際における、ロータ20の周速を40m/sに変更した以外は、実施例2と同様にして、乳化液(c−3)を得た。そして、得られた乳化液(c−3)を用いて、実施例1と同様に、溶媒除去および遠心分離による濃縮を行うことで、水分散液(d−3)、および、固形分濃度59.5重量%の重合体ラテックス(e−3)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
円筒壁旋回型ミキサーに代えて、櫛歯型のローター・ステーター式乳化機(商品名「キャビトロン CD1010」、太平洋機工社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして、乳化液(c−4)を得た。なお、櫛歯型のローター・ステーター式乳化機におけるロータの周速は41m/sとした。そして、得られた乳化液(c−4)を用いて、実施例1と同様に、溶媒除去および延伸分離による濃縮を行うことで、水分散液(d−4)、および、固形分濃度59.6重量%の重合体ラテックス(e−4)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
合成ポリイソプレンのシクロヘキサン溶液(a)と、上記界面活性剤水溶液(b)とを、ホモディスパー(商品名「ホモディスパー」、プライミクス社製)を用いて混合し、続いて、高圧ホモジナイザー(商品名「HPH 2000/4−SH5」、IKA社製)を用いて、混合および乳化することで、乳化液(c−5)を得た。そして、得られた乳化液(c−5)を用いて、実施例1と同様に、溶媒除去および延伸分離による濃縮を行うことで、水分散液(d−5)、および、固形分濃度55.8重量%の重合体ラテックス(e−5)を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2019065064
表1に示すように、重合体溶液と、界面活性剤水溶液とを混合し、重合体を乳化分散させる際に、乳化分散装置として、円筒壁旋回型ミキサーを用いることにより、遠心分離操作における収率が高く(生産効率が高く)、得られる重合体ラテックスを機械的安定性に優れたものとすることができることが確認できる(実施例1〜3)。
一方、乳化分散装置として、櫛歯型のローター・ステーター式乳化機や、高圧ホモジナイザーを使用した場合には、遠心分離操作における収率が低く(生産効率が低く)、得られる重合体ラテックスは、機械的安定性に劣るものであった(比較例1,2)。
10…円筒壁旋回型ミキサー
20…ロータ
30…ケーシング
40…供給口
50…微小隙間
60…排出口
70…窪み

Claims (4)

  1. 重合体が有機溶媒に溶解または分散してなる重合体溶液と、界面活性剤が水に溶解または分散してなる界面活性剤水溶液とを混合することにより、前記重合体を乳化分散させる工程を備える重合体ラテックスの製造方法であって、
    前記重合体の乳化分散を、円筒壁旋回型ミキサーを用いて行う重合体ラテックスの製造方法。
  2. 前記円筒壁旋回型ミキサーのロータの周速を35〜60m/sとする請求項1に記載の重合体ラテックスの製造方法。
  3. 前記重合体溶液と、前記界面活性剤水溶液とを予め混合して混合液とした状態にて、前記円筒壁旋回型ミキサーに供給することで、前記重合体の乳化分散を行う請求項1または2に記載の重合体ラテックスの製造方法。
  4. 前記重合体が、合成ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体および天然ゴムの少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の重合体ラテックスの製造方法。
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プライミクス株式会社: "新製品「フィルミックスR 40-40型」発売のお知らせ", ニュースリリース, JPN7021001132, 8 June 2009 (2009-06-08), JP, pages 1, ISSN: 0004606933 *

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