JP7359160B2 - ラテックスの製造方法および該製造方法で得られたラテックスを用いた膜成形体、ディップ成形体および接着剤層形成基材の製造方法 - Google Patents

ラテックスの製造方法および該製造方法で得られたラテックスを用いた膜成形体、ディップ成形体および接着剤層形成基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゴムのラテックスの製造方法に関し、さらに該製造方法で得られたラテックスを用いた膜成形体、ディップ成形体および接着剤層形成基材の製造方法に関する。
従来、天然ゴムや合成ゴムのラテックスを含有するラテックス組成物をディップ成形して、哺乳瓶用乳首、風船、手袋、サック、カテーテルのバルーン等の人体と接触して使用されるディップ成形体が製造されている。特にイソプレン重合体等の合成ゴムは、人体にアレルギー症状を引き起こす蛋白質を含有しないことから、生体粘膜や臓器等と直接接触するようなディップ成形体用のラテックスの原料として有用とされている。
天然ゴムや合成ゴムのラテックスの製造方法としては、有機溶媒中にゴムを溶解または分散させたゴム溶液と、石鹸水等の乳化剤水溶液とを所定の比率で乳化機に供給して混合することにより乳化させ(乳化工程)、この後、得られた乳化液中の有機溶媒を除去する(脱溶媒工程)といった製造方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
特許第5260738号公報
ラテックスを製造するにあたっては、乳化工程において固形分であるゴムが微細化し、かつ微細化したゴムが均質な状態に分散した良好な乳化状態を得ることが肝要であり、良好な乳化がなされることにより、凝集物の少ない高品質のラテックスを得ることができる。しかし、従来の乳化機で原料を乳化した場合、乳化が不十分で比較的粗大な粒度のゴムが残存し、さらにその粗大なゴムに起因して脱溶媒工程後のラテックスに存在する凝集物の量が多くなる場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、原料の乳化工程において良好な乳化状態を得ることができ、その結果、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができるラテックスの製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係るラテックスの製造方法は、ゴム、有機溶媒、水および乳化剤を含むゴム組成物を乳化して乳化液を得る乳化工程と、前記乳化液から前記有機溶媒を除去する脱溶媒工程と、を備えるラテックスの製造方法であって、前記乳化工程において、前記ゴム組成物を、撹拌物が貯留される容器と、該容器内に回転可能に設けられた撹拌手段と、を備えた撹拌装置で撹拌するようにし、前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを特徴とする。なお、本発明でいう全ての「略直交」とは、なす角度が通常で85°以上、好ましくは89°以上、かつ、通常で95°以下、好ましくは91°以下と定義する。
本発明では、乳化工程において、容器内に貯留したゴム組成物を撹拌翼で撹拌して混合し、ゴム組成物を乳化する。本発明の撹拌装置が備える平板状の撹拌翼によれば、撹拌物を容器内で上下方向に循環させる循環流を生じさせることができる。このため、比重が比較的軽く液面近傍に浮遊して停滞しやすいゴムを上下に循環させることで溶液中に効果的に分散させることができ、ゴムが均質な状態に分散した乳化液を得ることができる。したがって本発明によれば、乳化工程においてゴム組成物を良好な状態に乳化することができ、その結果、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができる。
また、本発明に係るラテックスの製造方法は、ゴムと有機溶媒とを混合させたゴム溶液と、乳化剤水溶液とを混合することにより粗乳化状態の乳化液を得る粗乳化工程と、前記粗乳化工程で得られた粗乳化状態の乳化液を、乳化機を通じて循環してさらに乳化する循環乳化工程と、前記循環乳化工程を経て得られた乳化液から前記有機溶媒を除去する脱溶媒工程と、を備えるラテックスの製造方法であって、前記粗乳化工程および前記循環乳化工程のうちの少なくともいずれか一方の工程において、前記乳化液を、撹拌物が貯留される容器と、該容器内に回転可能に設けられた撹拌手段と、を備えた撹拌装置で撹拌するようにし、前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを特徴とする。
本発明では、粗乳化工程および循環乳化工程のうちの少なくとも一方の工程において、乳化液を撹拌翼により撹拌することにより、その乳化液を上記のように容器内で上下に循環させてゴムが均質な状態に分散した乳化液を得ることができる。したがって本発明では、粗乳化工程および循環乳化工程のうちの少なくとも一方の工程において乳化液を良好な状態に混合することができる。本発明では、粗乳化工程および循環乳化工程の双方において本発明に係る平板状の撹拌翼により乳化液を撹拌すれば、乳化液をより良好な状態に乳化することができる。
また、本発明に係るラテックスの製造方法は、前記脱溶媒工程において、前記乳化液を、撹拌物が貯留される容器と、該容器内に回転可能に設けられた撹拌手段と、を備えた撹拌装置で撹拌するようにし、前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを好ましい形態としている。
この形態では、脱溶媒工程においても本発明に係る平板状の撹拌翼によって乳化液を撹拌することにより、脱溶媒中の乳化液中のゴムは上下に循環して撹拌されて十分に混合される。このため、脱溶媒後に得られるラテックスは凝集物の少ない高品質なものとなる。
また、本発明に係るラテックスの製造方法において用いられる前記撹拌翼は、本発明の混合の効果を有効に得られる観点から、前記撹拌面の面積が、前記容器内に貯留される前記撹拌物の断面積の10~60%であることを特徴とするものであり、当該範囲では、好ましくは15~50%、より好ましくは20~40%、さらに好ましくは25~35%とされる。
また、本発明に係る前記撹拌翼は、格子状の構造を有する格子部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、回転する格子部により、上下に循環する溶液中のゴムが剪断・細分化され、さら格子部の回転方向後方に発生する微細渦にゴムが巻き込まれて混合される。このため、ゴムの微細化および混合が促進し、良好な乳化状態を得やすくなるとともに凝集物を少なくすることができる。
また、本発明では、前記粗乳化工程において、前記ゴム溶液と前記乳化剤水溶液とを、前記乳化機を用いて連続的に混合してもよい。
次に、本発明の膜成形体の製造方法は、上記本発明に係るラテックスの製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いて膜成形体を成形することを特徴とする。
また、本発明のディップ成形体の製造方法は、上記本発明に係るラテックスの製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いてディップ成形体を成形することを特徴とする。
また、本発明の接着剤層形成基材の製造方法は、上記本発明に係るラテックスの製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を接着剤層として基材の表面に形成することを特徴とする。
本発明によれば、原料の乳化工程において良好な乳化状態を得ることができ、その結果、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができるラテックスの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るラテックスの製造方法を好適に実施し得るラテックス製造装置の概略図である。 図1に示すラテックス製造装置において、ゴム溶液および乳化剤水溶液の撹拌タンクに対する配管構成を変更したラテックス製造装置の概略図である。 (a)は図1に示した撹拌タンクを構成するタンク本体の側断面図、(b)は同撹拌タンクが備える撹拌翼および回転軸の平面図である。 本発明の他の実施形態に係る撹拌翼を備えた撹拌タンクの側断面図である。 図4に示した他の実施形態の変更例に係る撹拌翼を備えた撹拌タンクの側断面図である。 本発明外の比較例に係る撹拌翼を備えた撹拌タンクを示す側断面図である。 本発明外の他の比較例に係る撹拌翼を備えた撹拌タンクを示す側断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るラテックスの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るラテックスの製造方法を好適に実施し得るラテックス製造装置を概略的に示している。まず、この製造装置について説明する。
図1に示すラテックス製造装置は、ゴム溶液が調製されるゴム溶液タンク1と、乳化剤水溶液が調製される乳化剤タンク2と、ゴム溶液と乳化剤水溶液とを撹拌タンク30に貯留し、該撹拌タンク30内でこれらゴム溶液と乳化剤水溶液とを撹拌・混合する撹拌装置3と、ゴム溶液と乳化剤水溶液との混合溶液を乳化する乳化機4と、撹拌タンク30内を減圧して乳化液から有機溶媒を蒸留して除去するための減圧ポンプ5と、撹拌タンク30内の乳化液から除去された有機溶媒を濃縮する濃縮器6と、を備えている。
ゴム溶液タンク1内のゴム溶液、および乳化剤タンク2内の乳化剤水溶液は、それぞれ供給管11、12から直接撹拌タンク30内に供給されるようになっている。撹拌タンク30内の溶液は、撹拌タンク30の底部から頂部にわたって配管された循環管14を通じて循環可能となっている。乳化機4は、循環管14の途中に配置されている。
なお、図2に示すように、供給管11、12を、撹拌タンク30に接続する合流管13にそれぞれ合流させた配管構成とし、ゴム溶液と乳化剤水溶液とを合流させた状態で合流管13から撹拌タンク30内に供給するようにしてもよい。
撹拌タンク30と減圧ポンプ5との間には蒸留管15が配管され、蒸留管15の撹拌タンク30と減圧ポンプ5との間には、撹拌タンク30側から順にバルブ7および濃縮器6が配置されている。各タンク1、2、30は、それぞれ内部に貯留する溶液を加熱する図示せぬ加熱手段を備えている。
図1および図3(a)に示すように、撹拌装置3は、撹拌タンク30と、撹拌手段40と、を備えている。撹拌タンク30は、本発明の容器を構成するものである。
図1に示すように、撹拌タンク30は、上記混合溶液を貯留する有底円筒状のタンク本体31と、タンク本体31の上部開口に着脱可能に固定されてその上部開口を塞ぐ蓋体32と、を有する。タンク本体31は、その軸心がほぼ鉛直方向に延びるように設置されている。供給管11、12、循環管14の下流側端部および蒸留管15は、蓋体32に接続されている。また、循環管14は、その上流側端部がタンク本体31の底部に接続され、下流側端部が蓋体32に接続されている。
図3(a)に示すように、本実施形態に係る撹拌手段40は、タンク本体31内に設けられた平板状の撹拌翼50と、撹拌翼50の回転軸41と、を有する。回転軸41はタンク本体31の軸心と同軸に配設されており、図示せぬ軸受を介して回転可能に支持されている。回転軸41は、その上端部にカップリングを介して連結された駆動源(いずれも図示略)によって回転駆動されるようになっている。その駆動源は、蓋体32の上方に配設される。
なお、回転軸41を回転駆動する駆動源は、タンク本体31の下方に配設されて回転軸41の下端部に連結されるものであってもよい。
撹拌翼50は、矩形形状を有しており、その幅方向中間の部分に回転軸41が通るようにして、回転軸41に固定されている。すなわち撹拌翼50は、回転軸41を対称線として左右対称の形状を有し、回転軸41の左右一方側の翼部51aおよび他方側の翼部51bを有する。撹拌翼50は回転軸41とともに回転し、撹拌翼50は、図3(b)に示すように矢印で示す回転方向と略直交して撹拌タンク30内に貯留する乳化液等の溶液(撹拌物)に対向する撹拌面52を有する。
撹拌翼50は、その下部にパドル部53を有し、パドル部53の上側に、格子状の構造を有する格子部54が一体に形成されている。パドル部53および格子部54が、上記撹拌面52を有する。撹拌翼50の全体高さに対するパドル部53および格子部54が占める高さ寸法の割合は、本実施形態では格子部54の方が6~7割程度であってパドル部53よりも大きいが、これには限定されない。図3(a)において符号Lは乳化液等の溶液の液面を示しており、撹拌翼50は、溶液中に全体が埋没した状態で使用される。
パドル部53は、その下端縁がタンク本体31内の底面に概ね沿った形状を有し、その下端縁とタンク本体31内の底面との間隔はできるだけ狭く設定され、例えばその間隔は、1~200mm程度、好ましくは5~100mm程度、最も好ましくは10~50mm程度に設定される。
格子部54は、複数の板棒状の横メンバー54aと、これら横メンバー54aに直交する複数の板棒状の縦メンバー54bと、を有する。本実施形態の格子部54は、2つの横メンバー54aと4つの縦メンバー54bとを有するが、各メンバー54a、54bの数および幅に関しては、撹拌の効果等を鑑みて任意に設定される。
撹拌翼50は回転軸41とともに回転することにより、撹拌タンク30内に貯留する乳化液等の溶液を撹拌するが、上記撹拌面52は、撹拌翼50の回転中において撹拌対象の溶液に対向し、かつ接触する面である。したがって実際の撹拌面52は、図3(b)に示したように、一方側の翼部51aの一方の面(表面)と、他方側の翼部51bの他方の面(裏面)とにより構成される。これら撹拌面52を合わせた面積は、撹拌翼50自体の面積に相当する。
ここで、本実施形態に係る撹拌翼50は、その面積(図3(b)で示した左右の各撹拌面52を合わせた面積に相当する)の、撹拌タンク30内に貯留される乳化液等の溶液の断面積に対する比率(以下、接液面積率という場合がある)が10~60%となるように構成されている。これは、混合の効果を有効に得られる割合であり、当該範囲内では、15~50%が好ましく、20~40%であればより好ましく、25~35%であればさらに好ましい。
また、図3(a)に示すように、タンク本体31の内壁面には、撹拌タンク30の軸方向に沿って延びる複数のバッフル板90が上下のステー91を介して配設されている。これらバッフル板90は、その幅方向がタンク本体31の径方向と概ね平行になるように放射状に設置されている。バッフル板90の面積および数に関しては、撹拌の効果等を鑑みて任意に設定される。
また、各バッフル板90は、撹拌翼50の回転を阻害しないように撹拌翼50との間隔が確保されるのはもちろんであるが、その間隔は、撹拌の効果等を鑑みて、1~200mm程度、好ましくは5~100mm程度、最も好ましくは10~50mm程度に設定される。
本実施形態の撹拌手段40によれば、撹拌翼50が一方向に回転すると、次のように撹拌タンク30内に貯留された乳化液等の溶液を撹拌することができるようになっている。すなわち、撹拌タンク30内の溶液は、下方のパドル部53で径方向外側に押し出されてタンク本体31内壁面に衝突し、次いでバッフル板90の作用で上昇してからタンク本体31上部の内壁面から中心の回転軸41方向に流動し、次いで回転軸41および格子部54を通って下方に流動してパドル部53に戻るといった上下方向の循環流が生じる。
このように循環しながら撹拌される溶液においては、格子部54の各横メンバー54aおよび各縦メンバー54bによって下降中のゴムが剪断・細分化され、さらにこれらメンバー54a、54bの回転方向後方に発生する微細渦にゴムが巻き込まれて混合されるようになっている。
また、パドル部53は、その下端部が撹拌タンク30内の底部に近接しているため、溶液を底部に残存させず循環流に乗せて撹拌することができるようになっている。また、バッフル板90は、パドル部53により径方向外方に押し出された溶液が撹拌翼50の回転に伴って回転することを抑制するとともに上昇流を発生させるように作用する。また、格子部54の横メンバー54aおよび縦メンバー54bは、上記のように下降する溶液を細分化して混合するように作用する。
乳化機4は、強い剪断力を溶液に付与して連続的に混合することができるような装置であればよく、特に限定はされないが、例えば、複数のスリットを有するステータに対して複数のスリットを有するロータが相対的に回転する構成のロータ・ステータ対を複数有するロータ・ステータ式の乳化機が好適に用いられる。このようなロータ・ステータ式の乳化機としては、例えば、商品名「TKパイプラインホモミキサー」(プライミクス社製)、商品名「スラッシャ」(日本コークス工業社製)、商品名「トリゴナル」(日本コークス工業社製)、商品名「キャビトロン」(ユーロテック社製)、商品名「マイルダー」(太平洋機工社製)、商品名「ファインフローミル」(太平洋機工社製)等の市販品を用いることができる。
また、乳化機4としては、ポンプ機能を備えたものが溶液を圧送して循環させることができるので好ましいが、ポンプ機能を備えないものを用いる場合には、循環管14の途中に圧送ポンプを別途配置すればよい。
次に、本実施形態に係るラテックスの製造方法を説明する。
本実施形態に係るラテックスの製造方法は、ゴム、有機溶媒、水および乳化剤を含むゴム組成物を乳化して乳化液を得る乳化工程と、乳化工程で得られた乳化液から有機溶媒を除去する脱溶媒工程と、を備える。
乳化工程においては、ゴム組成物を上記撹拌装置3の撹拌タンク30内において撹拌翼50により撹拌して乳化する。
本実施形態に係るラテックスの製造方法は、上記乳化工程を、ゴムと有機溶媒とを混合させたゴム溶液と、乳化剤水溶液とを混合することにより粗乳化状態の乳化液を得る粗乳化工程と、粗乳化工程で得られた粗乳化状態の乳化液を、上記乳化機4を通じて循環してさらに乳化する循環乳化工程と、に分ける場合を含む。この場合には、粗乳化工程および循環乳化工程のうちの少なくともいずれか一方の工程において、乳化液を、上記撹拌装置3を用いて撹拌する場合をさらに含む。
以下、図1に示すラテックス製造装置を用いて行う本実施形態に係るラテックスの製造方法例を、より具体的に説明する。
[乳化工程]
乳化工程においては、ゴム、有機溶媒、水および乳化剤を含むゴム組成物を乳化するが、ここでは、これら原料を、ゴムおよび有機溶媒との混合物(ゴム溶液)と、水および乳化剤との混合物(乳化剤水溶液)とに分ける。
すなわち、ゴム溶液タンク1内にゴムと有機溶媒とを所定の割合で供給して撹拌しながら例えば60℃程度に加熱することでゴムを溶解し、ゴム溶液を調製する。また、乳化剤タンク2内に乳化剤と水とを所定の割合で供給して混合した後、例えば60℃程度に加熱して乳化剤水溶液を調製する。
次に、ゴム溶液タンク1からゴム溶液を、また、乳化剤タンク2から乳化剤水溶液を、それぞれ供給管11、12から連続的に撹拌タンク30内に直接供給する。そして撹拌タンク30内で、これらゴム溶液と乳化剤水溶液との混合物(ゴム組成物)を撹拌翼50により撹拌して混合することにより、乳化液を得る。
ゴム溶液タンク1内で調製するゴム溶液および乳化剤タンク2内で調製する乳化剤水溶液は、乳化を良好に行う観点から、各タンク1、2をそれぞれ必要に応じて加熱することで所定温度に維持することが望ましい。ゴム溶液および乳化剤水溶液の温度は、特に限定されないが、それぞれ、20~100℃が好ましく、40~90℃であればより好ましく、60~80℃であればさらに好ましい。
また、ゴム溶液および乳化剤水溶液を連続的に撹拌タンク30内に送る際の、これらゴム溶液および乳化剤水溶液の供給割合は、特に限定されないが、乳化を良好に行う観点から、ゴム溶液:乳化剤水溶液の体積比が、1:2~1:0.3が好ましく、1:1.5~1:0.5であればより好ましく、1:1~1:0.7であればさらに好ましい。
[粗乳化工程]
本実施形態の乳化工程は、粗乳化工程の次に循環乳化工程を経て乳化液を得る場合を含む。
粗乳化の状態とは、ゴムの溶解度が比較的低く、十分に乳化していない前段階の乳化の状態をいう。粗乳化工程では、上記乳化工程と同様に、ゴム溶液タンク1からゴム溶液を、また、乳化剤タンク2から乳化剤水溶液を、それぞれ連続的に撹拌タンク30内に供給し、撹拌タンク30内で、これらゴム溶液と乳化剤水溶液との混合物(ゴム組成物)を撹拌翼50により撹拌して混合する。
[循環乳化工程]
次に、乳化機4を作動させ、この乳化機4を通じて、粗乳化状態の乳化液を、撹拌タンク30内から循環管14を通して撹拌タンク30内に戻す循環乳化工程を少なくも1回行う。循環乳化工程においては、乳化機4によって乳化液が撹拌タンク30内から循環管14を経て撹拌タンク30内に戻るように循環され、乳化機4を通過することにより、粗乳化状態の乳化液は連続的に乳化され、乳化液が撹拌タンク30内に貯留される。なお、本実施形態におけるラテックスの製造方法においては、当該循環乳化工程を含むことが好ましいが、当該循環乳化工程を含むことは、必ずしも必須ではない。
上記のように粗乳化工程を行った後に循環乳化工程を行って乳化液を得る場合、粗乳化工程および循環乳化工程のいずれの工程でも撹拌タンク30内で乳化液を撹拌翼50により撹拌する場合の他に、粗乳化工程でのみ乳化液を撹拌翼50で撹拌する場合と、循環乳化工程でのみ乳化液を撹拌翼50で撹拌する場合のいずれかの操作パターンが選択される。
撹拌タンク30内で乳化液を撹拌する操作パターンは、乳化の状況等に応じて適宜に選択され、乳化を良好に行う観点から、少なくとも粗乳化工程および循環乳化工程のうちのいずれか一方の工程で乳化液を撹拌すればよいが、これらのうちでは、循環乳化工程で乳化液を撹拌することがより好ましい。しかしながら、粗乳化工程および循環乳化工程のいずれの工程においても乳化液を撹拌することが最も好ましい。
なお、粗乳化工程においては、撹拌タンク30内では撹拌翼50によってゴム溶液と乳化剤水溶液との混合物であるゴム組成物は撹拌せず、例えば図2に示すようにゴム溶液と乳化剤水溶液とを合流管13で合流させ、この合流管13に配置した乳化機8のみで連続的に混合することにより、ゴム組成物を粗乳化して撹拌タンク30内に供給するようにしてもよい。
ここで、原料である上記のゴム、有機溶媒、乳化剤の具体例を述べる。
(ゴム)
本実施形態で使用可能なゴムとしては、天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられる。合成ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、イソプレンゴム(IR)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソブチエン・イソプレンゴム(IIR)等が挙げられる。これらの中では、ラテックスをディップ成形体とした場合における引張強度や伸び等の機械的特性に優れる点で、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)およびスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)が好ましく、より好ましくはイソプレンゴム(IR)およびスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)であり、イソプレンゴム(IR)であればさらに好ましい。
(有機溶媒)
ゴムを溶解・分散させてゴム溶液とするための有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、あるいはシクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒、あるいはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、あるいは塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒等の中から、適宜に選択することができる。
ゴム溶液におけるゴムの含有割合は、特に限定されないが、3~30重量%が好ましく、5~20重量%であればより好ましく、7~15重量%であればさらに好ましい。
(乳化剤)
乳化剤としては、特に限定されないが、アニオン性乳化剤を好ましく用いることができる。アニオン性乳化剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、リノレン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウム等の脂肪酸塩、あるいはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸カリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、あるいはジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩、あるいはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩、あるいはポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、あるいはラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等のモノアルキルリン酸塩等が挙げられる。
これらアニオン性乳化剤の中でも、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩がより好ましく、脂肪酸塩がさらに好ましく、得られるゴムのラテックス中における凝集物の発生をより適切に防止することができるという点より、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウムが特に好ましい。
乳化剤の水溶液中における乳化剤の含有割合は、特に限定されないが、乳化を良好に行う観点から、0.1~5重量%が好ましく、0.3~3重量%であればより好ましく、0.5~2重量%であればさらに好ましい。
[脱溶媒工程]
脱溶媒工程は、乳化工程で得られた乳化液から有機溶媒を除去する工程である。脱溶媒の方法としては、乳化液中における有機溶媒の含有量を500重量ppm以下とすることが可能な方法が好ましく、例えば、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留、遠心分離等の方法を採用することができる。これらの中では、有機溶媒を適切かつ効率的に除去できるという観点から、減圧蒸留が好ましい。
本実施形態では、減圧ポンプ5および濃縮器6を用い、乳化工程で得られた撹拌タンク30内に貯留する乳化液を減圧蒸留して脱溶媒する。すなわち、本実施形態の脱溶媒工程では、撹拌タンク30内の乳化液を例えば80℃程度に加温した状態から、バルブ7を開いて減圧ポンプ5を作動させ、撹拌タンク30内を例えば700mmHg未満に減圧する。これにより撹拌タンク30内の乳化液からは有機溶媒が蒸留し、その有機溶媒は、撹拌タンク30内から蒸留管15に排出され、濃縮器6により濃縮されて回収される。
本実施形態において、脱溶媒工程では撹拌タンク30内で乳化液を撹拌翼50により撹拌しながら行うことが、脱溶媒後に得られるラテックス中に存在する凝集物が少なくなりやすいため好ましい。
減圧蒸留による脱溶媒工程では、撹拌タンク30内の圧力は700mmHg未満に減圧されることが望ましい。脱溶媒工程で撹拌タンク30内の圧力が高い場合には脱溶媒工程に長時間を要し、また、圧力が低い場合には乳化液が過度に発泡するおそれがある。そこでこれらの問題の発生を抑制する観点から、脱溶媒工程での撹拌タンク30内の圧力は、好ましくは1~600mmHgであり、10~500mmHgであればより好ましく、100~400mmHgであればさらに好ましい。
また、本実施形態での脱溶媒工程における撹拌タンク30内の乳化液の温度は、乳化液に含まれる有機溶媒の沸点以上の温度に加熱することが好ましいが、具体的にはその有機溶媒の沸点よりも5℃以上高い温度に制御することがより好ましく、10℃以上高い温度に制御することがさらに好ましい。なお、脱溶媒工程における撹拌タンク30内の乳化液の温度の上限は、特に限定されないが、100℃未満とすることが好ましい。
[遠心分離工程]
本実施形態では、脱溶媒工程を行った後に、有機溶媒が除去された乳化液を、遠心分離機に移して遠心分離することにより、固形分濃度が高められた軽液をゴムのラテックスとして得る。
遠心分離工程では、得られるラテックスの機械的安定性を向上させるために、有機溶媒が除去された乳化液に予めpH調製剤を添加して、そのpHを7以上、好ましくは9以上としておく。
pH調製剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、あるいは炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩、あるいはアンモニア、あるいはトリメチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン化合物等が挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアが好ましい。
また、上記のようにして本実施形態で得られるゴムのラテックスには、ラテックスの分野で配合される消泡剤、防腐剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
また、ゴムの原料として天然ゴムを用いた場合において、得られたラテックスを人体に接触するディップ成形体として用いる場合には、人体にアレルギー症状を引き起こす蛋白質を、ラテックスの段階で分解除去する必要がある。
以上が本実施形態に係るラテックスの製造方法である。本実施形態に係る製造方法で製造されるラテックスからは、ラテックス組成物を経てゴム手袋等のディップ成形体を得ることができる。ディップ成形体は、本発明に係る膜成形体の一態様である。さらに、本実施形態に係る製造方法で製造されるラテックスを用いて、接着剤層形成基材を得ることができる。接着剤層形成基材は、基材の表面にラテックス組成物を接着剤層として形成した複合材料をいう。
以下、ラテックス組成物、ディップ成形体および接着剤層形成基材の製造方法の具体例を挙げる。
(ラテックス組成物の製造)
ラテックス組成物は、ラテックスに架橋剤を添加することで得ることができる。
架橋剤としては、例えば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等の硫黄、あるいは塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、カプロラクタムジスルフィド、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物、2-(4'-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の硫黄含有化合物が挙げられる。これらの中では、硫黄が好ましく使用される。架橋剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.1~10重量部であり、より好ましくは0.2~3重量部である。架橋剤の含有量を当該範囲とすることにより、得られるディップ成形体の引張強度をより高めることができる。
また、ラテックス組成物は、さらに架橋促進剤を含有することが好ましい。架橋促進剤としては、ディップ成形において通常用いられるものが使用することができ、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸等のジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩、あるいは2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2-メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2-(2,4-ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2-(N,N-ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2-(4'-モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4-モルホニリル-2-ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3-ビス(2-ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリア等が挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、2ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。架橋促進剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋促進剤の含有量は、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.05~5重量部であり、より好ましくは0.1~2重量部である。架橋促進剤の含有量を当該範囲とすることにより、得られるディップ成形体の引張強度をより高めることができる。
また、ラテックス組成物には、さらに酸化亜鉛を含有させることが好ましい。酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.1~5重量部、より好ましくは0.2~2重量部である。酸化亜鉛の含有量を上記範囲とすることにより、乳化安定性を良好なものとしながら、得られるディップ成形体の引張強度をより高めることができる。
ラテックス組成物には、さらに、老化防止剤、分散剤、カーボンブラック、シリカ、タルク等の補強剤、炭酸カルシウムやクレー等の充填剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の配合剤等を、必要に応じて配合することができる。
例えば老化防止剤としては、2,6-ジ-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-α-ジメチルアミノ-p-クレゾール、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノール、2,2'-メチレン-ビス(6-α-メチル-ベンジル-p-クレゾール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、p-クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物等の硫黄原子を含有しないフェノール系老化防止剤、あるいは2,2'-チオビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス-(6-t-ブチル-o-クレゾール)、2,6-ジ-t-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール等のチオビスフェノール系老化防止剤、あるいはトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール・ジホスファイト等の亜燐酸エステル系老化防止剤、あるいはチオジプロピオン酸ジラウリル等の硫黄エステル系老化防止剤、あるいはフェニル-α-ナフチルアミン、フェニル-β-ナフチルアミン、p-(p-トルエンスルホニルアミド)-ジフェニルアミン、4,4'―(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物等のアミン系老化防止剤、あるいは6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤、あるいは2,5-ジ-(t-アミル)ハイドロキノン等のハイドロキノン系老化防止剤等が挙げられる。これらの老化防止剤は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
老化防止剤の含有量は、ゴムのラテックスに含まれるゴム100重量部に対して、好ましくは0.05~10重量部であり、より好ましくは0.1~5重量部である。
ラテックス組成物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、ボールミル、ニーダー、ディスパー等の分散機を用いて、ゴムのラテックスに、架橋剤、および必要に応じて配合される各種配合剤を混合する方法や、上記の分散機を用いて、ゴムのラテックス以外の配合成分の水性分散液を調製した後、該水性分散液をゴムのラテックスに混合する方法等が挙げられる。
ラテックス組成物は、pHが7以上であることが好ましく、pHが7~13の範囲であればより好ましく、pHが8~12の範囲であればさらに好ましい。また、ラテックス組成物の固形分濃度は、15~65重量%の範囲にあることが好ましい。
ラテックス組成物は、得られるディップ成形体の機械的特性をより高めるという観点から、ディップ成形に供する前に熟成(前架橋)させることが好ましい。前架橋する時間は、特に限定されず、前架橋の温度にも依存するが、好ましくは1~14日間であり、より好ましくは1~7日間である。なお、前架橋の温度は、好ましくは20~40℃である。
そして、前架橋した後、ディップ成形に供されるまで、好ましくは10~30℃の温度で貯蔵することが好ましい。これは、これより高温のままの状態で貯蔵すると、得られるディップ成形体の引張強度が低下する場合があるからである。
(ディップ成形体の製造)
ディップ成形体は、上記のラテックス組成物をディップ成形することによって得ることができる。ディップ成形は、ラテックス組成物に浸漬した型の表面にラテックス組成物を沈着させ、次に型をラテックス組成物から引き上げ、その後、型の表面に沈着したラテックス組成物を乾燥させるといった成形方法である。なお、ラテックス組成物に浸漬される前の型は予熱しておいてもよい。また、型をラテックス組成物に浸漬する前、または、型をラテックス組成物から引き上げた後、必要に応じて凝固剤を使用することができる。
凝固剤の使用方法の具体例としては、型を凝固剤溶液に浸漬してから、その型をラテックス組成物に浸漬する方法(アノード凝着浸漬法)や、先に型をラテックス組成物に浸漬してから型を凝固剤溶液に浸漬する方法(ティーグ凝着浸漬法)等があるが、厚みムラの少ないディップ成形体が得られる点で、アノード凝着浸漬法が好ましい。
凝固剤の具体例としては、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム等のハロゲン化金属、あるいは硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛等の硝酸塩、あるいは酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛等の酢酸塩、あるいは硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩等の水溶性多価金属塩である。中でも、カルシウム塩が好ましく、硝酸カルシウムがより好ましい。これらの水溶性多価金属塩は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
凝固剤は、好ましくは水溶液の状態で使用する。この水溶液は、さらにメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や、ノニオン性界面活性剤を含有していてもよい。凝固剤の濃度は、水溶性多価金属塩の種類によっても異なるが、好ましくは5~50重量%、より好ましくは10~30重量%である。
型をラテックス組成物から引き上げた後は、通常、加熱することにより型上において膜状に形成された沈着物を乾燥させる。乾燥条件は適宜選択すればよい。
次いで、加熱することにより型上に膜状に形成された沈着物を架橋させる。架橋時の加熱条件は、特に限定されないが、加熱温度としては60~150℃が好ましく、100~130℃がより好ましい。また、加熱時間としては、10~120分が好ましい。
加熱の方法は、特に限定されないが、オーブンの中で温風をあてて加熱する方法や、赤外線を照射して加熱する方法等が挙げられる。
また、ラテックス組成物を沈着させた型を加熱する前、あるいは加熱した後に、水溶性不純物(例えば、余剰の界面活性剤や凝固剤)を除去するために、型を水または温水で洗浄することが好ましい。温水を用いる場合、その温水の温度は、好ましくは40~80℃であり、より好ましくは50~70℃である。
架橋後のディップ成形体は、型から脱着される。脱着方法としては、手で型から剥がす方法や、水圧または圧縮空気圧力により型から剥がす方法等が採用される。架橋途中のディップ成形体が脱着に対する十分な強度を有していれば、架橋途中で脱着し、引き続き、その後の架橋を継続してもよい。
ディップ成形体としては、例えばゴム手袋が特に好適に製造される。ディップ成形体がゴム手袋である場合、ディップ成形体どうしの接触面における密着を防止するとともに手に対する着脱の際の滑りをよくするために、タルク、炭酸カルシウム等の無機微粒子または澱粉粒子等の有機微粒子を手袋表面に散布したり、微粒子を含有するエラストマー層を手袋表面に形成したり、あるいは手袋の表面層を塩素化したりするとよい。
また、ディップ成形体としては、上記ゴム手袋の他にも、哺乳瓶用乳首、スポイト、チューブ、水枕、バルーンサック、カテーテル、コンドーム等の医療用品や、風船、人形、ボール等の玩具、あるいは加圧成形用バッグ、ガス貯蔵用バッグ等の工業用品、あるいは指サック等の各種ゴム成形体に適用することができる。
また、ディップ成形体の厚さは用途や製品に応じたものとなり、例えば0.03~0.50mm程度の厚さで成形される。
(接着剤層形成基材)
本実施形態に係る接着剤層形成基材は、上記ラテックス組成物を用いて形成される接着剤層を基材の表面に形成して得られる。
本実施形態でいう基材は、特に限定されないが、例えば、繊維基材を用いることができる。繊維基材を構成する繊維の種類は、特に限定されず、例えば、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、アラミド(芳香族ポリアミド)等のポリアミド繊維、ガラス繊維、綿、レーヨン等が挙げられる。これらは、その用途に応じて適宜選定することができる。
繊維基材の形状は、特に限定されないが、例えば、ステープル、フィラメント、コード状、ロープ状、織布(帆布等)等を挙げることができ、その用途に応じて適宜選定することができる。例えば、接着剤層形成基材は、接着剤層を介して、ゴムと接着することにより、基材-ゴム複合体として用いることができる。基材-ゴム複合体としては、特に限定されないが、例えば、繊維基材としてコード状のものを用いた芯線入りのゴム製歯付きベルトや、帆布等の基布状の繊維基材を用いたゴム製歯付きベルト等が挙げられる。
基材-ゴム複合体を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬処理等によりラテックス組成物を基材に付着させて接着剤層形成基材を得、次いで、接着剤層形成基材をゴム上に載置し、これを加熱および加圧する方法が挙げられる。
上記方法での加圧は、プレス成形機、金属ロール、あるいは射出成形機等を用いて行うことができる。また、加圧の圧力は、好ましくは0.5~20MPa、より好ましくは2~10MPaである。また、加熱の温度は、好ましくは130~300℃、より好ましくは150~250℃である。また、上記方法での加熱および加圧の処理時間は、好ましくは1~180分、より好ましくは5~120分である。加熱および加圧する方法によっては、ゴムの成形、および接着剤層形成基材とゴムとの接着を、同時に行なうことができる。なお、加圧に用いるプレス成形機の型の内面やロールの表面には、目的とする基材-ゴム複合体のゴムに所望の表面形状を付与するための型を形成させておくことが好ましい。
また、基材-ゴム複合体の一態様として、基材-ゴム-基材複合体を挙げることができる。基材-ゴム-基材複合体は、例えば、基材(2種以上の基材の複合体であってもよい)と基材-ゴム複合体とを組み合わせて形成することができる。具体的には、基材としての芯線、ゴムおよび基材としての基布を重ね(このとき、芯線および基布には、ラテックス組成物を適宜付着させて接着剤層形成基材としておく)、加熱しながら加圧することにより、基材-ゴム-基材複合体を得ることができる。
本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、機械的強度、耐摩耗性および耐水性に優れたものであり、そのため、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルト等のベルトとして好適に用いることができる。また、本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、耐油性に優れ、油中ベルトとして好適に用いることができる。さらに、本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、ホース、チューブ、ダイアフラム等にも好適に使用できる。ホースとしては、単管ゴムホース、多層ゴムホース、編上式補強ホース、布巻式補強ホース等が挙げられる。ダイアフラムとしては、平形ダイアフラム、転動形ダイアフラム等が挙げられる。
さらに、本実施形態に係る接着剤層形成基材を用いて得られる基材-ゴム複合体は、上記の用途以外にも、シール、ゴムロール等の工業用製品として用いることができる。シールとしては、回転用、揺動用、往復動等の運動部位シールと固定部位シールが挙げられる。運動部位シールとしては、オイルシール、ピストンシール、メカニカルシール、ブーツ、ダストカバー、ダイアフラム、アキュムレータ等が挙げられる。固定部位シールとしては、Oリング、各種ガスケット等が挙げられる。ゴムロールとしては、印刷機器、コピー機器等のOA機器の部品であるロール、あるいは紡糸用延伸ロール、紡績用ドラフトロール等の繊維加工用ロール、あるいはブライドルロール、スナバロール、ステアリングロール等の製鉄用ロール等が挙げられる。
(作用)
次に、本実施形態に係るラテックスの製造方法の作用を説明する。
本実施形態に係るラテックスの製造方法では、粗乳化工程を含む原料の乳化工程において撹拌装置3の撹拌タンク30内に貯留したゴム組成物(ゴム溶液+乳化剤水溶液)を平板状の撹拌翼50で撹拌して混合する。
本実施形態に係る撹拌翼50によれば、前述のごとく乳化液を上下方向に循環させる循環流を生じさせることができる。このため、比重が比較的軽く溶液の液面近傍に浮遊して停滞しやすいゴムを上下に循環させることで溶液中に効果的に分散させることができ、ゴムが均質な状態に分散した乳化液を得ることができる。したがって乳化工程においてゴム組成物を良好な状態に乳化することができるため、凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができる。
また、本実施形態に係る撹拌翼50は、格子状の構造を有する格子部54により、上下に循環する溶液中のゴムが剪断・細分化され、さら格子部54の回転方向後方に発生する微細渦にゴムが巻き込まれて混合される。このため、ゴムの微細化および混合が促進し、良好な乳化状態を得やすくなるとともに凝集物を少なくすることができる。
また、本実施形態の撹拌翼50は、パドル部53の下端部が撹拌タンク30内の底部に近接しているため、溶液を底部に残存させず循環流に乗せて撹拌することができる。このため、上下の循環流が的確に発生してゴムが分散され、良好な乳化液を得ることができる。
また、バッフル板90は、パドル部53により径方向外方に押し出された溶液が撹拌翼50の回転に伴って回転することを抑制するとともに上昇流を発生させるように作用する。これによっても上下の循環流が的確に発生してゴムが分散され、良好な乳化液を得ることができるものとなっている。
また、本実施形態に係るラテックスの製造方法は、脱溶媒工程においても撹拌翼50によって乳化液を撹拌することにより、脱溶媒中の乳化液中のゴムは上下に循環して撹拌されてゴムが十分に混合されるため、脱溶媒後に得られるラテックスは、凝集物の少ない高品質なものとなる。
なお、上記の実施形態では、粗乳化工程を含めた乳化工程および脱溶媒工程を1つの撹拌タンク30で行っているが、2つの撹拌タンク30を用意し、乳化工程と脱溶媒工程とを異なる撹拌タンク30で行うようにしてもよい。また、脱溶媒工程で撹拌翼50による撹拌を行わない場合には、撹拌タンク30で得た乳化液を脱溶媒専用のタンクに移して脱溶媒工程を行うようにしてもよい。
(撹拌翼の他の実施形態)
次に、図4および図5を参照して、上記撹拌手段40を構成する撹拌翼50の他の実施形態を説明する。他の実施形態の各図においては上記実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4は、他の実施形態の撹拌翼60を備えた撹拌タンク(容器)30Bを示している。撹拌翼60は、全体的には平板状で矩形形状を有しており、かつ回転軸41を対称線として左右対称の形状を有している。撹拌翼60は、下部の矩形状のパドル部63と、パドル部63から上方に延びる左右の矩形状の翼部64a、64bと、を有している。回転軸41はパドル部63の幅方向中心を貫通するようにしてパドル部63に固定されており、撹拌翼60は回転軸41とともに回転する。
左右の翼部64a、64bは、内側(回転軸41側)の縁部65をそれぞれ有し、これら縁部65は回転軸41と平行に形成されている。また、左右の翼部64a、64bは外側の縁部66をそれぞれ有し、これら縁部66は、凹凸が繰り返す鋸歯状に形成されている。内側の縁部65と回転軸41との間、および外側の縁部66とバッフル板90との間は、それぞれ所定の間隔が空くように構成されている。
撹拌翼60の全体高さに対するパドル部63および各翼部64a、64bが占める高さ寸法の割合は、各翼部64a、64bの方が6~7割程度であってパドル部63よりも大きいが、これには限定されない。
撹拌翼60は、前述の実施形態の撹拌翼50と同様に、回転方向と略直交して撹拌タンク30B内に貯留する乳化液等の溶液に対向する撹拌面62を有する。その撹拌面62の面積は撹拌翼60の面積に相当し、撹拌翼60は、撹拌面62の接液面積率、すなわち撹拌タンク30B内に貯留される溶液の断面積に対する撹拌面62の面積の比率が、10~60%となるように構成されている。
図5は、撹拌翼70を備えた撹拌タンク(容器)30Cを示している。撹拌翼70は、図4に示した撹拌翼60と同一の形状を有しているが、その大きさを変更した変更例である。したがって撹拌翼60と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す変更例の撹拌翼70は、図4に示した撹拌翼60よりも面積すなわち撹拌面72の面積が例えば10~30%程度大きいものである。例えば、撹拌翼60の撹拌面62の接液面積率が15%程度であった場合、撹拌翼70が有する撹拌面72の接液面積率は45%程度である。
他の実施形態に係る上記平板状の撹拌翼60、70によれば、撹拌翼50の場合と同様に、撹拌する溶液に上下方向に循環する循環流を生じさせることができ、比重が比較的軽く溶液の液面近傍に浮遊して停滞しやすいゴムを上下に循環させて均質な状態に分散させることができる。したがって凝集物の少ない高品質のラテックスを製造することができる。
次に、本発明の実施例および比較例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限られるものではない。
[実施例1]
(ゴム溶液の製造)
図1に示すゴム溶液タンク1内に85部のシクロヘキサン(有機溶媒)を貯留した後、重量平均分子量が1,300,000のイソプレン重合体(合成ゴム:商品名「NIPOL IR2200L」、日本ゼオン(株)製、イソプレンの単独重合体、シス結合単位量98%)15部を投入し、ゴム溶液タンク1内で撹拌しながら温度を60℃に昇温して溶解し、イソプレン重合体のシクロヘキサン溶液からなるゴム溶液(a)を調製した。
(乳化剤水溶液の製造)
図1に示す乳化剤タンク2内に、ロジン酸ナトリウム塩10部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩5部を水と混合し、濃度2.3重量%のアニオン性界面活性剤水溶液を乳化剤水溶液(b)として調製した後、60℃に昇温した。
(粗乳化工程)
次いで、上記シクロヘキサン溶液からなるゴム溶液(a)と、上記アニオン性界面活性剤水溶液からなる乳化剤水溶液(b)とを、重量比で1:1となるように、撹拌タンク30内に供給した後、接液面積率が30%の撹拌翼50で30分間撹拌し、粗乳化した。
(循環乳化工程)
次いで、得られた粗乳化液を撹拌翼50で撹拌しながら、乳化機4を用いて循環数が2回となるように循環管14を循環させて循環乳化し、乳化液(c)を得た。なお、循環数は、「乳化機4による流速(L/HR)÷L×HR(L:粗乳化液量、HR:運転時間)」にて算出した。また、乳化機4には、商品名「マイルダーMDN310」(太平洋機工株式会社製)を用いた。循環乳化が終了した後、撹拌タンク30内で乳化液を20分間静置して液面を観察したが、浮遊物は存在していなかった。
(脱溶媒工程)
次いで、バルブ7を開けて減圧ポンプ5を作動させ、乳化液(c)を撹拌翼50で撹拌しながら、撹拌タンク30内を-0.01~-0.09MPa(ゲージ圧)に減圧するとともに80℃に加熱し、これによりシクロヘキサンを蒸留して除去し、撹拌タンク30内に合成イソプレン重合体の水分散液(d)を得た。
シクロヘキサンを除去している最中、撹拌タンク30内を観察していたが、発泡はほとんど観察されなかった。また、水分散液(d)を撹拌タンク30から抜き出した後、撹拌タンク30の内壁や撹拌翼50に付着した凝固物を回収し、その回収物の重量を測定したところ、0.01部以下であった。
(遠心分離工程)
次いで、撹拌タンク30から抜き出して得られた水分散液(d)を、遠心分離機を用いて遠心分離し、軽液を固形分濃度60重量%の合成ポリイソプレンラテックス(e)として得た。
(ディップ成形用のラテックス組成物の製造)
以上のようにして得た合成ポリイソプレンラテックス(e)を撹拌しながら、5重量%のジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液を添加した(添加量は、合成ポリイソプレン100部に対して、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム0.4部とした)。
一方、スチレン-マレイン酸モノ-sec-ブチルエステル-マレイン酸モノメチルエステル重合体(商品名:Scripset550、Hercules社製)を、水酸化ナトリウムを用い、重合体中のカルボキシル基を100%中和して、分散剤(f)としてのナトリウム塩水溶液(濃度10重量%)を調製した。
次いで、分散剤(f)を、合成ポリイソプレンラテックス(e)100部に対して、固形分換算で0.6部になるようにして添加して混合し、この混合物を撹拌しながら、混合物中の合成ポリイソプレン100部に対して、固形分換算で、酸化亜鉛1.5部、硫黄1.5部、老化防止剤(商品名:Wingstay L、グッドイヤー社製)2部、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.35部、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩0.3部となるように、これら配合剤の水分散液を添加した。この後、さらに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを10.5に調製した後、固形分濃度が40%となるように蒸留水を添加し、ディップ成形用のラテックス組成物(g)を得た。その後、得られたラテックス組成物(g)を、25℃で48時間熟成した。
(ディップ成形体の製造)
表面がすり加工されたガラス型(直径約5cm、すり部長さ約15cm)を洗浄し、70℃のオーブン内で予備加熱した後、そのガラス型を、16重量%の硝酸カルシウムおよび0.05重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)からなる凝固剤水溶液に5秒間浸漬し、取り出した。
次いで、凝固剤で被覆された上記ガラス型を70℃のオーブン内で乾燥した。その後、凝固剤で被覆されたガラス型をオーブンから取り出し、25℃の上記ラテックス組成物(g)に10秒間浸漬してから取り出し、室温で60分間乾燥した。これにより、ガラス型の表面に合成ポリイソプレンラテックス(e)がフィルム状に形成された。
次いで、フィルム状の合成ポリイソプレンラテックス(e)が表面に形成されたガラス型をオーブン内に置き、25分間で50℃から60℃まで昇温して予備乾燥し、70℃のオーブン内に10分間置いてさらに乾燥した。そして、そのガラス型を60℃の温水中に2分間浸漬した後、室温で10分間風乾した。
次いで、フィルム状の合成ポリイソプレンラテックス(e)で被覆されたガラス型をオーブン内に置き、100℃で60分間加硫を行った。加硫されたフィルムで被覆されたガラス型を室温まで冷却し、表面にタルクを散布した後、当該フィルムをガラス型から剥離し、合成ポリイソプレンラテックスからなるディップ成形体を得た。
[実施例2]
循環乳化工程を、撹拌翼50に代えて図4に示した撹拌翼60(接液面積率:15%)を備えた撹拌タンク30Bを用いて行った以外は、実施例1と同様にしてディップ成形体を得た。
[実施例3]
循環乳化工程を、撹拌翼50に代えて図5に示した撹拌翼70(接液面積率:45%)を備えた撹拌タンク30Cを用いて行った以外は、実施例1と同様にしてディップ成形体を得た。
[実施例4]
脱溶媒工程を、撹拌翼50に代えて図4に示した撹拌翼60(接液面積率:15%)を備えた撹拌タンク30Bを用いて行った以外は、実施例1と同様にしてディップで成形体を得た。
[実施例5]
脱溶媒工程を、撹拌翼50に代えて図6に示す2段パドル型の撹拌翼110(接液面積率:5%)を備えた撹拌タンク100を用いて行った以外は、実施例1と同様にしてディップ成形体を得た。
図6に示す撹拌タンク100は、タンク本体101および図示せぬ蓋体を備え、また、前述のバッフル板90と同様の複数のバッフル板109を備えている。タンク本体101内には2つの撹拌翼110が配設され、それら撹拌翼110は回転軸104に上下方向に所定の間隔をあけて固定されている。
撹拌翼110は本発明外の比較例に係る撹拌翼であって、回転軸104から左右方向に延びる板状であって、回転方向に対し概ね45°で傾斜し、かつ左右でその傾斜方向が互い違いとされた形状を有している。上記接液面積率:5%は、上下2つの撹拌翼110の接液面積率を合わせたものである。
[比較例1]
粗乳化工程、循環乳化工程、脱溶媒工程を、撹拌翼50に代えて図6に示した撹拌翼110を備えた撹拌タンク100を用いて行った以外は、実施例1と同様にしてディップ成形体を得た。
[比較例2]
粗乳化工程、循環乳化工程、脱溶媒工程を、撹拌翼50に代えて図7に示すダブルリボン型の撹拌翼210(撹拌面の接液面積率:15%)を備えた撹拌タンク200を用いて行った以外は、実施例1と同様にしてディップ成形体を得た。
図7に示す撹拌タンク200は、タンク本体201および図示せぬ蓋体を備えている。撹拌翼210は、回転軸204により回転可能なようにタンク本体201内に配設されている。
撹拌翼210は、本発明外の比較例に係る撹拌翼であって、2枚の帯状板からなるヘリカルリボン翼211が回転軸204を中心に軸方向からみて点対称となるように組み合わされて構成されたものである。2枚のヘリカルリボン翼211は、回転軸204の下端部が固定された底部フレーム221と、一対の側方フレーム222とによって互いに連結されている。
ヘリカルリボン翼211の撹拌面は螺旋面をなし、回転方向に対して傾斜している。上記接液面積率:15%は、2つのヘリカルリボン翼211の接液面積率を合わせたものである。
上記実施例1~5および比較例1、2の製造方法について表1にまとめるとともに、評価を表1に併記した。表1において「浮遊物」は、循環乳化が終了した後、撹拌タンク内で乳化液を20分間静置して液面を観察した際に浮遊物の状態を観察した結果を示している。また、表1において「凝集物」は、脱溶媒工程後の乳化液に残存していたゴム成分の量を示している。また、機械的強度は、得られたディップ成形体の機械的強度であって、以下のように測定した。
ASTM D624-00に基づいて、ディップ成形体を、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室で24時間以上放置した後、ダンベル(商品名「Die C」、ダンベル社製)で打ち抜き、測定用の試験片を作製した。そして、当該試験片をテンシロン万能試験機(商品名「RTG-1210」、A&D社製)で引張速度500mm/minで引っ張り、破断直前の引張強度(単位:MPa)、破断直前の引張伸び(単位:%)、引裂強度(単位:N/mm)を測定した。
Figure 0007359160000001
(評価)
表1に示すように、乳化工程および脱溶媒工程で乳化液を平板状の撹拌翼で撹拌・混合した実施例1~4においては、平板状の撹拌翼で撹拌していない比較例1、2よりも浮遊物および凝集物が少なかった。したがって本発明によれば乳化が良好に行われ、得られるラテックスは凝集物の量が少ない高品質なものになることが確かめられた。実施例5は循環乳化工程で平板状の撹拌翼を用いなかったことにより、実施例1~4に比べると凝集物の量が若干多く、したがって乳化工程および脱溶媒工程の両方で平板状の撹拌翼を用いることが好ましい。
また、ディップ成形体の機械的強度に関しても、実施例1~5は比較例1、2よりも優れており、本発明で製造されるラテックスから製造されるディップ成形体が強度に優れたものになることが確かめられた。
本発明は、原料の乳化工程において良好な乳化状態を得ることができるため、品質の向上を図ることができるラテックスの製造方法として有用である。
3 撹拌装置
4 乳化機
30、30B、30C 撹拌タンク(容器)
40 撹拌手段
50、60、70 撹拌翼
52、62、72 撹拌面
54 格子部

Claims (7)

  1. ゴムと有機溶媒とを混合させたゴム溶液と、乳化剤水溶液とを混合することにより粗乳化状態の乳化液を得る粗乳化工程と、
    前記粗乳化工程で得られた粗乳化状態の乳化液を、乳化機を通じて循環してさらに乳化する循環乳化工程と、
    前記循環乳化工程を経て得られた乳化液から前記有機溶媒を除去する脱溶媒工程と、を備えるラテックスの製造方法であって、
    前記粗乳化工程および前記循環乳化工程の両方の工程において、前記乳化液を、撹拌物が貯留される容器と、該容器内に回転可能に設けられた撹拌手段と、を備えた撹拌装置で撹拌するようにし、
    前記脱溶媒工程において、前記乳化液を、前記容器と前記撹拌手段とを備えた前記撹拌装置で撹拌するようにし、
    前記撹拌手段は、その回転方向と略直交して撹拌物に対向する撹拌面を有する平板状の撹拌翼を含む構成であることを特徴とするラテックスの製造方法。
  2. 前記撹拌翼の前記撹拌面の面積が、前記容器内に貯留される前記撹拌物の断面積の10~60%であることを特徴とする請求項1に記載のラテックスの製造方法。
  3. 前記撹拌翼は、格子状の構造を有する格子部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のラテックスの製造方法。
  4. 前記粗乳化工程では、前記ゴム溶液と前記乳化剤水溶液とを、前記乳化機を用いて連続的に混合する工程を含むことを特徴とする請求項に記載のラテックスの製造方法。
  5. 請求項1~のいずれかに記載の製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いて膜成形体を成形することを特徴とする膜成形体の製造方法。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を用いてディップ成形体を成形することを特徴とするディップ成形体の製造方法。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の製造方法によって製造されたラテックスに架橋剤を添加してラテックス組成物を得、該ラテックス組成物を接着剤層として基材の表面に形成することを特徴とする接着剤層形成基材の製造方法。
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