JP7269751B2 - シートパッドおよびその製造方法、成形型 - Google Patents

シートパッドおよびその製造方法、成形型 Download PDF

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Description

この発明は、車両などの座席に用いられるシートパッド、シートパッドの製造方法、および成形型に関するものである。
車両用のシートは、シートパッドの一面に形成された溝部の底に設けられたワイヤーでシートカバーを保持することで、シートカバーの一部を溝部に引き込んでシートカバーを張った状態で取り付けている(例えば、特許文献1参照)。このようなシートパッドは、成形型の下型に形成した凸型部の頂部にワイヤーを取り付けて、シートパッドの溝部の底に対応する位置にワイヤーを配置した状態で、発泡体原料を発泡・硬化させるインサート成形により得られる。
特許第3945812号公報
成形型においてシートパッドを成形するとき、発泡体原料は、下型における凸型部で区画される領域のそれぞれに供給される。そして、各領域に振り分けて供給された発泡体原料が発泡しつつ膨張すると、発泡体同士が凸型部の頂部で合流することになる。発泡体原料同士が比較的高い粘度にある状態で合流すると、得られるシートパッドにおいて、溝部の底の強度が弱くなってしまう。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、溝部の強度に優れたシートパッド、該シートパッドの製造方法、および該シートパッドを得るための成形型を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るシートパッドは、
型成形された発泡体で構成されたシートパッドであって、
前記シートパッドの一面から凹むように成形された溝部と、
前記溝部に設けられ、該溝部の開口側から該溝部の底へ向かうにつれて該溝部の幅方向中央側へ該溝部の溝壁から張り出すように形成された膨出部と、を備え、
前記膨出部は、前記溝部の幅方向中央を越えないように形成されていることを要旨とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るシートパッドの製造方法は、
成形型で発泡体原料から発泡体で構成されたシートパッドを成形する際に、該シートパッドの一面から凹むように溝部を形成するシートパッドの製造方法であって、
前記成形型の下型における前記溝部を成形する凸型部を挟む両側のそれぞれに、前記発泡体原料を供給し、
前記凸型部に形成された案内部によって、前記下型に供給された前記発泡体原料を、該凸型部を挟む反対側へ向けて案内しつつ、前記シートパッドを成形することを要旨とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る成形型は、
下型および上型で画成されるキャビティにおいて発泡体からなるシートパッドを成形する成形型であって、
前記下型には、前記シートパッドの一面から凹むように溝部を成形する凸型部が設けられ、
前記凸型部は、該凸型部における前記溝部の溝壁を規定する縦壁面より凹むように設けられた案内部を有し、
前記案内部は、前記凸型部の根元側から該凸型部の頂部へ向かうにつれて、該凸型部の幅方向中央側へ傾くように形成されていることを要旨とする。
本発明に係るシートパッドによれば、溝部の強度を向上することができる。
本発明に係るシートパッドの製造方法によれば、溝部の強度を向上したシートパッドを得ることができる。
本発明に係る成形型によれば、溝部の強度を向上したシートパッドを得ることができる。
本発明の実施例に係るシートパッドが用いられたシートを示す斜視図である。 実施例のシートパッドを示す平面図である。なお、シートパッドの一面側から示している。 実施例のシートパッドの溝部を拡大して示す平面図である。 図3のA-A線断面図である。 図3のB-B線断面図である。 実施例のシートパッドの製造過程を示す説明図である。 実施例に係る成形型の下型を示す平面図である。 図7のC-C線断面図である。 図7のD-D線断面図である。 実施例の凸型部を示す斜視図である。 変更例の凸型部を示す斜視図である。
次に、本発明に係るシートパッド、シートパッドの製造方法および成形型につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、車両用のシート10は、乗員の下半身を支持する座部12と、この座部12の後部に傾動可能に設置されて乗員の上半身を支持する背もたれ部14と、この背もたれ部14の上部に設置されて乗員の頭部を支持するヘッドレスト16とから基本的に構成される。座部12および背もたれ部14は、軟質ポリウレタンフォーム(発泡体)を主体として、全体としてクッション性を有するシートパッド20と、シートパッド20の全体を覆うように貼り込まれた、布地や合成皮革や本革などのシートカバー18とから構成されている。なお、座部12と背もたれ部14は、その基本的な構造が類似すると共に、製造方法も同様であるので、背もたれ部14およびヘッドレスト16をなすシートパッド20を挙げて以下に説明する。また、シートパッド20の説明において、車両への設置状態を基準として上下前後左右を指称し、背もたれ部14を構成するシートパッド20では、シート10に着座した乗員の支持面側が前であると共に、その反対側が後である。また、シート10に着座した乗員の頭側が上であり、乗員の臀部側が下であり、右腕側が右であり、左腕側が左である。
図2に示すように、シートパッド20には、溝部22が、乗員側となる前面(一面)に開口するように設けられている。実施例のシートパッド20には、左右方向へ延びる1条の溝部22が形成されている。溝部22は、第1領域22aと、この第1領域22aよりも溝部22が深くなる方向へ凹むように形成された第2領域22bとを有している。このように、溝部22は、その底が、比較的浅い第1領域22aとこの第1領域22aよりも深い第2領域22bとにより段状になっている(図5参照)。実施例の溝部22は、第1領域22aが第2領域22bよりも浅く形成されて、第2領域22bが第1領域22aよりも深く形成されている。また、実施例の溝部22は、第1領域22aおよび第2領域22bが複数設けられ、左右方向に並ぶ第1領域22a,22aの間に第2領域22bが配置されている。
図4および図5に示すように、シートパッド20における溝部22の底には、保持具としてのワイヤー24が、溝部22が延びる方向へ沿って設置されている。ワイヤー24は、溝部22の幅方向中央部に配置されている。ワイヤー24は、少なくとも第1領域22aにおいて発泡体に埋まるように設けられ、第2領域22bにおいて溝部22の開口側から視認可能なように露出しても、第2領域22bにおいて発泡体に埋まっていても、何れであってもよい。実施例の溝部22には、第2領域22bが左右方向に離して複数箇所設けられ、シートパッド20の前面側(一面側)から溝部22を見た際に、第2領域22bにおいてワイヤー24の一部が該第2領域22bの横方向に亘って露出している。第2領域22bでは、ワイヤー24が、該第2領域22bの横方向に亘って露出している。なお、ワイヤー24は、第2領域22bにおいて発泡体に埋まっている場合、第2領域22bの底とワイヤー24との間の発泡体の厚さが、第1領域22aの底とワイヤー24との間の発泡体の厚さよりも薄くなるように設定される。
図5に示すように、シートパッド20は、シートカバー18に取り付けられたフック状の取付具28を第2領域22bにおいてワイヤー24に引っ掛けて、シートカバー18を溝部22の内側へ引き込むことで、シートカバー18を、皺が伸びた(テンションをかけた)状態で取り付け可能になっている。以下の説明において、溝部22の溝壁の対向方向に対応する方向を幅方向といい、溝部22が延びる方向に対応する方向を横方向という。また、シートパッド20において溝部22の深さ方向に対応する方向が前後方向になる。
図2および図3に示すように、シートパッド20は、溝部22の第1領域22aに設けられた膨出部30を備えている。実施例の溝部22には、膨出部30が、横方向に間隔をあけて複数形成された第2領域22bで区切られた第1領域22aごとに設けられている。ここで、横方向に長い第1領域22aには、横方向に短い第1領域22aよりも、多くの膨出部30が設けられている。膨出部30は、第2領域22bの開口縁に接するように配置してもよいが、実施例では、膨出部30が第2領域22bから離して配置されている。また、膨出部30は、第1領域22aの横方向全体に亘って形成してもよいが、実施例では、膨出部30が第1領域22aの横方向の寸法よりも小さく形成されている。
図2および図3に示すように、シートパッド20には、膨出部30が第2領域22bの両方の横側に配置され、第2領域22bが横方向に並ぶ2つの膨出部30,30によって挟まれている。シートパッド20には、膨出部30が、溝部22における一方(シートパッド20の下側)の溝壁から張り出すように設けられ、全ての膨出部30が溝部22の一方の溝壁に寄せて配置されている。ここで、シートパッド20の下側は、後述するシートパッド20の型成形において成形型40の開閉に際する回動軸48側であり、膨出部30を、溝部22における回動軸48側の溝壁に少なくとも設けることが望ましい。シートパッド20は、溝部22に引き込んだシートカバー18を、溝部22における一方の溝壁から張り出した膨出部30と溝部22における他方(シートパッド20の上側)の溝壁との間の隙間に配置可能に構成されている(図4および図5参照)。
図4および図5に示すように、膨出部30は、溝部22の開口側(シートパッド20の一面側)から溝部22の底へ向かうにつれて、溝部22の幅方向中央へ向けて溝部22の溝壁から張り出すように形成されている。膨出部30は、溝部22の幅方向中央を越えないように形成されており、溝部22に収容されるシートカバー18の邪魔にならない程度の大きさで張り出している。膨出部30は、垂直または溝部22の開口側が底側と比べてわずかに広くなるように傾く溝壁から溝部22の内側へ膨らみ、溝部22の内側に臨む内壁面が、溝部22の開口側から底側へ向かうにつれて、溝部22の幅方向中央側へ傾斜している。膨出部30は、溝部22の溝壁から幅方向へ張り出す横壁面(内壁面および溝壁を繋ぐ壁面)が、上下方向(溝部22の深さ方向)に延在している。また、膨出部30は、その横方向の寸法を5mm以上に設定することが好ましい。なお、複数の膨出部30は、その形状や、溝壁からの張り出し寸法や上下方向の寸法などが異なっていてもよいが、実施例では、複数の膨出部30が全て同じ形状で同じ大きさで形成されている。
次に、シートパッド20を成形する成形型40について説明する。図6に示すように、成形型40は、下型42と、型閉じ時に下型42の上側に配置される上型44とから構成されている。成形型40は、上型44を、回動軸48を中心に回動することで、下型42と上型44との間にキャビティ46を形成する型閉じ状態(図6(b)参照)と、成形型40内にアクセスできる型開き状態(図6(a)参照)と変更可能である。成形型40は、キャビティ46において、シートパッド20の前面(一面)を下側へ向けた姿勢で成形するようになっている。そして、成形型40は、シートパッド20の前面および側面を下型42で主に成形し、シートパッド20の後面を上型44で成形している。
図6および図7に示すように、下型42は、シートパッド20の前面(一面)を規定する下型面(型面)42aから突出するように形成され、シートパッド20の溝部22を規定する凸型部50を備えている。実施例の凸型部50は、回動軸48と並行して回動軸48の軸線方向に延びるように形成されている。
図8および図10に示すように、凸型部50は、溝部22の底に埋め込むワイヤー24を取り付け可能に構成されて、溝部22における第2領域22bを形成する取付部52と、取付部52よりも低く(下型面42aからの突出寸法が小さく)設定され、溝部22における第1領域22aを形成する一般部54とを備えている。また、凸型部50は、一般部54において溝部22の溝壁を規定する縦壁面54aより凹む案内部56を備えている(図9参照)。取付部52の頂部には、磁石等の取付手段58が設けられており、取付手段58によってワイヤー24を保持して、ワイヤー24を取付部52の頂部にセット可能に構成されている(図8参照)。
図7~図10に示すように、下型42は、凸型部50における一般部54に設けられた案内部56を備えている。実施例では、案内部56が、横方向に間隔をあけて複数形成された取付部52で区切られた一般部54ごとに設けられている。ここで、横方向に長い一般部54には、横方向に短い一般部54よりも、多くの案内部56が設けられている(図7参照)。案内部56は、取付部52に接するように配置してもよいが、実施例では、案内部56が取付部52から離して配置されている。また、案内部56は、一般部54の横方向全体に亘って形成してもよいが、実施例では、案内部56が一般部54の横方向の寸法よりも小さく形成されている。
図7および図10に示すように、凸型部50には、案内部56が取付部52の両方の横側に配置され、取付部52が横方向に並ぶ2つの案内部56,56によって挟まれている。案内部56は、一般部54における一方(回動軸48側)の縦壁面54aから凹むように設けられ、全ての案内部56が一般部54の一方の縦壁面54a側に形成されている。実施例の案内部56は、成形型40における開閉の中心となる回動軸48側の縦壁面54aに設けられている。凸型部50は、回動軸48側の縦壁面54aおよび当該縦壁面54aと該凸型部50の頂部を挟んで反対側の縦壁面54aの両方に、案内部56をそれぞれ設けてもよいが、実施例のように、回動軸48側の縦壁面54aを凹ませて形成した案内部56を少なくても備えていることが望ましい。
図9に示すように、案内部56は、一般部54において下型面42aと接する根元側から凸型部50の頂部側へ向かうにつれて、一般部54の幅方向中央側へ傾くように形成されている。一般部54における案内部56の形成部位は、根元側から頂部へ向かうにつれて幅方向の寸法が小さくなっている。案内部56は、凸型部50の幅方向中央を越えて凹まないように形成され、一般部54の幅方向の寸法に対して半分よりも浅い凹みである。案内部56は、該案内部56における凹みの底および縦壁面54aを繋ぐ脇壁面が、上下方向(一般部54の突出方向)に延在するように形成されている。また、案内部56は、その横方向の寸法を5mm以上に設定することが好ましい。なお、複数の案内部56は、その形状や、縦壁面54aから凹む深さや上下方向の寸法などが異なっていてもよいが、実施例では、複数の案内部56が全て同じ形状で同じ大きさで形成されている。
次に、前述した案内部56を設けた成形型40によるシートパッド20の製造方法について説明する。まず、取付手段58によって凸型部50の取付部52の頂部にワイヤー24を保持して、下型42にワイヤー24をセットする(図10参照)。このとき、ワイヤー24は、取付部52の頂部に載せて、一般部54との間に隙間をあけた状態で、該凸型部50が延びる方向へ沿わせてセットされる。下型42の下型面42aに発泡体原料Hを供給し、成形型40を型閉じして(図6(b)参照)、キャビティ46において発泡体原料Hを発泡・硬化させて、シートパッド20を成形する。発泡体原料Hは、凸型部50で区切られる下型面42aの領域のそれぞれに供給され、実施例であると、凸型部50を挟んで回動軸48側の領域(シートパッド20の下側)とその反対側の領域(シートパッド20の上側)とに発泡体原料Hが供給される。
図9に示すように、下型42において案内部56が形成された側の領域に供給された発泡体原料Hを案内部56によって、一般部54を挟んで反対側の領域へ向けて案内しつつ、シートパッド20を成形する。なお、案内部56は、発泡体原料Hを、案内部56が形成されていない部位よりも一般部54の頂部に早く到達するように案内しているともいえる。実施例の案内部56は、一般部54が下型42から突出する方向と略平行に、全て同じ形状および同じ大きさで形成されており、案内部56に由来する膨出部30も全て同じ形状および同じ大きさで形成される。
具体的には、発泡体原料Hは、下型42における凸型部50の幅方向両側に振り分けて供給される。凸型部50を挟んで供給された発泡体原料H,Hは、下側から上側へ向けて発泡しながら膨張する際に、一般部54の縦壁面54aより凹む案内部56の傾斜面に沿って案内されることで、縦壁面54aだけで案内されるときよりも早く一般部54の頂部で合流する。発泡体原料Hは、下型42に供給されたタイミングが早い程、発泡・硬化が進行しておらず、その粘度が低くなっている。そして、下型42に供給された発泡体原料H,H同士を案内部56で案内して早く合流させることで、比較的高い粘度の発泡体原料H,H同士が合流した場合に比べて、発泡体原料H,H同士の馴染みがよくなる。従って、実施例によれば、合流する発泡体原料H,H同士の馴染みがよいので、界面が発泡体(溝部22の底)に形成されることを抑えることができる。これに対して、比較的高い粘度の発泡体原料H,H同士がぶつかると、発泡体に界面が生じることになり、このような界面が発泡体にあると、外部から力が加わった際に応力集中が起こり、界面から破れたり裂けたりするおそれがある。
前述したように、案内部56による発泡体原料Hの発泡方向のコントロールによって、一般部54の頂部において発泡体原料H,Hを比較的粘度が低い状態で合流させることができる。実施例で得られたシートパッド20は、溝部22の底における界面の形成が抑えられているので、この界面に起因して溝部22の底の強度が低くなることを回避できる。従って、成形型40を型開きあるいはシートパッド20を脱型する際に、凸型部50が溝部22に干渉しても、溝部22を破損し難くすることができる。換言すると、得られるシートパッド20は、溝部22の強度が優れているので、溝部22に力を加えることが可能であり、成形型40の型開きやシートパッド20の脱型を行い易く、シートパッド20を効率よく製造することができる。そして、得られたシートパッド20は、取付具28を介してシートカバー18をワイヤー24に取り付けたとき、強度に優れた溝部22の底に埋設されたワイヤー24によって、シートカバー18を適切に保持することができる。
膨出部30は、溝部22の幅方向中央を越えないように形成することで、溝部22に収容されるシートカバー18の邪魔になり難くすることができる。また、膨出部30は、溝部22に引き込まれたシートカバー18と当たったときに、シートカバー18を溝部22の幅方向中央側へ寄せることができ、溝部22におけるシートカバー18の位置合わせを補助できる。ここで、膨出部30は、溝部22の開口側の溝壁からの張り出し寸法が小さく、該開口側から溝部22の底側へ向かうにつれて溝壁からの張り出し寸法が大きくなっている。この膨出部30の構成によれば、シートカバー18の溝部22への挿入時に邪魔になり難く、膨出部30の傾斜面に沿ってシートカバー18を幅方向中央側へ案内できる。これにより、取付具28をワイヤー24に固定し易くすることができる。
案内部56は、回動軸48の軸線方向と並行するように延在する凸型部50に設けられている。回動軸48を中心に上型44が型開きする成形型40は、上型44と共にシートパッド20が上方変位して、凸型部50から溝部22が抜ける際に、溝部22が凸型部50に干渉することになる。ここで、凸型部50から溝部22が抜ける際、該溝部22の回動軸48側(図6の凸型部50の右側)は、該溝部22を幅方向に開くように力が加わり、該溝部22の回動軸48と反対側(図6の凸型部50の左側)は、該溝部22を幅方向に潰すように力が加わっている。特に、溝部22を幅方向に開くように力が加わる該溝部22の回動軸48側は、該溝部22が引き伸ばされながら力を受けるため、破損し易くなる。実施例のシートパッド20は、溝部22の底に膨出部30が形成されて溝部22の溝壁が部分的に厚く形成されており、かつ、発泡体原料H,Hに起因する界面の形成が抑えられていることで溝部22の強度が優れているので、溝部22の底が破れるような不具合の発生を回避できる。このように、案内部56を、凸型部50における回動軸48側の縦壁面54aを凹ませて形成しておくことで、型開き時に溝部22に加わる力に耐えるように、溝部22を強化することができる。
(変更例)
前述した構成に限らず、例えば、以下のように変更してもよい。
(1)実施例では、案内部を凸型部における幅方向の一方だけに設けたが、これに限らず、図11に示すように、案内部56を凸型部50における幅方向の両方に設けてよい。凸型部50の幅方向の両方に案内部56を設けることで、凸型部50の頂部において発泡体原料H,Hを粘度が低い状態で合流させることができ、得られる溝部22の強度を向上させることができる。凸型部50における幅方向一方の案内部56と凸型部50における幅方向他方の案内部56とは、横方向にずらして配置してもよいが、凸型部50の頂部を挟んで配置される案内部56,56同士の少なくとも一部が幅方向に重なるようにすることが好ましい。図11に示すように、凸型部50の頂部を挟んで対称な位置関係で対をなす案内部56,56を設けることで、凸型部50の幅方向両方から、発泡体原料H,Hを凸型部50の頂部に導くことができる。
(2)実施例では、溝部の一方の溝壁から張り出す膨出部だけを設けたが、これに限らず、溝部の一方の溝壁から張り出す膨出部と溝部の他方の溝壁から張り出す膨出部との両方を設けてもよい。この場合、シートカバーを、幅方向両側の膨出部によって、溝部の幅方向中央部に案内することができる。特に、2つの膨出部を、溝部22の幅方向に対向するように間隔をあけて配置することで、シートカバーを溝部の幅方向中央側へ寄せることができ、シートカバーの位置合わせを好適に補助できる。
(3)案内部の大きさや形状などは、実施例に限定されない。同様に、膨出部の大きさや形状などは、実施例に限定されない。実施例では、案内部および案内部に由来する膨出部を全て同じ形状としたが、一部または全部を異なる大きさや形状で形成してもよい。
(4)実施例の案内部は、該案内部の凹みの底面が直線的な傾斜面で形成されているが、凸型部の幅方向中央を越えなければ、該底面を曲面や階段状としてもよい。実施例の膨出部は、溝部の内側に面する内壁面が直線的な傾斜面で形成されているが、溝部の幅方向中央を越えなければ、内壁面を曲面や階段状としてもよい。
(5)実施例の案内部は、該案内部の脇壁面を、平面で形成したが、脇壁面を曲面としてもよい。この場合、脇壁面の全部を曲面で形成してもよく、その一部のみを曲面とするなど、曲面と平面とを組み合わせてもよい。実施例の膨出部は、該膨出部の横壁面を、平面で形成したが、横壁面を曲面としてもよい。この場合、横壁面の全部を曲面で形成してもよく、その一部のみを曲面とするなど、曲面と平面とを組み合わせてもよい。
(6)実施例では、成形型の開閉に際する回動軸の軸線方向に延在する凸型部に案内部を設けたが、これに限らず、回転軸の軸線方向と交差する方向へ延びる凸型部に案内部を設けてもよい。
(7)実施例では、案内部を一般部における下型面と接する根元から一般部の頂部側へ向けて形成しているが、これに限らず、凸型部における上下方向の途中位置から凸型部の頂部側へ向けて案内部を形成してもよい。
(8)実施例では、溝部の開口側(シートパッドの一面側)から見た際に、溝部の第2領域からワイヤー(保持具)の一部が露出するように形成したが、これに限らず、溝部の第2領域からワイヤーが露出しないように、発泡体に埋設してもよい。
(9)実施例では、ワイヤー(保持具)を埋設する溝部および該溝部を成形する凸型部を対象に説明したが、ワイヤー(保持具)が埋設されない溝部および当該溝部を成形する凸型部であってもよい。
(10)実施例では、保持具としてワイヤーを挙げたが、これに限らず、板材やクリップなど、シートカバーを保持可能なものであればよい。
20 シートパッド,22 溝部,22a 第1領域,22b 第2領域,
24 ワイヤー(保持具),30 膨出部,40 成形型,42 下型,44 上型,
46 キャビティ,48 回動軸,50 凸型部,52 取付部,54 一般部,
54a 縦壁面,56 案内部,H 発泡体原料

Claims (5)

  1. 型成形された発泡体を含むシートパッドであって、
    前記シートパッドの一面から凹むように成形された溝部を備え
    前記溝部は、第1領域と、前記第1領域よりも深い第2領域と、を有し、
    前記第1領域の一部に設けられ、前記第1領域の開口側から前記第1領域の底へ向かうにつれて前記第1領域の幅方向中央側へ前記第1領域の溝壁から張り出すように形成された膨出部を備え、
    前記膨出部は、前記第1領域の幅方向中央を越えないように形成されている
    ことを特徴とするシートパッド。
  2. 型成形された発泡体を含むシートパッドであって、
    前記シートパッドの一面から凹むように成形された溝部を備え、
    前記溝部は、第1領域と、前記第1領域よりも深い第2領域と、を有し、
    前記第1領域において前記第2領域と離間して設けられ、前記第1領域の開口側から前記第1領域の底へ向かうにつれて前記第1領域の幅方向中央側へ前記第1領域の溝壁から張り出すように形成された膨出部を備え、
    前記膨出部は、前記第1領域の幅方向中央を越えないように形成されている
    ことを特徴とするシートパッド。
  3. 型成形された発泡体を含むシートパッドであって、
    前記シートパッドの一面から凹むように成形された溝部と、
    前記溝部に設けられ、前記溝部の開口側から前記溝部の底へ向かうにつれて前記溝部の幅方向中央側へ前記溝部の溝壁から張り出すように形成された膨出部と、を備え、
    前記膨出部は、前記溝部の開口側から前記溝部の底までの範囲における前記溝部の幅方向中央側への傾きが前記溝壁よりも大きく、かつ前記溝部の幅方向中央を越えないように形成されている
    ことを特徴とするシートパッド。
  4. 成形型で発泡体原料から発泡体で構成されたシートパッドを成形する際に、該シートパッドの一面から凹むように溝部を形成するシートパッドの製造方法であって、
    前記成形型の下型における前記溝部を成形する凸型部を挟む両側のそれぞれに、前記発泡体原料を供給し、
    前記凸型部に形成された案内部によって、前記下型に供給された前記発泡体原料を、該凸型部を挟む反対側へ向けて案内しつつ、前記シートパッドを成形する
    ことを特徴とするシートパッドの製造方法。
  5. 下型および上型で画成されるキャビティにおいて発泡体からなるシートパッドを成形する成形型であって、
    前記下型には、前記シートパッドの一面から凹むように溝部を成形する凸型部が設けられ、
    前記凸型部は、該凸型部における前記溝部の溝壁を規定する縦壁面より凹むように設けられた案内部を有し、
    前記案内部は、前記凸型部の根元側から該凸型部の頂部へ向かうにつれて、該凸型部の幅方向中央側へ傾くように形成されている
    ことを特徴とする成形型。
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