JP7269572B2 - コンタクトチップ取付装置 - Google Patents

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本発明は、産業用ロボットや自動機に取り付けられたアーク溶接用の溶接トーチ先端にコンタクトチップを取り付けるコンタクトチップ取付装置に関する。
従来より、アーク溶接用の溶接トーチ先端に螺合連結されたコンタクトチップを効率良く交換するために、コンタクトチップを自動で交換する交換装置が知られている。
例えば、特許文献1の交換装置は、先端側が下方に向く姿勢でセットされたコンタクトチップを当該コンタクトチップの中心軸周りに回転させる回転体を備え、該回転体の上方には、溶接トーチのトーチ本体を上方から通過させるガイドリングが配設されている。該ガイドリングは、回転体にセットされたコンタクトチップへとトーチ本体を案内しながら当該トーチ本体の中心線をコンタクトチップの中心軸に一致させるようになっていて、ガイドリングに案内されるトーチ本体の先端を回転体により回転するコンタクトチップの基端側に接触させることにより、コンタクトチップの基端部分がトーチ本体の先端に螺合して当該トーチ本体にコンタクトチップが取り付けられるようになっている。
特開平11-347731号公報
ところで、近年では、アーク溶接を実施する際の溶接部の品質を安定させるために、コンタクトチップ内部のワイヤを案内するガイド孔内周面にワイヤを強く押し付けて当該ガイド孔に案内されるワイヤとガイド孔内周面との間の接触状態にばらつきを発生させないようにする溶接トーチが一般的に知られている。このアーク溶接トーチは、ワイヤを案内するガイド筒の中心線が一致する中心線を備えた第1ボディと、中途部が第1ボディに当該第1ボディの中心線と直交する回動軸心周りに回動可能に軸支され、ガイド筒の一端側が内部を通過する第2ボディとを備え、該第2ボディの先端には、コンタクトチップをガイド筒の一端側を覆った状態でコンタクトチップの中心軸周りに相対的に回転させることにより取付可能になっている。第1ボディの内部には、第2ボディの基端側を付勢することにより当該第2ボディを上記回動軸心周りに回動させる付勢部材が設けられ、第2ボディが回動軸心周りに回動することによってガイド筒を第2ボディの中心線からずらした位置にし、これにより、第2ボディの先端に取り付けられたコンタクトチップのガイド孔内周面にワイヤが常に接触するようになっていて、コンタクトチップのガイド孔に案内されるワイヤへの給電状態を安定させてアーク溶接時における溶接部の品質を安定させるようにしている。
しかし、上述の如き溶接トーチに特許文献1のような交換装置を用いてコンタクトチップを自動で取り付けようとする場合、ガイド筒の一端側を第2ボディの中心線から付勢部材によりずらした位置にしているので、ガイド筒の一端側がコンタクトチップの内部に入り込むように、第2ボディの中心線がコンタクトチップの中心軸からずれた位置となる状態で第2ボディの先端をコンタクトチップの基端側に接近させる必要がある。そうすると、コンタクトチップのガイド孔にガイド筒の一端側が入り込んだ後、ガイドリングで案内される第2ボディがその中心線がコンタクトチップの中心軸に一致するように移動しようとした際、付勢部材の付勢力によってコンタクトチップのガイド孔内周面に接触するガイド筒の一端側を支点として溶接トーチが回動してしまい、溶接トーチと産業用ロボット又は自動機との間に取り付けられた故障防止用のショックセンサーが作動してしまってコンタクトチップの取付作業が出来なくなってしまう。
本発明は、懸かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワイヤをコンタクトチップ内部に押し付ける給電安定用の構造が溶接トーチの内部に設けられていても自動でコンタクトチップの取付作業が可能なコンタクトチップ取付装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、ガイド部材により第2ボディを案内する際、ガイド筒をトーチ中心線からずらしている側から第1ボディを支えるようにしたことを特徴とする。
具体的には、産業用ロボット又は自動機に取り付けられ、ワイヤを案内するガイド筒の中心線と一致する中心線を備えた第1ボディと、中途部が上記第1ボディに当該第1ボディの中心線と直交する回動軸心周りに回動可能に軸支され、上記ガイド筒の一端側が内部を通過するとともに先端にコンタクトチップを上記ガイド筒の一端側を覆った状態で上記コンタクトチップの中心軸周りに相対的に回転させることにより取付可能な第2ボディと、該第2ボディの基端側を付勢して当該第2ボディを上記回動軸心周りに回動させて上記ガイド筒の一端側を上記第2ボディの中心線からずらした位置にする付勢部材とを有するアーク溶接トーチ用のコンタクトチップ取付装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明では、上記コンタクトチップを先端側からセットした状態で当該コンタクトチップの中心軸周りに回転させる回転体と、該回転体にセットされた上記コンタクトチップの基端側に配設され、上記第2ボディを上記ガイド筒の一端側が上記コンタクトチップの基端側内部に入り込む位置から上記第2ボディの中心線が上記コンタクトチップの中心軸に一致するように移動させながら上記コンタクトチップまで案内するガイド部材と、該ガイド部材における上記回転体とは反対側の位置で、且つ、上記ガイド部材による上記第2ボディの案内経路において上記付勢部材により回動する上記第2ボディの基端側が移動する側の側方に配設され、上記ガイド部材が上記第2ボディを案内する際において、上記付勢部材により回動する上記第2ボディの基端側が移動する側への上記第1ボディの移動を規制する移動規制手段とを備えていることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記移動規制手段は、回転軸心が上記第2ボディの上記ガイド部材による案内方向と直交する方向に延びるとともに、上記ガイド部材による上記第2ボディの案内の際、上記第1ボディの外周面に接触して上記回転軸心周りに回転するよう構成されているガイドロールを備えていることを特徴とする。
第3の発明では、第2の発明において、上記移動規制手段は、上記ガイドロールの各端部を回転可能に軸支する一対の支持フレームを備えていることを特徴とする。
第4の発明では、第2又は第3の発明において、上記移動規制手段は、上記ガイドロールを上記回転軸心と直交する水平方向に位置調整可能な位置調整機構を備えていることを特徴とする。
第1の発明では、ガイド筒の一端側がコンタクトチップの内部に入り込むように、第2ボディの中心線がコンタクトチップの中心軸からずれた位置となる状態でガイド部材により第2ボディを案内して第2ボディの先端をコンタクトチップの基端側に接近させると、ガイド筒の一端側がコンタクトチップの内部に入り込むとともに、ガイド部材によって案内される第2ボディがその中心線がコンタクトチップの中心軸に一致する方向に次第に移動する。このとき、ガイド筒の一端側がコンタクトチップのガイド孔内周面に接触するので、当該接触部分を支点に溶接トーチが付勢部材の付勢力によって回動しようとするが、この溶接トーチの回動を移動規制手段が第1ボディの外周面に接触して阻止するようになる。したがって、溶接トーチと産業用ロボット又は自動機との間に取り付けられた故障防止用のショックセンサーが作動することが無くなり、第2ボディがその中心線がコンタクトチップの中心軸に一致するまで付勢部材の付勢力に抗して第1ボディに対して回動しながらコンタクトチップにまでガイド部材によって案内されるようになり、第2ボディ先端へのコンタクトチップの取付作業を確実に行うことができる。
第2の発明では、ガイド部材により第2ボディを案内する際、移動規制手段に第1ボディの外周面が接触しても、ガイドロールの回転動作により移動規制手段と第1ボディの外周面との間に発生する抵抗が少なくなる。したがって、コンタクトチップの取付作業時における溶接トーチの移動動作がスムーズになり、効率良くコンタクトチップの取付作業を行うことができる。
第3の発明では、第1ボディの外周面が接触した際のガイドロールの回転が安定するようになるので、コンタクトチップの取付作業時における溶接トーチの移動動作をさらにスムーズにすることができる。また、第1ボディからガイドロールに加わる力が2カ所に分かれて受け止められるようになるので、装置の変形や破損といった故障を少なくすることができる。
第4の発明では、ガイド部材により第2ボディを案内する際の第1ボディに対するガイドロールの位置を接近する側と離間する側とに変更可能になるので、もし仮に、溶接トーチの種類が変わって第1ボディの外形が変わったとしても、ガイドロールを第1ボディの外周面に適切な位置で接触させることができるようになり、故障防止用のショックセンサーを作動させることなく確実に第2ボディ先端へのコンタクトチップの取付作業を行うことができる。
本発明の実施形態に係るコンタクトチップ取付装置の概略断面図である。 図1のII矢視図である。 図1の後、コンタクトチップの取付作業を開始した直後の状態を示す図である。 図3の後、コンタクトチップの取付作業を行っている途中の状態を示す図である。 図4の後、コンタクトチップの取付作業が終了する直前の状態を示す図である。 図5の後、コンタクトチップの取付作業が終了した直後の状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1は、本発明の実施形態に係るコンタクトチップ取付装置1を示す。このコンタクトチップ取付装置1は、鋼板等をアーク溶接にて溶接する際に使用する産業用ロボットのアーム先端に取り付けられたアーク溶接トーチ10に細棒状をなすコンタクトチップ12を自動で取り付けるためのものである。
アーク溶接トーチ10は、略棒状をなすトーチ本体11を備え、該トーチ本体11の先端には、円筒状のノズル13が取付取外可能に螺合連結されている(図6参照)。
トーチ本体11は、略円筒状をなし、ワイヤ(図示せず)を案内する細長い筒状をなすガイド筒15の中心線と一致する中心線C1を備えた第1ボディ14と、該第1ボディ14の先端側に設けられた円筒状をなす第2ボディ16とを備え、該第2ボディ16は、その中途部が第1ボディ14に中心線C1と直交する回動軸心C2周りに回動可能に軸支されている。
第2ボディ16の内部には、ガイド筒15の一端側が通過しており、第2ボディ16の先端には、コンタクトチップ12をガイド筒15の一端側を覆った状態でコンタクトチップ12の中心軸C3周りに相対的に回転させることにより取付可能になっている。
第1ボディ14の中途部には、第2ボディ16の基端側を付勢して第2ボディ16を回動軸心C2周りに回動させる第1コイルバネ17(付勢部材)が内蔵され、該第1コイルバネ17によって第2ボディ16が回動することにより、ガイド筒15を第2ボディ16の中心線C4からずらすようになっている。
コンタクトチップ取付装置1は、上下に貫通する嵌合孔2aが形成されたベースプレート2を備え、嵌合孔2aには、円筒状をなすブッシュ3が嵌め込まれている。
該ブッシュ3には、回転中心が上下方向に向く円筒状の回転体4が上下にスライド可能に嵌挿され、該回転体4には、第2コイルバネ5が巻装されている。
第2コイルバネ5の一端は、回転体4の上部に接する一方、他端は、ブッシュ3の上部開口周縁に当接していて、第2コイルバネ5は、回転体4を上方に付勢している。
回転体4の内方には、当該回転体4の上端開口からコンタクトチップ12を先端が下側を向くようにして挿入することによりセット可能になっていて、回転体4は、図示しない駆動機構により、回転体4にセットされたコンタクトチップ12を当該コンタクトチップ12の中心軸C3周りに回転させるようになっている。
ベースプレート2の上方には、水平方向に延びるアッパープレート6がベースプレート2から所定の間隔をあけて配置され、アッパープレート6の回転体4に対応する位置には、上下に貫通する取付孔6aが形成されている。
該取付孔6aには、筒中心が回転体4にセットされたコンタクトチップ12の中心軸C3に一致する短い円筒状をなすガイドリング7(ガイド部材)が取り付けられている。
すなわち、ガイドリング7は、回転体4にセットされたコンタクトチップ12の基端側に配設され、上方から挿入されるトーチ本体11の第2ボディ16を回転体4にセットされたコンタクトチップ12へと案内するようになっている。
ガイドリング7の内周面における上端から中途部は、テーパ形状をなす一方、ガイドリング7の内周面における下部断面は、第2ボディ16の先端側の断面に対応する形状をなしている。
アッパープレート6上面におけるガイドリング7の側方には、移動規制ユニット8(移動規制手段)が固定されている。すなわち、該移動規制ユニット8は、ガイドリング7による第2ボディ16の案内開始側で、且つ、ガイドリング7による第2ボディ16の案内経路におけるガイド筒15を第1コイルバネ17によりずらした側の側方に位置している。
移動規制ユニット8は、回転軸心R1が水平方向に延びるガイドロール8aと、該ガイドロール8aの各端部を回転可能に軸支する一対の支持フレーム8bとを備えている。
すなわち、ガイドロール8aの回転軸心R1は、トーチ本体11における第2ボディ16のガイドリング7による案内方向と直交する方向に延びている。
支持フレーム8bは、アッパープレート6の上面に固定されたL字プレート8cと、中途部がL字プレート8cに回転軸心R1と同方向に延びる回動軸心周りに回動可能に軸支されたV字プレート8dとを備えている。
該V字プレート8dは、上端部においてガイドロール8aを軸支する一方、下端部に長孔8eが形成されていて、該長孔8eには、L字プレート8cに固定されたピン8fが遊嵌している。
V字プレート8d、長孔8e及びピン8fが本発明の位置調整機構を構成しており、V字プレート8dは、ピン8fが長孔8eの一端と他端との間を移動する範囲だけL字プレート8cに対して回動して、ガイドロール8aの位置を回転軸心R1と直交する水平方向に調整可能になっている。
そして、移動規制ユニット8のガイドロール8aは、ガイド筒15が回転体4にセットされたコンタクトチップ12の中心軸C3とほぼ一致する状態にするとともに、ガイドリング7がトーチ本体11における第2ボディ16を案内する際、図3乃至図5に示すように、第1ボディ14の外周面に接触して回転軸心R1周りに回転しながらガイド筒15を第1コイルバネ17によりずらした側への第1ボディ14の移動を規制するようになっている。
また、ガイドリング7は、移動規制ユニット8が第1ボディ14の移動を規制している状態において、第2ボディ16をガイド筒15の一端側がコンタクトチップ12の基端側内部に入り込む位置から第2ボディ16の中心線C4がコンタクトチップ12の中心軸C3に一致するように移動させながらコンタクトチップ12まで案内するようになっている。
そして、回転体4による回転状態のコンタクトチップ12の基端に第2ボディ16の先端が接触することにより、コンタクトチップ12の基端部分が第2ボディ16の先端に螺合連結するようになっている。
次に、コンタクトチップ取付装置1によるトーチ本体11へのコンタクトチップ12の取付動作について詳述する。
まず、作業者は、図1に示すように、回転体4の上端開口から使用前のコンタクトチップ12を先端側が下側を向くように挿入して回転体4にコンタクトチップ12をセットしておく。
次に、回転体4を作動させて当該回転体4にセットされたコンタクトチップ12を当該コンタクトチップ12の中心軸C3周りに回転させる。
次いで、図示しない産業用ロボットを作動させてコンタクトチップ12とノズル13とが取り外された溶接トーチ10のトーチ本体11を先端が下方を向く状態でガイドリング7の上方まで移動させる。このとき、トーチ本体11の姿勢をガイド筒15の一端側を第1コイルバネ17によりずらした側が移動規制ユニット8側となるようにするとともに、ガイド筒15の一端側が回転体4にセットされたコンタクトチップ12の中心軸C3に接近する位置となるようにする。
しかる後、トーチ本体11を下方に移動させる。すると、図3に示すように、まず、ガイドリング7を通過したガイド筒15の一端側がコンタクトチップ12の基端側内部に入り込んだ後、ガイドリング7にトーチ本体11の第2ボディ16が挿入される。このとき、移動規制ユニット8のガイドロール8aは、トーチ本体11の第1ボディ14の外周面に接触するとともにトーチ本体11の移動に連なって回転軸心R1周りに回転する。
さらにトーチ本体11を下方に移動させると、ガイドリング7は挿通する第2ボディ16を案内してその中心線C4がコンタクトチップ12の中心軸C3に一致するように次第に移動させる。このとき、ガイド筒15の一端側がコンタクトチップ12のガイド孔12a内周面に接触するので、当該接触部分を支点にトーチ本体11が第1コイルバネ17の付勢力によって回動しようとするが、このトーチ本体11の回動を移動規制ユニット8が第1ボディ14の外周面に接触して阻止する。したがって、溶接トーチ10と産業用ロボットとの間に取り付けられた故障防止用のショックセンサーが作動しない。
その後、トーチ本体11の第2ボディ16は、図4に示すように、その中心線C4がコンタクトチップ12の中心軸C3に一致するまで第1コイルバネ17の付勢力に抗して第1ボディ14に対して回動しながらコンタクトチップ12までガイドリング7に案内される。
そして、図5に示すように、ガイドリング7に案内される第2ボディ16の先端が回転体4により回転するコンタクトチップ12の基端に接触して当該コンタクトチップ12の基端部分を下方に押圧する。すると、第2コイルバネ5の付勢力に抗して回転体4が下方にスライドしながら当該回転体4の回転動作によってコンタクトチップ12を第2ボディ16の先端に螺合連結する。
しかる後、図6に示すように、トーチ本体11を上方に移動させることにより、回転体4及びガイドリング7から第2ボディ16を引き抜いてコンタクトチップ12のトーチ本体11への取付作業を終了する。
このように、本発明の実施形態によると、ガイドリング7がトーチ本体11を案内する際に移動規制ユニット8がトーチ本体11における第1ボディ14の側方への移動を規制して溶接トーチ10と産業用ロボットとの間に設けられたショックセンサーを作動させないようにするで、ワイヤをコンタクトチップ12の内部に押し付ける給電安定用の構造が溶接トーチ10の内部に設けられていてもトーチ本体11の第2ボディ16先端に自動でコンタクトチップ12を取り付けることができる。
また、ガイドリング7が第2ボディ16を案内する際、移動規制ユニット8に第1ボディ14の外周面が接触しても、ガイドロール8aが回転することによって移動規制ユニット8と第1ボディ14の外周面との間に発生する抵抗が少なくなる。したがって、コンタクトチップ12の取付作業時におけるトーチ本体11の移動動作がスムーズになり、効率良くコンタクトチップ12の取付作業を行うことができる。
さらに、移動規制ユニット8は、ガイドロール8aの各端部を回転可能に軸支する一対の支持フレーム8bを備えているので、第1ボディ14の外周面が接触した際のガイドロール8aの回転が安定するようになる。したがって、コンタクトチップ12の取付作業時における溶接トーチ10の移動動作をさらにスムーズにすることができる。また、第1ボディ14からガイドロール8aに加わる力が2カ所に分かれて受け止められるようになるので、コンタクトチップ取付装置1の変形や破損といった故障を少なくすることができる。
それに加えて、V字プレート8dをL字プレート8cに対して回動させることにより、ガイドリング7が第2ボディ16を案内する際の第1ボディ14に対するガイドロール8aの位置を接近する側と離間する側とに変更可能になる。したがって、もし仮に、溶接トーチ10の種類が変わって第1ボディ14の外形が変わったとしても、ガイドロール8aを第1ボディ14の外周面に適切な位置で接触させることができるようになり、故障防止用のショックセンサーを作動させることなく確実に第2ボディ16先端へのコンタクトチップ12の取付作業を行うことができる。
尚、本発明の実施形態では、産業用ロボットに取り付けられた溶接トーチ10にコンタクトチップ取付装置1を用いてコンタクトチップ12を取り付けているが、自動機に取り付けられた溶接トーチ10にコンタクトチップ取付装置1を用いてコンタクトチップ12を取り付けることもできる。
また、本発明の実施形態では、ガイドリング7に第2ボディ16を挿通させることによりガイドリング7が第2ボディ16をコンタクトチップ12まで案内しているが、これに限らず、第2ボディ16をコンタクトチップ12まで案内可能であるならば、リング形状ではないガイド部材で第2ボディ16をコンタクトチップ12まで案内するようにしてもよい。
本発明は、産業用ロボットや自動機に取り付けられたアーク溶接用の溶接トーチ先端にコンタクトチップを取り付けるコンタクトチップ取付装置に適している。
1 コンタクトチップ取付装置
4 回転体
7 ガイドリング(ガイド部材)
8 移動規制ユニット(移動規制手段)
8a ガイドロール
8b 支持フレーム
8d V字フレーム(位置調整機構)
8e 長孔(位置調整機構)
8f ピン(位置調整機構)
10 アーク溶接トーチ
12 コンタクトチップ
14 第1ボディ
15 ガイド筒
16 第2ボディ
17 第1コイルバネ(付勢部材)
C1 第1ボディの中心線
C3 コンタクトチップの中心軸
C4 第2ボディの中心線
R1 ガイドロールの回転軸心

Claims (4)

  1. 産業用ロボット又は自動機に取り付けられ、ワイヤを案内するガイド筒の中心線と一致する中心線を備えた第1ボディと、中途部が上記第1ボディに当該第1ボディの中心線と直交する回動軸心周りに回動可能に軸支され、上記ガイド筒の一端側が内部を通過するとともに先端にコンタクトチップを上記ガイド筒の一端側を覆った状態で上記コンタクトチップの中心軸周りに相対的に回転させることにより取付可能な第2ボディと、該第2ボディの基端側を付勢して当該第2ボディを上記回動軸心周りに回動させて上記ガイド筒の一端側を上記第2ボディの中心線からずらした位置にする付勢部材とを有するアーク溶接トーチ用のコンタクトチップ取付装置であって、
    上記コンタクトチップを先端側からセットした状態で当該コンタクトチップの中心軸周りに回転させる回転体と、
    該回転体にセットされた上記コンタクトチップの基端側に配設され、上記第2ボディを上記ガイド筒の一端側が上記コンタクトチップの基端側内部に入り込む位置から上記第2ボディの中心線が上記コンタクトチップの中心軸に一致するように移動させながら上記コンタクトチップまで案内するガイド部材と、
    該ガイド部材における上記回転体とは反対側の位置で、且つ、上記ガイド部材による上記第2ボディの案内経路において上記付勢部材により回動する上記第2ボディの基端側が移動する側の側方に配設され、上記ガイド部材が上記第2ボディを案内する際において、上記付勢部材により回動する上記第2ボディの基端側が移動する側への上記第1ボディの移動を規制する移動規制手段とを備えていることを特徴とするコンタクトチップ取付装置。
  2. 請求項1に記載のコンタクトチップ取付装置において、
    上記移動規制手段は、回転軸心が上記第2ボディの上記ガイド部材による案内方向と直交する方向に延びるとともに、上記ガイド部材による上記第2ボディの案内の際、上記第1ボディの外周面に接触して上記回転軸心周りに回転するよう構成されているガイドロールを備えていることを特徴とするコンタクトチップ取付装置。
  3. 請求項2に記載のコンタクトチップ取付装置において、
    上記移動規制手段は、上記ガイドロールの各端部を回転可能に軸支する一対の支持フレームを備えていることを特徴とするコンタクトチップ取付装置。
  4. 請求項2又は3に記載のコンタクトチップ取付装置において、
    上記移動規制手段は、上記ガイドロールを上記回転軸心と直交する水平方向に位置調整可能な位置調整機構を備えていることを特徴とするコンタクトチップ取付装置。
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