JP7261094B2 - 剥離性被膜形成用エアゾール組成物 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態の剥離性被膜形成用エアゾール組成物(以下、エアゾール組成物ともいう)は、ポリビニルブチラールと、可塑剤と、アルコールと、液化ガスとを含む。本実施形態のエアゾール組成物は、対象物に対してほとんど発泡せずに液膜状に付着し、柔軟で、かつ、剥離しやすい被膜を形成することができる。また、得られる被膜は、泡噛みが少なく、対象物に対して優れた密着性を示す。そのため、被膜は、たとえば、対象物に高密着し、細かなゴミを付着させつつ剥離させることができる。以下、それぞれについて説明する。
原液は、ポリビニルブチラールと、可塑剤と、アルコールとを含む。また、原液は、好適には、沸点が5~50℃であるハイドロフルオロオレフィンをさらに含む。
ポリビニルブチラールは、被膜を形成するために配合される。ポリビニルブチラールは特に限定されない。一例を挙げると、ポリビニルブチラールは、「エスレックBL-1」、「エスレックBL-2」、「エスレックBL-5」、「エスレックBL-10」、「エスレックBL-S」、「エスレックBX-L」、「エスレックBM-1」、「エスレックBM-2」、「エスレックBM-5」、「エスレックBM-S」、「エスレックBH-3」、「エスレックBH-6」、「エスレックBH-S」、「エスレックBX-1」、「エスレックBX-5」(積水化学工業(株)製)等である。ポリビニルブチラールは、併用されてもよい。
可塑剤は、被膜の柔軟性、密着性を向上させるとともに、得られる被膜の剥離性を向上させるために配合される。
アルコールは、溶剤として配合される。アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、アルコールは、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2~3個の1価アルコール等である。アルコールは併用されてもよい。
本実施形態のエアゾール組成物は、沸点が5~50℃である溶剤を好適に含む。沸点が5~50℃である溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、沸点が5~50℃である溶剤は、沸点が5~50℃であるハイドロフルオロオレフィン、イソペンタン(沸点28℃)、ノルマルペンタン(沸点36℃)等である。これらの中でも、本実施形態のエアゾール組成物は、沸点が5~50℃であるハイドロフルオロオレフィンを好適に含む。沸点が5~50℃であるハイドロフルオロオレフィンが配合されることにより、吐出されたエアゾール組成物は、乾燥性および密着性が向上しやすい。また、得られる被膜は、柔軟性および剥離性が向上しやすい。さらに、沸点が5~50℃であるハイドロフルオロオレフィンは、気化する際に、被膜から泡を取り除くよう作用しやすい。その結果、得られる被膜は、泡噛みが少なく、対象物に対して優れた密着性を示す。
原液は、上記ポリビニルブチラール、可塑剤、アルコールおよび沸点が5~50℃である溶剤のほかに、適宜、有効成分、水溶性高分子、油剤、パウダー等の任意成分を含んでもよい。
液化ガスは、噴射剤として配合される。液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物からなる液化石油ガス、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(沸点-19℃)、トランス-2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(沸点-29℃)、などの沸点5℃未満のハイドロフルオロオレフィン、およびこれらの混合物等である。液化ガスは併用されてもよい。これらの中でも、液化ガスは、ポリビニルブチラールとの相溶性が優れ、液膜状に付着させやすい点から、ジメチルエーテルを含むことが好ましい。
本発明の一実施形態のエアゾール製品は、上記したエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品である。本実施形態では、一例として、エアゾール組成物が充填された容器本体と、容器本体に取り付けられたバルブ機構とを主に備えるエアゾール製品について説明する。
容器本体は、エアゾール組成物が充填される耐圧容器であり、有底筒状である。容器本体の開口には、バルブ機構が装着される。
バルブ機構は、容器本体の開口を閉止して密封するための部材である。また、バルブ機構は、ハウジングと、容器本体の内外を連通するステム孔が形成されたステムと、ステム孔の周囲に取り付けられ、ステム孔を閉止するためのステムラバーとを主に備える。ハウジングは、ステムを収容する。ステムは、略円筒状の部位であり、吐出時にハウジング内に取り込まれたエアゾール組成物が通過するステム内通路が形成されている。ステム内通路の下端近傍には、ハウジング内の空間とステム内通路とを連通するステム孔が形成されている。ステムの上端には、エアゾール組成物を吐出するための吐出部材が取り付けられる。ステムラバーは、ステム孔の周囲に取り付けられ、ハウジングの内部空間と外部とを適宜遮断するための部材である。ステムラバーは、円盤状の部材であり、非吐出時において、内周面をステムのステム孔が形成された外周面と密着させて、ステム孔を閉止する。
吐出部材は、エアゾール組成物を吐出するための部材であり、ステムの上端に取り付けられる。吐出部材は、ノズル部と、使用者が指等により操作する操作部とを主に備える。ノズル部は、エアゾール組成物が通過する吐出通路が形成されている。吐出通路の先端には開口(吐出孔)が形成されている。吐出孔からは、エアゾール組成物が吐出される。吐出孔の数および形状は特に限定されない。吐出孔は、複数であってもよい。また、吐出孔の形状は、略円形状、略角形状等であってもよい。
以下の表1に記載の処方(単位:質量%)に従って、原液1を調製し、この20gの原液1を容器本体に充填した。エアゾールバルブを取り付け、液化ガス(ジメチルエーテル)を20g充填し、エアゾール製品を作製した。容器内の圧力は、0.32MPa(25℃)であった。
表1に記載の処方に従って、原材料を変更した以外は、実施例1と同様の方法により、原液2~11を調製した。表2に示されるように、得られた原液2~11をそれぞれ使用し、実施例1と同様の方法により、エアゾール製品を作製した。
透明な耐圧ガラス瓶にエアゾール組成物を充填し、5℃の冷蔵庫に1日間静置したものの外観を以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:エアゾール組成物は、透明であった。
△:エアゾール組成物は、やや濁りがあったが、振盪すると透明になった。
×:エアゾール組成物は、濁っており、振盪しても濁ったままであった。
エアゾール製品を25℃に調整された恒温水槽中に1時間浸漬し、エアゾール組成物を25℃に調整した。恒温水槽からエアゾール製品を取り出し、ガラス板に2g吐出した。吐出後のエアゾール組成物の状態を以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:エアゾール組成物は、発泡せず液膜状にガラス板に密着した。
△:エアゾール組成物は、少し発泡したがガラス板に密着した。
×:エアゾール組成物は、発泡しガラス板との密着性が悪かった。
エアゾール製品を25℃に調整された恒温水槽中に1時間浸漬し、エアゾール組成物を25℃に調整した。恒温水槽からエアゾール製品を取り出し、ガラス板に2g吐出した。吐出後のエアゾール組成物の乾燥状態を以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:エアゾール組成物は、30分以内に乾燥した。
△:エアゾール組成物は、30分を超え、60分以内に乾燥した。
×:エアゾール組成物は、60分を超えても乾燥しなかった。
エアゾール製品を25℃に調整された恒温水槽中に1時間浸漬し、エアゾール組成物を25℃に調整した。恒温水槽からエアゾール製品を取り出し、あらかじめごみ(細かく切った紙)を載せたガラス板に2g吐出した。60分後、得られた被膜を手で剥離した際の剥離しやすさを以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:被膜は、ガラス板からごみを付着させて容易に剥離できた。
△:被膜は、ガラス板からごみを付着させて剥離できた。
×:被膜は、ガラス板にこびりつき剥離できなかった。
エアゾール製品を25℃に調整された恒温水槽中に1時間浸漬し、エアゾール組成物を25℃に調整した。恒温水槽からエアゾール製品を取り出し、ガラス板に2g吐出した。吐出後に形成された被膜の状態を以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○1:被膜は、泡噛みがなく、被膜の両端をつまんで引っ張ると伸長してちぎれなかった。
○2:被膜は、少し泡噛みはあったが、被膜の両端をつまんで引っ張ると伸長してちぎれなかった。
△:被膜は、泡噛みがあったが、被膜の両端をつまんで引っ張ると伸長してちぎれなかった。
×:被膜は、泡噛みがあり、伸長せずに破れてしまった。
Claims (3)
- ポリビニルブチラールと、可塑剤と、アルコールと、液化ガスと、沸点が5~50℃であるハイドロフルオロオレフィンとを含み、
ハイドロフルオロオレフィンのポリビニルブチラールに対する含有比率は、0.3~5倍量であり、
前記可塑剤は、アクリル系ポリマーを含む、剥離性被膜形成用エアゾール組成物。 - 前記ポリビニルブチラールと、前記可塑剤と、前記アルコールと、前記沸点が5~50℃であるハイドロフルオロオレフィンとは、原液を構成し、
前記アクリル系ポリマーの含有量は、原液中、1~40質量%である、請求項1記載の剥離性被膜形成用エアゾール組成物。 - 前記可塑剤は、アクリル酸ヒドロキシエチル-アクリル酸メトキシエチル共重合体を含む、請求項1または2記載の剥離性被膜形成用エアゾール組成物。
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