JP2019011111A - スプレー式製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用し続けても容器が変形せず、かつ、安定した噴射状態を得ることのできるスプレー式製品を提供する。【解決手段】原液と噴射剤とを含む内容物が充填された容器本体と、容器本体に取り付けられた加圧機構とを備え、噴射剤は、35℃における圧力が0.05〜0.2MPa(ゲージ圧)である液化ガスであり、加圧機構は、内容物を貯留するハウジングと、ハウジング内の内容物を加圧するステム機構とを備え、ハウジングは空気を導入するための空気導入孔が形成されていない、スプレー式製品。【選択図】図1

Description

本発明は、スプレー式製品に関する。より詳細には、本発明は、使用し続けても容器が変形せず、かつ、安定した噴射状態を得ることのできるスプレー式製品に関する。
従来、噴射操作によって内容物を加圧してから噴射するポンプ製品が知られている。このようなポンプ製品は、一般的には噴射を終えるたびに外部から空気を導入し、容器内を大気圧に戻している。そのため、容器本体は、圧力がかからないため、薄肉の合成樹脂製の容器本体が用いられている。
また、特許文献1には、炭素数が4〜5の炭化水素を含む液体組成物と圧縮ガスとを樹脂製容器に充填した加圧製品が開示されている。この炭化水素の35℃における蒸気圧は、0.03〜0.18MPaである。
特開2002−37362号公報
上記一般的なポンプ製品は、たとえば外部から空気を導入するための空気導入孔が形成されている。そのため、一般的なポンプ製品は、空気導入孔を介して外部と連通するため、内容物が酸化されやすく貯蔵安定性が劣りやすい。また、このような一般的なポンプ製品において空気導入孔が形成されない場合には、噴射後に次回噴射する原液がハウジングに導入される際に容器内の圧力が低下し、容器本体が変形する。ポンプ製品は薄肉の容器本体が用いられているため、その変形が不規則になり、噴射状態が安定しない。
また、特許文献1に記載の加圧製品は、圧縮ガスの圧力を利用して内容物を噴射するエアゾールバルブを備える。このようなバルブは、液体組成物そのものを加圧するものではないため、使用により液体組成物の量が少なくなると、圧力が低下し、噴射状態が変化しやすい。
そのため、ポンプ製品のように内容物を加圧することにより噴射する形態でありながら、空気導入孔が形成されておらず、かつ、使用し続けても容器が変形せず、安定した噴射状態を得ることのできるスプレー式製品は、知られていない。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、使用し続けても容器が変形せず、かつ、安定した噴射状態を得ることのできるスプレー式製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
(1)原液と噴射剤とを含む内容物が充填された容器本体と、前記容器本体に取り付けられた加圧機構とを備え、前記噴射剤は、35℃における圧力が0.05〜0.2MPa(ゲージ圧)である液化ガスであり、前記加圧機構は、前記内容物を貯留するハウジングと、前記ハウジング内の前記内容物を加圧するステム機構とを備え、前記ハウジングは、空気を導入するための空気導入孔が形成されていない、スプレー式製品。
このような構成によれば、スプレー式製品は、加圧機構により内容物を加圧して、噴射することができる。この際、スプレー式製品は、ハウジングに空気導入孔が形成されていない気密性容器に内容物が充填されているため、たとえば噴射後に容器本体内において噴射剤が蒸気圧にしたがって気化し、容器本体内の内圧を特定の範囲に維持し得る。そのため、スプレー式製品は、使用し続けても、容器内圧が一定に保たれやすく、変形を生じない。また、スプレー式製品は、使用により内容物の量が少なくなった場合であっても、噴射剤の一部が蒸気圧にしたがって噴射容器内で気化するため終盤まで安定した噴射状態が得られやすい。さらに、内容物が気密性容器に充填されているため、スプレー式製品は、保存安定性が優れるとともに、噴射剤が漏洩しにくい。ほかにも、噴射剤を特定量含む内容物は、加圧機構によって加圧されて噴射される。このような噴射形態によれば、内容物は、霧状に広範囲に噴射され得る。加えて、従来のポンプ製品は、噴射剤を含んでいないため、内容物の気化による冷感を得ることができないが、本発明のスプレー式製品は、上記噴射剤を含むため、気化熱による冷却感が得られやすい。
(2)前記噴射剤は、前記内容物中に5〜40質量%含まれる、(1)記載のスプレー式製品。
このような構成によれば、スプレー式製品は、容器内圧を一定に維持する効果が得られやすく、使用により内容物の量が少なくなっても容器内圧は大気圧よりも低い陰圧にならず、肉厚が薄い容器本体を用いても変形を生じない。
(3)前記内容物は、加圧剤をさらに含み、前記噴射容器の35℃における内圧は、0.1〜0.5MPaである、(1)または(2)記載のスプレー式製品。
このような構成によれば、スプレー式製品は、内容物を連続噴射することもできる。
(4)前記ステム機構は、ステムとピストン部材とを備え、前記ステムは、所定距離が摺動される第1作動が行われると、外部と前記容器本体内とを連通させ、前記ピストン部材は、前記ステムがさらに所定距離が摺動される第2作動が行われると、前記ハウジング内の内容物を加圧する、(3)記載のスプレー式製品。
このような構成によれば、スプレー式製品は、第1作動が行われると、噴射剤の圧力によって内容物を連続噴射することができ、第2作動が行われると、ピストン部材による加圧によって内容物を加圧噴射することができる。また、内容物が気密性の容器に充填されているため、噴射剤が外部に排出されない。そのため、スプレー式製品は、連続噴射と加圧噴射とを任意に切り替えることができる。
本発明によれば、使用し続けても容器が変形せず、かつ、安定した噴射状態を得ることのできるスプレー式製品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態のスプレー式製品の模式的な断面図である。 図2は、本発明の一実施形態のスプレー式製品の加圧機構の断面図である。 図3は、本発明の一実施形態のスプレー式製品が第1作動されて連続噴射を行う連続噴射状態に変位している加圧機構の断面図である。 図4は、本発明の一実施形態のスプレー式製品が第2作動されてポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位しているスプレー式製品の模式的な断面図である。 図5は、本発明の一実施形態のスプレー式製品が第2作動されてポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位している加圧機構の断面図である。
[スプレー式製品]
本発明の一実施形態のスプレー式製品について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態のスプレー式製品1の模式的な断面図である。図2は、図1に示される本実施形態のスプレー式製品1の加圧機構3の断面図である。図1および図2に示されるスプレー式製品1は、噴射動作が行われていない状態(非噴射状態)である。本実施形態のスプレー式製品1は、原液と噴射剤とを含む内容物が充填された容器本体2と、容器本体2に取り付けられた加圧機構3と、加圧機構3に取り付けられる噴射部材4とを主に備える。噴射剤は、35℃における圧力が0.03〜0.2MPa(ゲージ圧)である液化ガスである。加圧機構3は、内容物を貯留するハウジング5と、ハウジング5内の内容物を加圧するステム機構8とを主に備える。ハウジング5は、空気を導入するための空気導入孔が形成されていない。以下、本実施形態のスプレー式製品1の内容物および装置構成について、それぞれ説明する。
<内容物>
内容物は、噴射容器2に充填され、原液と噴射剤とを含む。内容物は、噴射部材4が操作されることにより、容器本体2から加圧機構3に供給され、加圧機構3によって加圧されることにより噴射される。具体的には、内容物は、チューブ52の下端から取り込まれ、空間S1を通過または空間S1に一時的に貯留された後、外部ステム85の外部ステム内通路85a、噴射ノズル41のノズル内通路41bに供給され、噴射孔43aより噴射される。
・原液
原液は、容器本体2に充填される液体成分である。原液は、従来公知の成分を含む。一例を挙げると、原液は、水、アルコール、油分、界面活性剤、パウダー、その他有効成分(保湿剤、ビタミン類、紫外線吸収剤、清涼化剤、スタイリング剤、消臭成分、殺菌消毒剤、害虫忌避剤、殺虫成分、香料、色素等)等を含む。
原液の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、原液は、上記した各成分(有効成分、界面活性剤、油分、パウダー等)を水やアルコールなどの溶媒に溶解または乳化・分散させることにより調製することができる。
・噴射剤
噴射剤は、空気導入孔が形成されていない加圧機構3が取り付けられた容器本体2に充填されている。噴射剤は、容器本体2内では内容物を加圧して加圧機構3に導入する、噴射時には気化により噴射物を微細化したり、発泡性を良くするために配合される。この際、スプレー式製品1は、使用により内容物の量が減った場合であっても、噴射剤の一部が容器本体2内で気化し、内容物を適度に加圧することができる。また、噴射剤が含まれていることにより、スプレー式製品1は、使用を続ける場合であっても噴射容器2の内圧が低下しにくく、容器本体2の変形が生じない。その結果、スプレー式製品1は、終盤まで安定した噴射状態が得られやすい。さらに、従来のポンプ製品は、噴射剤を含んでいないため、内容物の気化による冷感を得ることができないが、本実施形態のスプレー式製品1は、噴射剤を含むことにより、気化熱による冷却感が得られやすい。
噴射剤は35℃における圧力が0.05〜0.2MPa(ゲージ圧)である液化ガスを用いる。液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルブタン、イソブタン、およびこれらの混合物である炭素数が4〜5個の脂肪族炭化水素、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロフルオロオレフィン、およびこれらの混合物等である。液化ガスの35℃における圧力は、0.05MPa(ゲージ圧)以上であればよく、0.07MPa(ゲージ圧)以上であることが好ましい。また、液化ガスの35℃における圧力は、0.2MPa(ゲージ圧)以下であればよく、0.18MPa(ゲージ圧)以下であることが好ましい。液化ガスの35℃における圧力が0.05MPa(ゲージ圧)未満である場合、スプレー式製品は、ポンプ噴射が行われる場合に噴射状態が安定しにくくなる。一方、液化ガスの35℃における圧力が0.2MPa(ゲージ圧)を超える場合、スプレー式製品は、高温時に圧力が高くなりやすいため強固な容器本体が必要になる傾向がある。
噴射剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、噴射剤は、内容物中、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。また、噴射剤は、内容物中、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。噴射剤の含有量が5質量%未満である場合、内容物の量が少なくなったときにハウジングに内容物を導入しにくくなり、容器本体が変形しやすくなる傾向がある。一方、噴射剤の含有量が40質量%を超える場合、高温下に置かれると圧力が高くなりやすく、薄肉の容器本体では変形しやすくなる傾向がある。
本実施形態のスプレー式製品1の内容物は、加圧剤をさらに含むことが好ましい。加圧剤が含まれることにより、スプレー式製品1は、後述するトリガー部42gを操作してステム機構8が第1作動されることにより、内容物を連続噴射しやすい。加圧剤は、内容物とともに容器本体2に充填され、容器本体2内において大部分が容器本体2内の気相に存在して内容物を加圧する。加圧剤は特に限定されない。一例を挙げると、加圧剤は、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化チッ素ガス、圧縮空気等である。
加圧剤の充填量は特に限定されない。一例を挙げると、加圧剤の充填量は、35℃における容器本体2の内圧が0.1MPa以上となる量であることが好ましく、0.2MPa以上となる量であることがより好ましい。また、加圧剤の充填量は、35℃における噴射容器2の内圧が0.5MPa以下となる量であることが好ましく、0.4MPa以下となる量であることがより好ましい。充填量が、容器本体2の内圧が0.1MPaとなる量未満の場合、スプレー式製品1は、内容物を連続噴射しにくい。一方、充填量が、容器本体2の内圧が0.5MPaを超える量の場合、スプレー式製品1は、容器本体2が変形しやすくなり、また操作性が悪くなりやすい傾向がある。
<装置構成>
次に、上記内容物を噴射するためのスプレー式製品1の装置構成について説明する。なお、以下に示されるスプレー式製品1の装置構成は一例である。すなわち、本実施形態のスプレー式製品1の装置構成は、容器本体2と加圧機構3とを備え、加圧機構3が空気導入孔の形成されていないハウジング5とステム機構8とを備え、これにより上記内容物を加圧して噴射できる構成であればよい。
(容器本体2)
容器本体2は、内容物を充填するための容器であり、有底筒状の本体部21と、本体部21よりも小径であり本体部21の上部に一体的に設けられた筒状の首部22とを含む。首部22の上部には開口が形成されており、外周面にはキャップ9を取り付けるためのネジ部が形成されている。開口は、原液を充填する際の充填口であり、原液の充填後に加圧機構3により閉止される。
容器本体2を構成する材料は、特に限定されない。容器本体2を構成する材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂、ガラス、アルミニウムやブリキなどの金属が例示される。合成樹脂を用いる場合は、たとえば、日光による原液の劣化を防止するために紫外線吸収剤が含有されてもよく、内容物に上記加圧剤が含まれる場合には加圧剤の透過を防止するために噴射容器2の外表面または内面に炭素やシリカなどが蒸着されてもよい。また、合成樹脂を用いる場合、胴部の肉厚は0.1〜0.5mmであることが好ましく、0.15〜0.4mmであることがさらに好ましい。胴部の肉厚が0.1mm未満である場合、容器本体2は、内容物の圧力や熱により変形しやすい傾向がある。一方、胴部の肉厚が0.5mmを超える場合、容器本体2は、必要とされる合成樹脂の量が多くなる傾向がある。
(加圧機構3)
加圧機構3は、容器本体2内を密封し、容器本体2から内容物を取り込んで加圧するための部材である。加圧機構3は、筒状のハウジング5と、ハウジング5内に収容されるバルブ本体6と、後述するピストン部材の上方向への変位を制御する当接部材7と、ネジキャップ9とを主に備える。バルブ本体6は、ハウジング5内を上下方向に摺動自在に収容されるステム機構8を含む。加圧機構3は、非噴射状態から、ポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位することが可能である。また、加圧機構3は、非噴射状態から、内容物を連続噴射する連続噴射状態に変位することも可能である。
・ハウジング5
ハウジング5は、筒状のハウジング本体51を備える。
ハウジング本体51は、容器本体2から取り込まれる内容物が通過または一時的に貯留される空間S1が内部に形成された円筒状の部材である。ハウジング本体51は、後述する外部ステム85が出没する開口が形成された上端と、容器本体2内の内容物を取り込むためのチューブ52が接続される下端とを有する。
ハウジング本体51の上端には、径方向の外側へ突出するフランジ部51aが周設されている。フランジ部51aは、容器本体2の開口の上面に載置され、ハウジング本体51を位置決めするための部位であり、フランジ部51aの大きさ(外径)は、容器本体2の首部22の外径と略一致する。フランジ部51aの下面にはガスケット53が取り付けられており、ガスケット53がフランジ部51aの下面と首部22の開口の上面との間で挟持されることで容器内を気密にシールすることができる。ハウジング本体51は、フランジ部51aにより位置決めされた状態において、ハウジング本体51の外周壁と容器本体2の首部22の内周壁とが離間している。
ハウジング本体51の下端近傍には、ハウジング本体51よりも径の小さな小径部51bが形成されている。小径部51bには、チューブ52が差し込まれる。チューブ52は、噴射容器2の内底近傍まで延びる比較的長尺の円筒状部材であり、小径部51bに差し込まれる一端と、容器本体2内の内容物中に浸漬され、内容物を取り込むための開口が形成された他端とを有する。
小径部51bの中央には、容器本体2からチューブ52を介して取り込まれる内容物をハウジング本体51の空間S1に導入するための内容物取込孔51cが形成されている。内容物取込孔51cと空間S1との接続箇所には、逆止弁機構54が設けられている。
逆止弁機構54は、容器本体2から空間S1への一方向に内容物を取り込むための弁機構であり、内容物取込孔51cを適宜開閉する。逆止弁機構54は、ハウジング本体51の下端近傍において、ハウジング本体51の内周壁が径方向の内側へ膨出することにより形成されたすり鉢状の凹部54aと、凹部54aに落とし込まれたボール54bとを含む。ボール54bは、噴射部材4を操作しないときは自重により内容物取込孔51cと空間S1との連通箇所を閉止する。一方、ボール54bは、加圧機構3が後述されるポンプ噴射を行うポンプ噴射状態にある場合において、容器本体2内の内容物が空間S1に取り込まれる際に発生する液流によって持ち上げられ、内容物取込孔51cと空間S1との連通箇所を開放する。
ネジキャップ9は、当接部材7の上面を押さえ、容器本体2内の気密性を高めるための部材である。ネジキャップ9は、中央に開口が形成された円盤状の天板9aと、天板9aの外周縁から下方へ設けられた側周部9bと、天板9aの内周縁から上方へ設けられた円筒状の装着部9cとを有する。側周部9bの内面にはネジ部が形成されており、容器本体の首部のネジ部に螺着される。装着部9cは、内周壁において径方向内側へ周設されたカバー部9dと、外周壁において径方向の外側へ突出するよう周設された係合部9eとを備える。カバー部9dは、ハウジング本体51に対して後述する当接部材7を位置決めするため部位である。係合部9eは、噴射部材4をネジキャップ9に取り付けるための部位である。
・バルブ本体6
バルブ本体6は、容器本体2から取り込まれた内容物を噴射部材4に送るための部材であり、ハウジング本体51内に上下方向に摺動自在に収容されるステム機構8を含む。ステム機構8は、ステム本体81と、ステム本体81と協働してハウジング5内を上下方向に摺動するピストン部材82と、ステム本体81を上方に付勢するバネ部材83とを備える。
ステム本体81は、非噴射状態においてピストン部材82と当接することにより、内容物が空間S1から外部に噴射されることを防ぐためのシール部を形成する内部ステム84と、内部ステム84の上部に装着され、ハウジング本体51の上端に形成された開口から出没する外部ステム85とからなる。内部ステム84と外部ステム85とは、同軸上に設けられており、ハウジング本体51内を一体的に上下方向に摺動する。
内部ステム84は、下向きの略椀状であり、下面にバネ部材83の上端が接続される比較的大径の椀状部84aと、椀状部84aよりも小径であり、椀状部84aの上面中央から上方に延びる円筒状の円筒部84bとを含む。
椀状部84aの上面と円筒部84bとの接続箇所には、ピストン部材82の内側摺動部86の下端が当接する環状の当接溝84cが形成されている。椀状部84aの下面には、バネ部材83の上端が挿入される。椀状部84aの外周縁には、椀状部84aの上下方向に延びる切欠き溝84dが形成されている。また、椀状部84aの下面のうち、外周縁近傍は、後述するポンプ噴射状態において、ハウジング本体51の内周面から径方向の内側に膨出した当接段部51dと当接する。ステム本体81は、ポンプ噴射状態において、当接段部51dと当接することにより、下方への摺動が制止される。
外部ステム85は、ハウジング5内に取り込まれた内容物がさらに通過する外部ステム内通路85aが形成されており、円錐台状のスカート部85bと、スカート部85bの上端から上方にかけて縮径された筒状部85cとを含む。筒状部85cの上端は、容器本体2から突出しており、噴射部材4が取り付けられる。
スカート部85bの内周面には、加圧機構3が後述する非噴射状態からポンプ噴射状態に変位する際に、ピストン部材82に押し当てられる当接段部85dが形成されている。スカート部85bの内径は、円筒部84bの外径よりも大きい。そのため、スカート部85bの内周壁と円筒部84bの外周壁とは離間される。このように離間されて形成された空間には、後述するピストン部材82の上部内側摺動部86aが挿入される。
筒状部85cの内径は、円筒部84bの外径と同程度である。そのため、外部ステム85は、円筒部84bの上部を筒状部85cの下端側から挿入することにより内部ステム84に装着される。
ピストン部材82は、ハウジング本体51の内部において空間S1を区画するための部材であり、内部ステム84および外部ステム85と適宜協働してハウジング本体51内を上下方向に摺動する。ピストン部材82は、内部ステム84の外周壁に沿って摺動する内側摺動部86と、ハウジング本体51の内周壁に沿って摺動する外側摺動部87と、内側摺動部86と外側摺動部87とを連結する連結環88とを含む。連結環88は、内側摺動部86と外側摺動部87との中心近傍をつなぐ。
内側摺動部86は、連結環88との接続箇所の上部に相当する上部内側摺動部86aと、連結環88との接続箇所の下部に相当する下部内側摺動部86bとを含む。
上部内側摺動部86aの上端は、内部ステム84の外周壁と外部ステム85のスカート部85bの内周壁との間に形成される空間に挿入され、加圧機構3が非噴射状態からポンプ噴射状態に変位する際に外部ステム85および内部ステム84が下方向へ摺動されると、内部ステム84の外周壁と外部ステム85の内周壁とにより形成される空間に、より深く挿入される。なお、非噴射状態からポンプ噴射状態へ変位する際には、ピストン部材82は、上部内側摺動部86aが当接段部85dと当接し、その後、ステム本体81と一体的に下方に摺動する。
下部内側摺動部86bは、バネ部材83により内部ステム84が上方向に付勢されると、椀状部84aの当接溝84c近傍と下端とが当接してシール部を形成し、上方向に付勢される。
外側摺動部87は、筒状の部材であり、ハウジング本体51の内周壁に沿って摺動する。また、外側摺動部87は、連結環88との接続箇所の上部に相当する上部外側摺動部87aと、連結環88との接続箇所の下部に相当する下部外側摺動部87bとを含む。
上部外側摺動部87aの上端は、非噴射状態では、バネ部材83により内部ステム84を介して上方向に付勢されると、後述する当接部材7の下端と当接する。
ピストン部材82を構成する材料としては、合成樹脂、シリコーンゴム、合成ゴム等の弾性力のある材料が例示される。
バネ部材83は、ステム本体81を上方に付勢するための部材であり、椀状部84aの下面と接続される上端と、凹部54aの周囲に取り付けられる下端とを有する。バネ部材83は、ハウジング本体51内において圧縮した状態で配置されており、内部ステム84を上方に付勢する。また、バネ部材83の下端は、ボール54bの径よりも小さくなるよう、径方向の内側に向かって縮径されている。これにより、後述するポンプ噴射状態において容器本体2から内容物が取り込まれる際の液流によりボール54bが上方向に押し上げられた場合であっても、ボール54bは、バネ部材83の下端によって制止される。
このように構成されたバルブ本体6は、ネジキャップ9を容器本体2に螺合させることにより、容器本体2に固定される。
・当接部材7
当接部材7は、ハウジング本体51の開口部に嵌入されて外部ステム85のスカート部85bと筒状部85cとの間に形成された段部と当接してステム本体81を位置決めし、さらにピストン部材82の上部外側摺動部87aの上端と当接してピストン部材82を位置決めする部材である。
当接部材7は、ネジキャップ9のカバー部9dの裏面と接触する天面部71と、ハウジング本体51の開口部に嵌入される筒状の当接脚部72とを含む。天面部71は、ネジキャップ9の裏面と、ハウジング本体51のフランジ部51aとによって挟持される。これにより、当接部材7は、位置決めされる。当接脚部72の下端は、上部外側摺動部87aの上端と当接し、非噴射状態でのピストン部材82の位置を規定する。
(噴射部材4)
噴射部材4は、外部ステム85に装着される噴射ノズル41と、ネジキャップ9に装着される操作部42とを含む。
噴射ノズル41は、L字型の筒状体であり、筒状部85cの上端と接続される一端と、先端ノズル43が接続される他端とを備える。噴射ノズル41の外周壁には、後述するレバー42bの側壁に形成された軸受に軸支される回動軸41aが設けられている。
先端ノズル43は、内容物の噴射方向や噴射形状等を調整するための治具であり、噴射ノズル41に接続される一端と、内容物が噴射される噴射孔43aが形成された他端とを備える。本実施形態のスプレー式製品1は、先端ノズル43にメカニカルブレークアップ機構を備えたノズルチップ43bが装着されている。メカニカルブレークアップ機構は、内容物を広範囲に均一に噴霧するための機構であり、内容物に旋回力を与えて適度な大きさに微細化するための溝(チャンネル)を有する。
操作部42は、空間S1に貯留される内容物を噴射するためにステム本体81を摺動させるための部位であり、装着部9cに装着されるレバー支持部42aと、レバー支持部42aに軸支されたレバー42bとを含む。
レバー支持部42aは、円筒状の本体部42cと、本体部42cの側壁から突出する支持アーム42dとを備える。本体部42cは、装着部9cが挿入される環状溝42eが形成されている。レバー支持部42aは、環状溝42eに装着部9cが挿入されることにより、ネジキャップ9に装着される。支持アーム42dの上端近傍には、後述するレバー42bに設けられる軸受(図示せず)に軸支される回動軸42fが形成されている。
レバー42bは、使用者が噴射時に操作する部位であり、噴射時に使用者によって操作されるトリガー部42gを含む。噴射部材4は、使用者がトリガー部42gを引くことにより、噴射ノズル41を下方に押し下げる。
<加圧機構3の変位の一例>
次に、上記構成のスプレー式製品1を用いて内容物を噴射する場合における加圧機構3の変位が、図1および図2に加えて図3〜図5を参照して説明される。図3は、連続噴射を行う連続噴射状態に変位している加圧機構3の模式的な拡大図である。図4は、加圧機構3がポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位しているスプレー式製品1の模式的な断面図である。図5は、ポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位している加圧機構3の模式的な拡大図である。なお、加圧機構3は、非噴射状態から、上記した連続噴射状態を経て、その後、ポンプ噴射状態に変位されてもよい。ただし、本実施形態のスプレー式製品1は、ポンプ噴射を行うことができればよく、連続噴射状態への変位は必須ではない。そのため、本実施形態の加圧機構3は、たとえば使用者によって噴射部材4が短時間で操作されることにより、実質的に連続噴射状態に変位されることなく(または短時間の連続噴射状態への変位を経て)、非噴射状態からポンプ噴射状態に変位されてもよい。
(非噴射状態)
まず、内容物を噴射しない非噴射状態(噴射前の状態)では、図1に示されるように、バネ部材83により内部ステム84、外部ステム85およびピストン部材82が上方へ付勢された状態で維持される。この場合、ピストン部材82は、下部内側摺動部86bを内部ステム84の当接溝84cと当接させシール部を形成している。そのため、内容物は噴射部材4への通路が遮断されており噴射されない。
(連続噴射状態)
一方、加圧機構3は、非噴射状態から連続噴射を行う連続噴射状態に容易に変位することができる。具体的には、使用者がトリガー部42gを操作することにより噴射ノズル41が下方向にいくらか押し下げられると、内部ステム84と外部ステム85とは、一体となって下方へいくらか(たとえば1〜2mm)摺動する(第1作動)。このときピストン部材82は外部ステム85と当接しないため移動しない。その結果、図3に示されるように、この変位により、下部内側摺動部86bの下端は、当接溝84cから離れる。これにより、空間S1から噴射部材4への通路が開放され、すなわち、第1作動によりピストン部材82の下部内側摺動部86bと内部ステム84の当接溝84cとによるシール部が開放されて、容器本体2内と外部とが連通される。本実施形態のスプレー式製品1は、内容物中に噴射剤(特定の圧力を有する液化ガス)を含有しているため、外部との圧力差に従って、内容物がボール54bを上方向に持ち上げて、空間S1に供給される。さらに、この内容物は、下部内側摺動部86bと当接溝84cとの隙間、外部ステム内通路85aを通過して、噴射孔43a(図1参照)より連続噴射される。図3において、矢印A1は、容器本体2から取り込まれる内容物の流れを示している。なお、連続噴射状態は、内容物が加圧剤を含んでおり、容器本体2の内圧が0.1〜0.5MPaに調整されている場合に、特に安定する。
連続噴射状態では、内容物は、加圧充填された噴射剤および好適に配合される加圧剤の影響により、霧状に広範囲に噴射される。また、スプレー式製品1は、トリガー部42gを繰り返し操作しなくても、操作した状態に維持すれば必要量を連続噴射することができる。
(ポンプ噴射状態)
加圧機構3は、非噴射状態または連続噴射状態からポンプ噴射状態に容易に変位することができる。具体的には、図4に示されるように、使用者はトリガー部42gをさらに操作することにより、噴射ノズル41がさらに下方向に押し下げられる。この際、図5に示されるように、内部ステム84と外部ステム85とは、スカート部85bの当接段部85dがピストン部材82の上部内側摺動部86aの上端に当接するまで一体となって下方へ摺動し、その後、内部ステム84、外部ステム85およびピストン部材82が一体となってさらに下方へ摺動する(たとえば3〜10mm、第2作動)。その結果、スプレー式製品1は、空間S1の容積が減少する。この際、ボール54bは、空間S1の容積の減少による下方向への付勢によって沈み、内容物取込孔51cを閉止する。また、空間S1に貯留された内容物(図示せず)は、加圧され、下部内側摺動部86bと当接溝84cとの隙間、外部ステム内通路85aを通過して、噴射孔43a(図1参照)より噴射される。
その後、使用者によるトリガー部42gの操作が止められると、復帰動作および空間S1への内容物の取り込み動作が開始される。すなわち、バネ部材83の付勢力により、内部ステム84、外部ステム85およびピストン部材82は、上方へ押し上げられて元の位置に戻り、空間S1と外部が再び遮断される。なお、内部ステム84、ピストン部材82および外部ステム85の上方への摺動は、上部外側摺動部87aの上端が当接部材7の当接脚部72の下端と当接することにより制止される。
このように、バネ部材83により、内部ステム84、外部ステム85およびピストン部材82が一体となって押し上げられる際、空間S1と外部との連通は遮断されている。そのため、ボール54bも上方へ移動し、内容物取込孔51cと空間S1とを連通箇所を開放し、空間S1には、容器本体2から新たに一定量の内容物が取り込まれる。本実施形態のスプレー式製品1は、逆止弁機構54を備えるため、取り込まれた内容物は逆流しにくい。その結果、スプレー式製品1は、適切な量の内容物を噴射しやすく、安定した効果が得られやすい。また、容器本体2から内容物が取り込まれることにより、容器本体2内は内圧が低下する。しかしながら、このような内圧の低下分は、噴射剤が蒸気圧にしたがって気化することにより補われる。その結果、スプレー式製品1は、容器本体2の内圧を一定範囲内に維持することができ、容器本体2の変形が防がれる。
以上、本実施形態のスプレー式製品1は、噴射容器2の内圧が特定の範囲に調整されているため、使用し続けても、容器内圧が一定に保たれやすく、変形を生じない。また、空気導入孔が形成されていないため、スプレー式製品1は、気密性が高く、保存安定性が優れるとともに、噴射剤が漏洩しにくい。さらに、噴射剤を特定量含む内容物は、加圧機構3によって加圧されて噴射される。このような噴射形態によれば、内容物は、霧状に広範囲に噴射され得る。ほかにも、従来のポンプ製品は、噴射剤を含んでいないため、内容物の気化による冷感を得ることができないが、本実施形態のスプレー式製品1は、上記噴射剤を含むため、気化熱による冷却感が得られやすい。また、スプレー式製品1は、使用により内容物の量が少なくなった場合であっても、噴射剤の一部が容器本体2内で気化し、内容物を適度に加圧して噴射することができる。その結果、スプレー式製品1は、終盤まで安定した噴射状態が得られやすい。
本実施形態のスプレー式製品1の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、スプレー式製品1は、原液を容器本体2内に充填し、容器本体2に加圧機構3を取り付けて密封し、加圧機構3から噴射剤を充填し、噴射部材4と取り付けることにより製造し得る。なお、加圧剤は噴射剤を充填した後で加圧機構より充填することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
<実施例1>
図1に示される容器本体(ポリエチレンテレフタレート製、胴部の厚みが0.3mm)に、以下の処方に従い調製された水性原液1を80g(80質量%)充填し、次いで以下の処方の噴射剤1を20g(20質量%)充填し、容器本体の口部に図1に示される加圧機構を取り付けて密封した。さらに図1に示される噴射部材を取り付けてスプレー式製品を製造した。
(水性原液1)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(*1) 1.0
エタノール 20.0
ミリスチン酸イソプロピル 0.1
フェノキシエタノール 0.5
精製水 78.4
合計 100.0(質量%)
*1:NIKKOL BT-7(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
(噴射剤1)
イソペンタン 75.0
イソブタン 25.0
合計 100.0(質量%)
35℃における蒸気圧:0.12MPa
<実施例2>
水性原液1を90g(90質量%)充填し、次いで上記噴射剤1を10g(10質量%)充填したこと以外は実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
<実施例3>
水性原液1を70g(70質量%)充填し、次いで上記噴射剤1を30g(30質量%)充填したこと以外は実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
<実施例4>
以下の処方の噴射剤2を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
(噴射剤2)
イソペンタン 75.0
ノルマルブタン 25.0
合計 100.0(質量%)
35℃における蒸気圧:0.09MPa
<実施例5>
窒素ガスをさらに充填して容器内の圧力を0.3MPaに調整したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
<実施例6>
窒素ガスをさらに充填して容器内の圧力を0.4MPaに調整したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
<比較例1>
水性原液1を100g充填し、噴射剤を充填しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
<比較例2>
噴射剤として、35℃における蒸気圧が0.23MPaである液化ガス(ノルマルブタン)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
<比較例3>
図1に示される噴射部材のハウジングに空気導入孔を設けたこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
実施例1〜6および比較例1〜3において得られたスプレー式製品に関して、以下の評価方法により、ポンプ噴射時の噴射物の安定性、噴射時の容器安定性、連続噴射の可否、保存時の容器安定性を評価した。結果を表1に示す。
1.噴射物の安定性
25℃の恒温室に1日保存したスプレー式製品を用いて、ステムが7mm下がるようにトリガー部を操作してポンプ噴射し、噴射対象物(ガラス)に付着した噴射物の状態を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:スプレー式製品は、最初から最後まで、内容物をスプレー状に噴射でき、噴射された内容物は、微細に発泡して噴射対象物に付着した。
○:スプレー式製品は、最初から最後まで、内容物をスプレー状に噴射でき、噴射された内容物は、泡立ちがやや弱いものの発泡して噴射対象物に付着した。
×:スプレー式製品は、噴射途中から、噴射された内容物の泡立ちが悪くなり、噴射対象物から垂れ落ちた。また、スプレー式製品は、噴射後にハウジング内の内容物が容器本体内に排出されたため、次回噴射できるまで3〜5回の噴射操作が必要であった。
××:スプレー式製品は、最初から最後まで泡立ちが悪く、噴射対象物からすぐに垂れ落ちた。
2.噴射時の容器安定性
上記「1.噴射物の安定性試験」を行った際に、容器本体の形状変化を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:スプレー式製品は、最初から最後まで容器本体がほとんど変形しなかった。
○:スプレー式製品は、内容物が充填量の20〜30重量%に少なくなったときに、噴射直後のハウジング内への内容物の導入に伴い容器本体の胴部が一時的に収縮したが、元に戻った。
×:スプレー式製品は、内容物が充填量の70〜80重量%に少なくなったときに容器本体の胴部が収縮し始め、30重量%程度で胴部が折れ曲がるように変形した。
3.連続噴射の可否
25℃の恒温室に1日保存したスプレー式製品を用いて、ステムが2mm下がるようにトリガー部を操作して連続噴射し、噴射対象物(ガラス)に付着した噴射物の状態を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:スプレー式製品は、充填量の80重量%以上の内容物が連続噴射できた。
○:スプレー式製品は、充填量の50〜80重量%の内容物が連続噴射できた。
×:スプレー式製品は、連続噴射できた内容物の量が充填量の30重量%以下であった。
××:スプレー式製品は、最初から内容物を連続噴射できなかった。
4.保存時の容器安定性
スプレー式製品を40℃の恒温室に1ヶ月間保存したときの容器形状の変化を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:容器形状は、ほとんど変化せず、噴射にも影響しなかった。
○:容器本体の胴部がやや膨張したが、噴射に影響しなかった。
×:容器本体の胴部だけでなく底部も膨張し、転倒しやすくなった。
Figure 2019011111
表1に示されるように、実施例1〜6のスプレー式製品は、内容物を最初から最後までスプレー状に噴射することができ、かつ、噴射された内容物は、発泡して噴射対象物に付着した。また、実施例1〜6のスプレー式製品は、容器本体は噴射直後もほとんど収縮しないか、一時的に収縮しても元に戻り、噴射に影響しなかった。また、実施例1〜6のスプレー式製品は、充填量の50重量%以上の内容物を連続噴射することができた。さらに、実施例1〜6のスプレー式製品は、高温で長期間保存しても容器形状がほとんど変化しないか、胴部がやや膨張した程度であり、噴射に影響が生じなかった。一方、噴射剤を充填しなかった比較例1のスプレー式製品は、噴射された内容物の泡立ちが悪く、内容物が少なくなると容器本体が収縮して折れ曲がり、安定した噴射状態にならなかった。また、内容物を連続噴射できなかった。また、蒸気圧の大きい液化ガスを用いた比較例2のスプレー式製品は、高温下での保管により容器形状が膨張しやすかった。さらに、空気導入孔を設けた比較例3のスプレー式製品は、噴射に伴い噴射剤が排出されて噴射途中から泡立ちが悪くなり、かつ、噴射を止めた後の次回噴射時に、内容物を噴射するまでに2〜3回の噴射操作を要した。また、比較例3のスプレー式製品は、連続噴射できた内容物の量が少なかった。
1 スプレー式製品
2 容器本体
21 本体部
22 首部
3 加圧機構
4 噴射部材
41 噴射ノズル
41a 回動軸
41b ノズル内通路
42 操作部
42a レバー支持部
42b レバー
42c 本体部
42d 支持アーム
42e 環状溝
42f 回動軸
42g トリガー部
43 先端ノズル
43a 噴射孔
43b ノズルチップ
5 ハウジング
51 ハウジング本体
51a フランジ部
51b 小径部
51c 内容物取込孔
51d 当接段部
52 チューブ
53 ガスケット
54 逆止弁機構
54a 凹部
54b ボール
6 バルブ本体
7 当接部材
71 天面部
72 当接脚部
8 ステム機構
81 ステム本体
82 ピストン部材
83 バネ部材
84 内部ステム
84a 椀状部
84b 円筒部
84c 当接溝
84d 切欠き溝
85 外部ステム
85a 外部ステム内通路
85b スカート部
85c 筒状部
85d 当接段部
86 内側摺動部
86a 上部内側摺動部
86b 下部内側摺動部
87 外側摺動部
87a 上部外側摺動部
87b 下部外側摺動部
88 連結環
9 ネジキャップ
9a 天板
9b 側周部
9c 装着部
9d カバー部
9e 係合部
A1 内容物の流れ
S1 第1空間

Claims (4)

  1. 原液と噴射剤とを含む内容物が充填された容器本体と、前記容器本体に取り付けられた加圧機構とを備え、
    前記噴射剤は、35℃における圧力が0.05〜0.2MPa(ゲージ圧)である液化ガスであり、
    前記加圧機構は、前記内容物を貯留するハウジングと、前記ハウジング内の前記内容物を加圧するステム機構とを備え、
    前記ハウジングは、空気を導入するための空気導入孔が形成されていない、スプレー式製品。
  2. 前記噴射剤は、前記内容物中に5〜40質量%含まれる、請求項1記載のスプレー式製品。
  3. 前記内容物は、加圧剤をさらに含み、
    前記噴射容器の35℃における内圧は、0.1〜0.5MPaである、請求項1または2記載のスプレー式製品。
  4. 前記ステム機構は、ステムとピストン部材とを備え、
    前記ステムは、所定距離が摺動される第1作動が行われると、外部と前記容器本体内とを連通させ、
    前記ピストン部材は、前記ステムがさらに所定距離が摺動される第2作動が行われると、前記ハウジング内の内容物を加圧する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスプレー式製品。
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