JP2019011111A - スプレー式製品 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態のスプレー式製品について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態のスプレー式製品1の模式的な断面図である。図2は、図1に示される本実施形態のスプレー式製品1の加圧機構3の断面図である。図1および図2に示されるスプレー式製品1は、噴射動作が行われていない状態(非噴射状態)である。本実施形態のスプレー式製品1は、原液と噴射剤とを含む内容物が充填された容器本体2と、容器本体2に取り付けられた加圧機構3と、加圧機構3に取り付けられる噴射部材4とを主に備える。噴射剤は、35℃における圧力が0.03〜0.2MPa(ゲージ圧)である液化ガスである。加圧機構3は、内容物を貯留するハウジング5と、ハウジング5内の内容物を加圧するステム機構8とを主に備える。ハウジング5は、空気を導入するための空気導入孔が形成されていない。以下、本実施形態のスプレー式製品1の内容物および装置構成について、それぞれ説明する。
内容物は、噴射容器2に充填され、原液と噴射剤とを含む。内容物は、噴射部材4が操作されることにより、容器本体2から加圧機構3に供給され、加圧機構3によって加圧されることにより噴射される。具体的には、内容物は、チューブ52の下端から取り込まれ、空間S1を通過または空間S1に一時的に貯留された後、外部ステム85の外部ステム内通路85a、噴射ノズル41のノズル内通路41bに供給され、噴射孔43aより噴射される。
原液は、容器本体2に充填される液体成分である。原液は、従来公知の成分を含む。一例を挙げると、原液は、水、アルコール、油分、界面活性剤、パウダー、その他有効成分(保湿剤、ビタミン類、紫外線吸収剤、清涼化剤、スタイリング剤、消臭成分、殺菌消毒剤、害虫忌避剤、殺虫成分、香料、色素等)等を含む。
噴射剤は、空気導入孔が形成されていない加圧機構3が取り付けられた容器本体2に充填されている。噴射剤は、容器本体2内では内容物を加圧して加圧機構3に導入する、噴射時には気化により噴射物を微細化したり、発泡性を良くするために配合される。この際、スプレー式製品1は、使用により内容物の量が減った場合であっても、噴射剤の一部が容器本体2内で気化し、内容物を適度に加圧することができる。また、噴射剤が含まれていることにより、スプレー式製品1は、使用を続ける場合であっても噴射容器2の内圧が低下しにくく、容器本体2の変形が生じない。その結果、スプレー式製品1は、終盤まで安定した噴射状態が得られやすい。さらに、従来のポンプ製品は、噴射剤を含んでいないため、内容物の気化による冷感を得ることができないが、本実施形態のスプレー式製品1は、噴射剤を含むことにより、気化熱による冷却感が得られやすい。
次に、上記内容物を噴射するためのスプレー式製品1の装置構成について説明する。なお、以下に示されるスプレー式製品1の装置構成は一例である。すなわち、本実施形態のスプレー式製品1の装置構成は、容器本体2と加圧機構3とを備え、加圧機構3が空気導入孔の形成されていないハウジング5とステム機構8とを備え、これにより上記内容物を加圧して噴射できる構成であればよい。
容器本体2は、内容物を充填するための容器であり、有底筒状の本体部21と、本体部21よりも小径であり本体部21の上部に一体的に設けられた筒状の首部22とを含む。首部22の上部には開口が形成されており、外周面にはキャップ9を取り付けるためのネジ部が形成されている。開口は、原液を充填する際の充填口であり、原液の充填後に加圧機構3により閉止される。
加圧機構3は、容器本体2内を密封し、容器本体2から内容物を取り込んで加圧するための部材である。加圧機構3は、筒状のハウジング5と、ハウジング5内に収容されるバルブ本体6と、後述するピストン部材の上方向への変位を制御する当接部材7と、ネジキャップ9とを主に備える。バルブ本体6は、ハウジング5内を上下方向に摺動自在に収容されるステム機構8を含む。加圧機構3は、非噴射状態から、ポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位することが可能である。また、加圧機構3は、非噴射状態から、内容物を連続噴射する連続噴射状態に変位することも可能である。
ハウジング5は、筒状のハウジング本体51を備える。
バルブ本体6は、容器本体2から取り込まれた内容物を噴射部材4に送るための部材であり、ハウジング本体51内に上下方向に摺動自在に収容されるステム機構8を含む。ステム機構8は、ステム本体81と、ステム本体81と協働してハウジング5内を上下方向に摺動するピストン部材82と、ステム本体81を上方に付勢するバネ部材83とを備える。
当接部材7は、ハウジング本体51の開口部に嵌入されて外部ステム85のスカート部85bと筒状部85cとの間に形成された段部と当接してステム本体81を位置決めし、さらにピストン部材82の上部外側摺動部87aの上端と当接してピストン部材82を位置決めする部材である。
噴射部材4は、外部ステム85に装着される噴射ノズル41と、ネジキャップ9に装着される操作部42とを含む。
次に、上記構成のスプレー式製品1を用いて内容物を噴射する場合における加圧機構3の変位が、図1および図2に加えて図3〜図5を参照して説明される。図3は、連続噴射を行う連続噴射状態に変位している加圧機構3の模式的な拡大図である。図4は、加圧機構3がポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位しているスプレー式製品1の模式的な断面図である。図5は、ポンプ噴射を行うポンプ噴射状態に変位している加圧機構3の模式的な拡大図である。なお、加圧機構3は、非噴射状態から、上記した連続噴射状態を経て、その後、ポンプ噴射状態に変位されてもよい。ただし、本実施形態のスプレー式製品1は、ポンプ噴射を行うことができればよく、連続噴射状態への変位は必須ではない。そのため、本実施形態の加圧機構3は、たとえば使用者によって噴射部材4が短時間で操作されることにより、実質的に連続噴射状態に変位されることなく(または短時間の連続噴射状態への変位を経て)、非噴射状態からポンプ噴射状態に変位されてもよい。
まず、内容物を噴射しない非噴射状態(噴射前の状態)では、図1に示されるように、バネ部材83により内部ステム84、外部ステム85およびピストン部材82が上方へ付勢された状態で維持される。この場合、ピストン部材82は、下部内側摺動部86bを内部ステム84の当接溝84cと当接させシール部を形成している。そのため、内容物は噴射部材4への通路が遮断されており噴射されない。
一方、加圧機構3は、非噴射状態から連続噴射を行う連続噴射状態に容易に変位することができる。具体的には、使用者がトリガー部42gを操作することにより噴射ノズル41が下方向にいくらか押し下げられると、内部ステム84と外部ステム85とは、一体となって下方へいくらか(たとえば1〜2mm)摺動する(第1作動)。このときピストン部材82は外部ステム85と当接しないため移動しない。その結果、図3に示されるように、この変位により、下部内側摺動部86bの下端は、当接溝84cから離れる。これにより、空間S1から噴射部材4への通路が開放され、すなわち、第1作動によりピストン部材82の下部内側摺動部86bと内部ステム84の当接溝84cとによるシール部が開放されて、容器本体2内と外部とが連通される。本実施形態のスプレー式製品1は、内容物中に噴射剤(特定の圧力を有する液化ガス)を含有しているため、外部との圧力差に従って、内容物がボール54bを上方向に持ち上げて、空間S1に供給される。さらに、この内容物は、下部内側摺動部86bと当接溝84cとの隙間、外部ステム内通路85aを通過して、噴射孔43a(図1参照)より連続噴射される。図3において、矢印A1は、容器本体2から取り込まれる内容物の流れを示している。なお、連続噴射状態は、内容物が加圧剤を含んでおり、容器本体2の内圧が0.1〜0.5MPaに調整されている場合に、特に安定する。
加圧機構3は、非噴射状態または連続噴射状態からポンプ噴射状態に容易に変位することができる。具体的には、図4に示されるように、使用者はトリガー部42gをさらに操作することにより、噴射ノズル41がさらに下方向に押し下げられる。この際、図5に示されるように、内部ステム84と外部ステム85とは、スカート部85bの当接段部85dがピストン部材82の上部内側摺動部86aの上端に当接するまで一体となって下方へ摺動し、その後、内部ステム84、外部ステム85およびピストン部材82が一体となってさらに下方へ摺動する(たとえば3〜10mm、第2作動)。その結果、スプレー式製品1は、空間S1の容積が減少する。この際、ボール54bは、空間S1の容積の減少による下方向への付勢によって沈み、内容物取込孔51cを閉止する。また、空間S1に貯留された内容物(図示せず)は、加圧され、下部内側摺動部86bと当接溝84cとの隙間、外部ステム内通路85aを通過して、噴射孔43a(図1参照)より噴射される。
図1に示される容器本体(ポリエチレンテレフタレート製、胴部の厚みが0.3mm)に、以下の処方に従い調製された水性原液1を80g(80質量%)充填し、次いで以下の処方の噴射剤1を20g(20質量%)充填し、容器本体の口部に図1に示される加圧機構を取り付けて密封した。さらに図1に示される噴射部材を取り付けてスプレー式製品を製造した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(*1) 1.0
エタノール 20.0
ミリスチン酸イソプロピル 0.1
フェノキシエタノール 0.5
精製水 78.4
合計 100.0(質量%)
*1:NIKKOL BT-7(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
イソペンタン 75.0
イソブタン 25.0
合計 100.0(質量%)
35℃における蒸気圧:0.12MPa
水性原液1を90g(90質量%)充填し、次いで上記噴射剤1を10g(10質量%)充填したこと以外は実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
水性原液1を70g(70質量%)充填し、次いで上記噴射剤1を30g(30質量%)充填したこと以外は実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
以下の処方の噴射剤2を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
イソペンタン 75.0
ノルマルブタン 25.0
合計 100.0(質量%)
35℃における蒸気圧:0.09MPa
窒素ガスをさらに充填して容器内の圧力を0.3MPaに調整したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
窒素ガスをさらに充填して容器内の圧力を0.4MPaに調整したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
水性原液1を100g充填し、噴射剤を充填しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
噴射剤として、35℃における蒸気圧が0.23MPaである液化ガス(ノルマルブタン)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
図1に示される噴射部材のハウジングに空気導入孔を設けたこと以外は、実施例1と同様にしてスプレー式製品を製造した。
25℃の恒温室に1日保存したスプレー式製品を用いて、ステムが7mm下がるようにトリガー部を操作してポンプ噴射し、噴射対象物(ガラス)に付着した噴射物の状態を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:スプレー式製品は、最初から最後まで、内容物をスプレー状に噴射でき、噴射された内容物は、微細に発泡して噴射対象物に付着した。
○:スプレー式製品は、最初から最後まで、内容物をスプレー状に噴射でき、噴射された内容物は、泡立ちがやや弱いものの発泡して噴射対象物に付着した。
×:スプレー式製品は、噴射途中から、噴射された内容物の泡立ちが悪くなり、噴射対象物から垂れ落ちた。また、スプレー式製品は、噴射後にハウジング内の内容物が容器本体内に排出されたため、次回噴射できるまで3〜5回の噴射操作が必要であった。
××:スプレー式製品は、最初から最後まで泡立ちが悪く、噴射対象物からすぐに垂れ落ちた。
上記「1.噴射物の安定性試験」を行った際に、容器本体の形状変化を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:スプレー式製品は、最初から最後まで容器本体がほとんど変形しなかった。
○:スプレー式製品は、内容物が充填量の20〜30重量%に少なくなったときに、噴射直後のハウジング内への内容物の導入に伴い容器本体の胴部が一時的に収縮したが、元に戻った。
×:スプレー式製品は、内容物が充填量の70〜80重量%に少なくなったときに容器本体の胴部が収縮し始め、30重量%程度で胴部が折れ曲がるように変形した。
25℃の恒温室に1日保存したスプレー式製品を用いて、ステムが2mm下がるようにトリガー部を操作して連続噴射し、噴射対象物(ガラス)に付着した噴射物の状態を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:スプレー式製品は、充填量の80重量%以上の内容物が連続噴射できた。
○:スプレー式製品は、充填量の50〜80重量%の内容物が連続噴射できた。
×:スプレー式製品は、連続噴射できた内容物の量が充填量の30重量%以下であった。
××:スプレー式製品は、最初から内容物を連続噴射できなかった。
スプレー式製品を40℃の恒温室に1ヶ月間保存したときの容器形状の変化を、以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
◎:容器形状は、ほとんど変化せず、噴射にも影響しなかった。
○:容器本体の胴部がやや膨張したが、噴射に影響しなかった。
×:容器本体の胴部だけでなく底部も膨張し、転倒しやすくなった。
2 容器本体
21 本体部
22 首部
3 加圧機構
4 噴射部材
41 噴射ノズル
41a 回動軸
41b ノズル内通路
42 操作部
42a レバー支持部
42b レバー
42c 本体部
42d 支持アーム
42e 環状溝
42f 回動軸
42g トリガー部
43 先端ノズル
43a 噴射孔
43b ノズルチップ
5 ハウジング
51 ハウジング本体
51a フランジ部
51b 小径部
51c 内容物取込孔
51d 当接段部
52 チューブ
53 ガスケット
54 逆止弁機構
54a 凹部
54b ボール
6 バルブ本体
7 当接部材
71 天面部
72 当接脚部
8 ステム機構
81 ステム本体
82 ピストン部材
83 バネ部材
84 内部ステム
84a 椀状部
84b 円筒部
84c 当接溝
84d 切欠き溝
85 外部ステム
85a 外部ステム内通路
85b スカート部
85c 筒状部
85d 当接段部
86 内側摺動部
86a 上部内側摺動部
86b 下部内側摺動部
87 外側摺動部
87a 上部外側摺動部
87b 下部外側摺動部
88 連結環
9 ネジキャップ
9a 天板
9b 側周部
9c 装着部
9d カバー部
9e 係合部
A1 内容物の流れ
S1 第1空間
Claims (4)
- 原液と噴射剤とを含む内容物が充填された容器本体と、前記容器本体に取り付けられた加圧機構とを備え、
前記噴射剤は、35℃における圧力が0.05〜0.2MPa(ゲージ圧)である液化ガスであり、
前記加圧機構は、前記内容物を貯留するハウジングと、前記ハウジング内の前記内容物を加圧するステム機構とを備え、
前記ハウジングは、空気を導入するための空気導入孔が形成されていない、スプレー式製品。 - 前記噴射剤は、前記内容物中に5〜40質量%含まれる、請求項1記載のスプレー式製品。
- 前記内容物は、加圧剤をさらに含み、
前記噴射容器の35℃における内圧は、0.1〜0.5MPaである、請求項1または2記載のスプレー式製品。 - 前記ステム機構は、ステムとピストン部材とを備え、
前記ステムは、所定距離が摺動される第1作動が行われると、外部と前記容器本体内とを連通させ、
前記ピストン部材は、前記ステムがさらに所定距離が摺動される第2作動が行われると、前記ハウジング内の内容物を加圧する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスプレー式製品。
Priority Applications (1)
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