JP3229780U - 液体容器および液体容器用キャップ構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素発生剤のような液体反応剤を特別なシール構造を用いることなく液体と接触しないように収容し、なおかつ簡単な構造で使用者が使用開始直前に液体反応剤と液体とを接触させることができるようにした液体容器を提供する。【解決手段】液体容器は、液体容器本体10と、第1キャップ構造体20と、第2キャップ構造体とを備える。液体容器本体は、雄ネジ付き筒状頭部12を上部に有し、内部に液体を収容する。第1キャップ構造体は、液体に接触して反応する液体反応剤28を収容し、液体容器本体の筒状頭部の雄ネジに螺合する雌ネジを介して液体容器本体の上部に着脱可能に装着される。第2キャップ構造体は、液体を噴霧する機構を有し、液体容器本体の雄ネジに螺合する雌ネジを介して液体容器本体の上部に着脱可能に装着される。【選択図】図3

Description

本考案は、化粧水等の液体を収容する液体容器に関し、特に液体とは別の場所に、液体に接触して反応する液体反応剤を収容する液体容器に関するものである。
昨今の健康ブームにより、化粧水等の液体に水素ガス等を含ませる需要が増えている。ところが、水素ガスを例にとると、水素ガスは容器から漏出し易く、化学的に不安定であるため、工場で水素ガスおよび液体を容器に充填して出荷し、店頭で販売しても、エンドユーザ(使用者)の手元に届く頃には容器内の水素ガスが少なくなっている。このため、十分な水素ガスを含む液体をエンドユーザに届けるための技術が求められている。
実用新案登録第3209425号公報(特許文献1)には、液体と水素発生剤とを別の場所に収容した液体容器が開示されている。水素発生剤は、例えばマグネシウムの粉末を含む粒であり、水と反応して水素を発生する。このとき生じる化学反応は、以下の通りである。
[化1]
Mg+2HO→Mg(OH)+H
特許文献1に開示された液体容器では、筒状側壁の底部開口を閉じる底壁の内側底面に小室を設け、この小室内に水素発生剤を収容している。筒状側壁内には、小室内に水が浸入しないようにするために密封シールを介して小室を閉塞する内蓋が設けられている。内蓋は、液体容器の底壁を貫通するシャフトに連結されている。エンドユーザが液体容器内の液体を使用する際に、シャフトを上方に移動するように操作して内蓋を上方に移動させると、水が筒状側壁と内蓋との間の隙間を通り小室内に浸入して水素発生剤に接触する。その結果、水素が発生し、液体中に取り込まれる。
特許文献1に開示された液体容器によれば、エンドユーザの操作によって水素発生剤が容器中の液体に接触して水素ガスを発生する。したがって、エンドユーザが使用を開始するまで水素発生剤の変質がなく、エンドユーザは、使用開始時に水素発生剤を液体に接触させることにより、水素を多く含む液体を使用することができる。
実用新案登録第3209425号公報
特許文献1に開示された液体容器では、水素発生剤を液体容器の底壁の内面に設けられた小室に収容している。液体容器内の使用開始前に水が小室内に浸入しないようにするために、小室を取り囲む底壁段部と、小室を上方から覆う内蓋との間に、十分なシール性を確保しなければならないが、シール性確保のための構造が複雑である。また、シール性が不十分だった場合には、水が小室内に浸入し、エンドユーザの使用開始前に水素が発生して液体中に取り込まれることになる。
さらに、特許文献1に開示された液体容器では、内蓋を上方に移動させるために、液体容器の底壁を貫通するシャフトを設け、このシャフトの上方端と内蓋とを連結し、シャフトの下方端にナットを取り付けている。このような内蓋を移動操作するための構造も複雑である。
本考案の目的は、水素発生剤のような液体反応剤を特別なシール構造を用いることなく液体と接触しないように収容し、なおかつ簡単な構造で使用者が使用開始直前に液体反応剤と液体とを接触させることができるようにした液体容器を提供することである。
本考案に従った液体容器は、液体容器本体と、第1キャップ構造体と、第2キャップ構造体とを備える。液体容器本体は、雄ネジ付き筒状頭部を上部に有し、内部に液体を収容する。第1キャップ構造体は、液体に接触して反応する液体反応剤を収容し、液体容器本体の筒状頭部の雄ネジに螺合する雌ネジを介して液体容器本体の上部に着脱可能に装着される。第2キャップ構造体は、液体を噴霧する機構を有し、液体容器本体の雄ネジに螺合する雌ネジを介して液体容器本体の上部に着脱可能に装着される。
本考案の好ましい実施形態では、第1キャップ構造体は、雌ネジを有する第1固定部と、第1固定部に上下動可能に保持される第1移動部とを備える。第1固定部は、液体容器本体の筒状頭部を下方から受け入れる円周溝と、円周溝よりも径方向内側で上下方向に延びる中央穴と、中央穴の下方端を閉塞する薄膜とを備える。
液体反応剤は、薄膜によって下方端が閉塞されている中央穴内に収容されている。第1移動部は、中央穴内を上下動可能な軸部と、中央穴よりも上方の位置で軸部に取り付けられた押込み操作部と、薄膜に下方に向く局所荷重を与えて薄膜を切り開くために軸部の下方端に設けられた尖鋭部とを備える。
第2キャップ構造体は、第1キャップ構造体が液体容器本体から取り外された後に液体容器本体に装着されるものである。この第2キャップ構造体は、好ましくは、雌ネジを有する第2固定部と、第2固定部に保持される第2移動部とを備える。第2移動部は、液体容器本体内の液体を吸引して外部に噴霧するノズルを備える。
一つの実施形態では、液体容器本体内に収容されている液体は化粧水である。また、液体反応剤は、例えば、水に接触して水素を発生する水素発生剤である。
本考案に従ったキャップ構造体は、雄ネジ付き筒状頭部を上部に有する液体容器本体の上部開口を閉塞するものである。このキャップ構造体は、雄ネジに螺合する雌ネジを有し、液体容器本体の上部に着脱可能に装着される固定部と、固定部に上下動可能に保持される移動部とを備える。
固定部は、液体容器本体の筒状頭部を下方から受け入れる円周溝と、円周溝よりも径方向内側で上下方向に延びる中央穴と、中央穴の下方端を閉塞する薄膜とを備える。液体に接触して反応する液体反応剤は、薄膜によって下方端が閉塞されている中央穴内に収容されている。
移動部は、中央穴内を上下動可能な軸部と、中央穴よりも上方の位置で軸部に取り付けられた押込み操作部と、薄膜に下方に向く局所荷重を与えて薄膜を切り開くために軸部の下方端に設けられた尖鋭部とを備える。液体反応剤は、例えば、水に接触して水素を発生する水素発生剤である。
上記の構成を備える本考案によれば、液体反応剤を特別なシール構造を用いることなく液体と接触しないように収容し、なおかつ簡単な構造で使用者が使用開始直前に液体反応剤と液体とを接触させることができる。
本考案に従った液体容器の3つの構成要素を分離して示す斜視図である。 液体容器を示す斜視図であり、(a)は使用者が使用を開始する前の状態の液体容器を示し、(b)は使用者が使用を開始した後の状態の液体容器を示している。 使用開始前の状態の液体容器を示す断面図である。 使用を開始するための操作を行った状態の液体容器を示す断面図である。
図1は、本考案に係る液体容器を構成する3つの要素を示している。液体容器に収容する液体は、化粧水、美容水等であり、噴霧により顔や手等の肌に吹き付ける。
液体容器は、主要な構成要素として、液体容器本体10と、第1キャップ構造体20と、第2キャップ構造体30とを備える。液体容器本体10は、雄ネジ11が形成された筒状頭部12を上部に有している。液体容器本体10の筒状頭部12は上部開口13を有し、液体容器本体10の底部は閉鎖されている。
液体容器が店頭に陳列されている状態では、液体容器本体10の上部に第1キャップ構造体20が装着されており、第2キャップ構造体30は標準付属品として液体容器本体10および第1キャップ構造体とともに販売される。液体容器使用者が購入後、初めて使用する際の操作を行った後においては、第2キャップ構造体30が液体容器本体10の上部に装着され、第1キャップ構造体20は使用済みのものとして廃棄される。
図2の(a)は使用者が使用を開始する前の液体容器を示しており、液体容器本体10の上部に第1キャップ構造体20が装着されている状態を示している。図2の(b)は使用者が使用を開始した後の液体容器を示しており、液体容器本体10の上部に第2キャップ構造体30が装着されている状態を示している。
図3は、第2キャップ構造体20が液体容器本体10の上部に装着されている液体容器を示し、図4は、使用者が使用を開始するための操作を行った状態の液体容器を示している。
第1キャップ構造体20は、液体に接触して反応する液体反応剤28を収容し、液体容器本体10の筒状頭部12の雄ネジ11に螺合する雌ネジ22を介して液体容器本体10の上部に着脱可能に装着される。
図示するように、第1キャップ構造体20は、雌ネジ22を有する第1固定部21と、第1固定部21に上下動可能に保持される第1移動部23とを備える。第1固定部21は、液体容器本体10の筒状頭部12を下方から受け入れる円周溝25と、この円周溝25よりも径方向内側で上下方向に延びる中央穴26と、中央穴26の下方端を閉塞する薄膜27とを備える。
一つの実施形態では、第1固定部21は、薄膜27を含めて、例えば樹脂成型によって一体的に形成されている。他の実施形態として、薄膜27を他の第1固定部21とは別部材で用意し、接着剤等を介して第1固定部21に接着させるようにしてもよい。薄膜27は、上方から所定以上の局所荷重を受けたときに破れて切り裂かれるようにその強度及び厚みが選ばれている。
第1移動部23は、第1固定部21の中央穴25内を上下動可能な軸部23aと、中央穴25よりも上方の位置で軸部23aに取り付けられた円盤状の押込み操作部23bと、第1固定部21の薄膜27に下方に向く局所荷重を与えて薄膜27を切り開くために軸部23aの下方端に設けられた尖鋭部24とを備える。
一つの実施形態では、中央穴26は円柱形状であり、軸部23aは円筒形状である。尖鋭部24は、軸部23aの下方端部分を斜めに切り落とした形状であり、先端が尖っている。軸部23aと中央穴26とは摩擦係合しており、押込み操作部23bに力を加えない状態では、軸部23aと中央穴26との間の相対移動は生じない。
液体反応剤28は、液体に接触して反応するものであり、一つの実施形態では水に接触して水素を発生する粒状の水素発生剤である。水素発生剤28として考えられるものは、例えば、水素発生セラミックボールや、マグネシウの粉末を含む粒である。
液体反応剤28は、水素発生剤に限定されるものではなく、例えば薬効成分や香り成分を含む粉粒体であって、液体に接触して液中に溶け込むようなものであってもよい。
図3に示すように、液体反応剤28は、薄膜27によって下端が閉塞されている中央穴26内に収容されている。
第2キャップ構造体30は、液体を噴霧する機構を有し、液体容器本体10の雄ネジに螺合する雌ネジを介して液体容器本体10の上部に装着されるものである。第2キャップ構造体30は、雌ネジ33を有する第2固定部31と、第2固定部31に保持される第2移動部32とを備える。第2移動部32は、液体容器本体10内の液体を吸引して外部に噴霧するノズル34を備える。
この種の液体噴霧機構としては種々のものが知られている。第2キャップ構造体30の第2固定部31が液体容器本体10の筒状頭部12に装着され得るものであれば、どのような液体噴霧機構を採用してもよい。
図3および図4を参照して、使用者が液体容器をどのように使用するのかについて説明する。
使用開始前の液体容器は、図3に示す状態である。水素発生剤のような液体反応剤28は、薄膜27によって確実に液体容器本体10に収容されている液体14から上方に離れて隔離されている。したがって、液体反応剤28が収容されている小室内への水の浸入は生じない。
使用者が使用を開始する際には、第1移動部23の押込み操作部23bを下方に向けて押えこむ。すると、図4に示すように、第1移動部23の軸部23aの下方端に位置する尖鋭部24が薄膜27を切り開き、液体反応剤28が液体容器本体10内の液中に落下する。液体反応剤28が水素発生剤の場合、液中に落下して水素を発生する。
液中に水素等を多く含んだ状態で、第1キャップ構造体20を液体容器本体10の上部から取り外し、引き続いて、第2キャップ構造体30を液体容器本体10の上部に装着する。使用者は、第2キャップ構造体30の第2移動部32を操作することによって、水素等を多く含んだ液体をノズルから噴霧して肌に吹き付けることができる。
上述した実施形態では、液体容器本体10と、第1キャップ構造体20と、第2キャップ構造体30とを一組にして販売する例を説明した。他の実施形態として、液体を収容している液体容器本体10に通常のキャップを装着し、標準付属品として第1キャップ構造体20および第2キャップ構造体30をキャップ付き液体容器本体10とともに販売するようにしてもよい。さらに他の実施形態として、液体反応剤28を収容する第1キャップ構造体20を単独で販売するようにしてもよい。
以上、図面を参照して本考案の一実施形態を説明したが、本考案の範囲は、図示した実施形態に限定されるものではなく、本考案と実質的に同一の範囲または均等の範囲内で行われた修正事項や改良事項をも含むものである。
本考案は、液体反応剤を液体から分離して収容する液体容器として有利に利用され得る。
10 液体容器本体、11 雄ネジ、12 筒状頭部、13 上部開口、14 化粧水、20 第1キャップ構造体、21 第1固定部、22 雌ネジ、23 第1移動部、23a 軸部、23b 押込み操作部、24 尖鋭部、25 円周溝、26 中央穴、27 薄膜、28 液体反応剤、30 第2キャップ構造体、31 第2固定部、32 第2移動部、33 雌ネジ、34 ノズル。

Claims (6)

  1. 雄ネジ付き筒状頭部を上部に有し、内部に液体を収容する液体容器本体と、
    液体に接触して反応する液体反応剤を収容し、前記液体容器本体の筒状頭部の雄ネジに螺合する雌ネジを介して前記液体容器本体の上部に着脱可能に装着される第1キャップ構造体と、
    液体を噴霧する機構を有し、前記液体容器本体の雄ネジに螺合する雌ネジを介して前記液体容器本体の上部に着脱可能に装着される第2キャップ構造体とを備える、液体容器。
  2. 前記第1キャップ構造体は、前記雌ネジを有する第1固定部と、前記第1固定部に上下動可能に保持される第1移動部とを備え、
    前記第1固定部は、前記液体容器本体の筒状頭部を下方から受け入れる円周溝と、前記円周溝よりも径方向内側で上下方向に延びる中央穴と、前記中央穴の下方端を閉塞する薄膜とを備え、
    前記液体反応剤は、前記薄膜によって下方端が閉塞されている前記中央穴内に収容されており、
    前記第1移動部は、前記中央穴内を上下動可能な軸部と、前記中央穴よりも上方の位置で前記軸部に取り付けられた押込み操作部と、前記薄膜に下方に向く局所荷重を与えて薄膜を切り開くために前記軸部の下方端に設けられた尖鋭部とを備える、請求項1に記載の液体容器。
  3. 前記第2キャップ構造体は、前記雌ネジを有する第2固定部と、前記第2固定部に保持される第2移動部とを備え、
    前記第2移動部は、前記液体容器本体内の液体を吸引して外部に噴霧するノズルを備える、請求項1または2に記載の液体容器。
  4. 前記液体容器本体内に収容されている液体は化粧水であり、
    前記液体反応剤は、水に接触して水素を発生する水素発生剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体容器。
  5. 雄ネジ付き筒状頭部を上部に有する液体容器本体の上部開口を閉塞するキャップ構造体であって、
    前記雄ネジに螺合する雌ネジを有し、前記液体容器本体の上部に着脱可能に装着される固定部と、
    前記固定部に上下動可能に保持される移動部とを備え、
    前記固定部は、前記液体容器本体の筒状頭部を下方から受け入れる円周溝と、前記円周溝よりも径方向内側で上下方向に延びる中央穴と、前記中央穴の下方端を閉塞する薄膜とを備え、
    液体に接触して反応する液体反応剤が、前記薄膜によって下方端が閉塞されている前記中央穴内に収容されており、
    前記移動部は、前記中央穴内を上下動可能な軸部と、前記中央穴よりも上方の位置で前記軸部に取り付けられた押込み操作部と、前記薄膜に下方に向く局所荷重を与えて薄膜を切り開くために前記軸部の下方端に設けられた尖鋭部とを備える、液体容器用キャップ構造体。
  6. 前記液体反応剤は、水に接触して水素を発生する水素発生剤である、請求項5に記載の液体容器用キャップ構造体。
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