JP2014091527A - 吐出装置および吐出製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧剤による加圧力が低下しても、内容物を吐出でき、かつ、廃棄するときに加圧剤を排出することのできる吐出装置および吐出製品を提供する
【解決手段】内容物24とその内容物を加圧する加圧剤25を充填した容器本体21に、ステム3、ピストン4およびこれらを収容するハウジング2を有する弁機構が取り付けられ、ステム3を操作する第1操作により加圧剤の圧力で内容物を吐出し、ピストン4を操作する第2操作により前記ピストンの加圧力で内容物を吐出する吐出装置1。
【選択図】図1

Description

本発明は内容物を吐出させる吐出装置および吐出製品に関する。
従来から窒素ガスなどの圧縮ガスを加圧剤として用いたエアゾール製品がある。圧縮ガスは容器本体内の気相部に充填されて内容物を加圧しており、容器本体に固着されているエアゾールバルブを開放することにより内容物が吐出(噴射)する。
エアゾール製品は使用する向き(角度)を変えながら内容物を吐出するができるが、角度によっては内容物が吐出されずに加圧剤が抜けてしまい使用できなくなる問題がある。そこで、特許文献1および2のように、エアゾール製品の向きを変えても加圧剤が抜けにくいエアゾールバルブがある。
特許文献1および2のエアゾールバルブは、ハウジングに柔軟なチューブを接続し、チューブの先端開口付近に錘を備えており、エアゾール製品の傾きに応じて錘が移動するため加圧剤が抜けにくい。
また、特許文献3のように容器本体の内部に可撓性を有する内袋を備えている二重エアゾール製品がある。二重エアゾール製品は内袋の内部に内容物を充填し、内袋と容器本体の間の空間に加圧剤を充填し、両者を隔離した状態で密封するため、どのような向きで使用しても加圧剤が抜けることなく内容物を吐出することができる。
一方、従来からピストンによる圧力で内容物を吐出するポンプ式の吐出装置がある(特許文献4)。
特許第3575829号公報 実公昭56−39578 特開平9−118380 WO2003/103849
特許文献1および2のエアゾールバルブでは追従できる向きに限界があり、エアゾール製品を傾けすぎると加圧剤が抜けてしまい使用できなくなる問題がある。
特許文献3の二重エアゾール製品では、内容物を全量吐出しても加圧剤を排出することができず、安全に廃棄できない問題がある。
そこで本発明は、加圧剤が抜けて容器内の圧力が低下しても、さらには加圧剤が全量抜けて圧力が大気圧と同等になっても、内容物を吐出でき、かつ、安全に廃棄することのできる吐出装置および吐出製品を提供することを目的としている。
本発明の吐出装置は(請求項1)、内容物とその内容物を加圧する加圧剤を充填した容器本体に、ステム、ピストン、およびこれらを収容するハウジングを有する弁機構が取り付けられ、ステムを操作する第1操作により加圧剤の圧力で内容物を吐出し、ピストンを操作する第2操作により前記ピストンの加圧力で内容物を吐出することを特徴としている。
前記ステムがピストンロッドを兼ねていることが好ましい(請求項2)。
このような吐出装置は、前記弁機構が、第2操作の規制と解除を切り替える切替機構を備えていることが好ましい(請求項3)。
さらに前記第1操作がステムの下方への第1作動量による押動であり、第2操作が前記第1作動量を超える押動であるのが好ましい(請求項4)。
また前記第1操作がステムの傾動であり、第2操作がステムの押動であるのが好ましい(請求項5)。
本発明の吐出製品は(請求項6)、前述の吐出装置に内容物と加圧剤を充填していることを特徴としている。
本発明の吐出装置および吐出製品は(請求項1、6)、通常はステムを操作する第1操作により加圧剤の圧力で内容物を吐出させることができるので使い勝手がよい。
誤った使用方法により加圧剤が排出され圧力が大気圧と同等になり吐出できなくなっても、ピストンを操作する第2操作によりピストンの加圧力で内容物を最後まで吐出させることができる。そのため経済的である。
また二重エアゾール製品のように内容物を使い切った後に、加圧剤が残ることがないので、安全に廃棄できる。
前記ステムがピストンロッドを兼ねている場合は(請求項2)、容器本体に共通のハウジングを介して取り付けられるので、省スペースであり、容器本体をコンパクトにすることができる。
また同一のステムの操作で加圧剤による吐出と、ポンプ機構による吐出を行うことができるので、使い勝手がよい。
このような吐出装置において、前記弁機構が第2操作の規制と解除を切り替える切替機構を備えている場合は(請求項3)、規制状態にすることにより加圧剤が充分に充填されている状態で第2操作を行う誤操作を防止することができる。
さらに前記第1操作がステムの下方への第1作動量による押動であり、第2操作が前記第1作動量を超える押動である場合は(請求項4)、第1操作と第2操作は操作方向が同じであるため使いやすい。さらに第2操作は操作量が大きくなるため、消費者が認識しやすく誤操作を防止できる。
また前記第1操作がステムの傾動であり、第2操作がステムの押動である場合は(請求項5)、第1操作と第2操作の操作方向が異なるので、消費者が認識しやすく誤操作を防止できる。
図1は本発明の吐出製品の一実施形態を示す断面図である。 図2aは図1の部分拡大図、図2bはピストン示す拡大断面図である。 図3aはキャップを示す断面図、図3bは図1の規制筒部を示す概略斜視図である。 図4は図1の切替機構が作動する様子を示す概略工程図である。 図5は図1の吐出装置が作動する様子を示す概略工程図である。 図6は吐出製品の他の実施形態を示す断面図である。 図7は図6の規制筒部を示す概略斜視図である。 図8は図6の切替機構が作動する様子を示す概略工程図である。
図1を用いて本発明の吐出装置および吐出製品の実施形態を説明する。図1に示す吐出製品20は、吐出装置1とその内部に充填されたエアゾール組成物Aとからなる。前記吐出装置1は、容器本体21と、その容器本体21の口部に取り付けたバルブ(弁機構)22とからなる。バルブのステム3には押しボタン8が取り付けられる。前記エアゾール組成物は、内容物24と加圧剤25とからなる。
なお図1に示す吐出製品20は、ステム3を押動していない状態(以下、初期状態という)を示している。
前記吐出装置1は、容器本体21の内部に充填される内容物24を、加圧剤25の圧力により吐出する、いわゆるエアゾール吐出と、ピストンを操作し内容物を加圧して吐出する、いわゆるポンプ吐出を切り替えて使用することができる。
前記容器本体21は、底部と、筒状の胴部21cと、口部21aを有し、アルミニウムやブリキなどの金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの合成樹脂を用いて有底筒状に成形された従来公知のものである。なお、胴部21cは一部を膨らませたり、くびれさせてもよく、胴部全体を球状やラグビーボール状にすることもできる。
前記口部21aの外周にはネジ部21bが形成され、そのネジ部21bにキャップ23を着脱自在に螺合することができる。キャップ23は、前記バルブ22のハウジングのフランジ(鍔部2e)を、パッキン13を介して容器本体21の口部21aの先端とキャップ23の内面との間に挟持して気密に取り付けられる。
前記バルブ(弁機構)22は、加圧剤の圧力により内容物24を吐出するエアゾールバルブとしての機能と、ピストンの上下動による加圧力により内容物24を吐出するポンプとしての機能を兼ねたものである。
ここから図2を併せて説明する。前記バルブ22は、容器本体の口部21aとキャップ23の間で挟持されるハウジング2と、ハウジング2内に上下動自在に収容されるステム3と、ステム3を内挿しハウジングの内周を摺動するピストン4と、ハウジング底部の導入孔2aを塞ぐ弁5と、ステム3を上方に付勢するスプリング3bとを備えている。
前記ハウジング2はエアゾール吐出とポンプ吐出のそれぞれの機能を共通のハウジングに設けたものである。前記ハウジング2は、筒部2dと、筒部2dの上端近辺から外向きに延びる鍔部2eと、筒部2dの底部2cに設けられチューブ2hを装着する筒状の突出部2gを備えており、筒部2dと突出部2gの間に内容物24をチューブ2hからハウジング内に導入するための導入孔2aが形成されている。
なお、チューブ2hは、上部が前記突出部2gに嵌合し、下端が容器本体の底部付近まで伸びており、容器本体内の内容物を吸い上げてハウジングに導入する。
前記筒部2dの周壁には容器本体21とハウジング2とを連通する連通孔2bが形成されている。前記連通孔2bは、ハウジング2の筒部2dの上方で、上昇端にあるピストン4により塞がれる位置にある。すなわちピストン4を下降させるときに、ハウジング2内のピストン4の上方の空間が、貯留室Bに比べて負圧になり、ピストン4の下降の妨げになるのを防止するためである。
前記鍔部2eの上面には上方に筒状の環状片2fが突出している。また前記鍔部2eの下面には前記パッキン13を保持させており、パッキン13を容器本体21の口部21aの上面に載置し、キャップを口部のネジ部21bに螺着することにより、パッキン13が前記鍔部2eと口部21aの上面との間で圧縮されてシールすると共に、前記ハウジング2が容器本体21に固定される。
ここから図2aを用いて説明する。前記ステム3は、ステム孔3aを開放して内容物を吐出するだけでなく、ポンプ機能のピストン4を作動させるピストンロッドを兼ねたものである。
そのステム3は、ハウジング内と外部を連通するステム孔3aが形成されている。そのステム3はスプリング3bなどの従来公知の付勢部材により、ハウジング2に対して上方に付勢されている。そのスプリング3bは前記ハウジング2の底部2cを足場にし、ステム3の下端を上方に付勢している。
前記ステム3は、ステム孔3aが設けられている内部ステム6と、その内部ステム6の上部に装着され、容器本体21の口部21aから上方に突出し、その上端付近に押しボタン8が設けられる外部ステム7とからなる。また外部ステム7を内部ステム6に回動自在に設けてもよい。
前記内部ステム6は、下向きの椀状で、その下面にスプリング3bの一端が係止される大径の椀状部6aと、その椀状部6aの上面の中央付近から上方に突出する小径の棒状部6bとを有している。
前記椀状部6aの上面で棒状部6bの付け根の周囲には、前記ピストン4の下部が係合する環状の溝6cが形成されている。
前記棒状部6bの根本付近には、円柱部6dが設けられており、その周面に前記ステム孔3aが形成されている。さらに棒状部6bは円柱部6dの上端から上方に縮径する傾斜部6eを有し、傾斜部6eの上端から上方に同径の小筒部6fが形成されている。前記棒状部6bには、軸方向に連通路6gが形成されており、その下端で前記ステム孔3aと連通している。
前記外部ステム7は、前記椀状部6aとほぼ同径で、前記棒状部6bの外周との間に隙間を空けて配置される筒状のスカート部7aと、そのスカート部7aから上方に延び、前記棒状部6bの小筒部のほぼ上半分を内部に挿入する筒状部7bとを有している。筒状部7bは、初期状態において、容器本体21の口部21a(図1参照)からほぼ全体が突出しており、その突出した部位の上方に押しボタン8が取り付けられている。
前記内部ステム6と外部ステム7は押しボタン8(図1参照)を押し下げると一体となって作動し、外部ステムのスカート部7aの下端(押動部7c)が後述するピストン4の当接部4cと当接してピストンを下方に移動させる。
図1に戻って、前記ハウジング2の環状片2fの先端には、押さえ部材9が設けられている。その押さえ部材9は、前記ハウジング2の筒部2dの内周壁とほぼ密接するように差し込まれる筒状のスペーサ部9aと、そのスペーサ部9aの上縁から半径方向の外向き延びる環状シール片9bとを有している。スペーサ部9aは下端がピストンの上端と当接し、初期状態でのピストンの位置決めをする。環状シール片9bは、外向きフランジの下面がハウジング2の環状片2fの上面と当接している。一方、環状シール片9bの内向きフランジの下面は、ステムが上昇端にあるときに、外部ステム7のスカート部7aの上面を押えており、ステム3の上方への飛び出しを規制している。
また前記環状シール片9bの上面と、内向きフランジの内端にかけて、断面形状が略L字状のシール材10が設けられている。そのシール材10は、キャップ23の螺合により、その下面で押圧され、押さえ部材9とキャップ23の間および押さえ部材9と外部ステム7の間をシールしている。このためステム3が上下動しても、容器本体21とステム3との間の気密性を維持するようにされている。
前記ピストン4は、二重の筒状を呈しており、内側のステム孔閉鎖部4aと、外側の連通孔閉鎖部4bと、これらを連結する当接部4cとからなる。ピストン4は内部ステム6
と外部ステム7の間で上下動可能に設けられている。ピストン4の材質はポリプロピレン、ポリアセタールなどの合成樹脂により成形されたものが用いられる。
ここから図2bを用いて説明する。前記ステム孔閉鎖部4aは、前記内部ステム6の円柱部6d、傾斜部6e、小筒部6fの周面に当接するような形状に形成されており、当接部4cから上方に縮径するテーパーシール部4eと、その上部には上方に長く延びる筒状の尾部4dが設けられており、当接部4cから下方に円筒シール部4fが設けられている。初期状態では、前記テーパーシール部4eの内面が内部ステム6の傾斜部6eの外面と当接し、さらに前記円筒シール部4fの下端が内部ステム6の環状の溝6cに係止されて、ステム孔3aがシールされる。なお、尾部4dは、先端付近が内部ステム6の棒状部6bと外部ステム7のスカート部7aとの間の隙間に挿入されており、ステム3を押動すると前記隙間に深く差し込まれる。
前記連通孔閉鎖部4bは、上下方向の中央付近で前記当接部4cに連結されており、その中央部を基端として上下端が半径方向の外向きに傾斜するように延びている。前記連通孔閉鎖部4bは、上下端近辺を半径方向の内向きに撓ませることにより、前記シリンダ2の筒部2dの内面に弾力的に当接している。そしてその弾力的な当接状態を維持したままで、筒部2dの内を上下動するように設けられている。図1では連通孔閉鎖部4bの上方の部位で前記連通孔2bを塞いでいる。
図2aに示すように、前記ピストン4とステムが初期状態にあるとき、前記外部ステム7の押動部7cとピストン4の当接部4cとは、第1作動量H1を空けて配置されている。
図1に戻って、前記弁5は、通常は容器本体内の圧力が高いときは、その圧力により上方に移動し、前記導入孔2aを開放している。一方、容器本体内の圧力が低くなってポンプ吐出を行うときには、ピストン4の下方への移動により貯留室B内が加圧され、前記ボールは下方に移動し、前記導入孔2aを閉じる。また、ポンプ吐出により内容物を吐出しピストンが上方へ移動するときは、前記ボールは上方へ移動して導入孔2aを解放し、貯留室B内に内容物を導入する。なお、前記貯留部Bは、前記ピストン4、前記ハウジング2の底部2bおよび筒部2cとで囲まれる空間である。
前記キャップ23は、その内周面に前記容器本体21のネジ部21bに螺合するメネジ部23aが形成されている。その天井部の内面には段部23b(図3a参照)が形成され、その段部23bにより前記シール材10が押圧されている。また天井部の中心は開口しており、前記外部ステム7が突出している。その開口の周縁からは筒状の規制筒部11が上方に延びている。
なお前記キャップ23はネジ機構により容器本体21に螺合しているが、キャップ23を容器本体21の口部21aの上端付近にかしめにより固定してもよい。
図3aおよび図3bに示すように、前記規制筒部11は、全体として筒状であり、その内側に階段状に高さが変化する切り欠き部が形成されている。その切り欠き部を形成する各階段の上面は、それぞれ上方の第1操作規制部11aと、その第1操作規制部11aより低い第2操作規制部11bである。また前記第1操作規制部11aに連続し、さらに上方に突出する壁の側面部は、ストッパ11cであり、押しボタン8のL方向の回動(図3b参照)を規制する部分である。
前記第1操作規制部11aと第2操作規制部11bとの高さは、第1作動量H1である。また第2操作規制部11bの高さは、ステム3の最大ストローク(第2作動量H2)以上にされている。
図1に戻って、前記押しボタン8には、その下面から上方に向けて延びる筒状の溝8aが形成されている。またその溝8a内の内側の壁面には、半径方向の外向きに突出する突起8b(図3b参照)が設けられている。
そして前記溝8aにキャップ23の規制筒部11が挿入されている。これら規制筒部11と突起8bで切替機構12を構成している。
さらに前記押しボタン8の溝8aの内面のうち外側の面が、規制筒部11の外周面に摺接している。すなわち押しボタン8の回動と下方への移動が、規制筒部11により案内されている。このため、押しボタン8を大きく下方に移動させ、ポンプ機構を作動させるための第2操作がスムーズで、かつ、安定する。
なお前記規制筒部11を容器本体21の上方の空いているスペースに設けてもよい。例えば肩部から上方に突出させてもよい。さらに外部ステム7の容器本体21から外部に突出している部位に規制筒部11と当接する突起8bを設けてもよい。
さらに前述の実施形態では前記キャップ23に規制筒部11を設けているが、押しボタン8に規制筒部11を設け、キャップ23に突起8bを設けてもよい。
次に図4を用いて切替機構12が作動する様子を説明する。前記押しボタン8の突起8bの下面が、第1操作規制部11aに載置されている状態は、前記切替機構12のロック状態T1である。このロック状態T1では、前記突起8bの下面が第1操作規制部11aに当接しており、押しボタン8を下方に押動することができない。
また前記ロック状態T1の位置にある押しボタン8をR方向(図3b参照)に回動すると、前記突起8bが第2操作規制部11bの上方に配置される。このため押しボタン8が第2操作規制部11bに当接するまで、すなわち前記ステム3(図2a参照)を第1作動量H1で下方に移動でき、これによりステム孔3aが開放されて(ピストンは作動しない)エアゾール吐出ができる。この状態はエアゾール吐出状態T2である。また前記ロック状態T1にある押しボタン8は、前記ストッパ11cにぶつかってL方向に回動できない。このためロック状態T1からエアゾール吐出状態T2への回動が確実になる。すなわち押しボタン8を反対向きに回動したり、一回転以上回転すると、どの状態にあるのか把握するのが困難になるからである。
さらに前記エアゾール吐出状態T2の位置にある押しボタン8をR方向に回動し、前記第2操作規制部11bを超えて配置する。この状態はフリー状態T3である。このとき押しボタン8は、最大ストローク(第1作動量H1と第2作動量H2の和)で下降端まで押動することができ、ピストン4を作動してポンプ吐出することができる。
前記内容物24(図1参照)は容器内では液体であり、後述する加圧剤により霧状(ミスト状)、ゲル状、クリーム状、フォーム状などの状態に吐出される。用途としては特に限定されず、たとえば、化粧水、クレンジング、冷却剤、コロンなどの化粧品、制汗剤、虫除け、殺虫剤などの医薬部外品、消炎鎮痛剤、かゆみ止め、殺菌消毒剤などの医薬品、洗浄剤などの家庭用品、潤滑剤、防錆剤などの工業用品などが挙げられる。
また前記加圧剤25(図1参照)は圧縮ガスを用いることが好ましく、たとえば、窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気、アルゴン、およびこれらの混合物などが挙げられる。
次に図5を用いて前記吐出装置1のバルブ22がエアゾール吐出およびポンプ吐出する様子を説明する。
前記押しボタン8を押し下げていない初期状態(S1)では、スプリング3bの付勢力によりステム3とピストン4が共に上昇端にあり、ピストンのステム孔閉鎖部4aによりステム孔3aを閉じている。容器本体内の加圧剤の圧力で内容物が加圧されている場合は、導入孔2aが解放され、貯留室B内は内容物が導入されている。
次いで前記押しボタン8をロック状態T1からR方向に回動してエアゾール吐出状態T2(図4および図3b参照)とし、押しボタン8を押し下げるとステム3は第1作動量H1だけ下方に移動するが、ピストンは下方に移動せず上昇端にある。このとき、ステム孔3aはステム孔閉鎖部4aよりも下方に移動し解放される。これにより容器本体21(図1参照)内の加圧剤25の圧力により、貯留室B内の内容物がステム孔3aを通じて押しボタン8から外部に連続的に吐出されると共に、下方の導入孔2aから新たな内容物が貯留室Bに導入される。(状態S2)。このとき前記外部ステム7の押動部7cはピストン4の当接部4cに当接あるいは接近している。
その後、加圧剤の圧力が小さくなって吐出しにくくなったり、誤使用により加圧剤25がなくなり吐出できなくなった場合には、前記押しボタン8をさらにR方向に回動してフリー状態T3(図4および図3b参照)にし、第1作動量H1に第2作動量H2を加えた作動量で押動する。そうすると外部ステム7の押動部7cがピストン4の当接部4cに当接してピストン4を下方に押動する。これにより前記ピストン4が下方に移動して、連通孔閉鎖部4bが連通孔2bから離れ、連通孔2bが開放される。このため容器本体21内の圧力とピストン4の上面側の圧力が等圧になると共に、ピストン4の下降により貯留室Bの容積が減少して貯留室Bの内圧が高くなる。このため前記弁5が導入孔2aを閉じ、貯留室B内の内容物24がステム孔3aを通じて、押しボタン8から外部へ吐出される(状態S3)。
また内容物24(図1参照)を吐出した後には、スプリング3bによりステム3は上方に付勢され、再びステム3およびピストン4は元の位置に戻る(状態S1)。このとき貯留室Bは負圧になるので、導入孔2aから内容物24が吸い上げられる。そして前記連通孔2bおよびステム孔3aが閉じられる。
図6に吐出製品の他の実施形態を示す。このものの図1で説明した吐出製品20と同じ部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
この吐出製品30に用いられる吐出装置31は、ステム3を傾動させることを第1操作としている。ピストン4はステム孔閉鎖部4aを備えてなく、また、内部ステム6の椀状部6aの上面にはステム孔閉鎖部4aの円筒シール部の下端を係止する環状の溝6cを備えていない。一方、椀状部6a上面の周縁に半径方向の外向きで、かつ、上方に向いている環状の突起6hが形成されている。その環状の突起6hは前記当接部4cの下面と当接し、ステム孔3aと貯留室Bの間をシールしている。またこの吐出装置31には、前述の吐出装置20とほぼ同様に、外部ステム7のスカート部7aの下端の押動部7cと、ピストン4の当接部4cとの間に空間(第1作動量H1)が設けられている。この空間は第1操作においては、ステム3を傾動させるために用いられる。この空間を利用して前記ステム3を傾動させると、前記環状の突起6hと当接部4cの下面との間に隙間ができ、ステム孔3aが開放される。
この吐出装置31の第2操作は、吐出装置1とほぼ同じように、ステム3の下方の移動により行われる。すなわち押しボタン32を押し下げると内部ステムの環状の突起6hがピストンの当接部4cの下面と離れ、ステム孔3aが解放される。押しボタンの操作量が第1作動量H1を超えると外部ステムの押動部7cがピストン4の当接部を押し下げて、ピストンが貯留室Bの容積を減少して貯留室Bの内圧が高くなる。これにより貯留室B内の内容物24がステム孔3aを通じて、押しボタン32から外部へ吐出される。
図7に示すように、前記吐出装置31の押しボタン32の外周には外向きに突出する突起32aが設けられている。また、キャップの規制筒部33は筒状であり、外周壁34を残して上端から下方に切り欠いた第1切欠部33aと、外周壁をなくし第1切欠部よりも押しボタン32が傾動できる程度に下方に切り欠いた第2切欠部33bと、第2切欠部よ
りもさらに下方まで切り欠いた第3切欠部33cを備えている。
図8に示すように、ロック状態T4においては、押しボタンの突起32aが第1切欠部内に配置されており、前記外周壁34の内面が突起32aの外周と当接して押しボタンの傾動を規制するとともに、第1切欠部33aの上面が突起32aの下面と当接して押しボタンの押動を規制するため、押しボタンを作動することができない。
次いで前記ロック状態T4の位置にある押しボタン32をR方向(図7参照)に回動すると、前記突起32aが第2切欠部33bの位置に配置され、外周壁34が外側に設けられていないため押しボタン32を傾動させることができる。しかし突起32aの下面が第2切欠部の上面と当接するため、エアゾール吐出はできるが、ポンプ吐出はできない。この状態はエアゾール吐出状態T5である。
さらに前記エアゾール吐出状態T5の位置にある押しボタン32をR方向に回動し、突起32aを第3切欠部33cの位置に配置すると、突起32aは規制されないため押しボタンを押動することができ、ポンプ吐出することができる。この状態はフリー状態T6である。
前記バルブとポンプのそれぞれの押しボタンによる第1操作および第2操作は、並列に操作されるものでもよい。この場合の切替機構12は、第1操作時にポンプの押しボタンが操作できないように、その上部をカバーで隠して実現される。またポンプの押しボタンを回動させて、その押しボタンの下面に前記規制筒部11と同様な作用、すなわち下方に押動できないようにする邪魔部材を配置してもよい。
またバルブとポンプのそれぞれの押しボタンによる第1操作と第2操作とが連動するようにしてもよい。すなわちエアゾールバルブの押しボタンの下方に、ポンプの押しボタンを設け、エアゾールバルブの押しボタンを押動させた後に、ポンプの押しボタンが一体となって、押動させるというものである。この場合もポンプの押しボタンを回動させて、その押しボタンの下面に前記邪魔部材が配置されるようにし、ポンプの押しボタンを下方に押動できないようにして第2操作を規制することができる。
1 吐出装置
2 ハウジング
2a 導入孔
2b 連通孔
2c 底部
2d 筒部
2e 鍔部
2f 環状片
2g 突出部
2h チューブ
3 ステム
3a ステム孔
3b 付勢部材
4 ピストン
4a ステム孔閉鎖部
4b 連通孔閉鎖部
4c 当接部
4d 尾部
4e テーパーシール部
4f 円筒シール部
5 弁
6 内部ステム
6a 椀状部
6b 棒状部
6c 環状の溝
6d 円柱部
6e 傾斜部
6f 小筒部
6g 連通路
6h 環状の突起
7 外部ステム
7a スカート部
7b 筒状部
7c 押動部
8 押しボタン
8a 溝
8b 突起
9 押さえ部材
9a スペーサ部
9b 環状シール片
10 シール材
11 規制筒部
11a 第1操作規制部
11b 第2操作規制部
11c ストッパ
12 切替機構
13 パッキン
20 吐出製品
21 容器本体
21a 口部
21b ネジ部
21c 胴部
22 バルブ
23 キャップ
23a メネジ部
23b 段部
24 内容物
25 加圧剤
30 吐出製品
31 吐出装置
32 押しボタン
32a 突起
33 規制筒部
33a 第1切欠部
33b 第2切欠部
33c 第3切欠部
34 外周壁
H1 第1作動量
H2 第2作動量
A エアゾール組成物
B 貯留室

Claims (6)

  1. 内容物とその内容物を加圧する加圧剤を充填した容器本体に、
    ステム、ピストン、およびこれらを収容するハウジングを有する弁機構が取り付けられ、ステムを操作する第1操作により加圧剤の圧力で内容物を吐出し、
    ピストンを操作する第2操作により前記ピストンの加圧力で内容物を吐出する
    吐出装置。
  2. 前記ステムがピストンロッドを兼ねている請求項1または2に記載の吐出装置。
  3. 前記弁機構が、第2操作の規制と解除を切り替える切替機構を備えている
    請求項1記載の吐出装置。
  4. 前記第1操作がステムの下方への第1作動量による押動であり、第2操作が前記第1作動量を超える押動である請求項3記載の吐出機構。
  5. 前記第1操作がステムの傾動であり、第2操作がステムの押動である請求項3記載の吐出機構。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の吐出装置に内容物と加圧剤を充填している、吐出製品。
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