JP2017190140A - 噴射製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】パウダーを含有する内容物を用いても、良好に作動する噴射製品を提供する。【解決手段】パウダーを含有する原液2aと圧縮ガス2bとが充填された容器本体3と、容器本体3に取り付けられたバルブ機構4とを備え、バルブ機構4は、連通路をシールする閉止モードと、圧縮ガス2bの加圧力により原液2aを噴射する第1噴射モードと、原液2aを加圧し噴射する第2噴射モードとに切り替え可能であり、ピストン部材10はゴム材からなり、閉止モードにおいてステム7と当接し、原液の連通路をシールするシール部11cと、第1噴射モードにおいてステム7と摺動する内側筒状部と、第2噴射モードにおいてハウジング5内を摺動する外側筒状部と、内側筒状部と外側筒状部とを連結する連結部とを備えている。【選択図】図1

Description

この発明は、噴射製品に関する。特に、パウダーを含有する内容物を圧縮ガスやポンプ機構による加圧力で噴射する噴射製品に関する。
特許文献1には、パウダーを含む原液と圧縮ガスとを充填し、圧縮ガスにより原液を加圧して噴射するエアゾール噴射と、ポンプ機構で原液を加圧して噴射するポンプ噴射ができる噴射製品が開示されている。エアゾール噴射とポンプ噴射の切り替えは、ステムラバーとピストンとを兼ねるピストン部材の下動の有無で行っている。具体的に説明すると、エアゾール噴射時は、ピストン部材を下動させることなく、ステムのみを下動させることでステム孔を開放して原液を噴射し、ポンプ噴射時は、ステムの下動に合わせてピストン部材を下動させることで原液を加圧、噴射している。なお、噴射方法の切り替えを実現するために、特許文献1の噴射製品では、ピストン部材の上方(具体的には、連結部の上方)において、ピストン部材とステムとの間に上下方向の隙間(遊び)を設け、この遊び分は、ステムが下動してもピストン部材には当接せずステムの下動にピストン部材が連動しないが、遊び分を超えてステムが下動すれば、ステムがピストン部材に当接しピストン部材も下動するといった仕組みを導入している。
また、特許文献2には、ピストン部材に相当するゴム弁の材料として、ニトリルゴムを用いるポンプ式製品が開示されている。
特開2015−202903号公報 特開2014−221664号公報
ところで、上記遊びは原液の連通路には面しておらず、遊び部分へのパウダーの侵入は想定されていない。ところが、パウダーを含有する原液を圧縮ガスやポンプ機構により噴射すると、パウダーが各部材間の隙間を通じて遊び部分にまで入り込み、ピストン部材上に徐々に蓄積していくことがあった。この場合、遊びの上下方向の間隔が狭くなってしまうため、ステムのみを十分に下動させることができなくなり、エアゾール噴射することができなくなる等の不具合を生じる。
そこで、本発明は、パウダーを含有する内容物を用いても、良好に作動する噴射製品の提供を目的とする。
本発明の噴射製品は、パウダーを含有する原液2aと圧縮ガス2bとが充填された容器本体3と、容器本体3に取り付けられたバルブ機構4と、バルブ機構4に取り付けられた噴射部材16とを備えた噴射製品1であって、バルブ機構4は、ハウジング5と、ハウジング5内に上下動自在に収容されたステム7と、ハウジング5内に上下動自在に収容され、ステム7の下動に対して遊びをもって追随するピストン部材10と、ステム7を上方に付勢するバネ部材14とを備え、ピストン部材10とステム7とを当接させ、原液2aの連通路をシールする閉止モードと、ステム7の下動によりシールを開放しつつも、ピストン部材10はステム7の下動に対して共動させず、圧縮ガス2bの加圧力により原液2a
を噴射する第1噴射モードと、ステム7の下動によりシールを開放しつつ、ピストン部材10をステム7の下動に対して共動させて原液2aを加圧し噴射する第2噴射モードとに切り替え可能であり、前記ピストン部材10はゴム材からなり、閉止モードにおいてステム7と当接し、原液2aの連通路をシールするシール部11cと、第1噴射モードにおいてステム7と摺動する内側筒状部11と、第2噴射モードにおいてハウジング5内を摺動する外側筒状部12と、内側筒状部11と外側筒状部12とを連結する連結部13とを備えていることを特徴としている。
また、前記ゴム材が、アクリロニトリルゴムであることが好ましい。
ステム7が、ピストン部材10を下動させるピストン押下げ部9dを有しており、ピストン押下げ部9dが、原液2aの連通路に面して設けられていることが好ましい。
原液2aの連通路が、ピストン部材10の連結部13の下面および内側筒状部11の内周面と、ステム7の外面との間に形成されており、ピストン押下げ部9dを、内側筒状部11の上端に当接させることでピストン部材10を下動させることが好ましい。
この発明の噴射製品は、ピストン部材がゴム材からなるため、閉止モードにおけるシール性が良く、圧縮ガスの漏れを抑制することができる。また、第1噴射モードにおいてステムと摺動する内側筒状部を備えている、換言すれば、ステム移動時にステムと内側筒状部との間に隙間が形成されないため、意図しない箇所へのパウダーの入り込みを抑制することができる。また、第2噴射モードにおいてハウジング内を摺動する外側筒状部を備えている、換言すれば、ピストン部材移動時にハウジングと外側筒状部との間に隙間が形成されないため、ハウジング内の原液を加圧し易く、また、意図しない箇所へのパウダーの入り込みを抑制することができる。
ゴム材がアクリロニトリルゴムであれば、摺動時のステムやハウジングとのシール性に優れているため、圧縮ガスの漏れや、パウダーの意図しない箇所への入り込みを抑制することができる。
ステムがピストン押下げ部を有しており、ピストン押下げ部が原液の連通路に面して設けられている、具体的には、原液の連通路が、ピストン部材の連結部の下面および内側筒状部の内周面と、ステムの外面との間に形成されており、ピストン押下げ部を、内側筒状部の上端に当接させることでピストン部材を下動させていれば、第2噴射モードにおいて摺動面にパウダーが付着しても掻き落とすことができ、さらに連結部の上面側にパウダーが入り込まないため、パウダーの蓄積が抑制され、ピストン部材の良好な作動を維持し続けることができる。
本発明の噴射製品の一実施形態を示す断面図である。 バルブ機構の各部材を示す断面図である。 噴射部材とネジキャップを示す断面図である。 バルブ機構の作動状況を示す断面図であって、(a)は閉止モード、(b)は第1噴射モード、(c)は第2噴射モードを示す。
次に、この発明の噴射製品1について、図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示すように、この発明の噴射製品1は、内容物2を充填するための容器本体3と、この容器本体3に取り付けられるバルブ機構4と、バルブ機構4に取り付けられる噴射部材1
6とを備えている。なお、内容物2は、パウダーを含有する原液2aと圧縮ガス2bとからなる。
本発明の噴射製品1は、噴射部材16の操作の有無や程度によって、容器本体3のシール状態を維持し、原液2aの噴射を行わない閉止モード(図4a)と、シールを開放し、圧縮ガス2bの加圧力により原液2aを噴射する第1噴射モード(エアゾール噴射:図4b)と、シールを開放し、ポンプ操作の加圧力により原液2aを噴射する第2噴射モード(ポンプ噴射:図4c)とに切り替えることができるようになっている。具体的には、後述する噴射部材のトリガーを操作しなければ閉止モードを維持し、トリガーを僅かに引けば第1噴射モードに移行し、さらにトリガーを引けば第2噴射モードに移行するようになっている。以下、まずはそれぞれの構成について説明し、その後、各モード時の動作について説明する。
パウダーは、原液2aの溶媒に溶解せず、微細な粒子の状態で分散しており、パウダー自体が有効成分として作用したり、サラサラにして使用感を向上させる、乳化助剤などとして作用するものであって、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アルミニウムなどの制汗剤、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄(黄色、赤、黒)、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、無水ケイ酸、タルク、マイカ、アルミナ、セリサイト、カオリン、雲母、ベントナイト、モンモリオナイト、無水ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、群青、ベンガラ、カーボンブラック、ゼオライト、ナイロンパウダー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、コーンスターチなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パウダーの含有量は原液中0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましい。パウダーの含有量が0.5質量%未満の場合はパウダーを含有する効果が得られにくくなる傾向がある。また、10質量%よりも多い場合は均一な組成で噴射しにくくなり、噴射孔や通路内で詰まりやすくなる傾向がある。
原液2aには、溶媒、有効成分、分散剤、油分、水溶性高分子などを含有させることができる。溶媒としては、例えば、精製水、イオン交換水などの水、エタノール、イソプロパノールなどの1価アルコールおよびこれらの混合物があげられる。
溶媒の含有量は原液中70〜99.5質量%であることが好ましく、80〜99質量%であることがより好ましい。溶媒の含有量が70質量%未満の場合は使用前に容器を振ってもパウダーが均一に分散しにくくなり、噴射通路で堆積しやすく、また詰まりやすくなる傾向がある。また、99.5質量%よりも多い場合はパウダーの含有量が少なくなり、パウダーの効果が得られにくくなる。
有効成分としては、例えば、天然香料、合成香料などの各種香料;l−メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、コラーゲン、ヒアルロン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤;レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールおよびこれらの混合物などのビタミン類;アスコルビン酸、α−トコフ
ェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤;グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸;パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤;ローヤルゼリーエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの抽出液;酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸、ミョウバンなどの収斂剤;アラントイン、グリシルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤;ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキスなどの消臭剤;ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤;アルブチン、コウジ酸など
の美白剤などが挙げられる。
有効成分の含有量は原液中0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜8質量%であることがより好ましい。有効成分の含有量が0.01質量%未満の場合は有効成分の効果が得られにくくなる傾向がある。また、10質量%よりも多い場合は有効成分によっては人体に悪影響を及ぼす恐れがある。
分散剤としては、たとえば、ソルビタンモノオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
油分としては、たとえば、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、エチルヘキサン酸ブチルエーテルプロパンジオール、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコールなどのエステルオイル、オリーブ油、ホホバ油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油などの油脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどのロウ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコールなどがあげられる。
水溶性高分子としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース系高分子、カラギーナン、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどのガム質、ゼラチン、デキストラン、デキストリン、ペクチン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、変性ポテトスターチなどのデンプン類、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなどがあげられる。
圧縮ガス2bとしては、たとえば、窒素、炭酸ガス、圧縮空気およびこれらの混合物があげられる。圧縮ガス2bにより、容器本体3内を0.2〜0.8MPa(25℃、ゲージ圧)に加圧することが好ましく、0.3〜0.6MPa(25℃、ゲージ圧)に加圧することがさらに好ましい。圧力が0.2MPaよりも低い場合は、圧縮ガス2bによりエアゾール噴射できる期間が短くなり、連続噴射でき操作しやすい効果が得られる期間が短くなる。圧力が0.8MPaよりも高い場合は、耐圧強度の高い容器本体が必要になる。
容器本体3は、内容物2を充填するための耐圧容器であり、図1に示すように、底部3aと、筒状の胴部3bと、胴部3bよりも小径であって、胴部3bの上部に一体的に設けられた筒状の首部3cとを備えている。首部3cの上部には開口3dが形成されている。また、首部3cの外周には、後述するネジキャップ18を螺合するための雄ネジ部3eが形成されている。この容器本体3は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂、アルミニウム、ブリキなどの金属からなるが、特に限定されるわけではなく、種々の材質から形成される。
バルブ機構4は、常時は容器本体3内を密閉し、噴射部材16の操作時に、容器本体3内と外気とを連通し容器本体3から原液2aを噴射するための部材である。また、上記の通り、圧縮ガス2bの加圧力により原液2aを噴射する第1噴射モードと、ポンプ操作の加圧力により原液2aを噴射する第2噴射モードの切り替えを実現するための部材でもあり、言わばエアゾールバルブとしての機能とポンプとしての機能とを兼ね備えた部材である。このバルブ機構4は、図1に示すように、ハウジング5と、ハウジング5内に収容されるバルブ本体6を備えている。バルブ本体6は、ハウジング5内に上下動自在に収容されるステム7と、同じくハウジング5内に上下動自在に収容され、ステム7の下動に対して遊びを持って追随するピストン部材10と、ステム7を上方に付勢するバネ部材14と、ステム7およびピストン部材10の位置決めをする位置決め部材15とを有している。
ハウジング5は、上下端が開口した円筒状の部材であって、その内部空間が、ピストン部材10によって第1空間S1と第2空間S2とに区画されている。第1空間S1は、容器本体3から取り込まれる原液2aが通過または一時的に貯留される空間であって、ピストン部材10の下方に形成されており、第2空間S2は、外部から導入された空気(外気)が通過する空間であって、ピストン部材10の上方に形成されている。
ハウジング5の上端には、図2に示すように、径外方向に延出するフランジ部5aが周設されている。フランジ部5aは、容器本体3にハウジング5を位置決めするための部位であり、フランジ部5aの外径は、容器本体3の開口3dとほぼ同じである。フランジ部5aの下面と容器本体3の首部3cの上端との間には、環状のガスケット5bが設けられている。
ハウジング5の下端近傍には、バネ部材14を挿入状態で支持するために、ハウジング5の胴部5cよりも小径とされたバネ支持部5dが形成されている。また、バネ支持部5dの下方には、ディップチューブ17を接続するための接続部5eが形成されている。接続部5eはバネ支持部5dよりも小径とされている。バネ支持部5dと接続部5eとは液相連通孔5fによって連通している。この液相連通孔5fは、閉止モードにおいて、バネ
支持部5d側に設けられたボール弁Bによって閉止されている。
ボール弁Bは、容器本体3から第1空間S1への一方的な原液2aの取り込みを行う弁機構(ボール弁機構)を形成するために設けられている。ボール弁機構は、バネ支持部5dと接続部5eとの境界部近傍の内周面を下方に向かって小径にしてなるテーパー部5gに対し、ボール弁Bを落とし込むことで形成されている。ボール弁Bは、噴射部材16を操作しないときは、自重により液相連通孔5fを閉塞し、第1空間S1と容器本体3内とを区画する。一方で、噴射部材16を操作することで第1空間S1内の圧力が下がると、容器本体3内の圧縮ガス2bの圧力によって浮き上がり、第1空間S1と容器本体3とを連通する。
ハウジング5の側面には、容器本体3内の減圧を補うための空気導入孔5hが形成されている。空気導入孔5hは、閉止モード及び第1噴射モードでは、ピストン部材10によって閉塞されている。第2噴射モードでは、ピストン部材10が下方に移動することで開放され、第2空間S2と容器本体3内の気相とを連通する。
バルブ本体6は、容器本体3から取り込まれた原液2aを噴射部材16に送るための部材であり、上記の通り、ステム7と、ピストン部材10と、バネ部材14と、位置決め部材15とを備えている。
ステム7は、図1に示すように、内部ステム8と、内部ステム8の上部に装着され、ハウジング5の上端に形成された開口3dから突出する外部ステム9とからなる。内部ステム8と外部ステム9は同軸上に設けられており、上下動自在にハウジング5内に収容されている。
内部ステム8は、図2に示すように、ハウジング5の胴部5cの内径と略同径とされた椀状部8aと、椀状部8aよりも小径であって、椀状部8aの上面中央から上方に延びる円筒状の円筒部8bとを有している。椀状部8aの外周縁には、原液2aの上方への通路を確保するため、複数の連通溝8cが上下方向に向かって形成されている。また、椀状部8aの上面には、後述するピストン部材10の内側筒状部11の下端と当接する当接溝8dが、円筒部8bを囲むようにして形成されている。椀状部8aの下面には、バネ部材14の上部を挿入状態で支持するバネ支持凹部8eが形成されている。なお、本願発明の内部ステム8には、ステム孔は設けられていない。原液2aの連通路は、内部ステム8の内側ではなく、内部ステム8の外周面とピストン部材10の内周面との間に設けられる。そこで、ピストン部材10の内周面(後述する内側筒状部11の内周面)を内部ステム8の円筒部8bの外周面に当接させないよう(原液2aの連通路を確保できるよう)に、円筒部8bの外周面に、上下方向に延びるリブ8fを形成している。ただ、リブ8fを含めた外径より、内側筒状部11の内径のほうが大とされているため、通常、内側筒状部11がリブ8fに当接することはなく、両者間には隙間が形成される。
外部ステム9は、内部ステム8の円筒部8bを取り囲む円錐台形のスカート部9aと、スカート部9aの上端から上方にかけて縮径する縮径部9bと、縮径部9bから上方に延びる筒状部9cとを有している。筒状部9cは、そのほとんどが容器本体3の開口3dから上方に突出しており、噴射部材16が取り付けられている。
スカート部9aは、第1空間S1から第2空間S2側への原液2aの流入を阻止するための部位であって、その内周面は、どのモードであっても、内側筒状部11と常に当接している。スカート部9aの内径は、円筒部8bの外径よりも大きく、スカート部9aの内周面と円筒部8bの外周面との間に原液2aの通路が形成されている。スカート部9aの内周面には、その上部に、内側筒状部11の上端と当接し、ピストン部材10を下動させ
るためのピストン押下げ部9dとして環状突起が周設されている。環状突起9dは、閉止モードでは内側筒状部11の上端と上下方向に十分に離間しており、第1噴射モードでも当接せず、第2噴射モードに移行してはじめて当接する(図4a〜c参照)。
筒状部9cの下方には、内部ステム8を挿着するための挿入孔9eが形成されている。挿入孔9eを形成する筒状部9cの内周壁には、内部ステム8を挿入孔9eに挿着した状態において、スカート部9aの内周面と円筒部8bの外周面との間に形成された通路と、外部ステム9内の通路とを連通するため、上下方向に向かって複数の通路溝9fが形成されている。
ピストン部材10は、ハウジング5の内部空間を第1空間S1と第2空間S2とに常に区画しつつも、第1空間S1と外気とを適宜連通したり、空気導入孔5hを適宜開閉するための部材である。このピストン部材10は、内側筒状部11と、この内側筒状部11の外側に設けられる外側筒状部12と、内側筒状部11の下部近傍と外側筒状部12の中央部近傍とを連結する連結部13とを有している。
内側筒状部11は、どのモードであっても、スカート部9aの内周面と当接し、第1空間S1と第2空間S2とを常に区画する上部内側筒状部11aと、閉止モードにおいて内部ステム8の当接溝8dと当接し、外気と第1空間S1とを区画するとともに、第1噴射モード、第2噴射モードでは当接溝8dと当接せず、外気と第1空間S1とを連通させる下部内側筒状部11bとを有している。上部内側筒状部11aは、上方に向かうにつれて径外方向に拡径しており、最外径(上端近傍の外径)は、スカート部9aの内径よりも大とされている。そのため、上部内側筒状部11aは、常に弾性力(付勢力)をもってスカート部9aの内周面に当接している。また、上部内側筒状部11a(連結部13の上面から上端まで)の上下方向の長さは、スカート部9aの下端から環状突起9dまでの上下方向の長さよりも長く形成されている。従って、スカート部9aの下端は連結部13の上面に当接することはなく、両者間には常に所定量以上の隙間が形成される。なお、下部内側筒状部11bは、当接溝8dの深さと同程度の長さである。
外側筒状部12は、第2噴射モードにおいて、ステム7と共動してハウジング5内を上下方向に摺動し、空気導入孔5hを適宜開閉するための部位であり、上部外側筒状部12aと、下部外側筒状部12bとを有する。上部外側筒状部12aおよび下部外側筒状部12bは、先端に向かうにつれて径外方向に拡径しており、弾性力をもってハウジング5の内周面に当接している。
ピストン部材10を構成する材料としては、閉止モードにおいて、(1)下部内側筒状部11bと内部ステムの当接溝8dとの間、(2)上部内側筒状部11aとスカート部9aの内面との間、(3)外側筒状部12とハウジングの胴部5cの内面との間のシール、第1噴射モードにおいて、(2)上部内側筒状部11aとスカート部9aの内面との間の摺動シール、(3)外側筒状部12とハウジングの胴部5cの内面との間のシール、第2噴射モードにおいて、(2)上部内側筒状部11aとスカート部9aの内面およびピストン押し下げ部9dとの間のシール、(3)外側筒状部12とハウジングの胴部5cの内面との間の摺動シールが得られやすい点から合成ゴム、具体的には、アクリロニトリルゴムが好適である。但し、シリコーンゴムであっても良い。
バネ部材14は圧縮コイルバネであって、ステム7を上方に付勢するための部材であり、上方が椀状部8aの下面に形成されたバネ支持凹部8eに挿入され、下方がバネ支持部5dに挿入されている。上下端はそれぞれ縮径しており、下端においてはボール弁Bの上方への過度の移動を規制している。
位置決め部材15は、ハウジング5の内周面と外部ステム9の外周面との間に介在し、ステム7の上方向および横方向の位置決めを行うための部材である。具体的には、バネ部材14によって上方に付勢されたステム7を一定高さに留めるとともに、ハウジング5の同心円状に位置させるための部材である。また、ピストン部材10の上部外側筒状部12aの上端と当接し、ピストン部材10の上方向(上端)の位置決めを行うための部材でもある。この位置決め部材15は、内面形状が、スカート部9aから筒状部にかけての外形と略同形状とされた筒部15aと、筒部15aの上端近傍から径外方向に向かって周設された延出部15bとを有する。延出部15bの上面には環状シール材15cが設けられている。
上記構成のバルブ本体6は、図1に示すように、ネジキャップ18を容器本体3に螺合することにより、容器本体3に固定されている。ネジキャップ18は、図3に示すように、中央に開口が形成された円盤状の天板部18aと、天板部18aの外周端から下方に延設された周壁部18bと、天板部18aの上面から上方に延設された円筒状の装着部18dとを有している。周壁部18bの内周面には、容器本体3の首部3cの雄ネジ部3eと螺合するための雌ネジ部18cが形成されている。ネジキャップ18は、螺合による下方への締付力によって、天板部18aでハウジング5と位置決め部材15とを下方に押し付けている。それにより、フランジ部5aと首部3cの上端との間に位置するガスケット5bと、延出部15bの上面に設けられた環状シール材15cとを押圧し、シールを形成している。なお、ネジキャップ18は、容器本体3に噴射部材16を取り付けるための部材でもある。装着部18dの外周面には、後述する噴射部材16の本体部23bと係合するための係合片18eが周設されている。
噴射部材16は、外部ステム9に装着される噴射ノズル部材19と、ネジキャップ18に装着される操作部材23と、噴射ノズル部材19をガイドするガイド部材25とを有している。
噴射ノズル部材19はL字型の筒状体であり、一端側に外部ステム9の筒状部9cに接続されるステム接続部19aを有し、他端側に先端ノズル22を取り付けるノズル接続部19bを有する。また、噴射ノズル部材19の外周面には、後述するレバー24の軸受24aに当接する回転軸19cが形成されている。
ステム接続部19aには、外部ステム9の内径より小径の接続筒20が挿着されている。そして、ステム接続部19aの内周面と、接続筒20の外周面との間に形成された接続溝に外部ステム9の筒状部9cが挿入されることで、噴射ノズル部材19が外部ステム9に装着されている。外部ステム9の外周面と接続筒20の内周面との間のシールを形成するため、外部ステム9の上端近傍にOリング21が位置している。
先端ノズル22は、原液2aの噴射方向や噴射形状を調整するための冶具であり、噴射ノズル部材19に挿入される挿入部22aと、ノズルチップ22bとを有する。
操作部材23は、ステム7を摺動させるための部材であり、ネジキャップ18の装着部18dに装着されるレバー支持部23aと、レバー支持部23aに軸支されたレバー24とを有する。
レバー支持部23aは、円筒状の本体部23bと、本体部23bの外周から突出する支持アーム23eとを有する。本体部23bは、下方に開口する環状溝23cが形成されている。環状溝23c内には径外方向に没入する係合溝23dが設けられており、装着部18dの係合片18eが係合している。支持アーム23eの上端には、レバー24を軸支するための回動軸23fが形成されている。
レバー24は、噴射時に使用者が操作する部位であり、一端が回動軸23fに軸支され、他端が指を添えるトリガーとなっている。レバー24の中央部近傍には、噴射ノズル部材19に対応する軸受24aが設けられている。
ガイド部材25は、ネジキャップ18の内周面と、噴射ノズル部材19の外周面との間に介在し、噴射ノズル部材19の上下方向の摺動をガイドするための部材である。このガイド部材25は円筒状であって、上下端が開口している。また、ネジキャップ18内へ過度に進入しないように、外周面には、軸方向略中央部において張出部25aが形成されている。
上記構成の噴射製品1は、レバー24を操作しない非噴射状態(閉止モード)では、図4aに示すように、バネ部材14が内部ステム8を上向きに付勢しているので、下部内側筒状部11bの下端が当接溝8dに当接した状態を維持する。すなわち、下部内側筒状部11bの下端がシール部11cとなっている。従って、原液2aが噴射されることはない。なお、閉止モードでは、上部外側筒状部12aの上端が、位置決め部材15の下端に当接している。すなわち、位置決め部材15がピストン部材10の上下方向の位置決めとして機能している。
第1噴射モード、すなわち、原液2aを圧縮ガス2bによる加圧力で噴射する場合は、トリガーを引くことで、レバー24を回動軸23fを起点として回動させ、軸受24aを介して噴射ノズルを下方に押し下げる。この際、図4bに示すように、ステム7は下方へ移動するが、上部内側筒状部11aの上端と環状突起9dとが十分に離間している、換言すれば、上部内側筒状部11aの上端と環状突起9dとの間に「遊び」が設けられているため、環状突起9dにピストン部材10が当接することはなく、ピストン部材10はほとんど移動せず、ステム7のみの摺動を許容する。そのため、下部内側筒状部11bの下端と当接溝8dとの間に隙間が生じ(シールが開放され)、容器本体3内と外気とが連通状態となる。容器本体3内は圧縮ガス2bによって加圧されているため、連通路内で圧力差が生じ、圧縮ガス2bによって加圧されている原液2aがボール弁Bを上方に持ち上げて、第1空間S1に供給される。第1空間S1に供給された原液2aは、さらに、連通溝8c、下部内側筒状部11bの下端と当接溝8dとの間、スカート部9aの内周面と円筒部8bの外周面との間、通路溝9f、外部ステム9内通路、接続筒20内、噴射ノズル部材19内を経てノズルチップ22bから噴射される。このように、第1噴射モードでは、原液2aは、圧縮ガス2bの加圧力によって連続的に噴射される。すなわちエアゾール噴射される。
第1噴射モードからさらにトリガーを引くと、シールの開放を維持したまま、ステム7がさらに下方へ移動する(図3の一点鎖線参照)。すると、図4cに示すように、上部内側筒状部11aの上端に環状突起9dが当接し、ピストン部材10もハウジング5内を下方に向かって摺動し始める。このように、ピストン部材10が第1噴射モードでは下動せず、第2噴射モードではじめて下動するといった状況は、ピストン部材10がステム7の下動に対して即応するのではなく、遊びを持って追随するとも言える。これにより、空気導入孔5hが開放され、第2空間S2と容器本体3内とが連通する。この際、容器本体3内が外気よりも低圧であれば、容器本体3内に外気が導入される。具体的には、噴射部材16の各構成部材間の隙間から、位置決め部材15の内周面と外部ステム9の外周面との間の隙間、空気導入孔5hを経て容器本体3内に外気が導入される(吸気動作)。また、第1空間S1の容積が減少し、第1空間S1内の圧力が上昇する。そして、第1空間S1内の圧力が容器本体3内の圧力と等しくなると、ボール弁Bが下方に落ち込み、液相連通孔5fを閉止する。その結果、第1空間S1に貯留されている原液2aがポンプ機構による加圧力によって噴射される(第2噴射モード)。
その後、使用者がトリガーから手を離すと、復帰動作および第1空間S1への原液2aの取り込み動作が開始される。すなわち、バネ部材14の付勢力により、ステム7が上方へ移動する。同時に、当接溝8dに下部内側筒状部11bの下端が当接し、シールを形成した状態でピストン部材10も上方へ移動する。これにより、減少していた第1空間S1の容積が元に戻っていくため、第1空間S1内の圧力が下がる。そして、第1空間S1内の圧力が容器本体3内の圧力を下回ると、原液2aがボール弁Bを持ち上げ、第1空間S1内に汲み上げられる。汲み上げ中は、空気導入孔5hは開放されたままであり、汲み上げによる減圧を補うようにして、外気が容器本体3内に導入される。その後、ピストン部材10の上昇に伴い空気導入孔5hが再び閉止され、第2空間S2と容器本体3内とが区画される。取り込まれた原液2aは、再びトリガーを引けば上記の要領でポンプ噴射される。
上記構成の噴射製品1は、ピストン部材10の素材としてゴム材を用いているため、比較的硬質な合成樹脂からなるピストン部材10に比べて、閉止モードにおけるシール性が高い。また、第1噴射モードでは、噴射操作によりステム7が降下するとき、ピストン部材10の内側筒状部11の外周面と外部ステム9のスカート部9aの内周面との間に隙間を作ることなく(当接状態を維持したままで)摺動するため、第2空間S2側への原液2aの流れ込みを抑えることができる。また、第2噴射モードでは、外側筒状部12がハウジング5の内周面に当接しながら摺動するため、ハウジング5に導入されている原液2aを加圧し易く、また、ハウジング5の内周面と外側筒状部12の外周面との間からの第2空間S2側への原液2aの流れ込みを抑えることができる。そのため、ピストン部材10の上部へのパウダーの蓄積を抑制することができ、ピストン部材10の動作を良好に維持することができる。
また、従来の噴射製品は、スカート部9aの下端を連結部13の上面に当接させることでピストン部材10を押し下げる方式を採っており、連結部13の上面とスカート部9aの下端との間に、ピストン部材10の下方への移動に先行してステム7を下方に移動させるための「遊び」を設けている。そのため、連結部13の上面にパウダーが僅かにでも蓄積すると、「遊び」が小さくなり、ステム7の下動に対して、早い段階でピストン部材10が下動することになる。この場合、下部内側筒状部11bの下端と当接溝8dとの間に所望の隙間が形成されず、原液2aを意図したとおりに噴射できないといった不具合を生じる。また、「遊び」がパウダーによって埋まった場合は、ステム7とピストン部材10とが同時に下動することとなり、下部内側筒状部11bの下端と当接溝8dとの間に隙間が形成されず、原液2aを全く噴射できなくなる。これに対して、本願発明の噴射製品1は、上部内側筒状部11aの上端を環状突起9dで押し込むことでピストン部材10を押し下げる方式を採っており、上部内側筒状部11aの上端と環状突起9dとの間に「遊び」を設けているため、万が一、パウダーが連結部13側に入り込んだとしても、連結部13の上面へのある程度のパウダーの蓄積を許容することができ、長期に亘り安定した作動を実現することができる。
さらに、本願発明の噴射製品は、ステム孔を設けるのではなく、ピストン部材10の内周面と内部ステム8の外周面との間に原液2aの連通路を設けているため、流路面積が大きく、パウダーの詰まりを抑制することができる。さらに、下部内側筒状部11bの下端と、当接溝8dとの間が全て連通路となる(全周が連通路となる)ため、噴射の度に当接溝8d内が洗い流されることになり、当接溝8d内へのパウダーの蓄積を抑制し、良好なシールを維持し続けることができる。
<実施例>
PETボトル(容器本体)に、原液として、パウダー(クロルヒドロキシアルミニウム
およびタルク)を4重量%含有するアルコール原液240gを充填し、圧縮ガスとして窒素ガスを充填しバルブ機構を取り付けた。容器内の圧力は0.45MPa(25℃、ゲージ圧)である。バルブ機構に図1に示す噴射部材を取り付けた。なお、噴射ノズル部材には、噴口φ0.45、メカニカルブレークアップ機構が形成されているノズルチップを備えている。ピストン部材は、アクリロニトリル(NBR)製である。
<比較例>
ポリプロピレン(PP)製のピストン部材を使用している他は、上記実施例と同様である。
[噴射試験]
窒素ガスによるエアゾール噴射では、1日に1秒間の噴射を3回行った。これを1セットとする。エアゾール噴射で原液を130g噴射した時点でポンプ噴射に切り替えた。ポンプ噴射では、1日に10回の噴射を行った。これを1セットとする。
[評価基準]
◎:パウダーが噴口で詰まることなく霧状に噴射できた
○:パウダーの付着により噴射状態が一部変化したが噴射できた
×:窒素ガスが漏れてエアゾール噴射できなくなった
−:噴射できなくなったため評価せず
Figure 2017190140
表1の通り、実施例ではエアゾール噴射およびポンプ噴射共に安定した噴射を維持し続け、最後まで噴射できた。これに対して比較例は、エアゾール噴射ではすぐに窒素ガスが漏れて噴射できなくなった。
以上に、この発明の代表的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、トリガーの引き具合を制限し、モードの変更を規制する規制部材を取り付けるようにしても良い。
1・・噴射製品
2・・内容物
2a・・原液
2b・・圧縮ガス
3・・容器本体
3a・・底部
3b・・胴部
3c・・首部
3d・・開口
3e・・雄ネジ部
4・・バルブ機構
5・・ハウジング
5a・・フランジ部
5b・・ガスケット
5c・・胴部
5d・・バネ支持部
5e・・接続部
5f・・液相連通孔
5g・・テーパー部
5h・・空気導入孔
6・・バルブ本体
7・・ステム
8・・内部ステム
8a・・椀状部
8b・・円筒部
8c・・連通溝
8d・・当接溝
8e・・バネ支持凹部
8f・・リブ
9・・外部ステム
9a・・スカート部
9b・・縮径部
9c・・筒状部
9d・・ピストン押下げ部(環状突起)
9e・・挿入孔
9f・・通路溝
10・・ピストン部材
11・・内側筒状部
11a・・上部内側筒状部
11b・・下部内側筒状部
11c・・シール部
12・・外側筒状部
12a・・上部外側筒状部
12b・・下部外側筒状部
13・・連結部
14・・バネ部材
15・・位置決め部材
15a・・筒部
15b・・延出部
15c・・環状シール材
16・・噴射部材
17・・ディップチューブ
18・・ネジキャップ
18a・・天板部
18b・・周壁部
18c・・雌ネジ部
18d・・装着部
18e・・係合片
19・・噴射ノズル部材
19a・・ステム接続部
19b・・ノズル接続部
19c・・回転軸
20・・接続筒
21・・Oリング
22・・先端ノズル
22a・・挿入部
22b・・ノズルチップ
23・・操作部材
23a・・レバー支持部
23b・・本体部
23c・・環状溝
23d・・係合溝
23e・・支持アーム
23f・・回動軸
24・・レバー
24a・・軸受
25・・ガイド部材
25a・・張出部
B・・ボール弁
S1・・第1空間
S2・・第2空間

Claims (4)

  1. パウダーを含有する原液と圧縮ガスとが充填された容器本体と、
    容器本体に取り付けられたバルブ機構と、
    バルブ機構に取り付けられた噴射部材とを備えた噴射製品であって、
    バルブ機構は、
    ハウジングと、
    ハウジング内に上下動自在に収容されたステムと、
    ハウジング内に上下動自在に収容され、ステムの下動に対して遊びをもって追随するピストン部材と、
    ステムを上方に付勢するバネ部材とを備え、
    ピストン部材とステムとを当接させ、原液の連通路をシールする閉止モードと、
    ステムの下動によりシールを開放しつつも、ピストン部材はステムの下動に対して共動させず、圧縮ガスの加圧力により原液を噴射する第1噴射モードと、
    ステムの下動によりシールを開放しつつ、ピストン部材をステムの下動に対して共動させて原液を加圧し噴射する第2噴射モードとに切り替え可能であり、
    前記ピストン部材はゴム材からなり、
    閉止モードにおいてステムと当接し、原液の連通路をシールするシール部と、
    第1噴射モードにおいてステムと摺動する内側筒状部と、
    第2噴射モードにおいてハウジング内を摺動する外側筒状部と、
    内側筒状部と外側筒状部とを連結する連結部とを備えている
    ことを特徴としている噴射製品。
  2. 前記ゴム材が、アクリロニトリルゴムである請求項1記載の噴射製品。
  3. ステムは、ピストン部材を下動させるピストン押下げ部を有しており、
    ピストン押下げ部は、原液の連通路に面して設けられている
    請求項1又は2記載の噴射製品。
  4. 原液の連通路は、ピストン部材の連結部の下面および内側筒状部の内周面と、ステムの外面との間に形成されており、
    ピストン押下げ部を、内側筒状部の上端に当接させることでピストン部材を下動させる
    請求項3記載の噴射製品。
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