JP6715140B2 - 噴射容器、キャップ部材及び噴射製品 - Google Patents

噴射容器、キャップ部材及び噴射製品 Download PDF

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Description

本発明は、内容物を収容する容器本体と、前記容器本体内に収容された内容物を噴射する噴射口が穿設されたノズル部を有する噴射器とを備える噴射容器、そのような噴射容器に用いられるキャップ部材、及びそのような噴射容器に内容物を収容した噴射製品に関する。
従来から、女性又は男性化粧品用、髭剃り用、頭髪用、消臭用、芳香用、医薬用、防虫用、殺虫用等の様々な内容物を噴射口から噴射するエアゾール製品が普及している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−99868号公報
このようなエアゾール製品を繰り返し使用すると、噴射口及びその周辺部に内容物が付着し、固化又はペースト状化する場合がある。そして、内容物が固化又はペースト状化した状態が継続すると、付着固化した固化物等が次第に大きくなって噴射口を塞ぎ、内容物の噴射不良、更には噴射不能な状態を引き起こす場合がある。しかも、付着固化した固化物等がある程度大きくなった状態を放置すると、固化物の除去さえも容易ではなくなるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、噴射口が穿設された噴射面を球冠状に形成し、噴射口との相対的な移動により噴射面に付着した内容物を除去する除去部を設けることにより、付着した内容物を除去することが可能な噴射容器の提供を主たる目的とする。
また、本発明は、本発明に係る噴射容器に用いられるキャップ部材の提供を他の目的とする。
また、本発明は、本発明に係る噴射容器に内容物を収容した噴射製品の提供を更に他の目的とする。
上記課題を解決するために、本願記載の噴射容器は、内容物を収容する容器本体と、前記容器本体内に収容された内容物を噴射する噴射口が穿設されたノズル部を有する噴射器とを備える噴射容器であって、前記ノズル部は、噴射口が穿設された噴射面が、曲率半径3〜6mmの球冠状に形成されており、前記噴射器の近傍に配置され、前記噴射面に付着した内容物を除去する除去部を備え、前記除去部が前記噴射器に対して相対的に動く場合、前記除去部は前記噴射面上を摺動することを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記ノズル部は、噴射する内容物の流路となり、一端側に前記噴射口が位置するノズル管を備え、前記ノズル管の内径は、前記噴射口側に向かって漸次狭小していることを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記噴射口を覆うことが可能なキャップ部材を備え、前記除去部は、前記キャップ部材に設けられていることを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記キャップ部材は、着脱可能であり、前記除去部は、前記キャップ部材の着脱の際に、前記噴射面上を摺動することを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記除去部は、前記キャップ部材が装着された場合に、前記噴射口よりも装着方向奥側に位置するように前記キャップ部材に設けられていることを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記噴射器は、前記容器本体の上端部に設けられ、前記噴射口が側部に穿設されており、前記キャップ部材は、前記噴射器を覆うように上方から装着可能であり、前記除去部は、前記キャップ部材が装着された場合に、前記噴射口よりも下側に位置するように前記キャップ部材に設けられていることを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記キャップ部材は、円筒状をなし、前記除去部は、前記キャップ部材の内周側に設けられていることを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記噴射器を露出させ、かつ前記噴射器の周囲を囲うように配設されたカバー部材を備え、前記噴射器の回動又は前記噴射器を中心とした前記カバー部材の回動により、前記カバー部材は、前記噴射器の周囲を相対的に移動可能であり、前記除去部は、前記カバー部材に設けられており、前記除去部は、前記カバー部材の移動の際に、前記噴射面上を摺動することを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記噴射器は、前記容器本体の上端部に設けられ、前記噴射口が側部に穿設されており、前記噴射器を露出させ、かつ前記噴射器の周囲を環状に囲うように配設されたカバー部材と、前記カバー部材に突設され、前記除去部を設けられた突設支持部とを備え、前記カバー部材は、前記噴射器の周囲を周方向に移動可能であり、前記除去部は、前記カバー部材の移動の際に、前記噴射面上を摺動することを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記カバー部材及び噴射器を相対的に移動させることにより、噴射の可否を切り替える可能であることを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記除去部は、櫛状、ブラシ状又は可撓性を有するブレード状をなすことを特徴とする。
また、前記噴射容器において、前記除去部は、ゴム弾性を有することを特徴とする。
また、前記噴射容器において、エアゾール式噴射容器又はポンプ式噴射容器であることを特徴とする。
更に、本願記載のキャップ部材は、内容物を収容する容器本体と、前記容器本体内に収容された内容物を噴射する噴射口が穿設されたノズル部を有する噴射器とを備える噴射容器の噴射口を覆うことが可能なキャップ部材であって、前記噴射容器に使用可能であることを特徴とする。
更に、本願記載の噴射製品は、前記噴射容器が備える容器本体内に内容物を収容し、収容した内容物を噴射口から噴射可能であることを特徴とする。
本願記載の噴射容器、キャップ部材及び噴射製品は、噴射口及び/又は噴射口の周囲に付着した内容物を除去することが可能である。
本発明に係る噴射容器は、噴射口が穿設された噴射面を球冠状に形成し、噴射口との相対的な移動により噴射面に付着した内容物を除去する除去部を設けている。また、本発明に係るキャップ部材は、本発明に係る噴射容器に使用可能であり、除去部が設けられている。また、本発明に係る噴射製品は、本発明に係る噴射容器に内容物を収容している。これにより、本発明は、噴射口及び/又は噴射口の周囲に付着した内容物を、噴射口及び除去部の相対的な移動により、除去部が内容物を除去することが可能である等、優れた効果を奏する。そして、この効果は、内容物が固化又はペースト状化して噴射口を塞ぎ、内容物の噴射不良、更には噴射不能な状態を引き起こすことを防止するという付随的な効果にも繋がり得る。
本発明に係る噴射容器の外観の一例を示す斜視図である。 本発明に係る噴射容器に用いられるキャップ部材の一例を示す図面である。 本発明に係る噴射容器の上部の一例を示す縦断面図である。 本発明に係る噴射容器が備える噴射器のうちノズル部を主として示す横断面図である。 本発明に係る噴射容器の上部の一例を示す縦断面図である 本発明に係る噴射容器が備える噴射器のうちノズル部を主として示す横断面図である。 本発明に係る噴射容器の上部の一例を示す図面である。 本発明に係る噴射容器が備える各種部材の一例を示す図面である。 本発明に係る噴射容器の上部の外観の一例を上斜方からの視点で示す斜視図である。 本発明に係る噴射容器の上部の一例を様々な視点で示す図面である。 本発明に係る噴射容器の上部の一例を様々な視点で示す図面である。 本発明に係る噴射容器の上部の一例を様々な視点で示す図面である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<実施形態1>
図1は、本発明に係る噴射容器の外観の一例を示す斜視図である。図1は、本発明に係る噴射容器1をエアゾール式噴射容器に適用した例を示している。噴射容器1は、内容物を収容する容器本体10と、容器本体10に収容された内容物を噴射する噴射ボタンとして機能する噴射器11と、着脱可能なキャップ部材12とを備えている。図1(a)は、キャップ部材12を装着した状態を示しており、図1(b)は、キャップ部材12を外した状態を示している。容器本体10は、有底円筒状をなし、上底となる上端部に噴射器11が設けられている。噴射器11は、容器本体10に収容された内容物を噴射する噴射口111が穿設されたノズル部110を有している。噴射口111は、噴射器11の側部に穿設されており、使用者が、容器本体10を握持して、噴射器11を上方から押下することにより、側部に穿設された噴射口111から内容物が側方へ噴射する。なお、以降の説明では、エアゾール式噴射容器について説明するが、本発明に係る噴射容器1は、ポンプ式噴射容器等の各種の内容物を噴射することができる様々な噴射容器1に適用することが可能である。
図2は、本発明に係る噴射容器1に用いられるキャップ部材12の一例を示す図面である。図2(a)は、一部切欠斜視図であり、図2(b)は、平面図である。キャップ部材12は、樹脂製で円筒状をなしている。キャップ部材12の天部の中央部分は、円筒状の窪みが形成されており、円筒状の窪みの底面に貫通孔121が開設されている。キャップ部材12の貫通孔121の内周側には、ゴム弾性を有するエラストマー素材により形成された櫛状をなす除去部120の突起がキャップ部材12の中心軸側へ向けて多数突設されている。そして、キャップ部材12を容器本体10に取り付ける場合、及び取り外す場合に、噴射器11の噴射口111が穿設された噴射面112に除去部120が接触し、その状態で摺動することにより、噴射口111及び噴射面112に付着している内容物を掻き取って除去することができる。
図3は、本発明に係る噴射容器1の上部の一例を示す縦断面図であり、図4は、本発明に係る噴射容器1が備える噴射器11のうちノズル部110を主として示す横断面図である。図3は、噴射容器1の上部の縦断面を主として噴射器11について示しており、図4は、噴射容器1について主にノズル部110の横断面を示している。噴射器11は、ノズル部110を有しており、本体容器に収容された内容物を噴射する噴射ボタンとして機能する。容器本体10の上端には、バルブステム101が設けられており、バルブステム101はノズル部110に連結している。ノズル部110は、噴射口111が穿設された噴射面112を備えるとともに、噴射する内容物の流路として水平方向に延伸するノズル管113を備えており、ノズル管113の一端側には噴射口111が位置し、他端側はバルブステム101と連通している。
噴射面112は、噴射方向に突出した球冠状に形成されており、球冠の直径方向にノズル管113が延びている。なお、図3及び図4は、曲率半径4.5mmの球冠状に形成された噴射面112が形成された例を示しており、曲率半径は、3〜6mmとすることが好ましい。ノズル管113は、直線状に延びる管であり、ノズル管113の内径は、バルブステム101との連結部分から中央部付近までは一定であるが、噴射口111側の先端近傍は、噴射口111側に向かって漸次狭小している。図3及び図4では、ノズル管113の先端近傍の内径が120°の角度で漸次狭小している形態を例示しており、中央部付近の内径は、1.2mmであるのに対し、先端の内径は、0.5mmまで縮小している。ノズル管113の先端には、内径0.5mm×厚み0.2mmの部材を用いた内径0.5mmの噴射口111が設けられている。
図5は、本発明に係る噴射容器1の上部の一例を示す縦断面図である。図5(a)は、キャップ部材12を取り付けている途中の状態を示し、図5(b)は、キャップ部材12の取り付けが完了した状態を示している。キャップ部材12は、容器本体10及び噴射器11の上方から被せ、図5(a)に示す状態から矢印にて示すように更に押し下げることで、キャップ部材12の下端部に、容器本体10の上端外周縁部が嵌合する。そして、図5(b)に示すようにキャップ部材12が容器本体10に取り付けられた場合、キャップ部材12の天部から形成された窪みの底面に開設された貫通孔121の内周側に突設された除去部120の位置は、噴射器11の噴射口111の位置よりも低い位置となる。即ち、キャップ部材12が容器本体10に装着された場合、除去部120は、噴射口111よりも装着方向奥側に位置する。
従って、キャップ部材12を容器本体10に取り付ける場合、及び取り外す場合に、キャップ部材12の窪みの底面に開設された貫通孔121の内周部に突設された櫛状の多数の突起にて形成される除去部120が、噴射器11の噴射口111及び噴射口111が穿設された噴射面112に接触し、接触部分を引っ掻いて擦るように摺動する。このような摺動により、噴射口111及び噴射口111の周辺に付着又は固化或いはペースト状化した内容物が削がれ除去されることになる。
また、噴射口111が穿設された噴射面112が噴射方向となる外側に膨出する球冠状に形成することにより、内容物が噴射面112に付着し難く、しかも、付着した場合も掻き取り易くなる。図6は、本発明に係る噴射容器1が備える噴射器11のうちノズル部110を主として示す横断面図である。図6は、噴射容器1のノズル部110の横断面により、噴射面112の変形例を示している。図6(a)は、噴射面112の曲率半径が3mmの例、図6(b)は、噴射面112の曲率半径が4mmの例、図6(c)は、噴射面112の曲率半径が5mmの例、そして、図6(d)は、噴射面112の曲率半径が6mmの例を示している。内容物が噴射面112に付着し難く、かつ付着した内容物を掻き取り易くなるという効果は、図6(a)〜図6(d)に示すように、球冠の曲率半径を3〜6mmとすることで顕著となる。
更に、ノズル管113の内径を噴射口111側に向かって漸次狭小するように形成することにより、ノズル管113の内径を一定にした場合と比べて、液滴径を小さくし、内容物を細かな霧状に噴霧(噴射)することが可能となる。なお、ノズル管113の噴射口111近傍を、複数の細溝が螺旋状に形成されたメカニカルブレークアップ機構に形成することでも、細かな液滴の霧を噴霧することが可能であるが、細溝が形成されたメカニカルブレークアップ機構では、目詰まりが発生し易いという問題点がある。対して、ノズル管113の内径を漸次狭小した場合は、この様な目詰まりの発生を起こすこと無く、液滴を細かくすることが可能である。
<実施形態2>
実施形態2の説明において、実施形態1と同様の構成については、実施形態1を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
図7は、本発明に係る噴射容器1の上部の一例を示す図面である。図7(a)は、噴射容器1の上部の外観を示す正面図である。図7(b)は、キャップ部材12を装着した噴射容器1について、ノズル部110及び装着されたキャップ部材12を主とした横断面を模式的に示している。
実施形態2において、容器本体10の上端には、キャップ部材12と相互に螺合可能な雄ネジ部102が形成されている。キャップ部材12は、下面が開口し、上底を有する有底円筒状をなし、下端部分の内周には、容器本体10の雄ネジ部102に螺合する雌ネジ部122が刻設されている。使用者は、容器本体10の上端の雄ネジ部102に上方からキャップ部材12を螺着させることにより、噴射器11はキャップ部材12に覆われる。
キャップ部材12の内周側には、キャップ部材12の中心軸方向へ向かってブラシ状の除去部120が2箇所に突設されている。図7では、キャップ部材12の内周側に除去部120が2箇所に突設されているが、突設させる個数は適宜決定することが可能であり、更には、内周側の全範囲に設けることも可能である。
従って、キャップ部材12は、容器本体10の雄ネジ部102に螺合していく場合、及び取り外す場合に、キャップ部材12の内周面に突設されたブラシ状の除去部120の先端が噴射器11の噴射口111及び噴射口111が穿設された噴射面112に接触し、接触部分を擦るように摺動する。このような摺動により、噴射口111及び噴射口111の周辺に付着又は固化或いはペースト状化した内容物が削がれ除去されることになる。
<実施形態3>
実施形態3の説明において、実施形態1と同様の構成については、実施形態1を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
図8は、本発明に係る噴射容器1が備える各種部材の一例を示す図面である。図8(a)は、キャップ部材12の外観を上斜方からの視点で示す斜視図である。図8(b)及び図8(c)は、キャップ部材12を装着した噴射器11の縦断面を模式的に示しており、図8(b)が噴射口111を覆っている状態を示し、図8(c)が噴射口111を開放して使用する状態を示している。
実施形態3に係る噴射容器1は、キャップ部材12を噴射器11から取り外さなくても、使用することが可能である。実施形態3において、キャップ部材12は、下面が開口し、上底を有する有底円筒状をなしている。キャップ部材12の上底面には径方向に一定幅で延びる切り欠きがある。切り欠きは、キャップ部材12の上底面を両方の縁部まで延びており、更に縁部から下方へ向かってキャップ部材12の側壁部の途中まで延伸している。
キャップ部材12の上底面の切り欠きには、噴射器11の押下に用いられる板状の押下部材123が嵌合している。押下部材123は、上底面の切り欠きに嵌合する天部と、天部の縁部から噴射口111側の下方へ屈曲した側部とを有しており、側部の先端の内周側には、キャップ部材12の中心軸方向へ向かってブラシ状の除去部120が突設されている。また、上底面の中心から噴射口111側にずれた位置に、切り欠きを幅方向に渡す揺動軸125が架設されており、揺動軸125により、押下部材123は揺動自在に軸支されている。噴射器11の上端には、キャップ部材12の上底面の略中心の下方に位置し、押下部材123の天部に下方から当接する当接部材124が配設されている。
そして、使用者は、押下部材123の噴射口111とは反対側の縁部を白抜き矢印にて示すように押下することで、図8(b)から図8(c)に示すように、押下部材123が揺動軸125を中心に、図8に向かって左回りに揺動し、当接部材124を上方から押圧する。また、押下部材123が揺動することにより、噴射器11の噴射口111の前方が開放される。当接部材124が上方から押圧されることにより、噴射器11が太線矢印にて示すように下方に移動し、これにより下降したバルブステム101を通って容器本体10に収容された内容物が噴射口111から噴射される。そして、使用者が押下部材123の押下を止めた場合、バルブステム101が上昇するため、押下部材123が逆方向に揺動し、噴射口111の前方が押下部材123に覆われる。なお、押下部材123が必要以上に揺動しないように、押下部材123の揺動範囲は、図示しない規制部材により規制されている。
従って、キャップ部材12に軸支された押圧部材が揺動する場合、押圧部材の側部の内周側に突設されたブラシ状の除去部120の先端が噴射器11の噴射口111及び噴射口111が穿設された噴射面112に接触し、接触部分を擦るように摺動する。このような摺動により、噴射口111及び噴射口111の周辺に付着又は固化或いはペースト状化した内容物が削がれ除去されることになる。
なお、実施形態3は、押圧部材が揺動することにより、除去部120が噴射口111及び噴射面112を摺動する構成であれば、様々な形態に展開することが可能である。例えば、当接部材124が押圧部材を下方から揺動自在に支持する形態でもよく、更には、その形態で、押圧部材及び当接部材124の双方をキャップ部材12側に取り付けても良く、また、噴射器11側に取り付けても良い。
<実施形態4>
実施形態4の説明において、実施形態1と同様の構成については、実施形態1を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
図9は、本発明に係る噴射容器1の上部の外観の一例を上斜方からの視点で示す斜視図である。図9(a)は、キャップ部材12を装着した噴射器11を、噴射口111が露出する斜め前方から示しており、図9(b)は、斜め後方から示している。図10は、本発明に係る噴射容器1の上部の一例を様々な視点で示す図面である。図10(a)は、キャップ部材12を装着した噴射器11の外観を示す正面図、図10(b)は、噴射器11の外観を示す側面図、図10(c)は、噴射器11の外観を示す平面図、そして、図10(d)は、噴射器11の縦断面を模式的に示している。
実施形態4に係る噴射容器1は、キャップ部材12を噴射器11から取り外さなくても使用することが可能である。キャップ部材12は、両矢印で示すように容器本体10の上端部で周方向に回動可能に形成されている。キャップ部材12の側壁の一部は、内側へ凹む凹部が形成されており、凹部に円形状の開口部が開設されている。そして、開口部が噴射器11の噴射口111の位置に合致するようにキャップ部材12を回動させることができる。また、キャップ部材12の上部から開口部の反対側の側壁にかけても開口しており、噴射器11を押下することができる。更に、回動するキャップ部材12の内周側には、ゴム弾性を有するエラストマー素材で形成されたブレード状の除去部120が、キャップ部材12の中心軸方向へ向かって突設されている。
開口部が噴射口111と合致する位置が、噴射可能(オープン)位置となり、開口部が噴射口111と合致しない位置が、噴射不能(ロック)位置となる。なお、噴射不能位置では、図示しない係合部材により、噴射器11は押下不能となっている。
従って、キャップ部材12が噴射可能位置から噴射不能位置、及び噴射不能位置から噴射可能位置へ回動する場合、押圧部材の側部の内周側に突設されたブレード状の除去部120の先端が噴射器11の噴射口111及び噴射口111が穿設された噴射面112に接触し、接触部分を擦るように摺動する。このような摺動により、噴射口111及び噴射口111の周辺に付着又は固化或いはペースト状化した内容物が削がれ除去されることになる。
実施形態4において、除去部120は、噴射可能位置における正面方向と、噴射不能位置における正面方向との間の位置に突設されている。また、ブレード状の除去部120は、板面を鉛直方向、即ち表裏の板面が回動方向と直角をなすように突設されることが望ましい。
<実施形態5>
実施形態5の説明において、実施形態1と同様の構成については、実施形態1を参照するものとし、詳細な説明を省略する。
図11は、本発明に係る噴射容器1の上部の一例を様々な視点で示す図面である。図11は、噴射可能(オープン)位置を示しており、図11(a)は、噴射器11の外観を示す平面図、図11(b)は、噴射器11の外観を示す側面図、そして、図11(c)は、図11(b)のA−B方向の断面図である。図12は、本発明に係る噴射容器1の上部の一例を様々な視点で示す図面である。図12は、噴射不能(ロック)位置を示しており、図12(a)は噴射器11の外観を示す平面図、図12(b)は、噴射器11の外観を示す側面図、そして、図12(c)は、図12(b)のC−D方向の断面図である。なお、噴射器11から延びる矢印は噴射方向を示している。
実施形態5に係る噴射容器1は、噴射器11を露出させた状態で、噴射器11の周囲を環状に囲うように配設されたカバー部材(肩カバー)13を備えている。カバー部材13には、上方へ向けて突設支持部130が突設されており、突設支持部130には、ゴム弾性を有するエラストマー素材で形成されたブレード状をなす除去部131が、噴射容器1の中心軸方向へ向けて突設されている。
カバー部材13は、噴射器11の周囲を環状に囲うように配設されており、噴射器11の外周部分を覆っているが、噴射器11自体は上方へ露出している。そして、使用者は、噴射可能位置において、噴射器11を押下することにより、内容物を図中矢印にて示す噴射方向へ向けて噴射させることができる。
実施形態5に係る噴射容器1では、噴射器11を噴射可能位置から噴射不能位置までの範囲で周方向に回動(揺動)可能に形成されている。即ち、噴射器11を周方向に回動させることにより、カバー部材13と噴射器11とは、周方向へ相対的に移動可能である。また、噴射器11の上部は、噴射方向に対して左右の側部が扁平状に形成されている。そして、使用者は、噴射器11の扁平部分を摘まんで、噴射可能位置から噴射不能位置までの範囲を容易に回動させることができる。
噴射器11が噴射不能位置にある場合、噴射口111は、突設支持部130にて覆われており、また、噴射器11は押下不能となっている。噴射器11が噴射可能位置にある場合、噴射口111の噴射方向は開放される。
そして、噴射器11が噴射可能位置から噴射不能位置、及び噴射不能位置から噴射可能位置へ回動する場合、突設支持部130の内周側に突設されたブレード状の除去部131の先端が噴射器11の噴射口111及び噴射口111が穿設された噴射面112に接触し、接触部分を擦るように摺動する。このような摺動により、噴射口111及び噴射口111の周辺に付着又は固化或いはペースト状化した内容物が削がれ除去されることになる。
実施形態5において、除去部131は、噴射可能位置における正面方向と、噴射不能位置における正面方向との間の位置に突設されている。また、ブレード状の除去部131は、板面を鉛直方向、即ち表裏の板面が回動方向と直角をなすように突設されることが望ましい。なお、噴射器11の向きを固定し、カバー部材13側が、噴射器11を中心として噴射器11の周囲を回動することにより、カバー部材13と噴射器11とが、周方向へ相対的に移動可能となるように構成しても良い。
<噴射容器>
以上、実施形態1〜5を例示して説明したように、本発明に係る噴射容器1は、噴射器11の噴射口111の近傍に除去部120(131)を設け、除去部120(131)又は噴射器11が相対的に移動することにより、除去部120(131)が噴射口111及び噴射口111が穿設された噴射面112に接触し、接触部分を擦るように摺動する。これにより、噴射口111及び噴射口111の周辺に付着又は固化或いはペースト状化した内容物が、スリ落とされ、刮ぎ落とされ、削がれることにより、除去される。
更に、本発明に係る噴射容器1は、噴射口111が穿設された噴射面112を噴射方向に膨出する球冠状に形成することにより、内容物が噴射面112に付着し難く、しかも、付着した場合も掻き取り易くなる。特に、内容物が噴射面112に付着し難く、かつ付着した内容物を掻き取り易くなるという効果は、球冠の曲率半径を3〜6mmとすることで顕著となる。
更に、本発明に係る噴射容器1は、ノズル管113の内径を噴射口111側に向かって漸次狭小するように形成することにより、ノズル管113の内径を一定にした場合と比べて、液滴径を小さくし、内容物を細かな霧状に噴霧(噴射)することが可能となる。しかも、メカニカルブレークアップ機構のような細溝を有していないため、目詰まりの発生を起こすこと無く、液滴を細かくすることが可能である。
また、前述の様に噴射容器1は、例示したエアゾール式噴射容器に限らず、ポンプ式噴射容器等の他の容器に適用することも可能である。
また、キャップ部材12の形態は適宜設計変更することが可能である。即ち、全体に上底面を有する有底円筒状のものでも良く、底面を持たない円筒状であっても良い。更に、キャップ部材12は、脱着可能な形態であっても、一部に切り欠きを有する形態であっても良い。即ち、キャップ部材12は、噴射器11の噴射口111の前方を覆うことが可能であれば良い。そして、前方を覆う部分に除去部120が取り付けられる。
また、キャップ部材12は、上下方向に着脱する形式、横方向に回動して開閉する形式、スクリュー式に回転させつつ開閉させる形式、往復回動する形式等の様々な形式に展開することが可能である。
また、キャップ部材12の除去部120は、櫛状、ブラシ状、ブレード状等の様々な形状に設計することが可能である。そして、除去部120は、ゴム弾性を有するエラストマー素材等の柔軟な材質を用いて形成することが望ましい。更に、複数のブラシ毛からブラシ状の除去部120を形成する場合、歯ブラシに設けられているような合成樹脂製の多数のブリッスルからなるブラシ毛を用いることが可能である。ブリッスルを形成する場合、必ずしも歯ブラシのように多数列に形成すること必要は無く、1列、2列程度の列数であっても良い。また、キャップ部材12の除去部120は、キャップ部材12の内周側の周方向の一部に設けていても、全周に設けていても良い。
また、除去部131は、噴射器11を露出させ、かつ噴射器11の周囲の一部又は全部を囲うように配設され、容器本体10の上部を覆うカバー部材13に設けるようにしても良い。
<噴射製品>
次に、上述した噴射容器に内容物を収容した噴射製品について説明する。噴射製品としては、内容物を噴射口から霧状に噴射する製品、噴射口から泡状に噴射する製品等の様々な製品を例示することができる。更に具体的には、ヘアスタイリングスプレー、ヘアスタイリングフォーム等の整髪用エアゾール製品;ヘアスタイリングミスト等の整髪用ディスペンサー製品;デオドラントスプレー、日焼け止めスプレー、シェービングフォーム等の身体・顔用エアゾール製品;デオドラントミスト、洗顔フォーム等の身体・顔用ディスペンサー製品;デオドラントスプレー等の衣類用エアゾール製品;デオドラントミスト等の衣類用ディスペンサー製品;ラッカースプレー等のエアゾール塗料製品等の噴射製品を例示列挙することができる。特に、本発明に係る噴射製品として適用しない場合には、内容物が噴射口部分に付着し、固化又はペースト状化し易く、本発明の係る噴射製品に適用することで効果が顕著となる整髪用エアゾール製品が好ましく、具体的にはヘアスタイリングスプレー、ヘアスタイリングフォームがより好ましい。
<内容物>
噴射容器に収容される内容物としては、
水;
エタノール;
アクリル樹脂アルカノールアミン液((アクリル酸アルキル/ジアセンアクリルアミド)コポリマーAMP)、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体液等のセット樹脂;
1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール;
軽質イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素油;
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル等のエステル油;
メチルフェニルシリコーン、シクロペンタシロキサン、ハイドロゲンジメチコン、カプリリルメチコン、ジメチコン等のシリコーン油;
セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンテシルテトラデシルエーテル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル(3E.O.)等の界面活性剤;
噴射剤;
香料;
フェノキシエタノール、オクトキシグリセリン、メチルパラベン等の防腐剤;
カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等の増粘性高分子;
クエン酸、クエン酸ナトリウム等のpH調整剤;
エデト酸塩、リン酸、ポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤;
酸化亜鉛、酸化チタン等の紫外線散乱剤;
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等の紫外線吸収剤;
メントール、メンチルグリセリルエーテル、メンチルラクテート、メントール配糖体、カンファー、ハッカ油、ペパーミント油、ユーカリプタスオイル等の冷感剤;
グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;
シャクヤク、ボタンピ、ビワ、アロエ等の植物抽出エキス;
トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;
アルブチン、アスコルビン酸等の美白剤;
シリカ、タルク、ナイロンパウダー等の粉体;
塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛等の制汗剤;
塩化ベンザルコニウム、ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化リゾチーム等の殺菌剤;
酸化亜鉛、アルキルジエタノールアミド、ヒドロキシアパタイト、茶抽出物等の消臭剤;
パントテニルアルコール
を例示列挙することができる。
特に、噴射容器がエアゾール式噴射容器である場合、上記内容物は、噴射剤を含み、原液及び噴射剤から構成される。なお、上記原液とは、噴射剤以外の内容物を意味し、即ち、内容物は、原液及び噴射剤のみから構成される。上記原液及び噴射剤は、原液中に噴射剤の一部が溶け込み完全に相溶して均一な状態で存在していても良い。一般的には、エアゾール式噴射容器において、内容物は、液相と気相とに分離して存在している。気相は噴射剤の気体成分から構成され、液相は原液のみから構成されるか、又は、噴射剤の液体成分及び原液から構成される。
上記噴射剤としては、特に限定されないが、空気、窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素等のガス(特に、圧縮ガスが好ましい);液化石油ガス(LPG;Liquefied Petroleum Gas)、ジメチルエーテル(DME:Dimethyl ether)、イソペンタン、フロロカーボン等の液化ガスを例示列挙することができる。上記噴射剤は、1種のみを用いても良く、2種以上を用いても良い。また、例えば、液化ガスのみ、圧縮ガスのみを用いても良く、液化ガス及び圧縮ガスを併用しても良い。
上記液化ガスとしては、特に、噴射力、環境保全、生産性等の観点から、LPG、DMEが好ましく、特にLPGはプロパン、ブタンの比率により噴射能等を制御することができるためより好ましい。上記LPGとしては、プロパンを0.1〜50質量%(より好ましくは1〜20質量%)、及びブタンを50〜99.9質量%(より好ましくは80〜99質量%)含むLPGが好ましい。
特に、噴射容器がエアゾール式噴射容器である場合、上記内容物中の原液の含有量は、内容物100質量%に対して、5〜99.5質量%が好ましく、より好ましくは30〜99質量%である。また、上記内容物中の噴射剤の含有量は、内容物100質量%に対して、0.5〜95質量%が好ましく、より好ましくは1〜70質量%である。なお、内容物中の原液の含有量と噴射剤の含有量との合計量は100質量%である。
以下に、ヘアスタイリングスプレー及びヘアスタイリングフォームの各用途における内容物の好ましい具体例を示す。但し、これに限定されるものではない。
<ヘアスタイリングスプレー>
内容物は、原液と噴射剤とから構成される。原液に含まれる特に好ましい成分としては、セット樹脂、エタノールが挙げられる。また、上記以外の原液に含まれる好ましい成分(添加成分)としては、多価アルコール、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、パントテニルアルコール、香料等が挙げられる。なお、添加成分は含まれなくても良い。原液100質量%中のセット樹脂の含有量(固形分の含有量)は、1〜15質量%が好ましい。原液100質量%のエタノールの含有量は、55〜99質量%が好ましい。原液100質量%中の添加成分の含有量は、0〜30質量%が好ましい。噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)100質量%が好ましい。原液と噴射剤との質量比(原液/噴射剤)は、30/70〜70/30が好ましい。
<ヘアスタイリングフォーム>
内容物は、原液と噴射剤とから構成される。原液に含まれる特に好ましい成分としては、セット樹脂、エタノールが挙げられる。また、上記以外の原液に含まれる好ましい成分(添加成分)としては、多価アルコール、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、界面活性剤、パントテニルアルコール、香料等が挙げられる。なお、添加成分は含まれなくても良い。原液100質量%中のセット樹脂の含有量(固形分の含有量)は、1〜10質量%が好ましい。原液100質量%の水の含有量は、60〜99質量%が好ましい。原液100質量%中の添加成分の含有量は、0〜30質量%が好ましい。噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)100質量%が好ましい。原液と噴射剤との質量比(原液/噴射剤)は、70/30〜99/1が好ましい。
次に、上述した噴射容器に係る実施例について、比較例とともに説明する。
下記の表1に示すように実施例1〜4及び比較例1〜4として記載した各種条件の噴射容器について、目詰まりの状況を評価する試験を行った。実施例1〜4及び比較例1〜4では、図1〜6を用いて説明したものと同様のエアゾール式噴射容器(容器本体、噴射器、キャップ部材(ポリプロピレン製))を使用した。ただし、噴射面の曲率半径R(単位:mm)を表1に示す通り変更している。使用した噴射器の径は17.2mmφ、キャップ部材の高さは32mm、中央部分の窪みの深さは17mm、外径は34.8mmφ、中央部分の窪みの径は22.4mmφ、貫通孔の径(ブラシの内径)は16.3mmφであった。また、キャップ部材は図5で示した態様で容器本体と係合する(係合時に、ブラシ状の除去部の位置が噴射口の位置よりも低い位置となる)。なお、比較例4ではキャップ部材を使用しなかった。
Figure 0006715140
試験の条件について説明する。下記組成の原液及び噴射剤を混合した内容物をエアゾール式噴射容器(サイズ:53mmφ×160mm、容量:180g)に収容し、噴射製品を得た。
(原液)
アクリル酸アルキルコポリマーAMP 9 質量%
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.2質量%
香料 0.1質量%
エタノール 90.7質量%
合計 100 質量%
(噴射剤)
LPG 100 質量%
原液/噴射剤(質量比) 60/40
得られた噴射製品を、温度10℃の環境で保管し、1日1回噴射する工程を50回繰り返した。即ち、50日間の試験で合計50回噴射を行った。キャップ部材の着脱は、1日1回の噴射時に行った。そして、「目詰まり」について以下の評価基準で評価を行った。
「目詰まり」については、各噴射時において、噴射状態(噴射方向、勢い、息継ぎ現象(噴射の途切れ)の有無)を観察し、以下の評価基準に基づいて官能評価を行った。
○(目詰まりなし):試験期間中に噴射方向の異常、噴射の勢いの低下、息継ぎ現象のいずれも生じない。
△(目詰まりあり):試験期間中に噴射方向の異常、噴射の勢いの低下、息継ぎ現象のいずれかが生じた。
×(目詰まり発生):試験期間中に完全に閉塞。
実施例1〜4は、ノズル管の先端近傍が噴射口に向かって漸次狭小し、噴射面の曲率半径がR=3,4,5,6(単位:mm)である噴射容器について評価した結果を示している。いずれの実施例においても、目詰まりは発生しなかった。
比較例1,2,3は、ノズル管の先端近傍が噴射口に向かって漸次狭小し、噴射面の曲率半径がR=7,2,0.5(単位:mm)である噴射容器について評価した結果を示している。比較例1,2は、目詰まりがあり(△)、比較例3については、目詰まりが発生して噴射口が完全に閉塞した(×)。
比較例4は、キャップ部材を着脱しなかった例であり、目詰まりが発生して噴射口が完全に閉塞した(×)。
次に本発明に係る噴射製品(特にエアゾール製品)の内容物の処方例を示す。
処方例1(ヘアスタイリングスプレー)
(原液)
アクリル樹脂アルカノールアミン液 5質量%
グリセリン 1質量%
エタノール 残部
合計 100質量%
(噴射剤)
LPG 100質量%
原液/噴射剤(質量比)=50/50
処方例2(ヘアスタイリングスプレー)
(原液)
アクリル樹脂アルカノールアミン液 3質量%
グリセリン 5質量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(15E.O) 1質量%
精製水 残部
合計 100質量%
(噴射剤)
LPG 100質量%
原液/噴射剤(質量比)=90/10
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形態で実施することが可能である。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、容器本体内に収容された内容物を噴射する噴射容器、噴射容器に用いられるキャップ部材、そして、容器本体内に内容物を収容した噴射製品として好適に利用することが可能である。
1 噴射容器
10 容器本体
101 バルブステム
102 雄ネジ部
11 噴射器
110 ノズル部
111 噴射口
112 噴射面
113 ノズル管
12 キャップ部材
120 除去部
121 貫通孔
122 雌ネジ部
123 押下部材
124 当接部材
125 揺動軸
13 カバー部材
130 突設支持部
131 除去部

Claims (15)

  1. 内容物を収容する容器本体と、前記容器本体内に収容された内容物を噴射する噴射口が穿設されたノズル部を有する噴射器とを備える噴射容器であって、
    前記ノズル部は、噴射口が穿設された噴射面が、曲率半径3〜6mmの球冠状に形成されており、
    前記噴射器の近傍に配置され、前記噴射面に付着した内容物を除去する除去部を備え、
    前記除去部が前記噴射器に対して相対的に動く場合、前記除去部は前記噴射面上を摺動する
    ことを特徴とする噴射容器。
  2. 請求項1に記載の噴射容器であって、
    前記ノズル部は、噴射する内容物の流路となり、一端側に前記噴射口が位置するノズル管を備え、
    前記ノズル管の内径は、前記噴射口側に向かって漸次狭小している
    ことを特徴とする噴射容器。
  3. 請求億1又は請求項2に記載の噴射容器であって、
    前記噴射口を覆うことが可能なキャップ部材を備え、
    前記除去部は、前記キャップ部材に設けられている
    ことを特徴とする噴射容器。
  4. 請求項3に記載の噴射容器であって、
    前記キャップ部材は、着脱可能であり、
    前記除去部は、前記キャップ部材の着脱の際に、前記噴射面上を摺動する
    ことを特徴とする噴射容器。
  5. 請求項4に記載の噴射容器であって、
    前記除去部は、前記キャップ部材が装着された場合に、前記噴射口よりも装着方向奥側に位置するように前記キャップ部材に設けられている
    ことを特徴とする噴射容器。
  6. 請求項4に記載の噴射容器であって、
    前記噴射器は、前記容器本体の上端部に設けられ、前記噴射口が側部に穿設されており、
    前記キャップ部材は、前記噴射器を覆うように上方から装着可能であり、
    前記除去部は、前記キャップ部材が装着された場合に、前記噴射口よりも下側に位置するように前記キャップ部材に設けられている
    ことを特徴とする噴射容器。
  7. 請求項6に記載の噴射容器であって、
    前記キャップ部材は、円筒状をなし、
    前記除去部は、前記キャップ部材の内周側に設けられている
    ことを特徴とする噴射容器。
  8. 請求項1又は請求項2に記載の噴射容器であって、
    前記噴射器を露出させ、かつ前記噴射器の周囲を囲うように配設されたカバー部材を備え、
    前記噴射器の回動又は前記噴射器を中心とした前記カバー部材の回動により、前記カバー部材は、前記噴射器の周囲を相対的に移動可能であり、
    前記除去部は、前記カバー部材に設けられており、
    前記除去部は、前記カバー部材の移動の際に、前記噴射面上を摺動する
    ことを特徴とする噴射容器。
  9. 請求項1又は請求項2に記載の噴射容器であって、
    前記噴射器は、前記容器本体の上端部に設けられ、前記噴射口が側部に穿設されており、
    前記噴射器を露出させ、かつ前記噴射器の周囲を環状に囲うように配設されたカバー部材と、
    前記カバー部材に突設され、前記除去部を設けられた突設支持部と
    を備え、
    前記カバー部材は、前記噴射器の周囲を周方向に移動可能であり、
    前記除去部は、前記カバー部材の移動の際に、前記噴射面上を摺動する
    ことを特徴とする噴射容器。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の噴射容器であって、
    前記カバー部材及び噴射器を相対的に移動させることにより、噴射の可否を切り替える可能である
    ことを特徴とする噴射容器。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の噴射容器であって、
    前記除去部は、櫛状、ブラシ状又は可撓性を有するブレード状をなす
    ことを特徴とする噴射容器。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の噴射容器であって、
    前記除去部は、ゴム弾性を有する
    ことを特徴とする噴射容器。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の噴射容器であって、
    エアゾール式噴射容器又はポンプ式噴射容器である
    ことを特徴とする噴射容器。
  14. 内容物を収容する容器本体と、前記容器本体内に収容された内容物を噴射する噴射口が穿設されたノズル部を有する噴射器とを備える噴射容器の噴射口を覆うことが可能なキャップ部材であって、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の噴射容器に使用可能である
    ことを特徴とするキャップ部材。
  15. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の噴射容器が備える容器本体内に内容物を収容し、収容した内容物を噴射口から噴射可能である
    ことを特徴とする噴射製品。
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