JP2003040766A - 鼻腔内洗浄具 - Google Patents

鼻腔内洗浄具

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JP2003040766A
JP2003040766A JP2001225591A JP2001225591A JP2003040766A JP 2003040766 A JP2003040766 A JP 2003040766A JP 2001225591 A JP2001225591 A JP 2001225591A JP 2001225591 A JP2001225591 A JP 2001225591A JP 2003040766 A JP2003040766 A JP 2003040766A
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nasal
nasal cavity
carbon dioxide
cleaning
solution
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Application number
JP2001225591A
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English (en)
Inventor
Kouichi Okisaka
浩一 沖坂
Keizo Takahashi
敬蔵 高橋
Naoko Fujimori
尚子 藤森
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GSK Consumer Healthcare SARL
Kao Corp
Original Assignee
Novartis Consumer Health SA
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鼻腔内を、アレルゲンが溶出しない低pHで
洗浄し、かつ、洗浄後には速やかに鼻腔内を本来のpH
に正常化することのできる鼻腔内洗浄具を提供する。 【解決手段】 鼻腔内洗浄具1が、エアゾール容器2に
鼻腔内洗浄液10と炭酸ガス11を充填したものからな
り、エアゾール容器2に充填する前の鼻腔内洗浄液10
のpHが5.5〜8であり、炭酸ガス11の充填量が、
100gの鼻腔内洗浄液10に対して0.025〜1g
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鼻腔内洗浄液へ炭
酸ガスを溶存させることによってエアゾール容器から噴
出した直後の鼻腔内洗浄液のpHを4〜5に調整し、そ
れにより花粉アレルゲンの溶出を防止しつつ鼻腔内洗浄
を可能とすると共に、洗浄後速やかに鼻腔内を本来のp
Hに正常化する鼻腔内洗浄具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アレルギー性鼻炎や花粉症等の
症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等であり、これらの
症状は花粉、ハウスダスト、ダニ等のアレルゲンが鼻腔
内粘膜へ付着することによって引き起こされる。これら
の症状が顕著に発現すると、患者は多大な苦痛や不快感
を被るため、従来からこれらの諸症状を緩和し、あるい
は除去するため、内服薬、点鼻薬等の薬剤の投与や、花
粉、ハウスダスト、ダニ等のアレルゲンや鼻水を洗い流
す鼻腔内洗浄等の各種対処法が試みられている。
【0003】しかしながら、内服薬や点鼻薬等の薬剤の
投与には、別のアレルギー症状が引き起こされる危険性
がある。また、内服薬には、眠気や喉の乾き等の副作用
があり、点鼻薬には常習性により薬効がなくなる等の副
作用がある。
【0004】一方、耳鼻咽喉科領域では鼻腔内洗浄がな
されている。鼻腔内に付着した花粉、ハウスダスト、ダ
ニ等を速やかに除去すると、花粉症や、ハウスダスト、
ダニ等によるアレルギー症状の発症を抑制でき、また、
これらの症状を緩和できることが知られている。鼻腔内
洗浄は、薬物の有効性を高め、薬物の使用を抑えるため
にも有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、花粉粒子
は、強固な外壁と内膜に覆われ、アレルゲンとなるタン
パク質は外壁表面と内膜に覆われた花粉内容物中に存在
する。外壁表面のアレルゲンは中性から弱アルカリ性領
域で容易に溶出し、花粉外壁も中性から弱アルカリ性領
域で容易に破裂する性質を有する。
【0006】しかしながら、従来の鼻腔内洗浄は、生理
食塩水(pH6付近)を用いてなされるため、鼻腔内洗
浄中にアレルゲンの溶出が促進され、洗浄が不十分な場
合には、残留したアレルゲンによってアレルギー症状が
かえって強くなるという問題があった。
【0007】このような事態を防ぐため、例えば、特開
平7−258070号公報には、鼻腔内のpHを弱酸性
に保ち、鼻腔内に侵入した花粉からのアレルゲンの溶出
を抑制するために、pH3.5〜5.5のO/W型エマ
ルジョンタイプの鼻洗浄剤が提案されている。しかしな
がら、この鼻洗浄剤によれば、本来pH7〜8に維持さ
れている鼻腔内のpHを長時間低く保つことになるの
で、安全性が不十分となる。
【0008】また、特開2000−109425号に
は、分子内に炭素数3〜18のアルキレン部分を有する
水溶性の花粉破裂防止剤を含有する粘膜用洗浄剤が提案
されているが、花粉の外壁表面に存在するアレルゲンの
溶出は抑制できないという問題があった。
【0009】このような従来の技術の問題に対し、本発
明は、鼻腔内を、アレルゲンが溶出しない低pHで洗浄
し、かつ、洗浄後には速やかに鼻腔内を本来のpHに正
常化することのできる新たな鼻腔内洗浄液と鼻腔内洗浄
具を提供することを目的とし、さらにそのような鼻腔内
洗浄液又は鼻腔内洗浄具であって、鼻腔内洗浄後にリラ
ックス感を高められるものの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エアゾール
容器に所定量の鼻腔内洗浄液と炭酸ガスを充填して炭酸
ガスを鼻腔内洗浄液に溶存させ、鼻腔内洗浄液のpHを
弱酸性に調整し、それを鼻腔内に噴射して鼻腔内洗浄を
すると、洗浄時に花粉からアレルゲンが溶出することを
抑制でき、しかも洗浄後には、鼻腔内に残留した洗浄液
から溶存炭酸ガスが空気中に揮散するので、洗浄液のp
Hが速やかに上昇し、鼻腔内を本来のpHに正常化でき
ることを見出した。
【0011】即ち、本発明は、エアゾール容器に鼻腔内
洗浄液と炭酸ガスが充填されている鼻腔内洗浄具であっ
て、エアゾール容器に充填する前の鼻腔内洗浄液のpH
が5.5〜8であり、炭酸ガスが、100gの鼻腔内洗
浄液に対して0.025〜1g充填されている鼻腔内洗
浄具を提供する。
【0012】また、本発明は、炭酸ガスの溶存によりp
H4〜5に調整されており、炭酸ガスの揮散後にpH
5.5以上となる鼻腔内洗浄液を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一態様の鼻腔名
洗浄具1の断面図である。この鼻腔内洗浄具1は、エア
ゾール容器2に鼻腔内洗浄液10を充填し、pH調整剤
かつ噴射剤として炭酸ガス11を充填し、さらに噴射剤
として窒素、空気等も充填したものである。
【0014】このエアゾール容器2は、耐圧容器3にエ
アゾール吐出用バルブ4を備えたものである。エアゾー
ル吐出用バルブ4の一端(噴射孔側)にはノズル5が設
けられ、他端(容器内部側)にはディップチューブ6が
接続され、上部には、アクチュエータ7が設けられてい
る。ディップチューブ6の非ノズル側端部には、必要に
応じて重り8が取り付けられる。
【0015】耐圧容器3としては、アルミニウム、スチ
ール等からなる耐圧外筒缶やPET等からなる樹脂容器
を使用することができる。耐圧外筒缶を使用する場合、
必要に応じてその内面を保護するために、エポキシフェ
ノール、ポリアミドイミド等の樹脂でコートしてもよ
い。
【0016】ノズル5としては、先端部を容易に鼻腔内
に挿入できるように、先端部の直径を10mm以下とす
ることが好ましい。また、鼻腔内を傷つけることなく先
端部を挿入できるように、ノズル5の先端形状は、略球
形とすることが好ましい。
【0017】このエアゾール容器2では、アクチュエー
タ7を押し下げると、炭酸ガス11の圧力(矢印A)に
よって鼻腔内洗浄液10がディップチューブ6を通り
(矢印B)、ノズル5から噴射される。
【0018】鼻腔内洗浄液10としては、それをエアゾ
ール容器に充填する前のpHが5.5〜8、好ましくは
5.5〜7である、生理食塩水、グリセリン水溶液等を
使用する。このようなpHに調整するため、リン酸、フ
タル酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等とその塩
(ナトリウム塩、カリウム塩等)からなるpH調整剤を
適宜用いることができる。
【0019】鼻腔内洗浄液10には、鼻腔内洗浄後にリ
ラックス感を得られるようにする点から、セドロールを
含有させることが好ましい。これは、本発明者らが、ス
トレスを感じている被験者に、セドロールを含有させた
鼻腔内洗浄液を用いて鼻腔内洗浄を行い、その1時間後
に脳波による感性スペクトル解析(Musha,T. et al,Emo
tion spectrum analysis method(ESAM) for monitoring
the effects of arttherapy applied on demented pat
ients, Cyber psychology & behavior, 3441-3446(200
1))を行った結果、リラックスさが改善されていること
を見出したことに基づく。
【0020】セドロールは、エタノール等のアルコール
類、グリセリン等の多価アルコール類、液体状の香料等
に予め溶解させ、適宜、乳化剤等の分散剤を用いて鼻腔
内洗浄液10に配合し、溶解又は微分散状態で用いる。
【0021】鼻腔内洗浄液10におけるセドロールの濃
度は、好ましくは0.001〜2重量%、より好ましく
は0.001〜1重量%、さらに好ましくは0.001
〜0.5重量%である。通常、セドロールの濃度が0.
001重量%よりも低いと十分な添加効果を得られず、
2重量%を超えると分散が困難となる。
【0022】また、セドロールと共に、0.001〜
0.5重量%のメントールを用いると、鼻腔内洗浄後の
リラックス感を向上させることができるのでより好まし
い。
【0023】この他、鼻腔内洗浄液10には、通常鼻腔
内洗浄液に配合されている等張化剤(塩化ナトリウム、
グリセリン等)、保存料(塩化ベンザルコニウム、塩化
ベンゼトニウム、パラベン類等)、香料(ユーカリプト
ール等の単品香料及び、ペパーミント、スペアミント、
ペニーロイヤルミント、タイム、ユーカリ等の天然香料
等)、安定化剤(メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン等)、分散剤(ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、リン脂質、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、
ショ糖脂肪酸エステル等)を配合することができる。ま
た、点鼻薬に用いられる薬剤、例えば、(1)くしゃみ
や鼻水の改善のため、ヒスタミン遊離抑制効果や抗ヒス
タミン効果等の生理活性を有する薬剤(塩酸ジフェンヒ
ドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、フマル酸クレマス
チン、フマル酸エメダスチン、マレイン酸クロルフェニ
ラミン、酒石酸アリメジン、塩酸シクロヘプタミン、メ
キタジン、テルフェナジン、クロモグリク酸ナトリウ
ム、トラニラスト、アンレキサノクス、ペミロラストカ
リウム、フマル酸ケトチフェン、オキサトミド、塩酸ア
ゼラスチン、ユーカリエキス等)、(2)鼻づまりの改
善のため、血管収縮効果等の生理活性を有する薬剤(硝
酸ナファゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファ
ゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸オキシメタゾリ
ン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸
フェニレフリン、塩酸トラマゾリン、エピネフリン
等)、(3)鼻粘膜をコートし、鼻粘膜とアレルゲンや
刺激誘引物質との接触を阻害する薬剤(カラギーナン等
の水溶性高分子、シリコン油等)、(4)局所麻酔剤
(塩酸リドカイン、リドカイン、塩酸ジブカイン等)、
(5)抗炎症剤(サリチル酸メチル、グリチルリチン
酸、グリチルリチン酸塩、ビタミンC等)、(6)殺菌
剤(塩化セチルピリジウム、塩化デカリニウム等)等を
配合することができる。
【0024】鼻腔内洗浄液10の浸透圧については、鼻
腔内を洗浄する目的から、生理食塩水の浸透圧に対する
浸透圧比を0.6〜1.5の範囲に調整することが望ま
しい。
【0025】エアゾール容器2における炭酸ガス11の
充填量は、100gの鼻腔内洗浄液10に対して、0.
025〜1gとし、好ましくは0.05〜0.5gとす
る。特に、エアゾール容器2から噴出した直後の鼻腔内
洗浄液10のpHが4〜5、好ましくは4.0〜4.7
となるように充填量を調整し、かつ、エアゾール容器か
ら噴出して炭酸ガスが揮散した後の鼻腔内洗浄液のpH
が5.5以上となるように、より具体的には、エアゾー
ル容器から噴出した鼻腔内洗浄液を薄膜状態で10分間
放置した後のpHが5.5以上、好ましくはpH5.5
〜7となるように充填量を調整することが好ましい。こ
れにより、鼻腔内洗浄時のアレルゲンの溶出を抑制する
ことができ、また、鼻腔内洗浄後には、洗浄液中に溶存
していた炭酸ガスが揮散し、速やかに鼻腔内を本来のp
Hに正常化することができる。これに対して、100g
の鼻腔内洗浄液10に対する炭酸ガスの充填量が0.0
25gよりも少ないと、エアゾール容器から噴出した直
後の鼻腔内洗浄液のpHが5よりも大きくなるため、鼻
腔内洗浄時のアレルゲンの溶出を十分に抑制することが
できず、反対に1gよりも多いと鼻腔内洗浄時に鼻粘膜
に刺激が感じられるようになる。
【0026】ところで、エアゾール容器においては、一
般に0.4MPa以上の噴射圧(ゲージ圧)が必要とさ
れる。エアゾール容器の容積にもよるが、炭酸ガスの充
填量を上述の範囲とする場合、通常、炭酸ガスだけでは
必要な噴射圧を得られない。そこで、本発明において
は、上述の炭酸ガスに加えて、噴射圧の調整のために、
空気、窒素、不活性ガス等を充填してもよい。炭酸ガス
11と、空気、窒素等は各々別個にエアゾール容器2に
充填してもよいし、所定量を予め混合した混合ガスの状
態で充填してもよい。
【0027】本発明の鼻腔内洗浄液は、上述のエアゾー
ル容器2内に充填された鼻腔内洗浄液10のように、炭
酸ガスが溶存することによりpHが4〜5に調整され、
炭酸ガスの揮散後にpH5.5以上となるものである
が、保管中に炭酸ガスの溶存を維持できる限り、例え
ば、密栓可能な耐圧性のガラス瓶、金属缶、金属ボトル
等に保存し、使用時にはエアゾール容器以外の鼻腔内洗
浄具で用いてもよい。
【0028】
【実施例】試験例1〜9 エアゾール容器に鼻腔内洗浄液と共に充填する炭酸ガス
が、鼻腔内洗浄液のpHと鼻腔刺激に及ぼす影響を調べ
るために、以下のように試験液を調製し、評価した。な
お、本試験例以降、圧力表示は全てゲージ圧を意味す
る。
【0029】(1)試験液の調製 吐出用バルブを備えたエアゾール容器(容積177m
L)の内部を約−0.07MPaに減圧し、そこに生理
食塩水100gを吐出用バルブから充填した。次いで、
炭酸ガスを種々の充填量で吐出用バルブから充填し、よ
く振って炭酸ガスを溶解させ、さらに窒素ガスを充填し
て圧力を0.7MPaに調整した。
【0030】(2)評価方法 次のように、エアゾール容器から試験液を噴出させた直
後と10分後のpHの測定、パネラーによる官能試験、
及び花粉からの溶出蛋白量の測定を行った。・噴出直後
のpH測定:エアゾール容器から試験液約5gを噴出さ
せ、その噴出させた試験液のpHをpHメータで測定し
た。 ・10分後のpH測定:25×35cmのガラス製の容
器に試験液約5gをほぼ均一に噴出させ、25℃で10
分間放置し、試験液を回収してそのpHをpHメータに
より測定した。 ・パネラーによる評価:26〜45歳の30名のパネラ
ーが、エアゾール容器から試験液約4gを鼻腔内に噴出
させて鼻腔内洗浄を行った際の鼻腔刺激の評価値を次の
基準で得、その加重平均値を鼻腔内刺激値とした。 1…全く刺激がない 2…かすかに刺激を感じる 3…やや刺激を感じる 4…強く刺激を感じる 5…非常に強く刺激を感じる ・花粉からの溶出蛋白量の測定:スギ花粉10mgを、
エアゾール容器から噴出させた直後の試験液1mLに分
散し、37℃で5分間インキュベートした後、試験液に
溶出した蛋白量をPIERCE社製Protein A
ssayを用いて測定した。
【0031】(3)評価結果 表1に評価結果を示す。表1から、生理食塩水100g
に対する炭酸ガス充填量を0.025g以上とすると噴
出直後の試験液のpHが5以下となり、花粉からの蛋白
質の溶出を抑えられることがわかる。また、炭酸ガス充
填量を0.025g〜1gとすると、噴出直後の試験液
のpHが4〜5の範囲にあり、かつ噴出から10分後の
pHが5.5以上となることから、鼻腔内のpHを速や
かに正常化できることがわかる。さらに、炭酸ガス充填
量を0.025g〜0.5gとすると、鼻腔刺激が少な
いので、より好ましいことがわかる。
【0032】
【表1】 試験例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 炭酸カ゛スの充填量(g) 0 0.01 0.025 0.05 0.01 0.25 0.5 1 1.5 炭酸カ゛ス充填時の 圧力(MPa) -0.070 -0.065 -0.060 0.059 -0.030 0.004 0.096 0.291 0.482 窒素ガスの 充填量(g) 0.633 0.623 0.617 0.605 0.571 0.506 0.478 0.367 0.250 窒素カ゛ス充填後の 圧力(MPa) 0.690 0.686 0.686 0.674 0.683 0.694 0.679 0.690 0.690 噴出直後pH 5.7 5.6 4.9 4.8 4.6 4.4 4.3 4.2 4.110分後pH 5.7 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5.5 5.2 鼻腔内刺激値 1.10 1.13 1.13 1.20 2.03 2.13 2.50 3.10 4.80 花粉からの溶出蛋白量(μg/mL) 164 159 101 92 90 82 77 79 78 (表注)圧力の表記中、−符号は、減圧を表す。
【0033】試験例10〜11 セドロールの添加効果を調べるために、以下のように試
験液を調製し、評価した。
【0034】(1)試験液の調製 吐出用バルブを備えたエアゾール容器(容積177m
L)の内部を約−0.07MPaに減圧し、そこに表2
の組成の洗浄液100gを吐出用バルブから充填し、さ
らに窒素ガスを充填して圧力を0.7MPaに調整し
た。
【0035】
【表2】 (単位:g) 試験例10 試験例11 塩化ナトリウム 0.9 0.9 セドロール − 0.005ホ゜リオキシエチレン (20)ソルヒ゛タンモノオレート 0.1 0.1 プロピレングリコール 0.5 0.5精製水 98.5 98.495
【0036】(2)評価方法 (2-1)26〜45歳の8名のパネラーが、エアゾール容
器から試験液約4gを鼻腔内に噴出させて鼻腔内洗浄を
行った後の清涼感、リラックス感を次の基準で得、その
加重平均値を評価値とした。
【0037】(2-2)脳波による感性スペクトル解析 前述の脳波による感性スペクトル解析を行った。測定結
果の統計解析は、分散分析の多重比較検定によった。
【0038】(3)評価結果 表3に評価結果を示す。表3から、セドロールを添加す
ることによるリラックス感の改善が認められる。
【0039】
【表3】 試験例10 試験例11 清涼感 1.9 2.4 リラックス感 1.2 2.6感性スペクトル解析 試験例11は試験例10に対して有意な改善あり
【0040】実施例1 本発明の一態様として、次のように鼻腔内洗浄具を製造
した。
【0041】まず、次の組成の洗浄液を調製した。
【0042】洗浄液組成(重量%) 塩化ナトリウム 0.900 塩化ベンザルコニウム 0.004 メントール 0.005 精製水 99.091
【0043】一方、吐出用バルブを備えたエアゾール容
器(容積177mL)の内部を約−0.07MPaに減
圧し、そこに上述の洗浄液100gを吐出用バルブから
充填した。次いで、炭酸ガス0.2gを吐出用バルブか
ら充填し、よく振って炭酸ガスを溶解させ、さらに窒素
ガスを充填して圧力を0.7MPaに調整した。
【0044】実施例2 次の組成の洗浄液を使用し、炭酸ガスの充填量を0.1
g(窒素ガス充填後の圧力0.7MPa)とする以外
は、実施例1と同様にして本発明の一態様の鼻腔内洗浄
具を製造した。
【0045】洗浄液組成(重量%) グリセリン 3.310 塩化ベンザルコニウム 0.004 メントール 0.005 ユーカリプトール 0.020 精製水 96.661
【0046】実施例3 次の組成の洗浄液を使用し、炭酸ガスの充填量を0.3
g(窒素ガス充填後の圧力0.7MPa)とする以外
は、実施例1と同様にして本発明の一態様の鼻腔内洗浄
具を製造した。
【0047】洗浄液組成(重量%) 塩化ナトリウム 0.700 パラベン 0.050 メントール 0.008 ユーカリプトール 0.020ホ゜リオキシエチレン (20)ソルヒ゛タンモノオレート 0.050 精製水 99.172
【0048】実施例4 次の組成の洗浄液を使用し、炭酸ガスの充填量を0.3
g(窒素ガス充填後の圧力0.7MPa)とする以外
は、実施例1と同様にして本発明の一態様の鼻腔内洗浄
具を製造した。
【0049】洗浄液組成(重量%) 塩化ナトリウム 0.900 塩化ベンザルコニウム 0.004 メントール 0.008 ユーカリプトール 0.020 セドロール 0.005ホ゜リオキシエチレン (20)ソルヒ゛タンモノオレート 0.050 精製水 99.013
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、鼻腔内を、アレルゲン
が溶出しない低pHで洗浄し、かつ、洗浄後には速やか
に鼻腔内を本来のpHに正常化することができる。さら
に、本発明において鼻腔内洗浄液にセドロールを含有さ
せると、鼻腔内洗浄後のリラックス感を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鼻腔内洗浄具の断面図である。
【符号の説明】
1 鼻腔内洗浄具 2 エアゾール容器 3 耐圧容器 4 エアゾール吐出用バルブ 5 ノズル 6 ディップチューブ 7 アクチュエータ 8 重り 10 鼻腔内洗浄液 11 炭酸ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/02 A61H 33/04 Q (72)発明者 沖坂 浩一 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 高橋 敬蔵 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 藤森 尚子 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C066 AA06 BB01 CC02 CC05 DD04 FF02 KK14 4C076 AA25 BB25 CC01 CC03 CC15 DD09F DD23D DD29Z DD38 FF61 4C094 AA06 DD06 EE08 EE16 GG07 4C206 AA01 AA02 CA14 MA02 MA05 MA33 NA08 ZA18 ZA59 ZB13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアゾール容器に鼻腔内洗浄液と炭酸ガ
    スが充填されている鼻腔内洗浄具であって、エアゾール
    容器に充填する前の鼻腔内洗浄液のpHが5.5〜8で
    あり、炭酸ガスが、100gの鼻腔内洗浄液に対して
    0.025〜1g充填されている鼻腔内洗浄具。
  2. 【請求項2】 エアゾール容器から噴出した直後の鼻腔
    内洗浄液のpHが4〜5であり、炭酸ガス揮散後の鼻腔
    内洗浄液のpHが5.5以上である請求項1記載の鼻腔
    内洗浄具。
  3. 【請求項3】 鼻腔内洗浄液がセドロールを含有する請
    求項1又は2記載の鼻腔内洗浄具。
  4. 【請求項4】 炭酸ガスの溶存によりpH4〜5に調整
    されており、炭酸ガスの揮散後にpH5.5以上となる
    鼻腔内洗浄液。
  5. 【請求項5】 セドロールを含有する請求項4記載の鼻
    腔内洗浄液。
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