JP7259362B2 - レーザ加工ヘッド、劣化検知装置及びレーザ加工機 - Google Patents

レーザ加工ヘッド、劣化検知装置及びレーザ加工機 Download PDF

Info

Publication number
JP7259362B2
JP7259362B2 JP2019014526A JP2019014526A JP7259362B2 JP 7259362 B2 JP7259362 B2 JP 7259362B2 JP 2019014526 A JP2019014526 A JP 2019014526A JP 2019014526 A JP2019014526 A JP 2019014526A JP 7259362 B2 JP7259362 B2 JP 7259362B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective glass
unit
laser processing
result
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019014526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020121325A (ja
Inventor
拓己 貴島
直樹 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2019014526A priority Critical patent/JP7259362B2/ja
Publication of JP2020121325A publication Critical patent/JP2020121325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7259362B2 publication Critical patent/JP7259362B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、保護ガラスの劣化の検知に使用できるレーザ加工ヘッド、レーザ加工ヘッドが有する保護ガラスの劣化検知装置及びレーザ加工機に関するものである。
従来のレーザ加工機では、スパッタ及びヒューム等の汚染物質から高価な集光レンズを保護するために、レーザ加工ヘッド内に保護ガラスを備えている。しかるに、保護ガラスによって集光レンズを汚染物質から保護することができる一方、汚れが保護ガラスに付着することでレーザ光の吸収が高められ、保護ガラスの温度が上がることになる。その結果、保護ガラスに熱ひずみが生じ、レーザ加工不良を生じたり、保護ガラスが破損したりする場合がある。したがって、保護ガラスの汚染及び破損の状況に応じて保護ガラスを交換する必要がある。そのために、保護ガラスの汚染及び破損といった保護ガラスの劣化の検知機能が必要となる。
そこで、従来のレーザ加工機では、レーザ光の投光手段と受光センサを有する着脱可能なアタッチメントを備え、レーザ加工前に投光手段から保護ガラスに照射された測定光の反射光量を受光センサにより検出し、この検出値とあらかじめ設定された基準値とを比較して、保護ガラスからの散乱光の原因となる割れが生じているか否かを判断することで保護ガラスの劣化を検出していた(例えば、特許文献1参照)。また、保護ガラスの外周面に沿って複数の光検出センサを備え、レーザ加工中保護ガラスからの散乱光を常時監視し、光検出センサによる検出値が設定値以上の場合に保護ガラスの汚染として検出することで保護ガラスの交換の要否を判別するようにしていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2011-104643号公報 特開2018-75610号公報
しかしながら、このような従来の方式では、散乱光を測定して保護ガラスの状況を判定していたが、こうした散乱光を測定する際には迷光の影響を受けてしまうため、迷光対策が必要であった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、迷光対策が必要なく簡易な構成で、レーザ加工中リアルタイムに保護ガラスの汚染及び破損といった劣化を検知するために使用できるレーザ加工ヘッドを提供することを目的とする。
本発明に係るレーザ加工ヘッドは、レーザ光を集光する集光レンズと、集光レンズを保護するように設けられる保護ガラスと、保護ガラスの外周面の位置に設けられた篏合穴に挿入され、保護ガラスから発生するAE(Acoustic Emission)波を検出し、AE信号として出力する検出部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係るレーザ加工ヘッドは、光ではなくAE波を検出するAEセンサを用いるため、迷光対策が不要となり、簡易な構造となる。
実施の形態1であるAEセンサを有するレーザ加工ヘッドと劣化検知装置とを備えたレーザ加工機の概略図である。 実施の形態1であるAEセンサを有するレーザ加工ヘッドの断面図である。 保護ガラスの破損時に検出されるAE波の図の例である。 実施の形態1に係る劣化検知装置の構成を説明するための説明図である。 実施の形態1に係る劣化検知装置の機能を説明するための機能ブロック図である。 実施の形態1に係る劣化検知装置が保護ガラスの劣化を検知する流れを示したフローチャート図である。 図3で検出されたAE波の周波数特性図である。 保護ガラスへのスパッタの付着時に検出されるAE波の図の例である。 実施の形態2に係る劣化検知装置の機能を説明するための機能ブロック図である。 実施の形態2に係る劣化検知装置が保護ガラスの劣化を検知する流れを示したフローチャート図である。 図8のAE波の包絡線検波後の図である。 図11をパルス出力した図である。 実施の形態3に係る劣化検知装置の機能を説明するための機能ブロック図である。 実施の形態3に係る劣化検知装置が保護ガラスの劣化を検知する流れを示したフローチャート図である。
実施の形態1.
本実施の形態であるレーザ加工ヘッドについて説明する。図1は、本実施の形態であるレーザ加工ヘッドとレーザ加工ヘッド内に設けられた保護ガラスの劣化を検知する劣化検知装置とを備えたレーザ加工機の概略図である。
図1で示されるように、レーザ加工機は、レーザ加工ヘッド1、Z軸可動部13、Y軸可動部14、劣化検知装置15a、レーザ発振器(図示せず)、加工テーブル16及び可動制御装置17で構成され、レーザ加工ヘッド1は、AEセンサ7を有している。
レーザ加工ヘッド1は、レーザ発振器から出射されたレーザ光LBを加工テーブル16上に載置された被加工物12に向かって出射する。加工テーブル16は、矢印X方向に動くことができる。また、レーザ加工ヘッド1は、一体で矢印Z方向に移動できるようにZ軸可動部13に固定されている。
Y軸可動部14は、Z軸可動部13及びレーザ加工ヘッド1を矢印Y方向に移動させることができる。
劣化検知装置15aは、レーザ加工ヘッド1が有する保護ガラスの劣化を検知することができる。
可動制御装置17は、Z軸可動部13及びY軸可動部14の動作を制御する。
本実施の形態であるレーザ加工ヘッド1を適用するレーザ加工機は、本実施の形態では1064nmの波長のレーザ光を発振するファイバレーザを適用したものとして説明するが、赤外のレーザ光を発振するCO2レーザでも適用可能である。
図2は、レーザ加工ヘッド1の断面図を表す。レーザ加工ヘッド1は、ハウジング2、集光レンズ3、スペーサ4、保護ガラス5、保持具6、AEセンサ7及びノズル8で構成されている。
集光レンズ3は、ハウジング2内に備えられ、Kの矢印方向にレーザ光LBの集光を行う。
保護ガラス5は、ハウジング2内に集光レンズ3とKの矢印方向の同軸上にスペーサ4を介して配置されており、Lの矢印方向から保持具6によって取り付けられている。一般的に保護ガラス5の材料は、レーザ光LBの波長が近赤外から可視の場合は、BK7もしくは合成石英といったガラス素材が使用される。
レーザ光LBは、レーザ発振器によって出射された後、集光レンズ3で集光され、保護ガラス5を透過し、ノズル8から出射され被加工物12に照射される。
レーザ加工ヘッド1の内部では、保護ガラス5からノズル8の間は空洞となっている。スパッタは、レーザ加工ヘッド1のノズル8の開口から出射されたレーザ光LBが被加工物12に照射される際に被加工物12から生じる。生じたスパッタは、ノズル8の開口から飛び込んでレーザ加工ヘッド1内の空洞を通り保護ガラス5に付着する。また、気中の塵埃等も同様に、ノズル8の開口から飛び込んでレーザ加工ヘッド1内の空洞を通り保護ガラス5に付着する。
保護ガラス5は、レーザ加工時に生じるスパッタ及び気中の塵埃等が集光レンズ3に付着することを防止している。保護ガラス5は集光レンズ3への付着を防止する一方で、スパッタが付着する瞬間保護ガラス5には衝撃が生じ、保護ガラス5の劣化の原因となる。
AEセンサ7は、保護ガラス5の外周面の位置にハウジング2上に設けられた篏合穴に挿入されている。
AEセンサ7は、AE(Acoustic Emission)と呼ばれる現象の発生時に放出される弾性波を検出するものである。AEとは、金属もしくはガラスといった固体の内部で微小な変形又は亀裂等の破壊、相変態又は結晶粒界の移動の際に開放されるエネルギーを弾性波として放出する現象のことであり、AE波とはこの弾性波のことである。AEセンサ7は、保護ガラス5で発生し保護ガラス5から伝播してくるAE波の振動強度を検出することが可能であり、例えば圧電素子で構成される。AEセンサ7は、1MHzレベルの高速処理が可能であることが特徴である。
本実施の形態では、AEセンサ7は、レーザ加工中の保護ガラス5の劣化のうち破損時に発生するAE波を検出する。
図3は、本実施の形態でAEセンサ7が検出するAE波を表した図の例である。横軸は時間、縦軸は電圧とする。保護ガラス5の破損時に発生するAE波は、微視的に見ると保護ガラス5の原子レベルの格子配列がずれることが原因であり、一般的にAE波の大きさが大きいほど破損が大きいことを示している。図3では、矢印Aの範囲に見られる大きな値の際に保護ガラス5が破損したことを示す。
図4は、本実施の形態に係る劣化検知装置15aの構成を説明するための説明図である。AEセンサ7はレーザ加工ヘッド1が有する。プリアンプ91、フィルタ92、メインアンプ93、A/D変換器94、CPU95、メモリ96及びディスプレイ97は劣化検知装置15aが有する。実線がアナログ信号のやり取りを示し、破線がデジタル信号のやり取りを示す。
AEセンサ7は、保護ガラス5から発生するAE波を検出し電気信号に変換してAE信号を出力する。
プリアンプ91は、AEセンサ7から出力された微弱なAE信号を増幅する。
フィルタ92は、例えばバンドパスフィルタを用いて、保護ガラス5の破損の検知時に設定した設定周波数帯域以外の範囲をノイズ成分として除去する。詳しくは後述する。
メインアンプ93は、ノイズ除去後、AE信号を再度増幅する。
A/D変換器94は、アナログのAE信号をデジタルのAE信号に変換する。
CPU95は、メモリ96が格納している保護ガラス5の劣化検知処理で用いるプログラムを実行する。プログラムが行う劣化検知処理の詳細は後述する。
ディスプレイ97は、CPU95によって指示された内容を表示する。
図5は、本実施の形態に係る劣化検知装置15aの機能を説明するための機能ブロック図である。検出部71、前置増幅部72、ノイズ除去部73、主増幅部74、A/D変換部75、第1比較部76a、第1判定部77a、結果報知部78で構成されている。図5に示された機能ブロックのうち検出部71はレーザ加工ヘッド1が有し、検出部71以外は劣化検知装置15aが有している。
検出部71は、保護ガラス5で発生するAE波を検出し、圧電素子により最大振幅及び持続時間を持つ電気信号であるAE信号に変換する。検出部71は、図4のAEセンサ7が相当する。
前置増幅部72は、検出部71から出力された電気信号を増幅する。前置増幅部72は、図4のプリアンプ91が相当する。
ノイズ除去部73は、アナログフィルタを用いて、前置増幅部72から出力された電気信号のノイズ成分を除去する。ノイズ除去部73は、図4のフィルタ92が相当する。ノイズ除去に関しては後で詳細に述べる。
主増幅部74は、ノイズ除去部73でノイズ除去されたAE信号をさらに増幅する。主増幅部74は、図4のメインアンプ93が相当する。
A/D変換部75は、アナログであるAE信号をデジタルのAE信号に変換する。変換後のAE信号の値を以下ではAE波検出値と呼ぶものとする。A/D変換部75は、図4のA/D変換器94が相当する。
第1比較部76aは、これ以上の値であれば保護ガラス5が破損している状態を表す値である第1基準値と、AE波検出値とを比較する。
第1判定部77aは、AE波検出値が第1基準値以上であれば、保護ガラス5が破損しており交換が必要であると判定する。第1基準値より小さければ、保護ガラス5は破損していないと判定する。
結果報知部78は、第1判定部77aの判定結果を報知する。本実施の形態では、保護ガラス5を交換する場合にのみ保護ガラス5の交換を促す警告を報知するが、保護ガラス5の交換しない場合においても判定結果を報知してもよい。結果報知部78は、表示画面に警告を表示してもよいし、警告音を発してもよい。また、結果報知部78は、表示、警告音又はネット回線等の通信を用いた通知の少なくともいずれかを行って報知するように構成されていてもよい。本実施の形態では、結果報知部78は警告する場合表示画面に警告を表示することとし、図4のディスプレイ97が相当する。
図6は、本実施の形態に係る劣化検知装置15aが行う保護ガラス5の劣化検知処理の動作を表すフローチャートである。図5及び図6を用いて、劣化検知装置15aの動作について詳細に述べる。
図6において、ステップS1では、検出部71が保護ガラス5から発生するAE波を検出し、最大振幅及び持続時間を持つ電気信号であるAE信号に変換する。
ステップS2では、前置増幅部72が、検出部71が出力した微弱なAE信号を増幅する。
ステップS3では、前置増幅部72が出力したAE信号に対してノイズ除去部73がバンドパスフィルタを用いてノイズを除去する。図7は、図3で示したAE信号の周波数特性図である。縦軸が電圧、横軸が周波数である。保護ガラス5の破損時AE波として特徴が表れる範囲である周波数範囲を設定周波数帯域Bとして、ノイズ除去部73は、設定周波数帯域B以外の周波数範囲はノイズとしてバンドパスフィルタを用いて除去する。
ステップS4では、主増幅部74が、ノイズ除去部73でノイズ除去されたAE信号をさらに増幅する。
ステップS5では、A/D変換部75が、主増幅部74で増幅されたAE信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
ステップS6では、第1比較部76aが、AE波検出値と、あらかじめ設定した保護ガラス5が破損している状態を示す第1基準値との比較を行う。第1基準値は、図7では第1基準値Cとして示す。
ステップS7では、AE波検出値が第1基準値C以上である場合は、保護ガラス5が破損していると第1判定部77aが判定しステップS8へ進む。
第1基準値Cよりも小さければ、保護ガラス5は破損しておらず使用可能であると判定し再度ステップS1に戻る。
ステップS8では、第1判定部77aによって保護ガラス5が破損していることでYESと判定された場合は、結果報知部78が保護ガラス5の交換をするべき旨の警告を報知する。ディスプレイ97には、保護ガラス5の交換を促す警告が表示される。
ステップS1からステップS7までの動作は、保護ガラス5の破損が検知されるまで、あらかじめ定められた一定間隔で繰り返し行われる。
このように、レーザ加工中リアルタイムに、AE波検出値と第1基準値Cとを比較することで、保護ガラス5が破損しているか否かを高速かつ高精度で判定し、破損している場合は警告し交換を促すことができる。したがって、保護ガラス5が破損したままレーザ加工を続けて高価な集光レンズ3の汚染及び破損することを防ぐことができる。
本実施の形態により、保護ガラス5の破損をレーザ加工中に検知できるため、生産性が向上する。
また、AEセンサ7を複数配置すること又はAE波検出値を詳細に分析することといったことにより、保護ガラス5の破損具合、発生位置及び破損の進展方向の評価も可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る劣化検知装置と実施の形態1に係る劣化検知装置との相違は、実施の形態1ではAEセンサにより保護ガラスの破損を検知できるのに対し、本実施の形態ではAEセンサにより保護ガラスに付着したスパッタによる汚染状態を検知することができる点である。なお、以下では、実施の形態1との相違点のみ説明し、同一又は対応する部分についての説明は省略する。符号についても、実施の形態1と同一又は相当部分は同一符号とし、説明を省略する。
スパッタの粒径の大きさは、一般的に100μm程度である。また、レーザ加工機のレーザ光LBは、一般的に200Hz程度のパルス発振である。スパッタは、パルス波の周波数に同期して発生し飛散する。飛散したスパッタは、レーザ加工ヘッド1内の空洞を通って保護ガラス5に付着する。
図8は、本実施の形態でAEセンサ7が検出するAE波の例を表した図である。横軸は時間、縦軸は電圧である。保護ガラス5にスパッタが付着する際に発生するAE波は、保護ガラス5の表面とスパッタとの衝突の摩擦及び分子レベルでの結合が原因である。
図9は、本実施の形態に係る劣化検知装置15bの機能を説明するための機能ブロック図である。検出部71が検出したAE信号に対する前置増幅部72、ノイズ除去部73及び主増幅部74の動作は、実施の形態1に係る劣化検知装置15aと同様である。
検波部79は、主増幅部74から出力されたAE信号を半波整流回路で包絡線検波する。
パルス出力部80は、包絡線検波波形にパルス閾値を設定し、検波結果である包絡線検波波形がパルス閾値以上となった際に1つのパルスを出力する。
計数部81は、新しい保護ガラス5が取り付けられた以降にパルス出力部80が出力したパルスの数を累積でカウントする。カウントした値を以下ではAE計数値と呼ぶものとする。なお、保護ガラス5が交換された時点でAE計数値は0にリセットされる。
第2比較部76bは、AE計数値と、これ以上の値であれば保護ガラス5を交換するべき汚染状態を表す値である第2基準値とを比較する。
第2判定部77bは、AE計数値が第2基準値以上であれば、保護ガラス5は汚染状態であり交換が必要であると判定する。第2基準値より小さければ、保護ガラス5は交換するべき汚染状態ではないと判定する。
また、図10は、本実施の形態に係る劣化検知装置15bが行う保護ガラス5の劣化検知処理の動作を表すフローチャートの例である。図9及び図10を用いて、劣化検知装置15bの動作について詳細に述べる。
実施の形態1と同様に、ステップS11~ステップS14において、検出部71がAE波を検出しアナログのAE信号に変換する。そして、前置増幅部72は、検出部71が出力するAE信号を増幅する。前置増幅部72が出力するAE信号に対してノイズ除去部73がノイズ除去を行い、主増幅部74がさらにノイズ除去されたAE信号を増幅する。
ステップS15では、検波部79がAE信号を半波整流回路で包絡線検波を行う。図11は、図8のAE波がステップS11~ステップS14の処理を経た後にステップS15で包絡線検波されたAE波の図である。縦軸が電圧、横軸が時間である。
ステップS16では、パルス出力部80が、AE信号を図11で示すパルス閾値Dに基づいてパルス閾値D以上となった際に1つのパルスとして出力する。図12は、パルスとして出力された結果を表す図である。縦軸は電圧であり、横軸は時間である。
ステップS17では、計数部81が、ステップS16で出力されたパルスの数をカウントし、AE計数値を求める。
ステップS18では、第2比較部76bが、AE計数値と、これ以上の値であれば保護ガラス5を交換するべき汚染状態を表す値である第2基準値とを比較する。
ステップS19では、第2判定部77bが、保護ガラス5を交換するか否かを判定する。AE計数値が第2基準値よりも小さかった場合、第2判定部77bは保護ガラス5を交換しないという判定をする。そして、ステップS11に戻り、AE波の検出を再度行う。
AE計数値が第2基準値以上であった場合、保護ガラス5の汚染による劣化が進んでいるため、第2判定部77bは、保護ガラス5を交換するためYESという判定をする。そして、ステップS20へ進む。
ステップS20では、結果報知部78が保護ガラス5の交換をするべき旨の警告を報知する。ディスプレイ97には、保護ガラス5の交換を促す警告が表示される。
ステップS11からステップS20の動作は、保護ガラス5を交換するべきスパッタによる汚染状態が検出されるまで、あらかじめ定められた一定間隔で繰り返し行われる。
このように、レーザ加工中リアルタイムに、AEセンサ7により検出されたAE信号から検波部79の包絡線検波、パルス出力部80のパルス出力を経て、計数部81により求められたAE計数値と、これ以上であれば保護ガラス5を交換するべきスパッタの汚染状態を表す第2基準値とを比較することで、保護ガラス5を交換するべきか否かを高速かつ高精度で判定し、交換すべき場合は警告を促すことができる。したがって、スパッタの付着量の程度に応じてレーザ光LBの照射の停止及び保護ガラス5の交換を行うことができるため、高価な集光レンズ3の汚染及び破損を防ぐことができる。
本実施の形態により、保護ガラス5の汚染状態をレーザ加工中に把握できるため、生産性が向上する。また、使用可能な保護ガラス5を無駄に交換することを防ぐことができる。
実施の形態3.
実施の形態3と実施の形態1及び2との相違は、実施の形態1ではAEセンサにより保護ガラスの破損の検知及び、実施の形態2では保護ガラスに付着したスパッタによる汚染状態の検知ができるのに対し、本実施の形態では、AEセンサ7により保護ガラス5の破損及びスパッタの付着を検出することができる点である。
なお、以下では、実施の形態1及び2との相違点のみ説明し、同一又は対応する部分についての説明は省略する。符号についても、実施の形態1及び2と同一又は相当部分は同一符号とし、説明を省略する。
保護ガラス5の破損時及びスパッタの付着時におけるAE波の発生要因の違いを述べる。
AE波は、保護ガラス5の破損時は、保護ガラス5の原子レベルの格子配列がずれることで発生する。一方、保護ガラス5へのスパッタの付着時は、保護ガラス5の表面とスパッタとの衝突時の摩擦及び分子レベルでの結合によって発生する。
したがって、本実施の形態では、各々の場合に応じてAE波の周波数及び振幅は異なるため、両者を区別して検出することができる。
つまり、保護ガラス5へのスパッタの付着と保護ガラス5の破損とは、レーザ加工中に不可逆的に発生する現象であり、保護ガラス5の破損を検出するまで保護ガラス5へのスパッタの付着を検出することが可能である。
図13は、本実施の形態に係る劣化検知装置15cの機能を説明するための機能ブロック図である。
実施の形態1と同様に、第1比較部76aは、AE波検出値とこれ以上の値であれば保護ガラス5の破壊を表す第1基準値とを比較する。また、実施の形態2と同様に、第2比較部76bは、AE計数値とこれ以上の値であれば保護ガラス5の交換が必要な汚染状態を表す第2基準値とを比較する。
図14は、本実施の形態に係る劣化検知装置15cが行う保護ガラス5の劣化検知処理の動作を表すフローチャートの例である。図13及び図14を用いて、劣化検知装置15cの動作について詳細に述べる。
ステップS21~ステップS24までは実施の形態1及び2と同様である。
本実施形態ではステップS25からステップS27では実施の形態1と同様に、第1比較部76a及び第3判定部77cによって、保護ガラス5が破壊されており交換が必要か否かを判定する。
第3判定部77cが保護ガラス5は破壊されており交換が必要であると判定した場合、ステップS33に進み、結果報知部78が保護ガラス5の交換をするべき旨の警告を報知する。
第3判定部77cが保護ガラス5は破壊されておらず破損による交換は必要ではないと判定した場合、ステップS28に進む。
本実施形態ではステップS28からステップS32では実施の形態2と同様に、第2比較部76b及び第3判定部77cで、保護ガラス5は交換が必要な汚染状態であるか否かを判定する。
保護ガラス5を交換するべきでないと判定した場合、ステップS21に戻る。そして、ステップS21からステップS33までの動作は、保護ガラス5の破損もしくは保護ガラス5を交換するべきスパッタによる汚染状態が検出されるまで、あらかじめ定められた一定間隔で繰り返し行われる。
このように、本実施の形態では、レーザ加工中リアルタイムに、保護ガラス5の破損だけでなくスパッタの付着量も検出することができるため、いずれの状態になっても保護ガラス5を交換するべきか否かを判定することができる。検出結果に応じて、レーザ光LBの照射の停止及び保護ガラス5の交換を行うことができるため、高価な集光レンズ3の汚染及び破損を防ぐことができる。
1 レーザ加工ヘッド
3 集光レンズ
5 保護ガラス
7 AEセンサ
15a、15b、15c 劣化検知装置
71 検出部
72 前置増幅部
73 ノイズ除去部
74 主増幅部
75 A/D変換部
76a 第1比較部
76b 第2比較部
77a 第1判定部
77b 第2判定部
77c 第3判定部
78 結果報知部
79 検波部
80 パルス出力部
81 計数部

Claims (6)

  1. レーザ光を集光する集光レンズと、
    前記集光レンズを保護するように設けられる保護ガラスと、
    前記保護ガラスの外周面の位置に設けられた篏合穴に挿入され、前記保護ガラスから発生するAE(Aco ustic Emission)波を検出し、AE信号として出力する検出部と、
    を備えたことを特徴とするレーザ加工ヘッド。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工ヘッドが有する前記検出部から出力された前記AE信号に基づいて求められるAE波検出値と前記保護ガラスの破損を判断する基準である第1基準値とを比較する第1比較部と、
    前記第1比較部の比較結果に基づいて前記保護ガラスの交換の要否を判定する第1判定部と、
    前記第1判定部の判定結果が要の場合に前記保護ガラスの交換を報知する結果報知部と、
    を備えたことを特徴とする劣化検知装置。
  3. 請求項1に記載のレーザ加工ヘッドが有する前記検出部から出力された前記AE信号を包絡線検波する検波部と、
    前記検波部による検波結果がパルス閾値以上であればパルスを出力するパルス出力部と、
    前記パルス出力部により出力されたパルスの数をカウントし、AE計数値として出力する計数部と、
    前記計数部から出力された前記AE計数値と前記保護ガラスの汚染を判断する基準である第2基準値とを比較する第2比較部と、
    前記第2比較部の比較結果に基づいて前記保護ガラスの交換の要否を判定する第2判定部と、
    前記第2判定部の判定結果が要の場合に前記保護ガラスの交換を報知する結果報知部と、
    を備えたことを特徴とする劣化検知装置。
  4. 請求項1に記載のレーザ加工ヘッドが有する前記検出部から出力された前記AE信号に基づいて求められるAE波検出値と前記保護ガラスの破損を判断する基準である第1基準値とを比較する第1比較部と、
    前記AE信号を包絡線検波する検波部と、
    前記検波部による検波結果がパルス閾値以上であればパルスを出力するパルス出力部と、
    前記パルス出力部により出力されたパルスの数をカウントし、AE計数値として出力する計数部と、
    前記計数部から出力された前記AE計数値と前記保護ガラスの汚染を判断する基準である第2基準値とを比較する第2比較部と、
    前記第1比較部の比較結果に基づいて破損による前記保護ガラスの交換の要否を判定し、前記破損による前記保護ガラスの交換は必要ないと判定した場合に前記第2比較部の結果に基づいて汚染による前記保護ガラスの交換の要否を判定する第3判定部と、
    前記第3判定部の判定結果が要の場合に前記保護ガラスの交換を報知する結果報知部と、
    を備えたことを特徴とする劣化検知装置。
  5. 前記結果報知部は、
    表示画面に前記保護ガラスを交換する旨の警告を表示すること、
    警告音を発すること、
    又は通信を用いて他の設備に通知すること、
    の少なくともいずれかを行って報知することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の劣化検知装置。
  6. 請求項1に記載のレーザ加工ヘッドと、
    請求項2から5のいずれか1項に記載の劣化検知装置と、
    を備えたレーザ加工機。
JP2019014526A 2019-01-30 2019-01-30 レーザ加工ヘッド、劣化検知装置及びレーザ加工機 Active JP7259362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019014526A JP7259362B2 (ja) 2019-01-30 2019-01-30 レーザ加工ヘッド、劣化検知装置及びレーザ加工機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019014526A JP7259362B2 (ja) 2019-01-30 2019-01-30 レーザ加工ヘッド、劣化検知装置及びレーザ加工機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020121325A JP2020121325A (ja) 2020-08-13
JP7259362B2 true JP7259362B2 (ja) 2023-04-18

Family

ID=71991808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019014526A Active JP7259362B2 (ja) 2019-01-30 2019-01-30 レーザ加工ヘッド、劣化検知装置及びレーザ加工機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7259362B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002361452A (ja) 2001-03-20 2002-12-18 Precitec Kg レーザ加工ヘッドの保護ガラスの汚れの程度を測定する方法およびこの方法を実施するレーザ加工システム
JP2003247986A (ja) 2002-02-27 2003-09-05 Sharp Corp 破損検出システムおよび破損検出方法
JP2005014020A (ja) 2003-06-24 2005-01-20 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ加工機及びノズル異常検出方法
JP2007064852A (ja) 2005-08-31 2007-03-15 Omron Corp 検査装置および検査方法
JP2011104643A (ja) 2009-11-20 2011-06-02 Amada Co Ltd レーザ加工ヘッドに備えた保護ガラスの劣化検出方法及び装置
JP2012078288A (ja) 2010-10-05 2012-04-19 Asahi Kasei Engineering Kk 転がり軸受の診断方法
JP2016196029A (ja) 2015-04-06 2016-11-24 株式会社東芝 レーザ加工ヘッド
JP2018018909A (ja) 2016-07-27 2018-02-01 住友重機械工業株式会社 レーザ加工機
CN107839233A (zh) 2016-09-19 2018-03-27 Cl产权管理有限公司 用于制造三维物体的设备

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0716795B2 (ja) * 1988-01-19 1995-03-01 ミヤチテクノス株式会社 レーザ出射口保護ガラス板の汚れ検出装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002361452A (ja) 2001-03-20 2002-12-18 Precitec Kg レーザ加工ヘッドの保護ガラスの汚れの程度を測定する方法およびこの方法を実施するレーザ加工システム
JP2003247986A (ja) 2002-02-27 2003-09-05 Sharp Corp 破損検出システムおよび破損検出方法
JP2005014020A (ja) 2003-06-24 2005-01-20 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ加工機及びノズル異常検出方法
JP2007064852A (ja) 2005-08-31 2007-03-15 Omron Corp 検査装置および検査方法
JP2011104643A (ja) 2009-11-20 2011-06-02 Amada Co Ltd レーザ加工ヘッドに備えた保護ガラスの劣化検出方法及び装置
JP2012078288A (ja) 2010-10-05 2012-04-19 Asahi Kasei Engineering Kk 転がり軸受の診断方法
JP2016196029A (ja) 2015-04-06 2016-11-24 株式会社東芝 レーザ加工ヘッド
JP2018018909A (ja) 2016-07-27 2018-02-01 住友重機械工業株式会社 レーザ加工機
CN107839233A (zh) 2016-09-19 2018-03-27 Cl产权管理有限公司 用于制造三维物体的设备
JP2018047687A (ja) 2016-09-19 2018-03-29 ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング 三次元的な物体を製造するための装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020121325A (ja) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5054297B2 (ja) レーザーショック処理を監視するシステム及び方法
JP5504679B2 (ja) レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法
EP3636415B1 (en) Apparatus for additively manufacturing three-dimensional objects
JP2001509889A (ja) レーザー機械加工に関連する保護ガラスの状態を検査するための方法及び装置
JPH03106581A (ja) 突き抜けを音響的に検出する方法および装置
JP6815689B2 (ja) レーザ加工機
JP7259362B2 (ja) レーザ加工ヘッド、劣化検知装置及びレーザ加工機
EP2748597A1 (en) Impact detection and acoustic emission data processing
CN113165107A (zh) 用于监测用于焊接玻璃工件的焊接过程的方法和装置
JPWO2018185973A1 (ja) レーザ加工監視方法及びレーザ加工監視装置
EP1146986A1 (en) A method and an apparatus for checking the condition of a protective glass in connection with laser machining
JP7179278B2 (ja) 保護ガラスの汚れ検知装置及び保護ガラスの汚れ検知方法
JP6982450B2 (ja) 保護ガラス汚れ検知システム及び方法
De Keuster et al. Monitoring of high-power CO 2 laser cutting by means of an acoustic microphone and photodiodes
JP2020179405A (ja) 保護ガラスのヒューム汚れ検知装置及び検知方法
JP3797327B2 (ja) レーザ加工装置
JP2017196629A (ja) 保護ガラスの汚れ検出装置とそれを備えるレーザ加工機及び保護ガラスの汚れ検出方法
WO2023063063A1 (ja) 保護ガラス汚れ検知装置及び保護ガラス汚れ検知方法
JP3385502B2 (ja) レーザ溶接欠陥検出装置及び検出方法
CN105922847B (zh) 用于检测玻璃面处的至少一个损伤事件的方法
JP4905336B2 (ja) レーザ加工機
JP2018189611A (ja) 計測方法及び計測システム
US6546784B2 (en) Laser apparatus for measuring dirt density on steel plates
JP2017056464A (ja) レーザ溶接装置
JP2010110796A (ja) レーザ加工モニタリング方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210929

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20220427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230320

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7259362

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151