JP2005014020A - レーザ加工機及びノズル異常検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル異常を検知してレーザ加工による不良率を低減することができるレーザ加工機、ノズル異常検出方法を提供する。
【解決手段】レーザ加工機10は、アシストガスが供給されるノズル36の内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズル36の吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークWに照射する。制御装置24は、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段により計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する異常監視手段と、を有する。そのため、保護ガラスの破損、あるいはノズル吐出口が塞がれた場合にノズル異常を検知して報知することにより、異常発生を検知した時点で速やかに保護ガラスあるいはノズルを交換でき、レーザ加工の不良率を下げてレーザ加工の信頼性を高められる。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ加工機10は、アシストガスが供給されるノズル36の内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズル36の吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークWに照射する。制御装置24は、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段により計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する異常監視手段と、を有する。そのため、保護ガラスの破損、あるいはノズル吐出口が塞がれた場合にノズル異常を検知して報知することにより、異常発生を検知した時点で速やかに保護ガラスあるいはノズルを交換でき、レーザ加工の不良率を下げてレーザ加工の信頼性を高められる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機及びノズル異常検出方法。
【0002】
【従来の技術】
例えば、レーザ加工機を用いて金属材料に穴あけ加工する場合、穴あけ加工中に発生するスパッタ(溶融した金属の粒)が垂直方向に飛散してノズル内部に装着された保護ガラスに付着して破損させたり、あるいはノズル先端の開口を塞いでしまうという問題が生じる。特にワークとしての金属材料の厚さ寸法が厚い場合には、ワークに照射されるレーザ光のエネルギを高める必要があり、その分穴あけ加工位置を高温に加熱し、且つレーザ光の照射時間も長くする必要があるので、レーザ加工の初期段階にスパッタが垂直方向に飛散しやすい傾向にある。
【0003】
このようなスパッタの発生原因としては、例えば、レーザ光のエネルギ密度が高すぎると金属表面の溶融部分から金属蒸気の反力による場合、あるいはワークの材料内部に介在する不純物や表面に付着している有機剤、亜鉛めっきなどの燃焼ガスが急激に膨張した場合などが考えられる。
【0004】
これに対し、レーザ光の照射によるスパッタによる影響を受けないようにノズルの先端にレーザ光が透過する透明板を設け、この透明板によりスパッタがノズル内部に侵入することを防止して保護ガラスの破損を防止するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−155978号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成のものは、ノズル先端に保護ガラスを保護する透明板を設けた構成であるので、透明板にスパッタが付着しやすく、頻繁に透明板の交換を行う必要があるが、スパッタによる影響を検出することができないので、透明板にスパッタが付着したままレーザ加工を行うことになり、加工不良となるおそれがあった。
【0007】
また、上記特許文献1に記載された構成では、透明板の中央にレーザ光が通過する孔が設けられており、この孔からアシストガスが噴出されるようになっているが、スパッタによって孔が塞がれやすいのに、何時透明板を交換すれば良いのかが分からないという問題がある。
【0008】
また、ワークの加工箇所が多数ある場合には、連続して加工するため、透明板にスパッタが付着したままレーザ加工を継続してしまい、レーザ加工による不良率が高くなるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は上記課題を解決したレーザ加工機及びノズル異常検出方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、以下のような特徴を有する。
上記請求項1記載の発明は、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段により計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する異常監視手段と、を備えたものであり、保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれた場合にアシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知することが可能になり、ノズルの異常発生後速やかに交換作業を行える。
【0011】
請求項2記載の発明は、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第1の判断手段と、第1の判断手段により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第1の報知手段と、を備えたものであり、保護ガラスの破損発生を検知して報知できるので、保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0012】
請求項3記載の発明は、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第2の判断手段と、第2の判断手段により前記ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断した場合、これを報知する第2の報知手段と、を備えたものであり、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0013】
請求項4記載の発明は、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第1の記憶手段と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の記憶手段と、流量計測手段により計測された流量値と第1の記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が上限値以上か否かを判定する第1の判定手段と、流量計測手段により計測された流量値と第2の記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が前記下限値以下か否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第1の報知手段と、第2の判定手段により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第2の報知手段と、を備えたものであり、アシストガスの流量の変化に基づいて保護ガラスの破損発生を検知して報知して保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させることができ、あるいは、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させて速やかに交換作業を行える。
【0014】
請求項5記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する第2の段階と、第2の段階で異常発生を検出した場合、当該異常内容を報知する第3の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知して作業員に保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0015】
請求項6記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第3の段階と、第3の段階により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0016】
請求項7記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第3の段階と、第3の段階によりノズルの吐出口が閉塞されたと判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0017】
請求項8記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が上限値以上か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0018】
請求項9記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が下限値以下か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が下限値以下に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明になるレーザ加工機の一実施例を示す正面図である。図2はレーザ加工機の平面図である。
【0020】
図1及び図2に示されるように、レーザ加工機10は、レーザ光を発生させるレーザ光ユニット12と、レーザ電源14と、ワーク保持テーブル16と、XYステージ18とを有する。また、レーザ加工機10は、移動可能なフレーム20に各機器が搭載されており、ワーク保持テーブル16に金属板からなるワークWが載置されると、ワークWをXYステージ18によりX方向及びY方向に移動させてレーザ光が照射される位置とワークWの被加工位置との位置合わせを行う。
【0021】
レーザ光ユニット12は、レーザ発振器50及びレンズ、ミラーなどからなる光学系から構成されており、レーザ発振器50はレーザ電源14から印加された電圧に応じたエネルギを有するレーザ光をノズルユニット22に出射する。レーザ光ユニット12の側面に取り付けられたノズルユニット22は、レーザ光を下方に位置するワークWに向けて照射するように構成されている。また、ノズルユニット22は、ワークWに対して高さ方向(Z方向)の位置を調整するように昇降可能に設けられている。
【0022】
さらに、ノズルユニット22には、ガス出射装置54からアシストガスが供給されている。このアシストガスは、レーザ加工により発生する融解物等を吹き飛ばすための酸素ガス、圧縮空気、又は、窒素ガス等からなり、レーザ光が照射される際に、ワークWに吹き付けられる。
【0023】
また、レーザ加工機10は、任意のエネルギ密度のレーザ光をワークWの加工点に照射するようにレーザ電源14の電圧制御、及びXYステージ18の移動制御、ガス出射装置54の制御を行う制御装置24を有する。
【0024】
制御装置24は、例えば、マイクロコンピュータなどからなり、後述するように予め記憶部25に格納された制御プログラムに基づいてワークWの種類に応じた加工条件(エネルギ密度、加工時間、レーザ周波数)でレーザ加工処理を行う。そして、制御装置24の記憶部25には、ガス出射装置54からノズルユニット22に供給されるアシストガスの流量を監視する制御プログラム(異常監視手段)と、アシストガスの流量変化に応じてノズル詰まり、あるいはノズル内の保護ガラスの破損を検知して報知する制御プログラム(第1、第2の報知手段)とが格納されている。
【0025】
さらに、記憶部25には、アシストガスの流量変化を監視するためのしきい値(上限値Sa、下限値Sb)が予め登録される記憶エリア(第1、第2の記憶手段)が設けられている。
【0026】
ここで、ノズルユニット22の構成について図3及び図4を参照して説明する。
図3はノズルユニット22を拡大して示す正面図である。図4はノズルユニット22の内部構造を示す縦断面図である。
【0027】
図3及び図4に示されるように、ノズルユニット22は、円筒状に形成された筐体26と、筐体26の内部に保持された結像光学系のレンズ28と、筐体26の下方に同軸的に取り付けられた中空形状のノズルスリーブ30と、ノズルスリーブ30の内部に保持された保護ガラス32と、ノズルスリーブ30の下部に螺入されたノズル保持部材34と、ノズル保持部材34に固着されたノズル36とを有する。
【0028】
筐体26の外周には、アシストガスの圧力を測定する圧力計42が設けられている。また、ノズルスリーブ30は、上端に嵌合固定された固定部44が筐体26の外周に螺入された締め付けねじ46により固定される。
【0029】
ノズル36は、内部が中空36aとされた円錐形状(テーパ状)に形成されており、先端(下端)に小径な吐出口36bが設けられている。このノズル36は、レンズ28と同軸に取り付けられており、レンズ28によって集光されたレーザ光をワークWに向けて出射させると共に、アシストガスを吐出口36bから噴出するように構成されている。このアシストガスの噴射によりレーザ加工時にワークから飛散するスパッタが周囲に吹き飛ばされる。
【0030】
さらに、ノズルスリーブ30の外周には、アシストガスをノズル36へ供給するガス供給管路38が接続される継手40とが取り付けられている。継手40は、ノズルスリーブ30の内部通路30aに連通されるように取り付けられており、内部通路30aの上部開口30bには、保護ガラス32がリング状のガラス押さえ3によって保持されている。そのため、保護ガラス32は、レンズ28の下面に対向するようにノズルスリーブ30の上部開口30bを密閉しており、ガス供給管路38及び継手40を介してノズルスリーブ30の内部通路30aに供給されたアシストガスは、保護ガラス32によって上方への流出が阻止されている。
【0031】
従って、ノズルスリーブ30に供給されたアシストガスは、内部通路30aの下方に流れ、テーパ状に形成されたノズル36を通過して吐出口36bよりワークWに向けて吹き付けられる。
【0032】
図5はレーザ加工機10の概略構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、レーザ加工機10は、上記各部の他にレーザ発振器50、反射ミラー52、ガス出射装置54、駆動装置56、サーボモータ58とを有する。
【0033】
レーザ発振器50は、YAGレーザを出力するように構成されている。レーザ発振器50から出射されたレーザ光は、反射ミラー52を介して、ワーク保持テーブル16に向けてレーザ光を反射してワークWに入射される。そして、ノズルユニット22のレンズ28により、所望の穴径にて加工が行われるようレーザ光が集光され、ワークWに対するレーザ加工が行われる。
【0034】
駆動装置56は、ノズルユニット22をZ方向に移動し、ワークWに対して結像位置の調整を行う。また、XYステージ18は、サーボモータ58によりX方向及び、Y方向へ移動する。また、XYステージ18は、例えばワークWの大きさに応じたストロークの範囲で移動可能に設けられている。
【0035】
また、制御装置24は、レーザ発振器50からのレーザ光の強度及び出射タイミングと、駆動装置56によるノズルユニット22の昇降移動と、ガス出射装置56からのアシストガスの出射タイミングと、サーボモータ58におけるXYステージ18の移動タイミングとを制御している。
【0036】
図6はガス出射装置56の概略構成を示す系統図である。
図6に示されるように、ガス出射装置56は、管路60を介してガス供給管路38に連通されたガス供給源62と、管路60に配設された減圧弁64、圧力計66、流量計(流量計測手段)68、開閉弁70、可変絞り72とを有する。
【0037】
ガス供給源62からノズル36へ供給されるアシストガスの流量は、可変絞り72によって任意の流量に設定されている。また、アシストガスの供給圧力は、減圧弁64により設定された所定圧力に減圧される。
【0038】
流量計68は、例えば、質量流量計からなり、管路60を流れる流量に比例した周期の流量信号を制御装置24へ出力する。そして、制御装置24では、流量計68から入力された流量信号から単位時間当たりの瞬時流量を算出し、前述した記憶部25に予め登録されたしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を読み込んで瞬時流量と比較する。制御装置24は、計測されたアシストガスの瞬時流量がしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を超えていない場合、アシストガスの流量が正常であるので、ノズル36からアシストガスが正常に吐出されているもの判断する。
【0039】
また、開閉弁70は、例えば、電磁弁からなり、制御装置24からの制御信号により開弁状態または閉弁状態に切り替わる。例えば、制御装置24において、アシストガスの流量が予め設定された上限値以上の場合、あるいはアシストガスの流量が予め設定された下限値以下の場合、開閉弁70を閉弁してアシストガスの供給を停止させると共に、報知手段74により異常発生内容(ノズル詰まり、あるいは保護ガラス破損)を作業員に報知する。尚、報知手段としては、モニタに文字でノズル異常内容を表示しても良いし、あるいはスピーカから音声によりノズル異常内容を伝えるようにしても良い。
【0040】
図7はノズル異常と流量変化との関係を示すグラフである。
図7に示されるように、通常、ノズル36に供給されるアシストガスは、可変絞り72の絞り開度により設定された定常状態(グラフI参照)の流量、及び減圧弁64により設定された圧力を保つ。ところが、保護ガラス32がスパッタにより破損した場合、ガラスの割れ目からアシストガスが上方に流出して外部に洩れるため、流量Qは上限値(上限しきい値)Sa以上に上昇する(グラフII参照)ことになる。一方、ノズル36の先端に形成された吐出口36bにスパッタが付着した場合には、アシストガスの吐出量が減少するため、流量Qは下限値(下限しきい値)Sb以下に低下する(グラフIII参照)ことになる。
【0041】
従って、アシストガスの流量変化を監視することにより保護ガラス32の破損、及びノズル36の吐出口36bの詰まりを検知することが可能になる。
【0042】
ここで、制御装置24が実行する制御処理について説明する。
図8制御装置24が実行するレーザ加工処理を説明するためのフローチャートである。
図8に示されるように、制御装置24は、S11において、レーザ加工機10のスタートスイッチ(図示せず)がオンに操作されると、S12に進み、ワークWに対応して予め設定された第1の加工点のXY座標データをデータベースから読み出す。そして、S13に進み、第1の加工点のXY座標データに基づいてXYステージ18を駆動して第1の加工点をノズルユニット22の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と一致させる。
【0043】
S14では、レーザ光の照射位置(ノズルユニット22の中心線の座標位置)と第1の加工点の座標位置とが一致したことを確認する。S14において、レーザ光の照射位置と第1の加工点の座標位置とが不一致のときは、上記S13に戻り、XYステージ18を駆動する。そして、上記S14において、レーザ光の照射位置と第1の加工点の座標位置とが一致したときは、S15に進み、ガス出射装置56の開閉弁70を開弁してアシストガスをノズル36に供給する。
【0044】
続いて、S16に進み、レーザ発振器50からレーザ光を出射し、ワークWの第1の加工点に照射する。次のS17では、流量計68から入力された流量信号から単位時間当たりのガス流量Qを算出する。
【0045】
そして、S18に進み、記憶部25に登録されたガス流量のしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を読み込む。次のS19では、計測されたガス流量Qとしきい値(上限値Sa、下限値Sb)と比較する(異常監視手段)。
【0046】
S19において、計測されたガス流量Qが上限値Saと下限値Sbとの範囲内に入っている場合には、アシストガスの流量が定常状態(グラフI参照)であるので、S20に進む。
【0047】
次のS20では、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)が設定されている場合には、前述したS12に戻り、第2の加工点の座標データを取得してS12〜S20の処理を繰り返す。そして、上記S20において、最後の加工点の穴あけ加工が終了すると、S21に進み、開閉弁70を閉弁してアシストガスの供給を停止させる。これで、当該ワークWに対するレーザ加工が終了する。
【0048】
しかしながら、上記S19において、計測されたガス流量Qが上限値Saと下限値Sbとの範囲から外れている場合には、S22に移行する。そして、S22では、開閉弁70を閉弁してアシストガスの供給を停止させる。続いて、S23に進み、レーザ発振器50への通電を停止してレーザ加工を停止する。
【0049】
次のS24では、計測されたガス流量Qが上限値Sa以上かどうかをチェックする(第1の判断手段)。このS24において、計測されたガス流量Qが上限値Sa以上の場合には、S25に進み、保護ガラス32が破損したことを報知する(第1の報知手段)。これで、保護ガラス32が破損した場合の制御処理が終了する。
【0050】
また、上記S24において、計測されたガス流量Qが上限値Sa以上でない場合には、S26に進み、計測されたガス流量Qが下限値Sb以下かどうかをチェックする(第2の判断手段)。このS26において、計測されたガス流量Qが下限値Sb以下の場合には、S27に進み、ノズル詰まりであることを報知する(第2の報知手段)。これで、ノズル詰まりの場合の制御処理が終了する。
【0051】
また、上記S26において、計測されたガス流量Qが下限値Sb以下でない場合には、S28に進み、警報(アラーム)を発する。これで、ノズル異常の場合の制御処理が終了する。
【0052】
このように、アシストガスの流量を監視することにより、保護ガラス32が破損したこと、あるいはノズル36の詰まりを報知することが可能になるため、作業者は、直ちに保護ガラス32の交換作業、あるいはノズル36の交換作業を行うことができる。そのため、例えば、メンテナンス以外のときでもノズル異常を速やかに検知できるため、ノズル異常による加工不良を無くすことができ、多数の孔加工を連続して行う場合でもレーザ加工の信頼性が高められる。
【0053】
さらに、本実施例では、ノズル異常と判定された場合、アシストガスを供給停止し、且つレーザ加工を停止させるため、保護ガラスが破損した状態、あるいはノズル詰まりのままレーザ加工を継続させることがなく、加工不良の発生を防止することができる。
【0054】
尚、上記実施例では、レーザ発振器50から出射するレーザ光をYAGレーザとしたが、これに限らないのは勿論である。
【0055】
また、上記実施例では、ワークに孔あけ加工する場合を一例として挙げたが、これに限らず、これ以外の加工を行うのにも適用できるのは言うまでもない。
【0056】
また、上記実施例では、制御装置24でアシストガスの単位時間当たりの瞬時流量Qを算出し、記憶部25からしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を読み込んでガス流量と比較する場合を一例として挙げたが、これに限らず、例えば、流量信号が入力されると流量演算を行う流量計測部を設け、流量計測部からノズル異常内容に応じた信号を制御装置24に出力するようにしても良い。
【0057】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、前記ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段により計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する異常監視手段と、を備えたため、保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれた場合にアシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知することができる。従って、加工不良が発生してから保護ガラスあるいはノズルを交換するのではなく、異常発生を検知した時点で速やかに保護ガラスあるいはノズルを交換できるので、レーザ加工の不良率を下げてレーザ加工の信頼性を高めることができる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第1の判断手段と、第1の判断手段により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第1の報知手段と、を備えたため、保護ガラスの破損発生を検知して報知できるので、保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第2の判断手段と、第2の判断手段によりノズルの吐出口が閉塞されたものと判断した場合、これを報知する第2の報知手段と、を備えたため、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第1の記憶手段と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の記憶手段と、流量計測手段により計測された流量値と第1の記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が上限値以上か否かを判定する第1の判定手段と、流量計測手段により計測された流量値と第2の記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が下限値以下か否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第1の報知手段と、第2の判定手段により、流量値が前記上限値以上に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第2の報知手段と、を備えたため、アシストガスの流量の変化に基づいて保護ガラスの破損発生を検知して報知して保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させることができ、あるいは、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する第2の段階と、第2の段階で異常発生を検出した場合、当該異常内容を報知する第3の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知して作業員に保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0062】
請求項6記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第3の段階と、第3の段階により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0063】
請求項7記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第3の段階と、第3の段階によりノズルの吐出口が閉塞されたと判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するため、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0064】
請求項8記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が前記上限値以上か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第4の段階と、を有するため、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0065】
請求項9記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が下限値以下か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が下限値以下に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第4の段階と、を有するため、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるレーザ加工機の一実施例を示す正面図である。
【図2】レーザ加工機の平面図である。
【図3】ノズルユニット22を拡大して示す正面図である。
【図4】ノズルユニット22の内部構造を示す縦断面図である。
【図5】レーザ加工機10の概略構成を示すブロック図である。
【図6】ガス出射装置56の概略構成を示す系統図である。
【図7】ノズル異常と流量変化との関係を示すグラフである。
【図8】制御装置24が実行するレーザ加工処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 レーザ加工機
12 レーザ光ユニット
14 レーザ電源
16 ワーク保持テーブル
18 XYステージ
22 ノズルユニット
24 制御装置
25 記憶部
26 筐体
28 レンズ
30 ノズルスリーブ
34 ノズル保持部材
36 ノズル
50 レーザ発振器
54 ガス出射装置
56 駆動装置
58 サーボモータ
62 ガス供給源
64 減圧弁
68 流量計
70 開閉弁
72 可変絞り
【発明の属する技術分野】
本発明は、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機及びノズル異常検出方法。
【0002】
【従来の技術】
例えば、レーザ加工機を用いて金属材料に穴あけ加工する場合、穴あけ加工中に発生するスパッタ(溶融した金属の粒)が垂直方向に飛散してノズル内部に装着された保護ガラスに付着して破損させたり、あるいはノズル先端の開口を塞いでしまうという問題が生じる。特にワークとしての金属材料の厚さ寸法が厚い場合には、ワークに照射されるレーザ光のエネルギを高める必要があり、その分穴あけ加工位置を高温に加熱し、且つレーザ光の照射時間も長くする必要があるので、レーザ加工の初期段階にスパッタが垂直方向に飛散しやすい傾向にある。
【0003】
このようなスパッタの発生原因としては、例えば、レーザ光のエネルギ密度が高すぎると金属表面の溶融部分から金属蒸気の反力による場合、あるいはワークの材料内部に介在する不純物や表面に付着している有機剤、亜鉛めっきなどの燃焼ガスが急激に膨張した場合などが考えられる。
【0004】
これに対し、レーザ光の照射によるスパッタによる影響を受けないようにノズルの先端にレーザ光が透過する透明板を設け、この透明板によりスパッタがノズル内部に侵入することを防止して保護ガラスの破損を防止するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−155978号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成のものは、ノズル先端に保護ガラスを保護する透明板を設けた構成であるので、透明板にスパッタが付着しやすく、頻繁に透明板の交換を行う必要があるが、スパッタによる影響を検出することができないので、透明板にスパッタが付着したままレーザ加工を行うことになり、加工不良となるおそれがあった。
【0007】
また、上記特許文献1に記載された構成では、透明板の中央にレーザ光が通過する孔が設けられており、この孔からアシストガスが噴出されるようになっているが、スパッタによって孔が塞がれやすいのに、何時透明板を交換すれば良いのかが分からないという問題がある。
【0008】
また、ワークの加工箇所が多数ある場合には、連続して加工するため、透明板にスパッタが付着したままレーザ加工を継続してしまい、レーザ加工による不良率が高くなるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は上記課題を解決したレーザ加工機及びノズル異常検出方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、以下のような特徴を有する。
上記請求項1記載の発明は、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段により計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する異常監視手段と、を備えたものであり、保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれた場合にアシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知することが可能になり、ノズルの異常発生後速やかに交換作業を行える。
【0011】
請求項2記載の発明は、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第1の判断手段と、第1の判断手段により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第1の報知手段と、を備えたものであり、保護ガラスの破損発生を検知して報知できるので、保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0012】
請求項3記載の発明は、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第2の判断手段と、第2の判断手段により前記ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断した場合、これを報知する第2の報知手段と、を備えたものであり、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0013】
請求項4記載の発明は、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第1の記憶手段と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の記憶手段と、流量計測手段により計測された流量値と第1の記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が上限値以上か否かを判定する第1の判定手段と、流量計測手段により計測された流量値と第2の記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が前記下限値以下か否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第1の報知手段と、第2の判定手段により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第2の報知手段と、を備えたものであり、アシストガスの流量の変化に基づいて保護ガラスの破損発生を検知して報知して保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させることができ、あるいは、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させて速やかに交換作業を行える。
【0014】
請求項5記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する第2の段階と、第2の段階で異常発生を検出した場合、当該異常内容を報知する第3の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知して作業員に保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0015】
請求項6記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第3の段階と、第3の段階により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0016】
請求項7記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第3の段階と、第3の段階によりノズルの吐出口が閉塞されたと判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0017】
請求項8記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が上限値以上か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0018】
請求項9記載の発明は、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が下限値以下か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が下限値以下に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明になるレーザ加工機の一実施例を示す正面図である。図2はレーザ加工機の平面図である。
【0020】
図1及び図2に示されるように、レーザ加工機10は、レーザ光を発生させるレーザ光ユニット12と、レーザ電源14と、ワーク保持テーブル16と、XYステージ18とを有する。また、レーザ加工機10は、移動可能なフレーム20に各機器が搭載されており、ワーク保持テーブル16に金属板からなるワークWが載置されると、ワークWをXYステージ18によりX方向及びY方向に移動させてレーザ光が照射される位置とワークWの被加工位置との位置合わせを行う。
【0021】
レーザ光ユニット12は、レーザ発振器50及びレンズ、ミラーなどからなる光学系から構成されており、レーザ発振器50はレーザ電源14から印加された電圧に応じたエネルギを有するレーザ光をノズルユニット22に出射する。レーザ光ユニット12の側面に取り付けられたノズルユニット22は、レーザ光を下方に位置するワークWに向けて照射するように構成されている。また、ノズルユニット22は、ワークWに対して高さ方向(Z方向)の位置を調整するように昇降可能に設けられている。
【0022】
さらに、ノズルユニット22には、ガス出射装置54からアシストガスが供給されている。このアシストガスは、レーザ加工により発生する融解物等を吹き飛ばすための酸素ガス、圧縮空気、又は、窒素ガス等からなり、レーザ光が照射される際に、ワークWに吹き付けられる。
【0023】
また、レーザ加工機10は、任意のエネルギ密度のレーザ光をワークWの加工点に照射するようにレーザ電源14の電圧制御、及びXYステージ18の移動制御、ガス出射装置54の制御を行う制御装置24を有する。
【0024】
制御装置24は、例えば、マイクロコンピュータなどからなり、後述するように予め記憶部25に格納された制御プログラムに基づいてワークWの種類に応じた加工条件(エネルギ密度、加工時間、レーザ周波数)でレーザ加工処理を行う。そして、制御装置24の記憶部25には、ガス出射装置54からノズルユニット22に供給されるアシストガスの流量を監視する制御プログラム(異常監視手段)と、アシストガスの流量変化に応じてノズル詰まり、あるいはノズル内の保護ガラスの破損を検知して報知する制御プログラム(第1、第2の報知手段)とが格納されている。
【0025】
さらに、記憶部25には、アシストガスの流量変化を監視するためのしきい値(上限値Sa、下限値Sb)が予め登録される記憶エリア(第1、第2の記憶手段)が設けられている。
【0026】
ここで、ノズルユニット22の構成について図3及び図4を参照して説明する。
図3はノズルユニット22を拡大して示す正面図である。図4はノズルユニット22の内部構造を示す縦断面図である。
【0027】
図3及び図4に示されるように、ノズルユニット22は、円筒状に形成された筐体26と、筐体26の内部に保持された結像光学系のレンズ28と、筐体26の下方に同軸的に取り付けられた中空形状のノズルスリーブ30と、ノズルスリーブ30の内部に保持された保護ガラス32と、ノズルスリーブ30の下部に螺入されたノズル保持部材34と、ノズル保持部材34に固着されたノズル36とを有する。
【0028】
筐体26の外周には、アシストガスの圧力を測定する圧力計42が設けられている。また、ノズルスリーブ30は、上端に嵌合固定された固定部44が筐体26の外周に螺入された締め付けねじ46により固定される。
【0029】
ノズル36は、内部が中空36aとされた円錐形状(テーパ状)に形成されており、先端(下端)に小径な吐出口36bが設けられている。このノズル36は、レンズ28と同軸に取り付けられており、レンズ28によって集光されたレーザ光をワークWに向けて出射させると共に、アシストガスを吐出口36bから噴出するように構成されている。このアシストガスの噴射によりレーザ加工時にワークから飛散するスパッタが周囲に吹き飛ばされる。
【0030】
さらに、ノズルスリーブ30の外周には、アシストガスをノズル36へ供給するガス供給管路38が接続される継手40とが取り付けられている。継手40は、ノズルスリーブ30の内部通路30aに連通されるように取り付けられており、内部通路30aの上部開口30bには、保護ガラス32がリング状のガラス押さえ3によって保持されている。そのため、保護ガラス32は、レンズ28の下面に対向するようにノズルスリーブ30の上部開口30bを密閉しており、ガス供給管路38及び継手40を介してノズルスリーブ30の内部通路30aに供給されたアシストガスは、保護ガラス32によって上方への流出が阻止されている。
【0031】
従って、ノズルスリーブ30に供給されたアシストガスは、内部通路30aの下方に流れ、テーパ状に形成されたノズル36を通過して吐出口36bよりワークWに向けて吹き付けられる。
【0032】
図5はレーザ加工機10の概略構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、レーザ加工機10は、上記各部の他にレーザ発振器50、反射ミラー52、ガス出射装置54、駆動装置56、サーボモータ58とを有する。
【0033】
レーザ発振器50は、YAGレーザを出力するように構成されている。レーザ発振器50から出射されたレーザ光は、反射ミラー52を介して、ワーク保持テーブル16に向けてレーザ光を反射してワークWに入射される。そして、ノズルユニット22のレンズ28により、所望の穴径にて加工が行われるようレーザ光が集光され、ワークWに対するレーザ加工が行われる。
【0034】
駆動装置56は、ノズルユニット22をZ方向に移動し、ワークWに対して結像位置の調整を行う。また、XYステージ18は、サーボモータ58によりX方向及び、Y方向へ移動する。また、XYステージ18は、例えばワークWの大きさに応じたストロークの範囲で移動可能に設けられている。
【0035】
また、制御装置24は、レーザ発振器50からのレーザ光の強度及び出射タイミングと、駆動装置56によるノズルユニット22の昇降移動と、ガス出射装置56からのアシストガスの出射タイミングと、サーボモータ58におけるXYステージ18の移動タイミングとを制御している。
【0036】
図6はガス出射装置56の概略構成を示す系統図である。
図6に示されるように、ガス出射装置56は、管路60を介してガス供給管路38に連通されたガス供給源62と、管路60に配設された減圧弁64、圧力計66、流量計(流量計測手段)68、開閉弁70、可変絞り72とを有する。
【0037】
ガス供給源62からノズル36へ供給されるアシストガスの流量は、可変絞り72によって任意の流量に設定されている。また、アシストガスの供給圧力は、減圧弁64により設定された所定圧力に減圧される。
【0038】
流量計68は、例えば、質量流量計からなり、管路60を流れる流量に比例した周期の流量信号を制御装置24へ出力する。そして、制御装置24では、流量計68から入力された流量信号から単位時間当たりの瞬時流量を算出し、前述した記憶部25に予め登録されたしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を読み込んで瞬時流量と比較する。制御装置24は、計測されたアシストガスの瞬時流量がしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を超えていない場合、アシストガスの流量が正常であるので、ノズル36からアシストガスが正常に吐出されているもの判断する。
【0039】
また、開閉弁70は、例えば、電磁弁からなり、制御装置24からの制御信号により開弁状態または閉弁状態に切り替わる。例えば、制御装置24において、アシストガスの流量が予め設定された上限値以上の場合、あるいはアシストガスの流量が予め設定された下限値以下の場合、開閉弁70を閉弁してアシストガスの供給を停止させると共に、報知手段74により異常発生内容(ノズル詰まり、あるいは保護ガラス破損)を作業員に報知する。尚、報知手段としては、モニタに文字でノズル異常内容を表示しても良いし、あるいはスピーカから音声によりノズル異常内容を伝えるようにしても良い。
【0040】
図7はノズル異常と流量変化との関係を示すグラフである。
図7に示されるように、通常、ノズル36に供給されるアシストガスは、可変絞り72の絞り開度により設定された定常状態(グラフI参照)の流量、及び減圧弁64により設定された圧力を保つ。ところが、保護ガラス32がスパッタにより破損した場合、ガラスの割れ目からアシストガスが上方に流出して外部に洩れるため、流量Qは上限値(上限しきい値)Sa以上に上昇する(グラフII参照)ことになる。一方、ノズル36の先端に形成された吐出口36bにスパッタが付着した場合には、アシストガスの吐出量が減少するため、流量Qは下限値(下限しきい値)Sb以下に低下する(グラフIII参照)ことになる。
【0041】
従って、アシストガスの流量変化を監視することにより保護ガラス32の破損、及びノズル36の吐出口36bの詰まりを検知することが可能になる。
【0042】
ここで、制御装置24が実行する制御処理について説明する。
図8制御装置24が実行するレーザ加工処理を説明するためのフローチャートである。
図8に示されるように、制御装置24は、S11において、レーザ加工機10のスタートスイッチ(図示せず)がオンに操作されると、S12に進み、ワークWに対応して予め設定された第1の加工点のXY座標データをデータベースから読み出す。そして、S13に進み、第1の加工点のXY座標データに基づいてXYステージ18を駆動して第1の加工点をノズルユニット22の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と一致させる。
【0043】
S14では、レーザ光の照射位置(ノズルユニット22の中心線の座標位置)と第1の加工点の座標位置とが一致したことを確認する。S14において、レーザ光の照射位置と第1の加工点の座標位置とが不一致のときは、上記S13に戻り、XYステージ18を駆動する。そして、上記S14において、レーザ光の照射位置と第1の加工点の座標位置とが一致したときは、S15に進み、ガス出射装置56の開閉弁70を開弁してアシストガスをノズル36に供給する。
【0044】
続いて、S16に進み、レーザ発振器50からレーザ光を出射し、ワークWの第1の加工点に照射する。次のS17では、流量計68から入力された流量信号から単位時間当たりのガス流量Qを算出する。
【0045】
そして、S18に進み、記憶部25に登録されたガス流量のしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を読み込む。次のS19では、計測されたガス流量Qとしきい値(上限値Sa、下限値Sb)と比較する(異常監視手段)。
【0046】
S19において、計測されたガス流量Qが上限値Saと下限値Sbとの範囲内に入っている場合には、アシストガスの流量が定常状態(グラフI参照)であるので、S20に進む。
【0047】
次のS20では、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)が設定されている場合には、前述したS12に戻り、第2の加工点の座標データを取得してS12〜S20の処理を繰り返す。そして、上記S20において、最後の加工点の穴あけ加工が終了すると、S21に進み、開閉弁70を閉弁してアシストガスの供給を停止させる。これで、当該ワークWに対するレーザ加工が終了する。
【0048】
しかしながら、上記S19において、計測されたガス流量Qが上限値Saと下限値Sbとの範囲から外れている場合には、S22に移行する。そして、S22では、開閉弁70を閉弁してアシストガスの供給を停止させる。続いて、S23に進み、レーザ発振器50への通電を停止してレーザ加工を停止する。
【0049】
次のS24では、計測されたガス流量Qが上限値Sa以上かどうかをチェックする(第1の判断手段)。このS24において、計測されたガス流量Qが上限値Sa以上の場合には、S25に進み、保護ガラス32が破損したことを報知する(第1の報知手段)。これで、保護ガラス32が破損した場合の制御処理が終了する。
【0050】
また、上記S24において、計測されたガス流量Qが上限値Sa以上でない場合には、S26に進み、計測されたガス流量Qが下限値Sb以下かどうかをチェックする(第2の判断手段)。このS26において、計測されたガス流量Qが下限値Sb以下の場合には、S27に進み、ノズル詰まりであることを報知する(第2の報知手段)。これで、ノズル詰まりの場合の制御処理が終了する。
【0051】
また、上記S26において、計測されたガス流量Qが下限値Sb以下でない場合には、S28に進み、警報(アラーム)を発する。これで、ノズル異常の場合の制御処理が終了する。
【0052】
このように、アシストガスの流量を監視することにより、保護ガラス32が破損したこと、あるいはノズル36の詰まりを報知することが可能になるため、作業者は、直ちに保護ガラス32の交換作業、あるいはノズル36の交換作業を行うことができる。そのため、例えば、メンテナンス以外のときでもノズル異常を速やかに検知できるため、ノズル異常による加工不良を無くすことができ、多数の孔加工を連続して行う場合でもレーザ加工の信頼性が高められる。
【0053】
さらに、本実施例では、ノズル異常と判定された場合、アシストガスを供給停止し、且つレーザ加工を停止させるため、保護ガラスが破損した状態、あるいはノズル詰まりのままレーザ加工を継続させることがなく、加工不良の発生を防止することができる。
【0054】
尚、上記実施例では、レーザ発振器50から出射するレーザ光をYAGレーザとしたが、これに限らないのは勿論である。
【0055】
また、上記実施例では、ワークに孔あけ加工する場合を一例として挙げたが、これに限らず、これ以外の加工を行うのにも適用できるのは言うまでもない。
【0056】
また、上記実施例では、制御装置24でアシストガスの単位時間当たりの瞬時流量Qを算出し、記憶部25からしきい値(上限値Sa、下限値Sb)を読み込んでガス流量と比較する場合を一例として挙げたが、これに限らず、例えば、流量信号が入力されると流量演算を行う流量計測部を設け、流量計測部からノズル異常内容に応じた信号を制御装置24に出力するようにしても良い。
【0057】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、前記ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段により計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する異常監視手段と、を備えたため、保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれた場合にアシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知することができる。従って、加工不良が発生してから保護ガラスあるいはノズルを交換するのではなく、異常発生を検知した時点で速やかに保護ガラスあるいはノズルを交換できるので、レーザ加工の不良率を下げてレーザ加工の信頼性を高めることができる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第1の判断手段と、第1の判断手段により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第1の報知手段と、を備えたため、保護ガラスの破損発生を検知して報知できるので、保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、異常監視手段が、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第2の判断手段と、第2の判断手段によりノズルの吐出口が閉塞されたものと判断した場合、これを報知する第2の報知手段と、を備えたため、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第1の記憶手段と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の記憶手段と、流量計測手段により計測された流量値と第1の記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が上限値以上か否かを判定する第1の判定手段と、流量計測手段により計測された流量値と第2の記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が下限値以下か否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第1の報知手段と、第2の判定手段により、流量値が前記上限値以上に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第2の報知手段と、を備えたため、アシストガスの流量の変化に基づいて保護ガラスの破損発生を検知して報知して保護ガラスの交換が必要であることを作業員に認知させることができ、あるいは、ノズルの吐出口が閉塞されたことを検知して報知できるので、ノズルの交換が必要であることを作業員に認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生の有無を監視する第2の段階と、第2の段階で異常発生を検出した場合、当該異常内容を報知する第3の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知して作業員に保護ガラスの破損あるいはノズル吐出口が塞がれたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0062】
請求項6記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、保護ガラスが破損したものと判断する第3の段階と、第3の段階により保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するものであり、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0063】
請求項7記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、第1の段階で計測された流量値の変化に基づいてノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第3の段階と、第3の段階によりノズルの吐出口が閉塞されたと判断した場合、これを報知する第4の段階と、を有するため、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0064】
請求項8記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の上限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された上限値とを比較し、流量値が前記上限値以上か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が上限値以上に変化したものと判定された場合に保護ガラスの破損発生したことを報知する第4の段階と、を有するため、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員に保護ガラスの破損したことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【0065】
請求項9記載の発明によれば、内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、アシストガスの流量を計測する第1の段階と、アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の段階と、第1の段階で計測された流量値と第2の段階で記憶手段に記憶された下限値とを比較し、流量値が下限値以下か否かを判定する第3の段階と、第3の段階により、流量値が下限値以下に変化したものと判定された場合にノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第4の段階と、を有するため、アシストガスの流量が変化することを利用してノズルの異常発生を検知でき、作業員にノズルの吐出口が閉塞されたことを認知させ、速やかに交換作業を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるレーザ加工機の一実施例を示す正面図である。
【図2】レーザ加工機の平面図である。
【図3】ノズルユニット22を拡大して示す正面図である。
【図4】ノズルユニット22の内部構造を示す縦断面図である。
【図5】レーザ加工機10の概略構成を示すブロック図である。
【図6】ガス出射装置56の概略構成を示す系統図である。
【図7】ノズル異常と流量変化との関係を示すグラフである。
【図8】制御装置24が実行するレーザ加工処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 レーザ加工機
12 レーザ光ユニット
14 レーザ電源
16 ワーク保持テーブル
18 XYステージ
22 ノズルユニット
24 制御装置
25 記憶部
26 筐体
28 レンズ
30 ノズルスリーブ
34 ノズル保持部材
36 ノズル
50 レーザ発振器
54 ガス出射装置
56 駆動装置
58 サーボモータ
62 ガス供給源
64 減圧弁
68 流量計
70 開閉弁
72 可変絞り
Claims (9)
- アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、前記ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、
前記アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、
前記流量計測手段により計測された流量値の変化に基づいて前記ノズル内部の異常発生の有無を監視する異常監視手段と、
を備えたことを特徴とするレーザ加工機。 - 前記異常監視手段は、
前記アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、前記保護ガラスが破損したものと判断する第1の判断手段と、
該第1の判断手段により前記保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第1の報知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。 - 前記異常監視手段は、
前記アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、前記ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第2の判断手段と、
該第2の判断手段により前記ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断した場合、これを報知する第2の報知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。 - アシストガスが供給されるノズルの内部にレンズを保護する保護ガラスが設けられ、前記ノズルの吐出口よりアシストガスを噴出させながらレーザ光をワークに照射するレーザ加工機において、
前記アシストガスの流量を計測する流量計測手段と、
前記アシストガスの流量の上限値を記憶する第1の記憶手段と、
前記アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の記憶手段と、
前記流量計測手段により計測された流量値と前記第1の記憶手段に記憶された上限値とを比較し、前記流量値が前記上限値以上か否かを判定する第1の判定手段と、
前記流量計測手段により計測された流量値と前記第2の記憶手段に記憶された下限値とを比較し、前記流量値が前記下限値以下か否かを判定する第2の判定手段と、
前記第1の判定手段により、前記流量値が前記上限値以上に変化したものと判定された場合に前記保護ガラスの破損発生したことを報知する第1の報知手段と、
前記第2の判定手段により、前記流量値が前記上限値以上に変化したものと判定された場合に前記ノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第2の報知手段と、
を備えたことを特徴とするレーザ加工機。 - 内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、
前記アシストガスの流量を計測する第1の段階と、
前記第1の段階で計測された流量値の変化に基づいて前記ノズル内部の異常発生の有無を監視する第2の段階と、
前記第2の段階で異常発生を検出した場合、当該異常内容を報知する第3の段階と、
を有することを特徴とするノズル異常検出方法。 - 内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、
前記アシストガスの流量を計測する第1の段階と、
前記第1の段階で計測された流量値の変化に基づいて前記ノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、
前記アシストガスの流量が通常よりも所定値以上に増大した場合、前記保護ガラスが破損したものと判断する第3の段階と、
該第3の段階により前記保護ガラスの破損発生と判断した場合、これを報知する第4の段階と、
を有することを特徴とするノズル異常検出方法。 - 内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、
前記アシストガスの流量を計測する第1の段階と、
前記第1の段階で計測された流量値の変化に基づいて前記ノズル内部の異常発生を監視する第2の段階と、
前記アシストガスの流量が通常よりも所定値以下に減少した場合、前記ノズルの吐出口が閉塞されたものと判断する第3の段階と、
該第3の段階により前記ノズルの吐出口が閉塞されたと判断した場合、これを報知する第4の段階と、
を有することを特徴とするノズル異常検出方法。 - 内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、
前記アシストガスの流量を計測する第1の段階と、
前記アシストガスの流量の上限値を記憶する第2の段階と、
前記第1の段階で計測された流量値と前記第2の段階で記憶手段に記憶された上限値とを比較し、前記流量値が前記上限値以上か否かを判定する第3の段階と、
前記第3の段階により、前記流量値が前記上限値以上に変化したものと判定された場合に前記保護ガラスの破損発生したことを報知する第4の段階と、
を有することを特徴とするノズル異常検出方法。 - 内部にレンズを保護する保護ガラスを有し、アシストガスが供給されるノズルの異常検出方法であって、
前記アシストガスの流量を計測する第1の段階と、
前記アシストガスの流量の下限値を記憶する第2の段階と、
前記第1の段階で計測された流量値と前記第2の段階で記憶手段に記憶された下限値とを比較し、前記流量値が前記下限値以下か否かを判定する第3の段階と、
前記第3の段階により、前記流量値が前記下限値以下に変化したものと判定された場合に前記ノズルの吐出口が閉塞されたことを報知する第4の段階と、
を有することを特徴とするノズル異常検出方法。
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