JP7258598B2 - 接合構造体および金属部材 - Google Patents

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Description

本発明は、接合構造体および金属部材に関する。
金属部材は、他の材料に比べて強度等の点で優れている。しかし、鉄系金属部材等の金属部材は、錆等が発生しやすいため、例えば防錆処理されて使用されている。
金属部材に防錆性を付与する技術としては、例えば、金属部材の表面を窒化処理する技術が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、表面に窒素拡散層を有する耐食性鉄鋼材料であって、この窒素拡散層に、窒素が0.04質量%以上であって、当該耐食性鉄鋼材料の固溶上限値以下の範囲で固溶していることを特徴とする耐食性鉄鋼材料が記載されている。
特開2018-44212号公報
金属部材を他の部材と接合して接合構造体として用いる場合がある。このような接合構造体には、防錆性だけでなく、金属部材と他の部材との良好な接合性も求められる。
ここで、金属部材に対して酸処理やアルカリ処理等のエッチング処理をおこない、金属部材表面に微細凹凸構造を付与することによって、金属部材と他の部材との接合性を向上させることが可能であった。しかし、防錆性を付与するために、エッチング処理後に亜鉛メッキ処理等の防錆処理をおこなうと、金属部材表面に形成された微細凹凸構造が平坦になってしまい、金属部材と他の部材との接合性が低下してしまう。また、金属部材と他の部材とを接合させた後に、亜鉛メッキ処理等の防錆処理をおこなうと、工程煩雑化(コストアップ)や、他の部材に変質や分解が起きたり、接合性が低下したりしてしまう場合があった。
すなわち、従来の接合構造体には、防錆性および接合性を両立するという観点において、改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、防錆性を有するとともに接合性が良好な接合構造体を提供するものである。
金属部材表面に窒化物層を形成する工程があるが、その際に表面に凹凸構造が生じ、最終的にはその凹凸構造を埋める工程が存在する。
一方で、本発明者らの検討によれば、窒化処理した金属部材の表面に形成された凹凸構造を残したまま、金属部材と他の部材とを接合した場合、金属部材と他の部材との接合性が良好になることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、以下に示す接合構造体および金属部材が提供される。
[1]
金属部材(A)と、上記金属部材(A)に接合され、かつ、上記金属部材(A)とは異なる部材(B)と、を備える接合構造体であって、
上記金属部材(A)の表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
上記窒化物層は、少なくとも上記金属部材(A)と上記部材(B)との接合部に位置する接合構造体。
[2]
上記[1]に記載の接合構造体において、
上記金属部材(A)が鉄系金属部材およびチタン系金属部材から選択される少なくとも一種を含む接合構造体。
[3]
上記[1]または[2]に記載の接合構造体において、
上記窒化物層の平均厚みが1μm以上50μm以下である接合構造体。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の接合構造体において、
上記金属部材(A)は上記窒化物層上に酸化物皮膜をさらに有する接合構造体。
[5]
上記[4]に記載の接合構造体において、
上記酸化物皮膜の平均厚みが0.1μm以上1.0μm以下である接合構造体。
[6]
上記[4]または[5]に記載の接合構造体において、
上記酸化物皮膜が酸化鉄を含む接合構造体。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の接合構造体において、
ISO25178に準拠して測定される上記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下である接合構造体。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の接合構造体において、
ISO25178に準拠して測定される上記窒化物層の最大高さ(Sz)が0.10μm以上30.0μm以下である接合構造体。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の接合構造体において、
上記部材(B)が防水性部材、防錆性部材、耐候性部材、絶縁性部材、気密性部材、耐ガスリーク性部材および加飾部材から選択される一種または二種以上の部材を含む接合構造体。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の接合構造体において、
上記部材(B)が、木材、石材、セメント部材、粘土、金属部材、樹脂部材、コンクリート部材およびモルタル部材から選択される少なくとも一種の部材を含む接合構造体。
[11]
上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載の接合構造体において、
上記部材(B)が塗膜である接合構造体。
[12]
金属部材(A)であって、上記金属部材(A)とは異なる部材(B)との接合のために用いられ、
表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
上記窒化物層は、少なくとも上記金属部材(A)と上記部材(B)との接合部に位置する金属部材。
[13]
上記[12]に記載の金属部材において、
上記金属部材(A)が鉄系金属部材およびチタン系金属部材から選択される少なくとも一種を含む金属部材。
[14]
上記[12]または[13]に記載の金属部材において、
上記窒化物層の平均厚みが1μm以上50μm以下である金属部材。
[15]
上記[12]乃至[14]のいずれか一つに記載の金属部材において、
上記金属部材(A)は上記窒化物層上に酸化物皮膜をさらに有する金属部材。
[16]
上記[15]に記載の金属部材において、
上記酸化物皮膜の平均厚みが0.1μm以上1.0μm以下である金属部材。
[17]
上記[15]または[16]に記載の金属部材において、
上記酸化物皮膜が酸化鉄を含む金属部材。
[18]
上記[12]乃至[17]のいずれか一つに記載の金属部材において、
ISO25178に準拠して測定される上記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下である金属部材。
[19]
上記[12]乃至[18]のいずれか一つに記載の金属部材において、
ISO25178に準拠して測定される上記窒化物層の最大高さ(Sz)が0.10μm以上30.0μm以下である金属部材。
本発明によれば、防錆性を有するとともに接合性が良好な接合構造体を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。なお、文中の数字範囲を示す「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
1.接合構造体
本実施形態に係る接合構造体は、金属部材(A)と、金属部材(A)に接合され、かつ、金属部材(A)とは異なる部材(B)と、を備える接合構造体であって、金属部材(A)の表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、窒化物層は、少なくとも金属部材(A)と部材(B)との接合部に位置する。ここで、窒化物層は窒素原子が金属部材表面に拡散することで形成される化合物層である。後述するように当該化合物層の表面に微細凹凸構造が形成されることにより、金属部材(A)と部材(B)との接合強度の向上に寄与することになる。
本実施形態に係る接合構造体は、金属部材(A)の表面には防錆性を有する窒化物層が形成されているため、本実施形態に係る接合構造体に防錆性を付与することが可能である。
ここで、窒化物層は、金属部材(A)の表面の一部または全部を覆うように形成されていればよいが、本実施形態に係る接合構造体の金属部材(A)部分の防錆性をより良好にする観点から、窒化物層は、金属部材(A)の表面全体を覆うように形成されていることが好ましい。
また、本実施形態において、部材(B)が塗膜であり、金属部材(A)上に塗膜が形成されている場合も、金属部材(A)と部材(B)が接合していると呼ぶ。
金属部材(A)の表面には、部材(B)との間の接合強度の向上に寄与する微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されているため、基本的には接着剤を使用しなくても金属部材(A)と部材(B)との間の接合性確保が可能となる。
具体的には金属部材(A)の表面に形成された窒化物層の微細凹凸構造の中に部材(B)の一部が進入することによって、金属部材(A)と部材(B)との間に物理的な抵抗力(アンカー効果)が効果的に発現し、金属部材(A)と部材(B)との接合強度を良好にできる。すなわち、本実施形態に係る接合構造体の好ましい一態様として、部材(B)は窒化物層を介して金属部材(A)と接合している態様が挙げられる。
また、本実施形態に係る接合構造体は、基本的には接着剤を使用しなくても金属部材(A)と部材(B)との間の接合性確保が可能であるが、必要に応じて金属部材(A)と部材(B)との間に接着剤層(C)をさらに備えてもよい。
この場合、金属部材(A)と部材(B)との間の少なくとも一部に接着剤層(C)が設けられていてもよいし、金属部材(A)と部材(B)との間の全体に接着剤層(C)が設けられていてもよい。
本実施形態に係る接合構造体が接着剤層(C)をさらに備える場合、部材(B)の少なくとも一部は接着剤層(C)を介して金属部材(A)と接合している。また、接着剤層(C)の少なくとも一部が、金属部材(A)の表面に形成された窒化物層の微細凹凸構造の中に進入することによって、金属部材(A)と接着剤層(C)とが接着していることが好ましい。これにより、金属部材(A)と接着剤層(C)との接着力をより一層良好にでき、その結果、金属部材(A)と部材(B)との接合性をより一層良好にすることができる。
本実施形態に係る接合構造体は、金属部材(A)と部材(B)との接合性が良好であるため、金属部材(A)と部材(B)との接合部への水分や湿気の浸入を防ぐこともできる。つまり、本実施形態に係る接合構造体の接合部における気密性や水密性を向上させることもできる。
以下、金属部材(A)、部材(B)、および接着剤層(C)について説明する。
<金属部材(A)>
本実施形態に係る金属部材(A)は、金属部材(A)とは異なる部材(B)との接合のために用いられるものであり、表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、上記窒化物層は、少なくとも金属部材(A)と部材(B)との接合部に位置する。
本実施形態に係る金属部材(A)とは金属材料により構成された部品材のことを示す。
金属部材(A)としては特に限定されないが、例えば、鉄系金属部材(鉄部材、鉄合金部材、鉄鋼部材、ステンレス鋼部材等)、チタン系金属部材(チタン部材、チタン合金部材等)、アルミニウム系金属部材(アルミニウム部材、アルミニウム合金部材等)、マグネシウム系金属部材(マグネシウム部材、マグネシウム合金部材等)、銅系金属部材(銅部材、銅合金部材等)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、高強度の点から、鉄系金属部材およびチタン系金属部材から選択される少なくとも一種が好ましく、防錆能がより一層求められる点から、鉄系金属部材がより好ましい。
上記金属は用途に応じて最適の金属が選択される。例えば、ノートパソコン筐体等のように軽量性が重視される用途においては、JIS H4000に規定された合金番号1050、2014、3003、5052、6063、7075等のアルミニウム系金属、あるいはAZ91、AZ80、AZ91D、AS21等のマグネシウム系金属が用いられ、自動車等の機械特性が重要視される用途においては、SPCC、SPHC、SAPH、SPFHに代表される圧延軟鋼、ステンレス鋼に代表される鉄系金属が用いられる。
鉄系金属部材を構成する鉄系材料としては、例えば、鉄、鉄鋼材、ステンレス鋼、鉄とアルミニウムとの合金、鉄とチタンとの合金、鉄とマグネシウムとの合金等が挙げられ、これらの中でも、鉄鋼材、ステンレス鋼が好ましく、鉄鋼材として、SS、SCM、SPCC、炭素鋼が好ましい。
金属部材(A)の形状は、部材(B)と接合できる形状であれば特に限定されず、例えば、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができる。また、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。
金属部材(A)は、金属材料を切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研磨、放電加工等の除肉加工によって上述した所定の形状に加工された後に、後述する窒化処理がなされたものが好ましい。要するに、種々の加工法により、必要な形状に加工されたものを用いることが好ましい。
本実施形態において金属部材(A)の表面には微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されている。ここで、微細凹凸構造は、窒化物層の表層のみ形成されていてもよいし、窒化物層の全体にわたって形成されていてもよい。
微細凹凸構造を有する窒化物層の平均厚みは特に限定されないが、本実施形態に係る接合構造体における金属部材(A)部分の防錆能をより高めつつ、金属部材(A)と部材(B)との接合強度をより向上させる観点から、1μm以上50μm以下が好ましく、2μm以上30μm以下がより好ましく、5μm以上20μm以下がさらに好ましい。
また、金属部材(A)が鉄系金属部材の場合、本実施形態に係る窒化物層は、例えば、Fe-N-C系を主体とする化合物層である。
上記微細凹凸構造は、金属部材(A)と部材(B)とをより一層強固に接合する観点から、間隔周期が0.01μm以上500μm以下であることが好ましい。
上記微細凹凸構造の間隔周期は凸部から隣接する凸部までの距離の平均値であり、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から求めることができる。
具体的には、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡により、金属部材(A)の表面を撮影する。その写真から、任意の凸部を50個選択し、それらの凸部から隣接する凸部までの距離をそれぞれ測定する。凸部から隣接する凸部までの距離の全てを積算して50で除したものを間隔周期とする。
上記微細凹凸構造の間隔周期は、好ましくは0.02μm以上100μm以下、より好ましくは0.05μm以上50μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上20μm以下、特に好ましくは0.10μm以上10μm以下である。
上記微細凹凸構造の間隔周期が上記下限値以上であると、上記微細凹凸構造の凹部に部材(B)がより多く進入することができ、金属部材(A)と部材(B)との接合強度をより向上させることができる。また、上記微細凹凸構造の間隔周期が上記上限値以下であると、金属部材(A)と部材(B)との接合部に隙間が生じることをより一層抑制できる。その結果、金属部材(A)と部材(B)との接合部の隙間から水分等の不純物が浸入することを抑制できるため、本実施形態に係る接合構造体を高温、高湿下で用いた際、強度が低下することを抑制できる。
金属部材(A)と部材(B)との接合強度をより一層向上させる観点から、JIS B0601:2001に準拠して測定される、微細凹凸構造を有する窒化物層の算術平均粗さ(Ra)が好ましくは0.2μm以上1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上0.8μm以下である。
金属部材(A)と部材(B)との接合強度をより一層向上させる観点から、ISO25178に準拠して測定される、窒化物層の算術平均高さ(Sa)が好ましくは0.10μm以上10.0μm以下であり、より好ましくは0.30μm以上8.0μm以下であり、さらに好ましくは0.45μm以上7.0μm以下であり、さらにより好ましくは0.55μm以上5.0μm以下である。
金属部材(A)と部材(B)との接合強度をより一層向上させる観点から、ISO25178に準拠して測定される窒化物層の最大高さ(Sz)が好ましくは0.10μm以上30.0μm以下であり、より好ましくは1.0μm以上25.0μm以下、さらに好ましくは2.0μm以上20.0μm以下、さらにより好ましくは4.0μm以上20.0μm以下である。
本実施形態に係る窒化物層の表面硬度は、耐摩耗性の観点から、Hv300以上であることが好ましい。また、本実施形態に係る窒化物層の表面硬度は、金属部材(A)の種類によって大きく変化するものであり、クラックや欠け等を防止し、かつ経済性等の観点から、例えば、金属部材(A)の種類が鉄系金属部材であり、SS400系鉄鋼材の場合ではHv350~900、好ましくはHv500~800であり、SCM440系鉄鋼材の場合ではHV600~1000、好ましくはHV700~900であり、ステンレス鋼ではHv800~1200、好ましくはHV900~1100であることが好ましい。なお、上記例示の素材は本実施形態に係る金属材料の一例であり、接合構造体として用いられる金属材料であれば幅広く用いることができる。
ここで、本実施形態に係る窒化物層の表面硬度はビッカース硬度(HV)を意味し、JIS Z2244(2009)に規定されるビッカース硬さ試験-試験方法に基づいて、試験片にダイヤモンド圧子を押し込む方法で測定したときの値である。
また、金属部材(A)における窒化物層の表面には、金属部材(A)の防錆性(耐腐食性)をさらに向上させる観点から、酸化物皮膜が形成されていてもよい。酸化物皮膜の平均厚みは、例えば、0.1μm以上1.0μm以下である。また、金属部材(A)が鉄系金属部材の場合、上記酸化物皮膜は、例えば、マグネタイト等の酸化鉄からなる。
<部材(B)>
本実施形態に係る部材(B)は特に限定されず、例えば、公知の材料を用いることができる。より具体的には、部材(B)としては、木材、石材、セメント部材、粘土、金属部材、樹脂部材、コンクリート部材、モルタル部材等が挙げられる。
これらの部材は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
金属部材(A)と部材(B)との接合方法は、部材(B)の種類により適宜調整することができる。例えば、部材(B)が樹脂により構成されている場合は、上述の金属部材(A)と部材(B)との間のアンカー効果により、金属部材(A)と部材(B)とを接合させることができる。また、部材(B)として、金属部材を用いる場合、金属部材(A)と部材(B)との間に接着剤層(C)を設けることによって、金属部材(A)と部材(B)とを接合することができる。さらに、金属部材(A)に特殊な機能、例えば絶縁性などを付与したい場合は、金属部材(A)を公知の方法により絶縁処理(後述する絶縁性塗膜)を行ったうえで、接着剤(C)を設けることにより、金属部材(A)と部材(B)とを接合することができる。
樹脂部材は熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成される。樹脂組成物は、樹脂成分として熱可塑性樹脂と、必要に応じて充填材とを含む。さらに、樹脂組成物は必要に応じてその他の配合剤を含む。なお、便宜上、樹脂部材が熱可塑性樹脂のみからなる場合であっても、樹脂部材は熱可塑性樹脂組成物により構成されると記載する。
熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のポリメタクリル系樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂等のポリアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール-ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、無水マレイン酸-スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマー、アミノポリアクリルアミド樹脂、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS)、ACS、AES、AS、ASA、MBS、エチレン-塩化ビニルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニルグラフトポリマー、エチレン-ビニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、カルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ノルボルネン樹脂、フッ素プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素化エチレンポリプロピレン樹脂、PFA、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリパラメチルスチレン樹脂、ポリアリルアミン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、オリゴエステルアクリレート、キシレン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリヒドロキシブチレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグルタミン酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合体樹脂等が挙げられる。
樹脂部材の機械的強度を向上させる観点から、樹脂組成物は、上記の熱可塑性樹脂に各種繊維を配合した繊維強化樹脂(FRP)を含むことが好ましい。繊維強化樹脂を構成する繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、セラミック繊維、金属繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アスベスト繊維、ロックウール繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、セルロース繊維強化樹脂などが挙げられる。
また、金属部材(A)と樹脂部材との線膨張係数差の調整や樹脂部材の機械的強度を向上させる観点から、樹脂組成物は、充填材をさらに含んでもよい。
充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース繊維などの各種繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラルからなる群から一種または二種以上を選ぶことができる。これらのうち、好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、ミネラルから選択される一種または二種以上である。
また、樹脂組成物には、個々の機能を付与する目的でその他の配合剤を含んでもよい。このような配合剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等が挙げられる。
また、本実施形態に係る部材(B)は塗膜であってもよい。上記塗膜は、例えば、市販の各種塗料を用いることができる。
上記塗料の種類としては、大きく分けて、油性塗料と水性塗料がある。油性塗料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂等の樹脂を有機溶媒に溶解したものが挙げられる。水性塗料としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、生分解性樹脂等の樹脂を水中に懸濁させたものが挙げられる。
上記塗膜は、上記油性塗料もしくは水性塗料のいずれから形成されるものであってもよい。このような塗膜によって本実施形態に係る接合構造体に対して、例えば、防水性、防錆性、耐候性、絶縁性、気密性、耐ガスリーク性、加飾等を付与することができる。
上記塗膜の厚みは特に限定されず、具体的な用途に応じて適宜調整することができる。
また、上記のような性質をより一層高めるために、さらに表面処理を行うことができる。例えば、絶縁性塗膜のみでは必要とする絶縁効果に達しない場合は、更に表面処理を行い、絶縁性を向上させることができる。このような表面処理工程は、塗膜形成前或いは後に必要に応じて適宜調整することが可能である。
また、上記塗膜は、例えば、無機物粒子により構成された無機物粒子層であってもよい。無機物粒子層は、接合部断面の元素マッピング分析法によって、その存在を確認することができる。具体的には、イオンミリング法による接合部断面の切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)による反射電子像の獲得およびエネルギー分散型X線分析(EDS)を行うことによって無機物粒子層を検知することができる。
本実施形態に係る無機物粒子層を構成する無機物粒子は特に限定されないが、一次粒子の平均粒子径が好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは1nm以上70nm以下、さらに好ましくは1nm以上50nm以下、さらにより好ましくは1nm以上30nm以下、特に好ましくは1nm超え20nm未満のナノ粒子であり、一次粒子が数個~数百個凝集した二次粒子構造となっていてもよい。
無機物粒子層を構成する無機物粒子の平均粒子径は、例えば、金属部材(A)と部材(B)の接合部の断面電子顕微鏡(TEMやSEM)によって測定することができる。
無機物粒子の平均粒子径が上記下限値以上であると、金属部材(A)上の微細凹凸構造に無機物粒子層を形成する際に用いられる分散液中の無機物粒子間の凝集による作業性低下を抑制することができる。
また、無機物粒子の平均粒子径が上記上限値以下であると、金属部材(A)上の微細凹凸構造の凹部と凸部の平均高低差がnmオーダーと小さな場合においても本実施形態の接合強度向上効果を十分に発現させることができる。
また、無機物粒子の平均粒子径は金属部材(A)上の微細凹凸構造の凹部と凸部の平均高低差よりも小さいことが好ましい。
無機物粒子層は特に限定されないが、例えば、無機物粒子の凝集体(二次粒子)により形成される層である。無機物粒子層の平均厚みは好ましくは1nm以上400nm以下、より好ましくは1nm以上300nm以下、さらに好ましくは1nm以上250nm以下、特に好ましくは1nm超え200nm未満である。
無機物粒子層の平均厚みは、例えば、接合構造体の任意の3点の接合部の断面をSEM/EDSを用いて観察し、得られた各SEM/EDS画像から測定される厚みを平均した値を採用することができる。
無機物粒子層の平均厚みが上記範囲内であると、接合構造体の接合強度をより一層向上させることができる。
また、無機物粒子層の平均厚みは金属部材(A)上の接合構造体の凹部と凸部の平均高低差よりも薄いことが好ましい。
本実施形態に係る無機物粒子層を構成する無機物粒子としては特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、酸化スズ粒子、ナノダイヤ粒子、ジルコニア粒子、酸化ニオブ粒子、酸化鉄粒子、アルミナ粒子、カーボンナノファイバー等を用いることができる。
これらの中でもシリカ粒子が好ましい。
ここで、無機物粒子層がシリカ粒子を含む場合、無機物粒子層の全体を100質量%としたとき、シリカ粒子以外の無機物粒子の含有量は、例えば60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
金属部材(A)の表面には微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されているため、該凹部に塗料が進入して塗膜を形成するので、金属との密着性が高く、その結果として剥がれにくい状況になることが期待できる。
また、本実施形態に係る部材(B)を機能の面から分類すると、部材(B)としては、例えば、防水性部材、防錆性部材、耐候性部材、絶縁性部材、気密性部材、耐ガスリーク性部材および加飾部材等が挙げられる。これらの部材(B)は一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
<接着剤層(C)>
本実施形態に係る接着剤層(C)は特に限定されず、例えば、公知の接着剤を用いることができる。より具体的には、接着剤層(C)を構成する接着剤としては、フェノール系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、石油樹脂等のホットメルト系接着剤等が挙げられる。
これらの接着剤は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
2.接合構造体の製造方法
本実施形態に係る接合構造体の製造方法は、金属部材の表面の少なくとも一部を窒化処理することにより、微細凹凸構造を有する窒化物層が表面の少なくとも一部に形成された金属部材(A)を作製する工程(a)と、金属部材(A)に部材(B)を接合させる工程(b)と、を備える。
工程(a)では、金属部材の表面の少なくとも一部を窒化処理することにより、微細凹凸構造を有する窒化物層が表面の少なくとも一部に形成された金属部材(A)を作製する。窒化処理は公知の窒化処理方法を用いることができる。このような窒化処理としては、例えば、塩浴窒化処理、塩浴軟窒化処理(タフトライド処理)、ガス窒化処理、ガス軟窒化処理、イオン窒化処理、プラズマ窒化処理等が挙げられる。
これらの窒化処理は一種類を単独でおこなってもよいし、二種類以上の処理を組み合わせておこなってもよい。
これらの窒化処理の中でも、部材(B)との間の接合強度の向上に寄与する微細凹凸構造を効果的に得ることができる点から、塩浴窒化処理および塩浴軟窒化処理が好ましい。
本実施形態に係る接合構造体の製造方法において、工程(a)の前に、金属部材に窒化処理以外の粗化処理をおこなってもよい。これにより、金属部材の表面に微細凹凸構造を付与できるため、金属部材と窒化物層との密着性をより一層良好にすることができる。
金属部材の粗化処理方法としては特に限定されず、公知の粗化処理方法を採用できる。例えば、NaOH等の無機塩基水溶液および/または塩酸、硝酸等の無機酸水溶液に金属部材を浸漬する方法;例えばダイヤモンド砥粒研削またはブラスト加工によって作製した凹凸を有する金型パンチをプレスすることにより金属部材表面に凹凸を形成する方法や、サンドブラスト、ローレット加工、レーザー加工により金属部材表面に凹凸形状を作製する方法等の機械的切削;陽極酸化法により金属部材を処理する方法、国際公開第2009/31632号パンフレットに開示されているような、水和ヒドラジン、アンモニア、及び水溶性アミン化合物から選ばれる1種以上の水溶液に金属部材を浸漬する方法;特許5129903号に記載されているように金属部材をクエン酸に浸漬させたのち過マンガン酸カリウム水溶液で処理する方法等が挙げられる。これらの方法は、使用する金属部材の金属種や、凹凸形状によって適宜使い分けて採用される。
本実施形態に係る接合構造体の製造方法において、工程(a)の前および/または後に、金属部材の洗浄処理をおこなってもよい。
例えば、金属部材に機械油等の著しい汚染がある場合は、工程(a)の前に水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液、希塩酸や硝酸水溶液等の無機酸水溶液、脱脂等によって洗浄処理を行なうことが好ましい。
また、工程(a)やその後の工程で金属部材に処理液や油等が付着した場合は、洗浄処理によって付着液や油を除去するのが好ましい。
また、工程(a)によってスマット等が生じた場合は、工程(a)の後に超音波洗浄等によってスマット等を除去することが好ましい。
また、本実施形態に係る接合構造体の製造方法において、工程(a)の後に、上記金属部材(A)に窒化処理以外の皮膜形成処理をおこなってもよい。このような皮膜形成処理としては、例えば、酸化物皮膜形成処理、防錆皮膜形成処理、化成皮膜形成処理、セラミック皮膜形成処理等が挙げられる。これらの皮膜形成処理は、公知の方法に基づいておこなうことができる。
工程(b)では、金属部材(A)に部材(B)を接合させる。
金属部材(A)に部材(B)を接合させる方法は特に限定されず、窒化物層を介して金属部材(A)に部材(B)を接合させる方法や、接着剤層(C)を介して金属部材(A)に部材(B)を接合させる方法等が挙げられる。
ここで、窒化物層を介して金属部材(A)に部材(B)を接合させる方法としては特に限定されず、公知の成形方法を採用できる。例えば、部材(B)の少なくとも一部が金属部材(A)における窒化物層と接するように、部材(B)を形成するための原材料を金属部材(A)が配置された型に流し込み、その後、原材料を所望の形状に固化することによって、窒化物層を介して金属部材(A)に部材(B)を接合させることができる。
また、接着剤層(C)を介して金属部材(A)に部材(B)を接合させる方法としては特に限定されず、公知の成形方法を採用できる。例えば、部材(B)の少なくとも一部が金属部材(A)の表面に付与された接着剤層(C)と接するように、部材(B)を形成するための原材料を金属部材(A)が配置された型に流し込み、その後、原材料を所望の形状に固化することによって、接着剤層(C)を介して金属部材(A)に部材(B)を接合させることができる。
3.接合構造体の用途
本実施形態に係る接合構造体は、生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、様々な用途に展開することが可能である。
さらに、本実施形態に係る接合構造体は、部材間の接着力、機械特性、防錆性、耐熱性、耐摩擦性、摺動性、気密性、水密性等に優れるとともに、例えば接合構造体を構造用部品として用いる場合は、構造部品中の金属部材使用量の削減による軽量化効果も享受できるので、これらの特性に応じた様々な用途に広範に用いることができる。
例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、建築部材、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等が挙げられる。
より具体的な用途例としては、樹脂だけでは強度が足りない部分を金属がサポートする様にデザインされた次のような用途である。車両関係では、インスツルメントパネル、コンソールボックス、ドアノブ、ドアトリム、シフトレバー、ペダル類、グローブボックス、バンパー、ボンネット、フェンダー、トランク、ドア、ルーフ、ピラー、座席シート、ラジエータ、オイルパン、ステアリングホイール、ECUボックス、電装部品等が挙げられる。また、建材や家具類として、ガラス窓枠、手すり、カーテンレール、たんす、引き出し、クローゼット、書棚、机、椅子等が挙げられる。また、精密電子部品類として、コネクタ、リレー、ギヤ等が挙げられる。また、輸送容器として、輸送コンテナ、スーツケース、トランク等が挙げられる。
また、金属部材(A)の高い熱伝導率と、部材(B)の断熱的性質とを組み合わせ、ヒートマネージメントを最適に設計する機器に使用される部品用途、例えば、各種家電にも用いることができる。具体的には、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、照明機器、電気湯沸かし器、テレビ、時計、換気扇、プロジェクター、スピーカー等の家電製品類、パソコン、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、充電器、電池等電子情報機器等が挙げられる。
これらについては、金属部材(A)の表面の微細凹凸構造によって表面積が増加するため、金属部材(A)と部材(B)との間の接触面積が増加し、接触界面の熱抵抗を低減させることができることに由来する。
その他の用途として、玩具、スポーツ用具、靴、サンダル、鞄、フォークやナイフ、スプーン、皿等の食器類、ボールペンやシャープペン、ファイル、バインダー等の文具類、フライパンや鍋、やかん、フライ返し、おたま、穴杓子、泡だて器、トング等の調理器具、リチウムイオン2次電池用部品、ロボット等が挙げられる。
以上、本実施形態に係る接合構造体の用途について述べたが、これらは本発明の用途の例示であり、上記以外の様々な用途に用いることもできる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

Claims (18)

  1. 金属部材(A)と、前記金属部材(A)に接合され、かつ、前記金属部材(A)とは異なる部材(B)と、を備える接合構造体であって、
    前記金属部材(A)の表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
    前記窒化物層は、少なくとも前記金属部材(A)と前記部材(B)との接合部に位置する接合構造体であり、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下であり、
    前記部材(B)が防水性部材、防錆性部材、耐候性部材、絶縁性部材、気密性部材、耐ガスリーク性部材および加飾部材から選択される一種または二種以上の部材を含む接合構造体。
  2. 金属部材(A)と、前記金属部材(A)に接合され、かつ、前記金属部材(A)とは異なる部材(B)と、を備える接合構造体であって、
    前記金属部材(A)の表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
    前記窒化物層は、少なくとも前記金属部材(A)と前記部材(B)との接合部に位置する接合構造体であり、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下であり、
    前記部材(B)が、木材、石材、セメント部材、粘土部材、金属部材、樹脂部材、コンクリート部材およびモルタル部材から選択される少なくとも一種の部材を含む接合構造体。
  3. 金属部材(A)と、前記金属部材(A)に接合され、かつ、前記金属部材(A)とは異なる部材(B)と、を備える接合構造体であって、
    前記金属部材(A)の表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
    前記窒化物層は、少なくとも前記金属部材(A)と前記部材(B)との接合部に位置する接合構造体であり、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下であり、
    前記部材(B)が塗膜である接合構造体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接合構造体において、
    前記金属部材(A)が鉄系金属部材およびチタン系金属部材から選択される少なくとも一種を含む接合構造体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接合構造体において、
    前記窒化物層の平均厚みが1μm以上50μm以下である接合構造体。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の接合構造体において、
    前記金属部材(A)は前記窒化物層上に酸化物皮膜をさらに有する接合構造体。
  7. 請求項に記載の接合構造体において、
    前記酸化物皮膜の平均厚みが0.1μm以上1.0μm以下である接合構造体。
  8. 請求項またはに記載の接合構造体において、
    前記酸化物皮膜が酸化鉄を含む接合構造体。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の接合構造体において、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の最大高さ(Sz)が0.10μm以上30.0μm以下である接合構造体。
  10. 金属部材(A)であって、前記金属部材(A)とは異なる部材(B)との接合のために用いられ、
    表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
    前記窒化物層は、少なくとも前記金属部材(A)と前記部材(B)との接合部に位置する金属部材であり、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下であり、
    前記部材(B)が防水性部材、防錆性部材、耐候性部材、絶縁性部材、気密性部材、耐ガスリーク性部材および加飾部材から選択される一種または二種以上の部材を含む金属部材。
  11. 金属部材(A)であって、前記金属部材(A)とは異なる部材(B)との接合のために用いられ、
    表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
    前記窒化物層は、少なくとも前記金属部材(A)と前記部材(B)との接合部に位置する金属部材であり、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下であり、
    前記部材(B)が、木材、石材、セメント部材、粘土部材、金属部材、樹脂部材、コンクリート部材およびモルタル部材から選択される少なくとも一種の部材を含む金属部材。
  12. 金属部材(A)であって、前記金属部材(A)とは異なる部材(B)との接合のために用いられ、
    表面の少なくとも一部に微細凹凸構造を有する窒化物層が形成されており、
    前記窒化物層は、少なくとも前記金属部材(A)と前記部材(B)との接合部に位置する金属部材であり、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の算術平均高さ(Sa)が0.10μm以上10.0μm以下であり、
    前記部材(B)が塗膜である金属部材。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一項に記載の金属部材において、
    前記金属部材(A)が鉄系金属部材およびチタン系金属部材から選択される少なくとも一種を含む金属部材。
  14. 請求項10乃至13のいずれか一項に記載の金属部材において、
    前記窒化物層の平均厚みが1μm以上50μm以下である金属部材。
  15. 請求項10乃至14のいずれか一項に記載の金属部材において、
    前記金属部材(A)は前記窒化物層上に酸化物皮膜をさらに有する金属部材。
  16. 請求項15に記載の金属部材において、
    前記酸化物皮膜の平均厚みが0.1μm以上1.0μm以下である金属部材。
  17. 請求項15または16に記載の金属部材において、
    前記酸化物皮膜が酸化鉄を含む金属部材。
  18. 請求項10乃至17のいずれか一項に記載の金属部材において、
    ISO25178に準拠して測定される前記窒化物層の最大高さ(Sz)が0.10μm以上30.0μm以下である金属部材。
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